JPH05295619A - ピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維の製造方法

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JPH05295619A
JPH05295619A JP4094425A JP9442592A JPH05295619A JP H05295619 A JPH05295619 A JP H05295619A JP 4094425 A JP4094425 A JP 4094425A JP 9442592 A JP9442592 A JP 9442592A JP H05295619 A JPH05295619 A JP H05295619A
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Yasuki Aida
泰規 合田
Etsuhisa Nakayama
悦久 中山
Masaaki Tatsumi
雅昭 辰巳
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不融化工程における繊維の融着を防止し、柔
軟性と集束性とを併せて改善し得るピッチ系炭素繊維の
製造方法を提供することを主な目的とする。 【構成】 1 光学的に異方性のピッチを溶融紡糸して
得られるピッチ繊維を合糸した後、不融化処理し、予備
炭化し、炭化乃至黒鉛化して炭素繊維を製造する方法に
おいて、紡糸されたピッチ繊維を耐熱性合糸油剤を用い
て500〜10000フィラメントの束に合糸し、合糸
ピッチ繊維を含酸素雰囲気下で不融化し、次いで水性酸
化剤を付着させ、含酸素雰囲気下で150〜300℃の
温度まで昇温し、再度不融化を行なった後、不活性雰囲
気中で予備炭化し、炭化乃至黒鉛化することを特徴とす
るピッチ系炭素繊維の製造方法。2 水性酸化剤の濃度
が0.5〜10%である上記項1に記載のピッチ系炭素
繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的異方性ピッチを
原料とする炭素繊維または黒鉛化繊維(本明細書におい
ては、特に必要でない限り、この両者を単に炭素繊維と
いう)の製造方法に関する。
【0002】なお、本明細書において、“%”とあるの
は、“重量%”を意味するものとする。
【0003】
【従来技術とその問題点】ピッチ系材料を原料とする炭
素繊維は、ポリアクリロニトリル(PAN)などの有機
合成繊維をプリカーサーとする炭素繊維(PAN系炭素
繊維など)に比して、ピッチの黒鉛化が容易であり、高
結晶性、高配向性などに由来する引張弾性率に優れてい
るので、高性能材料として注目されている。また、ピッ
チ系炭素繊維は、原料であるピッチが安価であること、
炭化収率が高いことなどの理由により、コスト的にも、
PAN系炭素繊維よりも有利である。
【0004】しかしながら、従来技術においては、ピッ
チ繊維の脆さに起因して、繊維の切断、毛羽立ちなどが
多発して、高品質の炭素繊維を得ることは、実質上困難
であった。
【0005】この様な問題点を解決するために、種々の
集束剤が提案されている。例えば、25℃における粘度
が2〜2500cstであるシリコーン油をそのままま
たは溶剤で希釈してピッチ繊維に付着させる方法(特開
昭59−223315号公報)、25℃における粘度が
0.5〜500cstであるジメチルポリシロキサンを
用いる方法(特開昭60−88124号公報)、或いは
非イオン系界面活性剤を減圧蒸留して得た沸点600℃
以下の留出物を乳化剤として、25℃における粘度が1
0〜1000cstであるアルキルフェニルポリシロキ
サンを乳化した水エマルジョン系油剤を使用する方法
(特開昭62−133122号公報)などが提案されて
いる。しかしながら、これらの方法では、溶剤に対する
集束剤の溶解性が低かったり、油剤が分解ないし劣化す
るなどの理由により、不融化工程中に繊維の融着或いは
固着を生じやすく、繊維の柔軟性が著しく損なわれる。
また、ピッチ繊維を1000フィラメント以上に合糸
し、不融化を行なうに際し、集束油剤を繊維に付着させ
て、合糸および不融化した繊維の集束状態は、フィラメ
ント数の増加とともに、低下するという欠点がある。
【0006】また、一般に従来の集束油剤を使用して、
ピッチ繊維を束数の多いフィラメントに合糸し、不融化
するに際し、集束性を向上させようとすれば、柔軟性が
損なわれ、逆に柔軟性を保持しようとすれば、集束性が
損なわれる傾向がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、不
融化工程における繊維の融着を防止し、柔軟性と集束性
とを併せて改善し得るピッチ系炭素繊維の製造方法を提
供することを主な目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記の如
き従来技術の現状に鑑みて研究を重ねた結果、特定の工
程の組合わせにより、従来技術の問題点が実質的に解消
ないし大幅に軽減されることを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、下記のピッチ系炭素
繊維の製造方法を提供するものである: 1 光学的に異方性のピッチを溶融紡糸して得られるピ
ッチ繊維を合糸した後、不融化処理し、予備炭化し、炭
化乃至黒鉛化して炭素繊維を製造する方法において、紡
糸されたピッチ繊維を耐熱性合糸油剤を用いて500〜
10000フィラメントの束に合糸し、合糸ピッチ繊維
を含酸素雰囲気下で不融化し、次いで水性酸化剤を付着
させ、含酸素雰囲気下で150〜300℃の温度まで昇
温し、再度不融化を行なった後、不活性雰囲気中で予備
炭化し、炭化乃至黒鉛化することを特徴とするピッチ系
炭素繊維の製造方法。
【0010】2 水性酸化剤の濃度が0.5〜10%で
ある上記項1に記載のピッチ系炭素繊維の製造方法。
【0011】本発明において使用するピッチは、光学的
に異方性であれば、石炭系ピッチ、石油系ピッチおよび
合成ピッチのいずれであってもよい。石炭系ピッチとし
ては、コールタールピッチ、石炭液化油などが例示され
る。石油系ピッチとしては、エチレンタールなどが例示
される。合成ピッチとしては、ナフタレンなどを原料と
して、例えば、特開平1−139621号公報、特開平
1−254796号公報などに開示された方法で製造さ
れたピッチなどが例示される。また、これらのピッチ
は、必要に応じて、比重差による沈降分離、濾過、蒸
留、溶剤抽出、水素化反応、重縮合反応などの公知の方
法により改質した後、使用しても良い。本発明において
使用するピッチの異方性成分量は、光学的顕微鏡観察に
よる面積率で80%以上であれば良く、90%以上であ
ることがより好ましい。ピッチの軟化点は、特に限定さ
れるものではないが、紡糸性の観点から、220〜32
0℃程度であることが好ましく、240〜300℃程度
であることがより好ましい。
【0012】以下本発明方法を各処理工程毎に詳細に説
明する。
【0013】(1)紡糸 紡糸工程は、実質的に常法と異なるところはない。即
ち、光学的に異方性のピッチを所定の温度で溶融し、1
00〜2000穴を有する紡糸口金から吐出したマルチ
フィラメントにオイリングローラー、スプレーなどによ
り集束剤を付着させながら、ゴデットローラーにより高
速延伸し、ケンス上に落とし、ピッチ繊維を逐次カゴ
(ケンス)に集積させるか、或いはボビンに巻き取る。
【0014】この際使用する集束剤としては、公知のも
のが使用可能であり、水、エチルアルコールなどのアル
コール類、粘度5〜500cst(25℃)のジメチル
ポリシロキサンなどの低沸点のシリコーン油などが例示
される。これらの集束剤は、溶剤で希釈したり、乳化剤
により水に分散させたり、界面活性剤を添加したりし
て、使用しても良い。繊維に対する集束剤の付着量は、
通常0.05〜10%程度であり、より好ましくは0.
08〜4%程度である。
【0015】(2)合糸 上記の様にして集積したピッチ繊維束の2〜20本程度
を同時に取り上げ、若干の張力を掛けながら500〜1
0000フィラメントに合糸する。この際、不融化時の
集束性を高めるとともに、繊維同士の融着を防止するた
めに、耐熱性油剤を付与する。付与方法としては、特に
限定されず、ローラー法、スプレー法などの任意の方法
で良い。
【0016】耐熱性油剤としては、粘度5〜1000c
st(25℃)程度のジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサンなどのシリコーン油が挙げられ
る。これらは、溶剤で希釈したり、乳化剤により水に分
散させたり、界面活性剤を添加したりして、使用しても
良い。また、耐熱性油剤には、必要に応じてアミン類
(フェニル−α−ナフチルアミンなど)、ジラウリルセ
レナイド、フェノチアジンなどの酸化防止剤を配合して
も良い。繊維に対する耐熱性油剤の付着量は、通常0.
05〜10%程度であり、より好ましくは0.08〜4
%程度である。
【0017】合糸した500〜10000フィラメント
の繊維束は、再度ケンス上に集積しても良く、或いはボ
ビンに巻き取っても良い。
【0018】(3)1次不融化 上記の様にして合糸されたピッチ繊維は、含酸素雰囲気
下に1次不融化処理される。不融化処理は、特に限定さ
れるものではないが、昇温速度0.5〜3℃/分程度、
保持温度200〜350℃程度、保持時間1時間程度ま
で(より好ましくは2〜30分間程度)の条件を適宜組
合わせて行なえば良い。含酸素雰囲気としては、空気、
酸素富化空気、酸素−不活性ガス混合物などがあげられ
る。炭素繊維或いは黒鉛化繊維の物性の改善という観点
からは、ピッチ繊維の半径方向に均一なプロファイルと
なる様に処理を行なうことが望ましい。
【0019】或いは、不融化の促進およびコストの削減
という観点からは、250℃以下の温度でNO2 、オゾ
ンなどの酸化剤を含む雰囲気中で不融化処理を開始し、
その後必要に応じて最高350℃まで昇温して、不融化
を完了させても良い。但し、均一な不融化を目的とする
場合には、酸化剤を使用しないことが好ましい。従っ
て、酸化剤を使用するか否かは、目的に応じて決定すべ
きである。
【0020】不融化時に合糸されたピッチ繊維束に対し
張力をかけることは、必須ではないが、好ましい。
【0021】(3)水性酸化剤の付与および2次不融化 上記の1次不融化を終えた繊維束は、集束剤および耐熱
性油剤の付与により、集束性は良好であるものの、単繊
維同士が部分的に融着していて、繊維束の柔軟性を損な
い、ひいては炭素繊維に品質のバラツキを生ずることが
ある。
【0022】従って、本発明では、1次不融化を終えた
繊維束に常温で低濃度の水性酸化剤を付与した後、含酸
素雰囲気中150〜300℃(より好ましくは150〜
250℃)で加熱して、繊維の表面層(通常0.2μm
以下、より好ましくは0.03μm以下)のみを酸化す
るために、2次不融化を行なう。この二次不融化操作に
より、繊維束の集束性を損なうことなく、単繊維相互の
融着が完全に除去される。
【0023】酸化剤としては、酢酸、硫酸、過酸化水
素、過炭素、過塩素酸、これら酸のアンモニウム塩など
の酸化力を有する物質が例示され、これらは、濃度0.
5〜10%程度(より好ましくは1〜6%程度)の水溶
液の形態で使用される。水溶液の濃度が低すぎる場合に
は、繊維表面のみの酸化効果も十分に行なうこともでき
ず、一方、濃度が高すぎる場合には、逆に繊維の中心近
くまで酸化が進行して、最終的に得られる炭素繊維ない
し黒鉛化繊維の物性が低下するので、好ましくない。ま
た、150〜300℃という温度で酸化を行なうので、
酸化炉内の腐食防止という観点からも、酸化剤の濃度
は、高すぎないことが望ましい。
【0024】この2次不融化による表面酸化により、不
融化による物性低下を最小限に抑制できるのみならず、
不融化繊維としても、形状の安定したものとなり、以後
の予備炭化以降の各処理においても、毛羽の発生、繊維
切れなどの重大な障害が防止される。従来は、不融化繊
維に対し、予備炭化前に再度耐熱性油剤を付与して十分
に集束させる必要があったが、本発明によれば、集束剤
の使用は通常必須ではない。
【0025】(5)予備炭化 上記の様にして2次不融化による表面酸化を終えた繊維
は、常法に従って、予備炭化処理される。予備炭化は、
特に限定されるものではないが、不活性雰囲気中で通常
昇温速度5〜300℃/分程度(より好ましくは10〜
150℃/分程度)、最高到達温度500〜1000℃
程度での保持時間5分間程度まで(より好ましくは2〜
5分程度)の条件下に行なわれる。
【0026】(6)炭化ないし黒鉛化 予備炭化を終えた繊維は、常法に従って不活性雰囲気中
1000〜2000℃で炭化処理され、炭素繊維とされ
る。
【0027】また、必要ならば、炭素繊維は、さらに常
法に従って不活性雰囲気中2000〜3000℃で黒鉛
化処理され、黒鉛化繊維となる。
【0028】
【発明の効果】本発明方法によれば、1次不融化処理前
のピッチ繊維に付与する耐熱性油剤と1次不融化処理後
に付与する水性酸化剤との相乗的作用により、単繊維同
士の融着がほぼ完全に防止され、合糸した500〜10
000フィラメントの集束性も改善される。
【0029】また、1次不融化により繊維の内部から表
面までが均一に酸化された後、2次不融化により繊維表
面の極く表層のみが酸化されるので、不融化繊維内の酸
素プロファイルは、表面層以外は均一であり、炭化ない
し黒鉛化後の繊維物性は、殆ど低下しない。
【0030】さらに、使用する水性酸化剤の濃度が低い
ので、処理炉内の腐食も殆ど生じない。
【0031】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明らかにする。
【0032】実施例1 石炭系熱重合ピッチ(光学的異方性成分=約95%、軟
化点=309℃、キノリン不溶分=33.2%)を10
00穴の紡糸口金を有する溶融紡糸機を用いて約350
℃で紡糸して得た直径13μmのピッチ繊維に、オイリ
ングローラーにより集束剤(ジメチルポリシロキサン:
25℃での粘度30cst)を付与しつつ、ゴデットロ
ーラーで延伸し、15分間ケンスに集積させた。ピッチ
繊維の集束剤の付着量は、0.8%であった。
【0033】次いで、ピッチ繊維の入ったケンス6個を
同時に引上げ、張力をかけながらローラー接触法により
ピッチ繊維に耐熱性合糸油剤(ジメチルポリシロキサ
ン:25℃での粘度30cst)を付与しつつ合糸を行
なって、6000フィラメントの繊維束を得た。繊維に
対する合糸油剤の付着量は、1.0%であった。
【0034】次いで、上記の6000フィラメントのピ
ッチ繊維束を不融化炉に入れ、空気雰囲気中且つブロワ
ーによる空気攪拌下に昇温速度2℃/分で炉内温度を1
50℃から300℃まで昇温し、300℃で10分間保
持した後、繊維を炉から取り出した。1次不融化による
繊維の酸素摂取量は、8.0%であった。
【0035】さらに、この一次不融化繊維にローラー接
触法により濃度3%の希硝酸を28%付着させた後、昇
温速度10℃/分で150℃から250℃まで昇温し、
250℃で3分間保持して、2次不融化を行なった。そ
の結果、繊維の酸素摂取量は、8.2%に増大してい
た。
【0036】次いで、上記の様にして得られた不融化繊
維を窒素雰囲気下に800℃で予備炭化した後、アルゴ
ン雰囲気下に2200℃で黒鉛化した。
【0037】得られた黒鉛化繊維の引張強度は、326
kg/mm2 であり、引張弾性率は、50ton/mm
2 であった。また、繊維束の集束性および柔軟性は、と
もに良好であった。
【0038】比較例1 2次不融化を行なわない以外は実施例1と同様にして黒
鉛化繊維を得た。
【0039】得られた黒鉛化繊維の引張強度は、301
kg/mm2 であり、引張弾性率は、49ton/mm
2 であった。この繊維束では、1000フィラメント毎
に一部分離が認められた。
【0040】実施例1および比較例1の対比から、本発
明における希硝酸を付与した状態での2次不融化の効果
が明確である。
【0041】比較例2 2次不融化に先立って付与される希硝酸の濃度を0.3
%とする以外は実施例1と同様にして黒鉛化繊維を得
た。2次不融化後の繊維の酸素摂取量は、8.0%であ
った。
【0042】得られた黒鉛化繊維の引張強度は、298
kg/mm2 であり、引張弾性率は、49.5ton/
mm2 であった。繊維束の集束性は、良好であったが、
柔軟性に劣っていた。
【0043】比較例2 2次不融化に先立って付与される希硝酸の濃度を15%
とする以外は実施例1と同様にして黒鉛化繊維を得た。
2次不融化後の繊維の酸素摂取量は、9.8%であっ
た。
【0044】得られた黒鉛化繊維の引張強度は、190
kg/mm2 であり、引張弾性率は、34ton/mm
2 であり、ともにかなり低下していた。
【0045】但し、繊維束の集束性および柔軟性は、と
もに良好であった。
【0046】実施例2 実施例1と同様にして得た1000フィラメントのピッ
チ繊維の入ったケンス9個を使用して、実施例1と同様
にして9000フィラメントの合糸を行ない、1次不融
化を行なった。
【0047】次いで、1次不融化繊維にローラー接触法
により濃度6%の希硝酸を35%付着させた後、昇温速
度10℃/分で150℃から260℃まで昇温し、26
0℃で5分間保持して、2次不融化を行なった。繊維の
酸素摂取量は、8.3%であった。
【0048】次いで、実施例1と同様にして不融化繊維
の予備炭化および黒鉛化を行ない、黒鉛化繊維を得た。
【0049】得られた黒鉛化繊維の引張強度は、305
kg/mm2 であり、引張弾性率は、49ton/mm
2 であった。繊維束の集束性および柔軟性は、ともに良
好であった。
【0050】実施例3 実施例1と同様にして得た1000フィラメントのピッ
チ繊維の入ったケンス6個を使用して、メチルフェニル
ポリシロキサン(25℃での粘度20cst)を付与し
ながら、ケンスに合糸を行なった。合糸油剤の付着量
は、1.2%であった。
【0051】次いで、実施例1と同様にして1次不融化
を行なった後、5%稀硫酸を20%繊維に付着させ、昇
温速度15℃/分で150℃から26℃まで昇温し、5
分間保持した。
【0052】次いで、窒素雰囲気下に800℃で予備炭
化した後、アルゴン雰囲気下2200℃で黒鉛化処理に
供した。
【0053】得られた黒鉛化繊維の引張強度は、331
kg/mm2 であり、引張弾性率は、51ton/mm
2 であった。繊維束の集束性および柔軟性は、ともに良
好であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に異方性のピッチを溶融紡糸して
    得られるピッチ繊維を合糸した後、不融化処理し、予備
    炭化し、炭化乃至黒鉛化して炭素繊維を製造する方法に
    おいて、紡糸されたピッチ繊維を耐熱性合糸油剤を用い
    て500〜10000フィラメントの束に合糸し、合糸
    ピッチ繊維を含酸素雰囲気下で不融化し、次いで水性酸
    化剤を付着させ、含酸素雰囲気下で150〜300℃の
    温度まで昇温し、再度不融化を行なった後、不活性雰囲
    気中で予備炭化し、炭化乃至黒鉛化することを特徴とす
    るピッチ系炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 水性酸化剤の濃度が0.5〜10%であ
    る請求項1に記載のピッチ系炭素繊維の製造方法。
JP4094425A 1992-04-14 1992-04-14 ピッチ系炭素繊維の製造方法 Pending JPH05295619A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108866899A (zh) * 2018-05-21 2018-11-23 中国科学院山西煤炭化学研究所 一种低软化点沥青基电纺纤维布的不熔化处理方法

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