JPS6322799B2 - - Google Patents

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JPS6322799B2
JPS6322799B2 JP11937880A JP11937880A JPS6322799B2 JP S6322799 B2 JPS6322799 B2 JP S6322799B2 JP 11937880 A JP11937880 A JP 11937880A JP 11937880 A JP11937880 A JP 11937880A JP S6322799 B2 JPS6322799 B2 JP S6322799B2
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compound
medium
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tunicamycin
methanol
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JP11937880A
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Kimio Sugiura
Hirotsugu Kaise
Iwao Miura
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗生物質ツニカマイシンの製造法に関
する。 ツニカマイシンは、ストレプトマイセス属に属
するある種の微生物より生産される抗生物質であ
り、通常数種の化合物の複合体として収得される
〔ジヤーナル オブ アンテイバイオテイツクス
(J.Antibiotics),24,215(1971)並びにアグリカ
ルチユラル アンド バイオロジカルケミストリ
ー(Agricultural and Biological Chemistry)
43,761〜764(1979)及び44,695〜698(1980)〕。 本発明者らは上抗生物質及びその製造法につき
種々研究をを重ねた結果、徳島県徳島市川内町の
土壌より新たに分離したバチルス属に属する微生
物が、上記抗生物質を生産することを見い出し、
この知見に基づいて更に研究を進めた本発明を完
成するに至つた。 本発明に利用する微生物は次の菌学的性質を有
する。 形態 肉汁寒天培地上30℃で24時間後に観察すると
栄養細胞の形状は桿菌で短連鎖または長連鎖に
なることが多い。大きさは(1.0〜1.3)×(2.0〜
4.0)ミクロンである。運動性があり、肉汁寒
天培地では30℃2〜3日で、大豆寒天培地では
30℃1日で胞子を形成する。胞子の形状は楕円
で、胞子嚢の形状は特にふくらまない。大きさ
は(0.4〜0.5)×(0.8〜1.2)ミクロンでセント
ラルに位置する。グラム染色は陽性で、抗酸性
はない。 各培地における生育状態 1 肉汁寒天平板培養 生育は良好で30℃、24時間の培養で樹根状
に生育する。集落表面は平滑で光沢はなく淡
黄色不透明である。培地の色の変化なし。 2 肉汁寒天斜面培養 30℃、24時間の培養で生育良好で集落表面
は平滑で、拡散性があり、集落は淡黄白色不
透明である。培地の色は変化なし。 3 肉汁液体培養(30℃、24時間) 生育は良好で、均一には混濁せず、沈降性
を有する。菌環を生じ、ときに薄い被膜を生
成する。 4 肉汁ゼラチン穿刺培養 22℃、14日間の培地で、層状に徐々に液化
する。 5 リトマスミルク培養 30℃、14日間の培地で、リトマス色素を還
元した。 6 大豆寒天斜面培養 生育は良好で、胞子形状も良好、集落表面
は滑らかで淡黄白色不透明である。 生理学的性質 硝酸塩の還元;陽性 脱窒反応;陽性 MRテオト;陽性 VPテオト;陽性 インドールの生成;陰性 硫化水素の生成;陰性 デンプンの加水分解;陽性 クエン酸の利用;陽性(クリステンゼン培
地) チロシンの分解;陽性 色素の生成;なし ウレアーゼ反応;陰性 オキシダーゼ反応;陽性 カタラーゼ反応;陽性 カゼインの消化;陽性 O―Fテスト;F 酸素要求性;好気性、グルコース―肉汁嫌
気性の培地に生育する。 生育範囲;PH4.5〜10.0 20〜45℃ 最適生育条件;PH6〜8 28〜37℃ 炭素源の資化性(糖加アンモニウム塩基礎培
地、30℃、7日目) 【表】 【表】 上記の菌学的性質を有する本菌の分類学上の位
置をバージーズ マニユアル オブ デターミネ
イテイブ バクテリオロジー
(Bergeys′ Manual of Determinative
Bacteriolgy)第8版を参照して検討すると、通
性嫌気性の有胞子桿菌でカタラーゼ反応が陽性で
ある事からバチルス属に属し、胞子の形、位置、
胞子嚢の形、グルコースから酸およびアセトイン
を生成し、ガスを生成しない点、更にアラビノー
ス、キシロース、マンニトールから酸を生成せ
ず、チロシンを分解し、又運動性を有する点から
バチルス セレウスに属するものと判定され、生
育の性状においても運動性にとみ、バチルス属に
特徴的な偏平で拡散性の生育をする点でよく一致
する。 従つて本菌株をバチルス セレウス K―279
(Bacillus―cereus K―279)と命名する。尚該
K―279株は、工業技術院微生物工業技術研究所
に、微生物受託番号「微工研菌寄第5322号
(FERM―P No.5322」として寄託されている。 本発明方法は、上記バチルス セレウス K―
279株又はその自然変異株もしくは人工変異株を
利用し、以下の如くして実施される。即ち上記微
生物を、通常の抗生物質を生産させる場合に用い
られるものと同様の、栄養物及び添加物を含有す
る培地で培養する。培養基として一般に用いられ
る炭素源としては例えば、ブドウ糖、シユクロー
ス、グリセリン、マルトース、デキストリン、デ
ンプン、マンニツト、有機酸、糖蜜、大豆油、綿
実油等を例示でき、窒素源としては例えば、大豆
粉、落花性粉、綿実粉、酵母、魚粉、コーンスチ
ープリカー、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、
オートミール、カゼイン加水分解物、硝酸ソー
ダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等を例
示でき、無機塩としては例えば、硫酸マグネシウ
ム、食塩、燐酸塩、炭酸カルシウム等を例示でき
る。また培地には必要に応じて微量の金属塩やビ
タミン類および先駆物質等を適量添加してもよ
い。更に液体培養に際しては培地中にシリコー
ン、植物油、界面活性剤等を消泡剤として添加し
てもよい。培養は上記培養基を含有する通常の培
養方法に従い実施できるが、液体培地中での振と
う培養又は通気撹拌培養により行なうのが好まし
い。培養条件としては例えば液性PH4.5〜10.0、
好ましくはPH6.0〜7.5下に、培養温度20〜45℃、
好ましくは30℃前後を採用でき通常1日前後で有
利に培養できる。 本発明方法においては次いで上記培養後に培養
液中に生産された物質を採取する。採取法は特に
制限されず生産された物質の理化学的性状を利用
した公知の各種方法がいずれも採用できる。例え
ば不純物との溶解度の差、通常の吸着剤例えば活
性炭、XAD―2、シリカゲル、イオン交換樹脂、
セフアデツクス等に対する吸着親和力の差、二液
相間の分配率の差等を利用する方法及び之等方法
の組み合せにより実施できる。より具体的には培
養液を常法に従い過もしくは遠心分離して予め
菌体を除去する。除去した菌体を適当な溶媒、例
えばメタノール、エタノール等のアルコール等で
抽出し、抽出液を濃縮し、溶媒を留去後残つた水
層をn―ブタノールで抽出する。また液は例え
ばPHを4.0に調節後、Diaion HP―20に吸着させ、
水及び40%のメタノール水溶液で洗浄後、0.1N
―NH4OH:メタノール(1:4)で溶出する。
溶出液を濃縮後残つた水溶液をn―ブタノールで
抽出する。このn―ブタノール抽出液及び先の菌
体より得られたn―ブタノール抽出液を合せ、こ
れを濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフイー(CHCl3:メタノール:水=65:
23:2)を行ない活性フラクシヨンを集めて濃縮
後、高速液体クロマトグラフイー(Waters,
Prec―Pack C―500/C18,45% aq CH3CN)
で分離後、さらに高速液体クロマトグラフイー
(ODS―LS410,ODS―3050,Ultraspher30〜45
% aq CH3CN60〜80% aq MeOH)で分離す
ることにより目的物を単離精製できる。 かくして得られる抗生物質ツニカマイシンは、
下記一般式〔〕で表わされる化合物を含有す
る。 上記一般式〔〕中基Rは
【式】CH3(CH210 ―CH=CH―、
【式】又は 【式】を示し、之等 を以下夫々化合物F,G,H又はLと呼ぶ。之等
化合物中化合物F,G及びLは、前述したアグリ
カルチユラル アンド バイオロジカルケミスト
リー43,761〜764(1979)及び同44,695〜698
(1980)記載のそれらと物理化学的性質において
一致したが、化合物Hは以下の物理化学的性質及
び他の機器分析結果より、文献未載の新規化合物
と同定される。 (1) 外観・性状 白色結晶性粉末 (2) 溶解性 ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ピリジンに可溶、メタノール、アセトニト
リル、エタノール、n―ブチルアルコールに難
溶及び水、アセトン、酢酸エチル、クロロホル
ム、ヘキサン、エーテルに不溶。 (3) 構成元素 炭素、水素、酸素及び窒素から成り、硫黄、
ハロゲン等は含まれない。 (4) 元素分析値(C37H62O16N4として) 実験値 C54.03 H7.41 H6.77 計算値 C54.28 H7.58 N6.85 (5) 赤外線吸収スペクトル(IR) KBr錠としてのIR分析結果以下の特性吸収
を示す。 3350、2920、2840、1700、1665、1630、1544、
1460、1413、1375、1310、1260、1110、1080、
1020、950、905、830、808、760、710、630、
555、cm-1 (6) 紫外線吸収スペクトル(UV) エタ―ノル―水(5:1)を溶媒とし、30μ
g/ml濃度、セル長1cmでのUV分析結果、以
下の極大吸収が認められる。 262nm(ε=8400) (7) 分子量(質量分析計による) 818 (8) 分子式 C37H62O16N4 (9) 呈色反応 a 過マンガン酸カリ、ヨード硝酸銀反応;陽
性 b ニンヒドリン、2,4―ジニトロフエニル
ヒドラジン、塩化第二銀反応;陰性 (10) 薄層クロマトグラフイ(TLC) メルク社製「シリカゲル60F254」を用いた
TLC分析の結果、以下のRf値を示す。 a クロロホルム―メタノール―水(容積比
65:23:4) Rf値=0.19 b クロロホルム―エタノール―水(容積比
4:7:2) Rf値=0.86 c n―ブタノール―酢酸―水(容積比4:
1:11) Rf値=0.48 d n―プロパノール―2Nアンモニア水(容
積比7:2) Rf値=0.50 (11) 核磁気共鳴スペクトル(NMR) ジメチルスルホキシド(DMSO―d6)を溶
媒とし、10mg/ml濃度でTMSを標準物質とし
て求めたNMR分析結果は次の吸収が認められ
る。 0.83ppm(6H,d) (12) 酸加水分解物のメチルエステルの質量分析 (Mass)吸収スペクトル m/e=242(M+)、211(M+―31)、199(M+
―43) (13) 比旋光度 メタノールを溶媒とし、ナトリウムのD線
(589mμ)を用いて濃度0.1(100ml中の溶質のg
数)で比旋光度を求めた結果は次の通りであ
る。 〔α〕25 D=+68゜ (14) 酸加水分解物のメチルエステルのガスクロ
マトグラフイ(GC) ガスクロ工業社製「OV―101」を用い、カ
ラム長1m、温度170℃でのGC分析の結果、リ
テンシヨンタイムは、4.0分である。 本発明方法により得られる抗生物質ツニカマイ
シン(上記理化学的性質を有する新規な化合物H
並びに化合物F,G及びL)は、抗腫瘍、抗細
菌、抗真菌、抗ウイルス作用等の広範な生理作用
を有し、またリピド中間体形成の選択的阻害剤と
しての用途も期待される。殊に化合物Hは、公知
化合物に比し低毒性で持続時間も長く、吸収も速
やかである。各化合物につき行なつた生物活性試
験を次に示す。 〈試験 〉 種々の菌に対する抗菌作用は、寒天希釈平板法
〔培地:ハートインフエージヨン(栄研化学社
製)、インキユベーシヨン37℃、18時間〕により
測定された。 試験結果を最小発育阻止濃度(μg/ml)にて
下記第1表に示す。 〈試験 〉 この試験は通常の抗菌力測定法であるペーパー
デイスク法に従い、500μg/ml検体を浸した直
径8mmのペーパーデイスクを用いて行なつた。結
果を阻止円直径(mm)にて下記第2表に示す。 尚供試菌としては次の各菌を用いた。 【表】 尚上記供試菌g及びhについてバレイシヨ・ブ
ドウ糖寒天培地培養によつた。 【表】 【表】 上記第1表及び第2表より、本発明方法により
得られる抗生物質を構成する各化合物は、いずれ
もグラム陽性菌、グラム陰性菌及び真菌類に対し
有効であることが明らかである。 以下本発明実施例を挙げる。 実施例 1 肉汁寒天培地に培養したバチルス セレウスK
―279株を、肉エキス(和光純薬工業社製)0.5
%、ポリペプトン(大五栄養化学社製)1%及び
塩0.5%を含むPH7の液体培地に接種し、28℃で
24時間振とう培養して種培養液を得る。 30容ジヤーフアメンタ―5基内に夫々可溶性
澱粉3%、ブドウ糖0.5%、ポリペプトンS(大五
栄養化学社製)1%、硫酸マグネシウム0.05%、
リン酸2水素カリウム0.02%、リン酸1水素2ナ
トリウム0.05%及び消泡剤としてシリコーン(信
越化学社製)0.5%を含む培地(滅菌後PH7.0)20
を入れ、該培地中に上記種培養液を1%となる
割合で接種し、28℃で通気撹拌培養する。通気量
は20/分空気であり、ペラ回転数は300回転/
分とする。24時間の培養後、培養液を遠心分離し
て菌体を除去する。菌体はメタノール10で2回
抽出し、濃縮後残つた水層を中性でn―ブタノー
ル2に転溶させる。液90は、ダイヤイオン
HP―20(三菱化成社製)5に吸着後0.1N―
NH4OH―メタノール(1:4)10で溶出さ
せ、溶出液を濃縮し、水を加えてn―ブタノール
500mlで3回抽出する。菌体からのn―ブタノー
ル抽出液を上記抽出液と合わせ、水洗後減圧下に
濃縮する。残渣にメタノールを加えて溶かし、次
いでシリカゲルカラムクロマトグラフイー(クロ
ロホルム―メタノール―水=65:23:2容積比)
を行ない、活性画分を集めて濃縮して抗生物質ツ
ニカマイシン(複合体)1.8gを得る。 実施例 2 実施例1で得た抗生物質ツニカマイシン(複合
体)を、高速液体クロマトグラフイー〔Waters
社製「Pre―pack C―500/C18」、22φ×60cm、
45% aq.CH3CN)で分離後、更に高速液体クロ
マトグラフイー〔ODS―LS410,ODS―3050,
Ultrasphere,30〜45% aq.CH3CN,60〜80%
aq.MeOH〕で分離し、化合物F210mg、化合物
G30mg、化合物H52mg及び化合物L350mgを夫々得
る。之等各化合物の物理化学的性質は前述した通
りである。 以上の通り本発明によれば、従来ツニカマイシ
ン生産能を有することの全く知られていないバチ
ルス属に属する微生物を利用して、ツニカマイシ
ンを収得することができ、かくして得られるツニ
カマイシンは、抗細菌、抗真菌、抗ウイルス、抗
腫瘍作用等を有し、抗細菌剤、抗真菌剤、抗ウイ
ルス剤、抗腫瘍剤等として有用であると共に、該
ツニカマイシン中には、文献未載の新規化合物が
含まれており、本発明は該新規な抗生物質ツニカ
マイシンをも提供するものである。 また本発明者らの研究によれば、新規な抗生物
質ツニカマイシンは、本発明者らが徳島県鳴門市
の土壌より新たに分離したストレプトマイセス属
に属する菌株(ストレプトミセス ナルトエンシ
ス OFR―1078菌と命名)及び同様に愛媛県今
治市の土壌より新たに分離した菌株(ストレプト
マイセス ハイグロスコピカス OFR―1227菌
と命名)を利用しても収得することができる。之
等2種の菌株の菌学的性質は次の通りである。
〈ストレプトミセス ナルトエンシス OFR―
1078菌〉 形態 28℃で2週間培養後に観察すると、気菌糸は
単純分枝しその先端は一般に2〜3巻、時に数
巻の螺旋状或いはフツク状やオープンループ状
をなす。培地によつては直線状が多く見られる
場合もある。胞子の表面は平滑状であり、胞子
の形状は楕円形乃至円筒形で、その大きさは
0.7〜1.0×1.1〜1.5μである。又10個以上の連鎖
をなして胞子が形成される。 各培地における生育状態 各種培地上に於ける28℃、2週間後の生育状
態を下記表1に示す。色調の記載はカラー・ハ
ーモニー・マニユアル(Color Harmony
Manual)〔コンテイナー・コーポレーシヨ
ン・オブ・アメリカ,シカゴ(Container
Corporation of America,Chicago)〕を参照
した。 【表】 【表】 生理学的性質 生育温度範囲 15〜42℃ (至適生育温度範囲) 28〜37℃) 生育PH範囲 5.8〜9.0 (至適生育PH範囲 7.2〜8.0) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・
ゼラチン培地上 20℃) 陰 性 スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒
天培地上) 陽 性 脱脂牛乳の凝固・ペプトン化 ペプトン化する メラニン様色素の生成 陽 性(ペプトン・イースト・鉄寒天培地、
チロシン寒天培地上及びトリプトン・
イーストエキス培地中) 硝酸塩還元作用 陽 性 セルロース分解能 疑わしい 炭素源の同化性(プリドハム・ゴドリーブ寒
天培地上) L―アラビノース ± D―キシロース ± D―グルコース D―フラクトース + シユクロース ± イノシトール ± L―ラムノース + ラフイノース ± D―マンニツト ± (注 :よく利用する +:利用する ±:利用が疑しい −:利用しない) 以上の性状及び生理的性質を“バージーズ・
マニユアル・オブ・デイターミネイテイブ・バク
テリオロジー(Bergey′s Manual of
Determinative Bacteriology)”第8版(1974
年)、S.A.ワツクスマン(S.A.Waksman)著
“ジ・アクチノミセーテス(The
Actinomycetes)”第2巻(1961年)並びにE.
B.シヤーリング(E.B.Shirling)及びD.ゴトリー
ブ(D.Gottlieb)によるISPの報告であるインタ
ーナシヨナル・ジヤーナル・オブ・システマテイ
ツク・バクテリオロジー(Intenational Journal
of Systematic Baceriolagy)第18巻第69〜189
頁(1968年)、同第18巻第279〜392頁(1968年)、
同第19巻第391〜512頁(1969年)及び同第22巻第
265〜394頁(1972年)に検索したところ、ストレ
プトミセス・ラベンデユラエ(Streptomyces
lavendulae)と、ストレプトミセス・バージニア
エ(Streptomyces virginiae)が最も類似する菌
種として挙げられたが、本菌株は、下記表2に示
すように之等菌種とも相違している。 【表】 また、ツニカマイシン生産菌としては、特公昭
48−29156号記載の菌株ストレプトミセス・リソ
スペルフイカス(Streptomyces
lysosuperficus)、特公昭52−79086号記載の菌株
ストレプトミセス・スペーシスLA―507及びジヤ
ーナル・オブ・アンテイバイオテイクス
(Journal of Antibiotics)第32巻、第549〜554
頁(1979年)記載の菌株ストレプトミセス・クラ
ブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)
ATCC27064が知られているが、本菌株はこれら
3菌株とも下記表3に示す通り相違している。 【表】 【表】 以上の比較考察の結果本菌株OFR1078株はそ
の性状から既知菌株に該当するものがなく、スト
レプトミセス属の新菌種であると認めた。本菌株
OFR1078株は、ストレプトミセス・ナルトエン
シスOFR1078(Streptomyces narutoensis
OFR1078)なる名称で、工業技術院微生物工業
技術研究所に、微生物受託番号「微工研菌寄第
5323号(FERM―P No.5323」として寄託され
ている。 〈ストレプトマイセス ハイグロスコピカス
OFR1227菌〉 形態 形態学的特徴は、オートミール寒天培地、ス
ターチ・無機塩寒天培地及びイースト・麦芽エ
キス寒天培地上で認められるが、特にオートミ
ール寒天培地上でその特徴が顕著である。オー
トミル寒天培地上28℃で1〜2週間後に観察す
ると気菌糸は、主軸となる長い菌糸が存在し、
それに沿つて側枝が不規則に分枝し、その先端
は数巻の密な螺旋状を形成する。輪生糸の形状
や胞子嚢は認められない。胞子の表面は平滑状
であり、胞子の形状は楕円形乃至円筒形で、そ
の大きさは0.4〜0.8×0.8〜1.1μである。又10個
以上の連鎖をなして胞子が形成される。 各培地における生育状態 前記OFR―1078菌と同様にして下記表4に
示す。 【表】 生理学的性質 生育温度範囲 15〜37℃ (至適生育温度 28℃) 生育PH範囲 PH5.8〜9.0 (至適生育PH範囲 PH6.3〜7.1) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・
ゼラチン培地上,20℃) 陰 性 スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒
天培地上) 陽 性 脱脂牛乳の凝固・ペプトン化 陰 性 メラニン様色素の生成(ペプトン・イース
ト・鉄寒天培地、チロシン寒天培地上及びト
リプトン・イーストエキス培地中) 陰 性 硝酸塩還元作用 陰 性 セルロース分解能 陰 性 炭素源の同化性(プリドハム・ゴドリーブ寒
天培地上) L―アラビノース ± D―キシロース D―グルコース D―フラクトース シユクロース イノシトール L―ラムノース ± ラフイノース D―マンニツト (注;:よく利用する +:利用する ±:利用が疑しい −:利用しない) 以上の性状及び生理的性質を前記OFR1078菌
と同様に文献,及びにより検索した所、ス
トレプトミセス ハイグロスコピカス(ジエンセ
ン)・ワツクスマン・アンド・ヘンリツチ
(Streptomyces hygroscopicus(Jensen)
Waksman and Henrici)が、OFR1227株に最
も類似した菌種として挙げられる。しかし、シユ
クロース・硝酸塩寒天培地上での生育の色、気菌
糸の着生能、可溶性色素の産生の有無、グルコー
ス・アスパラギン寒天培地上での気菌糸の色、ゼ
ラチンの液化、脱脂牛乳のペプトン化等に於いて
差異が見られる。一方、トレスナーとバツカス
〔H.D.Tresner and E.J.Backus,Appl.
Microbiol.,,243(1956)〕は、ストレプトミ
セス・ハイグロスコピカス(Streptomyces
hygroscopicus)に属する為の基本的な3つの特
徴をあげている。即ちの気菌糸は、主軸となる
長い菌糸とそれに沿つて集塊をなつた胞子柄から
成り、胞子柄の先端は、2〜3巻以上の密な螺旋
状を形成する。成熟した胞子の色は全体として
褐色がかかつた灰色を呈する、いくつかの培地
上で、ハイグロスコピツク(hygroscopic)の特
徴を示す、の3点であり、OFR1227株は、この
3つの特徴を備えている。それ故に、OFR1227
株は、ストレプトミセス ハイグロスコピカス
(ジエンセン)・ワツクスマン・アンド・ヘンリツ
チ(Streptomyces hygroscopicus(Jensen)
Waksman and Henrici)と、いくつかの点で相
意が見られるもののトレスナーとバツカス〔H.
D.Tresner and E.J.Backus)によつて指摘され
たストレプトミセス・ハイグロスコピカスの基本
的特徴とよく一致することから、ストレプトミセ
ス・ハイグロスコピカスと同定するのが妥当であ
る。しかしながら上記ストレプトミセス・ハイグ
ロスコピカスがツニカマイシンを生産するという
報告は皆無であり、しかも本発明者らは上記
OFR1277株が公知のツニカマイシンと共に後記
する通り新規なツニカマイシンをも生産すること
を見い出した。尚上記OFR1227株は、ストレプ
トマイセス ハイグロスコピカス OFR1227株
(Streptomyces hygroscopicus OFR1227)なる
名称で、工業技術院微生物工業技術研究所に、微
生物受託番号「微工研菌寄第5404号(FERM―
P 5404)」として寄託されている。 上記OFR1078株及びOFR1227株又は之等の自
然もしくは人工変異株を利用して抗生物質ツニカ
マイシンを得るに当つては、通常の微生物利用に
よる抗生物質の製造と同様の方法が採用される。
即ち上記微生物を通常の栄養物及び添加物を含有
する培地で培養する。培養基として一般に用いら
れる炭素源としては例えば、ブドウ糖、シユクロ
ース、グリセリン、マルトース、デキストリン、
デンプン、マンニツト、有機酸、糖蜜、大豆油、
綿実油等を例示でき、窒素源としては例えば、大
豆粉、落花生粉、綿実粉、酵母、魚粉、コーンス
チープリカー、ペプトン、酵母エキス、肉エキ
ス、オートミール、カゼイン加水分解物、硝酸ソ
ーダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等を
例示でき、無機塩としては例えば、硫酸マグネシ
ウム、食塩、燐酸塩、炭酸カルシウム等を例示で
きる。また培地には必要に応じて微量の金属塩や
ビタミン類および先駆物質を適量添加してもよ
い。更に液体培養に際しては培地中にシリコー
ン、植物油、界面活性剤等を消泡剤として添加し
てもよい。培養は通常の培養方法に従い実施で
き、液体培地中での振とう培養又は通気撹拌培養
により行なうのが好ましい。培養条件を以下に示
す。 1 ストレプトミセス・ナルトエンシス OFR
―1078 液性、PH6.0〜9.0、好ましくはPH6.5〜7.5、
培養温度15〜42℃、好ましくは28℃前後 で通常約2日間で有利に培養できる。 2 ストレプトマイセス・ハイグロスコピカス
OFR―1227 液性、PH5.8〜9.6、好ましくはPH6.5〜7.5、
培養温度15〜37℃、好ましくは28℃前後 で通常約4日間で有利に培養できる。 上記培養後は培養液中に生産された物質を、該
物質の理化学的性状を利用した公知の各種方法に
従い採取する。該採取法としては、例えば不純物
との溶解度の差、通常の吸着剤例えば活性炭、
XAD―2シリカゲル、イオン交換樹脂、セフデ
ツクス等に対する吸着親和力の差、二液相間の分
配率の差等を利用する方法及び之等方法の組み合
せを例示できる。より具体的には培養液を常法に
従い過もしくは遠心分離して予め菌体を除去す
る。除去した菌体を適当な溶媒、例えばメタノー
ル、エタノール等のアルコール等で抽出し抽出液
を濃縮し、溶媒を留去後残つた水層をn―ブタノ
ールで抽出する。また液もしくは上澄は、例え
ばPH4.0に調節後ダイヤイオンHP―20に吸着さ
せ、水及び40%のメタノール水溶液で洗浄後、
0.1N―NH4OH:メタノール(1:4)で溶出す
る。溶出液を濃縮後残つた水溶液をn―ブタノー
ルで抽出する。このn―ブタノール抽出液及び先
の菌体より得られたn―ブタノール抽出液を合
せ、これを濃縮して得た残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフイー(CHCl3:メタノール:H2O
=65:23:2)を行ない活性フラクシヨンを集め
て濃縮後、高速液体クロマトグラフイー
(Waters,Pre―pack C―500/C18,45% aq.
CH3CN)で分離後、さらに高速液体クロマトグ
ラフイー(ODS―LS410,ODS―3050,
Ultrasphere,30〜45% aq.CH3CN,60〜80%
aq.MeOH)で分離することにより、目的とす
る抗生物質ツニカマイシンを単離精製する。 かくして得られる抗生物質ツニカマイシンは、
下記一般式〔A〕で表わされる化合物を含有す
る。 上記一般式〔A〕中基R1は次の各基を示し、
之等各基毎に次の化合物名を付す。 【表】 /
CH
【表】 /
CH
之等化合物中化合物D、化合物F、化合物G、
化合物I、化合物J及び化合物Lは、前述したア
グリカルチユラル アンド バイオロジカルケミ
ストリー 43,761〜764(1979)及び同44,695〜
698(1980)記載のそれらと物理化学的性質におい
て一致し、公知化合物と同定される。また化合物
A、化合物B、化合物E、化合物H及び化合物K
は、以下の物理化学的性質及び他の機器分析結果
より、文献未載の新規化合物と同定される。 (1) 外観・性状 いずれも白色結晶性粉末である。 (2) 溶解性 いずれもジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルフオキシド、ピリジンに可溶で、メタノー
ル、アセトニトリル、エタノール、n―ブチル
アルコールに難溶で、水、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ヘキサン、エーテルに不溶
である。 (3) 構成元素 いずれの化合物も構成元素は、炭素、水素、
酸素、窒素の四つであり、硫黄、ハロゲン等は
含まれない。 (4) 元素分析値 化合物A;(C35H56O16N4として) 実験値:C:52.93 H:6.95 N:6.97 計算値;C:53.30 H:7.11 N:7.11 化合物B;(C35H56O16N4として) 実験値:C:53.12 H:7.05 N:6.93 計算値;C:53.30 H:7.11 N:7.11 化合物E;(C36H58O16N4として) 実験値:C:53.58 H:7.09 N:6.82 計算値;C:53.87 H:7.23 N:6.98 化合物H;(C37H62O16N4として) 実験値:C:54.03 H:7.41 N:6.77 計算値;C:54.28 H:7.58 N:6.85 化合物K;(C38H64O16N4として) 実験値:C:54.70 H:7.52 N:6.68 計算値;C:54.81 H:7.69 N:6.73 (5) 赤外線吸収スペクトル(IR) KBr錠としてのIR分析結果、次の特性吸収
を示す。 化合物 A; 3380,2930,2860,1700,1663,1550,
1520,1460,1380,1285,1230,1085,
1020,955,910,830,815,790,770,675,
640,555cm-1 化合物 B; 3400,2930,2860,1665,1630,1550,
1520,1460,1375,1360,1290,1110,
1090,1025,955,915,815,790,770,
715,635,555cm-1 化合物 E; 3370,2930,2860,1690,1670,1630,
1555,1525,1465,1420,1380,1320,
1265,1090,1025,960,915,820,770,
720,640,560cm-1 化合物 H; 3350,2960,2840,1700,1665,1630,
1544,1460,1413,1375,1310,1260,
1110,1080,1020,950,905,830,808,
760,710,630,555cm-1 化合物 K; 3380,2920,2840,1700,1670,1630,
1550,1460,1410,1380,1310,1260,
1115,1085,1020,955,915,835,810,
770,715,640,555cm-1 (6) 紫外線吸収スペクトル(U.V) エタノール―水(5:1)を溶媒とし、30μ
g/mlの濃度でセル長1cmでのU・V分析の結
果、化合物Aでは258(ε=7200)及び211(ε=
15300)nmに極大吸収が認められる。化合物B
では259(ε=7500)及び212(ε=16000)nm
に、化合物Eでは259(ε=8300)及び212(ε=
17500)nmに、化合物Hでは262(ε=8400)
nmに、及び化合物Kでは262(ε=7200)nmに
極大吸収が認められる。 (7) 分子量(質量分析計による) 化合物Aでは788、化合物Bでは788、化合物
Eでは802、化合物Hでは818、化合物Kでは
832である。 (8) 分子式 化合物A;C35H56O16N4 化合物B;C35H56O16N4 化合物E;C36H58O16N4 化合物H;C37H62O16N4 化合物K;C38H64O16N4 (9) 呈色反応 いずれの化合物も次の通りである。 (a) 過マンガン酸カリ、ヨード、硝酸銀反応に
陽性 (b) ニンヒドリン、2,4―ジニトロフエニル
ヒドラジン、塩化第二銀反応に陰性 (10) 薄層クロマトグラフイー(TLC) メルク社製「シリカゲル60F254」を用いた
TLC分析の結果、Rf値は各化合物共すべて下
記の通りであつた。 (a) クロロホルム―メタノール―水 (容積比65:23:4) Rf値=0.19 (b) クロロホルム―エタノール―水 (容積比4:7:2) Rf値=0.86 (c) n―ブタノール―酢酸―水 (容積比4:1:11) Rf値=0.48 (d) n―プロパノール―2Nアンモニア水 (容積比7:2) Rf値=0.50 (11) 核磁気共鳴スペクトル(NMR) ジメチルスルホキシド(DMSO―d6)を溶
媒とし、10mg/ml濃度でTMSを標準物質とし
て求めたNMR分析の結果、次の吸収が認めら
れる。 化合物A;0.83(6H,d)、5.88(1H,d)6.59
(1H,d−t) 化合物B;0.84(3H,d)、5.88(1H,d)6.59
(1H,d−t) 化合物E;0.85(3H,t)、5.87(1H,d)6.59
(1H,d−t) 化合物H;0.83(6H,d) 化合物K;0.81(3H,t) (12) 酸加水分解物のメチルエステルの質量分析
(Mass)吸収スペクトル 化合物A;212(M+),181(M+−31),180(M+
32),138(M+−74) 化合物B;212(M+),180(M+−32),138(M+
74),74(Base peak) 化合物E;226(M+),194(M+−32),152(M+
74) 化合物H;242(M+),211(M+−31),199(M+
43) 化合物K;256(M+),225(M+−31) (13) 比旋光度 メタノールを溶媒としてナトリウムのD線
(589mμ)を用いて濃度0.1(100ml中の溶質のグ
ラム数)で比旋光度分析の結果は次の通りであ
る。 化合物A:〔α〕25 D=+63 化合物B:〔α〕25 D=+64 化合物E:〔α〕25 D=+52 化合物H:〔α〕25 D=+68 化合物K:〔α〕25 D=+59 (14) 酸加水分解物のメチルエステルのガスクロ
マトグラフイー(GC) ガスクロ工業社製「1.5%OV―101 クロモ
ソルブGHP」を用いて、カラム長1m、温度
170℃でGC分析の結果、リテンシヨン タイム
は下記の通りであつた。 化合物A:3分、化合物B:4.6分、化合物
E:5.4分、化合物H:4.0分、化合物K:6.2分 上記(1)〜(14)の理化学的性質及び他の機器分
析データ並びに本発明物質から誘導される各種物
質の理化学的性質の結果より、上記化合物A,
B,E,H,Kは、文献未載の新規化合物であ
り、それぞれ上記一般式〔A〕の化合物であると
同定される。 上記新規なツニカマイシン即ち化合物A,B,
E,H及びKは前述した通り、抗細菌、抗真菌、
抗ウイルス、抗腫瘍作用等の広汎な生理作用を有
し、またリピド中間体形成の選択的阻害剤として
の用途も期待される。各化合物につき行なわれた
生物活性試験結果を前述した第1表及び第2表と
同様にして下記表5及び表6に示す。 【表】 【表】 上記5及び表6より抗生物質ツニカマイシン
(化合物A,B,D,E,F,G,H,I,J,
K及びL)は、いずれもグラム陽性菌、グラム陰
性菌、真菌類等に対し有効であることが判る。又
上記新規化合物A,B,E,H及びKは、公知化
合物に比し、低毒性で持続時間が長く、吸収性が
極めて良好である。 以下抗生物質ツニカマイシンの製造例を挙げ
る。 製造例 1 オートミール寒天培地に培養したストレプトミ
セス ナルトエンシスOFR1078をデンプン3%、
ブドウ糖0.5%、ポリペプトンS(大五栄養化学社
製)0.5%、酵母エキス(オリエンタル酵母社製)
0.5%、硫酸マグネシウム0.05%、リン酸2水素
カリウム0.02%、リン酸1水素2ナトリウム0.05
%を含むPH6.5の液体培地に接種し、28℃で48時
間振とう培養して種培養液とする。次に30容ジ
ヤーフアーメンター内に種培養と同じ組成の培地
20に消泡剤としてシリコーン(信越化学社製)
を0.5%加え、前記種培養液を1%の割合で接種
し、28℃で42時間通気撹拌培養を行なう。通気量
は20/分空気、ペラ回転数は300回転/分とす
る。生成量はツニカマイシン複合体として
750γ/mlの好収量が得られる。培養終了後培養
液を遠心分離し菌体を除去する。菌体はメタノー
ル4で2回抽出し、濃縮して残つた水層を中性
でブタノール500mlに転溶させる。液18はダ
イヤイオンHP―20(三菱化成社製)1に吸着
後0.1Nアンモニア―メタノール(2:8)5
で溶出し溶出液を濃縮し、水を加えてブタノール
500mlで3回抽出する。菌体からのブタノール抽
出液と合わせ、水洗した後、減圧下で濃縮する。
残渣にメタノールを加えて溶かし、次いでシリカ
ゲルカラムクロマトグラフイー(クロロホルム:
メタノール:水=65:23:2)を行ない、活性画
分を濃縮して抗生物質ツニカマイシン(複合体)
1.8gを得る。 製造例 2 上記製造例1で得られた複合体を高速液体クロ
マトグラフイー〔Waters社製、prepack500/C18
(22φ×60cm)、45% aq.CH3CN及び東洋曹達社
製LS410(22φ×30cm)、73% aq.MeOH)で分離
し、化合物F434mg、化合物G78mg、化合物H156
mg、化合物I212mg、化合物J74mg、生成K62mg、
化合物276mg、化合物A84mg、化合物B10mg、化
合物E14mg、化合物D6mgをそれぞれ単離した。
(これらの物質の理化学的性質は前述のとおりで
ある。) 製造例 3 オートミル寒天培地に培養したストレプトマイ
セス・ハイグロスコピカスOFR1227株をデンプ
ン3%、ブドウ糖0.5%、プロリツチS(味の素社
製)1%、硫酸マグネシウム0.005%、リン酸2
水素カリウム0.002%、リン酸1水素2ナトリウ
ム0.05%を含むPH7.0の液体培地に接種し、28℃
で48時間振とう培養して種培養液とする。 次に30容ジヤーフアーメンター内に種培養と
同じ組成の培地20に消泡剤としてシリコーン
(信越化学社製)を0.5%加え、前記種培養液を1
%の割合で接種し、28℃で48時間通気撹拌培養を
行なう。通気量は20/分空気、ペラ回転数は
300回転/分とする。生成量はツニカマイシン複
合体として400γ/mlの好収量が得られる。培養
終了後培養液を遠心分離し菌体を除去する。菌体
はメタノール5で2回抽出し、濃縮して残つた
水層を中性でn―ブタノール500mlに転溶させる。
液18はダイヤイオンHP―20(三菱化成社製)
1に吸着後0.1Nアンモニア―メタノール
(2:8)5で溶出し溶出液を濃縮し、水を加
えてn―ブタノール500mlで3回抽出する。菌体
からのブタノール抽出液と合わせ、水洗した後、
減圧下で濃縮する。残渣にメタノールを加えて溶
かし、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ー(クロロホルム:メタノール:水:=65:23:
2)を行ない、活性画分を濃縮しツニカマイシン
(複合体)1.04gを得る。 製造例 4 製造例3で得られた複合体を高速液体クロマト
グラフイー〔Waters社製、Prepack500/C18
(22φ×60cm)、45%aq.CH3CN及び東洋曹達社製
LS410(22φ×30cm)、73%aq.MeOH)で分離し、
化合物F208mg、化合物G42mg、化合物I62mg、化
合物J40mg、化合物L34mg、化合物A174mg、化合
物B92mg、化合物D56mg、化合物E14mgを得る。
(これらの物質の理化学的性質は前述のとおりで
ある。)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 バチルス属に属し抗生物質ツニカマイシン生
    産能を有する微生物を培地に培養し抗生物質ツニ
    カマイシンを生成蓄積させ、これを採取すること
    を特徴とする抗生物質ツニカマイシンの製造方
    法。
JP11937880A 1980-08-28 1980-08-28 Preparation of antibiotic tunicamycin Granted JPS5743693A (en)

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