JP2930167B2 - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents
炭素繊維の製造方法Info
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Description
するものであり、特に種々のピッチから炭素繊維を糸切
れなく安定して、大量迅速に製造する方法に関する。
い材料で近年、航空宇宙分野、自動車工業、その他の工
業分野で、強くて軽い素材として注目を浴びている。
りながら安価な材料が望まれている。
(PAN)を原料とするPAN系炭素繊維とピッチ類を
原料とするピッチ系炭素繊維が製造されているが、現状
では高強度、高弾性率の高性能炭素繊維としては主にP
AN系炭素繊維が使用されている。
高弾性率化するには限界があり、また、その原料となる
PANが高価であり、PANから得られる炭素繊維収率
が低いことなどもあって、炭素繊維の価格が高価となら
ざるを得ないという問題がある。
性率化が容易なメソフェーズピッチを原料とするピッチ
系炭素繊維の高性能化の検討が種々行なわれている。
間工程品である不融化繊維もその強度が5〜10kg/
mm2と著しく脆いために、その繊維が100〜10
0,000本集合した、不融化繊維糸条はその取扱が難
しく、糸切れしやすく長尺な繊維の製造が困難であった
り毛羽立ちが多いとの問題がある。
て、炭化あるいは黒鉛化を行うと、特開平4―9122
9号公報に開示されるように、炭化あるいは黒鉛化の際
に繊維糸条内の単糸が融着し、糸条が剛直になったりす
るなど製品品質を著しく低下するという問題があった。
81号公報では不融化後、400〜650℃の範囲で初
期炭化を行い、この初期炭化繊維をハンドリングする方
法が記載されている。
行うと、特公昭62―20281号公報に記載されるよ
うに、炭化処理温度が500〜600℃の間で繊維の破
断伸度が著しく向上する点が存在する。
温度領域で炭化を行い糸条のハンドリングを行うことが
知られている。
は、繊維の破断伸度を2.5%を超えるまで加熱し、炭
化を行い、その後繊維糸条を緊張下に更に高温、雰囲気
で炭化、黒鉛化を行いフィラメント揃いのよい炭素繊維
束を製造する方法が記載されている。
性の改善、あるいは炭素繊維物性の改善として不融化ガ
スに二酸化窒素を用いる方法が特開昭60―25962
9号公報に、あるいは二酸化窒素さらに水蒸気を混合す
る方法が特開平2―6618号公報に記載されている。
スを用いることにより、従来一般的に行われている空気
による不融化に比べ不融化時間を著しく短縮する事が可
能となる。
用いた場合、従来一般的に知られている400〜650
℃の範囲で初期炭化を行っても、繊維の破断伸度が向上
するものの、この範囲では破断強度が低く、糸切れが生
ずるなど、糸条のハンドリング性が改善されないという
問題があった(図1)。
悪く物性の発現が不安定であったり、黒鉛化工程での糸
条の破断が生じるために生産性の低下を引き起こしたり
した。
で数秒から数分という極短時間、糸条を線状に搬送させ
ながら行なうのが一般的である。
化炉に数本から数100本の糸条を通じるのが一般的で
あり、この糸条は黒鉛化炉の前後に設置されたローラー
によって駆動される。
一台のローラーで複数の糸条を搬送しており、複数本の
糸条の内一本でも破断が生じると、全糸条の搬送を中止
し破断糸条の復旧を行なう。
とすることができず、生産性を著しく低下することにな
る。
こさないための技術の開発が望まれている。
ガスを用いて得られた不融化繊維を、さらに炭化、黒鉛
化する際に、糸条の糸切れ、融着をなくするなどのハン
ドリング性を改善し、さらに炭化、黒鉛化処理工程の生
産性と品質を改善する方法を提供することにある。
ッチを原料とするピッチ繊維を二酸化窒素と酸素を含む
酸化性ガス雰囲気で酸化処理し、この酸化繊維を350
℃以上400℃未満で10min以上不活性雰囲気で焼
成し、その後、糸条に50〜2500g/mm 2 の張力
を加えながら800〜1300℃の温度で連続的に焼成
し炭化を行なうことを特徴とする炭素繊維の製造方法、
および800〜1300℃の温度で連続的に炭化を行な
い、ボビンあるいは受器に繊維を連続的に受け取る際
に、ボビンあるいは受器に受け取る前に、糸条の剛直、
一部破断箇所にて糸条を強制的に切断することを特徴と
する炭素繊維の製造方法である。
としては、コールタール、コールタールピッチ等の石炭
系ピッチ、石炭液化ピッチ、エチレンタールピッチ、流
動接触触媒分解残渣油から得られるデカントオイルピッ
チ等の石油系ピッチ、あるいはナフタレン等から触媒な
どを用いて作られる合成ピッチ等、各種のピッチが挙げ
られる。
ズピッチは、前記のピッチを従来公知の方法でメソフェ
ーズを発生させたものである。
チ繊維の配向性が高いものが望ましく、このためメソフ
ェーズ含有量は40%以上、より好ましくは70%以上
含有するものが望ましい。
は軟化点が200〜400℃、より好ましくは250〜
350℃のものがよい。
ている方法にて溶融紡糸を行うことによりピッチ繊維が
得られる。
00ポイズ〜2000ポイズを示す温度で、口径0.1
mm〜0.5mmのキャピラリーから、圧力0.1〜1
00kg/cm2程度で押し出しながら100〜200
0m/minの引き取り速度で延伸し、繊維径が5〜2
0μmのピッチ繊維を得る。
て、二酸化窒素濃度が2〜10体積%、酸素濃度が2〜
20体積%、必要に応じて水蒸気を2〜10体積%含
み、残りのガスを窒素等の不活性ガスとした酸化性ガス
雰囲気下で、温度100〜320℃、処理時間30〜3
00min、好ましくは40〜200minの条件で不
融化する。
の温度で10min以上窒素ガス等の不活性雰囲気で最
初の炭化(一次炭化)を行なうことが肝要である。
分間炭化した際の単繊維の破断伸びと、炭化繊維糸条の
破断強度を測定した結果を示した。
50℃程度の炭化温度で最大値を示すが、炭化繊維糸条
の破断強度は不融化糸から390℃の焼成温度で緩やか
に向上し、400℃以上で急激に強度が減少することが
わかる。
および破断伸度は炭化温度の上昇と共に向上するもの
の、そのばらつきは大きくなる。
度、破断伸び共に400〜500℃程度の炭化糸に比べ
小さいもののばらつきは少なく、糸条にした際の強度発
現率が高いものと考えられる。
化の過程で繊維長さが約3.2%、500℃では4.5
%程度収縮する。
時の収縮により不均一となり、繊維の揃いが乱れ炭化繊
維糸条の強度が著しく低下したり、最終製品である炭素
繊維あるいは黒鉛化繊維の品質を著しく低下させる。
で炭化(2次炭化)を行なう際に、50〜2500g/
mm2、より好ましくは60〜1000g/mm2の張力
を加えながら焼成を行なうことにより、400℃以上の
炭化温度で生じる繊維長さ方向の収縮を均一にすること
が初めて可能となり、糸揃いの改善された糸条を得るこ
とができる。
2未満では繊維糸条の揃いは改善されず、また2500
g/mm2超では2次炭化中に糸条が破断し易くなる。
合、800〜1300℃の温度で5秒〜2分という、糸
条を連続的に炭化(2次炭化)を行なうと炭化の際に生
じる分解物により、繊維の融着あるいは剛直といった問
題が生じる。
で10min以上、不融化繊維を一旦炭化する必要があ
る。
融化繊維にはある種の窒素化合物が生成しており、ある
程度の温度と時間をかけて炭化する必要があり、そうで
ない場合、急速に炭化を行なうことにより繊維の融着、
剛直が見られる。
2次炭化糸条の強度が低く、次の黒鉛化工程での取扱が
難しく、また、1300℃を超える場合、2次炭化繊維
の弾性率が大きくなり、ボビンへ2次炭化糸を巻取った
場合に、毛羽立ち等の問題が生じる。
を得ることで、次工程の黒鉛化工程での生産性は極めて
向上する。
弱なピッチ繊維を出発原料に製造するために、どうして
も、炭化糸糸条に欠陥、例えば、繊維同志の融着、ある
いは剛直が生じたり、繊維糸条の一部が傷つき、一部的
に破断している箇所を皆無にする事が極めて難しい。
器、あるいはボビンに巻取る前に糸条を、目視あるいは
光学的検出装置により繊維糸条にある一部欠陥箇所を検
出し、ここで糸条を強制的に切断し、欠陥個所を取り除
くことにより次工程である黒鉛化工程には、欠陥を全く
含まない炭化糸条を供給することが可能となり、黒鉛化
工程の生産性がさらに向上し、その結果炭素繊維製品の
生産性が著しく向上することが可能となる。
た。
ユ式から算出される見掛けの粘度が20,000ポイズ
となる温度である。
5(1978年)に示された方法に準じて測定した。
性率 JIS―R―7601(1986年)に示された方法に
準じて測定した。
測定長が1mになるように、繊維糸条両端にタブを接着
剤で固定した試料を多数作成し、これを引張速度50m
m/minの速度で引張り、引張破断荷重を求めた。
化点80℃のコールタールピッチを、触媒を用い直接水
素化を行った。
熱処理した後、低沸点分を除きメソフェーズピッチを得
た。このピッチは、軟化点が304℃、トルエン不溶分
が85重量%、ピリジン不溶分が40重量%、メソフェ
ーズ含有量が95%であった。
14mm、ノズルホール数3000のノズルパックを有
する紡糸機を用いて、メソフェーズピッチの粘度800
ポイズで糸径13μmのピッチ繊維を紡糸し、このピッ
チ繊維を油剤を用いずに、エアーサッカーで集束させな
がらケンス収納した。
たまま、空気に二酸化窒素ガスを5体積%、および水蒸
気を5体積%添加した酸化ガスを、ケンス下部から吹き
込みながら、150℃から300℃まで1℃/minで
昇温し、そのまま300℃に30分保持して不融化繊維
を得た。
ま、窒素ガス雰囲気下で、不融化繊維を10℃/min
で昇温し、350℃以上400℃未満まで昇温しその温
度で30min保持し、一次炭化を行なった。また比較
のため、不融化繊維を10℃/minで昇温し、300
℃以上350℃未満及び400〜600℃まで昇温しそ
の温度で30min保持した一次炭化も行なった。
さでの繊維糸条の破断強度を測定した結果を図1に示し
た。
口温度が1100℃、窒素ガス雰囲気の長さ2mの炉
に、ケンスから繰り出した繊維糸条を線状に、張力を1
00g/mm2、速度4m/minの速度で通しながら
2次炭化を行ない得られた2次炭化繊維をボビンに巻と
った。
次炭化の際に糸条が剛直となり糸条の破断が生じた。
は糸条の剛直はないものの、一次炭化温度が400℃以
上のものは毛羽立ちが非常に多い2次炭化糸であった。
いて、張力を変化させながら2次炭化を行なった。
1次炭化糸2は3のダンサーローラーによって張力を与
え、2次炭化炉4に通した。
2との間には、直径20mmのロール7に約90度の角
度で糸条を巻き付け、図3に示すようにこのロールの上
面をレーザー光線による糸条の一部破断、あるいは剛直
部を検出する糸傷検出機8を設置し、これを2箇所通過
したあと、ボビン9に2次炭化繊維を巻取った。
き返しながら2300℃の温度で、張力を300g/m
m2を与えながら、30秒間アルゴン雰囲気中で黒鉛化
を行い黒鉛化繊維を得た。
与することにより、又2次炭化後、糸傷部を除外するこ
とにより、長時間連続に通糸が可能であり、生産性良く
炭素繊維を製造出来る他、得られた繊維は毛羽立ちもな
く美麗であった。
係図。
Claims (2)
- 【請求項1】 メソフェースピッチを原料とするピッチ
繊維糸条をボビンに巻きとるか、または糸条のまま繰り
出し可能に堆積し、これらをそのまま二酸化窒素と酸素
を含む酸化性ガス雰囲気で酸化不融化処理し、次いで3
50℃以上400℃未満で10min以上不活性雰囲気
で焼成して1次炭化し、その後、糸条に50〜2500
g/mm 2 の張力を加えながら糸条を線状に繰り出して
800〜1300℃の温度で連続搬送させながら2次炭
化することを特徴とする炭素繊維の製造方法。 - 【請求項2】 800〜1300℃の温度で連続的に2
次炭化を行ない、ボビンあるいは受器に繊維を連続的に
受け取る際に、ボビンあるいは受器に受け取る前に、糸
条の剛直又は一部破断箇所を検出し、その箇所にて糸条
を強制的に切断することを特徴とする、請求項1記載の
炭素繊維の製造方法。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP4260499A JP2930167B2 (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 炭素繊維の製造方法 |
US08/437,921 US5595720A (en) | 1992-09-04 | 1995-05-09 | Method for producing carbon fiber |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4260499A JP2930167B2 (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 炭素繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0681221A JPH0681221A (ja) | 1994-03-22 |
JP2930167B2 true JP2930167B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=17348822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4260499A Expired - Lifetime JP2930167B2 (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 炭素繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2930167B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP6738202B2 (ja) * | 2016-05-27 | 2020-08-12 | 帝人株式会社 | 極細炭素繊維の製造方法 |
JP7376230B2 (ja) * | 2017-11-24 | 2023-11-08 | 帝人株式会社 | メソフェーズピッチ含有繊維束、安定化メソフェーズピッチ含有繊維束、及びこれらの製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60259629A (ja) * | 1984-05-31 | 1985-12-21 | Nippon Oil Co Ltd | ピツチ系黒鉛化繊維の製造方法 |
JPS6220281A (ja) * | 1985-07-17 | 1987-01-28 | 川崎製鉄株式会社 | 連続鋳造における誘導加熱制御方法 |
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-
1992
- 1992-09-04 JP JP4260499A patent/JP2930167B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0681221A (ja) | 1994-03-22 |
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