JPH0230278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はサイデイングボードにおいて、特に防
水シートと外表面材となる主体間の端部からの吸
水、吸湿を抑制すると共に、主体の伸縮によつて
も防水シートが主体から剥離せず、断熱材の破
壊、性能劣化を阻止し、しかもサンドイツチ構造
により機械強度を強化したサイデイングボードに
関する。

一般にサイデイングボードにおいては、表面材
となる主体と芯材兼裏打材である合成樹脂発泡体
の断熱性が極めて高いのに対し防水シートが毛細
管現象等による吸水により膨張（ふくれ）した
り、水分を貯留し、主体、あるいは構成材等を腐
食させたり、カビを発生させる等の欠点があつ
た。さらに、水分がサイデイングボードの裏面、
特に防水シートに貯留すると共に、断熱材の残留
成分が溶解等し、断熱材の発泡組織を破壊する不
利があつた。また、防水シートと主体との結合は
単なる機械的な圧着、挟持等のみであつたため、
振動、温度変化による伸縮、湿度の変化によつて
離脱する不利があつた。

本考案はこのような欠点を除去するため主体と
防水シートの接触部にホツトメルト系コーキング
材を充填し、これらを改善したサイデイングボー
ドを提案するものである。

以下に図面を用いて本考案に係るサイデイング
ボードの一実施例について詳細に説明する。第１
図は上記サイデイングボードの一例を示す斜視図
であり、１は主体で不通気性にして硬質の材質か
らなる板体、例えば平板状エンボス加工金属板
（Ａ、Cu、Fe等からなる）を断面凹状に成形し
た方形、または長方形状のものである。２は化粧
面で凹状断面の底面部の表面側であり、３は雄型
連結部で凹状部の１側端縁を内側方に一部突出
し、再び外側方に延長して突起部４を形成し、そ
の端縁を外側方へ突出して差込縁５を設けたもの
である。６は雌型連結部で主体１の他側端縁を内
方に屈曲し、再び外側方へ突出して略コ字状の差
込溝７とその下縁７ａを外側方へ延長突出した延
長部８とから形成するものである。なお、図にお
いては、差込縁５の先端と延長部８の先端には危
険防止、および水切りのため舌片５ａ，８ａを形
成したものである。９は断熱材で主体１の凹状部
に対し、断熱材原料を現場発泡方式により、また
は成形体を挟持、もしくは接着剤（図示せず）を
介して充填したものであり、例えば合成樹脂発泡
体（ポリウレタンフオーム、ポリイソシアヌレー
トフオーム、ポリウレアフオーム、フエノールフ
オーム、ポリスチレンフオーム、塩化ビニルフオ
ーム、ポリエチレンフオーム、およびこれらに硼
酸塩、珪酸塩、パーライト粒、繊維の１種以上を
混在した、所謂、難燃化、機械強度の強化された
フオーム等を含む）である。１０は防水シートで
少なくとも外気と接触する表面に防水処理が施さ
れたシート状物からなるものであり、その具体例
としては、例えばアスフアルトフエルト、合成樹
脂シート、アスベスト紙、金属箔（Ａ、Pb、
Cu）、クラフト紙の１種、または２種以上をラミ
ネートしたもの、もしくは防水処理を施したシー
ト状物等からなるものである。なお、防水シート
１０はその一端縁を突起部４の内面４ａに沿わせ
て存在させ、他端縁を差込溝７の内表面７ｂに沿
わせて配設し、かつ、断熱材９の背面を被覆する
ものである。１１はホツトメルト系コーキング材
で突起部４と防水シート１０の端部に形成される
間隙、および差込溝７の端部と防水シート１０の
端部間に形成される間隙に対し充填するものであ
り、少なくとも防水性を持ち、これに粘着性とク
ツシヨン性を具備しているものである。このホツ
トメルト系コーキング材１１の主な機能は、上記
した両間隙を防水材で充填すると共に、主体１と
防水シート１０の一体化の強化、主体１の温度変
化や外力による変形を緩衝して防水シート１０に
伝達すること、防水シート１０の伸縮を主体１に
直接伝達させないこと、防水シート１０の端縁か
らの吸水、吸湿を防止し、断熱材の変質、性能劣
化を阻止すること等である。すなわち、防水シー
ト１０の端縁、あるいは主体１と防水シート１０
の接触部には毛細管現象が生じやすく、それによ
つて吸水等された水分が貯留すると前記した不都
合を招くものであり、それを阻止するのに特に有
効となる。

次に施工例につき説明する。いま、第１図に示
すようなサイデイングボードA₁を用意し、第２
図に示すように胴縁１２に釘１３を介して固設す
る。次にサイデイングボードA₂の差込縁５をサ
イデイングボードA₁の差込溝７に挿入し、他端
（図示せず）を固定するものである。従つて、外
壁等を形成するには、上記のような工程をくり返
すことにより形成される。

以上、説明したのは、本考案に係るサイデイン
グボードの一実施例にすぎず、第３図ａに示すよ
うにホツトメルト系コーキング材１１の外表面を
フイルムＦで被覆し、施工時に剥離して胴縁等と
の固着一体化を強化することもできる。また、ｂ
図に示すように防水シートの両端部、特に突起部
４、差込溝７の内表面７ｂと接触する部分に断熱
材９の反応熱、加温熱に対応する40〜80℃で溶融
するフイルムＦを貼着し、サイデイングボード形
成時にこれが溶融して主体１と防水シート１０と
を一体化することもできる。さらに、ｃ図は防水
シート１０の１端部に固形体１４を介在させたサ
イデイングボードを示すものである。

上記したように本考案に係るサイデイングボー
ドによれば、サイデイングボードにおける最弱点
部である主体１と防水シート１０の接触部にホツ
トメルト系コーキング材を充填することにより、
この部分における毛細管現象を阻止し、主体、断
熱材、防水シートの変質、組織の破壊、変形、性
能劣化および構成材の剥離を防止しうる特徴があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図は本考案に係るサイ
デイングボードの連結状態を示す縦断面図、第３
図ａ〜ｃはその他の実施例を示す説明図である。 １……主体、２……化粧面、９……断熱材、１
１……ホツトメルト系コーキング材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面凹状とした方形または長方形状の主体の一
   側縁を外側方に突出して形成した差込縁を有する
   雄型連結部と他側縁を内側方に屈曲し、再び外側
   方に突出して略コ字状の差込溝を有する雌型連結
   部を形成し、上記凹状部の断熱材を充填すると共
   に、該断熱材の背面を防水シートで被覆したサイ
   デイングボードにおいて、前記主体の雄型連結部
   側の側壁端縁を内側方に突出させ、再び外側方に
   突出させて突起部を形成し、該突起部の端縁を外
   側方に延長して差込縁を形成した雄型連結部と
   し、かつ、防水シートの１端を突起部内面に沿わ
   せ、他端を雌型連結部の差込溝の内表面に沿わせ
   てなり、また前記突起部と防水シート間、および
   差込溝と防水シート間に形成される間隙に対しホ
   ツトメルト系コーキング材を充填したことを特徴
   とするサイデイングボード。