JPS602997Y2 - 自動車のシ−トベルトアンカ取付部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のシートベルトアンカ取部構造の改良に
関するものである。

一般に、自動車では、第１図に示すように、車室内にお
いてシートベルト１を備えているのが通例でアリ、その
場合、センターピラー２、フロアパネル３、サイドシル
４等に設けたアンカ取付部５．５，５にシートベルト１
の端部がボルト等にて締付固定されている。

このようなアンカ取付部の構造は、従来、例えば実公昭
５４−２５７６８号のように、閉断面構造の柱状部材に
対し、基部の両側縁から該基部に対して両側片がほぼ垂
直方向に延設されてなる断面コ字形状の座金を設け、該
座金の基部にシートベルトの端部を固定するようになっ
ていたため、前記両側片に直交する方向に沿う変形は起
こりにくいが、前記両側片に平行な方向に沿う変形は起
こりやすく、座金の基部に作用する力がシートベルトの
状態に応じて大きく変化しあらゆる方向に向く可能性が
あることを考慮すると、前記座金は十分な耐久強度を有
するものではなかった。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、シートベル
トの端部が取付けられるナツトプレートが、該シートベ
ルトを通じて伝達される荷重に対して十分な耐久強度を
有する自動車のシートベルトアンカ取付部構造を提供す
ることを主目的とするものである。

以下、本考案の構成を、実施例について、図面に沿って
説明する。

第２図乃至第４図において、１１は自動車のフロアパネ
ルであるインナパネルで、その外側（下側）に断面ハツ
ト形状のアウタパネル１２を溶接固定して閉断面構造の
柱状部１３が構成されている。

１４は断面コ字形状の比較的長いステイフナ（補強部材
）で、インナパネル１１とアウタパネル１２との間に位
置し、アウタパネル１２の内面に溶接固定されている。

ステイフナ１４は、基板部１４ａと、該基板部１４ａの
両側縁に連続して延びる２つの側板部１４ｂ、１４ｃと
により断面コ字形状に形成され、しかして該ステイフナ
１４にナツトプレート１５Ａが溶接固定されている。

ナツトプレート１５Ａは所定形状の１枚の板状体を折曲
して形成されたもので、アンカナツト１６が貫通孔１５
ａと合致するように内面に固着される矩形状の基片部１
５ｂと、該基片部１５ｂの長手方向すなわち柱状部１３
の長手方向における基片部１５ｂの両端縁に連続してア
ンカナツト１６側に延びる２つの脚片部１５ｃ、１５ｄ
と、前記基片部１５ｂの一側縁に連続してアンカナツト
１６側に延び、基片部１５ｂの長手方向において基片部
１５ｂよりも長く、ステイフナ１４の側板部１４ｂに溶
接固定される側片部１５ｅとにより構成されている。

なお、基片部１５ｂの貫通孔１５ａは、インナパネル１
１の別の貫通孔１１ａと合致し、シートベルト１の端部
を固定するボルト等を、前記両賞通孔１１ａ、１５ａを
通じて、アンカナツト１６に螺合することができるよう
になっている。

一方の脚片部１５ｃは、基片部１５ｂの一端縁に連続し
てほぼ直角方向に延びる基部１５ｆと、側片部１５ｅに
近い側に位置する基部１５ｆの一側縁に連続上て側片部
１５ｅとほぼ平行に延び、側片部１５ｅに溶接固定され
たほぼ三角形状の第１接合部１５ｇと、側片部１５ｅと
は反対側に位置する基部１５ｆの他側縁に連続して側片
部１５ｅとほぼ平行に延び、ステイフナ１４の側板部１
４ｃに溶接固定されたほぼ矩形状の第２接合部１５ｈを
有する。

また、他方の脚片部１５ｄは、基片部１５ｂの他端縁に
連続してほぼ直角方向に延びるほぼ三角形状の基部１５
ｉと、側片部１５ｅとは反対側に位置する基部１５ｉの
側縁に連続して該側片部１５ｅとほぼ平行に延び、ステ
イフナ１４の側板部１４ｃに溶接固定されたほぼ矩形状
の接合部１５にとを有する。

さらに、前記基片部１５ｂの他側縁に連続して側片部１
５ｅとほぼ平行に延びている比較的短い補強片部１５ｍ
が設けられている。

補強片部１５ｍは、２つの接合部１５ｈ、１５ｋを含む
平面に対して、若干側片部１５ｅ寄りに位置している。

前記アンカプレート１５Ａが、先ず、ステイフナ１４に
溶接固定され、続いてステイフナがアウタパネル１２内
に溶接固定され、しかして最後にアウタパネル１２がイ
ンナパネル１１に溶接固定されて、アンカ取付部が形成
される。

上記のように構成すれば、シートベルト１を介してナツ
トプレート１５Ａに作用する荷重によって変形が起ころ
うとしても、側片部１５ｅと平行な方向に沿う変形は主
として脚片部１５ｃの剛性によって抑制される一方、側
片部１５ｅと直交する方向に沿う変形は該側片部１５ｃ
および補強片部１５ｍの剛性によって抑制されることと
なるので、ナツトプレート１５Ａは十分な耐久強度を呈
することとなる。

特に、脚片部１５ｃと側片部１５ｅとは接合されている
ので、単に脚片部１０００側片部１５ｅを設けた場合に
比して、耐久強度はより高いものとなっている。

また、上記実施例における構造よりも耐久強度を高める
ために、第５図に示すように、基片部１５ｂとは反対側
に位置する基部１５ｆの端縁に連続して基片部１５ｂと
ほぼ平行に延び、ステイフナ１４の基板部１４ａに溶接
固定される第３接合部１５ｎを有する脚片部１５ｏを備
えたナツトプレート１５Ｂを、第３図に示すナツトプレ
ート１５Ａの代わに用いることもできるし、また、さら
に耐久強度を高めるために、第５図に示すナツトプレー
ト１５Ｂの脚片部１５ｄの代わりに、脚片部１５ｏと同
様の構成である、基部１５ｐと３つの接合部１５ｑ９
１５ｒ＊ １５ｓとからなる脚片部１５ｔを備えたナ
ツトプレート１５ｃを用いてもよい。

なお、上記実施例では、ナツトプレート１５Ａ、１５Ｂ
、１５Ｃの折曲角部に応力集中が生じて、ナツトプレー
ト１５Ａ、１５Ｂ、１５Ｃが破損するのを防止するため
に、各折曲角部は丸く加工されている。

なお、また、上記実施例は、車体フロアに設けたアンカ
取付部について説明しているが、本考案に係る構造が適
用されるのは、車体フロアには限定されず、例えばピラ
ーもしくはサイドレールアツバ等のインナパネルとアウ
タパネルとからなる閉断面構造の部位であれば何れの位
置でも差支えない。

本考案は上記のように構成したから、接合された側片部
と脚片部とによって、ナツトプレートに作用する荷重に
かかわりなく、十分に変形に対して抗することとなり、
ナツトプレートの耐久性が向上するという実用上優れた
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の車室内の概略を示す説明図、第２図は
本考案の一実施例である構造を示す斜視図、第３図は第
２図の構造に用いられているナツトプレートの斜視図、
第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ線に沿う断面図、第５図は
別のナツトプレートの斜視図、第６図はさらに別のナツ
トプレートの斜視図、第７図は第６図のナツトプレート
を用いた場合の第４図と同様の図である。 １・・・・・・シートベルト、５・・・・・・アンカ取
付部、１１・・・・・・インナパネル、１２・・・・・
・アウタパネル、１３・・・・・・柱状部、１４・・・
・・・ステイフナ、１５Ａ。 Ｂ、 Ｃ・・・・・・ナツトプレート、１５ａ・・・・
・・貫通孔、１５ｂ・・・・・・基片部、１５ｃ、 ｄ
、 Ｏ，ｔ・・・・・・脚片部、１５ｅ・・・・・・側
片部、１５ｆ、ｉ・・・・・・基部、１５ｇ・・・・・
・第１接合部、１５ｈ・・・・・・第２接合部、１５ｋ
・・・・・・接合部、１５ｍ・・・・・・補強片部、１
５ｎ・・・・・・第３接合部、１５ｐ・・・・・・基部
、１５ｑ、 ｒ、 ｓ・・・・・・接合部、１６・・
・・・・アンカボルト。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）インナパネルとアウタパネルとを接合して構成さ
   れる閉断面構造である柱状部材の該インナパネルとアウ
   タパネルとの間に比較的長いステイフナが配設され、該
   ステイフナにナツトプレートが溶接されている構造にお
   いて、前記ナツトプレートが、アンカナツトが内面に固
   着された矩形状の基片部と、該基片部の長手方向の両端
   縁に連続してアンカナツト側に延びる２つの脚片部と、
   前記基片部の一側縁に連続してアンカナツト側に延び、
   前記基片部の長手方向において前記基片部よりも長い側
   片部とからなり、前記脚片部が、基部と、前記側片部に
   近い側に位置する基部の一側縁に連続して前記側片部と
   ほぼ平行に延び、前記側片部に溶接されている接合部と
   、前記側片部とは反対側に位置する基部の他側縁に連続
   して前記側片部とほぼ平行に延び、前記ステイフナに溶
   接されている接合部を備えていることを特徴とする自動
   車のシートベルトアンカ取付部構造。
2. （２）脚片部が、基片部とは反対側に位置する基部の端
   縁に連続して前記基片部とほぼ平行に折曲げて形成され
   、ステイフナに溶接されている接合部を有する実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の自動車のシートベルトアン
   カ取付部構造。