JP2695355B2 - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維の製造方法

Info

Publication number
JP2695355B2
JP2695355B2 JP4267842A JP26784292A JP2695355B2 JP 2695355 B2 JP2695355 B2 JP 2695355B2 JP 4267842 A JP4267842 A JP 4267842A JP 26784292 A JP26784292 A JP 26784292A JP 2695355 B2 JP2695355 B2 JP 2695355B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
temperature
yarn
carbonization
pitch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4267842A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06101118A (ja
Inventor
豊 荒井
俊寿 西川
邦夫 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP4267842A priority Critical patent/JP2695355B2/ja
Publication of JPH06101118A publication Critical patent/JPH06101118A/ja
Priority to US08/437,921 priority patent/US5595720A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2695355B2 publication Critical patent/JP2695355B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素繊維の製造方法に関
するものであり、特に種々のピッチから炭素繊維を安定
して、大量に製造しかつ、プリプレグの製造に好適な開
繊性に優れる炭素繊維を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、比強度および比弾性率の高
い材料で近年、航空宇宙分野、自動車工業、その他の工
業分野で、強くて軽い素材として注目を浴びている。
【0003】このような分野では高強度、高弾性率であ
りながら安価な材料が望まれている。
【0004】現在、炭素繊維はポリアクリルニトリル
(PAN)を原料とするPAN系炭素繊維とピッチ類を
原料とするピッチ系炭素繊維が製造されているが、現状
では高強度、高弾性率の高性能炭素繊維としては主にP
AN系炭素繊維が使用されている。
【0005】しかしながら、PAN系炭素繊維は超高弾
性率なものを製造するには限界があり、超高弾性率炭素
繊維はピッチ系炭素繊維の独壇場となっている。
【0006】これらの炭素繊維は、通常一方向プリプレ
グと呼ばれる、炭素繊維を一方向に引き揃えならべたも
のに樹脂を含浸させた中間体を作成し、このプリプレグ
を積層することで複合材料とする方法が広く一般的に行
われている。
【0007】この場合、プリプレグに好適な炭素繊維と
しては、繊維束に毛羽がなく開繊性に優れ、かつ長尺で
あることを要求されるのである。
【0008】しかしながらピッチ繊維は脆弱であり、さ
らに中間工程品である不融化繊維もその強度が5〜10
kgf/mm2と著しく脆いために、その繊維が100
〜100,000本集合した、不融化繊維糸条はその取
扱が難しく、長尺な繊維の製造が困難であったり、毛羽
立ちが多いとの問題があった。
【0009】脆弱なピッチ繊維から長尺な繊維を得る方
法としては、特公昭51―12740号公報には、紡糸
した繊維を金網のカゴに堆積し、これを金網ごと不融化
し、さらに700℃以上の温度で炭化を行い繊維引張強
度を高め、その後さらに線状に1500℃の温度で炭化
を行なう方法が開示されている。
【0010】しかしながらこの方法では、最初の炭化の
段階で糸条に堆積時の癖がつき、この癖がその後の炭化
でもなかなか元に戻らず、したがって糸条の毛羽と開繊
性の点で劣る繊維が得られるのみであった。
【0011】又、特開昭60―126324号公報に
は、炭化処理温度が500〜600℃の間で繊維の破断
伸度が著しく向上する点が存在し、この破断伸度が大き
いことを利用してこの温度領域で炭化を行い、その後繊
維糸条を緊張下にさらに高温雰囲気で炭化、黒鉛化を行
いフィラメント揃いのよい炭素繊維束を製造する方法が
記載されている。
【0012】又、特開昭62―133123号公報には
不融化繊維に耐熱性の油剤をつけて集束させた後で、熱
処理温度400〜1800℃で炭化処理し、その後、3
000℃以下の温度で、フィラメントあたり0.001
〜0.2gの張力を加え焼成する方法が開示されてい
る。
【0013】しかしながらこの方法では、不融化糸につ
けた油剤が炭化、黒鉛化の際に分解し、炉内の汚染等が
生じたり、繊維に付着した油剤が炭化し、融着して開繊
性に問題を生じたりした。
【0014】特開昭64―33214号公報では不融化
後繊維が収縮する間、すなわち1300〜1500℃以
下の温度では0〜50mg/デニールの張力で炭化し、
その後自発伸長率より0.1〜1.2%高い延伸率で黒
鉛化する方法が開示されている。
【0015】しかしながら、この方法では、二酸化窒素
を含むガスで不融化を行なった場合、開繊性に優れる繊
維を安定的に得ることができなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二酸化窒素
ガスを用いて得られた不融化繊維を炭化、黒鉛化する際
に、長尺な糸条を効率的に生産し、かつ得られる炭素繊
維の糸条が開繊性に優れ、毛羽の少ない高品位な炭素繊
維を得る方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、メソフェース
ピッチを原料とするピッチ繊維を、二酸化窒素と酸素を
含む酸化性ガス雰囲気で酸化処理し、この酸化繊維を3
50℃以上、400℃未満で10min以上不活性化雰
囲気で焼成し、その後、800〜1250℃の温度で連
続的に炭化を行うことにより、糸条の破断強度を15k
gf/mm2以上とした炭化繊維糸条を得、該炭化繊維
糸条を最終温度が1500℃以上となる条件で黒鉛化を
行なう際に、該炭化繊維糸条に1.5〜10kgf/m
2の張力を加えながら連続的に焼成することを特徴と
する炭素繊維の製造方法である。
【0018】以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】本発明の炭素繊維の出発原料であるピッチ
は、コールタール、コールタールピッチ等の石炭系ピッ
チ、石炭液化ピッチ、エチレンタールピッチ、流動接触
触媒分解残査油から得られるデカントオイルピッチ等の
石油系ピッチ、あるいはナフタレン等から触媒などを用
いて作られる合成ピッチ等、各種のピッチを包含するも
のである。
【0020】本発明の炭素繊維に使用されるメソフェー
ズピッチは、前記のピッチを、従来公知の方法でメソフ
ェーズを発生させたものである。
【0021】メソフェーズピッチは、紡糸した際のピッ
チ繊維の配向性が高いものが望ましく、このためメソフ
ェーズ含有量は40%以上、より好ましくは70%以上
含有するものが望ましい。
【0022】また、本発明で用いるメソフェーズピッチ
は、軟化点が200〜400℃、より好ましくは250
〜350℃のものがよい。
【0023】前記メソフェーズピッチを、これまで知ら
れている方法にて、溶融紡糸を行うことにより、ピッチ
繊維が得られる。
【0024】例えば、前記メソフェーズピッチを、粘度
100ポイズ〜2000ポイズを示す温度で、口径0.
1mm〜0.5mmのキャピラリーから、圧力0.1〜
100kgf/cm2程度で押し出しながら100〜2
000m/minの引き取り速度で延伸し、繊維径が5
〜20μmで、これらが1000〜100,000本集
まったピッチ繊維の束(繊維糸条)を得る。
【0025】このとき、従来から一般的に知られる油剤
で集束を行なっても良いが、本発明の場合、油剤を用い
ない方が、より好ましい結果が得られる。
【0026】つぎにピッチ繊維糸条は、二酸化窒素濃度
が2〜10体積%、酸素濃度が2〜20体積%、必要に
応じて水蒸気を2〜10体積%加え、残りのガスを窒素
等の不活性ガスとした混合ガス雰囲気下で、温度100
〜320℃、処理時間30〜300min、好ましくは
40〜200minの条件で不融化する。
【0027】この不融化糸を350℃以上400℃未満
の温度で、10min以上、窒素ガス等の不活性雰囲気
で最初の炭化(本発明では便宜上1次炭化と呼ぶ)を行
なうことが肝要である。
【0028】図1に不融化繊維を1次炭化温度を変えて
炭化した際の繊維の破断伸びと、3,000本の繊維が
集合した炭化繊維糸条の破断強度を測定した結果を示し
た。
【0029】単繊維の破断の伸びの平均値は、500℃
程度の炭化温度で最大値を示すが、炭化繊維糸条の破断
強度は不融化糸から390℃の焼成温度で緩やかに向上
し、400℃以上で急激に強度が減少することがわか
る。
【0030】原因は定かではないが、単繊維の平均強度
および破断伸度は、炭化温度の上昇と共に向上するもの
の、そのばらつきは大きくなる。
【0031】400℃未満の炭化温度では、単繊維の強
度、破断伸び共に400〜500℃程度の炭化糸に比べ
小さいものの、ばらつきは少なく、糸条にした際の強度
発現率が高いものと考えられる。
【0032】しかも、400℃以上の炭化温度では、炭
化の過程で繊維長さが約3.2%、500℃では4.5
%程度収縮する。
【0033】したがって、糸条内の単繊維の長さが炭化
時の収縮により不均一となり、繊維の揃いが乱れ炭化繊
維糸条の強度が著しく低下したり、最終製品である炭素
繊維あるいは黒鉛化繊維の品質を著しく低下させるの
で、1次炭化は400℃未満で行うのがよい。
【0034】一方350℃より炭化温度が低い場合、8
00〜1200℃の温度で5秒〜2分という、糸条を連
続的に炭化(本発明では2次炭化と呼ぶ)を行なうと炭
化の際に生じる分解物により、繊維の融着あるいは剛直
といった問題が生じる。
【0035】このため、少なくとも350℃以上の温度
で10min以上、好ましくは15〜90分、不融化繊
維を一旦1次炭化することが肝要である。
【0036】つぎに、焼成温度を800〜1250℃、
好ましくは1000〜1200℃の温度で、不活性ガス
雰囲気で、2次炭化を行なう際に、好ましくは50〜
1,000gf/mm2、より好ましくは60〜800
gf/mm2の張力を加えながら焼成を行なうことによ
り、400℃以上の炭化温度で生じる繊維長さ方向の収
縮を均一にすることが可能となり、糸揃いの改善された
糸条を得ることができる。
【0037】2次炭化を行なう際の張力が50gf/m
2未満では繊維糸条の揃いは改善されず、また100
0gf/mm2超では2次炭化中に糸条が破断し易くま
た、毛羽の発生も多くなる。
【0038】2次炭化の処理温度が800℃より低い場
合、2次炭化繊維糸条の強度が15kgf/mm2より
も小となり、次工程である黒鉛化工程で開繊性を改善す
るほどの張力を与えることが困難となる。
【0039】一方、2次炭化の最高温度が1250℃を
超えると、黒鉛化工程で張力を加え焼成しても開繊性の
改善が不十分となる。
【0040】2次炭化は糸状を線状に繰り出して、80
0〜1250℃で5秒〜2分間、連続的に搬送させなが
ら行うのが好ましい。
【0041】次に黒鉛化工程(本発明では2次炭化後の
炭化、黒鉛化を総称して黒鉛化と呼び、得られる繊維は
炭素繊維と呼ぶ。)では、不活性ガス雰囲気下、130
0℃以下の温度から、昇温して最高温度1500℃以
上、好ましくは1800℃以上とした黒鉛化炉内を2次
炭化繊維糸条に1.5〜10kgf/mm2、好ましく
は1.5〜7.5kgf/mm2の張力を加えながら連
続的に焼成することで、開繊性に優れる、高品位な炭素
繊維を得ることが可能となる。
【0042】繊維がまだ収縮を起こそうとする1300
℃以下の温度から張力を加えながら黒鉛化を行い、かつ
最高到達温度を1500℃以上としないと開繊性が向上
するほどの、繊維の引き揃えは困難であり、また、この
時の張力が1.5kg/mm2未満では加える張力が不
十分であり、10kgf/mm2を超えると加える張力
が過大で、黒鉛化炉内で糸条の破断が頻繁に生じるため
好ましくない。
【0043】黒鉛化に要する時間は1500℃以上で通
常5秒〜2分程度である。
【0044】なお、2次炭化炉と黒鉛化炉は独立してお
り、2次炭化炉で一旦、ボビンに巻とる、あるいは収納
容器に収納して、これから繊維を繰り出し黒鉛化炉に供
してもよいし、2次炭化炉と黒鉛化炉を直列とし、その
間にローラー等を介して繊維糸条の張力を変化させる方
法をとることでもよい。
【0045】図2に本発明の方法で得られた炭素繊維
と、図3に従来方法で得られた炭素繊維の開繊性試験結
果を示した。
【0046】これは得られた炭素繊維糸条を長さ5cm
に切断し、当該繊維を、濾紙を下部に敷いたシャーレー
に入れ、MEK溶液を注いだ後、軽く振動を与えた後、
濾紙を引き上げ、濾紙の上に広がった繊維の開繊状態を
見たものである。
【0047】本発明で得られる繊維は、従来法に比べ繊
維の広がり方が良好で、繊維に絡みや融着がなく、開繊
性に優れることがわかる。
【0048】同様に図4に本発明で得られた炭素繊維の
引張強度と黒鉛化時の張力の関係を示したが、本発明の
方法で得られる繊維は引張強度が著しく改善され、高品
位な炭素繊維が得られることがわかる。
【0049】
【実施例】以下、実施例ならびに比較例を用いて具体的
に説明する。なお、本発明において、原料ピッチの特性
を表わすのに用いた諸物性値は以下の定義によった。
【0050】(1)軟化点 軟化点は、フローテスターを用いてハーゲン・ポアズイ
ユ式から算出される、見掛けの粘度が20,000ポイ
ズとなる温度である。
【0051】(2)トルエン不溶分、ピリジン不溶分 トルエン不溶分、ピリジン不溶分は、JIS―K―24
25(1978年)に示された方法に準じて測定した。
【0052】(3)単糸破断伸び 単糸破断伸びは、JIS―R―7601(1986年)
に示された方法に準じて測定した。
【0053】(4)繊維糸条の破断強度 繊維糸条の破断強度は、3,000本の繊維からなる糸
条を、測定長が1mになるように、繊維糸条両端に、タ
ブを接着剤で固定した試料を多数作成し、これを引張速
度50mm/minの速度で引張り、引張破断荷重を求
めた。
【0054】(5)炭素繊維の引張強度、引張弾性率 炭素繊維強度はJIS―R―7601(1986年)に
示される、樹脂含浸ストランド法に準じて測定した。
【0055】原料としてキノリン不溶分を除去した、軟
化点80℃のコールタールピッチを、触媒を用い直接水
素化を行った。
【0056】この水素化処理ピッチを、常圧下480℃
で熱処理した後、低沸点分を除きメソフェーズピッチを
得た。
【0057】このピッチは、軟化点が304℃、トルエ
ン不溶分が85重量%、ピリジン不溶分が40重量%、
メソフェーズ含有量が95%であった。
【0058】このピッチを用いて従来公知の方法で、キ
ャピラリー径0.14mm、ノズルホール数3000の
ノズルパックを有する紡糸機を用いて、メソフェーズピ
ッチの粘度800ポイズで、糸径13μmのピッチ繊維
を紡糸し、このピッチ繊維を油剤を用いずに、エアーサ
ッカーで集束させながらケンスに収納した。
【0059】このピッチ繊維をケンスに収納したまま、
空気に二酸化窒素ガスを5体積%、および水蒸気を5体
積%添加した酸化ガスを、ケンス下部から吹き込みなが
ら、150℃から300℃まで1℃/minで昇温し、
そのまま300℃に30分保持して不融化繊維を得た。
【0060】この不融化繊維を収納したケンスをそのま
ま、窒素ガス雰囲気下におき、不融化繊維を10℃/m
inで昇温し、350℃以上400℃未満まで昇温しそ
の温度で30min保持し、一次炭化を行った。また比
較のため、不融化繊維を10℃/minで昇温し、30
0℃以上350℃未満及び400〜600℃まで昇温し
その温度で30min保持した一次炭化も行なった。
【0061】得られた繊維の単糸の破断伸びと、1mの
長さでの繊維糸条の強度を測定した結果を図1に示し
た。
【0062】これらの炭化糸を入口温度が500℃出口
温度が1100℃、窒素ガス雰囲気の長さ2mの炉に、
ケンスから繰り出した繊維糸条を線状に、張力を100
gf/mm2、速度4m/minの速度で通しながら、
1100℃で10秒間、2次炭化を行ない、得られた2
次炭化繊維をボビンに巻とった。
【0063】1次炭化温度が350℃未満のものは、2
次炭化の際に糸条が剛直となり糸条の破断が生じた。
【0064】一方、1次炭化温度が350℃以上のもの
は糸条の剛直はないものの、1次炭化温度が400℃以
上のものは、毛羽立ちが非常に多い2次炭化糸であっ
た。
【0065】つぎに1次炭化温度が390℃である1次
炭化繊維を原料に、2次炭化ならびに黒鉛化を行なっ
た。2次炭化条件は入口温度は500℃で一定であり、
出口温度を700〜1400℃まで変化させ、この温度
で10秒間熱処理した。
【0066】また、このときの張力を100gf/mm
2、速度4m/minの速度で2次炭化を行ないボビン
に巻とった。
【0067】黒鉛化炉は入口温度1000℃、最高温度
1900℃で16秒間熱処理し、有効炉長1mであり、
張力を変化させながら速度2m/minの速度で2次炭
化糸をボビンから解舒させながら線状に焼成し、表面処
理、サイジングを行いボビンに巻とった。黒鉛化の張
力、ならびに得られた炭素繊維の物性を第1表に記載し
た。
【0068】図2には実験No.3の開繊性試験結果
を、図3には実験No.6の開繊試験結果を示した。ま
た図4には実験No.6〜9の炭素繊維の引張強度と黒
鉛化の張力の関係を示した。
【0069】なお、2次炭化炉における焼成温度と時間
は図5のとおりであり、黒鉛化炉における焼成温度と時
間は図6のとおりである。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明により、プリプレグの製造に好適
な開繊性に優れる炭素繊維を生産性良く製造できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化処理における処理温度と強度・伸びとの関
係図。
【図2】本発明法による炭素繊維の開繊性を示す平面
図。
【図3】従来方法による炭素繊維の開繊性を示す平面
図。
【図4】黒鉛化の張力と炭素繊維の引張強度の関係図。
【図5】実施例における2次炭化炉の焼成温度と時間の
関係図。
【図6】実施例における黒鉛化炉の焼成温度と時間の関
係図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソフェースピッチを原料とするピッチ
    繊維を二酸化窒素と酸素を含む酸化性ガス雰囲気で酸化
    不融化処理し、この不融化繊維を350℃以上400℃
    未満で10min以上不活性化雰囲気で焼成して1次炭
    化し、その後、800〜1250℃の温度で5秒〜2分
    間連続的に2次炭化を行うことにより、糸条の破断強度
    を15kgf/mm2以上とした炭化繊維糸条を得、該
    炭化繊維糸条を最終温度が1500℃以上となる条件で
    焼成して黒鉛化を行なう際に該炭化繊維糸条に1.5〜
    10kgf/mm2の張力を加えながら連続的に焼成す
    ることを特徴とする炭素繊維の製造方法。
JP4267842A 1992-09-04 1992-09-11 炭素繊維の製造方法 Expired - Lifetime JP2695355B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4267842A JP2695355B2 (ja) 1992-09-11 1992-09-11 炭素繊維の製造方法
US08/437,921 US5595720A (en) 1992-09-04 1995-05-09 Method for producing carbon fiber

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4267842A JP2695355B2 (ja) 1992-09-11 1992-09-11 炭素繊維の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06101118A JPH06101118A (ja) 1994-04-12
JP2695355B2 true JP2695355B2 (ja) 1997-12-24

Family

ID=17450386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4267842A Expired - Lifetime JP2695355B2 (ja) 1992-09-04 1992-09-11 炭素繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2695355B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103014918A (zh) * 2012-12-14 2013-04-03 济宁碳素集团有限公司 一种煤系通用级沥青炭纤维的制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6738202B2 (ja) * 2016-05-27 2020-08-12 帝人株式会社 極細炭素繊維の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103014918A (zh) * 2012-12-14 2013-04-03 济宁碳素集团有限公司 一种煤系通用级沥青炭纤维的制备方法
CN103014918B (zh) * 2012-12-14 2014-01-15 济宁碳素集团有限公司 一种煤系通用级沥青炭纤维的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06101118A (ja) 1994-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4975262A (en) Three dimensional woven fabrics of pitch-derived carbon fibers
JP4370034B2 (ja) ピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびにその製造方法
KR900004918B1 (ko) 탄소섬유의 촛프트 스트랜드 제조방법
JP2695355B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
US5595720A (en) Method for producing carbon fiber
JP2930166B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JPS6021911A (ja) 炭素繊維製品の製造法
JP2930167B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JP2708684B2 (ja) ピッチ系炭素繊維束
JPS60126324A (ja) フィラメントの揃いの良い炭素繊維束を製造する方法
JPH0674528B2 (ja) 炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法
US5407614A (en) Process of making pitch-based carbon fibers
JPS63303123A (ja) ピッチ系炭素繊維と製造方法
JPS62133123A (ja) 炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法
JPH06146120A (ja) 高強度、高弾性率ピッチ系炭素繊維及びその製造方法
JPH0617319A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH05287617A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH05247730A (ja) 開繊性に優れた高強度、高弾性率ピッチ系炭素繊維及びその製造方法
JPH05171519A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH01229820A (ja) フィラメント数1000未満のピッチ系炭素繊維束及びその製造方法
JP2711918B2 (ja) ピッチ系炭素繊維
JPS6269826A (ja) 高強度・高弾性炭素繊維の製造方法
JPH01282330A (ja) ピッチ系炭素繊維製造法
JP2654613B2 (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH05171518A (ja) ピッチ系炭素繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970902

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term