JPS6233817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はシヨベルおよびトラツククレーンな
どの建設機械に関する。

たとえば、建設機械にはシヨベルがある。この
シヨベルは車体に対して起伏可能なブームおよび
ブームの先端に回動可能に取付けられたアームを
備えるとともに、通常時には上記アームの先端に
回動可能なバケツトを取付けることにより、この
バケツトでもつて掘削作業を行うものである。と
ころで、上記シヨベルにおいては近年、本来のバ
ケツトによる掘削作業のみならず、他の掘削作業
たとえばバケツトの代わりにオーガドリルを用い
て地面に穴を掘ることができるようにするなど、
多目的に適用できるものが望まれている。このた
め、従来は上記アームの先端に油圧モータおよび
減速機構からなる駆動ユニツトが着脱可能に連結
できるように構成されている。そして、駆動ユニ
ツトの下端には嵌入された軸受を介して支持され
るとともに駆動ユニツトの駆動軸に連結された連
結部材が取付けられており、上記オーガドリルは
連結部材の下端に着脱可能に連結されて吊持され
るものである。しかし、このような従来構造のも
のにあつては上記軸受が外部に露出して取付けら
れるものであつたため、穴掘作業中、深掘をする
ような場合には掘削した土砂が上記軸受に侵入し
てしまい、軸受を損傷する不具合があつた。

この考案はこのような事情にもとづいてなされ
たもので、その目的とするところは、オーガドリ
ルによる穴掘作業中、掘削した土砂が駆動ユニツ
トの軸受等に侵入されないようにして、上記軸受
等の損傷を防止することのできる建設機械を提供
することにある。

すなわち、この考案はブームの先端側に、基台
を介し油圧モータの回転を伝達機構によつて伝達
してこれら油圧モータおよび伝達機構を収容した
ユニツトケーシングを回転駆動可能とした駆動ユ
ニツトを着脱可能に連結し、この駆動ユニツトの
ユニツトケーシングに連結部材を連結して上記ケ
ーシングとともに回転駆動可能に構成するととも
に、連結部材の下端にオーガドリルを着脱可能に
連結したことを特徴とするものである。

以下この考案の一実施例を図面にもとづき説明
する。

第１図は建設機械の中のシヨベルを示したもの
で、図中１はシヨベルの車体である。この車体１
は左右に一対のフレーム２，２を備えてなり、こ
れらフレーム２，２にはクローラ３，３がそれぞ
れ掛け渡されている。そして、上記車体１には施
回台４が設けられている。この施回台４上にはブ
ーム５が起伏自在に枢支されているとともに、ブ
ーム５の先端には回動ピン６を介してアーム７が
回動自在に取付けられている。また、ブーム５お
よびアーム７はそれぞれ油圧シリンダからなる起
伏シリンダ８およびアームシリンダ９によつて作
動されるものである。なお、１０は運転席、１１
はエンジンルーム、１２はカウンタウエイトであ
る。

ところで、上記アーム７の先端には通常、リン
クを介してバケツトが回動自在に取付けられ、ま
た油圧シリンダからなるバケツトシリンダによつ
てバケツトは作動されるものであるが、この一実
施例においては上記ブーム５の先端側すなわちア
ーム７の先端に駆動アタツチメント１３を介して
オーガドリル１４が取付けられている。

以下に第２図を参照して駆動アタツチメント１
３の構成を説明する。

第２図中２０は基台である。この基台２０は連
結ヘツド２１と連結ベース２２とからなり、連結
ヘツド２１は枢支ピン２３を介しアーム７の先端
に着脱可能に連結されている。また、連結ベース
２２は連結ヘツド２１の下端にピン２４を介して
回動自在に取付けられているとともに、連結ベー
ス２２の回動方向は連結ヘツド２１の回動方向と
直交するように構成されている。そして、連結ベ
ース２２の下端には駆動ユニツト２５が配設され
ている。この駆動ユニツト２５はたとえばアキシ
ヤルピストン式の油圧モータ２６を備えてなり、
油圧モータ２６はそのモータケーシング２７のフ
ランジ２７ａと連結ベース２２とを固定ボルト２
８…によつて連結することにより、連結ベース２
２に支持されている。なお、２６ａ，２６ｂは油
圧モータ２６への送油および戻り配管であり、油
圧モータ２６への送油は車体１側からなされるよ
うになつている。そして、上記油圧モータ２６の
モータケーシング２７にはこのモータケーシング
２７を軸としたユニツトケーシング２９が軸受３
０，３０を介して回転自在に支持されている。し
たがつて、油圧モータ２６はユニツトケーシング
２９内に収容されるようになつている。また、ユ
ニツトケーシング２９内には油圧モータ２６の回
転を伝達して上記ユニツトケーシング２９を回転
駆動する伝達機構たとえば遊星歯車減速機構３１
が収容されている。この遊星歯車減速機構３１は
油圧モータ２６から軸受３２を介して導出された
駆動軸３３の前端に太陽歯車３４を固定してな
り、この太陽歯車３４は遊星歯車３５と噛合され
ている。この遊星歯車３５は回転軸３６に軸受３
７を介して回転自在に支持されており、また他方
で駆動リングギヤ３８と噛合されている。この駆
動リングギヤ３８はユニツトケーシング２９に固
定ボルト３９…およびその蓋４０によつて挾持さ
れて固定されている。

一方、回転軸３６はキヤリア４１に支持される
ものであり、このキヤリア４１はモータケーシン
グ２７と上記蓋４０その間に軸受４２，４２によ
つて回転自在となつている。そして、上記回転軸
３６上には遊星歯車３５と一体的に形成された歯
車４３が軸受３７を介して回転自在に支持されて
いるとともに、歯車４３は固定リングギヤ４４に
噛合されている。この固定リングギヤ４４は上記
モータケーシング２７の前部周面に形成した歯車
４５と噛合して固定されているものである。な
お、４６はシール部材である。

そして、上記構成の駆動ユニツト２５には連結
部材４７が取付けられている。この連結部材４７
は上部側で上記ユニツトケーシング２９を収容す
るようにしてこのユニツトケーシング２９のフラ
ンジ２９ａに固定ボルト４８…で固定され、ユニ
ツトケーシング２９の回転駆動に伴つて回転され
るようになつている。また、連結部材４７の下端
には上記オーガドリル１４の上端が連結ピン４９
を介して着脱可能に連結されて吊持されるように
構成されているものである。

上記構成のシヨベルはバケツトの代わりに駆動
アタツチメント１３を介してオーガドリル１４を
取付けた場合、駆動ユニツト２５の油圧モータ２
６に送油して油圧モータ２６を作動させる。そし
て、油圧モータ２６の駆動軸３３の回転を太陽歯
車３４、遊星歯車３５、歯車４３、固定リングギ
ヤ４４を介してキヤリア４１を回転駆動するとと
もに、このキヤリヤ４１の公転に伴いながら上記
遊星歯車３５を介して駆動リングギヤ３８すなわ
ちユニツトケーシング２９を最終的に減速して回
転駆動させる。そして、上記ユニツトケーシング
２９の回転駆動によつて、連結部材４７を介して
オーガドリル１４を回転駆動させることにより、
このオーガドリル１４による穴掘作業を行うもの
である。

このような構成による一実施例によれば、駆動
ユニツト２５のユニツトケーシング２９を回転駆
動させ、しかもこのユニツトケーシング２９を収
容するようにしてユニツトケーシング２９に連結
した連結部材４７を介することにより、オーガド
リル１４を回転駆動させるようにしたので、上記
駆動ユニツト２５内の各軸受等が外部に露出した
りすることはないとともに、上記ユニツトケーシ
ング２９と連結部材４７との連結に際して外部に
露出したりするような軸受を用いることもない。
よつて、オーガドリル１４による穴掘作業中、掘
削した土砂が上記軸受等に侵入したりすることは
なく、これら軸受等の損傷を防止できるものであ
る。また、このことから、上記軸受等への土砂の
侵入を恐れずに、オーガドリル１４の上端部近傍
まで有効に使用でき、深掘ができる。また、駆動
ユニツト２５は油圧モータ２６がアキシヤルピス
トン式のものであるから、この油圧モータ２６の
半径方向の幅を小さくして駆動ユニツト２５自体
すなわち駆動アタツチメント１３の幅を小形にで
きる。よつて、上記オーガドリル１４に小径のも
のを用いる場合でも、上記駆動アタツチメント１
３が邪魔にならずに深掘ができる。さらに、上記
駆動ユニツト２５はユニツトケーシング２９自体
が回転駆動輪に構成され、また上記油圧モータ２
６および遊星歯車減速機構３１が上記ユニツトケ
ーシング２９内に収容されているものであるか
ら、駆動ユニツト２５つまり駆動アタツチメント
１３の長さを短くできる。これにより、この分だ
けオーガドリル１４のスクリユー部を長くできる
ので、一層の深掘をなすことができる他、排出効
率を高めることができる。また、逆に上記スクリ
ユー部の長さを一定として考えれば、オーガドリ
ル１４の全長が短くて済むことから、シヨベルの
近傍において穴掘作業ができるとともに、シヨベ
ルの自重によるより大きな掘削反力を受けること
ができる利点も有する。

さらに、この一実施例によれば、駆動ユニツト
２５のユニツトケーシング２９自体を回転駆動さ
せるようにしたので、このユニツトケーシング２
９とともに一体的に回転駆動されるオーガドリル
１４の回転慣性力が大となり、掘削性能が一段と
向上する。また、上記ユニツトケーシング２９の
軸受３０，３０が大径なものとなるので、オーガ
ドリル１４に側方からの力が作用しても充分耐え
得ることができる効果も有するものである。

なお、この考案は上記一実施例に制約されるも
のではない。たとえば、この一実施例においては
建設機械としてシヨベルについて適用したものを
説明したが、シヨベルに限らずトラツククレーン
等の建設機械であつても適用できるものである。

以上詳述したようにこの考案は、ブームの先端
側に、基台を介し油圧モータの回転を伝達機構に
よつて伝達して、これら油圧モータおよび伝達機
構を収容したユニツトケーシングを回転駆動可能
とした駆動ユニツトを着脱可能に連結し、この駆
動ユニツトのユニツトケーシングに連結部材を連
結して上記ケーシングとともに回転駆動可能に構
成するとともに、連結部材の下端にオーガドリル
を着脱可能に連結したことを特徴とする。したが
つて、上記駆動ユニツトのユニツトケーシングを
回転駆動させるようにして、このユニツトケーシ
ングに上記連結部材を連結するようにしたので、
駆動ユニツト内の軸受等が外部に露出することも
なく、またユニツトケーシングと連結部材の連結
に際し、外部に露出する軸受を用いる必要もな
い。よつて、オーガドリルで掘削した土砂が上記
軸受等に侵入することはないので、土砂による軸
受等の損傷を防止できるなど、種々と優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はシ
ヨベルの側面図、第２図は第１図中部における
拡大断面図である。 １……車体、５……ブーム、７……アーム、１
４……オーガドリル、２０……基台、２５……駆
動ユニツト、２６……油圧モータ、２９……ユニ
ツトケーシング、３１……遊星歯車減速機構（伝
達機構）、４７……連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体と、この車体上に配設された起伏可能なブ
   ームと、このブームの先端側に着脱可能に連結さ
   れる基台と、この基台の下端に支持された油圧モ
   ータの回転を伝達機構を介してこれら油圧モータ
   および伝達機構を収容したユニツトケーシングに
   伝達することにより、このケーシングを回転駆動
   可能とした駆動ユニツトと、この駆動ユニツトの
   上記ユニツトケーシングに連結されユニツトケー
   シングとともに回転駆動される連結部材と、この
   連結部材の下端に着脱可能に連結して吊持される
   オーガドリルとを具備したことを特徴とする建設
   機械。