JP2000272825A - ピッチ系炭素繊維の巻き取り方法 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維の巻き取り方法

Info

Publication number
JP2000272825A
JP2000272825A JP11085511A JP8551199A JP2000272825A JP 2000272825 A JP2000272825 A JP 2000272825A JP 11085511 A JP11085511 A JP 11085511A JP 8551199 A JP8551199 A JP 8551199A JP 2000272825 A JP2000272825 A JP 2000272825A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
pitch
bobbin
carbon fiber
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11085511A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Yamamoto
巌 山本
Toshihiro Fukagawa
敏弘 深川
Takanori Takahashi
孝徳 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP11085511A priority Critical patent/JP2000272825A/ja
Publication of JP2000272825A publication Critical patent/JP2000272825A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Winding Filamentary Materials (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高弾性率のピッチ系炭素繊維の製品ボビンと
しての巻き取り方法に関する。 【解決手段】 引張り弾性率が40ton/mm2
上、目付けが1.0g/m以上のピッチ系炭素繊維をボ
ビンに巻き取るに際し、巻き始めの綾角が10°以上、
15°以下であって、ボビンへの巻き取り率がピッチ
が、同一方向の直下の糸束に対して、糸束の平均幅の1
00%以上、130%以下のズレ幅を有するスケアエン
ド巻きに巻き取る事を特徴とするピッチ系炭素繊維の巻
き取り方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピッチ系炭素繊維の
巻き取り方法に関するものであり、より詳しくは高弾性
率のピッチ系炭素繊維の製品ボビンとしての巻き取り方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、比強度及び比弾性率が高い
材料であり、高性能複合材のフィラー繊維として注目さ
れている。一般に炭素繊維はポリアクリルニトリル(P
AN)を原料とするPAN系炭素繊維とピッチ類を原料
とするピッチ系炭素繊維が製造されている。これらの炭
素繊維を最終的に製品ボビンとする場合、他の合成繊維
や天然繊維等と同様にボビンに連続長繊維束をボビンの
巻き取り厚み方向に重なり合うように多層状態に巻き取
り、最終製品とするのが一般的に行われる。特公昭62
−46468号公報には、ボビンに巻き取られた炭素繊
維の巻き崩れや解舒時の毛羽および糸切れの発生を改善
する方法として、巻き始め及び巻き終わりの綾角が10
〜30゜及び4〜12゜とし、既に巻かれた糸束に対し
て、糸束平均幅の50〜150%のズレを有することと
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高弾性
率を有するピッチ系炭素繊維は、伸度が低く、折れ、曲
げに対して弱い為、上記の方法をピッチ系炭素繊維に適
用すると、ボビンへの巻き取りピッチが、同一方向の直
下の糸束に対して、糸束の平均幅の100%未満、即ち
糸束と糸束が重なり合って巻き取りを行うと、糸同士の
絡み合いが強すぎ解舒時に毛羽や糸切れが生じるという
問題が発生する。また、高弾性率を有するピッチ系炭素
繊維は曲げに対して弱く、PAN系炭素繊維や合成繊
維、天然繊維等を原料にした炭素繊維と異なり、綾角の
大きな製品をボビンから解舒する際、ボビン上で糸が擦
れやすいという問題があった。更に、綾角が小さかった
り、糸束と糸束が重なって巻き取りを行うと、上層側の
繊維束が下層側の繊維束に陥没しやすく、解舒時に糸束
のボビン離れが悪くなる傾向があった。このため、解舒
が不安定になり、巻き戻した繊維の品質の低下等の問題
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明は引
張り弾性率が40ton/mm2以上、目付けが1.0
g/m以上のピッチ系炭素繊維をボビンに巻き取るに際
し、巻き始めの綾角が10゜以上15゜以下であって、
ボビンへの巻き取りピッチが、同一方向の直下の糸束に
対して、糸束の平均幅の100%以上130%以下のズ
レ幅を有するスケアエンド巻きに巻き取る事を特徴とす
るピッチ系炭素繊維の巻き取り方法に存する。すなわち
本発明の目的は高弾性率のピッチ系炭素繊維を1〜3k
gあるいはそれ以上、製品の外径としては100mm〜
250mm巻き取った製品が、取り扱い中、特に搬送時
に型崩れすることなく、さらに製品をボビンから糸切れ
やケバ立ち等が発生することなく巻き戻しができ、見栄
えのよいピッチ系炭素繊維の製品ボビンを提供するもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明に用いられるピッチ系炭素繊維は下記のようにして
製造される。周知の方法に従って紡糸ピッチとしてコー
ルタールピッチ、石炭液化物等の石炭系ピッチ、各種の
石油系ピッチ及び合成樹脂や天然樹脂を蒸留することに
よって得られる高分子焼成ピッチ等が用いられ、溶融状
態の紡糸ピッチを紡糸口金から気相中に紡出し、集束し
てピッチ繊維束が得られる。ついで得られたピッチ繊維
束は酸素、オゾン、空気、窒素酸化物、ハロゲン、亜硫
酸ガス等の酸化雰囲気下、150〜400℃の温度に5
分〜10時間不融化処理することによって不融化繊維束
が得られる。得られた不融化繊維束は不活性雰囲気中、
500〜1800℃で炭化処理、さらに必要に応じて2
000〜3000℃で黒鉛化処理されて目的のピッチ系
炭素繊維が製造される。
【0006】特に本発明においては、上記方法により得
られたピッチ系炭素繊維のうち、引張り弾性率が40t
on/mm2以上の高弾性率のピッチ系炭素繊維を対象
にするものであり、更に伸度が1%以下のピッチ系炭素
繊維を対象とするものである。繊維の目付においては、
目付が1.0g/m以上、好ましくは1.2g/m以
上、特に好ましくは1.5g/m以上で特に有効であ
る。この高弾性ピッチ系炭素繊維は巻き取り条件の設定
が難しく、巻き取り時の張力が低すぎると取り扱い中、
特に搬送時に巻き形状の崩れ、外力による変形、ボビン
から巻き取り製品の滑り落ちなどのトラブルが発生しや
すい。一方、張力が高すぎると巻き取り時、糸束が損傷
し解舒時に毛羽や糸切れが生じやすい。
【0007】本発明においては、かかる高弾性率のピッ
チ系炭素繊維をボビンに巻き取るに際して巻き取りピッ
チを規定するが、ボビンへの巻き取りピッチは同一方向
の直下の糸束とのずれ幅を表し、ピッチ間隔としては、
糸束の幅に対して100%以上130%以下、好ましく
は110%以上130%以下である。解舒時に生じる毛
羽や糸切れを減少させる為にはピッチ間隔の特定が最も
重要であり、ピッチ間隔が糸束の幅に対して100%未
満、即ち糸束と糸束が重なりあってしまうと、糸束同士
の絡み合いが強すぎ、解舒時毛羽や糸切れが発生しやす
くなるので好ましくない。また、130%より広いと、
取り扱い中、特に搬送時に巻き形状の崩れ、外力による
変形などのトラブルが発生し易く好ましくない。
【0008】また綾角については、巻き始めの綾角とし
ては10°以上15゜以下、好ましくは13°以上14
゜以下となるように行うのがよい。ここで綾角とはボビ
ンの半径方向に対する巻き取り繊維束の有する角度(第
1図の1に相当)を意味する。綾角を上記範囲より大き
くすると、折り返しの際、繊維束に対し曲がり角度がつ
きすぎて糸切れ等を生じたり、解舒時の横ずれにより糸
束を損傷したりするので好ましくない。綾核が小さすぎ
ると、上層側に巻き取られている繊維束が下層側の繊維
層に陥没したり、繊維束が重なりやすくなり、巻き戻し
の際にケバ、糸切れ等を生じ易くなり好ましくない。さ
らに搬送時の巻き形状の崩れ、外力による変形などのト
ラブルが発生し易く好ましくない。ピッチ間隔、綾角の
変更はトラバース速度を変更することにより行うことが
できる。トラバース速度の変更は巻き取り装置のギアの
組み合わせ等により自動的に容易に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明するが、その要旨をこえない限り、本発明は実
施例に限定されるものでない。実施例、比較例の特性を
表すのに用いた諸物性値は、以下の方法で測定した。 (1)形状の崩れ 所定長さ巻き終えた後の製品の幅を測定し、設定に対し
ての拡がり具合を形状の崩れとして評価した。 (2)糸切れ率 黒鉛化処理が終了し、一旦ボビンに巻き取った炭素繊維
を、プリプレグなどの加工工程と同様に、全量解舒し、
解舒の際に糸切れの発生するボビンの数を測定し、解舒
した全体ボビンとの比率を糸切れ率とした。
【0010】[実施例1]外径80mm、長さ305m
mの円筒状のボビンに、引張り弾性率65ton/mm
2、目付け1.4g/m、伸度0.45%、繊度2.0
g/m、糸束幅4.5mmのピッチ系炭素繊維を巻き始
めの綾角は13゜、ピッチ間隔は糸束幅に対して124
%のズレを有する条件にて670m紙管に巻き取り、解
舒時の糸切れ率の確認を行った。結果を表1に示す。
【0011】[比較例1]ピッチ系炭素繊維を巻き始め
の綾角は13゜、ピッチ間隔は糸幅に対して80%のズ
レを有する条件以外は実施例1と同様にして、解舒時の
糸切れ率の確認を行った。結果を表1に示す。その結果
ピッチ間隔が糸幅に対して100%を超えると、繰り出
し時のケバの発生が減少し、糸切れ率が低下した。さら
にピッチ間隔を広げるに従い、糸切れ率が低下すること
が分かった。
【0012】[比較例2]ピッチ系炭素繊維を巻き始め
の綾角を6゜、ピッチ間隔を糸束幅に対し120%前後
のズレを有する条件以外は実施例1と同様にして、形状
の崩れ、製品状態の確認を行った。結果を表1に示す。 [比較例3]ピッチ系炭素繊維を巻き始めの綾角を8
゜、ピッチ間隔を糸束幅に対し120%前後のズレを有
する条件以外は実施例1と同様にして、形状の崩れ、製
品状態の確認を行った。結果を表1に示す。
【0013】[比較例4]ピッチ系炭素繊維を巻き始め
の綾角を20゜、ピッチ間隔を糸束幅に対し120%前
後のズレを有する条件以外は実施例1と同様にして、形
状の崩れ、製品状態の確認を行った。結果を表1に示
す。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】以上のように連続長繊維状の高弾性率の
ピッチ系炭素繊維を製品ボビンとして形成する際に、特
定角度の綾角と特定間隔のピッチ間隔にてスケアエンド
巻きにすることにより低張力下で得られる製品のボビン
は見栄えがよくまた、巻き戻し時に糸切れ等が発生せ
ず、かつ巻き形状の崩れのない極めて良好な製品ボビン
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製品ボビン巻き形状を示したものである。
【符号の説明】
1 綾角 2 ピッチ系炭素繊維 3 ボビン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 孝徳 香川県坂出市番の洲町1番地 三菱化学株 式会社坂出事業所内 Fターム(参考) 3F056 AA00 AB00 AC00 4L037 CS03 FA09 PC05 PG04 PP01 PS02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張り弾性率が40ton/mm2
    上、目付けが1.0g/m以上のピッチ系炭素繊維をボ
    ビンに巻き取るに際し、巻き始めの綾角が10゜以上1
    5゜以下であって、ボビンへの巻き取りピッチが、同一
    方向の直下の糸束に対して、糸束の平均幅の100%以
    上130%以下のズレ幅を有するスケアエンド巻きに巻
    き取ることを特徴とするピッチ系炭素繊維の巻き取り方
    法。
  2. 【請求項2】 ピッチ系炭素繊維の伸度が1%以下であ
    る請求項1に記載のピッチ系炭素繊維の巻き取り方法。
JP11085511A 1999-03-29 1999-03-29 ピッチ系炭素繊維の巻き取り方法 Pending JP2000272825A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11085511A JP2000272825A (ja) 1999-03-29 1999-03-29 ピッチ系炭素繊維の巻き取り方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11085511A JP2000272825A (ja) 1999-03-29 1999-03-29 ピッチ系炭素繊維の巻き取り方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000272825A true JP2000272825A (ja) 2000-10-03

Family

ID=13860960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11085511A Pending JP2000272825A (ja) 1999-03-29 1999-03-29 ピッチ系炭素繊維の巻き取り方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000272825A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015030555A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 三菱瓦斯化学株式会社 巻き取り品
WO2021085183A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 宇部エクシモ株式会社 巻糸パッケージ及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015030555A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 三菱瓦斯化学株式会社 巻き取り品
WO2021085183A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 宇部エクシモ株式会社 巻糸パッケージ及びその製造方法
JP2021070538A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 宇部エクシモ株式会社 巻糸パッケージ及びその製造方法
CN114555498A (zh) * 2019-10-29 2022-05-27 宇部爱科喜模株式会社 纱线卷装体及其制造方法
JP7361569B2 (ja) 2019-10-29 2023-10-16 宇部エクシモ株式会社 巻糸パッケージ及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4370034B2 (ja) ピッチ繊維束およびピッチ系炭素繊維束ならびにその製造方法
JP2000272825A (ja) ピッチ系炭素繊維の巻き取り方法
JP3266337B2 (ja) ピッチ系炭素繊維プリプレグ
JPH0333222A (ja) 炭素繊維開繊ローラ
JPS62171871A (ja) ピツチ系炭素繊維の巻き取り方法
JP3656871B2 (ja) 炭素繊維パッケージおよびその製造方法
US20220098760A1 (en) Liquid-crystal polyester multifilament, and high-level processed product comprising same
JPS6021911A (ja) 炭素繊維製品の製造法
JP2006274497A (ja) 炭素繊維パッケージとその製造方法
JP2930166B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JP2007154371A (ja) 酸化繊維及び炭素繊維の製造方法
JP2930167B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
CN113249808B (zh) 一种聚丙烯腈基原丝卷绕成型方法
JPS60126324A (ja) フィラメントの揃いの良い炭素繊維束を製造する方法
JP2695355B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JPS6246466B2 (ja)
WO2004065676A1 (ja) ヤーンパッケージの製造方法
JP2708684B2 (ja) ピッチ系炭素繊維束
JP2011208315A (ja) 炭素繊維の製造方法
US4371129A (en) Bobbin for use in producing a mesophase pitch derived carbon yarn
JPH11263534A (ja) アクリル系糸条パッケージおよびその製造方法
JPH01282339A (ja) ピッチ繊維の巻取り方法
JPS6269826A (ja) 高強度・高弾性炭素繊維の製造方法
JPS59108656A (ja) 炭素繊維パツケ−ジ
JP2006001695A (ja) 耐炎化糸パッケージおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080423

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080529

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080708