JPH023959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は荷箱の内側面に設けられるインナーロ
ープフツクの取付構造に関し、例えばトラツクタ
イプの自動車において利用されるものである。

（従来技術） トラツク等の自動車には車体後部に荷物積載用
の荷箱が備えられているが、その場合、例えば実
開昭55−121780号公報に掲載されているように、
荷箱内の積載物をロープ等で保持することが出来
るようにするため、該荷箱の内側面にインナーロ
ープフツクが配設される。

然して、この種のインナーロープフツクを荷箱
内の前面に設けた場合、該面は通例１枚のフロン
トパネルによつて形成されているため、ロープフ
ツクに大きな荷重が作用した時に、フロントパネ
ルにおけるロープフツクの取付部が変形するとい
う問題があつた。そこで、これに対処するため、
フロントパネルの上記ロープフツク取付部の裏面
側に鉄板等の補強部材を当て、これにより該取付
部を補強してその変形を防止することが考えられ
る。しかし、このような補強部材を取付けたとし
ても、上記のようにインナーロープフツクに大き
な荷重が作用した時には、この荷重が補強部材を
介して１枚のフロントパネルにのみ作用すること
となり、そのため例えば荷箱の側面を形成するサ
イドパネルへのフロントパネルの接合部近傍が変
形する等の問題がある。また、荷箱の前面を形成
するフロントパネルには、当該自動車の急制動時
に積載物が勢いよく衝突することがあり、これに
より該フロントパネル両側端部のサイドパネルへ
の接合部が変形することがある。

（考案の目的） 本考案はトラツク等の荷箱における上記のよう
な問題に対処するもので、該荷箱におけるフロン
トパネルの内側の面に設けられるインナーロープ
フツクの取付構造を改良することにより、該ロー
プフツクに作用する荷重、或いは急制動時におけ
る積載物の衝突によるフロントパネルの変形を防
止することを目的とする。また、本考案において
は、フロントパネルを交換する必要が生じた場合
に、該パネルの交換を容易に行うことが出来るイ
ンナーロープフツクの取付構造を実現する。

（考案の構成） 上記目的達成のため、本考案は次のように構成
したことを特徴とする。

即ち、車体前方側に配設され且つ両端部に取付
フランジが車体前方側に折曲形成されたフロント
パネルと、インナーパネルとアウターパネルとで
二重ウオール構造とされたサイドパネルとを有す
る荷箱において、上記フロントパネルの内側の面
にインナーロープフツクを取付けると共に、該フ
ロントパネルの外側面と上記取付フランジとによ
つて形成された角部に断面がＬ状の補強部材を設
け、該補強部材の一側面を上記フロントパネルに
おけるインナーロープフツク取付部の裏側に配設
し、且つ該補強部材の他側面を上記取付フランジ
と共に上記サイドパネルにボルトで共締めする。

このような構成によれば、フロントパネルにお
けるインナーロープフツクの取付部が該パネルの
裏側に設けられた補強部材によつて補強されると
共に、該補強部材の一側面がフロントパネルにお
ける取付フランジと共にサイドパネルにボルトに
よつて共締めされているから、該フロントパネル
におけるサイドパネルへの接合部が補強されると
共に、上記ロープフツクに作用する荷重が補強部
材を介してサイドパネルにも分担されることにな
る。これにより、インナーロープフツクに作用す
る荷重がフロントパネルにおける該ロープフツク
の取付部に集中することによる該取付部の変形或
いは該フロントパネルにおけるサイドパネルへの
接合部の変形が防止される。また、フロントパネ
ルの取付フランジ及び上記補強部材がサイドパネ
ルにボルトによつて共締めされた構成であるた
め、フロントパネルを交換する必要が生じた場合
には該ボルトを取外すだけでフロントパネルの交
換を容易に行うことが出来るようになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例について説明する。

第１図に示すように、自動車１のキヤビン２の
後方には荷箱３が備えられていると共に、該荷箱
３の前壁３ａ及び後壁３ｂの内側の面には両側部
にインナーロープフツク４，４，４′，４′が夫々
配設されている。このうち前壁３ａに配設された
インナーロープフツク４，４は、該前壁３ａを形
成するフロントパネル５の内側面５ａの両側部に
取付けられているが、第２図に示すように、該フ
ロントパネル５の外面５ｂの両側部には、上記フ
ツク４，４に対応させて補強部材６が設けられて
いる。ここで、フロントパネル５の上縁部５ｃに
は車体前方側への折曲部が設けられていると共
に、両側端部が車体前方側に折曲されて取付フラ
ンジ５ｄとされ、且つ該フランジ５ｄが荷箱３の
側壁を形成するサイドパネル７の端面７ａに対接
されている。

然して、上記フロントパネル５の内面５ａに配
設された各インナーロープフツク４，４は、第３
〜５図に示すように、夫々、ベース部材４ａと、
該ベース部材４ａの中央部から荷箱３の内方に突
設されたコ状のフツク部材４ｂとから構成され、
また上記補強部材６，６は、夫々、第２〜５図に
示すように断面が〓状とされて、上記フロントパ
ネル５の外面５ｂと取付フランジ５ｄとによつて
形成される角部に配設されている。そして、該補
強部材６の一側面６ａがフロントパネル５におけ
るインナーロープフツク４の取付部裏側に対応位
置されて、該フロントパネル５に溶接されている
と共に、ロープフツク４のベース部材４ａが補強
部材６の側面６ａとの間にフロントパネル５を挾
んだ状態でボルト８，８及びナツト９，９によつ
て夫々締付けられた構成とされている。また、補
強部材６の他側面６ｂは、上記サイドパネル７の
端面７ａとの間にフロントパネル５の取付フラン
ジ５ｄを挾んだ状態でボルト１０…１０及びナツ
ト１１…１１によつて締付けられ、これにより該
補強部材６ないしフロントパネル５が上記サイド
パネル７の端面７ａに結合されている。ここで、
補強部材６には複数の補強用ビード部６ｃ，６ｃ
が設けられている。また、上記サイドパネル７
は、第５図に示すように荷箱３の側壁外側面を形
成するアウターパネル１３と、該荷箱３の側壁内
側面を形成するインナーパネル１４と、これら両
パネル１３，１４の各端部に両端部が接合された
中間パネル１５とから構成され、これにより内部
に閉断面７ｂを有する二重ウオール構造とされて
いる。そして、このサイドパネル７の端面７ａに
おけるインナーパネル１３と中間パネル１５との
接合部内側に上記ナツト１１…１１が固着されて
いる。

上記の構成によれば、フロントパネル５におけ
るインナーロープフツク４，４の取付部が、該パ
ネル５の外面５ａに設けられた補強部材６，６に
よつて補強されると共に、各補強部材６の一側面
６ｂがフロントパネル５の取付フランジ５ｄと共
にサイドパネル７の端面７ａに取付けられている
ため、各ロープフツク４に作用する荷重が補強部
材６を介してサイドパネル７にも分担されて、フ
ロントパネル５の両側部に作用する荷重が軽減さ
れる。これにより、上記インナーロープフツク
４，４に作用する荷重が該フロントパネル５のロ
ープフツク取付部に集中して作用することによる
該パネル５の変形が防止されることになる。ま
た、上記補強部材６によりフロントパネル５の両
側部におけるフランジ５ｄの折曲部が補強されて
いることにより、インナーロープフツク４に作用
する荷重、或いは当該自動車の急制動時における
積載物の衝突による該折曲部の変形も防止される
ことになる。更に、フロントパネル５が仮に変形
しても、該パネル５の取付フランジ５ｄ及び補強
部材６の側面６ｂがサイドパネル７にボルト１０
…１０によつて共締めされている構成であるか
ら、該ボルト１０…１０を取外すだけでフロント
パネル５を容易に交換することが出来るようにな
る。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、トラツク等の自
動車の荷箱において、該荷箱前壁を形成するフロ
ントパネルの内側の面に配設されたインナーロー
プフツクに大きな荷重が作用しても、該荷重が荷
箱の側面を形成するサイドパネルに分散されるこ
とにより、該フロントパネルにおけるインナーロ
ープフツクの取付部や該パネル両側部のサイドパ
ネルの接合部の変形を防止することが出来るよう
になり、また当該自動車の急制動時における積載
物の衝突による該フロントパネル両側部の変形も
防止されることになる。更に、フロントパネルを
交換する必要が生じた場合においても、サイドパ
ネルに補強部材及びフロントパネルの取付フラン
ジを共締めしているボルトを取外すだけで、該フ
ロントパネルの交換を容易に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
該実施例が適用された自動車の全体斜視図、第２
図は補強部材の取付部周辺を示す拡大斜視図、第
３図はインナーロープフツクの取付部周辺を示す
要部拡大背面図、第４図は第３図−線で切断
した縦断側面図、第５図は第２図における−
線で切断した要部横断平面図である。 １……車体（自動車）、３……荷箱、４……イ
ンナーロープフツク、５……フロントパネル、５
ｄ……取付フランジ、６……補強部材、７……サ
イドパネル、１０……ボルト、１３……アウター
パネル、１４……インナーパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体前方側に配設され且つ両端部に取付フラン
   ジが車体前方側に折曲形成されたフロントパネル
   と、インナーパネルとアウターパネルとで二重ウ
   オール構造とされたサイドパネルとを有する荷箱
   において、上記フロントパネルの内側の面にイン
   ナーロープフツクを取付けると共に、該フロント
   パネルの外側の面と上記取付フランジとによつて
   形成された角部に断面がＬ状の補強部材を設け、
   該補強部材の一側面をフロントパネルにおけるイ
   ンナーロープフツク取付部の裏側に配設し、且つ
   該補強部材の他側面を上記取付フランジと共に上
   記サイドパネルにボルトで共締めしたことを特徴
   とする荷箱のインナーロープフツクの取付構造。