JPH1178232A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH1178232A
JPH1178232A JP9237233A JP23723397A JPH1178232A JP H1178232 A JPH1178232 A JP H1178232A JP 9237233 A JP9237233 A JP 9237233A JP 23723397 A JP23723397 A JP 23723397A JP H1178232 A JPH1178232 A JP H1178232A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色画像の発色濃度が十分高く、生保存性が
良好であり、かつ、蛍光灯などに代表される光源が有す
る350mm付近より長波長な光に対して安定な感熱記
録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、ジアゾニウム塩及びカップ
リング成分を含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料
において、該ジアゾニウム塩が一般式(1)で表される
化合物である。 【化1】 式中、R1 は、アルキル基またはアリール基を表す。R
2 、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立に水素原子
またはアルキル基を表し、かつ、R2 、R3 、R4 およ
びR5 の少なくとも一つはアルキル基を表す。R2 とR
3 あるいはR4とR5 あるいはR1 とR3 あるいはR1
とR4 は互いに結合して環を形成してもよい。X- は陰
イオンを表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアゾニウム塩と
カップリング成分とを発色成分として用いる感熱記録材
料に関し、特に蛍光灯などに代表される光源が有する3
50nm付近より長波長な光に対して安定であり、か
つ、生保存性及び熱記録時の発色濃度の良好な感熱記録
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアゾニウム塩は非常に化学的活性の高
い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を
有する、所謂カップリング成分と呼ばれる化合物と反応
して容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有
し、光照射によって分解し、その活性を失う。そこで、
ジアゾニウム塩は、ジアゾコピーに代表される光記録材
料として古くから利用されている(日本写真学会編「写
真工学の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)
P89〜P117、P182〜P201参照)。
【0003】更に、光によって分解し活性を失う性質を
利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料に
も応用され、代表的なものとして、ジアゾニウム塩とカ
ップリング成分を含む記録層を設けた記録材料を画像信
号に従って加熱して反応させて画像を形成させた後、光
照射して画像を定着する、所謂光定着型感熱記録材料が
提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌 第11
巻 第4号(1982)P290−296など)。
【0004】しかしながら、ジアゾニウム塩を発色要素
として用いたこれらの記録材料は、ジアゾニウム塩の化
学的活性が非常に高く、暗所であってもジアゾニウム塩
が徐々に熱分解してその反応性を失うので、記録材料と
してのシェルフライフが短いという欠点があった。
【0005】このようなジアゾニウム塩の不安定さを改
善する手段としては様々な方法が提案されているが、最
も有効な手段の一つとして、ジアゾニウム塩をマイクロ
カプセル中に内包させる方法がある。このようにジアゾ
ニウム塩をマイクロカプセル化することにより、ジアゾ
ニウム塩は水や塩基といった分解を促進させるものから
隔離されるので、その分解は著しく抑制され、これを用
いた記録材料のシェルフライフも飛躍的に向上する(宇
佐美智正ら 電子写真学会誌 第26巻 第2号(19
87)P115〜125)。
【0006】ジアゾニウム塩をマイクロカプセル中に内
包させる一般的な方法は、疎水性溶媒にジアゾニウム塩
を溶解させ(油相)、これを水溶性高分子を溶解した水
溶液中(水相)に加えてホモジナイザー等で乳化分散す
ると共に、マイクロカプセルの壁材となるモノマーある
いはプレポリマーを油相側または水相側の何れかあるい
は両方に添加しておくことにより、油相と水相の界面で
重合反応を生じさせ、あるいは、ポリマーを析出させる
ことにより高分子化合物の壁を形成させ、マイクロカプ
セルとする方法である。
【0007】これらの方法は、例えば近藤朝士著、「マ
イクロカプセル」日刊工業新聞社(1970年発行)、
近藤 保ら著、「マイクロカプセル」三共出版(197
7年発行)などに詳しい。
【0008】形成されるマイクロカプセル壁としては、
架橋ゼラチン、アルギン酸塩、セルロース類、ウレア樹
脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ナイロン樹脂など様
々なものが使用可能である。
【0009】ウレア樹脂やウレタン樹脂のようにガラス
転移温度を有し、そのガラス転移温度が室温よりやや高
い壁を有するマイクロカプセルの場合には、室温におけ
るカプセル壁は物質非透過性を示す一方、ガラス転移温
度以上では物質透過性を示すため、熱応答性マイクロカ
プセルと呼ばれ、感熱記録材料に有用である。
【0010】即ち、支持体上に、ジアゾニウム塩を含有
した熱応答性マイクロカプセルとカップリング成分及び
塩基を含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料によ
り、ジアゾニウム塩を長期間安定に保持させることがで
きると共に、加熱により容易に発色画像を形成させるこ
とができる上、光照射により画像を定着することも可能
となる。上述したようにジアゾニウム塩のマイクロカプ
セル化により、感熱記録材料としての安定性を飛躍的に
向上させることが可能である。
【0011】しかしながら、ジアゾニウム塩自体が化学
的に不安定な場合は、このようにジアゾニウム塩をマイ
クロカプセル化しても、感熱記録材料としての安定性を
向上させるには限度がある。感熱記録材料の安定性向上
のためにはジアゾニウム塩自身の安定性向上も重要であ
る。従来のジアゾニウム塩を使用した感熱記録材料は熱
印画したのち、ジアゾニウム塩の吸収波長の光を照射す
ることにより、ジアゾニウム塩を光分解してカップリン
グ成分との反応性を失わせるといった、所謂定着を行う
ものであった。したがって感熱記録材料を明所に長時間
放置すると、ジアゾニウム塩の光分解が進む結果、保存
後の発色濃度が低下し易いなどの問題点があった。特
に、互いに発色色相の異なるジアゾニウム塩を含む感熱
記録層を積層し、多色の感熱記録材料とする場合には、
上層のジアゾニウム塩の光定着を行う際に、下層の未発
色のジアゾニウム塩が光分解してしまうという問題があ
った。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蛍光
灯などに代表される光源が有する350nm付近より長
波長な光に対して安定なジアゾニウム塩を使用し、35
0nm付近より長波長な光に対して安定であり、発色画
像の発色濃度が十分高く、しかも生保存性が良好である
感熱記録材料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジアゾニ
ウム塩の光分解性に着目して鋭意検討を重ね、下記のジ
アゾニウム塩が350nm付近より長波長な光に対して
安定であり、発色画像の発色濃度が十分高く、生保存性
に優れることを見出し本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明の感熱記録材料は、支持体上に、ジアゾニ
ウム塩及びカップリング成分を含む感熱記録層を設けた
感熱記録材料において、該ジアゾニウム塩が下記一般式
(1)で表される化合物であることを特徴とする。
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1 は、アルキル基またはアリー
ル基を表す。R2 、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ
独立に水素原子またはアルキル基を表し、かつ、R2
3、R4 およびR5 の少なくとも一つはアルキル基を
表す。R2 とR3 あるいはR 4 とR5 あるいはR1 とR
3 あるいはR1 とR4 は互いに結合して環を形成しても
よい。X- は陰イオンを表す。) 上記一般式(1)で表されるジアゾニウム塩の中でも特
に下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R1 は、アルキル基またはアリー
ル基を表す。R2 、R5 は、それぞれ独立に水素原子ま
たはアルキル基を表し、かつ、R2 およびR5 の少なく
とも一つはアルキル基を表す。X- は陰イオンを表
す。)
【0018】本発明においては、カップリング成分が下
記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0019】
【化6】
【0020】(式中、E1 、E2 はそれぞれ独立に電子
吸引性基を表す。)
【0021】更に、上記のジアゾニウム塩は、マイクロ
カプセル中に含有されていることが好ましい。本発明の
一般式(1)または(2)で表されるジアゾニウム塩
は、その最大吸収波長を350nmよりも短波長側に有
するものである。このため、通常よく用いられる波長3
50nmより長波長の定着光によっては実質的に定着さ
れることがなく、明室での取扱性にも優れている。本発
明によれば、発色画像の発色濃度が極めて高く、かつ、
堅牢な画像を得ることができ、使用前の熱および光に対
する保存安定性に優れた感熱記録材料が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のジアゾニウム塩は、前記一般式(1)、
または(2)で表される。
【0023】式中、R1 は、アルキル基またはアリール
基を表す。アルキル基は、無置換でも、置換基を有して
いてもよく、その置換基としては例えば、ハロゲン原
子、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、アル
キルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、アルキ
ルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド
基、スルファモイル基、カルボキシ基、スルホン酸基、
アシル基、ヘテロ環基が好ましい。この中でも、特に、
ハロゲン原子、アリール基、アルケニル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシ
ルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基が好ましい。ま
た、アルキル基としては、炭素原子数1〜30のアルキ
ル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基、アリ
ル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2
−フェノキシエチル基、2−(4−メトキシフェノキ
シ)エチル基、2−シアノエチル基、エトキシカルボニ
ルメチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、N,N
−ジブチルカルバモイルメチル基等が挙げられる。
【0024】アリール基は、無置換でも、置換基を有し
ていてもよく、その置換基としては例えば、ハロゲン原
子、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、アル
キルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、アルキ
ルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド
基、スルファモイル基、カルボキシ基、スルホン酸基、
アシル基、ヘテロ環基が好ましい。この中でも、特に、
ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アルコキシ
カルボニル基、アシルアミノ基、カルバモイル基が好ま
しい。また、アリール基としては、炭素原子数6〜30
のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、4−メ
トキシフェニル基、4−クロロフェニル基が挙げられ
る。
【0025】式中、R2 、R3 、R4 およびR5 は、そ
れぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、かつ、
2 、R3 、R4 およびR5 の少なくとも一つはアルキ
ル基を表す。ジアゾニウム塩の熱安定性の点で、R3
よびR4 が水素原子を表し、かつ、R2 およびR5 の少
なくとも一つが、アルキル基を表すことが好ましい。ア
ルキル基は、無置換でも、置換基を有していてもよく、
その置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール
基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニ
ル基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテ
ロ環基が好ましい。この中でも、特に、アリール基、ア
ルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
オキシ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基が好ましい。また、アルキル基としては、
炭素原子数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、ベンジル基、アリル基、フェニルスルホニル
メチル基、シアノメチル基等が挙げられる。この中で
も、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基
が好ましい。
【0026】R2 とR3 あるいはR4 とR5 あるいはR
1 とR3 あるいはR1 とR4 は互いに結合して環を形成
していてもよく、環を形成する場合、5員環あるいは6
員環を形成することが好ましい。
【0027】X- で表される陰イオンは、無機陰イオン
としてはヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素
酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオンが好ましく、ヘキ
サフルオロリン酸イオンが特に好ましい。有機陰イオン
としてはポリフルオロアルキルカルボン酸イオン、ポリ
フルオロアルキルスルホン酸イオン、テトラフェニルホ
ウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族スルホン
酸イオンが好ましい。
【0028】以下に、本発明の一般式(1)または
(2)で表されるジアゾニウム塩の具体例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】一般式(1)または(2)で表されるジア
ゾニウム塩は既知の方法で製造することが可能である。
すなわち、対応するアニリンを酸性溶媒中、亜硝酸ナト
リウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用いて
ジアゾ化することにより得られる。例として例示化合物
1−2の合成例を以下に示す。
【0039】(合成例1)例示化合物1−2の合成 2−メチル−4−ドデシルオキシアニリン25.2g、
濃塩酸21.8ml、メタノール100mlの混合物を
−5℃に冷却した。これに亜硝酸ナトリウム6.2g、
水30mlの溶液を滴下し、0℃で30分間攪拌した。
反応混合物にヘキサフルオロリン酸カリウム19.2
g、水200mlを添加し、10℃で30分間攪拌し
た。析出した結晶を濾集し、イソプロパノールで再結晶
し、乾燥後、例示化合物1−2を23.7g得た。メタ
ノール中の紫外吸収スペクトルは最大吸収波長λmax
316nm、分子吸光係数εは2.48×104 であっ
た。
【0040】一般式(1)または(2)で表されるジア
ゾニウム塩は油状物、結晶状態のいずれであってもよい
が、取扱い性の点で常温で結晶状態のものが好ましい。
一般式(1)または(2)で表されるジアゾニウム塩を
乳化物とする場合、これを適当な高沸点溶剤(例えばリ
ン酸トリクレジル、フタル酸ジオクチル)に溶かした
り、補助的に低沸点溶剤(例えば酢酸エチル)に溶かし
てもよい。このためこれらの溶剤に対する適当な溶解度
を有していることが好ましい。具体的には該溶剤に5%
以上の溶解度を有していることが好ましく、水に対して
の溶解度は1%以下であることが好ましい。これらの一
般式(1)または(2)の化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上併用することもできる。また一般式(1)
または(2)の化合物を感熱記録材料に用いる場合、感
熱記録層中において0.02〜5g/m2の範囲で用いる
ことが好ましいが、発色濃度の点から0.1〜4g/m2
の範囲で用いることが特に好ましい。
【0041】上記ジアゾニウム塩の安定化のために塩化
亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化合物を
形成させてジアゾニウム塩の安定化を行なうこともでき
る。これらのジアゾニウム塩は単独で用いてもよいし、
2種以上を併用してもよい。
【0042】本発明において使用できるカップリング成
分としては、塩基性雰囲気でジアゾニウム塩とカップリ
ングして色素を形成するものであればいずれの化合物も
可能である。ハロゲン化銀写真感光材料の分野おいて知
られているいわゆる4当量カプラーはすべて本発明のカ
ップリング成分として使用可能であり、目的とする色相
に応じて選択することが可能である。
【0043】例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を
有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体などがあり、具体例として下記の
ものが挙げられ本発明の目的に合致する範囲で使用され
る。
【0044】具体例を挙げると、レゾルシン、フロログ
ルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホ
ン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンス
ルホン酸アニリド、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モ
ルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタ
レンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロ
キシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシル
オキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセト
アミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセト
アミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、
1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6
−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−
1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタ
ンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニ
ル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−
4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、
【0045】5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフ
ェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジ
シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジ−n−ドデ
シルバルビツール酸、1−n−オクチル−3−n−オク
タデシルバルビツール酸、1−フェニル−3−(2,5
−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、
1,3−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)
バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラ
ゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3
−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリ
クロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロ
ン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2−〔3−
〔α−(2,4−ジ−tert−アルミフェノキシ)ブ
タンアミド〕ベンズアミド〕フェノール、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミノメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール、トリフルオロアセトアセトアニリ
ド、4−ヒドロキシクマリン、ピラゾロ〔1,5−a〕
ピリミジンジオン、3−エチル−6−エトキシウラシル
等がある。カプラーの詳細については、特開平4−20
1483号公報、特開平7−125446号公報、特開
平7−96671号公報、特開平7−223367号公
報、特開平7−223368号公報等に記載されてい
る。
【0046】本発明の感熱記録材料において使用できる
カップリング成分として特に好ましくは一般式(3)で
表される化合物である。次に一般式(3)で表されるカ
ップリング成分について詳細に述べる。式中E1 、E2
で表される電子吸引性基は、HammettのσP 値が
正である置換基を表し、これらは同一であっても異なっ
ていても良く、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイ
ル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1
−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシク
ロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピル
カルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル
基、テノイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニ
ル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のオキシ
カルボニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカル
バモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フ
ェニルカルバモイル基、N−2,4−ビス(ペンチルオ
キシ)フェニルカルバモイル基、N−2,4−ビス(オ
クチルオキシ)フェニルカルバモイル基、モルホリノカ
ルボニル基等のカルバモイル基、シアノ基、メタンスル
ホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル
基等のスルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ
基、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール
−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スル
ホン−2−イル基等の複素環基が好ましい。
【0047】また、E1 、E2 で表される電子吸引性基
は、両者が結合し環を形成してもよい。E1 、E2 で形
成される環としては、5ないし6員の炭素環あるいは複
素環が好ましい。
【0048】以下に、本発明の一般式(3)で表される
カップリング成分の具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】本発明の感熱記録材料においては、その使
用前の生保存性を良好とするために、ジアゾニウム塩を
マイクロカプセルに内包させることが好ましい。その形
成方法は既に公知の方法を用いて行うことができる。マ
イクロカプセル壁を形成する高分子物質は常温では不透
過性であり、加熱時に透過性となることが必要で有り、
特にガラス転移温度が60〜200℃の範囲にあるもの
が好ましい。これらの例として、ポリウレタン、ポリウ
レア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン・メ
タクリレート共重合体、スチレン・アクリレート共重合
体およびこれらの混合系をあげることができる。
【0058】マイクロカプセルの形成法としては、界面
重合法および内部重合法が適している。カプセル形成方
法の詳細およびリアクタントの具体例については、米国
特許第3,726,804号、同第3,796,669
号等の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリ
ウレタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソ
シアネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成する
第2物質(例えばポリオール、ポリアミン9を水性媒体
またはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこ
れらを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高
分子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。
なお上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアが
生成する。本発明においては、マイクロカプセル壁を形
成する高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中か
ら選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。以下
に、本発明におけるジアゾニウム塩含有マイクロカプセ
ル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について
述べる。
【0059】まず、ジアゾニウム塩はマイクロカプセル
の芯となる疎水性の有機溶媒に溶解または分散させる。
この場合の有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類、
カルボン酸エステル類、カルボン酸アミド類、リン酸エ
ステル類、炭酸エステル類、ケトン類、エーテル類アル
キル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル
化ナフタレンの中から選択される少くとも1種の溶媒が
好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネートが
壁材として添加される(油相)。
【0060】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
【0061】多価イソシアネートの使用量は、マイクロ
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0062】水相中にポリオールを添加しておけば、多
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩田敬治 編 ポリ
ウレタンハンドブック日刊工業新聞社 (198
7))。
【0063】前記のジアゾニウム塩化合物を溶解し、マ
イクロカプセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒と
しては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、
具体的にはアルキルナフタレン、アルキルジフェニルエ
タン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニ
ル、塩素化パラフィン、トリクレジルフォスフェート、
マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル類、硫酸エ
ステル類、スルホン酸エステル類などが挙げられる。こ
れらは2種以上混合して用いてもよい。
【0064】マイクロカプセル化しようとするジアゾニ
ウム塩のこれらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、
用いようとするジアゾニウム塩の溶解性の高い低沸点溶
媒を併用することもできる。具体的には、酢酸エチル、
酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラ
ン、アセトンなどが挙げられる。また低沸点溶媒のみを
カプセルの芯に用いた場合には、マイクロカプセル化反
応中に溶媒は蒸散し、カプセル壁とジアゾ化合物が一体
となって存在する、いわゆるコアレスカプセルが形成さ
れる。
【0065】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレン
ジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその
水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体とし
て多官能としたもの、ベンゼンイソシアネートのホルマ
リン縮合物などが挙げられる。
【0066】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
【0067】このようにして調製されたカプセルの油相
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0068】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たと
えばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変成するなどして反応性をなくしてお
くことが必要である。また、界面活性剤を添加する場合
には、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.
1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好まし
い。
【0069】乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同
士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝
突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0070】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾニウム塩含有マイク
ロカプセルを得ることができる。
【0071】本発明の感熱記録材料においては、ジアゾ
ニウム塩とカップリング成分とのカップリング反応を促
進する目的で有機塩基を加える。これらの有機塩基は、
単独で用いても2種以上併用して用いることもできる。
塩基性物質としては、第3級アミン類、ピペリジン類、
ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジ
ン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が
挙げられる。特公昭52−46806号公報、特開昭6
2−70082号公報、特開昭57−169745号公
報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−12
3086号公報、特開昭58−1347901号公報、
特開昭60−49991号公報、特公平2−24916
号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−1
65288号公報、特開昭57−185430号公報に
記載のものを使用することができる。
【0072】これらの中でも、特に、N,N′−ビス
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N′−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジン類、N
−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒ
ドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)
ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピ
ペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジ
ン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシル
フェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0073】本発明の感熱記録材料においては、ジアゾ
ニウム塩1重量部に対するカップリング成分の使用量、
ジアゾニウム塩1重量部に対する有機塩基の使用量は、
いずれも0.1〜30重量部であることが好ましい。本
発明の感熱記録材料においては、上記した有機塩基の他
にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えるこ
とができる。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高
くする、もしくは最低発色温度を低くする物質があり、
カップリング成分、有機塩基、もしくはジアゾニウム塩
等の融解点を下げたり、マイクロカプセル壁の軟化点を
低下せしめる作用により、ジアゾニウム塩とカップリン
グ成分とが反応しやすい状況を作るためのものである。
【0074】本発明の感熱記録材料に使用することので
きる発色助剤に含まれるものとして、例えば低エネルギ
ーで迅速かつ完全に熱印画が行われるように、発色層中
にフェノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置
換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、芳香族エ
ーテル、チオエーテル、エステル、アミド、ウレイド、
ウレタン、スルホンアミド化合物ヒドロキシ化合物、等
が挙げられる。
【0075】本発明の感熱記録材料に使用することので
きる発色助剤には熱融解性物質も含まれる。熱融解性物
質は、常温では固体であって加熱により融解する融点5
0℃〜150℃の物質であり、ジアゾニウム塩、カップ
リング成分、或いは有機塩基等を溶かす物質である。こ
れらの化合物の具体例としては、カルボン酸アミド、N
置換カルボン酸アミド、ケトン化合物、尿素化合物、エ
ステル類等が挙げられる。
【0076】本発明の感熱記録材料においては、熱発色
画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、または、定
着後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的で、以
下に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ましい。
上記の酸化防止剤については、例えばヨーロッパ公開特
許第223739号公報、同309401号公報、同第
309402号公報、同第310551号公報、同第3
10552号公報、同第459416号公報、ドイツ公
開特許第3435443号公報、特開昭54−4853
5号公報、同62−262047号公報、同63−11
3536号公報、同63−163351号公報、特開平
2−262654号公報、特開平2−71262号公
報、特開平3−121449号公報、特開平5−611
66号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ
特許第4814262号、アメリカ特許第498027
5号等に記載されている。
【0077】本発明の感熱記録材料においては、更に感
熱記録材料や感圧記録材料において既に用いられている
公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの
酸化防止剤の具体例としては、特開昭60−10738
4号公報、同60−107383号公報、同60−12
5470号公報、同60−125471号公報、同60
−125472号公報、同60−287485号公報、
同60−287486号公報、同60−287487号
公報、同60−287488号公報、同61−1602
87号公報、同61−185483号公報、同61−2
11079号公報、同62−146678号公報、同6
2−146680号公報、同62−146679号公
報、同62−282885号公報、同63−05117
4号公報、同63−89877号公報、同63−883
80号公報、同63−088381号公報、同63−2
03372号公報、同63−224989号公報、同6
3−251282号公報、同63−267594号公
報、同63−182484号公報、特開平1−2392
82号公報、同4−291685号公報、同4−291
684号公報、同5−188687号公報、同5−18
8686号公報、同5−110490号公報、同5−1
108437号公報、同5−170361号公報、特公
昭48−043294号公報、同48−033212号
公報等に記載されてる化合物を挙げることができる。
【0078】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0079】これらの酸化防止剤の添加量は、ジアゾニ
ウム塩1重量部に対して0.05〜100重量部の割合
であることが好ましく、特に0.2〜30重量部である
ことが好ましい。上記した公知の酸化防止剤はジアゾニ
ウム塩と共にマイクロカプセル中に含有させて用いるこ
とも、あるいはカップリング成分や有機塩基、その他の
発色助剤と共に、固体分散物として、もしくは適当な乳
化助剤と共に乳化物にして用いることも、あるいはその
両方の形態で用いることもできる。また酸化防止剤を単
独または複数併用することができるのは勿論である。ま
た、感熱記録層上に設けた保護層に添加させることもで
きる。
【0080】これらの酸化防止剤は同一層に添加しなく
てもよい。更にこれらの酸化防止剤を組み合わせて複数
用いる場合には、アニリン類、アルコキシベンゼン類、
ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、ハイド
ロキノン誘導体、りん化合物、硫黄化合物の様に構造的
に分類し、互いに異なる構造のものを組み合わせてもよ
いし、同一のものを複数組み合わせることもできる。本
発明に用いられるカップリング成分は、有機塩基、その
他の発色助剤等とともに、サンドミル等により水溶性高
分子とともに固体分散して用いることもできるが、水に
難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解した後、これを界面
活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして有
する水相と混合し、乳化分散物とすることが好ましい。
乳化分散を容易にする観点から、界面活性剤を用いるこ
とが好ましい。
【0081】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点から好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルと
の併用も可能である。
【0082】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいもの
として挙げることができる。場合により、高沸点オイル
を含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0083】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0084】又水相に含有させる界面活性剤は、アニオ
ン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コ
ロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選
択して使用することができる。好ましい界面活性剤とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫
酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
【0085】本発明の感熱記録材料には、記録後の地肌
部の黄着色を軽減する目的で光重合性組成物等に用いら
れる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合
物)を加えることができる。遊離基発生剤としては、芳
香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエー
テル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキ
シムエステル類などが挙げられる。添加する量は、ジア
ゾニウム塩1重量部に対して、遊離基発生剤0.01〜
5重量部が好ましい。
【0086】また同様に黄着色を軽減する目的で、エチ
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビ
ニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニルモ
ノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレ
ン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する
化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を
持つものである。これらの例として、不飽和カルボン酸
及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化
合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジア
ゾニウム塩1重量部に対して0.2〜20重量部の割合
で用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジア
ゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有して用いる
こともできる。
【0087】本発明の感熱記録材料においては以上の素
材の他に酸安定剤としてクエン酸、酒石酸、シュウ酸、
ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加することができ
る。
【0088】本発明の感熱記録材料は、ジアゾニウム塩
を含有したマイクロカプセル、カップリング成分、有機
塩基、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、紙や
合成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード
塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティ
ング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布
等の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜30
g/m2の感熱層が設けられる。本発明の感熱記録材料に
おいては、マイクロカプセル、カップリング成分、有機
塩基などが同一層に含まれていてもよいが、別層に含ま
れるような積層型の構成をとることもできる。また、支
持体の上に特願昭59−177669号明細書等に記載
されているような中間層を設けた後、感熱層を塗布する
こともできる。
【0089】本発明の感熱記録材料において使用される
バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテ
ックス類などを使用することができる。水溶性高分子化
合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビ
アゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブ
チレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変成物等が
挙げられ、ラテックス類としては、スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴム
ラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0090】本発明の感熱記録材料に使用できる顔料と
しては、有機、無機を問わず公知のものを使用すること
ができる。具体的には、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリ
カ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バ
リウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿
素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、
セルロースフィラー等が挙げられる。
【0091】本発明の感熱記録材料においてはその必要
に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電
剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆
体など各種添加剤を使用することができる。
【0092】本発明の感熱記録材料には必要に応じて感
熱記録層の上に保護層を設けてもよい。保護層は必要に
応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料と
しては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合
体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、
カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、
スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解
物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解
物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いら
れる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より一
層保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤とし
ては公知の架橋剤を使用することができる。具体的には
N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−
ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼
砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンな
どが挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属
石鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもでき
る。保護層の塗布量は0.2〜5g/m2が好ましく、さ
らには0.5〜2g/m2が好ましい。またその膜厚は
0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好ま
しい。
【0093】本発明の感熱記録材料に使用される支持体
としては、従来の感圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ
複写紙などに用いられる紙支持体はいずれも使用するこ
とができる。具体的には、酸性紙、中性紙、コート紙、
紙にポリエチレン等のプラスチックをラミネートしたプ
ラスチックフィルムラミネート紙、合成紙、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のプラ
スチックフィルムなどが挙げられる。また支持体のカー
ルバランスを補正するためあるいは裏面からの薬品等の
浸入を防止するために、バックコート層を設けてもよ
く、このバックコート層は上記の保護層と同様にして設
けることができる。更に裏面に接着剤層を介して剥離紙
を組み合わせてラベルの形態にすることも可能である。
【0094】本発明の感熱記録材料においては、互いに
発色色相の異なる感熱記録層を更に積層することによ
り、多色の感熱記録材料とすることができる。更に積層
する感熱記録層としては、光分解性のジアゾニウム塩を
含む感熱記録層が挙げられる。この多色の感熱記録材料
(感光感熱記録材料)については、特開平4−1357
87号公報、同4−144784号公報、同4−144
785号公報、同4−194842号公報、同4−24
7447号公報、同4−247448号公報、同4−3
40540号公報、同4−340541号公報、同5−
34860号公報、特願平7−316280号明細書等
に記載されている。層構成としては特に限定されるもの
ではないが、特に感光波長が異なるジアゾニウム塩とそ
れぞれのジアゾニウム塩と熱時反応して異なった色相に
発色するカプラーとを組み合わせた感熱記録層を多層に
積層した多色感熱記録材料が好ましい。たとえば、支持
体側から、本発明に係る最大吸収波長が350nmより
短いジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応して
呈色するカプラーとを含有する第1の感熱記録層(A
層)、極大吸収波長360nm±20nmであるジアゾ
ニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応して呈色するカ
プラーを含有する第2の感熱記録層(B層)、極大吸収
波長400±20nmであるジアゾニウム塩と該ジアゾ
ニウム塩と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第
3の感熱記録層(C層)とするものである。この例にお
いて、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原
色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでお
けば、フルカラーの画像記録が可能となる。
【0095】フルカラー記録材料の場合の層構成は、イ
エロー、マゼンタ、シアンの各発色層はどのように積層
してもよいが、色再現性の点で、支持体側から、イエロ
ー、シアン、マゼンタまたはイエロー、マゼンタ、シア
ンの順に積層するのが好ましい。
【0096】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず
第3の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジ
アゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400±
20nmの光を照射してC層中に含まれている未反応の
ジアゾニウム塩を分解させたのち、第2の感熱記録層
(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれて
いるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。このと
きC層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム
塩は分解しており、発色能力が失われているので発色し
ない。さらに360±20nmの光を照射してB層に含
まれているジアゾニウム塩を分解して、最後に第1の感
熱記録層(A層)が発色する十分な熱を与えて発色させ
る。このときC層、B層の感熱記録層も同時に強く加熱
されるが、すでにジアゾニウム塩は分解しており発色能
力が失われているので発色しない。本発明の感熱記録材
料は上記のような多色感熱記録材料とすることが好まし
い。
【0097】多色感熱記録材料とした場合、感熱記録層
相互の混色を防ぐため、中間層を設けることもできる。
この中間層はゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子
化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。
【0098】支持体上に光定着型感熱記録層を有する多
色感熱記録材料の場合、必要によりさらにその上層に光
透過率調整層もしくは保護層、または光透過率調整層お
よび保護層を有することが望ましい。光透過率調整層に
ついては、特開平9−39395号公報、特開平9−3
9396号公報、特願平7−208386号明細書等に
記載されている。
【0099】本発明において、光透過率調整層は、紫外
線吸収剤の前駆体として機能する成分を含有しており、
定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤とし
て機能しないので、光透過率が高く、光定着型感熱記録
層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過
させ、また、可視光線の透過率も高く、感熱記録層の定
着に支障は生じない。
【0100】この紫外線吸収剤の前駆体は、光定着型感
熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照
射が終了した後、光または熱などで反応することにより
紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の
波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、
透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上する
が、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率
は実質的に変わらない。
【0101】光透過率調整層は光定着型感熱記録材料中
に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは光
定着型感熱記録層と保護層との間に形成するのがよい
が、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよ
い。
【0102】本発明においては、上記感熱記録層上に最
大吸収波長が異なるジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩
と反応し呈色するカップリング成分とを各々含有する光
定着型感熱記録層を2層設け、この層上に光透過率調整
層、保護層を順次設けるのが望ましい。
【0103】
〔実施例1〕
(ジアゾニウム塩含有マイクロカプセル液Aの調製)酢
酸エチル19部に表1に示すジアゾニウム塩(例示化合
物1−2)2.8部、トリクレジルホスフェート10部
を添加して均一に混合した。次いでこの混合液に壁材と
してタケネートD110N(武田薬品工業株式会社製)
7.6部を加え混合しI液を得た。次にフタル化ゼラチ
ンの8%水溶液46部、水17.5部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダの10%水溶液2部の混合液に上記
I液を添加しホモジナイザーを使用して40℃、100
00rpmで10分間乳分散した。得られた乳化物に水
20部を加えて均一化した後、攪拌しながら40℃で3
時間マイクロカプセル化反応をおこなわせてジアゾニウ
ム塩含有マイクロカプセル液Aを得た。マイクロカプセ
ルの平均粒径は0.3〜0.4μmであった。 (カップリング成分乳化液Bの調製)酢酸エチル10.
5部にカップリング成分(例示化合物C−16)3部、
トリフェニルグアニジン4部、4−ヒドロキシ安息香酸
−2−エチルヘキシル8部、1、1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−エチルヘキサン4部、4、4’−
(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール8
部、トリクレジルホスフェート0.48部、マレイン酸
ジエチル0.24部を溶解しII液を得た。次に石灰処
理ゼラチンの15%水溶液49部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダの10%水溶液9.5部、水35部を4
0℃で均一に混合した中にII液を添加しホモジナイザ
ーを使用して40℃、10000rpmで10分間乳化
分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪拌して酢
酸エチルを除去後、水を添加して、カップリング成分乳
化液Bを得た。 (感熱記録層塗布液Cの調製)ジアゾニウム塩含有マイ
クロカプセル液A3.6部、水3.3部、カップリング
成分乳化液B9.5部を混合し、感熱記録層塗布液Cを
得た。 (保護層塗布液Dの調製)ポリビニルアルコール(重合
度1700、鹸化度88%)10%水溶液32部、水3
6部を均一に混合し保護層塗布液Dを得た。 (塗布)上質紙にポリエチレンをラミネートした印画紙
用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗布液C、保護
層塗布液Dの順に順次塗布したのち、50℃での乾燥を
行ない、目的の感熱記録材料を得た。感熱記録層及び保
護層の固形分としての塗布量は各々8.0g/m2
1.2g/m2 であった。
【0104】(発色試験)京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに
対する印加電力およびパルス幅を決め、感熱記録材料に
熱印画し画像を得たのち、発光中心波長420nm、出
力40Wの紫外線ランプを用いて、紫外光を10秒間全
面照射した。このときの発色濃度および地肌濃度を測定
した。発色部の濃度は1.2以上が使用可能範囲であ
り、地肌部の濃度は0.1以下が使用可能範囲である。 (耐光性試験)記録後の感熱記録材料を蛍光灯試験機を
用い、30000ルックスで72時間照射した後、発色
部及び地肌部の濃度を測定した。蛍光灯照射後の発色部
の濃度の減少が少なく、地肌部の濃度の増加が少ない方
が、耐光性に優れている。 (生保存性試験)記録前の感熱記録材料を40℃、90
%RHの条件下72時間強制保存した。強制保存後、上
記発色試験を行ない、発色部、地肌部の濃度を測定し
た。強制保存後の発色部の濃度の減少が少なく、地肌部
の濃度の増加が少ない方が、生保存性に優れている。 (光安定性試験)記録前の感熱記録材料に発光中心波長
365nm、出力40Wの紫外線ランプを用いて、紫外
線を10秒間全面照射した。この試料を更に上記の発色
試験と同様に熱印画し画像を得、このときの発色濃度を
測定した。紫外線ランプ照射後の発色濃度の減少が少な
い方が光安定性に優れている。 (濃度測定)発色部、地肌部の濃度はMacbethR
D918を用い、Yポジションでの濃度を測定した。
【0105】〔実施例2〕ジアゾニウム塩として例示化
合物1−9を用いた他は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。
【0106】〔実施例3〕ジアゾニウム塩として例示化
合物1−10を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0107】〔実施例4〕ジアゾニウム塩として例示化
合物1−7を用いた他は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。
【0108】〔実施例5〕ジアゾニウム塩として例示化
合物1−5を用いた他は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。
【0109】〔実施例6〕ジアゾニウム塩として例示化
合物1−15を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0110】〔実施例7〕ジアゾニウム塩として例示化
合物1−16を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0111】〔実施例8〕ジアゾニウム塩として例示化
合物1−18を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0112】〔実施例9〕ジアゾニウム塩として例示化
合物5−1を用いた他は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。
【0113】〔実施例10〕ジアゾニウム塩として例示
化合物5−2を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0114】〔実施例11〕ジアゾニウム塩として例示
化合物5−3を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0115】〔実施例12〕ジアゾニウム塩として例示
化合物5−4を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0116】〔実施例13〕カップリング成分として例
示化合物C−40を用いた他は実施例1と同様にして感
熱記録材料を作製し、評価した。
【0117】〔実施例14〕カップリング成分として例
示化合物C−44を用いた他は実施例1と同様にして感
熱記録材料を作製し、評価した。
【0118】〔実施例15〕カップリング成分として例
示化合物C−46を用いた他は実施例2と同様にして感
熱記録材料を作製し、評価した。
【0119】〔実施例16〕カップリング成分として例
示化合物C−49を用いた他は実施例2と同様にして感
熱記録材料を作製し、評価した。
【0120】〔比較例1〕下記ジアゾニウム塩B−1を
用いた他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
し、評価した。
【0121】〔比較例2〕下記ジアゾニウム塩B−2を
用いた他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
し、評価した。
【0122】
【化24】
【0123】結果を以下に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】以上の実施例・比較例から、本発明の感熱
記録材料は、発色画像の発色濃度が高く、耐光性・生保
存性に優れていることが分かる。これに対し、既存のジ
アゾニウム塩を用いた従来の感熱記録材料(比較例1、
比較例2)は、本発明の感熱記録材料に比べて発色画像
の発色濃度が低く、特に、耐光性・生保存性に劣ってい
ることが分かる。
【0127】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、得られる発色
画像の発色濃度が極めて高く、かつ、得られた画像が堅
牢である。さらに、本発明の感熱記録材料は使用前の熱
および光に対する保存安定性に優れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ジアゾニウム塩及びカップ
    リング成分を含む感熱記録層を設けた感熱記録材料にお
    いて、該ジアゾニウム塩が下記一般式(1)で表される
    化合物であることを特徴とする感熱記録材料。 【化1】 (式中、R1 は、アルキル基またはアリール基を表す。
    2 、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立に水素原
    子またはアルキル基を表し、かつ、R2 、R3、R4
    よびR5 の少なくとも一つはアルキル基を表す。R2
    3 あるいはR 4 とR5 あるいはR1 とR3 あるいはR
    1 とR4 は互いに結合して環を形成してもよい。X-
    陰イオンを表す。)
  2. 【請求項2】 前記ジアゾニウム塩が下記一般式(2)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の感熱記録材料。 【化2】 (式中、R1 は、アルキル基またはアリール基を表す。
    2 、R5 は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル
    基を表し、かつ、R2 およびR5 の少なくとも一つはア
    ルキル基を表す。X- は陰イオンを表す。)
  3. 【請求項3】 前記カップリング成分が下記一般式
    (3)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の感熱記録材料。 【化3】 (式中、E1 、E2 はそれぞれ独立に電子吸引性基を表
    す。)
  4. 【請求項4】 前記ジアゾニウム塩がマイクロカプセル
    中に含有されていることを特徴とする請求項1から3ま
    でのいずれか一項に記載の感熱記録材料。
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