JP2001138639A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2001138639A
JP2001138639A JP32219499A JP32219499A JP2001138639A JP 2001138639 A JP2001138639 A JP 2001138639A JP 32219499 A JP32219499 A JP 32219499A JP 32219499 A JP32219499 A JP 32219499A JP 2001138639 A JP2001138639 A JP 2001138639A
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JP32219499A
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Takami Ikeda
貴美 池田
Yosuke Takeuchi
洋介 竹内
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色性が良好であるとともに、画像形成後の
耐光性にも優れた新規な感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、下記一般式(I)で表され
るジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と
反応して該ジアゾ化合物を発色させるカプラーと、下記
一般式(II)で表されるハイドロキノンジエーテル化合
物とを含有する感熱記録層を設ける。一般式(I)中、
1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
リール基、−OR51、−SR51、−COOR51、ニトロ
基、シアノ基等を表し、R5は水素原子、アルキル基、
アリール基を表す。一般式(II)中、R6、R7はアルキ
ル基又はアリール基を表し、R8〜R11は水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基、−OR55、−S
55、−COOR55、ニトロ基、シアノ基等を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアゾ化合物とカ
プラーを発色成分として用いる感熱記録材料に関し、特
に、画像部の耐光性に優れた新規な感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジアゾ化合物は非常に化学的活性の高い
化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を有
する化合物などのカプラーと呼ばれる化合物と反応して
容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、光
照射によって分解し、その活性を失う。そのため、ジア
ゾ化合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料とし
て古くから利用されている(日本写真学会編「写真工学
の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)89〜
117、182〜201頁参照)。更に、ジアゾ化合物
の光によって分解し活性を失う性質を利用して、最近で
は画像の定着が要求される記録材料にも応用され、代表
的なものとして、ジアゾ化合物とカプラーを画像信号に
従って加熱し、反応させて画像を形成させた後、光照射
して画像を定着する、光定着型感熱記録材料が提案され
ている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌 第11巻 第4
号(1982)290〜296頁など)。しかしなが
ら、ジアゾ化合物を発色要素として用いた記録材料で
は、ジアゾ化合物の化学的活性が非常に高いため、記録
材料を保存している間に、ジアゾ化合物が徐々に熱分解
あるは光分解してその反応性を失う場合がある。従っ
て、長期保存後に、前記記録材料を用いて画像記録を行
うと、画像部の発色濃度が低下する傾向がある。これを
防止するため、光定着型の感熱記録材料においては、シ
ェルライフの長期化を目的として、ジアゾ化合物をマイ
クロカプセル中に内包させ、水・塩基等のジアゾ化合物
の分解を促進させる成分から隔離する方法が提案されて
いる。(宇佐美智正ら、電子写真学会誌、第26巻、第
2号(1987)、115〜125頁)。
【0003】また、先に述べたように、化学的活性が非
常に高いジアゾ化合物を発色要素として用いた記録材料
では、加熱により画像を形成した後にも、記録材料を明
所で保存した場合、画像部の発色濃度が低下したり、非
画像部の着色濃度が高くなる傾向があった。この対策と
して、安定性の良好なジアゾ化合物を用いることも検討
されているが、安定性が向上すると記録に対する感度が
低くなる傾向があり、このようにジアゾ化合物の反応性
を損なわず、且つ、画像形成後における耐光性を向上さ
せる手段は未だ見出されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記諸問題
を解決することを課題とする。即ち、発色性が良好であ
るとともに、画像形成後の耐光性にも優れた新規な感熱
記録材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定のジアゾ化合物の近傍に特定構造を有する
ハイドロキノンジエーテル化合物を並存させることで、
形成された画像の安定性が向上することを見出し、本発
明を完成した。即ち、本発明の感熱記録材料は、支持体
上に、下記一般式(I)で表されるジアゾ化合物のうち
少なくとも1種と、該ジアゾ化合物と反応して該ジアゾ
化合物を発色させるカプラーと、下記一般式(II)で表
されるハイドロキノンジエーテル化合物とを含有する感
熱記録層を設けることを特徴とする。
【0006】
【化3】
【0007】一般式(I)中、R1、R2、R3、および
4は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、−OR51、−SR51、−COOR51
−CONR5152、−SO251、−SO2NR5152
−COR51、−NR5152、ニトロ基およびシアノ基か
らなる群より選ばれるいずれかの基を表す。R5は、水
素原子、アルキル基、アリール基、−COOR53、−C
ONR535 4、−SO253、−SO2NR5354、−C
OR53からなる群より選ばれるいずれかの基を表す。一
般式(II)中、R6、R7は各々独立してアルキル基、あ
るいはアリール基を表す。R8、R9、R10およびR11
各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アリール基、−OR55、−SR55、−COOR55、−C
ONR5556、−SO255、−SO2NR5556、−C
OR55、−NR5556、ニトロ基およびシアノ基からな
る群より選ばれるいずれかの基を表す。
【0008】ここで、前記一般式(II)で表されるハイ
ドロキノンジエーテル化合物の含有量が、一般式(I)
で表されるジアゾ化合物の含有量の0.01〜10倍の
範囲であることが好ましい。また、効果の観点から、一
般式(I)で表されるジアゾ化合物と、一般式(II)で
表されるハイドロキノンジエーテル化合物とは近傍に位
置することが好ましく、両者が同一のマイクロカプセル
に内包されていることが好ましい態様である。
【0009】前記特定のジアゾ化合物と併用するカプラ
ーとしては、下記一般式(III)で表される化合物或い
は該化合物の共鳴異性体であることが好ましい。
【0010】
【化4】
【0011】一般式(III)中、E1およびE2は、各々
独立して、電子吸引性基を表し、E1およびE2が互いに
結合して環を形成していてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、支持体
上に、前記一般式(I)で表されるジアゾ化合物の少な
くとも1種と、前記一般式(II)で表されるハイドロキ
ノンジエーテル化合物とを含有することを特徴とする感
熱記録層を備えたものである。前記一般式(I)で表さ
れる化合物は、感熱記録層において、ともに含有される
カプラーと反応して、画像部を構成する色素を形成する
発色要素として機能する。なお、本明細書において、
「ジアゾ化合物」の語は、「Diazo Chemistry I Aro
matic and Heteroaromatic compounds」(Heinrich Z
ollinger著,VCH Verlagsgesellschaft,Weimhei
m,1994)に従って用いられている。以下、前記一
般式(I)で表されるジアゾ化合物について説明する。
【0013】前記一般式(I)中、R1、R2、R3、お
よびR4は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、−OR51、−SR51、−COO
51、−CONR5152、−SO251、−SO2NR51
52、−COR51、−NR51 52、ニトロ基、およびシ
アノ基からなる群より選ばれるいずれかの基を表す。
【0014】R1〜R4で表されるハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が好ましく、中
でも、フッ素および塩素が好ましい。
【0015】R1〜R4がアルキル基を表す場合、無置換
のアルキル基および置換基を有するアルキル基が含ま
れ、アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、不飽和結
合を有していてもよい。
【0016】R1〜R4が表すアルキル基としては、炭素
原子数が1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子数
1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エ
チルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、ドデ
シル、2−クロロエチル、2−メタンスルホニルエチ
ル、2−メトキシエチル、2−ベンゾイルオキシエチ
ル、N,N−ジブチルカルバモイルメチル、2−エトキ
シカルボニルエチル、ブトキシカルボニルメチル、2−
イソプロピルオキシエチル、2−(2,5−ジ−t−ア
ミルフェノキシ)エチル、2−フェノキシエチル、1−
(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル、1−
(2,5−ジ−t−アミルフェノキシ)−2−プロピ
ル、ベンジル、α−メチルベンジル、トリクロロメチ
ル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエ
チル等が好ましい。
【0017】R1〜R4がアリール基を表す場合、無置換
のアリール基および置換基を有するアリール基が含まれ
る。R1〜R4が表すアリール基としては、炭素原子数が
6〜30のアリール基が好ましい。具体的には、フェニ
ル、4−メチルフェニル、2−クロロフェニル等が好ま
しい。
【0018】R1〜R4が−OR51、−SR51、−COO
51、−CONR5152、−SO251、−SO2NR51
52、−COR51、または−NR5152を表す場合、R
51およびR52は各々独立して、水素原子、アルキル基、
アリール基、およびアシル基からなる群より選ばれるい
ずれかの基を表す。R51およびR52が表すアルキル基に
は、無置換のアルキル基および置換基を有するアルキル
基が含まれる。R51およびR52が表すアルキル基として
は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましく、炭
素原子数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的
には、メチル、エチル、i−プロピル、s−ブチル、t
−ブチル、t−アミル等が好ましい。
【0019】R51およびR52が表すアリール基には、無
置換のアリール基および置換基を有するアリール基が含
まれる。R51およびR52が表すアリール基としては、炭
素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。具体的に
は、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニ
ル、4−メチルフェニル、2−クロロフェニル、2,5
−t−アミルフェニル等が好ましい。
【0020】R51およびR52が表すアシル基には、無置
換のアシル基および置換基を有するアシル基が含まれ
る。R51およびR52が表すアシル基としては、炭素原子
数1〜30のアシル基が好ましく、炭素原子数が1〜1
0のアシル基がより好ましい。具体的には、アセチル、
プロパノイル、ブタノイル、ベンゾノイル等が挙げられ
る。
【0021】前記一般式(1)中、R5は水素原子、ア
ルキル基、アリール基、−COOR5 3、−CONR53
54、−SO253、−SO2NR5354、−COR53から
なる群より選ばれるいずれかの基を表す。R5が表すア
ルキル基には、無置換のアルキル基および置換基を有す
るアルキル基が含まれ、アルキル基は直鎖状でも分岐状
でもよく、不飽和結合を有していてもよい。R5が表す
アルキル基としては、炭素原子数1〜30のアルキル基
が好ましい。具体的には、メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチ
ル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エ
チルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、ドデ
シル、2−クロロエチル、2−メタンスルホニルエチ
ル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、2−
ベンゾイルオキシエチル、N,N−ジブチルカルバモイ
ルメチル、2−エトキシカルボニルエチル、ブトキシカ
ルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルメチル、シ
クロヘキシル、2−イソプロピルオキシエチル、2−
(2,5−ジ−t−アミルフェノキシ)エチル、2−フ
ェノキシエチル、1−(4−メトキシフェノキシ)−2
−プロピル、1−(2,5−ジ−t−アミルフェノキ
シ)−2−プロピル、ベンジル、α−メチルベンジル、
フェネチル、3−フェニルプロピル、アリル、メタリ
ル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,
2−トリフルオロエチル等が好ましい。
【0022】R5が表すアリール基には、無置換のアリ
ール基および置換基を有するアリール基が含まれる。R
5が表すアリール基としては、炭素原子数が6〜30の
アリール基が好ましい。具体的には、フェニル、2−メ
チルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニ
ル、4−エチルフェニル、4−イソプロピルフェニル等
が好ましい。
【0023】R5が−COOR53、−CONR5354
−SO253、−SO2NR5354、又は−COR53−を
表す場合、R53およびR54は、各々独立して、水素原
子、アルキル基、アリール基、およびアシル基からなる
群より選ばれるいずれかの基を表す。R53およびR54
表すアルキル基には、無置換のアルキル基および置換基
を有するアルキル基が含まれる。R53およびR54が表す
アルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル
基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基がより
好ましい。具体的には、メチル、エチル、i−プロピ
ル、s−ブチル、t−ブチル、t−アミル等が好まし
い。
【0024】R53およびR54が表すアリール基には、無
置換のアリール基および置換基を有するアリール基が含
まれる。R53およびR54が表すアリール基としては、炭
素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。具体的に
は、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニ
ル、4−メチルフェニル、2−クロロフェニル、2,5
−t−アミルフェニル等が好ましい。
【0025】R53およびR54が表すアシル基には、無置
換のアシル基および置換基を有するアシル基が含まれ
る。R51およびR52が表すアシル基としては、炭素原子
数1〜30のアシル基が好ましく、炭素原子数が1〜1
0のアシル基がより好ましい。具体的には、アセチル、
プロパノイル、ブタノイル、ベンゾノイル等が挙げられ
る。
【0026】以下に、前記一般式(I)で表されるジア
ゾ化合物の具体例を、例示化合物(A−1〜A−42)
及び一般式(I)の官能基を具体的に挙げた具体例1〜
28で示すが、本発明に用いられるジアゾ化合物は、以
下の化合物に限定されるものではない。
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】前記感熱記録層は、前記一般式(I)で表
されるジアゾ化合物を少なくとも1種含有すればよく、
2種以上を併用してもよいし、また、他のジアゾ化合物
と併用してもよい。前記一般式(I)で表されるジアゾ
化合物は、前記感熱記録層中に、0.02〜3g/m2
含有されるのが好ましく、0.1〜2g/m2含有され
るのがより好ましい。含有量が0.02g/m2未満で
は発色性の点で、3g/m2を越えると塗布適性の点
で、いずれも好ましくない。
【0040】前記感熱記録層は、ともに含有される前記
一般式(I)で表されるジアゾ化合物と反応して、該ジ
アゾ化合物を発色させるカプラーを含有する。カプラー
は、1種を単独で用いてもよいし、色相調整等種々目的
に応じて、2種以上を併用してもよい。カプラーとして
は、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活
性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導
体等が挙げられる。
【0041】具体例を挙げると、レゾルシン、フロログ
ルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホ
ン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンス
ルホン酸アニリド、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モ
ルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタ
レンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロ
キシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシル
オキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセト
アミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセト
アミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、
1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6
−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−
1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタ
ンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニ
ル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−
4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、
【0042】5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフ
ェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジ
シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジ−n−ドデ
シルバルビツール酸、1−n−オクチル−3−n−オク
タデシルバルビツール酸、1−フェニル−3−(2,5
−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、
1,3−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)
バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラ
ゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3
−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリ
クロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロ
ン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2−〔3−
〔α−(2,4−ジ−tert−アルミフェノキシ)ブ
タンアミド〕ベンズアミド〕フェノール、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミノメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール等がある。これらカプラーの詳細に
ついては、特開平4−201483号公報、特開平7−
125446号公報、特開平7−96671号公報、特
開平7−223367号公報、特開平7−223368
号公報等に記載されている。
【0043】本発明のジアゾ化合物との併用において、
特に、前記一般式(III)で表される化合物、あるいは
該化合物の共鳴異性体を、カプラーとして用いるのが、
よい色相のイエローを呈色する観点から好ましい。
【0044】前記一般式(III)中、E1およびE2は電
子吸引性基を表す。該電子吸引性基としては、Hamm
ettのσ値が正である置換基を意味し、これらは同一
であっても異なっていてもよく、具体的には、例えば、
アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロア
セチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロ
プロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカル
ボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、
ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基
等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メト
キシフェノキシカルボニル基等のオキシカルボニル基、
カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、
N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバ
モイル基、N−2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニ
ルカルバモイル基、N−2,4−ビス(オクチルオキ
シ)フェニルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基
等のカルバモイル基、シアノ基、メタンスルホニル基、
ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のスル
ホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾ
オキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル
基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル
基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−
イル基等の複素環基が好ましい。
【0045】また、E1とE2が、結合して環を形成して
いてもよい。E1とE2で形成される環としては、5ない
し6員の炭素環あるいは複素環が好ましい。
【0046】以下に、一般式(III)で表される化合物
の具体例を示すが、本発明に用いられるカプラーの具体
的例示化合物(C−1〜C−24)はこれらに限定され
るものではない。
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】
【化20】
【0051】
【化21】
【0052】前記カプラーは、前記感熱記録層中に0.
04〜9g/m2含有されるのが好ましく、0.2〜4
g/m2含有されるのがより好ましい。含有量が0.0
4g/m2未満では発色性の点で、9g/m2を越えると
塗布適性の点で、いずれも好ましくない。
【0053】次に、本発明の感熱記録材料の感熱記録層
に含まれる必須成分である前記一般式(II)で表される
ハイドロキノンジエーテル化合物について説明する。
【0054】前記一般式(II)中、R6、R7は各々独立
にアルキル基またはアリール基を表す。R6、R7が表す
アルキル基には、無置換のアルキル基および置換基を有
するアルキル基が含まれ、アルキル基は直鎖状でも分岐
状でもよく、不飽和結合を有していてもよい。R6、R7
が表すアルキル基としては、炭素原子数1〜30のアル
キル基が好ましい。具体的には、メチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、2
−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、
2−エチルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシ
ル、ドデシル、2−クロロエチル、2−メタンスルホニ
ルエチル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピ
ル、2−ベンゾイルオキシエチル、N,N−ジブチルカ
ルバモイルメチル、2−エトキシカルボニルエチル、ブ
トキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルメ
チル、シクロヘキシル、2−イソプロピルオキシエチ
ル、2−(2,5−ジ−t−アミルフェノキシ)エチ
ル、2−フェノキシエチル、1−(4−メトキシフェノ
キシ)−2−プロピル、1−(2,5−ジ−t−アミル
フェノキシ)−2−プロピル、ベンジル、α−メチルベ
ンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、アリル、
メタリル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、
2,2,2−トリフルオロエチル等が好ましい。
【0055】R6、R7が表すアリール基には、無置換の
アリール基および置換基を有するアリール基が含まれ
る。R6、R7が表すアリール基としては、炭素原子数が
6〜30のアリール基が好ましい。具体的には、フェニ
ル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メ
チルフェニル、4−エチルフェニル、4−イソプロピル
フェニル等が好ましい。前記一般式(II)中、R8〜R
10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、−OR55、−SR55、−COO
55、−CONR5556、−SO255、−SO2NR55
56、−COR55、−NR5556、ニトロ基、およびシ
アノ基からなる群より選ばれるいずれかの基を表す。
【0056】R8〜R10で表されるハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が好ましく、中
でも、フッ素および塩素が好ましい。
【0057】R8〜R10が表すアルキル基には、無置換
のアルキル基および置換基を有するアルキル基が含ま
れ、アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、不飽和結
合を有していてもよい。
【0058】R8〜R10が表すアルキル基としては、炭
素原子数が1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子
数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、
メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブ
チル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−
エチルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、ド
デシル、2−クロロエチル、2−メタンスルホニルエチ
ル、2−メトキシエチル、2−ベンゾイルオキシエチ
ル、N,N−ジブチルカルバモイルメチル、2−エトキ
シカルボニルエチル、ブトキシカルボニルメチル、2−
イソプロピルオキシエチル、2−(2,5−ジ−t−ア
ミルフェノキシ)エチル、2−フェノキシエチル、1−
(4−メトキシフェノキシ)−2−プロピル、1−
(2,5−ジ−t−アミルフェノキシ)−2−プロピ
ル、ベンジル、α−メチルベンジル、トリクロロメチ
ル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエ
チル等が好ましい。
【0059】R8〜R10が表すアリール基には、無置換
のアリール基および置換基を有するアリール基が含まれ
る。R8〜R10が表すアリール基としては、炭素原子数
が6〜30のアリール基が好ましい。具体的には、フェ
ニル、4−メチルフェニル、2−クロロフェニル等が好
ましい。
【0060】R8〜R10が−OR55、−SR55、−CO
OR55、−CONR5556、−SO255、−SO2NR
5556、−COR55、−NR5556を表す場合、R55
よびR56は、各々独立して、水素原子、アルキル基、ア
リール基、およびアシル基からなる群より選ばれるいず
れかの基を表す。R55およびR56が表すアルキル基に
は、無置換のアルキル基および置換基を有するアルキル
基が含まれる。R55およびR56が表すアルキル基として
は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましく、炭
素原子数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的
には、メチル、エチル、i−プロピル、s−ブチル、t
−ブチル、t−アミル等が好ましい。
【0061】R55およびR56が表すアリール基には、無
置換のアリール基および置換基を有するアリール基が含
まれる。R55およびR56が表すアリール基としては、炭
素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。具体的に
は、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニ
ル、4−メチルフェニル、2−クロロフェニル、2,5
−t−アミルフェニル等が好ましい。
【0062】R55およびR56が表すアシル基には、無置
換のアシル基および置換基を有するアシル基が含まれ
る。R55およびR56が表すアシル基としては、炭素原子
数1〜30のアシル基が好ましく、炭素原子数が1〜1
0のアシル基がより好ましい。具体的には、アセチル、
プロパノイル、ブタノイル、ベンゾノイル等が挙げられ
る。
【0063】以下に、前記一般式(II)で表されるハイ
ドロキノンジエーテル化合物の具体例を示すが、本発明
に用いられるハイドロキノンジエーテル化合物は、以下
の化合物に限定されるものではない。
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
【化24】
【0067】
【化25】
【0068】
【化26】
【0069】
【化27】
【0070】
【化28】
【0071】
【化29】
【0072】前記一般式(II)で表されるハイドロキノ
ンジエーテル化合物は1種のみを用いても、2種以上を
併用してもよい。前記一般式(II)で表されるハイドロ
キノンジエーテル化合物は、前記感熱記録層中に、0.
01〜2g/m2含有されるのが好ましく、0.05〜
0.5g/m2含有されるのがより好ましい。含有量が
0.01g/m2未満では効果が不充分であり、2g/
2を越えると発色性が低下する傾向があり、いずれも
好ましくない。また、このハイドロキノンジエーテル化
合物の含有量が、前記一般式(I)で表されるジアゾ化
合物の含有量の0.01〜10倍の範囲であることがこ
のましい。ジアゾ化合物に対するハイドロキノンジエー
テル化合物の含有量が少なすぎると、効果が不充分とな
り、多すぎると発色性が低下する傾向があるため、いず
れも好ましくない。
【0073】なお、以上の各化合物の他、本発明に係る
感熱記録層中には、目的に応じて、公知の種々の添加剤
を、本発明の効果を損なわない限りにおいて併用するこ
とができる。感熱記録層中には、カプラーとジアゾ化合
物とのカップリング反応を促進する目的で、第3級アミ
ン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、フォ
ルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリ
ン類等の有機塩基を用いることが好ましい。
【0074】これらの有機塩基の具体例としては、N,
N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフ
ェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、
N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2
−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス
(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラ
ジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−
ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフ
トキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペ
ラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジ
ノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼン等の
ピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3−
モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼ
ン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキ
シ)プロピルオキシ〕ベンゼン等のモルホリン類、N−
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジ
ン、N−ドデシルピペリジン等のピペリジン類、トリフ
ェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジ
シクロヘキシルフェニルグアニジン、4−ヒドロキシ安
息香酸2−N−メチル−N−ベンジルアミノエチルエス
テル、4−ヒドロキシ安息香酸2−N,N−ジ−n−ブ
チルアミノエチルエステル、4−(3−N,N−ジブチ
ルアミノプロポキシ)ベンゼンスルホンアミド、4−
(2−N,N−ジブチルアミノエトキシカルボニル)フ
ェノキシ酢酸アミド等が挙げられる。
【0075】前記有機塩基の詳細については、特開昭5
7−123086号公報、特開昭60−49991号公
報、特開昭60−94381号公報、特開平09−07
7737号公報、特開平09−077729号公報、特
開平09−071048号公報等に記載されている。
【0076】これらの有機塩基は、1種を単独で使用し
ても2種以上を併用してもよい。前記有機塩基は、ジア
ゾ化合物1モルに対して1〜30モルであるのが好まし
い。また、前記有機塩基は、感熱記録層に含有させても
よいし、感熱記録層以外の層に含有させてもよい。
【0077】前記感熱記録層は、発色助剤を含有してい
てもよい。前記発色助剤としては、フェノール誘導体、
ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコ
キシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カルボン酸
アミド化合物、スルホンアミド化合物等が挙げられる。
また、前記感熱記録層は、さらに、還元剤を含有してい
てもよい。
【0078】前記感熱記録層は、さらに、層を形成する
ためのバインダーを含有するのが好ましい。前記バイン
ダーとしては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチ
ルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ゼラチン、スチレン−アクリル酸共重合体
等、従来公知のバインダーを使用することができる。詳
細については特開平2−141279号公報等に記載さ
れている。
【0079】その他、前記感熱記録層には、必要に応じ
て各種の有機又は無機顔料、各種安定化剤、酸化防止剤
等を添加することもできる。
【0080】前記感熱記録層において、一般式(I)で
表されるジアゾ化合物が、マイクロカプセルに内包され
ていると、感熱記録材料の生保存性が向上するので好ま
しい。また、一般式(II)で表されるハイドロキノンジ
エーテル化合物は、前記ジアゾ化合物に近接して存在す
ることが好ましいため、ハイドロキノンジエーテル化合
物もまた、ジアゾ化合物と同一のマイクロカプセル中に
内包されることが好ましい。本発明に用いるハイドロキ
ノンジエーテル化合物は、ジアゾ化合物と反応せず、ま
た、マイクロカプセル壁の作成を阻害することもないた
め、ジアゾ化合物と同一のカプセルに内包しても、性能
の低下を招くことなく、好ましい態様を実施しうるとい
う利点を有する。
【0081】マイクロカプセルの形成方法としては、従
来公知の方法を採用することができる。マイクロカプセ
ルは、常温では物質非透過性であり、加熱されると物質
透過性となる高分子から形成されているのが好ましい。
特にガラス転移温度が60〜200℃の高分子から形成
されているのが好ましい。これらの例として、ポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・
ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、
スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリ
レート共重合体およびこれらの混合系をあげることがで
きる。特に、マイクロカプセルが、ウレタンおよび/ま
たはウレアを構成成分とする高分子(例えば、ポリウレ
タン、ポリウレア等)から形成されているのが好まし
い。
【0082】マイクロカプセルの形成方法としては、界
面重合法および内部重合法が適している。カプセル形成
方法の詳細およびリアクタントの具体例については、米
国特許第3,726,804号、同第3,796,66
9号等の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポ
リウレタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイ
ソシアネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成す
る第2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒
体またはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中で
これらを乳化分散し、次に加温することにより油滴界面
で高分子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成す
る。なお上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレ
アが生成する。
【0083】以下に、ジアゾ化合物内包マイクロカプセ
ル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法の一例に
ついて述べる。まず、ジアゾ化合物、好ましくはさら
に、ハイドロキノンジエーテル化合物を、カプセルの芯
となる疎水性の有機溶媒に溶解または分散させる。この
場合の有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機
溶媒が好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネ
ートが壁材として添加される(油相)。
【0084】一方、水相として、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
【0085】多価イソシアネートの使用量は、マイクロ
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0086】水相中にポリオールを添加しておけば、多
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩田敬治 編 ポリ
ウレタンハンドブック日刊工業新聞社 (198
7))。
【0087】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレン
ジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその
水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールとキシリレンジイソ
シアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体と
して多官能としたもの、トリメチロールプロパンなどの
ポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イ
ソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等
の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を
導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン
縮合物などが挙げられる。特開昭62−212190号
公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317
694号公報、特願平8−268721号公報等に記載
の化合物が好ましい。
【0088】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
【0089】ジアゾ化合物を溶解し、マイクロカプセル
の芯を形成するときの疎水性有機溶媒としては、沸点1
00〜300℃の有機溶媒が好ましく、具体的には、ア
ルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、アルキ
ルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、アルキルタ
ーフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エステル類、マ
レイン酸エステル類、アジピン酸エステル類、フタル酸
エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エステル類、エ
ーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エステル類など
が挙げられる。これらは2種以上混合して用いてもよ
い。
【0090】カプセルに内包させるジアゾ化合物の前記
溶媒に対する溶解性が劣る場合には、該ジアゾ化合物の
溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもでき
る。具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチレンク
ロライド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセ
トンなどが挙げられる。このため、ジアゾ化合物はこれ
ら高沸点疎水性有機溶媒、低沸点補助溶媒に対する適当
な溶解度を有していることが好ましく、具体的には該溶
剤に5%以上の溶解度を有していることが好ましい。水
に対する溶解度は1%以下が好ましい。
【0091】一方、水相(調製された油相を分散する水
相)として使用される水溶性高分子水溶液に用いる水溶
性高分子としては、乳化しようとする温度における水に
対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好ましく、そ
の具体例としては、ポリビニルアルコールおよびその変
成物、ポリアクリル酸アミドおよびその誘導体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリド
ン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アク
リル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビ
ヤゴム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0092】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないか、あるいは低いことが好まし
く、たとえばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミ
ノ基を有するものは、予め変成するなどして反応性をな
くしておくことが必要である。また、界面活性剤を添加
する場合には、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対
して0.1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが
好ましい。
【0093】乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同
士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝
突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0094】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾ化合物内包マイクロ
カプセルを得ることができる。
【0095】一方、前記感熱記録層において、前記カプ
ラーは、所望により、有機塩基、その他の発色助剤等と
ともに、サンドミル等により水溶性高分子とともに固体
分散状態にして用いることができる。また、水に難溶性
又は不溶性の有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤
及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして有する水
相と混合し、乳化分散物とすることもできる。乳化分散
物として用いる場合は、乳化分散を容易にする観点か
ら、界面活性剤を用いることが好ましい。固体分散方法
および乳化方法に関しては特に限定されるものではな
く、従来公知の方法を使用することができる。これらの
方法の詳細については、特開昭59−190886号公
報、特開平2−141279号公報、特開平7−171
45号公報に記載されている。
【0096】前記カプラーを乳化分散物とする場合に使
用される有機溶剤は、例えば、特開平2−141279
号公報に記載された高沸点オイルの中から適宜選択する
ことができる。これらの中でもエステル類を使用するこ
とが、乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましく、中
でも、リン酸トリクレジルが特に好ましい。上記のオイ
ル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0097】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいもの
として挙げることができる。場合により、高沸点オイル
を含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0098】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0099】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保
護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適
宜選択して使用することができる。好ましい界面活性剤
としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキ
ル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウ
ム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることがで
きる。
【0100】本発明の感熱記録材料は、例えば、ジアゾ
化合物(マイクロカプセルに内包される場合は、該マイ
クロカプセル)、カプラー、ハイドロキノンジエーテル
化合物及び所望により、有機塩基、その他の添加物を含
有した塗布液を調製し、紙や合成樹脂フィルム等の支持
体の上にバー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グ
ラビア塗布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、
ディップ塗布、カーテン塗布等の塗布方法により塗布乾
燥して、作製することができる。塗布量が、固形分含有
量で、2.5〜30g/m2になる様に、塗布するのが好
ましい。
【0101】本発明の感熱記録材料の支持体としては、
中性紙、酸性紙、再生紙、ポリオレフィン樹脂ラミネー
ト紙、合成紙、ポリエステルフィルム、三酢酸セルロー
スフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレ
ンフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフ
ィルム等のポリオレフィンフィルム等が挙げられ、これ
ら単体で、あるいは貼り合わせて用いることができる。
支持体の厚みは、20〜200μmが好ましい。
【0102】本発明の感熱記録材料においては、ジアゾ
化合物、カプラー、ハイドロキノンジエーテル化合物お
よび所望により有機塩基などが同一層に含まれていても
よいが、別層に含まれるような構成であってもよい。即
ち、前記感熱記録層が積層型の構成であってもよい。ま
た、支持体の上に特願昭59−177669号明細書等
に記載されているような中間層を設けた後、感熱記録層
を塗布することもできる。
【0103】本発明の感熱記録材料には、所望により、
感熱記録層上に、保護層を設けてもよい。保護層は必要
に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料
としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリ
ビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合
体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、
カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、
スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解
物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解
物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いら
れる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より保
存安定性を向上させることもでき、その架橋剤としては
公知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−
メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホル
マリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタ
ルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等
の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが
挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤やその前駆体
等を含有させてもよい。なお、保護層は、前記成分を含
有する塗布液を調製し、該塗布液を、塗布・乾燥するこ
とによって形成することができる。保護層用塗布液の塗
布量は0.2〜5g/m2が好ましく、さらには0.5
〜2g/m2が好ましい。また保護層の膜厚は、0.2
〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好ましい。
【0104】支持体のカールバランスを補正するため、
あるいは裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バッ
クコート層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介し
て剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。こ
のバックコート層についても前記保護層と同様にして設
けることができる。
【0105】本発明の感熱記録材料は、多色の感熱記録
材料に使用することができる。この多色の感熱記録材料
(感熱記録材料)については、特開平4−135787
号公報、同4−144784号公報、同4−14478
5号公報、同4−194842号公報、同4−2474
47号公報、同4−247448号公報、同4−340
540号公報、同4−340541号公報、同5−34
860号公報等に記載されている。具体的には、異なる
色相に発色する感熱記録層を積層することにより得るこ
とができる。層構成としては特に限定されるものではな
いが、一例として、感光波長が異なる2種のジアゾ化合
物(少なくとも1種は前記一般式(I)で表されるジア
ゾ化合物であることを要する)と、それぞれのジアゾ化
合物と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーと
を組み合わせた感熱記録層2層(B層、C層)と、電子
供与性無色染料と電子受容性化合物とを組み合わせた感
熱記録層(A層)とを積層した多色感熱記録材料が挙げ
られる。
【0106】具体的には、支持体上に電子供与性無色染
料と電子受容性化合物とを含む第1の感熱記録層(A
層)、最大吸収波長360nm±20nmであるジアゾ
化合物と該ジアゾ化合物と熱時反応して呈色するカプラ
ーとを含有する第2の感熱記録層(B層)、最大吸収波
長400±20nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合
物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第3の感
熱記録層(C層)とするものである。この例において、
各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イ
エロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、
フルカラーの画像記録が可能となる。
【0107】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず
第3の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジ
アゾ化合物とカプラーとを発色させる。次に400±2
0nmの光を照射してC層中に含まれている未反応のジ
アゾ化合物を分解させ光定着させたのち、第2の感熱記
録層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含ま
れているジアゾ化合物とカプラーとを発色させる。この
ときC層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾ化合
物は分解しており(光定着されている)、発色能力が失
われているので発色しない。さらに360±20nmの
光を照射してB層に含まれているジアゾ化合物を分解し
て、最後に第1の感熱記録層(A層)が発色する十分な
熱を与えて発色させる。このときC層、B層の感熱記録
層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾ化合物は分
解しており発色能力が失われているので発色しない。
【0108】また、すべての感熱記録層(上層から順
に、A層、B層、C層)を、感光波長が異なる3種のジ
アゾ化合物をそれぞれのジアゾ化合物と熱時反応して異
なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録
層から構成することもできる。特に、視感度の低いイエ
ロー層を最下層にすることで、支持体の面上の粗さに起
因する画質への影響を減らすことにより画質向上を目指
す場合にこのような層構成が必要となる。すべての感熱
記録層(A層、B層、C層)を、ジアゾ系の感熱記録層
とした場合には、A層とB層は、発色させた後に光定着
を行うことが必要である。C層に関しては、光定着を行
う必要はない。
【0109】本発明の感熱記録材料は、感熱記録層に、
該感熱記録層に含有されるジアゾ化合物とカプラーとの
カップリング反応が進行するのに充分な熱を画像様に供
与することによって、画像を形成することができる。画
像を形成した後、光を照射して、非画像部のジアゾ化合
物を分解し、画像を定着させてもよい。感熱記録層に画
像様に熱を供与するには、サーマルヘッド等を使用する
ことができる。また、光定着に用いられる定着用光源と
しては、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が用
いられる。この発光スペクトルは、感熱記録材料で用い
たジアゾ化合物の吸収スペクトルとほぼ一致しているこ
とが、効率よく光定着させることができるので好まし
い。
【0110】また本発明の感熱記録材料に記録するにあ
たり、感熱記録材料を原稿を通して露光し、画像形成部
以外のジアゾ化合物を分解して潜像を形成させた後、材
料全体を加熱して熱現像し画像を得るといった熱現像型
感光材料として用いることも可能である。
【0111】
【実施例】本発明を、以下の実施例及び比較例により更
に詳述するが、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。尚、以下実施例中の「部」および「%」は、
それぞれ「重量部」、「重量%」を示す。 [実施例1] (ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Aの調製)酢酸
エチル13.7部に、芯物質としてジアゾ化合物(例示
化合物A−1)4.6部、フタル酸ジフェニルエステル
8.3部及び1,4−ジヘプチルオキシベンゼン2.1
部を添加して均一に混合した。次いで、この混合物に壁
剤としてタケネートD110N(武田薬品工業株式会社
製)2.8部を加えX液を得た。次に、フタル化ゼラチ
ン8%水溶液62.7部に水17.6部、sucrap
hAG−8(日本精化株式会社製)0.4部を加えた混
合液に上記X液を添加し、ホモジナイザーを使用して4
0℃、回転数8000rpmで、10分間乳化分散し
た。得られた乳化物に水50部、ジエチレントリアミン
0.26部を添加し均一化した後、攪拌しながら60℃
で3時間マイクロカプセル化反応を行わせてジアゾ化合
物含有マイクロカプセル液Aを得た。このマイクロカプ
セルの平均粒径は0.3〜0.4μmであった。
【0112】(カップリング成分乳化液Bの調製)酢酸
エチル12.5部にカップリング成分(例示化合物C−
11)3.5部、トリフェニルグアニジン1.9部、ト
リクレジルフォスフェート3.3部を溶解しY液を得
た。次に、石灰処理ゼラチンの15%水溶液50部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ10%水溶液0.5
部、水50部を40℃で均一に混合した水溶液中にY液
を添加し、ホモジナイザーを使用して40℃、回転数1
0000rpmで10分間乳化分散した。得られた乳化
物を40℃で2分間攪拌して酢酸エチルを除去後、水を
添加してカップリング成分乳化液Bを得た。
【0113】(感熱記録層塗布液Cの調製)ジアゾ化合
物含有マイクロカプセル液A10部、カップリング成分
乳化液B30部を混合し、感熱記録層塗布液Cを得た。
【0114】(保護層塗布液Dの調製)ポリビニルアル
コール(重合度1700、ケン化度88%)10%水溶
液32部、水16部を均一に混合し保護層塗布液Dを得
た。
【0115】(塗布)上質紙にポリエチレンをラミネー
トした印画紙用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗
布液C、保護層塗布液Dの順に塗布した後、50℃で乾
燥し目的の感熱記録材料を得た。感熱記録層および保護
層の固形分としての塗布量は各々3.5g/m2 、1.
2g/m2 であった。
【0116】得られた感熱記録材料について、以下の評
価を行った。評価結果を表1に示す。 <画像耐光性評価1>得られた感熱記録材料を用い、K
ST型サーマルヘッド(京セラ(株)製)により、単位
面積当りの記録エネルギーが50mJ/mm2となるよ
うに、サーマルヘッドに対する印加電力およびパルス幅
を決め、熱印字した後、画像部の発色濃度をマクベス濃
度計(マクベス社製、反射濃度計RD918)を用いて
測定した。印字後のサンプルに、蛍光灯の光を3200
luxの照度で72時間照射した後、濃度測定を行い、
蛍光灯照射前の発色濃度に対する照射後の濃度の割合を
残存率として評価した。残存率が高いものほど、耐光性
に優れている。 <画像耐光性評価2>前記耐光性評価1の蛍光灯の光3
200lux72時間の代わりに、キセノン光を48時
間照射した以外は、前記耐光性評価1と同様にして、残
存率を算出した。
【0117】[実施例2]実施例1で用いた1,4−ジ
ヘプチルオキシベンゼンの代わりに、1,4−ジブチル
オキシベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして
感熱記録材料を作製し、同様に評価した。評価結果を表
1に示す。 [実施例3]実施例1のジアゾ化合物含有マイクロカプ
セル液Aで用いたフタル酸ジフェニルエステル8.3部
及び1,4−ジヘプチルオキシベンゼン2.1部をフタ
ル酸ジフェニルエステル10.4部に、カップリング成
分乳化液Bで用いたトリクレジルフォスフェート3.3
部を、トリクレジルフォスフェート2.5部及び1,4
−ジヘプチルオキシベンゼン0.8部に、それぞれ代え
た以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
し、同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0118】[比較例1]実施例1のジアゾ化合物含有
マイクロカプセル液Aで用いたフタル酸ジフェニルエス
テル8.3部及び1,4−ジヘプチルオキシベンゼン
2.1部をフタル酸ジフェニルエステル10.4部に代
えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
し、同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】表1に明らかなように、実施例の感熱記録
材料は、ハイドロキノンジエーテル化合物がジアゾ化合
物とともにマイクロカプセルに内包された場合も、カプ
ラーとともに乳化分散されて添加された場合も同様に、
形成された画像の耐光性が優れていることがわかった。
一方、同様のジアゾ化合物とカプラーとを発色成分とし
て用いても、ハイドロキノンジエーテル化合物を添加し
なかった比較例1は、画像耐光性が実施例に比べて劣る
ことがわかった。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、発色性が良好であると
ともに、画像形成後の耐光性にも優れた感熱記録材料を
提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、下記一般式(I)で表され
    るジアゾ化合物のうち少なくとも1種と、該ジアゾ化合
    物と反応して該ジアゾ化合物を発色させるカプラーと、
    下記一般式(II)で表されるハイドロキノンジエーテル
    化合物とを含有する感熱記録層を設けることを特徴とす
    る感熱記録材料。 【化1】 一般式(I)中、R1、R2、R3、およびR4は各々独立
    に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
    基、−OR51、−SR51、−COOR51、−CONR51
    52、−SO251、−SO2NR5152、−COR51
    −NR5152、ニトロ基およびシアノ基からなる群より
    選ばれるいずれかの基を表す。R5は、水素原子、アル
    キル基、アリール基、−COOR53、−CONR
    535 4、−SO253、−SO2NR5354、−COR53
    からなる群より選ばれるいずれかの基を表す。一般式
    (II)中、R6、R7は各々独立してアルキル基、あるい
    はアリール基を表す。R8、R9、R10およびR11は各々
    独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
    ール基、−OR55、−SR55、−COOR55、−CON
    5556、−SO255、−SO2NR5556、−COR
    55、−NR5556、ニトロ基およびシアノ基からなる群
    より選ばれるいずれかの基を表す。
  2. 【請求項2】 前記一般式(II)で表されるハイドロキ
    ノンジエーテル化合物の含有量が、一般式(I)で表さ
    れるジアゾ化合物の含有量の0.01〜10倍の範囲で
    あることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)で表されるジアゾ化合
    物と、一般式(II)で表されるハイドロキノンジエーテ
    ル化合物とが、同一のマイクロカプセルに内包されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感
    熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記カプラーが下記一般式(III)で表
    される化合物或いは該化合物の共鳴異性体であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載
    の感熱記録材料。 【化2】 一般式(III)中、E1およびE2は、各々独立して、電
    子吸引性基を表し、E1およびE2が互いに結合して環を
    形成していてもよい。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6767862B2 (en) 2001-03-08 2004-07-27 Fuji Photo Film Co., Ltd. Thermal recording material

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