JPH0331195B2 - - Google Patents

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JPH0331195B2
JPH0331195B2 JP19678284A JP19678284A JPH0331195B2 JP H0331195 B2 JPH0331195 B2 JP H0331195B2 JP 19678284 A JP19678284 A JP 19678284A JP 19678284 A JP19678284 A JP 19678284A JP H0331195 B2 JPH0331195 B2 JP H0331195B2
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Japan
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antibiotic
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JP19678284A
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JPS6176478A (ja
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Nozomi Ookan
Haruo Seto
Hiroshi Nakayama
Juichi Abe
Kazunori Ooba
Michiaki Iwata
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は新規な14員環マクロライド抗生物質
AB−80物質およびその製造法に関するものであ
る。 従来の技術 14員環を有するマクロライド抗生物質およびそ
の製造法については多数知られている(「抗生物
質大要」(第3版)、田中信男、中村昭四郎著、第
106〜126頁、1982年東京大学出版会発行)が、本
発明による抗生物質AB−80物質およびその製造
法については未だ記載例がない。本発明による抗
生物質AB−80物質と同様のムギ黒さび病防除活
性を示す抗生物質は、P−59B1物質(特願昭58
−113656号明細書)が存在するにすぎないが、本
発明の抗生物質AB−80物質とはその化学構造が
異なる。 発明が解決しようとする問題点 1942年以来数多くの抗生物質が発見され、医薬
品、動物用薬品、保存料、農薬等の分野で実用化
され、近年その優れた選択活性が見直されてきて
いる。しかしながらまだ有効な物質が見出されな
いため解決されていない医療あるいは産業分野が
数多く残されている、たとえば、ムギの黒さび病
は防除薬剤および防除方法が確立されておらず、
特に実用化されている抗生物質剤は皆無である。 本発明者らは以上のような問題点に着目し、新
規な抗生物質を発見して提供するとともに、その
製造法を確立することによつてこれを解決しよう
とするものである。 問題点を解決するための手段 本発明者等は、上述の期待にこたえるべく、ム
ギ黒さび病に有効な物質の探索を続けていたとこ
ろ、ミクロモノスポラ属に属するある菌株の培養
物中に、ムギ黒さび病に対して防除活性を示す物
質が生産されていることを見出した。この有効物
質を培養物質から純粋に単離し、、その性状を調
べた結果、既知の物質とは異なる新規な14員環マ
クロライド抗生物質であることとが判明した。本
発明者等はこの有効物質をAB−80物質と命名
し、その製造法を確立して本発明を完成した。 したがつて本発明は式: の構造を有する14員環マクロライド抗生物質AB
−80物質を提供するものである。 さらに本発明は、ミクロモノスポラ属に属する
AB−80物質生産菌を培地に培養し、得られる培
養物から抗生物質AB−80物質を採取することを
特徴とする新抗生物質AB−80物質の製造法を提
供するものである。 以下に本発明の新抗生物質AB−80物質につい
て詳細に説明する。 AB−80物質の理化学的性状はつぎのとおりで
ある。 1 外 観;黄色油状物質 2 分子式;C21H32O5(高分解能質量分析で実測
値364.2288、計算値364.2251) 3 紫外部吸収スペクトル;メタノール中で
212nm(ε13700),233nm(ε11000)に極大吸
収を示す。 4 赤外部吸収スペクトル;クロロホルム中で
1720cm-1に特徴的吸収を示す。 5 〔α〕21 D;メタノール中で−83.1゜(c0.25)を
示す。 6 薄層クロマトグラフイーのRf値;シリカゲ
ル薄層上、展開溶媒 酢酸エチル−ベンゼン
(1:3)で展開するとRf0.35を示す。 上記の物理化学的性質及び水素核磁気共鳴スペ
クトル等よりAB−80物質の化学構造は上述のと
おり決定された。 以下、AB−80物質の製造法について具体的に
説明する。 (i) 生産菌および生産菌の菌学的性状 本発明の方法に使用されるAB−80物質生産菌
としては、その培養物中に採取するに充分な量の
AB−80物質を生産する能力を有するものであれ
ば、いかなるものであつてもよいが、このような
菌株の一例としては、本発明者等により長崎県島
原市の麦作中の水田で採取した土壌試料より新た
に分離された1302−AV2株がある。1302−AV2
株の菌学的性状は下記のとおりである。 本菌株の基生菌糸は放射状に分枝しながら伸長
し、通常はコリネ型に分断しない。胞子は基生菌
糸に直接または房状に単軸分枝した短柄の先端に
単独に形成され、成熟すると菌糸より容易に離脱
して培地中または培地表面に広がる。胞子は球
形、長円形または制洋ナシ形で、0.6〜0.8×0.7〜
1.1μm、表面に構造物はないが、やゝ凹凸があ
る。本菌株は培地によつて白色粉状の空中菌糸様
のものが観察されるが、検境すると、真正の空中
菌糸ではなく、空中に突出したシンネマ様の菌糸
束で、ときに単独胞子様の球状体を着生すること
がある。胞子のう、運動性胞子、菌核などは観察
されない。 本菌の培養性状を表1に示す。集落の色は生育
初期に明黄味橙色または淡橙色で、胞子の形成に
伴なつて明茶色から暗茶味灰色またはほとんど黒
色に変る。可溶性色素は生成されないか、淡橙色
の色素を僅かに生成するのみである。 本菌の生理、生化学的性状を表2に示す。本菌
は中温性でメラノイド色素を生成せず、アミラー
ゼとプロテアーゼの活性および硝酸塩の還元能が
陽性である。グルコシダーゼ活性はα−グラクト
シダーゼ、β−キシロシダーゼが陽性で、α−マ
ンノシダーゼが陰性である。炭素源の利用能はα
−メリビオース、ラフイノースが陽性、L−ラム
ノース、D−マンニトールが陰性である。本菌の
細胞壁を構成するジアミノピメリン酸(A2pm)
はメゾ型が主で、エル型が僅かに含み、3−ハイ
ドロキシ型を含まない。 バージー氏細菌同定便覧(Bergey′s Manual
of Determiative Bacteriology)第8版の検索
表により、本菌の上述の性状を基準に検索する
と、本菌株はミクロモノスポラ
(Micromonospora)属に所属し、M.チヤルシ
イ、M.ハロフイテイカ、M.ナラシノの三種に近
縁である。M.ハロフイテイカは胞子の大きさが
1.2μm以上である点と、A2pmが3−ハイドロキ
シ型を含みエル型を含まない点で、本菌株と種に
異にする。M.ナラシノは硝酸塩還元能とβ−キ
シロシダーゼ活性がともに陰性である点で、本菌
株と種を異にする。M.チヤルシイの諸性状は本
菌株の諸性状によく一致し、同一の種に属すると
判断される。よつて、本菌株はミクロモノスポ
ラ・チヤルシイ(Micromonospora chalcea),
1302−AV2株と呼称する。 なお、本菌株は、当初ミクロモノスポラ エ
ス・ピー AB−80(Micromonospora sp.AB−
80)の名称で昭和59年6月14日に工業技術院微生
物工業技術研究所に寄託され、その後昭和59年8
月10日に菌名表示を変更されて、以後新名称のミ
クロモノスポラ チヤルシイ
(Micromonospora chalcea)1302−AV2として
寄託されており、受託番号は微工研菌寄第7663号
(FERM P−7663)である。
【表】
【表】
【表】 本菌株、すなわち1302−AV2株は他の放線菌
の場合にみられるようにその性状が変化しやす
く、たとえば紫外線、エツクス線、放射線、薬品
等を用いる人工的変異手段で変異しうるものであ
り、このような変異株であつてもAB−80物質の
生産能を有するミクロモノスポラ属の菌はすべて
本発明の方法に使用することができる。 (ii) 培養法 本発明の方法では、1302−AV2株を通常、微
生物が利用しうる栄養物を含有する培地で培養す
る。たとえば、炭素源としてグルコース、シユク
ロース、デキストリン、澱粉、水あめ、糖みつ、
植物油動物油等を使用しうる。また、窒素源とし
て大豆粉、小麦胚芽、ペプトン、肉エキス、酵母
エキス、コーンステイープリカー、硝酸ソーダ、
硫酸アンモニウム等を使用しうる。その他、必要
に応じて炭酸カルシウム、塩化カリウム、燐酸塩
等の無機塩類を添加するほか、菌の発育を助け
AB−80物質の生産を促進するごとき有機物およ
び無機物を適当に添加することができる。 培養法としては、一般の抗生物質生産の方法と
同じく、好気的条件下での培養法であればいかな
る方法を適用してもよいが、深部培養が最も適し
ている。 培養に適した温度は20〜35℃であるが、多くの
場合、26〜32℃の付近で培養を行なうのが好まし
い。AB−80物質の生産は振とう培養、タンク培
養共に2〜7日で蓄積が最高に達する。 本発明のAB−80物質の検定に当つては、検定
菌としてムギ黒さび病菌(パクシニア・グラミニ
ス)の寒天培地上での発芽管の伸張阻害を観察す
る方法が用いられる。すなわち、AB−80物質を
含有する寒天培地上にパクシニア・グラミニス
トリテイキ(Puccinia graminis f.sp.tritici)レ
ース21株の夏胞子をのせ、発芽管の伸張阻害の程
度を観察するものである。この方法によると、
AB−80物質は1μg/mlの濃度においても、パク
シニア・グラミニスの発芽管の伸張を阻害するこ
とができる。 (iii) 精 糖 本発明によつて得られるAB−80物質は中性の
脂溶性物質であり、前述のような理化学性状を有
しているので、培養物からAB−80物質の採取に
あたつては、その性状を利用して抽出、精製する
ことができる。すなわち、AB−80物質は、培養
菌体中からはアセトン−水またはメタノール−水
で抽出される。また、培養液中に蓄積されたAB
−80物質は、合成吸着剤であるダイヤイオンHP
−20等に吸着される。また、水と混らない有機溶
剤、たとえば酢酸エチルで抽出すれば、AB−80
物質は有機溶剤層に抽出される。 AB−80物質をさらに精製するには、シリカゲ
ル、アルミナ等の吸着剤やセフアデツクスLH−
20(フアルマシア社製)等を用いるクロマトグラ
フイーを行なうとよい。 以上のような方法によりあるいはこれらを適宜
組合せることにより、高純度のAB−80物質が油
状物質として得られる。 作用および効果 本発明による新抗生物質AB−80物質は、特に
ムギ黒さび病菌の胞子の発芽管の伸長を阻止する
作用を有し、ムギ黒さび病に対しすぐれた防除効
果を有している。たとえばムギ黒さび病菌夏胞子
に対しては、1μg/mlの濃度で発芽管の伸長を
阻害し、4μg/mlの溶液をコムギ葉上に散布す
ることにより黒さび病の発症を阻止することが認
められた。 実施例 つぎに本発明を下記の実施例に基づいて具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、ここに例示しない多くの変形あるいは修
飾手段を採用しうることは勿論である。 実施例 1 AB−80物質の製造 ミクロモノスポラ・チヤルシイ1302−AV2
(微工研菌寄第7663号)の胞子をスターチ1%、
大豆粉3%(PH7)の液体培地200ml(500ml三角
フラスコ2本使用)に接種し、27℃で72時間振盪
培養したものを種母とする。 デンプン2.5%、大豆粉1.5%、乾燥酵母0.2%、
炭酸カルシウム0.4%(PH7.4)の組成からなる液
体培地10(500ml三角フラスコ100本使用)に前
記の種母を接種し、27℃で96時間振盪培養した。 培養終了後、遠心分離を行ない培養菌体を得
た。この菌体をアセトンに一晩浸し、次いで遠心
分離によつてアセトン抽出液を得た。本抽出液を
減圧濃縮にしてアセトンを除き、次に酢酸エチル
へ転溶した。酢酸エチル層を芒硝を用いて脱水
し、紙で過後、液を濃縮乾固した。得られ
た粗抽出物をシリカゲルの塔にのせ、酢酸エチル
−ベンゼン(1:3)で展開するクロマトグラフ
イーを行なつた。 パクシニア・グラミニスに活性を示す画分を集
めて濃縮することにより、純度70〜80%の油状物
質を得た。この油状物質を厚さ0.25mmのシリカゲ
ル薄層上にのせ、酢酸エチル−ベンゼン(1:
3)の溶媒系で展開し、Rf≒0.35に相当する部分
をかきとり分取した。かきとり分取したシリカゲ
ルを酢酸エチルを用いて抽出し、紙で過し
た。液を濃縮乾固して5mgの本発明のAB−80
物質を得た。 実施例 2 AB−80物質の製造 実施例1と同様の方法で培養を行ない、10の
培養物を得た。この培養物の遠心分離を行ない遠
心上清を得た。次にこの遠心上清を合成吸着剤で
あるダイヤイオンHP−20に吸着させ、水および
70%メタノール水で洗浄し、つづいてメタノール
で溶出した。得られた溶出液を減圧濃縮してメタ
ノールを除き、次いで酢酸エチルへ転溶した。酢
酸エチル層を芒硝を用いて脱水し、紙で過
後、液を濃縮乾固した。得られた粗抽出物を以
下、実施例1の場合と同様の方法で精製して3mg
の本発明のAB−80物質を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の構造を有する14員環マクロライド抗生
    物質AB−80物質。 2 ミクロモノスポラ属に属するAB−80物質生
    産菌を培養し、その培養物からAB−80物質を採
    取することを特徴とする新抗生物質AB−80物質
    の製造法。
JP19678284A 1984-09-21 1984-09-21 新抗生物質ab−80物質およびその製造法 Granted JPS6176478A (ja)

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CA3053993A1 (en) * 2017-02-22 2018-08-30 Immune System Regulation Holding Ab Novel immune stimulating compound
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