JPS583676B2 - 新規抗生物質ムコペプチンc及びその製造法 - Google Patents

新規抗生物質ムコペプチンc及びその製造法

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JPS583676B2
JPS583676B2 JP57038893A JP3889382A JPS583676B2 JP S583676 B2 JPS583676 B2 JP S583676B2 JP 57038893 A JP57038893 A JP 57038893A JP 3889382 A JP3889382 A JP 3889382A JP S583676 B2 JPS583676 B2 JP S583676B2
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mucopeptin
antibiotic
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methanol
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草野友延
中村豪宕
日下部寛男
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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規抗生物質ムコペプチンC (Mucopeptin C)及びその製造法に関する
ものである。
更に詳しくは、本発明はストレプトミセス(Strep
tomyces)属に属する抗生物質ムコペプチンC生
産菌を培養して得られる培養物より新規抗生物質ムコペ
プチンCを分離、採取することを特徴とする新規抗生物
質ムコペプチンCの製造法並びに該抗生物質ムコペプチ
ンCに係るものであり、ムコペプチンCは既知文献未載
の新規抗生物質である。
本発明者らは、先に、ダラム陰性菌の細胞壁ペプチドグ
リカンの生合成阻害活性を示す新規抗生物質の探索を目
的として多数の土壌中より微生物を分離し、その産生す
る抗生物質を分離、探索した結果、ストレプトミセス属
に属する微生物の培養液及び培養菌体中に文献未載の新
規抗生物質が産生質ムコペプチンB(Mucopept
in B)を分離、採取することに成功し、その製造法
を確立した(特公昭57−7160号公報参照)が、更
に前記生産菌の培養物の有効成分を分離し、研究を進め
た結果、前記ムコベプチンBとは明らかに別異の有効成
分を純粋に単離することに成功して該成分をムコペプチ
ンCと命名し、こゝに本発明を完成するに至った。
以下に、本発明の新規抗生物質ムコペプチンC並びにそ
の製造法について詳述する。
本発明方法において用いる微生物は、新規抗生物質ムコ
ペプチンCの生産能を有するストレプトミセス属に属す
る菌種である。
その一例として、ストレプトミセス・エスピー・K−6
4(Streptomyces sp.K−64)と呼
称される微生物が前記の特性を有する新菌株で、本発明
の新規抗生物質ムコペプチンCを有利に生産するもので
あり、本発明方法に有効に利用し得る微生物として挙げ
られる。
また、前記ストレプトミセス・エスピー・K−64の自
然的及び人工的変異株は勿論、ストレプトミセス属に属
する菌種で、後述の新規抗生物質ムコペプチンCの生産
能を有する微生物は、すべて本発明方法において使用す
ることができる。
前記ストレプトミセス・エスピー・K−64(以下、単
に「K−64株」という。
)で、本発明者によって茨城県筑波郡谷田部町で採取し
た土壌試料中より発見された微生物であり、工業技術院
微生物工業技術研究所に昭和55年1月26日付寄託さ
れ、微生物受託番号は、微工研菌寄第5387号である
K−64株は、次の菌学的性質を有する。
K−64株の各種培地上の性状は、特許庁−産業別審査
基準「応用微生物工業」に従って各種培地を調製し、2
〜3週間後に観察した。
また、以下の色調の記載において( )内の色名は、デ
スクリプテイブ・カラー・ネーム・ディクショナリー(
Descriptive color name di
ctionary)に従った。
(1)形態的特徴 K−64株は、ストレプトミセス属に属する形態を示し
、その形態的特徴は次のとおりである。
1)基生菌体:寒天中に良く生育し、良く分岐している
2)気菌糸:気菌糸は各種培地上に良く着生し、ゆるや
かに屈曲し、らせん糸は観 察されない。
胞子は卵形又は楕円形で、その大きさは1.4〜1.7
μ ×0.5〜0.7μであり、電子顕微 鏡による胞子表面の状態は平滑で ある。
(2)各培地における生育状態 色調の記載は、カラー・ハーモニー・マニュアル第4版
を対照として色番、色名を記載した。
1)シュークロース・硝酸塩寒天培地 生育:極めて良好で、表面に拡がった生育をする。
裏面の色は明かるい小麦色(2ea)である。
気菌糸:良く着生し、粉状で、淡い黄緑色(24 1/
2)である。
可溶性色素:生成しない。
2)グリコース・アスパラギン寒天培地 生育:極めて良好で、表面に拡がった生育をする。
裏面の色は明かるい小麦色である。
気菌糸:良く着生し、粉状で、淡い黄色 (1db)を呈する。
可溶性色素:生成しない。
3)グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育:極めて良好で、表面に拡がった生育をする。
裏面の色は薄い黄色(2ga)を呈する。
気菌糸:良く着生し、粉状で、薄い黄色 (1db〜11/2db)を呈する。
可溶性色素:生成しない。
4)無機塩・澱粉寒天培地 生育:平滑で良く生育する。
裏面の色は薄い黄色(2gc)を呈する。
気菌糸:良く着生し、粉状で、薄い黄色 (11/2db)を呈する。
可溶性色素:生成しない。
5)チロシン寒天培地 生育:良く生育し、表面に拡がった生育をする。
裏面の色は薄い黄色(2ga)を呈する。
気菌糸:良く着生し、粉状で、薄い黄色 (11/2db)を呈する。
可溶性色素:生成しない。
6)栄養寒天培地 生育:普通の生育をし、表面は平滑、裏面の色はメロン
色(3ga)を呈する。
気菌糸:ベルベット状の白色で、胞子の形成はない。
可溶性色素:生成しない。
7)イースト・麦芽寒天培地 生育:旺盛な表面に拡がった生育を示し、裏面の色は明
かるい黄褐色(3gc〜 4ic)を呈する。
気菌糸:着生が良く、粉状で、象牙色(2db)を呈す
る。
可溶性色素:生成しない。
8)オートミール寒天培地 生育:極めて良好な生育をし、表面に拡がる。
裏面の色は明かるい小麦色(2ea) を示す。
気菌糸:良く着生し、粉状で、薄い黄色 (1db)を呈する。
可溶性色素:生成しない。
9)ペプトン・イースト・エキストラクト・鉄寒天培地 生育:生育しない。
10)脱脂粉乳 生育:徐々に生育し、ペプトン化は遅い。
11)グルコース・ペプトン・ゼラチン培地生育:生育
遅く、ゼラチン液化は徐々に進行する。
(3)各生理的性質 1)生育温度 27〜30℃で最も良好な生育がみられる。
2)ゼラチンの液化 弱い。
3)澱粉の加水分解 強い。
4)脱脂粉乳のペプトン化 徐々にペプトン化する。
5)メラニン様色素の生成 生成しない。
(4)炭素源の同化性 プリドハム・ゴドリーブ寒天培地の糖利用試験培地〔デ
イフコ(Difco)製〕に各種の糖を添加して、K−
64株を培養した結果は次のとおりである。
+:利用する。
±:僅かに利用する。−:利用しない。
上記の菌学的性質の特徴を要約すれば次のとおりである
(1) 形態:K−64株はストレプトミセス属に属
し、気菌糸は屈曲し、らせん糸を形成 しない。
電子顕微鏡による胞子表面は平滑である。
(2)各培地の生育状態:各培地上に良く生背し、裏面
の色は薄い黄色で特徴のある色は 観察されない。
薄い黄色系の粉状の気菌糸を形成し、可溶性色素は生成
しな い。
(3)各生理的性質:27〜30℃で最も良く生育し、
ゼラチンの液化及び脱脂粉乳のペ トン化は弱く、澱粉の分解力は強い。
メラニン様色素は生成しない。
(4)炭素源の同化性:L−アラビノース、D−キシロ
ース、D−グルコースを利用する。
D−フラクトース、L−ラムノースは、 長期間培養すると生育がみられる。
シュークロース、ラフイノースは、僅か に利用する。
i−イノシトール、マンニトール、サリシンは利用しな
い。
K−64株の前記の菌学的性質を「インターナショナル
・ジャーナル・オブ・システマチック・バクテリオロジ
ー」、第22巻、第3号(1972年)〔Eberha
rd Euater:“InternationalJ
ournal of Systematic Bact
eriogy”,No.3,Vol 22(1972)
〕に記載の分類法(シンプルワーキング・キイ・オブ・
ザ・クラシフイケーション・アンド・アイデンテイフイ
ケーション・ネームド・タクサ・インクルーデツド・イ
ン・ザ・インターナショナル・ストレプトミセス・プロ
ジェクト)及び「フエルメント・テクノロジー」・第5
2巻、第2号(1974年)〔Nonomura:Fe
lment Technology,No.2,Vol
.52(1974)〕に記載の分類法(キイ・フォア・
クラシフイケーション458スペシス・オブ・ザ・スト
レプトミセス・インクルーデット・イン・I.S.P.
)に従って比較すると、K−64株は(1)薄い黄色の
気菌糸を形成すること、(2)メラニン様色素を形成し
ないこと、(3)気菌糸はゆるやかに屈曲し、らせん糸
を形成しないこと、(4)胞子の表面は平滑であること
及び(5)炭素源の同化性よりストレプトミセス・フラ
ビドビレンス (SStreptomyces fiavidovir
ens)に近似するものと考えられる。
しかしながら、抗生物質の生産能において明らかに相異
が認められるため、K−64株はストレプトミセス・フ
ラビドビレンスに属する新菌株とすることが妥当と結論
された。
次に、本発明を実施するに当っては、ストレプトミセス
属に属する抗生物質ムコペプチンC生産菌を、抗生物質
を生産する通常の方法で培養することができる。
培養の形態は、液体培養でも固体培養でもよく、工業的
に有利に培養するためには、前記生差菌の胞子懸濁液又
は培養液を培地に接種し、通気攪拌培養を行えばよい。
培地の栄養源としては特に限定されることになく、微生
物の培養に通常用いられる炭素源、窒素源その他の培地
中に含有させることができる。
炭素源としては、澱粉、デキストリン、グリセリン、グ
ルコース、シュークロース、ガラクトース、イノシトー
ル、マンニトールなどが、また窒素源としては、ペプト
ン、大豆粉、肉エキス、米ぬか、皺、尿素、コーンステ
イープリカー、アンモニウム塩、硝酸塩、その他の有機
または無機の窒素化合物が用いられる。
その他、無機塩類、たとえば、食塩、燐酸塩類、カリウ
ム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄等の金属塩類等を
適宜に添加してもよく、必要に応じて消泡剤として、動
・植・鉱物油等を添加してもよい。
培養温度、培養時間等の培養条件は使用菌の発育に適し
、しかもムコペプチンCの生産が最高となるような条件
が選ばれる。
たとえば、培地のpHは4〜9、特に中性付近がよく、
培養の適温は25°−35℃程度がよい。
しかし、これらの培養組成物、培地の水素イオン濃度、
培養温度、攪拌条件などの培養条件は使同する菌株の種
類や、外部の条件などに応じて好ましい結果が得られる
ように適宜調節されるべきであることはいうまでもない
このようにして得られる培養物から、ムコペプチンCを
得るには代謝産物を採取するのに通常用いられる手段を
適宜利用して採取し得る。
たとえば、ムコペプチンCと不純物との溶解度差を利用
する手段、吸着親和力の差を利用する手段、イオン結合
力の差を利用する手段のいずれも、それぞれ単独で、ま
たは組合わせて、あるいは反復して使用される。
具体的には、ムコペプチンCを含有するムコペプチン複
合体(他に、例えばムコペプチンA及びCを含有してい
る)は、培養F液にその大部分が存在するが、その吸着
性の性質を利用して、活性炭或いはイオン交換樹脂など
を用いて培養濾液より吸着させることが出来る。
水洗後、吸着体より含水メタノール、含水アセトン等で
溶離することが出来る。
溶出液を減圧下に濃縮して得た濃縮液に約4倍量のアセ
トンを加え、分別沈澱により沈澱物を除く。
上澄液を減圧濃縮後、シリカゲルの吸着力ラムクロマト
グラフィーによって精製することができる。
例えば、クロロホルム−メタノールの溶剤系を用いてメ
タノールの含量を順次増大しながら溶出すると、ムコペ
プチン複合体が溶出される。
活性区分を集め、減圧濃縮することによりムコペプチン
複合体の粗粉末が得られる。
このムコペプチン複合体には少なくとも数種の活性成分
が含まれるが、これよりムコペプチンCを純粋に単臨す
るためにはイオン交換クロマトグラフイー及び分配クロ
マトグラフイーが有効である。
例えば、上記複合体粗粉末を0.05Mの重炭酸アンモ
ニウム溶液を用いてDEAEセルロースのクロマトグラ
フイーを行う。
重炭酸アンモニウムの濃度を0.05Mより順次上昇さ
せて展開溶出を行うと、活性区分は三つのピークとなっ
て順次溶出される。
第二の活性区分を集めて減圧濃縮した後、凍結乾燥する
とムコペプチンA及びムコペプチンCを含む粗粉末が得
られる。
更に精製するために、例えばブタノール−メタノール−
水の溶剤系を用いてスルロースカラムクロマトグラフイ
ーを行うと、ムコベプチンA、次いでムコペプチンCが
分離溶出される。
紫外部吸収及び生物活性による分析で単一の画分を集め
て濃縮乾固する。
残渣を熱水より再結晶操作を行うと、ムコペプチンCは
微黄色粉末として析出する。
かくして得られたムコペプチンCの理化学的性質及び生
物学的性状は次のとおりである。
〔ムコペプチンCの理化学的性質及び生物学的生状〕
(1)元素分析値: 炭素;51.27%,水素;5.88%,窒素;11.
86%,硫黄;3.37% (2)分子量(滴定当量による): 800 (3)融点: 178℃より182℃で溶融分解する。
(4)比旋光度: 〔α〕20D−39.7°(C=1.00,50%メタ
ノール) (5)紫外線吸収スペクトル: 第1図のとおり。
λma×mμ(E1%1cm) 水及び0.01N塩酸中;253(141)0.01N
苛性ソーダ中; 241(277),290肩(93) (6)赤外線吸収スペクトル: 第2図に示すとおり。
臭化カリ錠剤中の主な極大値を次に示す。
3380,2920,1650,1550,1530,
1480,1440,1380,1275,1245,
1210,1170,1100,1040, 870,
770,685, 605, 525cm−1 (7) 溶解性: 水、メタノール、含水アセトン、ジメチルスルホキシド
に溶ける。
アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、エー
テル、石油エーテルに難溶である。
(8)呈色反応: ニンヒドリン反応は陽性、過マンガン酸カリを脱色(陽
性)し、ライドン・スミス反応は陽性である。
塩化鉄、2,4−ジニトロフエニルヒドラジン、フエー
リング、トレンス、過沃素酸−ベンジジン反応は陰性で
ある。
(9)塩基性、酸性、中性の区別: 酸性側(pH4.0附近)に等電点をもの両性物質であ
る。
(10)物質の色: 微黄色粉末である。
(11) pKa´値: 3.4,7.6,9.7,10.7 (12) Rf値(ブタノール−メタノール−水(4:
1:2)の溶剤系でセルロース薄層クロマトグラフイー
での値): 0.39 (13)抗菌スペクトル: ブイヨン寒天培地を用い、倍数希釈法によって生育最少
阻止濃度を求めた結果を以下に示す。
(14) 毒性: マウスに対する静脈内投与で250mg/kgで全く毒
性を示さなかった。
以上のムコペプチンCの理化学的性質及び生物学的性状
を既知の抗生物質と比較すると、唯一の類似物質として
、抗生物質FR3383(特開昭51−54,988、
特開昭52−93,701公報参照)が挙げられる。
しかしながら、該物質は、比旋光度、元素分析値、赤外
機吸収スペクトル等において明らかに相異が認められる
更に、実際にFR3383物質の標準試料を入手して、
セルロース薄層クロマトグラフイーによって両者の比.
較を試みたところ、ブタノール−メタノール−水(4:
1:2)の溶剤系でFR3383物質のRf値は0.2
4であるのに対してムコペプチンCのRf値は0.39
を示し、明らかに異なる物質であることが証明された。
また、先に分離、採取されたムコペプチンBとも明らか
に別異の物質であることが証明された。
よって、ここに本発明の抗生物質を新規抗生物質と結論
し、「ムコペプチンC(MucopeptinC)」と
命名した。
ムコペプチンCは、試験管内(in vitro)試験
においてグラム陰性菌及び抗酸性菌に対して阻害活性を
示し、更にマウスに対する毒性が認められないことから
医薬としての利用が期待されるものである。
以下に、本発明方法を実施例によって詳述する。
実施例 市販の栄研ブイヨン培地(肉エキス0.3%、ペプトン
1%、食塩0.5%)に3%のグリセリンを添加した培
地に、前記K−64株(微工研菌寄第5387号)を接
種して28℃で48時間振盪培養する。
この培養液140mlを、グルコース2%、可溶性澱粉
1%、肉エキス0.1%、乾燥酵母0.4%、食塩0.
2%、第二燐酸カリ0.005%、大豆粉2.5%より
成る培地18lを含む内容30lのジャーファーメンタ
ーに接種し、30℃で120時間、通気攪拌培養を行う
このときの通気量は毎分18l、攪拌回転数は300r
pmである。
培養終了後、培養液(pH8.0)に濾過助剤として硅
藻土2%を加えて濾過する。
濾液48l(ジャーファーメンター3基分)を、ダイヤ
イオンHP−10(商品名)5lの樹脂塔に通過し、吸
着させる。
20lの水を用いて洗滌後、20%含水メタノール20
lを用いて溶出を行うと、不純物が溶出される。
次いで、60%の含水メタノール130lを用いて溶出
を行うと、活性部分が溶出される。
これを減圧下に濃縮し、濃縮液200mlを得る。
これに800mlのアセトンを加えると、沈殿を生ずる
沈殿を濾過して除き、濾液を減圧下に濃縮乾固する。
残渣をクロロホルム−メタノールの溶剤系を用いてシリ
カゲルのカラム(6.5×150cm)によりクロマト
グラフイーを行う。
活性はクロロホルム−メタノール(1:1)より(1:
2)の溶出区分に現われる。
活性画分を濃縮乾固すると、ムコペプチン複合体の粗粉
末7.5gを得る。
前記複合体粗粉末を少量の0.05M重炭酸ソーダ溶液
に溶解し、予め同一溶液で調製したホワットマンDE5
2(商品名)のカラム(45×240mm)にチャージ
し、重炭酸アンモニウムの濃度を0.05Mより0.1
M、0.3Mと順次段階的に高めながら展開溶出を行う
活性は0.1Mより0.3Mの画分にかけて3つのピー
クとして現われる。
第二の活性画分を集めて減圧濃縮し、最後に凍結乾燥す
ると、ムコペプチンAおよびムコペプチンCの混合粗粉
末が得られる。
これを更にブタノール−メタノール−水の溶剤系を用い
てアビセルセルロースのカラムクロマトグラフイーを行
う。
溶剤比を8:1:0.2より4:1:1に順次変化せし
めて展開溶出を行うと、ムコペプチンA、次いでムコペ
プチンCが分離溶出される。
溶出フラクションを薄層クロマトグラフイーにより、紫
外部吸収、ニンヒドリン反応、抗菌活性を指標に単一の
画分を合わせて濃縮乾固する。
ムコペプチンCの画分の残渣を数mlの熱水に溶かし、
濾過冷却すると、微黄色粉末が析出する。
沈殿を濾取し、冷水で洗滌後、乾燥すると、ムコペプチ
ンCの精製粉末300mgが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のムコペプチンCの紫外線吸収スペク
トルを示す。 第2図は、本発明のムコペプチンCの赤外線吸収スペク
トル(臭化カリ錠剤)を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の理化学的性質及び生物学的性質を有すること
    を特徴とする新規抗生物質ムコペプチンC(Mucop
    eptin C)。 (1)元素分析値 炭素:51.27%、水素:5.88%、窒素:11.
    86%、硫黄:3.37% (2)分子量(滴定当量による) 800 (3)融点 178〜182℃(分解) (4)比旋光度 〔α〕20D−39.7°(C=1.00、50%メタ
    ノール) (5)紫外線吸収スペクトル λma×mμ(E1%1cm) 水及び0.01N塩酸中:253(141)0.01N
    苛性ソーダ中:241(277)、290肩(93) (6)赤外線吸収スペクトル (臭化カリ錠剤中の主な極大値) 3380,2920,1650,1550,1530,
    1480,1440,1380,1275,1245,
    1210,1170,1100,1040, 870,
    770,685, 605, 525cm−1 (7)溶解性 水、メタノール、含水アセトン、ジメチルスルホキシド
    に溶ける。 アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、エー
    テル、石油エーテルに難溶である。 (8)呈色反応 ニンヒドリン、ライドン・スミス反応は陽性、過マンガ
    ン酸カリを脱色(陽性)し、塩化鉄、2,4−ジニトロ
    フエニルセドラジン、フエーリング、トレンス、過沃素
    酸−ベンジジン反応は陰性である。 (9)塩基性、酸性、中性の区別 両性物質で、等電点はpH4.0附近にある。 (10) 物質の色 微黄色粉末 (11) pKa´値 3.4,7.6,9.7,10.7 (12)Rf値(ブタノール−メタノール−水(4:1
    :2)の溶剤系でセルロース薄層 クロマトグラフィーでの値) 0.39 (13) 抗菌スペクトル グラム陰性菌、抗酸性菌に対して生育阻害活性を示す。 2 ストレプトミセス(Streptomyces)属
    に属する抗生物質ムコペプチンC生産菌を培養し、その
    培養物から新規抗生物質ムコペプチンCを分離、採取す
    ることを特徴とする新規抗生物質ムコペプチンCの製造
    法。 3 ストレプトミセス(Streptomyces)属
    に属する抗生物質ムコペプチンC生産菌がストレプトミ
    セス・エスピー・K−64(Streptomyces
    sp.K−64)である特許請求の範囲第2項記載の製
    造法。
JP57038893A 1982-03-12 1982-03-12 新規抗生物質ムコペプチンc及びその製造法 Expired JPS583676B2 (ja)

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JP57038893A Expired JPS583676B2 (ja) 1982-03-12 1982-03-12 新規抗生物質ムコペプチンc及びその製造法

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JP (1) JPS583676B2 (ja)

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JPS57170191A (en) 1982-10-20

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