JP4370034B2 - ピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびにその製造方法 - Google Patents

ピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびにその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素繊維の前駆体の1種であるピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびにその製造方法に関するものである。特に炭素繊維織物、低目付け炭素繊維プリプレグの製造に適する、低繊度の炭素繊維の前駆体の1種であるピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびに低繊度の炭素繊維の製造方法であり、従来に比べ、低コストでかつ生産性を改善した、低繊度の炭素繊維の前駆体の1種であるピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびに低繊度の炭素繊維の製造方法に関する。本発明で得られたピッチ系炭素繊維は、軽量な炭素繊維織物、炭素繊維プリプレグの製造に適しており、スポーツ、レジャー産業、宇宙航空分野等種々の産業分野の使用に好適である。
【0002】
【従来の技術】
ピッチ系炭素繊維は、その前駆体であるピッチ繊維、不融化繊維、炭化繊維ともに、アクリル繊維を前駆体とするPAN系炭素繊維に比べ脆弱であり取り扱いが非常に難しい繊維である。
【0003】
従来、低繊度のピッチ系炭素繊維を得るには、紡糸工程でのフィラメント数を減じる必要があるが、このため、生産性が著しく低下するとともに、脆弱なうえに低繊度の繊維を取り扱う必要性がある。そのため、工業的に低繊度炭素繊維を製造することは生産性が低く、コスト高になる要因を含んでいた。このため、軽量な炭素繊維織物、炭素繊維プリプレグが高価となる問題を抱えていた。
【0004】
かかる問題に対し一旦製造された炭素繊維束を幾つかの束にさらに分割することで、低繊度の炭素繊維を得る方法も提案されている。しかしながら、一般的にピッチ系炭素繊維は、PAN系炭素繊維よりも高弾性率であるため、繊維の伸びが少ない。そのため、炭素繊維束の分割時に糸切れが多発して所定の繊度に安定して分割することが不可能であった。
【0005】
また、特開平1-250417号公報では、PAN系炭素繊維前駆体繊維束を2本以上引き揃え撚りをかけコードとし、このコードを更に合糸して焼成した後それぞれの炭素繊維束コードに分繊する方法が提案されている。しかしながら、この方法で作られた炭素繊維は縫製用縫糸として適するものの、軽量プリプレグへの加工へは不適であるという問題があった。同様に特開平9-273032号公報および特開平10-121325号公報には、1本のトウの形態を保ちながら使用するときには複数の小トウに分割可能なPAN系炭素繊維用繊維束が提案されている。しかしながら、ピッチ繊維では不可能な捲縮付与等を行ったり、あるいは小トウの合糸を行うがためにワインダーで巻き取る必要があり、ピッチ系炭素繊維への適応は大変困難であった。
【0006】
また、特開平1−229820号公報には、フィラメント数が1000未満であるピッチ系炭素繊維が提案されている。しかしながら、この方法では、繊維間に膠着を生じてしまうという問題があった。また、比較的高速に実施できる紡糸の後で、極めて脆いピッチ繊維を合糸するために生産性が著しく損なわれるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、低繊度の炭素繊維を製造する際に、炭素繊維製造コストを左右する、紡糸、不融化、炭化の各工程での生産性を改善し、安価な製造コストである低繊度のピッチ系炭素繊維を得るための、炭素繊維前駆体ピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびにその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、(1) 100mm以下の交絡度を有する第1のピッチ繊維束が2本以上の束で構成される第2のピッチ繊維束であり、該第2のピッチ繊維束内の該第1のピッチ繊維束間の交絡度が100mm〜5000mmであることを特徴とするピッチ繊維束により達成されるものである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、(2) 200mm以下の交絡度を有する第1の炭素繊維束が2本以上の束で構成される第2の炭素繊維束であり、該第2の炭素繊維束内の該第1の炭素繊維束間の交絡度が200mm以上であり、かつ第1の炭素繊維束への分割能を有するものであることを特徴とするピッチ系炭素繊維束によっても達成されるものである。
【0010】
本発明の他の目的は、(3) 上記(2)に記載の第2の炭素繊維束を分割してなる第1の繊維束であることを特徴とするピッチ系炭素繊維束によっても達成されるものである。
【0011】
本発明の他の目的は、(4) ピッチ繊維を引き取る方法において、複数本のピッチ繊維を2つ以上の繊維束に分割したのち、それぞれの繊維束に空気流による交絡を与え、第1の繊維束としたのち、該第1の繊維束を複数本あわせ、このあわせたピッチ繊維束に再び空気流による交絡を与えて第2の繊維束としてピッチ繊維を引き取ることを特徴とするピッチ繊の製造方法によっても達成されるものである。
【0012】
本発明の他の目的は、(5) 上記(4)で得られた第2の繊維束を不融化、炭化した後、第1の繊維束に分割することを特徴とする炭素繊維の製造方法によっても達成されるものである。
【0013】
本発明の他の目的は、(6) 上記(4)で得られた第2の繊維束を不融化、炭化した後、第1の繊維束に分割してまたは分割しながら、黒鉛化することを特徴とする炭素繊維の製造方法によっても達成されるものである。
【0014】
本発明の他の目的は、(7) 上記(4)で得られた第2の繊維束を不融化、炭化、黒鉛化した後、第1の繊維束に分割することを特徴とする炭素繊維の製造方法によっても達成されるものである。
【0015】
本発明の他の目的は、(8) 上記(4)に記載の空気流による交絡方法として、第1の繊維束とする際に、複数本のピッチ繊維を2つ以上の束に分割したそれぞれの繊維束に対して少なくとも2方向から1m/s〜50m/sの空気流を与え、また、第2の繊維束とする際に、第1の繊維束を複数本あわせた繊維束に対して少なくとも2方向から10m/s〜400m/sの空気流を与えることを特徴とするピッチ繊の製造方法によっても達成されるものである。
【0016】
本発明の他の目的は、(9) 上記(5)〜(7)のいずれか1つに記載の炭化の際に、第2の繊維束に対して0.29mN/tex〜9.8mN/texの張力をかけながら焼成することを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造方法によっても達成されるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の炭素繊維の前駆体の1種であるピッチ繊維束は、100mm以下の交絡度を有する第1のピッチ繊維束が2本以上の束で構成される第2の繊維束であり、該第2の繊維束内の該第1の繊維束間の交絡度が100mm〜5000mmであることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明のピッチ系炭素繊維束は、200mm以下の交絡度を有する第1の炭素繊維束が2本以上の束で構成される第2の繊維束であり、該第2の繊維束内の該第1の繊維束間の交絡度が200mm以上であり、かつ第1の繊維束への分割能を有することを特徴とするものである。さらに本発明のピッチ系炭素繊維束は、上記第2の炭素繊維束を分割してなる第1の繊維束であることを特徴とするものであってもよい。
【0019】
さらに、本発明のピッチ系炭素繊維の製造方法は、ピッチ繊維を引き取る方法において、複数本のピッチ繊維を2つ以上の束に分割したのち、それぞれの束に空気流による交絡を与え、第1の繊維束としたのち、第1の繊維束を複数本あわせ、このあわせたピッチ繊維束に再び空気流による交絡を与えて第2の繊維束としてピッチ繊維を引き取ることを特徴とするものである。
【0020】
ここで、本発明のピッチ系炭素繊維及びその前駆体は、各製造過程によって順次その特性や構造等が変化する。そこで、紡糸工程及びその後の交絡処理により形成される繊維束をピッチ繊維束とする。以下同様に、不融化工程により得られる繊維束を不融化繊維束とする。続いて低温炭化工程により得られる繊維束を低温炭化繊維束ないし1次炭化繊維束とする。さらに炭化(2次炭化)工程により得られる繊維束を炭化繊維束とする。その後、必要に応じてなされる黒鉛化工程により得られる繊維束を黒鉛化繊維束とする。そしてピッチ系炭素繊維束(あるいは単に炭素繊維束、ピッチ系炭素繊維または炭素繊維とも称している)は、上記炭化繊維束および/または黒鉛化繊維束のいずれかを指すものである。次に、本明細書(請求項を含む)中の文言を解釈する上で、単に繊維束、第1の繊維束、第2の繊維束という場合には、前後の文章等から容易にどの製造過程におけるものかが明確にわかるためにその名称を簡略化したものであって、すべてが同一なものでないことはいうまでもない。すなわち、例えば、紡糸工程およびその後の交絡処理により得られる繊維束であれば、ピッチ繊維束、第1のピッチ繊維束、第2のピッチ繊維束とすべきところを、それぞれ繊維束、第1の繊維束、第2の繊維束と略記しているものである。同様に、例えば、炭化工程により得られる繊維束であれば、炭化繊維束、第1の炭化繊維束、第2の炭化繊維束(もしくは上述したように炭素繊維束、第1の炭素繊維束、第2の炭素繊維束など)とすべきところを、それぞれ繊維束、第1の繊維束、第2の繊維束と略記しているものである。
【0021】
以下、本発明の内容を図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
ピッチ繊維の製造は、従来、良く知られる紡糸方法がとられる。図1に示すように、複数のキャピラリーを有する口金(紡糸ノズル)1をひとつ、あるいは複数個配置した紡糸装置から、ピッチ繊維を引き取る際に、所定の繊維本数になるようにピッチ繊維フィラメント2をピッチ繊維引き取りロール3aを介して束ね、2つ以上のピッチ繊維束に分割する。このピッチ繊維束に、必要に応じて集束剤を付与する。その後、繊維交絡装置4の部分でそれぞれの繊維束に空気流による交絡を与え、第1の繊維束(ピッチ繊維束)5とする。この後、必要に応じて第1の繊維束5を単独、あるいは複数を併せたものに再度集束剤を付与する。その後、第1の繊維束5をロール3b,3cを介して複数束ねたものを繊維交絡装置6の部分で再び空気流による交絡を与え、ロール3dを第2の繊維束(ピッチ繊維束)7としピッチ繊維を引き取る。
【0023】
ここで、紡糸用ピッチの原料は、コールタール、コールタールピッチ等の石炭系ピッチ、石炭液化ピッチ、エチレンタールピッチ、流動接触触媒分解残査油から得られるデカントオイルピッチ等の石油系ピッチ、あるいはナフタレン等から触媒などを用いて作られる合成ピッチ等、各種のピッチを包含するものである。
【0024】
紡糸用ピッチとして使用されるピッチは、前記のピッチを公知の方法で改質したものが用いられる。
【0025】
また、紡糸用ピッチは、軟化点が200〜400℃、より好ましくは230〜350℃のものがよい。
【0026】
得られたピッチは紡糸に先だって絶対濾過精度が3μm以下であるフィルター、あるいはこのフィルターと同等あるいはそれ以上の濾過精度が得られる濾過方法によりピッチ中の異物を取り除くことが必要である。ピッチ中に3μm以上の固形異物が存在すると糸切れが頻発することとなる。
【0027】
上記紡糸用ピッチを口金(紡糸ノズル)で紡糸する条件としては、例えば、紡糸粘度1〜300Pa・s、好ましくは10〜200Pa・s、より好ましくは20〜100Pa・sを示す温度で、口径0.05〜0.5mm、好ましくは0.08〜0.3mmのキャピラリーを用い、紡糸速度(引き取り速度)10〜2000m/min、好ましくは100〜1000m/min、より好ましくは200〜600m/minで引き取り延伸するものである。上記紡糸粘度が1Pa・s未満の場合には、低粘度のため曳糸性が劣り好ましくない。紡糸粘度が300Pa・sを超える場合には、紡糸時の張力が過大となり、このため糸切れが生じ好ましくない。キャピラリーの口径が0.05mm未満の場合には、キャピラリー詰まりが生じ易く好ましくない。キャピラリーの口径が0.5mmを超える場合には、繊維径変動が生じ易く好ましくない。上記紡糸速度が10m/min未満の場合には、生産性が著しく低下し好ましくない。紡糸速度が2000m/minを超える場合には、空気抵抗により紡糸張力が過大となり好ましくない。
【0028】
このときに用いる紡糸装置は、複数のキャピラリーを有する口金(紡糸ノズル)を単独または複数個ならべたものが利用できる。このときに並べる紡糸ノズルの数は、10個以下が好ましい。これより数が多いと、各ノズル間の調整が煩雑になったり、また、紡糸ノズルの間隔が広がり単一のロールで延伸することが困難となり、糸の揃いのよいマルチフィラメント炭素繊維の製造が困難となる。また、キャピラリーの本数は、1つの紡糸ノズル当たり100〜10000本、好ましくは500〜5000本、より好ましくは1000〜3000本である。こうした紡糸ノズルを有する紡糸装置としては、特に制限されるものではなく従来公知の紡糸装置を適宜利用することができる。例えば、特開平6−146119号公報に記載ないし図示するものなどが挙げられる。
【0029】
紡糸によって2つ以上に分割される各ピッチ繊維束のフィラメント数は、通常100〜10000本、好ましくは500〜5000本、より好ましくは1000〜3000本である。フィラメント数100本未満の場合には、繊維束のハンドリング性が悪化し好ましくない。一方、フィラメント数が10000本を超える場合には、本発明の目的である低繊度炭素繊維とは言えず好ましくない。
【0030】
ピッチ繊維のフィラメントの繊維径は、ピッチ繊維を不融化、炭化、黒鉛化することにより繊維径の収縮が生じるので、この分を考慮してピッチ繊維のフィラメントの繊維径を決定すればよい。通常、ピッチ繊維のフィラメントの繊維径は、直径5〜30μm、好ましくは7〜20μm、より好ましくは8〜15μmである。ピッチ繊維のフィラメントの繊維径が、直径5μm未満の場合には、紡糸が著しく困難となり好ましくない。一方、直径30μmを超える場合には、繊維のハンドリング性が劣り好ましくない。
【0031】
上記第1の繊維束を得るには、繊維束に対し2方向あるいはそれ以上の方向から1m/s〜50m/s、好ましくは1.5〜20m/s、より好ましくは2〜10m/sの空気流を与えればよい。これにより、ピッチ繊維束に軽い交絡を与えることができる。空気流が1m/s未満では交絡が不十分で、後工程での繊維の分割に問題を生じる。また、50m/s超ではピッチ繊維が毛羽だったり、交絡の程度が大きくなりすぎ、炭素繊維の品位が低下する。具体例としては、図1に示すように第1の繊維束5を得るには、繊維交絡装置4における空気流によりピッチ繊維束に交絡を与えればよい。より詳しくは、図2に示すように筒状の繊維交絡装置本体10の筒内経路を通過する繊維束9に対し、該繊維交絡装置本体10に設けた2以上の空気吹込口を通じて2方向あるいはそれ以上の方向から上記速度で空気流8を与えればよい。ここで、空気吹込口を通じて与えられる空気流の総流量は、通常0.01〜20m3 /hr、好ましくは0.02〜5m3 /hr、より好ましくは0.05〜1m3 /hrである。空気流の総流量が0.01m3 /hr未満の場合には、交絡が不十分であり好ましくない。一方、空気流の総流量が20m3 /hrを超える場合には、交絡の程度が大きくなりすぎ好ましくない。また、上記空気流の温度は、一般的には室温で良いが、交絡の程度を調整する目的で冷却したり、加温したりすることも適宜可能である。上記空気流の流速および総流量が得られるように、上記空気吹込口の数および口径を決定すればよい。また、空気吹込口は、2方向あるいはそれ以上の方向から空気流が効果的に与えられるように、上記筒状の繊維交絡装置本体10の同一円周上に2個以上設けてもよい(図2参照)し、筒状の繊維交絡装置本体10の軸方向に適当な間隔をあけて2個以上設けても良いし、これらを組み合わせて2個以上設けても良い。空気流は、(1)繊維束9に進行方向に対してほぼ垂直に吹き付けてもよい(図2参照)し、(2)繊維束9に進行方向に対して逆方向に吹き付けても良いし、(3)繊維束9に進行方向に対して順方向に吹き付けても良いなど、繊維束9に進行方向に対してほぼ0°〜180°のいずれかの向きに吹き付ければよく、特に限定されるものではないが、好ましくは45°〜135°、より好ましくは60°〜120°である。また、上記筒状の繊維交絡装置本体の内径は、交絡が十分に付与できる大きさがあればよく、2〜30mmあればよい。なお、こうした筒状の繊維交絡装置本体10を用いることなく、繊維束9に対して2方向あるいはそれ以上の方向から空気流が与えられるように、2以上の空気吹出ノズルのみを設けても良いなど、空気流の与え方については、特に限定されるものではない。
【0032】
こうして得られた第1のピッチ繊維束の交絡度は100mm以下、好ましくは10mm〜100mm、さらに好ましくは20mm〜100mmである。交絡度が100mmを超すと第2の繊維束から第1の繊維束に分割を行う際の分割能が劣ることとなり好ましくない。なお、第1のピッチ繊維束の交絡度の下限は、繊維束の開繊性(広がり程度)の観点から10mmとするのが望ましい。
【0033】
得られた第1の繊維束を単独あるいは複数併せたものに必要に応じて付与される集束剤は、特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜利用することができる。具体的には、水、シリコーン、有機溶媒、あるいはシリコーン、有機溶媒の水エマルジョンなどが挙げられる。
【0034】
第2の繊維束を得るには、第1の繊維束を複数本あわせた繊維束に対して少なくとも2方向から10m/s〜400m/s、好ましくは15〜300m/s、より好ましくは20〜200m/sの空気流を与えればよい。これにより、ピッチ繊維束全体に軽い交絡を与えることができる。空気流が10m/s未満では第2の繊維束が第1の繊維束に簡単に分繊してしまい、後工程のハンドリングに問題が生じる。また、400m/s超ではピッチ繊維が毛羽だったり、第1の繊維束への分繊が困難になる。具体例としては、図1に示すように第2の繊維束7を得るには、繊維交絡装置6における所定速度の空気流により第1の繊維束を複数本あわせた繊維束に交絡を与えればよい。より詳しくは、図2に示すように筒状の繊維交絡装置本体10の筒内経路を通過する繊維束9に対し、該繊維交絡装置本体10に設けた2以上の空気吹込口を通じて2方向あるいはそれ以上の方向から上記速度で空気流8を与えればよい。ここで、空気吹込口を通じて与えられる空気流の流量は、通常0.1〜200m3 /hr、好ましくは0.2〜50m3 /hr、より好ましくは0.4〜30m3 /hrである。上記空気流の流量が0.1m3 /hr未満の場合には、第2の繊維束が第1の繊維束に簡単に分繊してしまい、後工程のハンドリングに問題が生じる。また、上記空気流の流量が200m3 /hrを超える場合には、ピッチ繊維に毛羽立だちが生じることがあるなど好ましくない。また、上記空気流の温度は、一般的には室温で良いが、交絡の程度を調整する目的で冷却したり、加温することも適宜可能である。上記空気流の流速および総流量が得られるように、上記空気吹込口の数および口径を決定すればよい。また、空気吹込口は、2方向あるいはそれ以上の方向から空気流が効果的に与えられるように、上記筒状の繊維交絡装置本体10の同一円周上に2個以上設けてもよい(図2参照)し、筒状の繊維交絡装置本体10の軸方向に適当な間隔をあけて2個以上設けても良いし、これらを組み合わせて2個以上設けても良い。空気流は、(1)繊維束9に進行方向に対してほぼ垂直に吹き付けてもよい(図2参照)し、(2)繊維束9に進行方向に対して逆方向に吹き付けても良いし、(3)繊維束9に進行方向に対して順方向に吹き付けても良いなど、繊維束9に進行方向に対してほぼ0°〜180°のいずれかの向き吹き付ければよく、特に限定されるものではないが、好ましくは45°〜135°、より好ましくは60°〜120°である。また、上記筒状の繊維交絡装置本体の内径は、交絡が十分に付与できる大きさがあればよく、5〜100mmあればよい。なお、こうした筒状の繊維交絡装置本体10を用いることなく、繊維束9に対して2方向あるいはそれ以上の方向から空気流が与えられるように、2以上の空気吹出ノズルのみを設けても良いなど、空気流の与え方については、特に限定されるものではない。
【0035】
この第2の繊維束を構成する第1の繊維束間の交絡度は、100mm以上、好ましくは100mm〜5000mm、さらに好ましくは200mm〜4000mmである。第1の繊維束間の交絡度が100mm未満では第2の繊維束を第1の繊維束に分割を行う際の分割能が劣ることとなり好ましくない。なお、第1の繊維束間の交絡度の上限は、特に限定されないが、第2の繊維束のハンドリング性の観点から5000mmとするのが望ましい。また、第2の繊維束内の第1の繊維束の交絡度は、上記した第1の繊維束単独の交絡度と同じである。
【0036】
第2の繊維束を構成する第1の繊維束の数は、2以上、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10である。第1の繊維束の数の上限は、第2の繊維束から第1の繊維束への分割の容易さの観点から20とするのが望ましい。したがって、第2の繊維束のフィラメント総数は、200〜20万本、好ましくは1000〜10万本、より好ましくは2000〜3万本である。第2の繊維束のフィラメント総数が200本未満の場合には、生産性が低く、かつハンドリング性に劣り好ましくない。一方、第2の繊維束のフィラメント総数が20万本を超える場合には、不融化工程において第2の繊維束全体を均一に反応させるのが困難となり好ましくない。
【0037】
このようにして得られた炭素繊維の前駆体の1種であるピッチ繊維束(すなわち、第1のピッチ繊維束が複数で構成される第2のピッチ繊維束)は、上記したように、100mm以下の交絡度を有する第1のピッチ繊維束が2本以上の束で構成される第2の繊維束であり、該第2の繊維束内の該第1の繊維束間の交絡度が100mm〜5000mmであることを特徴とするものである。
【0038】
この引き取られた第2のピッチ繊維束は、一旦ボビンに巻き取ることも可能であるし、糸缶あるいはケンスに直接振り込んでも良い。あるいはコンベアーに振り込み、直接不融化等の後工程に供する事も可能である。
【0039】
このようにして得られた第1のピッチ繊維束が複数で構成される第2のピッチ繊維束は、従来同様、通常のピッチ繊維束と同じ扱いが可能であり、常法にしたがい不融化、炭化を行う。以下、簡単に不融化および炭化につき説明する。
【0040】
まず、引き取られた第2のピッチ繊維束を(1)ボビンに巻き取られた状態、(2)ケンスに収納した状態、あるいは(3)コンベアーに繰り出し可能に振り込み、酸化性ガス雰囲気下で、温度100〜400℃、好ましくは100〜350℃、不融化時間10〜1000分、好ましくは30〜500分で不融化を行う。ここで、温度が100℃未満の場合には不融化の反応が遅く、400℃を超える場合には酸化が促進されすぎ好ましくない。不融化時間が10分未満の場合には不融化反応が不十分であり、1000分を超える場合には生産性が低くなり好ましくない。
【0041】
上記酸化性ガスとしては、例えば、二酸化窒素濃度が0〜10体積%、好ましくは0.5〜5体積%、酸素濃度が1〜50体積%、好ましくは5〜30体積%含むガスなどが利用できる。
【0042】
次に、この不融化により得られた不融化繊維を、不活性ガス雰囲気で、温度300〜800℃で、1〜200分、好ましくは10〜60分処理し最初の炭化(一次炭化ないし低温炭化)を行う。これにより、最初の炭化後の第2の繊維束は第1の繊維束ごとに別れる事なく、1本の繊維束の状態を保持できる。そのため、通常に製造される繊維束と同様に扱うことができる。
【0043】
つぎにこの低温炭化した第2の繊維束を、温度600〜1500℃、好ましくは600〜1200℃で、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気の炉に繰り出しながら、10秒〜30分間、好ましくは20秒〜5分間焼成して炭化(2次炭化)を行なう。ここで、炭化(2次炭化)の温度が600℃より低い場合、炭化後の第2の炭化繊維束の強度が低く、次の黒鉛化工程での取扱が難しくなるなどの問題が生じる。一方、1500℃を超える場合、炭化後の第2の炭化繊維束の弾性率が大きくなり、例えば、ボビンへ第2の炭化繊維束を巻取った場合に、毛羽立ち等の問題が生じる。また、炭化(2次炭化)の時間が10秒未満の場合には、炭化が不十分であり好ましくない。一方、30分を超える場合には、生産性が著しく損なわれ好ましくない。
【0044】
以上のような製造条件の設定で第2の炭化繊維束を得ることで、次工程の黒鉛化工程での生産性は極めて向上する。しかしながら、ピッチ系炭素繊維では、脆弱なピッチ繊維を出発原料に製造するために、どうしても、第2の炭化繊維束に欠陥、例えば、繊維同志の融着、あるいは剛直が生じたり、第2の炭化繊維束の一部が傷つき、一部的に破断している箇所を皆無にする事が極めて難しい。そこで、第2の炭化繊維束をケンス等の収納容器、あるいはボビンに巻取る前に第2の炭化繊維束を、目視あるいは光学的検出装置により第2の炭化繊維束にある一部欠陥箇所を検出し、ここで第2の炭化繊維束を強制的に切断し、欠陥個所を取り除くことが好ましい。これにより次工程である黒鉛化工程には、欠陥を全く含まない第2の炭化繊維束を供給することが可能となり、黒鉛化工程の生産性がさらに向上する。その結果、炭素繊維製品の生産性が著しく向上することが可能となるという利点を有する。
【0045】
また、炭化を行った時点で繊維強度は向上しハンドリングも容易になるので、炭化後、この第2の炭化繊維束を第1の炭化繊維束に分割し小繊度の炭化繊維を得てもよい。そして、この第1の繊維束からなる炭化繊維を、黒鉛化することで低繊度の炭素繊維を製造することもできる。このときの工程の概略の流れは図3のようになる。あるいは図4に示すように第2の繊維束を上述したように順次、不融化、炭化し、さらに黒鉛化して第2の炭素繊維束を得た後、これを第1の繊維束に分割することで低繊度の炭素繊維を効率的に製造してもよい。すなわち、本発明の炭素繊維の製造方法では、黒鉛化工程は必ずしも必須の構成要件ではないが、黒鉛化工程を行うことが望ましい。
【0046】
炭化後または黒鉛化後の第2の繊維束を第1の繊維束へ容易に分割しかつ第1の繊維束内の単繊維の交絡を除くためには炭化(2次炭化)の際に、第2の繊維束に対し、0.29mN/tex〜9.8mN/tex、好ましくは0.50〜5.0mN/texの張力をかけながら、線状に焼成することが望ましい。炭化の際の張力が0.29mN/tex未満では、分割の向上、交絡の低減の効果は不十分である。一方、炭化の際の張力が9.8mN/tex超の張力では、張力が過剰となり炭化時の繊維破断等を引き起こし易くなるため不適である。また、上記温度条件で炭化(2次炭化)を行なう際に、上記に示す張力を加えながら焼成を行なうことにより、400℃以上の炭化温度で生じる繊維長さ方向の収縮を均一にすることが初めて可能となり、糸揃いの改善された第2の繊維束を得ることもできる。
【0047】
第2の繊維束を分割し、複数の第1の繊維束を得るには、炭化あるいは黒鉛化を行った後、ピン、ガイド等を用いて第1の繊維束に分割しても良いし、あるいは複数の糸道プーリー等を用いても良い。ピン、ガイド、あるいはプーリー等糸束の分割にはなるべく繊維との摩擦が少なく、毛羽等の発生が少ないものが好ましいが、材質、形状等は特に問うものではない。
【0048】
つぎに、(a)炭化(2次炭化)した第2の炭化繊維束、(b)第2の炭化繊維束を第1の炭化繊維束に分割しながら、あるいは(c)炭化後に第2の繊維束を分割した第1の炭化繊維束に対して、炭化(2次炭化)温度よりも高い温度、好ましくは1500〜3000℃の不活性ガス雰囲気の炉に繰り出しながら、1秒〜30分間、好ましくは10秒〜10分間焼成して黒鉛化を行なうこともできる。
【0049】
黒鉛化の際に、上記(a)、(b)または(c)のいずれかの繊維束に対し、0.29〜100mN/texの張力をかけながら、黒鉛化することが望ましい。
【0050】
上記炭化工程ないし黒鉛化工程で第1の繊維束に分割することなく得られた第2の繊維束(炭化繊維束ないし黒鉛化繊維束)は、第1の繊維束内の交絡度が200mm以下、好ましくは10mm〜200mm、さらに好ましくは20mm〜200mmである。交絡度が200mmを超すと第1の繊維束に分割を行う際の分割能が劣ることとなり好ましくない。また、第1の繊維束間の交絡度は200mm以上、好ましくは500mm以上、さらに好ましくは1000mm以上である。この第1の繊維束間の交絡度が200mm未満では第2の繊維束から第1の繊維束に分割を行う際の分割能が劣ることとなり好ましくない。この第2の炭素繊維束は、通常は比較的繊度の大きな繊維として扱えるものの、必要に応じて第1の繊維束に分割が可能であることから、織物あるいはプリプレグの製造時に第1の繊維束に分割しながら使用することで、薄目付けの織物、プリプレグの製造に好適である。
【0051】
本発明のピッチ系炭素繊維束は、200mm以下の交絡度を有する第1の炭素繊維束が2本以上の束で構成される第2の繊維束であり、該第2の繊維束内の該第1の繊維束間の交絡度が200mm以上であり、かつ第1の繊維束への分割能を有することを特徴とするものである。さらに本発明のピッチ系炭素繊維束は、上記第2の炭素繊維束を分割してなる第1の繊維束であることを特徴とするものであってもよい。本発明のピッチ系炭素繊維束では、毛羽もなく繊度のバラツキも無い低繊度の炭素繊維とすることができるため、軽量な炭素繊維織物、炭素繊維プリプレグの製造に適しており、スポーツ、レジャー産業、宇宙航空分野等種々の産業分野の使用に好適である。
【0052】
なお、本発明のピッチ系炭素繊維束では、上記特性を有するほか、既存の炭素繊維同様に、高強度、高弾性率などの諸特性を有することはいうまでもない。具体的には、繊維束を構成するフィラメントの引張強度が0.5GPa以上、好ましくは1〜7GPaであり、引張弾性率が30GPa以上、好ましくは50〜1000GPaである。また、本発明のピッチ系炭素繊維束のフィラメント数は、上記使用目的に応じて適宜決定すればよく、第2の炭素繊維束の場合、通常200〜20万本、好ましくは1000〜10万本、より好ましくは2000〜3万本である。ピッチ系炭素繊維束を構成するフィラメントの平均繊維径も、上記使用目的に応じて適宜決定すればよく、通常4〜25μm、好ましくは5〜15μm、より好ましくは6〜12μmである。
【0053】
【実施例】
以下、さらに本発明を明確にするために、実施例ならびに比較例を用いて説明する。
【0054】
なお、本発明の交絡度の評価(フックドロップ法)は以下の方法による。
【0055】
繊維束に0.12mN/tex〜0.16mN/texの張力を与え垂直に吊るす。先端を2cm程度直角に折り曲げた直径0.8mmの針金に、ピッチ繊維束の場合は1.2gの重りを、炭素繊維束の場合は0.2gの重りを繊維束に引っかけ自由落下させた時の落下長を交絡度とする。なお、本発明では1条件につき10回の測定の平均値を用いた。なお、サイジングを施した炭素繊維束の場合は、サイジングを空気中450℃で1時間焼成しサイジングを除去した後測定に供した。
【0056】
実施例1
原料としてキノリン不溶分を除去した軟化点80℃のコールタールピッチを、触媒を用い直接水素化を行った。この水素化処理ピッチを常圧下480℃で熱処理した後、低沸点分を除きメソフェーズピッチを得た。このピッチは、軟化点が300℃、メソフェーズ含有量が95質量%であった。このピッチをフィルターを用いて温度340℃でろ過を行い、ピッチ中の異物を取り除き、精製ピッチを得た。この精製ピッチを紡糸原料とし、キャピラリー数1000の口金を3ヶ用いて紡糸を行なった。
【0057】
紡糸粘度60Pa・s、紡糸速度が400m/minで各ノズルから引きとった繊維は各1000フィラメントの3本の束とし、各々の繊維束にシリコーン系集束剤を付与した後、2方向から4m/sの空気流を付与し交絡を与え、3本の第1のピッチ繊維束とした。この第1の繊維束3本を合わせ、8方向から50m/sの空気流を与え第2の繊維束とし、この繊維束をケンスに収納した。この第2の繊維束は平均繊維径が9.8μm、フィラメント数が3000であった。この第2のピッチ繊維束において第1の繊維束内の交絡度は45mmであり、第2の繊維束内の第1の繊維束間の交絡度は1500mmであった。
【0058】
つぎに、この第2のピッチ繊維束をケンスに収納した状態で、二酸化窒素ガスを5体積%添加した空気に酸化ガスをケンス下部から吹き込みながら150℃から300℃まで1℃/minで昇温し、そのまま300℃に30分保持して不融化繊維を得た。この不融化繊維をケンスに収納した状態で窒素ガス雰囲気下で不融化繊維を10℃/minで昇温し、390℃まで昇温しその温度で30分保持し低温炭化を行なった。この時の繊維束は3本に別れる事なく、1本の繊維束となっており、通常に製造される3000本からなる繊維束と同様であった。つぎにこの繊維束を温度1100℃、窒素ガス雰囲気の炉にケンスから繊維糸条を繰り出しながら張力を1.18mN/texかけながら、線状に焼成しボビンに巻とった。この工程を経てボビンに巻き取られた炭化繊維束は1000本の繊維束が3本に容易に分割される形態を呈した。この炭化繊維束において第1の繊維束内の交絡度は55mmであり、第2の繊維束内の第1の繊維束間の交絡度は5000mmを超えた。この得られたボビンから炭化繊維糸束を巻き返しながら1000フィラメントの繊維束を3本にガイドで分割しながら2500℃の温度で黒鉛化を行い、1本の炭化繊維ボビンから1000フィラメントの炭素繊維束を3本製造した。この炭素繊維束はフィラメント数1000、平均繊維径7.0μm、引張強度4.2GPa、引張弾性率620GPaで外観上も毛羽立ちのないものであった。
【0059】
実施例2
実施例1で得られた炭化繊維束を分割する事なく温度2700℃の温度で黒鉛化を行い、炭素繊維束を得た。この繊維束においてサイジングを取り除いた後の第1の繊維束内の交絡度は70mmであり、第2の繊維束内の第1の繊維束間の交絡度は5000mmを超えた。この炭素繊維束を複数のガイドプーリーを用いフィラメント数1000の繊維束を3本に分割しそれぞれをボビンに巻きとった。この炭素繊維束は平均繊維径6.9μm、引張強度4.1GPa、引張弾性率800GPa、フィラメント数1000で毛羽立ちもなくまた、繊度のバラツキもないものであった。
【0060】
比較例1
実施例1の精製ピッチをキャピラリー数1000の口金を3ヶ用いて紡糸を行なった。紡糸粘度60Pa・s、紡糸速度が400m/minで各ノズルから引きとった繊維は各1000本の束とし、各々の繊維束にシリコーン系集束剤を付与しただけで空気流による交絡は付与せず、この第1の繊維束3本を合わせ、8方向から50m/sの空気流を与え第2の繊維束とし、この繊維束をケンスに収納した。このピッチ繊維束の交絡度を測定は第1の繊維束への分割が不可能であったため、第2の繊維束全体での交絡度を測定したところ40mmであった。
【0061】
つぎにこのピッチ繊維束をケンスに収納した状態で、二酸化窒素ガスを5体積%添加した空気に酸化ガスをケンス下部から吹き込みながら150℃から300℃まで1℃/minで昇温し、そのまま300℃に30分保持して不融化繊維を得た。この不融化繊維をケンスに収納した状態で窒素ガス雰囲気下で不融化繊維を10℃/minで昇温し、390℃まで昇温しその温度で30分保持し低温炭化を行なった。つぎにこの繊維束を温度1100℃、窒素ガス雰囲気の炉にケンスから繊維糸条を繰り出しながら、該繊維束に対して1.18mN/texの張力をかけながら線状に焼成しボビンに巻とった。この工程を経てボビンに巻き取られた繊維束は3000本の繊維束のままで1000本の繊維束への分割は生じなかった。
【0062】
この得られたボビンから炭化繊維糸束を巻き返しながらフィラメント数1000の繊維束3本にガイドで強制的に分割しながら2500℃の温度で黒鉛化を試みたが、分割が連続的に実施できず、途中で繊維束が切れ、安定的にフィラメント数1000の炭素繊維束を得る事が不可能であった。
【0063】
比較例2
実施例1の精製ピッチをキャピラリー数1000の口金を3ヶ用いて紡糸を行なった。紡糸粘度60Pa・s、紡糸速度が400m/minで各ノズルから引きとった繊維は各1000本の束とし、各々の繊維束にシリコーン系集束剤を付与した後、2方向から4m/sの空気流を付与し交絡を与え、3本の第1の繊維束とした。この第1の繊維束3本を合わせ、実施例1と異なりそのままで第2の繊維束とし、このピッチ繊維束をケンスに収納した。このピッチ繊維束において第1の繊維束内の交絡度は50mmであり、第2の繊維束内の第1の繊維束間の交絡度は5000mmを超えた。つぎにこのピッチ繊維束をケンスに収納した状態で、二酸化窒素ガスを5体積%添加した空気に酸化ガスをケンス下部から吹き込みながら150℃から300℃まで1℃/minで昇温し、そのまま300℃に30分保持して不融化繊維を得た。この不融化繊維をケンスに収納した状態で窒素ガス雰囲気下で不融化繊維を10℃/minで昇温し、390℃まで昇温しその温度で30分保持し低温炭化を行なった。つぎにこの繊維束を温度1100℃、窒素ガス雰囲気の炉にケンスから繊維糸条を繰り出しながら焼成を試みたところ、1000フィラメントの繊維束が3本に別れてしまうことで、安定してケンスからの繰り出すことができず、また、炭化炉内での繊維束の分繊により連続的焼成が不能であった。
【0064】
実施例3
原料としてキノリン不溶分を除去した軟化点80℃のコールタールピッチを触媒下、温度360℃、圧力11.77MPaで水素化処理し、原料中の硫黄分を40%除去した。得られた水素化コールタールピッチを温度400℃、圧力5.33kPaで5hr減圧熱処理を行い軟化点160℃のピッチを得た。この熱処理ピッチを温度450℃、圧力66.66Paでさらに5分熱処理して紡糸用ピッチを得た。このピッチは軟化点が250℃、トルエン不溶分が50質量%、キノリン不溶分が0質量%であり、メソフェースを全く含まない光学的等方性ピッチであった。
【0065】
このピッチを用いて、内径0.1mmのキャピラリーを1500ホール有する口金2つを用いて、紡糸粘度40Pa・s、紡糸速度400m/minで各ノズルから引きとった繊維は各1500フィラメントの2つの束とし、各々の繊維束に2方向から3.5m/sの空気流を付与し交絡を与え、第1の繊維束を2本とした。この第1の繊維束2本を合わせ、8方向から50m/sの空気流を与え第2の繊維束とし、この繊維束をケンスに収納した。この繊維束は平均繊維径9.5μm、フィラメント数3000の連続ピッチ繊維束を得た。このピッチ繊維束において第1の繊維束内の交絡度は60mmであり、第2の繊維束内の第1の繊維束間の交絡度は2000mmであった。
【0066】
このピッチ繊維束を二酸化窒素濃度4体積%、酸素濃度30体積%、120〜240℃の温度で2時間で処理し、次いで二酸化窒素濃度0.4体積%、酸素濃度10体積%、240〜330℃の温度で2時間計4時間で処理した。得られた不融化繊維束を窒素雰囲気、390℃、無緊張化で低温炭化を行った。この繊維束に対して0.98mN/texの張力をかけながら1000℃で炭化を行い炭化繊維束を得た。この工程を経てボビンに巻き取られた繊維束は1500本の繊維束が2本に容易に分割される形態を呈した。この炭化繊維束において第1の繊維束内の交絡度は60mmであり、第2の繊維束内の第1の繊維束間の交絡度は5000mmを超えた。
【0067】
この得られたボビンから炭化繊維束を巻き返しながらフィラメント数3000の繊維束のまま2000℃の温度で黒鉛化を行った。その後、フィラメント数1500本の繊維束にガイドを用いながら分割し1500フィラメントの炭素繊維の繊維束2本を各々のボビンから安定的に製造する事ができた。この炭素繊維はフィラメント数1500、引張強度1.27GPa、弾性率58.8GPa、平均繊維径7.7μmであり、毛羽もなく繊度のバラツキも無いものであった。
【0068】
実施例4
実施例3で得た3000フィラメントの炭化繊維束を1500フィラメント繊維に分割する事なく2000℃の温度で黒鉛化を行ない3000フィラメントの炭素繊維を得た。なお、この炭素繊維は1500フィラメントの繊維束2本に容易に分割が可能であった。この繊維束においてサイジングを取り除いた後の第1の繊維束内の交絡度は70mmであり、第2の繊維束内の第1の繊維束間の交絡度は5000mmを超えた。この炭素繊維を用いてプリプレグを製造したところ、プリプレグ装置手前で3000フィラメントの繊維束を1500フィラメントの繊維束2本に分割する事で、目付け30g/m2のUDプリプレグが目開き無く美麗に製造することができた。
【0069】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は低繊度の炭素繊維を製造する際に、炭素繊維製造コストを左右する、紡糸、不融化、炭化等の各工程では多繊度炭素繊維と同様の生産性を維持し、最終的に低繊度の炭素繊維の製造を可能とする事から、低繊度の炭素繊維を工業的に生産性が良く安価に製造できるという極めて顕著な効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係わるピッチ繊維の引き取り装置概略構成図である。
【図2】 本発明の一実施態様に係わる空気流による繊維交絡装置の概略構成図(断面)である。
【図3】 本発明の一実施態様に係わる炭素繊維製造工程概略構成図(炭化後分割)である。
【図4】 本発明の一実施態様に係わる炭素繊維製造工程概略構成図(黒鉛化後分割)である。
【符号の説明】
1…紡糸口金、
2…ピッチ繊維フィラメント、
3…ピッチ繊維引き取りロール、
4…空気流による繊維交絡装置(第1の繊維束用)、
5…第1の繊維束(ピッチ繊維束)、
6…空気流による繊維交絡装置(第2の繊維束用)、
7…第2の繊維束(ピッチ繊維束)、
8…空気流、
9…繊維束、
10…空気流による繊維交絡装置本体、
11…不融化工程、
12…低温炭化工程、
13…炭化工程、
14…黒鉛化工程、
15…炭素繊維(製品)。

Claims (9)

  1. 100mm以下の交絡度を有する第1のピッチ繊維束が2本以上の束で構成される第2の繊維束であり、該第2の繊維束内の該第1の繊維束間の交絡度が100mm〜5000mmであることを特徴とするピッチ繊維束。
  2. 200mm以下の交絡度を有する第1の炭素繊維束が2本以上の束で構成される第2の繊維束であり、該第2の繊維束内の該第1の繊維束間の交絡度が200mm以上であり、かつ第1の繊維束への分割能を有することを特徴とするピッチ系炭素繊維束。
  3. 請求項2に記載の第2の炭素繊維束を分割してなる第1の繊維束であることを特徴とするピッチ系炭素繊維束。
  4. ピッチ繊維を引き取る方法において、複数本のピッチ繊維を2つ以上の繊維束に分割したのち、それぞれの繊維束に空気流による交絡を与え、第1の繊維束としたのち、該第1の繊維束を複数本あわせ、このあわせたピッチ繊維束に再び空気流による交絡を与えて第2の繊維束としてピッチ繊維を引き取ることを特徴とするピッチ繊の製造方法。
  5. 請求項4で得られた第2の繊維束を不融化、炭化した後、第1の繊維束に分割することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
  6. 請求項4で得られた第2の繊維束を不融化、炭化した後、第1の繊維束に分割してまたは分割しながら、黒鉛化することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
  7. 請求項4で得られた第2の繊維束を不融化、炭化、黒鉛化した後、第1の繊維束に分割することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
  8. 請求項4に記載の空気流による交絡方法として、第1の繊維束とする際に、複数本のピッチ繊維を2つ以上の束に分割したそれぞれの繊維束に対して少なくとも2方向から1m/s〜50m/sの空気流を与え、また、第2の繊維束とする際に、第1の繊維束を複数本あわせた繊維束に対して少なくとも2方向から10m/s〜400m/sの空気流を与えることを特徴とするピッチ繊の製造方法。
  9. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の炭化の際に、第2の繊維束に対して0.29mN/tex〜9.8mN/texの張力をかけながら焼成することを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造方法。
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