JPH0327094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、バツクホーの走行部と、左右旋回
自在の機体フレームとの間に配設すべき油圧モー
ター及びその減速機構と、スイベルジヨイントを
一体に構成したバツクホーの旋回用油圧ユニツト
に関するものである。

(ロ) 従来の技術 従来、バツクホーの走行部と機体フレームとの
間には、機体フレームを旋回自在に支持するため
に走行部に略円筒形状の旋回基台を立設して、同
基台の上端縁に機体フレームを軸支し、同基台の
上端内周縁に内歯歯車を連設し、同歯車に旋回用
の油圧モーターと連動連結した減速機構の出力小
歯車を噛合せしめて、同モーターの回動により機
体フレームを旋回すべく構成し、更に、機体フレ
ームに搭載した原動機部から走行部への油圧伝達
のために機体フレームの旋回中心線上にスイベル
ジヨイントが介設されていた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 そのため構造が複雑となり、しかも油圧モータ
ー、減速機構及びスイベルジヨントを、各個別に
位置を設定して取付ける必要が生じて組立作業が
煩雑となり、更には、大径の内歯歯車の製造コス
トがかさみ、また同歯車のカバーが困難であるた
め同歯車に土砂塵芥が付着して摩耗を促進する等
の欠点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この考案では、上記の油圧モーター、減速機構
及びスイベルジヨイントを一体に構成したバツク
ホーの旋回用油圧ユニツトを提供せんとするもの
である。

(ホ) 作用 上記のように、旋回用油圧ユニツトを構成する
ことにより、バツクホーの走行部と機体フレーム
の間に介設すべき油圧モーターとその減速機構及
びスイベルジヨイント等の油圧関係のすべての機
器が一個のユニツトに集約されている。

(ヘ) 効果 この考案によれば、旋回用油圧ユニツトを上記
のように構成したので、走行部と機体フレーム間
に介設する油圧機器が一個の同ユニツトで事足
り、構造が簡単になつて組立作業が簡易になると
共に、製作に繁雑な工数を要する内歯歯車が不要
となつてコストダウンができ、かつ同歯車の摩耗
問題が回避されるという効果がある。

(ト) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａはバツクホーを示し、油圧駆動のクローラ走行
装置１を装備した走行部２の略中央部に旋回基台
３を立設し、同基台３の上面に回転台４を旋回自
在に載置し、同回転台４に機体フレーム５を設
け、同フレーム５の後部には、油圧ポンプ６を内
蔵した原動機部７を搭載し、同フレーム５の前部
左側に運転部８、同右側に作動油タンク９を配設
し、同フレーム５前端中央部に突設したブラケツ
ト１０を介して、掘削作業部Ｂの基端たるブーム
支持体１１を左右回動自在に枢着し、同支持体１
１に後方からブーム１２、アーム１３及びバケツ
ト１４の順に連設し、それぞれに配設したブー
ム、アーム、バケツト油圧シリンダ１２′，１
３′，１４′により上下回動させて掘削作業を遂行
すべく構成している。なお、旋回基台３の前側面
には、排土作業のための昇降自在の排土板１５及
び同板１５昇降作動のための油圧シリンダが配設
されている。

走行部２に立設した旋回基台３と旋回自在の回
転台４の間には、旋回用油圧ユニツトＵが介設さ
れており、同ユニツトＵは、走行部の旋回基台３
と、機体フレームの回転台４との間に介設される
旋回用油圧モーターと、旋回用の減速機構と、回
転台４側から旋回基台３側への油圧伝達のための
スイベルジヨイントとを一体のユニツトとして構
成したものである。すなわち、回転台４の下方に
旋回中心線Ｃと同芯に斜板式の旋回用油圧モータ
ーＭを配設し、同モーターＭの外側ケースたる外
殻１６をモーター基台１７を介した回転台４に連
設している。

なお、油圧モーターＭは、同外殻１６の内部に
回転軸１９を垂設し、同軸１９の端面には油圧ポ
ンプ６からの油圧を介して伸縮作動するプランジ
ヤ１８が配設され、同プランジヤ１８に連設した
プツシユロツト２１の端部を外殻１６の内底面に
形成した斜板ベアリング２２に当接して、プラン
ジヤ１８の伸縮作動によつて回転軸１９の回転作
動を促すように構成しており、２０はプランジヤ
１８への油路を形成すべく設けたバルブ板であ
る。

旋回用油圧モーターＭの回転軸１９の下端には
出力軸としてのモーター軸２６が形成されてお
り、同軸２６下端には遊星歯車式の減速機構Ｇが
連設されており、同機構Ｇは、モーター軸２６下
端部に一体に形成したサンギヤ２７と、ハブ２３
の下端面に連設した同機構Ｇのカバー２８の内周
面に形成したリングギヤ２９との間に遊星ギヤ３
０を介在噛合せしめ、同ギヤ３０の軸芯３０′を
油圧モーターＭの外側ケースたる外殻１６に軸支
せしめて、回転軸１９の回転を減速して、外殻１
６に一体に連設した回転台４を回転作動せしめる
ものである。

なお、３１は遊星ギヤ３０の軸支補強のための
ケージを示し、３２はモーター基台１７上面に連
設した油圧ブレーキ機構３３、クツシヨン機構を
一体に構成した付属油圧回路を示すものであり、
旋回油圧モーターＭには、油圧ホース３４，３
４′を介して油圧が供給されるものである。

また、旋回基台３に対し回転作動する回転台４
側から走行フレーム２−１の旋回基台３側へ油圧
伝達を行うスイベルジヨイントＪは次の如く構成
される。

すなわち、旋回用油圧モーターＭの外殻１６の
外周面１６−１を円柱形状に形成し、同外周面１
６−１には走行部２の走行フレーム２−１に立設
したスイベルジヨイントＪのハブ２３の内周面２
３−１が外嵌しており、外殻外周面１６−１及び
ハブ内周面２３−１に形成した油溝２４を介して
機体フレーム５側の油圧ホース２５と走行部２側
の油圧ホース２５′とを外殻１６とハブ２３の相
対回動にかかわらず連通連結しており、本実施例
では、クローラ走行装置１に配設した左右走行用
油圧モーター及び排土板１５昇降作動用の油圧シ
リンダ、計３個の油圧アクチユエータの往復路と
しての６個の油路が構成されている。

また、旋回基台３前側面に配設した排土板１５
昇降作動用の油圧シリンダへの配管３５は、同基
台３の内部から外部へ挿通しており、配管３５の
保護及び基台３内部への土砂侵入防止のために、
配管３５を挿通するためのパイプ３６を挿通し、
同パイプ３６と同パイプ３６挿通個所の旋回基台
３との接合面を内外全周隅肉溶接Ｗして同基台３
の強度低下を防ぎつつ配管３５を保護し、配管３
５とパイプ３６の外側端との間に断面略Ｌ字形環
状のグロメツト３７を介設し、同グロメツト３７
の外方に配管３５が挿通した配管ステー３８を配
設し、同ステー３８下端を取付座３９を介して同
基台３外側面に固定しており、特に、グロメツト
３７の外側端面と配管ステー３８の内側面との間
隙ａよりも、同グロメツト３７のパイプ３６への
挿入深さｂを長くして同グロメツト３７の脱落を
防止している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による旋回用油圧ユニツトの
縦断面図、第２図は、第１図−断面図、第３
図は、第１図−断面図、第４図は、第１図
−断面図、第５図は、本考案の旋回用油圧ユニ
ツトを有するバツクホーの全体側面図、第６図
は、配管取付構造を示す断面図。 Ａ……バツクホー、Ｇ……減速機構、Ｊ……ス
イベルジヨイント、２……走行部、５……機体フ
レーム、６……油圧ポンプ、７……原動機部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行フレーム２−１の旋回基台３上に、機体フ
   レーム５の回転台４を旋回自在に載置して、走行
   部２上で機体フレーム５が旋回自在に構成したバ
   ツクホーＡにおいて、回転台４の下方に旋回用油
   圧モーターＭを配設し、同モーターＭの出力軸た
   る回転軸１９に減速機構Ｇを連動連結し、同機構
   Ｇを介して回転台４の回転を行うべく構成すると
   共に、走行フレーム２−１に設けたハブ２３に油
   圧モーターＭの外側ケースたる外殻１６を装着し
   て、同ハブ２３と外殻１６とによつてスイベルジ
   ヨイントＪを構成することにより、旋回用油圧モ
   ーターＭと、減速機構Ｇと、スイベルジヨイント
   Ｊとを一体のユニツトに構成してなるバツクホー
   の旋回用油圧ユニツト。