JPH1178233A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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Publication number
JPH1178233A
JPH1178233A JP9237461A JP23746197A JPH1178233A JP H1178233 A JPH1178233 A JP H1178233A JP 9237461 A JP9237461 A JP 9237461A JP 23746197 A JP23746197 A JP 23746197A JP H1178233 A JPH1178233 A JP H1178233A
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JP
Japan
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group
diazonium salt
recording material
heat
sensitive recording
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Pending
Application number
JP9237461A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Jinbo
良弘 神保
Naoto Yanagihara
直人 柳原
Ken Iwakura
謙 岩倉
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像定着後の地肌部の着色が少なく、発色画
像の発色濃度が十分高く、しかも生保存性の良好な感熱
記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、ジアゾニウム塩及びカップ
リング成分を含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料
において、該ジアゾニウム塩が、下記一般式(1)で表
される化合物であり、該ジアゾニウム塩が、マイクロカ
プセルに含有されている。 【化1】 式中、R1 は、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、またはアリ
ールアミノ基を表し、R2 、R3 は、それぞれ独立にア
ルキル基またはアリール基を表し、Tは、水素原子、ア
ルキル基、アシルアミノ基、またはハロゲン原子を表
し、Uは、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子
を表す。R3 とT、TとR1 、R1 とR2 、R2 とUと
が、それぞれ結合して環を形成してもよい。X- は陰イ
オンを表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアゾニウム塩と
カップリング成分とを発色成分として用いる感熱記録材
料に関し、特に、画像定着後の地肌部の着色が改良され
た感熱記録材料に関する。また、生保存性及び熱記録時
の発色濃度の高い感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアゾニウム塩は非常に化学的活性の高
い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を
有する、所謂カップリング成分と呼ばれる化合物と反応
して容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有
し、光照射によって分解し、その活性を失う。そこで、
ジアゾニウム塩は、ジアゾコピーに代表される光記録材
料として古くから利用されている(日本写真学会編「写
真工学の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)
P89〜P117、P182〜P201参照)。
【0003】更に、光によって分解し活性を失う性質を
利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料に
も応用され、代表的なものとして、ジアゾニウム塩とカ
ップリング成分を含む記録層を設けた記録材料を画像信
号に従って加熱して反応させて画像を形成させた後、光
照射して画像を定着する、所謂光定着型感熱記録材料が
提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌 第11
巻 第4号(1982)P290−296など)。
【0004】しかしながら、ジアゾニウム塩を発色要素
として用いたこれらの記録材料は、ジアゾニウム塩の化
学的活性が非常に高く、暗所であってもジアゾニウム塩
が徐々に熱分解してその反応性を失うので、記録材料と
してのシェルフライフが短いという欠点があった。
【0005】このようなジアゾニウム塩の不安定さを改
善する手段としては様々な方法が提案されているが、最
も有効な手段の一つとして、ジアゾニウム塩をマイクロ
カプセル中に内包させる方法がある。このようにジアゾ
ニウム塩をマイクロカプセル化することにより、ジアゾ
ニウム塩は水や塩基といった分解を促進させるものから
隔離されるので、その分解は著しく抑制され、これを用
いた記録材料のシェルフライフも飛躍的に向上する(宇
佐美智正ら 電子写真学会誌 第26巻 第2号(19
87)P115〜125)。
【0006】ジアゾニウム塩をマイクロカプセル中に内
包させる一般的な方法は、疎水性溶媒にジアゾニウム塩
を溶解させ(油相)、これを水溶性高分子を溶解した水
溶液中(水相)に加えてホモジナイザー等で乳化分散す
ると共に、マイクロカプセルの壁材となるモノマーある
いはプレポリマーを油相側または水相側の何れかあるい
は両方に添加しておくことにより、油相と水相の界面で
重合反応を生じさせ、あるいは、ポリマーを析出させる
ことにより高分子化合物の壁を形成させ、マイクロカプ
セルとする方法である。
【0007】これらの方法は、例えば近藤朝士著、「マ
イクロカプセル」日刊工業新聞社(1970年発行)、
近藤 保ら著、「マイクロカプセル」三共出版(197
7年発行)などに詳しい。形成されるマイクロカプセル
壁としては、架橋ゼラチン、アルギン酸塩、セルロース
類、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ナイロ
ン樹脂など様々なものが使用可能である。
【0008】ウレア樹脂やウレタン樹脂のようにガラス
転移温度を有し、そのガラス転移温度が室温よりやや高
い壁を有するマイクロカプセルの場合には、室温におけ
るカプセル壁は物質非透過性を示す一方、ガラス転移温
度以上では物質透過性を示すため、熱応答性マイクロカ
プセルと呼ばれ、感熱記録材料に有用である。
【0009】即ち、支持体上に、ジアゾニウム塩を含有
した熱応答性マイクロカプセルとカップリング成分及び
塩基を含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料によ
り、ジアゾニウム塩を長期間安定に保持させることがで
きると共に、加熱により容易に発色画像を形成させるこ
とができる上、光照射により画像を定着することも可能
となる。上述したようにジアゾニウム塩のマイクロカプ
セル化により、感熱記録材料としての安定性を飛躍的に
向上させることが可能である。
【0010】しかしながら、このようにジアゾニウム塩
をマイクロカプセル化しても、感熱記録材料としては種
々問題点を有している。その一つとして、ジアゾニウム
塩を定着した後の着色が挙げられる。すなわち従来のジ
アゾニウム塩を使用する感熱記録材料は、熱印画した
後、不要なジアゾニウム塩を光分解して、カップリング
成分との反応性を失わせるが、この光分解の後、長期
間、太陽光や室内光等の光に曝すと、所望しない着色が
発生するという問題を有していた。また、ジアゾニウム
塩自身の熱安定性の問題が挙げられる。すなわちジアゾ
ニウム塩自身の熱安定性が不十分な場合には、使用前の
保存時にジアゾニウム塩が分解して、充分な発色濃度が
得られなくなるという問題を有していた。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画像
定着後の地肌部の着色が少なく、発色画像の発色濃度が
十分高く、しかも生保存性の良好な感熱記録材料を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このジア
ゾニウム塩の光分解および熱安定性に着目して鋭意検討
を重ね、下記一般式(1)で表されるジアゾニウム塩
が、光分解後に着色を生じさせず、また熱安定性に優れ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の感熱記録材料は、支持体上に、ジアゾニウ
ム塩及びカップリング成分を含む感熱記録層を設けた感
熱記録材料において、該ジアゾニウム塩が下記一般式
(1)で表される化合物であり、該ジアゾニウム塩が、
マイクロカプセルに含有されていることを特徴とする。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1 は、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ
基、またはアリールアミノ基を表し、R2 、R3 は、そ
れぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、T
は、水素原子、アルキル基、アシルアミノ基、またはハ
ロゲン原子を表し、Uは、水素原子、アルキル基、また
はハロゲン原子を表す。R3 とT、TとR1 、R1 とR
2 、R2 とUとが、それぞれ結合して環を形成してもよ
い。X- は陰イオンを表す。) ジアゾニウム塩は、一般式(2)で表される化合物であ
ることがより好ましい。
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R1 は、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基を表し、R2 、R3 は、それぞれ
独立にアルキル基を表し、R1 とR2 とが、結合して環
を形成してもよい。X- は陰イオンを表す。)
【0016】本発明においては、カップリング成分が下
記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0017】
【化6】
【0018】式中、E1 、E2 はそれぞれ独立に電子吸
引性基を表す。
【0019】更に、ジアゾニウム塩を含有するマイクロ
カプセルのカプセル壁はポリウレタンおよび/またはポ
リウレアを構成成分として含むカプセル壁であることが
より好ましい。
【0020】本発明によれば、画像定着後の地肌部の着
色が少なく、発色画像の発色濃度が十分高く、しかも生
保存性の良好な感熱記録材料を提供される。
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のジアゾニウム塩は、前記一般式(1)で
表される。
【0021】式中、R1 は、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、
またはアリールアミノ基を表す。この中でも、地肌部の
着色が少なく、生保存性が良好な点で、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基が好ましい。
【0022】R1 で表されるアルキル基は、無置換で
も、また置換基を有していてもよく、その置換基として
は、例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシ
ルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ
基、アルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル
基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ス
ルホンアミド基、スルファモイル基、カルボキシ基、ス
ルホン酸基、アシル基、ヘテロ環基、等が挙げられる。
【0023】R1 で表されるアルキル基としては、炭素
原子数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ヘプチル基、3−ヘプチ
ル基、ノニル基、ウンデシル基、2−ベンゾイルオキシ
エチル基、2−(4−ブトキシフェノキシ)メチル基、
ベンジル基、4−メトキシベンジル基、トリクロロメチ
ル基、クロロメチル基が好ましい。
【0024】R1 で表されるアリール基は、複素芳香族
基でもよく、これらは、無置換でも、また置換基を有し
ていてもよく、その置換基としては、例えば、フェニル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニ
ル基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテ
ロ環基が好ましい。R1 で表されるアリール基として
は、炭素原子数4〜30のアリール基が好ましく、例え
ば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロ
フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニ
ル基、2−メトキシフェニル基、2−クロロフェニル
基、2−メトキシカルボニルフェニル基、3−クロロフ
ェニル基、チオフェン−2−イル基、フラン−2−イル
基等が挙げられる。
【0025】R1 で表されるアルコキシ基は、無置換で
も、また置換基を有していてもよく、その置換基として
は、例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基
等が挙げられる。R1 で表されるアルコキシ基として
は、炭素原子数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例
えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチル
オキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ
基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ベンジ
ルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基が好ましい。
【0026】R1 で表されるアリールオキシ基は、無置
換でも、また置換基を有していてもよく、その置換基と
しては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキ
ル基が好ましい。R1 で表されるアリールオキシ基とし
ては、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基が好まし
く、例えば、フェニルオキシ基、4−メトキシフェニル
オキシ基、4−クロロフェニルオキシ基、4−メチルフ
ェニルオキシ基、4−エチルフェニルオキシ基、2−メ
トキシフェニルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ
基、3−クロロフェニルオキシ基等が挙げられる。
【0027】R1 で表されるアルキルアミノ基は、モノ
アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基であり、ア
ルキル基は、無置換でも、また置換基を有していてもよ
く、その置換基としては、例えば、フェニル基、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、等が挙げられる。
【0028】R1 で表されるアルキルアミノ基として
は、炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基が好まし
く、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチル
アミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミ
ノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシ
ルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ
基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基、ジデシルアミ
ノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、
ジベンジルアミノ基、ブチルエチルアミノ基、ドデシル
メチルアミノ基、ドデシルブチルアミノ基、オクタデシ
ルメチルアミノ基、オクタデシル(2−エチルヘキシ
ル)アミノ基、オクタデシルオクチルアミノ基、ピロリ
ジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、4−アセチルピ
ペラジノ基、4−ベンゼンスルホニルピペラジノ基、ヘ
キサメチレンイミノ基等が好ましい。
【0029】R1 で表されるアリールアミノ基は、モノ
アリールアミノ基またはN−アリール−N−アルキルア
ミノ基であり、アリール基は、無置換でも、また置換基
を有していてもよく、その置換基としては、例えば、ア
ルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられ
る。R1 で表されるアリールアミノ基としては、炭素原
子数6〜30のアリールアミノ基が好ましく、例えば、
フェニルアミノ基、4−メトキシフェニルアミノ基、4
−クロロフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ
基、3−メトキシフェニルアミノ基、2−メトキシフェ
ニルアミノ基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N
−フェニル−N−エチルアミノ基、N−フェニル−N−
ブチルアミノ基、N−4−メトキシフェニル−N−メチ
ルアミノ基、等が挙げられる。
【0030】式中、R2 、R3 は、それぞれ独立にアル
キル基またはアリール基を表す。この中でも、生保存性
が良好な点で、アルキル基が好ましい。
【0031】R2 、R3 で表されるアルキル基は、無置
換でも、また置換基を有していてもよく、その置換基と
しては、例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シア
ノ基、アルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル
基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ス
ルホンアミド基、スルファモイル基、カルボキシ基、ス
ルホン酸基、アシル基、ヘテロ環基が好ましい。
【0032】R2 、R3 で表されるアルキル基として
は、炭素原子数1〜30のアルキル基が好ましく、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、クロロ
エチル基、トリクロロメチル基、トルフルオロメチル
基、2−メトキシエチル基、2−(イソプロポキシ)エ
チル基、2−フェノキシエチル基、等が好ましい。
【0033】R2 、R3 で表されるアリール基は、無置
換でも、また置換基を有していてもよく、その置換基と
しては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アル
キルスルフェニル基、アルキルスルホニル基が好まし
い。R2 、R3 で表されるアリール基としては、炭素原
子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニ
ル基、4−クロロフェニル基、4−シアノフェニル基、
4−メトキシカルボニルフェニル基等が好ましい。
【0034】式中、Tは、水素原子、アルキル基、アシ
ルアミノ基またはハロゲン原子を表す。この中でも、水
素原子がより好ましい。
【0035】Tで表されるアルキル基は、無置換でも、
また置換基を有していてもよく、その置換基としては、
例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基が好
ましい。Tで表されるアルキル基としては、炭素原子数
1〜30のアルキル基が好ましく、メチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、
ベンジル基、α−メチルベンジル基、クロロエチル基、
トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が好まし
く、メチル基が、特に好ましい。
【0036】Tで表されるアシルアミノ基は、アルキル
カルボニルアミノ基、またはアリールカルボニルアミノ
基が好ましく、アルキル基またはアリール基は置換基を
有していてもよい。Tで表されるアシルアミノ基として
は、炭素原子数2〜30のアシルアミノ基が好ましく、
アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、オクタノイ
ルアミノ基、デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ
基、N−メチルアセチルアミノ基等が好ましい。
【0037】Tで表されるハロゲン原子は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好
ましい。
【0038】式中、Uは、水素原子、アルキル基、また
はハロゲン原子を表す。この中でも、水素原子がより好
ましい。好ましいアルキル基、またはハロゲン原子につ
いては、Tと同様である。
【0039】X- は、陰イオンを表す。X- で表される
陰イオンは、無機陰イオンとしては、ヘキサフルオロリ
ン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオン、塩化物イオン、
硫酸イオン、硫酸水素イオンが好ましく、ヘキサフルオ
ロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオンが特に好まし
い。有機陰イオンとしては、ポリフルオロアルキルカル
ボン酸イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオ
ン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イ
オン、芳香族スルホン酸イオンが好ましい。
【0040】以下に、本発明の一般式(1)または
(2)で表されるジアゾニウム塩の具体例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】本発明において、一般式(1)または
(2)で表されるジアゾニウム塩は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用することも出来る。さらに色相調整
等の諸目的に応じて、一般式(1)または(2)で表さ
れるジアゾニウム塩と既存のジアゾニウム塩を併用して
もよい。既存のジアゾニウム塩については、特公平5−
33676号、特願平8−224252号、特開平4−
59287号、特開平8−156417号、特開平1−
80588号、特開平4−59288号、特開平6−3
28853号、特願平7−121208号等に記載され
ている。
【0049】一般式(1)または(2)で表されるジア
ゾニウム塩は既知の方法で製造することが可能である。
すなわち、対応するアニリンを酸性溶媒中、亜硝酸ナト
リウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用いて
ジアゾ化することにより得られる。例として例示化合物
A−1の合成例を以下に示す。
【0050】(合成例1)例示化合物A−1の合成 2,5−ジメトキシ−4−(2−エチルヘキサノイルア
ミノ)アニリン22g、メタノール100ml、水50
ml、濃塩酸40mlの混合物を0℃まで冷却し、亜硝
酸ナトリウム5.2g、水20mlの水溶液を滴下し
た。内温10℃以下で10分間攪拌した後、ヘキサフル
オロリン酸カリウム15.1gを添加し、1時間攪拌し
た。析出した結晶を濾集しエタノールで再結晶し化合物
A−1を15.8gを得た。メタノール中の紫外吸収ス
ペクトルは最大吸収波長λmax は327nm、389n
mで、分子吸光係数εは1.91×104 、1.27×
10 4 であった。
【0051】本発明のジアゾニウム塩の安定化のために
塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化合
物を形成させてジアゾニウム塩の安定化を行なうことも
できる。これらのジアゾニウム塩は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0052】本発明において使用できるカップリング成
分としては、塩基性雰囲気および/または中性雰囲気で
ジアゾニウム塩とカップリングして色素を形成するもの
であればいずれの化合物も可能である。ハロゲン化銀写
真感光材料用のいわゆる4当量カプラーはすべてカップ
リング成分として使用可能である。これらは目的とする
色相に応じて選択することが可能である。
【0053】例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を
有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体などがあり、具体例として下記の
ものが挙げられ本発明の目的に合致する範囲で使用され
る。
【0054】本発明の感熱記録材料において使用するカ
ップリング成分としては、前記一般式(3)で表される
化合物が、特に、好ましい。次に、一般式(3)で表さ
れるカップリング成分について詳細に述べる。式中E
1 、E2 で表される電子吸引性基とは、Hammett
のσP 値が正である置換基を意味し、これらは同一であ
っても、異なっていても良く、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環
基、ホスホノ基等が好ましい。アセチル基、プロピオニ
ル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロア
セチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロ
プロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカル
ボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、
ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基
等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メト
キシフェノキシカルボニル基等のオキシカルボニル基、
カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、
N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバ
モイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェ
ニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(オクチル
オキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホリノカルボ
ニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニル基、ベン
ゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアルキル
スルホニル基またはアリールスルホニル基、ジエチルホ
スホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾール−2−イ
ル基、ベンゾチフプールー2−イル基、3,4−ジヒド
ロキナヅリンー4−オンー2−イル基、3,4一ジヒド
ロキナゾリンー4一スルホンー2一イル基等の複素環
基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が好ましい。
【0055】また、E1 、E2 で表される電子吸引性基
ほ、両者が結合し環を形成してもよい。E1 、E2 で形
成される環としては5ないし6員の炭素環あるいは複素
環が好ましい。
【0056】本発明において使用できるカップリング成
分の具体例を挙げると、レゾルシン、フロログルシン、
2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキ
シナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2
−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2
−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプ
ロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホ
ン酸−2−エチルヘキシルオキジプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘ
キシルアミト、5−アセトアミド−1−ナフトール、1
−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−
ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセト
アミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3
−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキ
シ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−
3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−l,3−
シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオ
ン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−
1,3−シクロへキサンジオン、5−フェニル−4−メ
トキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5
−(2,5−ジーn−オクチルオキシフェニル)−1,
3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシ
ルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビ
ツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オタタデシル
バルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−
n−オクチルオキジフェニル)バルビツール酸、N,
N’−ビス(オタタデシルオキシカルボニルメチル)バ
ルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾ
ロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
アニリノ−5−ビラゾロン、1−(2,4,6−トリク
ロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、
6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−
エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベ
ンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピ
バロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルア
セトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセト
アニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセ
トアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルフ
ァモイル)−1−ビバロイルアセトアミドベンゼン、1
−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ
−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリ
ジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3
−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジ
ヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオ
キシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピ
ラゾール等がある。カップリング成分の詳細について
は、特開平4−201483号、特開平7−22336
7号、特開平7−223368号、特開平7−3236
60号、特願平5−278608号、特願平5−297
024号、特願平6−18669号、特願平6−186
70号、特願平7−316280号、特願平8−027
095号、特韻平8−027096号、特願平8−03
0799号、特願平8−12610号、特願平8−13
2394号、特願平8−358755号、特願平8−3
58756号、特願平9−069990号等に記載され
ている。
【0057】以下に、本発明の一般式(3)で表される
カップリング成分の具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】
【化16】
【0061】
【化17】
【0062】
【化18】
【0063】本発明の感熱記録材料は、その使用前の生
保存性を良好とするために、ジアゾニウム塩をマイクロ
カプセルに内包させる。その形成方法は既に公知の方法
を用いることができる。カプセル壁を形成する高分子物
質は常温では不透過性であり、加熱時に透過性となるこ
とが必要であり、特にがラス転移温度が60−200℃
のものが好ましい。これらの例として、ポリウレタン、
ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレート
共重合体およびこれらの混合系をあげることができる。
【0064】マイクロカプセル形成法としてほ、界面重
合法および内部重合法が適している。カプセル形成方法
の詳細およびリアクタントの具体例については、米国特
許第3,726,804号、同第3,796,669号
等の明納言に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウ
レタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソシ
アネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成する第
2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒体ま
たはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれ
らを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分
子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。な
お上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアが生
成する。本発明においては、マイクロカプセル壁を形成
する高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中がら
選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。以下
に、本発明におけるジアゾニウム塩内包マイクロカプセ
ル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について
述べる。
【0065】まず、ジアゾニウム塩はカプセルの芯とな
る疎水性の有機溶媒に溶解または分散させる。この場合
の有機溶媒としてほ、沸点100〜300℃の有機溶媒
が好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネート
が壁材として添加される(油相)。
【0066】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ボモジナイサー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
【0067】多価イソシアネートの使用量は、マイクロ
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0068】水相中にポリオールを添加しておけば、多
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩日敬治 編 ポリ
ウレタンハンドブック日刊工業新聞社(1987))。
【0069】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にほキシレン
ジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその
水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールとキシリレンジイソ
シアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体と
して多官能としたもの、トリメチロールプロパンなどの
ポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イ
ソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等
の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を
導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン
縮合物などが挙げられる。特開昭62−212190号
公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317
694号公報、特願平8−268721号公報等に記載
の化合物が好ましい。
【0070】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としてほ、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、へキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
【0071】前記のジアゾニウム塩を溶解し、マイクロ
カプセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒として
は、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具体
的には、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタ
ン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、
アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エス
テル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル
類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エ
ステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エ
ステル類などが挙げられる。これらは2種以上混合して
用いてもよい。
【0072】カプセル化しようとするジアゾニウム塩の
これらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いよう
とするジアゾニウム塩の溶解性の高い低沸点溶媒を補助
的に併用することもできる。具体的にほ、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレ
ンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、
アセトンなどが挙げられる。このため、ジアゾニウム塩
ほこれら高沸点疎水性有機溶媒、低沸点補助溶媒に対す
る適当な溶解度を有していることが好ましく、具体的に
は該溶剤に5%以上の溶解度を有していることが好まし
い。水に対する溶解度ば1%以下が好ましい。
【0073】このようにして調製されたカプセルの油相
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
ほ、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0074】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないが、低いことが好ましく、たと
えばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変成するなどして反応性をなくしてお
くことが好ましい。また、界面活性剤を添加する場合に
は、界面活性剤の添加量ほ、油相の重量に対して0.1
%〜5%、特に0.5%、2%であることが好ましい。
【0075】乳化は、ホモジナイサー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同
士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝
突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0076】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸がスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾニウム塩内包マイク
ロカプセルを得ることができる。
【0077】本発明に用いられるカップリング成分は、
塩基性物質、その他の発色助剤等とともに、サンドミル
等により水溶性高分子とともに固体分散して用いること
もできるが、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解し
た後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護
コロイドとして有する水相と混合し、乳化分散物として
用いても良い。乳化分故を容易にする観点から、界面活
性剤を用いることが好ましい。
【0078】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の報点がら好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルと
の併用も可能である。
【0079】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいもの
として挙げることができる。場合により、高沸点オイル
を含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0080】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としてほ、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0081】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記
保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを
適宜選択して使用することができる。好ましい界面活性
剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アル
キル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリ
ウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることが
できる。
【0082】本発明においては、ジアゾニウム塩とカッ
プリング成分とのカップリング反応を促進する目的で有
機塩基を加えることもできる。これらの有機塩基は、単
独で用いても2種以上併用して用いることもできる。塩
基性物質としては、第3級アミン類、ピぺリジン類、ピ
ペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン
類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が挙
げられる。特公昭52−46806号公報、特開昭62
−70082号公報、特開昭57−169745号公
報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−12
3086号公報、特開昭60−49991号公報、特公
平2−24916号公報、特公平2−28479号公
報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−1
85430号公報に記載のものを使用できる。
【0083】これらの中でも、特に、N,N’−ビス
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ)ベンゼンなどのピペラジン類、N
−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒ
ドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,8−ビス
(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロビルオキシ)
ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピ
ペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジ
ン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシル
フェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0084】本発明においては、ジアゾニウム塩1重量
部に対するカップリング成分及び塩基性物質の使用量
は、それぞれ0.1〜30重量部であることが好まし
い。
【0085】本発明においては、上記した有機塩基の他
にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えるこ
とができる。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高
くする、もしくは発色温度を制御する物質があり、カッ
プリング成分、塩基性物質、もしくほジアゾニウム塩等
の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめ
る作用により、ジアゾニウム塩、塩基性物質、カップリ
ング成分等が反応しやすい状況を作るためのものであ
る。
【0086】本発明に用いられる発色助剤として、例え
ば低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が行われるよう
に、発色層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導体、
アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン
類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミ
ド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物、ヒド
ロキシ化合物、等を加えることができる。
【0087】本発明の感熱記録材料においては、熱発色
面像の光及び熟に対する堅牢性を向上させ、または、定
着後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的で、以
下に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ましい。
上記の酸化防止剤については、例えばヨーロッパ公開特
許第223739号公報、同第309401号公報、同
第309402号公報、同第310551号公報、同第
310552号公報、同第459416号公報、ドイツ
公開特許第3435443号公報、特開昭54−485
35号公報、同62−262047号公報、同63−1
13536号公報、同63−163351号公報、特開
平2−262654号公報、特開平2−71262号公
報、特開平3−121449号公報、特開平5−611
66号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ
特許第4814262号、アメリカ特許第498027
5号等に記載されている。
【0088】更に、本発明においては感熱記録材料や感
圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加
剤を用いることも有効である。これらの各種添加剤の具
体例としては、特開昭60−107384号公報、同6
0−107383号公報、同60−125470号公
報、同60−125471号公報、同60−12547
2号公報、同60−287485号公報、同60−28
7486号公報、同60−287487号公報、同60
−287488号公報、同61−160287号公報、
同61−185483号公報、同61−211079号
公報、同62−146678号公報、同62−1466
80号公報、同62−146679号公報、同62−2
82885号公報、同63−051174号公報、同6
3−89877号公報、同63−88380号公報、同
63−088381号公報、同63−203372号公
報、同63−224989号公報、同63−25128
2号公報、同63−267594号公報、同63−18
2484号公報、特開平1−239282号公報、同4
−291685号公報、同4−291684号公報、同
5−188687号公報、同5−188686号公報、
同5−110490号公報、同5−170361号公
報、特公昭48−043294号公報、同48−033
212号公報等に記載されてる化合物を挙げることがで
きる。
【0089】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2.4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0090】これらの酸化防止剤および各種添加剤の添
加重は、ジアゾニウム塩1重量部に対して0.05〜1
00重量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜
30重量部であることが好ましい。このような公知の酸
化防止剤および各種添加剤はジアゾニウム塩と共にマイ
クロカプセル中に含有させて用いることも、あるいはカ
ップリング成分や塩基性物質、その他の発色助剤と共
に、固体分散物として、もしくは適当な乳化助剤と共に
乳化物にして用いることも、あるいはその両方の形態で
用いることもできる。また酸化防止剤および各種添加剤
を単独またほ複数併用することができるのは勿論であ
る。また、保護層に添加または存在させることもでき
る。
【0091】これらの酸化防止剤および各種添加剤は同
一層に添加しなくてもよい。更にこれらの酸化防止剤お
よび各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合にほ、ア
ニリン類、アルコキシベンゼン類、ビンダードフェノー
ル類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、り
ん化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに異
なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを
複数組み合わせることもできる。
【0092】本発明の感熱記録材料には、記録後の地肌
部の黄着色を軽減する目的で光重合性組成物等に用いら
れる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合
物)を加えることができる。遊離基発生剤としては、芳
香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエー
テル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキ
シムエステル類などが挙げられる。添加する量は、ジア
ゾニウム塩1重量部に対して、連離基発生剤0.01〜
5重量部が好ましい。
【0093】また同様に黄着色を軽減ずる目的で、エチ
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビ
ニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニルモ
ノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレ
ン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する
化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を
持つものである。これらの例として、不飽和カルボン酸
及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化
合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジア
ゾニウム塩1重量部に対して0.2〜20重量部の割合
で用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジア
ゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有して用いる
こともできる。
【0094】本発明では以上の素材の他に酸安定剤とし
てクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロ
リン酸等を添加することができる。
【0095】本発明の感熱記録材料は、ジアゾニウム塩
を含有したマイクロカプセル、カップリング成分、及び
有機塩基、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、
紙や合成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレ
ード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコー
ティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン
塗布等の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜
30g/m2 の感熱層を設けることが好ましい。本発明
の感熱記録材料においては、マイクロカプセル、カップ
リング成分、塩基などが同一層に含まれていてもよい
が、別層に含まれろような積層型の構成をとることもで
きる。また、支持体の上に特願昭59−177669号
明細書等に記載されているような中間層を設けた後、感
熱層を塗布することもできる。
【0096】本発明の感熱記録材料において使用される
バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテ
ックス類などを使用することができる。水溶性高分子化
合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビ
アゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カル
ボキシ変性ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン
変性ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル
酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等
及びこれらの変性物等が挙げられ、ラテックス類として
は、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸
メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマル
ジョン等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシエチル
セルロース、でんぷん誘導体、ゼラチン、ポリビニルア
ルコール誘導体、ポリアクリル酸アミド誘導体等が挙げ
られる。
【0097】本発明の感熱記録材料に使用できる顔料と
しては、有機、無機を問わず公知のものを使用すること
ができる。具体的には、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリ
カ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バ
リウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿
素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、
セルロースフィラー等が挙げられる。
【0098】本発明の感熱記録材料においてはその必要
に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電
剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆
体など各種添加剤を使用することができる。
【0099】本発明の感熱記録材料には必要に応じて記
録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要に応
じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料とし
ては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、
珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼ
イン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチ
レン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポ
リアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリ
スチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水
溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテ
ックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテック
ス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢
酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いられる、
保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より一層保存
安定性を向上きせることもでき、その架橋剤としてほ公
知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−メ
チロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマ
リン等の水溶性初期絡合物、グリオキザール、グルタル
アルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の
無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが挙
げられる。保護層にほ、さらに公知の顔料、金属石鹸、
ワックス、界面活性剤などを使用することもできる。保
護層の塗布量は0.2〜5g/m2 が好ましく、さらに
は0.5〜2g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.
2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好まし
い。
【0100】本発明の感熱記録材料に保護層を使用する
場合、保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体を含
有してもよい。
【0101】本発明の支持体としては、通常の感圧紙や
感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用いられる紙
支持体はいずれも使用することができる他、酸性紙、中
性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、
合成紙、プラスチックフィルムなどを使用することがで
きる。支持体のカールバランスを補正するため或いは、
裏面がらの耐薬品性を向上きせる目的で、バックコート
層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙
を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。このバック
コート層についても上記保護層と同様にして設けること
ができる。
【0102】本発明の感熱記録材料の記録面にサーマル
ヘッド等で加熱すると、ポリウレアおよび/またほポリ
ウレタンのカプセル壁が軟化し、カプセル外のカップリ
ング成分と塩基化合物がカプセル内に進入して発色す
る。発色後はジアゾニウム塩の吸収波長の光を照射する
ことにより、ジアゾニウム塩が分解しカップリング成分
との反応性を失うため画像の定着が行なわれる。
【0103】定着光源としては、種々の蛍光灯、キセノ
ンランプ、水銀灯などが用いられ、この発光スペクトル
が感熱記録材料で用いたジアゾニウム塩の吸収スペクト
ルにほぼ一致していることが効率よく定着でき好まし
い。本発明においてほ、発光中心波長が360〜440
nmの定着光源が特に好ましい。
【0104】本発明の感熱記録材料においては、互いに
発色色相の異なる感熱記録層を更に積層することによ
り、多色の感熱記録材料とすることができる。更に積層
する感熱記録層としては、光分解性のジアゾニウム塩を
含む感熱記録層が挙げられる。この多色の感熱記録材料
(感光感熱記録材料)については、特開平4−1357
87号公報、同4−144784号公報、同4−144
785号公報、同4−194842号公報、同4−24
7447号公報、同4−247448号公報、同4−3
40540号公報、同4−340541号公報、同5−
34860号公報、特開平3−28868号公報、特開
平5−194842号公報、特願平7−316280号
明細書等に記載されている。たとえば、フルカラー感熱
記録材料の層構成としては特に限定されるものではない
が、特に感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩とそれ
ぞれのジアゾニウム塩と熱時反応して異なった色相に発
色するカプラーとを組み合わせた感熱記録層2層(B
層、C層)と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物
とを組み合わせた感熱記録層(A層)とを積層した、フ
ルカラー感熱記録材料、または、上記感熱記録層2層
(B層、C層)と、更に、感光波長が異なるジアゾニウ
ム塩と該ジアゾニウム塩と、熱時に反応して呈色するカ
プラーを組み合わせた感熱記録層(A層)とを積層し
た、フルカラー感熱記録材料が好ましい。すなわち、支
持体側から、電子供与性無色染料と電子受容性化合物、
または最大吸収波長が350nmより短いジアゾニウム
塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応して呈色するカプラー
とを含有する第1の感熱記録層(A層)、極大吸収波長
360nm±20nmであるジアゾニウム塩と該ジアゾ
ニウム塩と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第
2の感熱記録層(B層)、極大吸収波長400±20n
mであるジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応
して呈色するカプラーを含有する第3の感熱記録層(C
層)とするものである。この例において、各感熱記録層
の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼ
ンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの
画像記録が可能となる。
【0105】フルカラー記録材料の場合の層構成は、イ
エロー、マゼンタ、シアンの各発色層はどのように積層
してもよいが、色再現性の点で、支持体側から、イエロ
ー、シアン、マゼンタまたはイエロー、マゼンタ、シア
ンの順に積層するのが好ましい。
【0106】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず
第3の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジ
アゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400±
20nmの光を照射してC層中に含まれている未反応の
ジアゾニウム塩を分解させたのち、第2の感熱記録層
(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれて
いるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。このと
きC層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム
塩は分解しており、発色能力が失われているので発色し
ない。さらに360±20nmの光を照射してB層に含
まれているジアゾニウム塩を分解して、最後に第1の感
熱記録層(A層)が発色する十分な熱を与えて発色させ
る。このときC層、B層の感熱記録層も同時に強く加熱
されるが、すでにジアゾニウム塩は分解しており発色能
力が失われているので発色しない。本発明の感熱記録材
料は上記のような多色感熱記録材料とすることが好まし
い。この場合、支持体面に直接積層される感熱記録層
(A層)の発色機構は、電子供与性染料と電子受容性化
合物との、組み合わせ、あるいは、ジアゾニウム塩と該
ジアゾニウム塩と熱時に反応して呈色するカプラーとの
組み合わせに限らず、塩基性化合物と接触して発色する
塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反
応をおこし発色する発色系等のいずれでもよく、この感
熱記録層上にジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と反応
し呈色するカプラーとを含有する感熱記録層を設けるこ
とにより多色感熱記録材料を構成しうる。
【0107】多色感熱記録材料とした場合、感熱記録層
相互の混色を防ぐため、中間層を設けることもできる。
この中間層はゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子
化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。
【0108】支持体上に光定着型感熱記録層を有する多
色感熱記録材料の場合、必要によりさらにその上層に光
透過率調整層もしくは保護層、または光透過率調整層お
よび保護層を有することが望ましい。光透過率調整層に
ついては、特開平9−39395号公報、特開平9−3
9396号公報、特願平7−208386号明細書等に
記載されている。
【0109】本発明において、光透過率調整層は、紫外
線吸収剤の前駆体として機能する成分を含有しており、
定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤とし
て機能しないので、光透過率が高く、光定着型感熱記録
層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過
させ、また、可視光線の透過率も高く、感熱記録層の定
着に支障は生じない。
【0110】この紫外線吸収剤の前駆体は、光定着型感
熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照
射が終了した後、光または熱などで反応することにより
紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の
波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、
透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上する
が、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率
は実質的に変わらない。
【0111】光透過率調整層は光定着型感熱記録材料中
に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは光
定着型感熱記録層と保護層との間に形成するのがよい
が、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよ
い。
【0112】
〔実施例1〕
(ジアゾニウム塩含有マイクロカプセル液Aの調製)酢
酸エチル19部にジアゾニウム塩(例示化合物A−1)
2.6部、トリクレジルホスフェート12部を添加して
均一に混合した。次いでこの混合液に壁材としてタケネ
ートD110N(武田薬品工業株式会社製)7.6部を
加え混合しI液を得た。次にフタル化ゼラチンの8%水
溶液46部、水17.5部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダの10%水溶液2.5部の混合液に上記I液を
添加しホモジナイザーを使用して40℃、10000r
pmで10分間乳化分散した。得られた乳化物に水20
部を加えて均一化した後、攪拌しながら40℃で3時間
マイクロカプセル化反応をおこなわせてジアゾニウム塩
含有マイクロカプセル液Aを得た。マイクロカプセルの
平均粒径は0.7〜0.9μmであった。 (カップリング成分乳化液Bの調製)酢酸エチル10.
5部にカップリング成分(例示化合物B−13)3部、
トリフェニルグアニジン3部、トリクレジルホスフェー
ト0.6部、マレイン酸ジエチル0.3部を溶解しII
液を得た。次に石灰処理ゼラチンの15%水溶液49
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの10%水溶液
9.5部、水35部を40℃で均一に混合した中にII
液を添加しホモジナイザーを使用して40℃、1000
0rpmで10分間乳化分散した。得られた乳化物を4
0℃で2時間攪拌して酢酸エチルを除去後、水を添加し
て、カップリング成分乳化液Bを得た。 (感熱記録層塗布液Cの調製)ジアゾニウム塩含有マイ
クロカプセル液A3.6部、水3.3部、カップリング
成分乳化液B9.5部を混合し、感熱記録層塗布液Cを
得た。 (保護層塗布液Dの調製)イタコン酸変性ポリビニルア
ルコール(KL−318;商品名、クラレ株式会社製)
6%水溶液100部とエポキシ変性ポリアミド(FL−
71;商品名、東邦化学株式会社製)30%の分散液1
0部とを混合した液に、ステアリン酸亜鉛40%の分散
液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式会社製)15
部を均一に混合し、保護層塗布液Dを得た。 (塗布)上質紙にポリエチレンをラミネートした印画紙
用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗布液C、保護
層塗布液Dの順に順次塗布したのち、50℃での乾燥を
行ない、目的の感熱記録材料を得た。感熱記録層及び保
護層の固形分としての塗布量は各々8.0g/m2
1.2g/m2 であった。
【0113】(発色試験)京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに
対する印加電力およびパルス幅を決め、感熱記録材料に
熱印画し画像を得たのち、発光中心波長420nm、出
力40Wの紫外線ランプを用いて、紫外光を15秒間全
面照射した。このときの発色濃度および地肌濃度を測定
した。発色部の濃度は1.5以上が使用可能範囲であ
り、地肌部の濃度は0.15以下が使用可能範囲であ
る。 (耐光性試験)京セラ株式会社製サーマルヘッド(KS
T型)を用いて発色させた発色部を、蛍光灯試験機を用
い、30000ルックスで24時間照射した後、発色部
および地肌部の濃度を測定した。蛍光灯照射後の発色部
の濃度の減少が少なく、地肌部の濃度の増加が少ない方
が、耐光性に優れている。 (生保存性試験)記録前の感熱記録材料を40℃、90
%RHの条件下24時間強制保存した。強制保存後、上
記発色試験を行ない、発色部の濃度を測定した。強制保
存後の発色部の濃度が大きい方が、生保存性に優れてい
る。 (濃度測定)発色部、地肌部の濃度は、マクベス濃度計
「MacbethRD918」(マクベス社製)を用
い、発色部の濃度は、Mポジションでの濃度を測定し、
地肌部の濃度は、Yポジションでの濃度を測定した。
【0114】〔実施例2〕ジアゾニウム塩として例示化
合物A−2を用いた他は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。
【0115】〔実施例3〕ジアゾニウム塩として例示化
合物A−3を用いた他は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。
【0116】〔実施例4〕ジアゾニウム塩として例示化
合物A−16を用いた他は実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、評価した。
【0117】〔実施例5〕カップリング成分として例示
化合物B−25を用いた他は実施例1と同様にして感熱
記録材料を作製し、評価した。
【0118】〔比較例1〕下記ジアゾニウム塩C−1を
用いた他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
し、評価した。
【0119】〔比較例2〕下記ジアゾニウム塩C−2を
用いた他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
し、評価した。
【0120】
【化19】
【0121】結果を以下に示す。
【0122】
【表1】
【0123】以上の実施例・比較例の結果から、本発明
の感熱記録材料は、発色濃度が極めて高く、画像定着後
に蛍光灯を長時間照射しても、発色部の濃度が大幅に低
下せず、地肌部の濃度が低く保たれていることが分か
る。また、強制保存試験後に熱印画しても、高い発色性
能を示すことが分かる。一方、4位にアシルアミノ基を
有していないジアゾニウム塩(比較例1、比較例2)の
場合は、画像定着後に蛍光灯を長時間照射すると、発色
部における褪色が著しく、地肌部の濃度が高くなること
が分かる。また、強制保存試験後に熱印画すると、発色
濃度の低下が著しいことが分かる。
【0124】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、得られる発色
画像の発色濃度が極めて高く、かつ、得られた画像が堅
牢である。すなわち、光による発色部の褪色が少なく、
地肌部の着色が少ない。さらに、本発明の感熱記録材料
は、使用前の保存安定性に優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ジアゾニウム塩及びカップ
    リング成分を含む感熱記録層を設けた感熱記録材料にお
    いて、該ジアゾニウム塩が、下記一般式(1)で表され
    る化合物であり、該ジアゾニウム塩が、マイクロカプセ
    ルに含有されていることを特徴とする感熱記録材料。 【化1】 (式中、R1 は、アルキル基、アリール基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、またはアリ
    ールアミノ基を表し、R2 、R3 は、それぞれ独立にア
    ルキル基またはアリール基を表し、Tは、水素原子、ア
    ルキル基、アシルアミノ基、またはハロゲン原子を表
    し、Uは、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子
    を表す。R3 とT、TとR1 、R1 とR2 、R2 とUと
    が、それぞれ結合して環を形成してもよい。X- は陰イ
    オンを表す。)
  2. 【請求項2】 前記ジアゾニウム塩が下記一般式(2)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の感熱記録材料。 【化2】 (式中、R1 は、アルキル基、アリール基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールア
    ミノ基を表し、R2 、R3 は、それぞれ独立にアルキル
    基を表し、R1 とR2 とが、結合して環を形成してもよ
    い。X- は陰イオンを表す。)
  3. 【請求項3】 前記カップリング成分が下記一般式
    (3)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の感熱記録材料。 【化3】 (式中、E1 、E2 はそれぞれ独立に電子吸引性基を表
    す。E1 とE2 とが結合して環を形成してもよい。)
  4. 【請求項4】 前記マイクロカプセルのカプセル壁が、
    ポリウレタンおよび/またはポリウレアを構成成分とし
    て含むカプセル壁であることを特徴とする請求項1から
    3までのいずれか一項に記載の感熱記録材料。
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