JPS63303123A - ピッチ系炭素繊維と製造方法 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維と製造方法

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JPS63303123A
JPS63303123A JP62219224A JP21922487A JPS63303123A JP S63303123 A JPS63303123 A JP S63303123A JP 62219224 A JP62219224 A JP 62219224A JP 21922487 A JP21922487 A JP 21922487A JP S63303123 A JPS63303123 A JP S63303123A
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carbon fiber
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    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/145Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues

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  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明はピッチから得られる高性能を有し、加工性の優
れた炭素繊維及びこれを製造する方法に関する。さらに
詳しくはピッチの紡糸の際に塗布したシリコーン系油剤
が残留する程度に炭化処理を軽くし、残留するシリコー
ン系油剤により集束性、潤滑性を高く保ち、優れた加工
性を有する炭素繊維及びこれを製造する方法に関する。
本発明によりピッチから得られる炭素繊維は、炭素分子
の結晶および配向組織が不完全であり、しかも弛緩状態
での熱処理により結晶および配向組織が成長して強度お
よび弾性率が大幅に向上する能力を有する。
本発明によりピッチから得られる炭素繊維は、ボビンへ
の巻取り、さらに高度の炭化あるいは黒鉛化工程への移
送、製織、製編、樹脂の繊維強化のための加工など種々
の工程への適合性が優れている。
本発明によりピッチから得られる炭素繊維は、炭化程度
が低い状態で加工が容易なものであり、炭化程度が高い
ものより低コストであるため、加工ロスを生じても製品
コストにひびく割合が小さい利点を有する。
本発明によりピッチから得られる炭素繊維は炭化程度の
高いものに比べて曲率半径の小さい曲げに対して丈夫で
あり、しかもその曲げた部分が後段の炭化処理により応
力緩和し、その曲げた部分の耐摩耗性、耐屈曲性および
耐スクラッチ性が優れている特徴を有する。
(ロ)従来の技術 高軟化点のピッチを熔融紡糸して得た繊維を酸化させて
不融化した後、不活性雰囲気中で炭化し、炭素繊維を得
る方法は特公昭41−15728号に開示されている。
この方法はたしかに優れたピッチ系炭素繊維の製造法で
あるが、開示されている方法によると、高弾性率の繊維
を得るには炭化の際に緊張状態を保つ必要がある。不融
化したピッチ繊維は極めて脆いため、緊張状態で把持す
ることが困難であり、この方法によって高弾性率繊維を
得ることは事実上不可能と考えられる。
この問題点を解決するために、特公昭49−8634号
、特開昭49−19127号などに開示されているよう
に光学異方性ピッチを用いる方法が提案された。
光学異方性ピッチは易炭化、易黒鉛化材料であり、高強
度、高弾性率の炭素繊維の原料としてすぐれた性質を示
す、とくに炭化の際に緊張状態に置く必要がないため、
コスト的にも品質的にも有利な方法と考えられる。
光学異方性ピッチからの炭素繊維は、容易に高強度、高
弾性率にすることが可能である半面、加工時に折れるな
ど傷付き易い問題点を有している。
このような問題点は脆い繊維には多かれ少なかれ存在し
、ガラス繊維やPAN系炭素炭素繊維では潤滑性と集束
性を付与するため、サイジング剤を塗布している。光学
異方性ピッチからの炭素繊維の場合、易黒鉛化性がわざ
わいしてサイジング剤をはじく傾向があり、均一に塗布
しにくいため潤滑性も集束性も不足する問題点がある。
この問題点を解決するなめに特開昭60−21911号
では、不融化後400〜650℃で軽度に炭化処理する
方法を開示している。この方法は炭素繊維の弾性率を小
さく保ち、傷付き難くするためにはある程度有効である
が、炭化後の集束性や潤滑性が不十分であるため、加工
性が良好でない問題点を有している。このような問題点
を解決するためには、炭化後に油剤を塗布することが一
般的な方法である。しかし軽度に炭化したピッチ繊維は
油剤をはじく傾向が生じており、一方ではまだ強度が上
がっていないため、油剤の塗布の際に繊維に傷を付けや
すい問題点を有する。
ピッチ系炭素繊維の油剤に対して最も厳しい処理条件は
、酸化性の雰囲気での熱処理である不融化工程である。
油剤の酸化分解を避けるため、不融化工程の後に油剤を
付与することが有利と考えられる。この方法の問題点は
、不融化後のピッチ繊維が紡糸後のピッチ繊維と同等以
上に脆いため、油剤の付与時に繊維に傷を付けやすいこ
とである。
この工程での油剤の付与にはスプレ一式が採用出来るが
、飛散して失われる量が多く、シリコーン系油剤のよう
に高価なものに対しては採用しにくい問題点がある。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 本発明は光学異方性ピッチもしくはそれと近似の炭化特
性を有する高軟化点のピッチから製造される炭素繊維の
、脆さ、潤滑性の不足および集束性の不足を解決するこ
とを目的とする。
ピッチ繊維の炭化は不活性雰囲気中の熱処理により一般
に行われており、その効果は温度と時間に支配されてい
ると一般に考えられている。しかし加工性について詳細
に検討すると、油剤の残留する効果が存在することがわ
かった。とくに潤滑性と集束性に関しては顕著であるこ
とがわかった。
また炭化装置の種類による効果の差異も存在するようで
ある。
この理由については明確ではないが、潤滑性と集束性が
良好な、ピッチ繊維である時期に形成された形態が、残
留するわずかな油剤によって、維持されるか破壊される
かの差異が加工性に大きく影響しているものと推察され
る。
(ニ)問題点を解決する手段 本発明のピッチ系炭素繊維の製造方法は、高軟化点のピ
ッチを溶融紡糸した後、不融化処理および炭化処理、あ
るいはさらに黒鉛化処理するに際し、紡糸したピッチ繊
維にシリコーン系油剤を塗布した後、鼓高200〜40
0℃の酸化性雰囲気中に導入して該ピッチ繊維を不融化
させ、引き続いて400〜1000 ’Cの不活性ガス
雰囲気中で、該ピッチ繊維に残留するシリコーン系油剤
が繊維重量に対して0.1%〜2.0%である条件で炭
化処理を行った後、次段の加工に移すことを特徴とする
本発明において高軟化点のピッチとは光学異方性ピッチ
のような易黒鉛化性ピッチである。易黒鉛化性ピッチは
乾留によってニードルコークスを生じ、またピッチ繊維
の炭化時に、無緊張の炭化においても高弾性率の炭素繊
維を生じる。易黒鉛化性ピッチには光学異方性ピッチの
ほかに、これと近似の黒鉛化性を示すドーマントメンフ
ェースピッチやブリメソフェース炭素質が含まれる。
本発明に用いられるシリコーン系油剤は、好ましくは耐
熱性が500℃以上のものである。ここで油剤の耐熱性
とは窒素気流中で昇温速度10℃/分の熱天秤(理学電
機製TG高温型CN8068A2を用いた。
サンプルサイズ10■、窒素流量40m1/分、セル直
径5++m、セル深さ2.5m)による減量が事実上0
になる(昇温100℃当たりの重量変化が怒1以下にな
る。重量は初期重量の0.1%)温度である。
シリコーン系油剤は加熱による分解残滓が少ないものが
好ましく、ポリシロキサン型やポリアミノシロキサン型
が好ましい、ピッチ繊維に対して油剤を塗布する際に、
希釈用の溶剤のほかにシリコーン系でない界面活性剤や
潤滑剤あるいは酸化防止剤のようなものを混合すること
ができる。
なお油剤の残量については、繊維を灰化しIPC発光分
析で珪素含有量を測定し、その数値をシリコーン油剤の
主構成分子の珪素含有量とみなし油剤量を算出した。
また、元素分析によれば、本発明による炭素繊維は、酸
素を2.0〜15.0%、硫黄を0.07〜0.7%含
有しており、これらが少なすぎると、加工性で見劣りの
するものとなり、逆に多すぎると2000℃以上の高温
炭化した最終製品の性能低下を引きおこす傾向がある。
油剤の残留量は好ましくは繊維重量に対して0.2〜1
.0%である。油剤の残留量が少な過ぎる場合、糸条の
集束性や潤滑性が乏しくなり、静電気によるトラブルを
生じ易くなる。油剤の残留量が多ずぎる場合、紡糸時に
付与する油剤量が多くなり、コスト的に不利であるほか
、不融化の速度が低下するので好ましくない、不融化の
速度が低下する理由は明らかでないが、油剤の膜によっ
て酸素の拡散が妨げられることと、炉内に油剤の蒸気が
多量に発生して酸素を炉外に追い出す結果有効な酸素濃
度が低下するためではないかと思われる。
本発明によって製造される炭素繊維は強度が5〜50k
gf / am、伸度が0.3〜8,0%であり、弛緩
状態で熱処理することにより強度が150 kg f 
/ rm2以上、弾性率が30.000hg f / 
raxr2以上に上昇する能力を有する。
強度がこの範囲より小さくなると加工時に繊維が傷付き
易くなるので好ましくない1強度がこの範囲より大きく
なると加工時に折れやすくなり、耐摩耗性が低下するの
で好ましくない0強度は好ましくは10〜45kg f
 / rxxr2である。伸度がこの範囲より小さくな
ると加工時に繊維が傷付き易くなるので好ましくない、
伸度がこの範囲より大きくなると製品の形態および寸法
安定性が悪くなるので好ましくない、伸度は好ましくは
0.6〜5.0%である。
弛緩状態での熱処理による強度の上昇および弾性率の上
昇は、易黒鉛化ピッチでは通常見られる現象であるが、
熱処理後の強度がこの範囲より小さいものでは製品の耐
疲労性、耐酸化性が劣るので好ましくない、また熱処理
後の強度がこの範囲より小さいものでは熱処理によって
サイジング剤をはじくようになる傾向が小さく、本発明
の方法を用いる必要性が小さい、熱処理後の強度は好ま
しくは200〜450kg f /圓2である。熱処理
後の弾性率がこの範囲より小さいものでは耐疲労性、耐
酸化性が劣り、加工時の寸法変化が大きいので好ましく
ない、熱処理後の弾性率は好ましくは40.000〜1
00,000 kg f / ou++2である。
本発明によって製造される炭素繊維は、好ましくは比重
が1.30〜1.70、電気比抵抗が5×108〜5Ω
・備、含有する黒鉛結晶の積層厚さLc(002)が8
〜32A、黒鉛結晶の面間隔d002が3.46〜3.
49Å、熱処理によって高強度高弾性率化した後の黒鉛
結晶の積層厚さLc(002)が36A以上、積層厚さ
Lc(002)の増加が5Å以上、黒鉛結晶の面間隔d
 が3.46Å以下、面間隔の減少が0.03A以上で
ある。最も好ましくは比重が1.35〜1.60.電気
比抵抗が1×108〜I X 102Ω・l、熱処理に
よって高強度高弾性率化した後の黒鉛結晶の積層厚さL
c(002)が70〜240A、黒鉛結晶の面間隔d0
゜2が3.36〜3.44Aである。
本発明においては高軟化点のピッチを熔融紡糸した後、
好ましくは一旦巻き取るかあるいは巻き取らずして、得
られたピッチ繊維を搬送用ベルトに載せて最高200〜
400℃の酸化性雰囲気中に連続的に導入して該ピッチ
繊維を不融化させ、引き続き搬送用ベルトに載せて40
0〜1000℃の不活性ガス雰囲気中で、該ピッチ繊維
に付着して残留するシリコーン系油剤が0.1%〜2.
0%であるような条件で炭化処理を行った後、次段の加
工に移行する。油剤およびサイジング剤は紡糸工程の中
で、搬送用ベルトに載せる前に付与する。これらの薬剤
の残留は、炭化後の繊維の巻き取り、あるいは種々の加
工時に取り扱い性を改善する効果がある。
またこの理由は明らかでないが、炭化装置の種類によっ
て取扱い性が異なり、搬送用ベルトの上で炭化したもの
が最も取り扱い性が優れている。
炭化時にピッチ繊維を耐熱性ボビンに巻いて処理したも
の、ケンス中で処理したもの、ベルトに載せて処理した
ものを比較したところ、これらは強度、伸度および弾性
率では大差ない値を示したが、巻き取り、製織、製綱な
どの加工に際してベルトに載せて処理したものの集束性
が優れていた。
紡糸後のピッチ繊維を搬送用ベルトに載せる様式は、形
成された繊維層が、すでに形成された繊維層の中に後か
ら載せられた繊維が潜り込んで形成されるような繊維の
順番の逆転が形成されない様式であれば、どのようなも
のでも良い、搬送用ベルトに載せられた繊維が、振動や
気流によって移動しないように搬送用ベルトは多孔質の
ものとし、背面から吸引して繊維をベルトに圧着するこ
とが好ましい、この場合、搬送用ベルトはネットコンベ
アーであることが好ましい、搬送用ベルトに送り込まれ
る繊維は、ベルト面に垂直に近い方向から送り込まれる
と、ベルトの孔やすでに形成された繊維層の中に突き刺
さることがあるので、走行する繊維を円運動、8の主運
動など種々のパターンで揺動させて、ベルト面と繊維が
送り込まれる方向とのなす角度を小さくすることが好ま
しい、繊維とベルトが衝突する際に、ショックで開繊さ
れることがあり、繊維の順番の逆転の原因になったり、
炭化後の加工において欠点を生じる原因になる。
紡糸後のピッチ繊維は好ましくは搬送用ベルトに載せて
、酸化性雰囲気の中で最高200〜400℃に加熱して
不融化する。加熱温度は一定であるよりも、入口では2
00℃以下の低温であり、徐々に昇温して出口付近で最
高値とすることが好ましい。
不融化のための加熱温度は、最も好ましくは最高250
〜350℃である。
不融化を終わったピッチ繊維は極めて弱いので、繊維に
力を加えるような処理をすることは出来ない、そのまま
搬送用ベルトに載せて炭化装置に送入することが好まし
い、搬送用ベルトに載せての処理では、この間に油剤や
サイジング剤を付与する必要はない。
炭化は400〜1000℃での不活性雰囲気中で、ピッ
チ繊維に付着して残留するシリコーン系油剤が0.1%
〜2.0%であるような条件での処理を行う。
炭化処理の初期は、400℃付近の温度で酸化性雰囲気
の不活性ガスによる置換から始めることが好ましい、不
活性ガスによる置換が不十分である場合、繊維がやせた
り、強度上昇が不十分となるなどの問題を生じる。処理
時間は繊維の太さによって異なるが、初期には10〜b と昇温するとともに、十分に雰囲気の不活性ガスによる
置換を行い、終期には数秒ないし数百秒の間一定温度に
保つことが好ましい。
得られた繊維は引き続きボビン等に巻き取って次段の加
工を行うことができ、要すればさらに製織、製編などの
加工を行った後、引き続きさらに炭化を進めて高強度、
高弾性率の炭素繊維とすることができる。またさらに高
温で処理して黒鉛繊維とすることができる。引き続き炭
化を進めるに当たっては、繊維に緊張を与えながら行う
ことができ、強度、弾性率を大きくすることができる。
得られた繊維を搬送用ベルトの上からボビン等に巻き取
ったり、次段の高温処理に送る場合、ローラー等により
引っ張ることが必要である。この際、搬送用ベルト上の
繊維層を逆転させた後、引き出して張力を加え、直線状
に形を修正してやることが好ましい、搬送用ベルト上の
繊維層を逆転させるためには、種々の方法が考えられる
が、繊維層の上に第二のベルトを接触させ、両方のベル
トで繊維層を挾んで上下を反転させた後、第二のベルト
上に繊維層を載せ、その上から得られた繊維を引き出す
方法が晟も好ましい。
本発明によって得られた炭素繊維は、高度に炭化を進め
た繊維と異なり、弾性率が小さく、集束性が優れており
、製織や製編などの小さい曲率半径で曲げる工程を有す
る加工に対して優れた加工性を有する。また炭化を進め
た繊維よりも低コストであるため、加工ロスの多い製品
の場合非常に有利である。また加工に際して歪みの緩和
が起こるため、小さい曲率半径で曲げた部分の耐摩耗性
や耐疲労性が優れている。また摩耗により手羽たち難く
、耐屈曲性や耐スクラッチ性も優れている。
本発明によって得られた炭素繊維は、樹脂プレポリマー
、接着剤、油剤、サイジング剤などに濡れ易く、優れた
加工性を有する。
なお本発明における黒鉛結晶の面間隔dOo2とは、X
線回折装置を用いて、繊維を粉末化し、試料に対して約
10重量%のxma準用高純度シリコン粉末を内部標準
物質として加え混合して、試料セルに詰め、CuKa線
を線源としたX線デフラクトメーター法によって、炭素
002回折線と標準シリコンの111回折線を計測した
のち、ローレンツ偏光因子、原子散乱因子、吸収因子に
関する補正を行なった002回折ピークから炭素002
面の回折角(θ)を算出し、doo2= 1.5418
A/2sinθの式から求め、Lc(002)は上記X
線回折曲線からにα1.にσ2二重線の補正を行なった
炭素002回折ピークの半価[[1(β)を算出し、L
c=91/βの式を用いてもとめられる。
以下に実施例を挙げて、更に詳細に説明するが特に記載
のない限り「%」は重量で示す。
実施例1 熱接触分解(FCC)残油の初溜450℃終溜560℃
(常圧換算)の部分にメタンガスを送入しながら400
℃で6時間熱処理し、さらに330℃で8時間加熱して
メンフェースを成長させ比重差によりメンフェースを沈
降分離した。このピッチは光学異方性成分を100%含
有し、キノリンネ溶分43%、トルエン不溶分82%、
を含有していた。
このピッチ分出口に拡張部を有する紡糸孔より紡出し、
油剤を常法により塗布した後270m/分で引き取り、
搬送用ベルトの上に螺旋状の軌跡を描くように、揺動さ
せながら堆積させた。油剤は耐熱性630℃2粘度23
0センチストークスのシリコーン系のものを用いた。油
剤の付着量は繊維重量に対して3.0%であった。
引き続き入口160℃、出口320℃の炉の中で、昇温
速度3℃/分で空気による酸化処理を行い、不融化した
。不融化炉から出た繊維を搬送用ベルトに載せたままで
炭化炉に送入した。炉の人口の温度は420℃で、50
0℃になるまでは5℃/分、580℃になるまでは20
℃/分で昇温しながら、雰囲気の不活性ガスによる置換
を行った。その後45秒間580℃で処理を行った後、
炉から取り出し、搬送用ベルトと第二のベルトで挾んで
上下を反転させ、巻き収った。
得られた繊維に残留している油剤量は0.25%であり
、強度27kg f / Iu12、弾性率820 k
gf / n+o、伸度3.3%、比重は1.52、電
気比抵抗は2X10’Ω・■であった。
この繊維を2800℃のアルゴン中で2分間処理したと
ころ、強度290bgf/rMa、弾性率75.OOO
hgf/鴎2、伸度0.4%の高強度、高弾性率繊維と
なった。
アルゴン中での熱処理前後の繊維を用いてその製織性を
調べた。平織りの場合には両者の差は顕著で無かったが
、二重織りでは熱処理前の繊維が製織し易く、多軸綴り
ゃ三次元織りでは熱処理後の繊維の製織が困難であった
アルゴン中での熱処理前後の繊維を平織りしたものの性
能を調べた。熱処理前の繊維の織物はアルゴン中で熱処
理して比較した0両者とも強度、伸度、弾性率について
は大きな差がながったが熱処理後の繊維を織物にしたも
のはやや嵩高<、窄耗時に毛羽だち易い傾向があり、耐
屈曲性、耐スクラッチ性がやや劣り、耳部の耐摩耗性が
大幅に劣っていた。
比較例1 実施例1の紡糸後のピッチ繊維をアルミナ磁器製のボビ
ンに巻き取り、実施例1とほぼ同様の昇温条件で不融化
及び炭化処理をおこなった。油剤の残留量は0.09%
で、炭化処理後の冷却が遅いため分解ロスが多くなった
ものと見られる。得られた繊維の強度、伸度、弾性率、
結晶の状態は実施例1と大差無かったが、製織性は大幅
に劣り、多軸織物や三次元織物の製織は困難であった。
また実施例1よりも紡糸後の油剤付着量を多くして残留
量が0.25%にしたところ、製織性は実施例1に近く
なったが、糸の巻形状が悪く、糸切れが頻発し製織準備
工程を通りにくかった。
比較例2 実施例1の紡糸後のピッチ繊維を耐熱合金製のケンスに
取り、実施例1とほぼ同様の昇温条件で不融化及び炭化
処理をおこなった。油剤の残留量は0.08%で、比較
例1と同様炭化処理後の冷却が遅いため、分解ロスが多
くなったものと見られる。
得られた繊維の強度、伸度、弾性率、結晶の状態は実施
例1と大差無かったが、ケンスから取り出すことが難し
く、製織性の評価は困難であった。
また実施例1よりも紡糸後の油剤付着量を多くして残留
量が0.25%目標でケンスに取ったところ、表層部と
底部とで油剤の残留量が大幅に異なるため、加工特性に
差を生じ、品質の良い織物は出来なかった。
実施例2 実施例1と同じピッチを用い、同じ紡糸条件で紡糸し、
搬送用ベルト上に積層した状態で不融化処理した繊維を
、炭化炉の最高温度を変えて炭化処理した後、同様にし
て巻き取り、油剤の残留量を測定し、製織により加工性
を評価した。
その結果を第1表に示す。
第1表 炭化条件を変えた時の油剤残留量、繊維の性質
、製織性(ホ)発明の効果 本発明によって製造されるピッチ系炭素繊維は、不融化
あるいは炭化後に新たな油剤等を付与しなくても、集束
性、潤滑性が優れており、工程通過性、加工性が良好で
ある。
本発明によって製造されるピッチ系炭素繊維は、従来の
紡糸油剤の残留のない炭化程度が高いものより加工が容
易であり、油剤等の付与を必要としないため低コストで
ある4本発明によって製造される炭素繊維は、紡糸油剤
の残留のない炭化程度が高いものに比べて、曲率半径の
小さい曲げに対して丈夫であり、その曲げた部分が後段
の炭化処理によって応力緩和し、その曲げた部分の1t
iuy耗性、耐屈曲性および耐スクラッチ性が優れてい
る。
本発明によって製造される炭素繊維は、種々の繊維複合
材料にそのまま、もしくは炭化処理、もしくは黒鉛化処
理を行って使用できる。また活性炭繊維の原料とするこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)シリコーン油剤が繊維重量に対し0.1%〜2.
    0%残留し、黒鉛結晶の積層厚さLc(002)が16
    〜28Å、黒鉛結晶の面間隔d_0_0_2が3.46
    〜3.49Åであり、引張強度5−50kgf/mm^
    2、伸度0.3−8.0%であるピッチ系炭素繊維。
  2. (2)高軟化点のピッチを熔融紡糸したのち、不融化処
    理および炭化あるいはさらに黒鉛化処理するに際し、紡
    糸したピッチ繊維にシリコーン系油剤を塗布した後、最
    高200〜400℃の酸化性雰囲気中に導入して該ピッ
    チ繊維を不融化させ、引き続いて400〜1000℃の
    不活性ガス雰囲気中で、該ピッチ繊維に残留するシリコ
    ーン系油剤が繊維重量に対して0.1%〜2.0%であ
    る条件で炭化処理を行つた後、次段の加工に移すことを
    特徴とするピッチ系炭素繊維の製造方法。
JP62219224A 1987-01-28 1987-09-03 ピッチ系炭素繊維と製造方法 Expired - Lifetime JPH0651928B2 (ja)

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