JPH0832974B2 - ピツチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ピツチ系炭素繊維の製造方法

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JPH0832974B2
JPH0832974B2 JP61015363A JP1536386A JPH0832974B2 JP H0832974 B2 JPH0832974 B2 JP H0832974B2 JP 61015363 A JP61015363 A JP 61015363A JP 1536386 A JP1536386 A JP 1536386A JP H0832974 B2 JPH0832974 B2 JP H0832974B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はピツチ系炭素繊維の製造方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 炭素繊維は、比強度及び比弾性率が高い材料であり、
高性能複合材料のフイラー繊維として注目されている。
現在、炭素繊維はポリアクリロニトリル(PAN)を原
料とするPAN系炭素繊維とピツチ類を原料とするピツチ
系炭素繊維が製造されているが、一般に開発が先行して
いた為にPAN系炭素繊維が広く使用され、高強度、高弾
性の高特性炭素繊維としても主としてPAN系炭素繊維が
種々の工夫を加えて使用されているのが現状である。
しかしながら、PAN系炭素繊維は更に高弾性化するこ
とには限界がある点で難点を有している。又、その原料
であるPANが高価であること、原料当りの炭素繊維の収
量が低いこと等のため高価であるという難点も有してい
る。
そこで近年より高弾性な特徴を有し、より広範な用途
が期待されるピツチ系炭素繊維の高特性化が種々検討さ
れている。
一般にピツチ系炭素繊維の製造は、ピツチ類を加熱溶
融し、溶融紡糸してピツチ繊維を得、これを空気などの
酸化性雰囲気下で200〜400℃程度で加熱して不融化繊維
とし、次いで窒素などの不活性ガス雰囲気中で800℃以
上に加熱して炭化し、更に必要に応じて2000〜3000℃の
高温で黒鉛化処理することにより得られる。
ところが、PANを原料とする場合に比較して、糸強度
が極めて弱いピツチ繊維を連続したフイラメント状で製
造するには、合成繊維の製造の際に用いられる巻き取り
装置では、糸切れ、ケバ立ちを生じ易く、連続的に処理
するのは非常に困難であつた。
そこで、ピツチ繊維を連続したフイラメント状で製造
する場合には、ピツチ溶融紡糸し、得られたピツチ繊維
を容器等に沈積させ、その状態で不融化並びに炭化する
方法などが行なわれていた。
しかしながら、かかる方法では、ピツチ繊維の沈積す
る部位により熱の伝達が異なり、均質な炭素繊維が得ら
れ難く、更にピツチ繊維に張力が付与されていない状態
で炭化収縮が行なわれるため、得られた炭素繊維が直線
状とはならず、ら線状あるいは波うつ等の焼きぐせがつ
いてしまうという問題があつた。
そこで、かかる問題点を解決するために、ピツチを溶
融紡糸し集束剤を使わず気流引取装置を介して容器に引
取ることにより連続フイラメント状ピツチ繊維束を得、
これを不融化し、次いで特定の破断伸度まで1次炭化し
た後、緊張下にさらに高温で炭化する方法(特開昭60−
126324号公報)が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、かかる方法では、集束剤を用いずピツ
チ繊維束を製造するため、静電気の作用で単繊維が互い
に反発して繊維束として非常にまとまりが悪く、更に不
融化、一次炭化において繊維束がばらけたりして取扱い
上大きな問題があつた。
また、一次炭化温度が400〜750℃と比較的に低く、充
分な炭化が進んでおらず、従つて繊維の強度は10kg/mm2
程度と弱く取扱いに難点があつた。また一次炭化された
トウは強度が弱くそれ自身炭素繊維として利用できるも
のではなく、そのすべてを2次炭化処理して強度向上を
計らねばならない。
よつて2次炭化工程での負荷が大きくなり生産性の点
でも問題があつた。
そこで、本発明者等は、かかる問題点を解決すべく鋭
意検討した結果、集束剤を用いてピツチ繊維を集束して
トウを形成し、これを充分な繊維強度が達成されるまで
特定温度で炭化処理し、その後高温度下連続的に熱処理
することにより上記問題点が解決できることを見い出し
本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の目的は直線状の連続フイラメント
状ピツチ系炭素繊維を簡便に製造する方法を提供するも
のである。そして、その目的はピツチを溶融紡糸してピ
ツチ繊維を得、該ピツチ繊維を集束剤を用いてピツチ繊
維束とした後、不融化処理、炭化処理、更に必要に応じ
て黒鉛化処理することによりピツチ系炭素繊維を製造す
る方法において、該不融化繊維トウを非張力下、800〜1
500℃の温度で炭化処理し、次いで強制的に張力を付与
しながら、該炭化処理温度よりも5〜600℃高い温度で
連続的に加熱処理することにより容易に達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる炭素
繊維を得るためのピツチとしては、配向しやすい分子種
が形成されており、光学的に異方性の炭素繊維を与える
ようなものであれば特に制限はなく、従来の種々のもの
が使用できる。
これらピツチを得るための炭素質原料としては、例え
ば、石炭系のコールタール、コールタールピツチ、石炭
液化物、石油系の重質油、タール、ピツチ等が挙げられ
る。これらの炭素質原料には通常フリーカーボン、未溶
解石炭、灰分などの不純物が含まれているが、これらの
不純物は過、遠心分離、あるいは溶剤を使用する静置
沈降分離などの周知の方法で予め除去しておくことが望
ましい。
また、前記炭素質原料を、例えば、加熱処理した後特
定溶剤で可溶分を抽出するといつた方法、あるいは水素
供与性溶剤、水素ガスの存在下に水添処理するといつた
方法で予備処理を行なつておいても良い。
本発明においては、前記炭素質原料あるいは予備処理
を行なつた炭素質原料を、通常350〜500℃、好ましくは
380〜450℃で、2分〜50時間、好ましくは5分〜5時
間、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、或いは、
吹き込み下に加熱処理することによつて得られる40%以
上、好ましくは、70%以上の光学的異方性組織を含み、
かつキノリン不溶分が40重量%以下、好ましくは35重量
%以下のメソフエーズピツチが好適である。
本発明でいうメソフエーズピツチの光学的異方性組織
割合は、常温下偏光顕微鏡でのメソフエーズピツチ試料
中の光学的異方性を示す部分の面積割合として求めた値
である。
具体的には、例えばメソフエーズピツチ試料を数mm角
に粉砕したものを常法に従つて約2cm直径の樹脂の表面
のほぼ全面に試料片を埋込み、表面を研磨後、表面全体
をくまなく偏光顕微鏡(100倍率)下で観察し、試料の
全表面積に占める光学的異方性部分の面積の割合を測定
することによつて求める。
上記の様なピツチを用いて常法により溶融紡糸してピ
ツチ繊維を得て、これに集束剤を用いてピツチ繊維束を
形成する。
集束剤としては特に限定されるものではないが、各種
の界面活性剤や合成樹脂あるいはシリコンオイル等を含
む油剤が用いられるが好ましくはシリコンオイル、シリ
コンオイル誘導体を含む油剤を用いるとよい。得られた
ピツチ繊維束は、実質的に非張力下で酸化性雰囲気中で
不融化処理され、引き続き不活性気体雰囲気中で、800
〜1500℃、好ましくは900〜1200℃で炭化処理(1次炭
化処理)される。
ここで非張力下での加熱処理とは、ピツチ繊維束に対
し外部から強制的な張力を付与しない状態で不融化及び
炭化処理を行なうことを意味するものであり、具体的に
は、ピツチ繊維束を連続フイラメントの状態で容器に沈
積させ、その状態のままで不融化並びに上記温度で炭化
処理する、いわゆる“回分法”で行なうことを意味す
る。
1次炭化処理の昇温速度は500〜5000℃/時間、処理
時間は0.5〜10時間の範囲から選択するのが好ましい。
この1次炭化処理により強度100〜200kg/mm2、伸度1
〜2%の炭素繊維が得られるように温度、処理時間等を
制御するのが好ましい。
このような方法で得られた炭素繊維のトウを次いで強
制的に張力を付与しながら、前記炭化処理温度よりも5
〜600℃、好ましくは10〜400℃高い温度で連続的に加熱
処理する。かかる加熱処理することにより糸ぐせ(焼き
ぐせ)等がついていた炭素繊維が直線状となる。
強制的に張力を付与する手段としてはローラ等を介し
て繊維軸方向に引張るようにして張力を付与すればよ
く、また張力としてはトウの集束状態、炭化温度、トウ
強度などにより左右されるが、通常0.01〜5g/d、好まし
くは0.1〜1g/dの範囲から選択される。
また、加熱処理は炭化処理から引続いて連続的に行な
つてもよいし、それぞれを別個に行なつてもよい。
加熱処理の時間は糸ぐせをとることのみを目的とする
場合は5秒〜1分程度でよい。また強度および弾性率を
同時に向上させることを目的とする場合は1〜20分程度
所定の高温度に保持することが必要である。
加熱処理の温度は1次炭化処理の温度より5〜600℃
高く、具体的には1000〜1700℃、より好ましくは1200〜
1600℃の範囲から選択される。この温度は高温側である
ほど強度、弾性率は大幅に向上するものである。
(効果) 本発明によれば、不融化繊維トウを通気孔を有する容
器に収納された充填密度の高い状態で生産性よく炭化処
理することができ、引続いて張力付与下に連続的に高温
加熱処理することにより、糸ぐせのない高強度、高弾性
率の炭素繊維を容易に得ることができる。1次炭化され
たものは、糸ぐせは残つているものの相当の強度を保有
しているのでセメント材配合用のチヨツプドフアイバー
などにそのまま応用することができる。更に、張力付与
下の高温加熱処理の温度を調整することにより最終炭素
繊維の強度および弾性率を、それぞれの目的、用途に応
じて広い範囲から任意に選択することができ、工業的生
産性に優れた発明である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、そ
の要旨をこえない限り、本発明は下記の実施例に限定さ
れるものではない。
実施例1 コールタールピツチを水添し、熱処理して得られた光
学的異方性割合100%のピツチを得、これを孔数250、孔
径0.1mmの口金を用いて温度300℃で単糸径10μとなるよ
う溶融紡糸し、シリコン系集束剤を用いて集束し、ピツ
チ繊維トウを得た。
得られた集束本数250本のピツチ繊維トウを4本合糸
して単繊維1000本のトウとし、これを通気孔を有する容
器に収納された状態で、空気雰囲気下、350℃で30分加
熱することにより不融化繊維トウを得た。不融化繊維ト
ウの強度は2kg/mm2、伸度は1.1%であつた。
次いで不融化繊維トウを同一の容器に保持したまま窒
素雰囲気下炭化炉に入れ、1時間かけて900℃まで昇温
し、同温度で更に1時間保持し、2時間かけて冷却し室
温下に取出した。得られた炭素繊維の強度は120kg/m
m2、伸度は1.5%であつた。容器から炭素繊維をとり出
し、ローラを介してボビンに巻きとつたが、炭化時に形
成された繊維トウの屈曲が明らかに残つており、ボビン
上に周期的な糸グセ(焼きグセ)が観察された。
ボビンに巻きとつた炭素繊維トウを、1500℃に保持さ
れた連続式炭化炉に供給し、0.5g/dの張力をかけながら
炉内での滞留時間を5分として加熱処理した。該加熱処
理された炭素繊維トウを再びボビンに巻きとつたが糸グ
セは全く見られず、極めてなめらかに巻きとることがで
きた。また、このトウの強度は320kg/mm2、弾性率は25T
/mm2であり、加熱処理前に比べて格段に物性が向上して
いた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−126324(JP,A) 特開 昭60−246819(JP,A) 特開 昭59−223315(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピツチを溶融紡糸してピツチ繊維を得、該
    ピツチ繊維を集束剤を用いてピツチ繊維トウとした後、
    不融化処理、炭化処理、更に必要に応じて黒鉛化処理す
    ることによりピツチ系炭素繊維を製造する方法におい
    て、該不融化繊維トウを非張力下800〜1500℃の温度で
    炭化処理し、次いで強制的に張力を付与しながら、該炭
    化処理温度よりも5〜600℃高い温度で連続的に加熱処
    理することを特徴とするピツチ系炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】加熱処理温度が炭化処理温度よりも10〜40
    0℃高い温度であることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】炭化処理を900〜1200℃で行ない、得られ
    た炭素繊維の伸度が1〜2%であることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  4. 【請求項4】炭化処理を900〜1200℃で行ない、得られ
    た炭素繊維の強度が100〜200kg/mm2であることを特徴と
    する特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  5. 【請求項5】強制的に付与する張力が001〜5g/dである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項ないし第
    (4)項のいずれかに記載の方法。
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