JPS6316435Y2

JPS6316435Y2 -

Info

Publication number: JPS6316435Y2
Application number: JP1982007606U
Authority: JP
Priority date: 1982-01-23
Filing date: 1982-01-23
Publication date: 1988-05-11
Also published as: JPS58110119U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は建築、構築物の内、外装材として有用
なサイデイングボードに関する。特に表裏面材間
に芯材を介在させたサンドイツチ構造のサイデイ
ングボードにおける裏面材側端面の防水性等を大
幅に改善したサイデイングボードに係る。

最近、住宅、工場の外壁材としては、省エネル
ギー、容易な施工性の観点から乾式工法が多く使
用されつつある。その代表的な１つとしては金属
サイデイング材がある。しかしながら、この種金
属サイデイング材の欠点は連結部における結露の
発生、間隙形成による防水性、気密性の欠如、お
よび下地、例えば胴縁等の腐食による破壊が生ず
る等であつた。さらに、表面材となる主体は金属
薄板であり、温度差による伸縮が極めて大きいの
に対し、充填されている合成樹脂発泡体の変形は
殆んどなく、その差によつて接着部分が剥離する
欠点があつた。また、防水シートは合成樹脂発泡
体の背面を被覆すると共に、主体の雄、雌型連結
部下縁に側端面を露出した状態で貼着されている
ため、この端面から水分、湿気が吸水、吸湿さ
れ、防水シートを変質、または変形したり、膨脹
（ふくれ）、性能劣化を招いたり、防水シート、特
に防水紙を用いた際にその組織内に水分が貯留
し、合成樹脂発泡体の残留成分と反応して組織を
破壊したり、構成材を腐食する等の不利があつ
た。

本考案はこのような欠点を除去するため、連結
部の結合力を強化すると共に、目地部の気密性、
防水性、間隙の形成を阻止し、かつ、その接合に
弾性を利用して、より高い断熱性、防水性、パツ
キング性を具備し、防水シートの吸水、吸湿性を
抑止し、断熱材の破壊を阻止したサイデイングボ
ードを提案するものである。

以下に図面を用いて本考案に係るサイデイング
ボードの一実施例について詳細に説明する。第１
図は上記ボードの代表的な一例を示す斜視図であ
り、１は主体で硬質基材、例えば金属薄板、所謂
平板、エンボス加工したカラー鋼板、ステンレス
板、銅板、アルミニウム板等からなるものであ
る。また、主体１は長方形の化粧面２と、その端
縁を垂直、または傾斜（図示せず）した側壁３，
４と前記化粧面２と側壁３，４とで形成した凹状
部５と、その両側縁を外側方へ突出した雄型連結
部６と、雌型連結部７とから構成したものであ
る。さらに説明すると、雄型連結部６は第２図に
示すように側壁３の端縁を内側方へ５〜50mm突出
し、再び外側方へ突出したはぜ状の突起部８を化
粧面と平行に設け、その下縁を外側方へ延長した
差込縁９とからなるものである。また、雌型連結
部７は側壁４の端縁を内側方に屈曲し、再び外側
方にＵ字状に屈曲して差込溝１０を形成すると共
に、その下縁１１を外側方へ延長して延長部１２
を形成し、その先端を内側方に屈曲した舌片１３
を設けたものである。なお、延長部１２の途中に
は、側壁４と平行に突条１４を設ける。１５は合
成樹脂発泡体（以下、単にフオームという）で便
宜上区分した上層１５ａと下層の膨出部１５ｂと
から構成されるものである。すなわち、上層１５
ａは主体１の背面（凹状部５）、所謂化粧面２の
裏面と側壁３，４の裏面とで囲まれた部分に充填
したフオームであり、膨出部１５ｂは上層１５ａ
の背面の雄型連結部６近傍の一部を除いて延長部
１２の裏面より、さらに下方へ突出した部分に形
成したフオームである。勿論、フオーム１５ａ，
１５ｂはその製造法により単体、複合体のいずれ
かからなるものである。なお、上記の一部とは第
３図に示すようにサイデイングボードA₁の差込
溝１０の奥行きl₁とサイデイングボードA₂の差込
縁９の長さl₂の相対関係、所謂目地幅△Ｓによつ
て定まるものである。換言すれば、フオーム１５
ｂの１端部を△ｌだけ側壁３に沿つて短かく形成
したところの窪部１６を設けたものである。さら
にフオーム１５の主な機能としては、通常使用状
態下では、○イ断熱材、防水および防湿材、○ハ吸音
材、○ニクツシヨン材、○ホパツキング材（連結部の
相互部材間に対し、および第３図に示すようにサ
イデイングボード固設のための釘１７の周囲をパ
ツキングし、毛細管現象による雨水の胴縁１８へ
の浸入を防止する。）○ヘ防振、緩衝材、○ト嵩上材、
○チ接着剤として機能する。もちろん、フオーム製
造時には流動性と自己接着性を有して、形状に左
右されずに一挙に成形しうる原料を用いることが
望ましい。このフオーム１５の具体例としては、
ポリウレタンフオーム、ポリスチレンフオーム、
ポリイソシアヌレートフオーム（フエノール、ウ
レタン変性も含む）、フエノールフオーム、およ
びこれらフオーム内に鉱物繊維（ガラス繊維、ア
スベスト繊維、ロツクウール）、炭素繊維、メタ
ル繊維、パーライト粒、シラスバルーン、バーミ
キユライト、ガラスビーズ等を添加したフオーム
等である。なお、この種添加物の配合比は目的に
より異なるが、例えばフオーム原料100重量部に
対し約５〜200重量部程度である。１９は防水シ
ートで比較的強靭な物質からなり、フオーム１５
の膨出部１５ｂの両側面１５ｃ，１５ｄおよび背
面１５ｅと、窪部１６の上面１６ａと突起部８の
内表面８ａを被覆すると共に、１端縁を舌片１３
にかしめさせたものである。さらに説明すると、
第４図に抽出して示すように防水シート１９の側
壁３、舌片１３に対応する端縁１９ａ，１９ｂ
は、部位的に湿気を吸湿しやすいばかりでなく、
水分（結露水、万一の漏水）が発生しやすい部分
であり、これらの水分が防水シート、特にクラフ
ト紙を用いた素材ではその表裏面がいかに防水処
理されていても端縁１９ａ，１９ｂは非常に防水
性に劣る組織になつているものであり、この部分
から水分、湿気を吸水、吸湿すると、防水シート
が変質、変形、カビ等を生じ、かつ、周囲の部材
をも腐食することがあるが、これらの心配がフオ
ーム１５形成時の防水処理とかしめによる端縁１
９ａ，１９ｂの処理によつて改善されたものであ
る。また、水分が防水シートに含浸された場合、
フオームに未反応残留成分が存在しているとこれ
と反応し、フオーム組織を破壊するおそれもある
が、これらも前記のように防水シート１９の端縁
処理によつて殆んど生じなくなるものである。さ
らに、防水シート１９の具体例としては、少なく
とも外表面が防水処理された紙製シート（アスベ
スト紙、クラフト紙）、合成樹脂シート、アスフ
アルトフエルト、金属箔（Al，Pb）の１種、ま
たはこれらの１種以上をラミネートしたシート等
からなるものである。

次に本考案に係るサイデイングボードの装着順
序を簡単に説明する。第３図に示すように、まず
胴縁１８上にサイデイングボードA₁を当接し、
延長部１２の端部を釘１７を介して図示するよう
に固設する。次にサイデイングボードA₂の差込
縁９をサイデイングボードA₁の差込溝１０に嵌
挿するものである。従つて、外壁を形成するに
は、上記のような工程を順次くり返して行えばよ
い。

以上説明したのは、本考案に係るサイデイング
ボードの一実施例にすぎず、第５図ａ〜ｃに示す
ように形成することもできる。すなわち、ａ図は
防水シート１９の端縁１９ａを化粧面２の裏面近
くまで存在させ、しかも必要により途中に２〜５
mmφの貫通孔２０を穿設し、主体１と防水シート
１９の一体化を強化したサイデイングボードであ
り、ｂ図はフオーム１５を図のように形成し、こ
の突出したフオーム１５ｆ部を防水シート１９で
被覆すると共に、端縁１９ｂを舌片１３ａ（舌片
１３の逆巻き）でかしめたサイデイングボードで
ある。また、ｃ図は防水シート１９の露出端面を
防水処理したサイデイングボードである。

上述したように本考案に係るサイデイングボー
ドによれば、防水シートの側端面からの吸水、吸
湿が全くなくなり、防水シートを変質、変形させ
ることもなく、かつ、その周囲の部材を水分等の
貯留により腐食したり、カビを発生させたりする
ことがない特徴がある。また、サイデイングボー
ドを連結した際には、連結部の防水性、気密性
（パツキング）、断熱性、防振性等を発揮できる利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図はその一部である主
体を抽出して示す斜視図、第３図はサイデイング
ボードの装着状態を示す説明図、第４図は防水シ
ートを抽出して示す説明図、第５図ａ〜ｃはその
他の実施例を示す説明図である。１……主体、６……雄型連結部、７……雌型連
結部、１５……合成樹脂発泡体、１９……防水シ
ート。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

長方形状の化粧面と該化粧面の両側端を下方に
折り曲げた２側壁とで凹状部を形成し、上記側壁
の１つの下端縁を内側方に約５〜50mm屈曲突出せ
しめると共に、該端縁を再び外側方へ突出しては
ぜ状突起部を化粧面と平行に設け、該突起部の下
縁を外側方へ延長突出して差込縁を有する雄型連
結部を設け、他側壁の途中を内側方に屈曲し、再
び外側方へ突出してＵ字状断面の差込溝と該差込
溝の下縁を外側方へ延長突出して延長部を形成す
ると共に、その先端を内側方へ屈曲した舌片を設
けた雌型連結部を一体に形成した主体と、前記凹
状部に充填すると共に、凹状部背面の雄型連結部
近傍をΔlの領域だけ除いた主要部分と延長部下
面に一体に積層した合成樹脂発泡体と、該発泡体
の背面を被覆すると共に、少なくとも１側端縁を
前記突起部内表面上に存在させ、他側端縁を前記
舌片に巻き込ませてかしめた防水シートとから構
成したことを特徴とするサイデイングボード。