JPH11116544A - ジアゾニウム塩およびこれを含む感熱記録材料 - Google Patents

ジアゾニウム塩およびこれを含む感熱記録材料

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JPH11116544A
JPH11116544A JP9271395A JP27139597A JPH11116544A JP H11116544 A JPH11116544 A JP H11116544A JP 9271395 A JP9271395 A JP 9271395A JP 27139597 A JP27139597 A JP 27139597A JP H11116544 A JPH11116544 A JP H11116544A
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diazonium salt
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heat
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JP9271395A
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Yoshihiro Jinbo
良弘 神保
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 爆発性の懸念の小さく、また比較的長波(4
00nm以上)の光で分解が可能なジアゾニウム塩を提
供し、さらに画像定着後の地肌部の着色が少なく、発色
画像の発色濃度が十分高く、得られた画像が堅牢な感熱
記録材料を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるジアゾニウ
ム塩、及びこれを含有する感熱記録材料。 【化1】 式中、R1 およびR2 は各々独立にアルキル基またはア
リール基を表し、Tは水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、またはOR3 (R3 はアルキル基、
またはアリール基を表す。)を表し、UおよびVは各々
独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、またはOR4 (R4 はアルキル基またはアリール基
を表す。)を表し、X- は陰イオンを表す。ただし、少
なくともUおよびVのいずれか1つはOR4 である。R
1 とR2 、R2 とT、TとU、およびUとVが結合して
環を形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なジアゾニウ
ム塩に関する。また、本発明はジアゾニウム塩とカプラ
ーを発色成分として用いる感熱記録材料に関し、特に画
像定着後の地肌部の着色が改良された感熱記録材料に関
する。本発明はさらに、記録時の発色濃度が高く、得ら
れた画像が堅牢な感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】アゾ色素化合物の合成法については古く
から種々の方法が知られており、「新実験化学講座」
(丸善株式会社)14−III 巻、1516〜1534頁
に記載されているように、酸化反応による合成、還元反
応による合成、置換反応による合成、付加反応による合
成、縮合反応による合成、その他の合成法などがあっ
た。しかしながら、アゾ色素化合物の工業的製造法とし
て利用されているのは、原料の入手性、コスト、収率な
どの点からジアゾニウム塩とアニリン、フェノール類な
どのカプラーとをアゾカップリング反応させて合成する
方法がほとんどであり、また、この方法もジアゾニウム
塩の爆発の危険性があった。したがって、爆発の懸念の
小さい安定なジアゾニウム塩の開発も要請されていた。
また、これまでに400nmより長波の光源で光分解可
能なジアゾニウム塩として幾つかの骨格が提案されてい
る。例えば「Photosensitive Diazo Compoundsand thei
r uses 」(1964 the Focal Press London and Ne
w York 」p.57−86、「J.Inf.Rec.Mater 」(1
990、、p.383−395)に詳しい。
【0003】しかしながら、これらの化合物においては
光分解速度が小さい、安定性が低い、等の問題点があ
り、感熱記録材料への適用は困難であった。ジアゾニウ
ム塩は非常に化学的活性の高い化合物であり、フェノー
ル誘導体や活性メチレン基を有する、いわゆるカプラー
と呼ばれる化合物と反応して容易にアゾ染料を形成する
と共に、感光性をも有し光照射によって分解し、その活
性を失う。そこでジアゾニウム塩はジアゾコピーに代表
される光記録材料として古くから利用されている(日本
写真学会編「写真工学の基礎−非銀塩写真編−」コロナ
社(1982)p.89〜117、p.182〜201
参照)。更に光によって分解し活性を失う性質を利用し
て、最近では画像の定着が要求される記録材料にも応用
され、代表的なものとして、ジアゾニウム塩とカプラー
を画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形成させ
た後光照射して画像を定着する、光定着型感熱記録材料
が提案されている(佐藤弘次ら 「画像電子学会誌」第
11巻 第4号(1982)p.290−296な
ど)。
【0004】しかしながら、ジアゾニウム塩を発色要素
として用いたこれらの記録材料は、ジアゾニウム塩の化
学的活性が非常に高く、暗所であってもジアゾニウム塩
が徐々に熱分解してその反応性を失うので、記録材料と
してのシェルフライフが短いという欠点があった。この
ようなジアゾニウム塩の不安定さを改善する手段として
は様々な方法が提案されているが、最も有効な手段の一
つとして、ジアゾニウム塩をマイクロカプセル中に内包
させる方法がある。このようにジアゾニウム塩をマイク
ロカプセル化することにより、ジアゾニウム塩は水や塩
基といった分解を促進させるものから隔離されるので、
その分解は著しく抑制され、これを用いた記録材料のシ
ェルフライフも飛躍的に向上する(宇佐美智正ら「電子
写真学会誌」第26巻 第2号(1987)p.115
〜125)。
【0005】ジアゾニウム塩をマイクロカプセル中に内
包させる一般的な方法は、疎水性溶媒にジアゾニウム塩
を溶解させ(油相)、これを水溶性高分子を溶解した水
溶液中(水相)に加えてホモジナイザー等で乳化分散す
ると共に、マイクロカプセルの壁材となるモノマーある
いはプレポリマーを油相側または水相側の何れかあるい
は両方に添加しておくことにより、油相と水相の界面で
重合反応を生じさせ、あるいは、ポリマーを析出させる
ことにより高分子化合物の壁を形成させ、マイクロカプ
セルとする方法である。これらの方法は、例えば近藤朝
士著、「マイクロカプセル」日刊工業新聞社(1970
年発行)、近藤保ら著、「マイクロカプセル」三共出版
(1977年発行)などに詳しい。形成されるマイクロ
カプセル壁としては、架橋ゼラチン、アルギン酸塩、セ
ルロース類、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹
脂、ナイロン樹脂など様々なものが使用可能である。
【0006】ウレア樹脂やウレタン樹脂のようにガラス
転移温度を有し、そのガラス転移温度が室温よりやや高
い壁を有するマイクロカプセルの場合には、室温におけ
るカプセル壁は物質非透過性を示す一方、ガラス転移温
度以上では物質透過性を示すため、熱応答性マイクロカ
プセルと呼ばれ、感熱記録材料に有用である。
【0007】即ち、支持体上に、ジアゾニウム塩を含有
した熱応答性マイクロカプセルとカプラー及び塩基を含
有する感熱記録層を設けた感熱記録材料により、ジアゾ
ニウム塩を長期間安定に保存させることができると共
に、加熱により容易に発色画像を形成させることができ
る上、光照射により画像を定着することも可能となる。
上述したようにジアゾニウム塩のマイクロカプセル化に
より、感熱記録材料としての安定性を飛躍的に向上させ
ることが可能である。しかしながら、このようにジアゾ
ニウム塩をマイクロカプセル化しても、感熱記録材料と
しては種々問題点を有している。その一つとして、ジア
ゾニウム塩を定着した後の着色が挙げられる。すなわち
従来のジアゾニウム塩を使用する感熱記録材料は、熱印
画した後、不要なジアゾニウム塩を光分解して、カプラ
ーとの反応性を失わせるが、この光分解の後、長期間、
太陽光や室内光等の光に曝すと、所望しない着色が発生
するという問題を有していた。また、ジアゾニウム塩自
身の熱安定性の問題が挙げられる。すなわちジアゾニウ
ム塩自身の熱安定性が不十分な場合には、使用前の保存
時にジアゾニウム塩が分解して、充分な発色濃度が得ら
れなくなるという問題を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、爆発
性の懸念の小さいジアゾニウム塩を提供すること、およ
び比較的長波(400nm以上)の光で分解が可能なジ
アゾニウム塩を提供することである。また、本発明の目
的は、画像定着後の地肌部の着色が少なく、発色画像の
発色濃度が十分高く、得られた画像が堅牢な感熱記録材
料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのジアゾ
ニウム塩の安定性および光分解性に着目して鋭意検討を
重ね、下記一般式(1)で表されるジアゾニウム塩が安
定であり、比較的長波(400nm以上)の光で光分解
が可能であることを見出した。また一般式(1)で表さ
れるジアゾニウム塩を用いることにより、画像定着後の
着色が小さく、また発色画像の発色濃度が十分高く、得
られた画像が堅牢である感熱記録材料を提供できること
を見出し本発明に至った。すなわち、本発明はジアゾニ
ウム塩が下記一般式(1)で表されることを特徴とす
る。また、本発明の感熱記録材料は、支持体上に、ジア
ゾニウム塩及びカプラーを含む感熱記録層を設けた感熱
記録材料において、該ジアゾニウム塩が下記一般式
(1)で表される化合物であり、該ジアゾニウム塩が、
マイクロカプセルに含有されていることを特徴とする。
【0010】
【化5】
【0011】式中、R1 およびR2 は各々独立にアルキ
ル基またはアリール基を表し、Tは水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アリール基、またはOR3 (R3
アルキル基、またはアリール基を表す。)を表し、Uお
よびVは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、またはOR4 (R4 はアルキル基また
はアリール基を表す。)を表し、X- は陰イオンを表
す。ただし、少なくともUおよびVのいずれか1つはO
4 である。R1 とR2 、R2 とT、TとU、またはU
とVが結合し環を形成してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のジアゾニウム塩は前記一般式(1)で表
される。式中、R1 およびR2 は各々独立にアルキル基
またはアリール基を表し、Tは水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、またはOR3 (R3 はア
ルキル基、またはアリール基を表す。)を表し、Uおよ
びVは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、またはOR4 (R4 はアルキル基また
はアリール基を表す。)を表し、X- は陰イオンを表
す。ただし、少なくともUおよびVのいずれか1つはO
4 である。R1 とR2 、R2 とT、TとU、またはU
とVが結合し環を形成してもよい。式中、R1 、R2
3 およびR4 は各々独立にアルキル基またはアリール
基を表し、この中でも安定性の観点からアルキル基が好
ましい。R1 、R2 、R3 およびR4 で表されるアルキ
ル基は、無置換でもまた置換基を有していてもよく、そ
の置換基としては例えば、フェニル基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル
基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンア
ミド基、スルファモイル基、カルボキシ基、スルホン酸
基、アシル基、ヘテロ環基、等が挙げられる。R1 、R
2 、R3 およびR4 で表されるアルキル基としては、炭
素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、ノニル基、ウンデシル基、2−
ベンゾイルオキシエチル基、2−(4−ブトキシフェノ
キシ)メチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル
基、トリクロロメチル基、クロロメチル基が好ましい。
【0013】R1 、R2 、R3 およびR4 で表されるア
リール基としては、無置換でもまた置換基を有していて
もよく、その置換基としては例えば、フェニル基、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキ
シカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カ
ルバモイル基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
スルホンアミド基、スルファモイル基、カルボキシ基、
スルホン酸基、アシル基、ヘテロ環基、等が挙げられ
る。R1 、R2 、R3 およびR4 で表されるアリール基
は炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル
基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、
4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキ
シカルボニルフェニル基、3−クロロフェニル基、等が
挙げられる。
【0014】T、UおよびVで表されるハロゲン原子
は、フッ素、塩素、臭素が好ましく、塩素が特に好まし
い。T、UおよびVで表されるアルキル基は、無置換で
もまた置換基を有していてもよく、その置換基としては
例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキ
シ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルフ
ァモイル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、
ヘテロ環基、等が挙げられる。T、UおよびVで表され
るアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が
好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、アミル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ベンジル
基、α−メチルベンジル基、クロロエチル基、トリクロ
ロメチル基、トリフルオロメチル基、2−メトキシエチ
ル基、2−(イソプロポキシ)エチル基、2−フェノキ
シエチル基、等が好ましい。
【0015】T、UおよびVで表されるアリール基とし
ては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例え
ば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−シアノフ
ェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、等が好
ましい。T、UおよびVで表されるアリール基は、無置
換でも、また置換基を有していてもよく、その置換基と
しては例えば、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルキ
ルスルフェニル基、アルキルスルホニル基が好ましい。
- は陰イオンを表す。X- で表される陰イオンは、無
機陰イオンとしては、ヘキサフルオロリン酸イオン、ホ
ウフッ化水素酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン、硫
酸水素イオンが好ましく、ヘキサフルオロリン酸イオ
ン、ホウフッ化水素酸イオンが特に好ましい。有機陰イ
オンとしては、ポリフルオロアルキルカルボン酸イオ
ン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオン、テトラフ
ェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族
スルホン酸イオンが好ましい。以下に、本発明の一般式
(1)で表されるジアゾニウム塩の具体例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】一般式(1)で表されるジアゾニウム塩は
既知の方法で製造することが可能である。すなわち、対
応するアニリンを酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニト
ロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用いてジアゾ化する
ことにより得られる。
【0021】本発明のジアゾニウム塩の安定化のために
塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化合
物を形成させてジアゾニウム塩の安定化を行なうことも
できる。これらのジアゾニウム塩は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0022】本発明において使用できるカプラーとして
は、塩基性雰囲気および/または中性雰囲気でジアゾニ
ウム塩とカップリングして色素を形成するものであれば
いずれの化合物も可能である。ハロゲン化銀写真感光材
料用のいわゆる4当量カプラーはすべてカプラーとして
使用可能である。これらは目的とする色相に応じて選択
することが可能である。例えば、カルボニル基の隣にメ
チレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノ
ール誘導体、ナフトール誘導体などがあり、具体例とし
て下記のものが挙げられ本発明の目的に合致する範囲で
使用される。
【0023】本発明の感熱記録材料において使用するカ
プラーとしては、前記一般式(4)で表される化合物
が、特に、好ましい。次に、一般式(4)で表されるカ
プラーについて詳細に述べる。式中E1 、E2 で表され
る電子吸引性基とは、HammettのσP 値が正であ
る置換基を意味し、これらは同一であっても、異なって
いても良く、アシル基、アルコキシカルボニル基、カル
バモイル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基、ホスホノ基等
が好ましい。アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル
基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフ
ルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニ
ル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベ
ンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4
−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基、メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メト
キシエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカ
ルボニル基等のオキシカルボニル基、カルバモイル基、
N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカ
ルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−
〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモ
イル基、N−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニ
ル〕カルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカル
バモイル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル
基、トルエンスルホニル基等のアルキルスルホニル基ま
たはアリールスルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホ
スホノ基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチ
アゾール−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−
4−オン−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−
4−スルホン−2−イル基等の複素環基、ニトロ基、イ
ミノ基、シアノ基が好ましい。
【0024】また、E1 、E2 で表される電子吸引性基
は、両者が結合し環を形成してもよい。E1 、E2 で形
成される環としては5ないし6員の炭素環あるいは複素
環が好ましい。
【0025】本発明において使用できるカプラーの具体
例を挙げると、レゾルシン、フロログルシン、2,3−
ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタ
レン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキ
シ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロ
キシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロ
キシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルア
ミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2
−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキ
シ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルア
ミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロ
キシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホ
ン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナ
フタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−
ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフ
トエ酸アニリド、5,5−ジメチル−l,3−シクロヘ
キサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−
(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シ
クロへキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカル
ボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5
−ジーn−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロ
ヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツ
ール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、
N−n−オクチル−N’−n−オタタデシルバルビツー
ル酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチ
ルオキジフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス
(オタタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール
酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−
(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−
5−ビラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニ
ル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロ
キシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキ
シル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルア
セトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルア
セトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリ
ル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、
ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリ
ド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイ
ル)−1−ビバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2
−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−
メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−
2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセ
チル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロ
ピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフ
ェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾー
ル等がある。カプラーの詳細については、特開平4−2
01483号、特開平7−223367号、特開平7−
223368号、特開平7−323660号、特願平5
−278608号、特願平5−297024号、特願平
6−18669号、特願平6−18670号、特願平7
−316280号、特願平8−027095号、特韻平
8−027096号、特願平8−030799号、特願
平8−12610号、特願平8−132394号、特願
平8−358755号、特願平8−358756号、特
願平9−069990号等に記載されている。
【0026】以下に、本発明の一般式(4)で表される
カプラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】本発明の感熱記録材料は、その使用前の生
保存性を良好とするために、ジアゾニウム塩をマイクロ
カプセルに内包させる。その形成方法は既に公知の方法
を用いることができる。カプセル壁を形成する高分子物
質は常温では不透過性であり、加熱時に透過性となるこ
とが必要であり、特にがラス転移温度が60−200℃
のものが好ましい。これらの例として、ポリウレタン、
ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレート
共重合体およびこれらの混合系をあげることができる。
【0033】マイクロカプセル形成法としてほ、界面重
合法および内部重合法が適している。カプセル形成方法
の詳細およびリアクタントの具体例については、米国特
許第3,726,804号、同第3,796,669号
等の明納言に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウ
レタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソシ
アネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成する第
2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒体ま
たはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれ
らを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分
子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。な
お上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアが生
成する。本発明においては、マイクロカプセル壁を形成
する高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中がら
選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。以下
に、本発明におけるジアゾニウム塩内包マイクロカプセ
ル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について
述べる。
【0034】まず、ジアゾニウム塩はカプセルの芯とな
る疎水性の有機溶媒に溶解または分散させる。この場合
の有機溶媒としてほ、沸点100〜300℃の有機溶媒
が好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネート
が壁材として添加される(油相)。
【0035】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ボモジナイサー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
【0036】多価イソシアネートの使用量は、マイクロ
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。水相
中にポリオールを添加しておけば、多価イソシアネート
とポリオールが反応してポリウレタン壁を形成すること
もできる。反応速度を速めるために反応温度を高く保
ち、あるいは適当な重合触媒を添加することが好まし
い。多価イソシアネート、ポリオール、反応触媒、ある
いは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等につ
いては成書に詳しい(岩日敬治 編 ポリウレタンハン
ドブック日刊工業新聞社(1987))。
【0037】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にほキシレン
ジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその
水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリ
メチロールプロパンなどのポリオールとキシリレンジイ
ソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体
として多官能としたもの、トリメチロールプロパンなど
のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能
イソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド
等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物
を導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリ
ン縮合物などが挙げられる。特開昭62−212190
号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−31
7694号公報、特願平8−268721号公報等に記
載の化合物が好ましい。
【0038】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としてほ、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、へキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
【0039】前記のジアゾニウム塩を溶解し、マイクロ
カプセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒として
は、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具体
的には、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタ
ン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、
アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エス
テル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル
類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エ
ステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エ
ステル類などが挙げられる。これらは2種以上混合して
用いてもよい。
【0040】カプセル化しようとするジアゾニウム塩の
これらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いよう
とするジアゾニウム塩の溶解性の高い低沸点溶媒を補助
的に併用することもできる。具体的には、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレ
ンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、
アセトンなどが挙げられる。このため、ジアゾニウム塩
はこれら高沸点疎水性有機溶媒、低沸点補助溶媒に対す
る適当な溶解度を有していることが好ましく、具体的に
は該溶剤に5%以上の溶解度を有していることが好まし
い。水に対する溶解度は1%以下が好ましい。
【0041】このようにして調製されたカプセルの油相
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0042】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないかあるいは、低いことが好まし
く、たとえばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミ
ノ基を有するものは、予め変成するなどして反応性をな
くしておくことが好ましい。また、界面活性剤を添加す
る場合には、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対し
て0.1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好
ましい。
【0043】乳化は、ホモジナイサー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同
士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝
突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0044】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸がスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾニウム塩内包マイク
ロカプセルを得ることができる。
【0045】本発明に用いられるカプラーは、塩基性物
質、その他の発色助剤等とともに、サンドミル等により
水溶性高分子とともに固体分散して用いることもできる
が、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解した後、こ
れを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイド
として有する水相と混合し、乳化分散物として用いても
良い。乳化分故を容易にする観点から、界面活性剤を用
いることが好ましい。
【0046】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点がら好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルと
の併用も可能である。
【0047】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいもの
として挙げることができる。場合により、高沸点オイル
を含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0048】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0049】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記
保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを
適宜選択して使用することができる。好ましい界面活性
剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アル
キル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリ
ウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることが
できる。
【0050】本発明においては、ジアゾニウム塩とカプ
ラーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を
加えることもできる。これらの有機塩基は、単独で用い
ても2種以上併用して用いることもできる。塩基性物質
としては、第3級アミン類、ピぺリジン類、ピペラジン
類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グア
ニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が挙げられ
る。特公昭52−46806号公報、特開昭62−70
082号公報、特開昭57−169745号公報、特開
昭60−94381号公報、特開昭57−123086
号公報、特開昭60−49991号公報、特公平2−2
4916号公報、特公平2−28479号公報、特開昭
60−165288号公報、特開昭57−185430
号公報に記載のものを使用できる。
【0051】これらの中でも、特に、N,N’−ビス
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ)ベンゼンなどのピペラジン類、N
−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒ
ドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,8−ビス
(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)
ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピ
ペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジ
ン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシル
フェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0052】本発明においては、ジアゾニウム塩1重量
部に対するカプラー及び塩基性物質の使用量は、それぞ
れ0.1〜30重量部であることが好ましい。
【0053】本発明においては、上記した有機塩基の他
にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えるこ
とができる。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高
くする、もしくは発色温度を制御する物質であり、カプ
ラー、塩基性物質、もしくはジアゾニウム塩等の融解点
を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用に
より、ジアゾニウム塩、塩基性物質、カプラー等が反応
しやすい状況を作るためのものである。
【0054】本発明に用いられる発色助剤として、例え
ば低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が行われるよう
に、発色層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導体、
アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン
類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミ
ド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物、ヒド
ロキシ化合物、等を加えることができる。
【0055】本発明の感熱記録材料においては、熱発色
面像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、または、定
着後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的で、以
下に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ましい。
上記の酸化防止剤については、例えばヨーロッパ公開特
許第223739号公報、同第309401号公報、同
第309402号公報、同第310551号公報、同第
310552号公報、同第459416号公報、ドイツ
公開特許第3435443号公報、特開昭54−485
35号公報、同62−262047号公報、同63−1
13536号公報、同63−163351号公報、特開
平2−262654号公報、特開平2−71262号公
報、特開平3−121449号公報、特開平5−611
66号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ
特許第4814262号、アメリカ特許第498027
5号等に記載されている。
【0056】更に、本発明においては感熱記録材料や感
圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加
剤を用いることも有効である。これらの各種添加剤の具
体例としては、特開昭60−107384号公報、同6
0−107383号公報、同60−125470号公
報、同60−125471号公報、同60−12547
2号公報、同60−287485号公報、同60−28
7486号公報、同60−287487号公報、同60
−287488号公報、同61−160287号公報、
同61−185483号公報、同61−211079号
公報、同62−146678号公報、同62−1466
80号公報、同62−146679号公報、同62−2
82885号公報、同63−051174号公報、同6
3−89877号公報、同63−88380号公報、同
63−088381号公報、同63−203372号公
報、同63−224989号公報、同63−25128
2号公報、同63−267594号公報、同63−18
2484号公報、特開平1−239282号公報、同4
−291685号公報、同4−291684号公報、同
5−188687号公報、同5−188686号公報、
同5−110490号公報、同5−170361号公
報、特公昭48−043294号公報、同48−033
212号公報等に記載されてる化合物を挙げることがで
きる。
【0057】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2.4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0058】これらの酸化防止剤および各種添加剤の添
加重は、ジアゾニウム塩1重量部に対して0.05〜1
00重量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜
30重量部であることが好ましい。このような公知の酸
化防止剤および各種添加剤はジアゾニウム塩と共にマイ
クロカプセル中に含有させて用いることも、あるいはカ
プラーや塩基性物質、その他の発色助剤と共に、固体分
散物として、もしくは適当な乳化助剤と共に乳化物にし
て用いることも、あるいはその両方の形態で用いること
もできる。また酸化防止剤および各種添加剤を単独また
は複数併用することができるのは勿論である。また、保
護層に添加または存在させることもできる。
【0059】これらの酸化防止剤および各種添加剤は同
一層に添加しなくてもよい。更にこれらの酸化防止剤お
よび各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合には、ア
ニリン類、アルコキシベンゼン類、ビンダードフェノー
ル類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、り
ん化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに異
なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを
複数組み合わせることもできる。
【0060】本発明の感熱記録材料には、記録後の地肌
部の黄着色を軽減する目的で光重合性組成物等に用いら
れる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合
物)を加えることができる。遊離基発生剤としては、芳
香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエー
テル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキ
シムエステル類などが挙げられる。添加する量は、ジア
ゾニウム塩1重量部に対して、連離基発生剤0.01〜
5重量部が好ましい。
【0061】また同様に黄着色を軽減する目的で、エチ
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビ
ニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニルモ
ノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレ
ン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する
化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を
持つものである。これらの例として、不飽和カルボン酸
及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化
合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジア
ゾニウム塩1重量部に対して0.2〜20重量部の割合
で用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジア
ゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有して用いる
こともできる。
【0062】本発明では以上の素材の他に酸安定剤とし
てクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロ
リン酸等を添加することができる。
【0063】本発明の感熱記録材料は、ジアゾニウム塩
を含有したマイクロカプセル、カプラー、及び有機塩
基、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、紙や合
成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード塗
布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティン
グ塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等
の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜30g
/m2 の感熱層を設けることが好ましい。本発明の感熱
記録材料においては、マイクロカプセル、カプラー、塩
基などが同一層に含まれていてもよいが、別層に含まれ
るような積層型の構成をとることもできる。また、支持
体の上に特願昭59−177669号明細書等に記載さ
れているような中間層を設けた後、感熱層を塗布するこ
ともできる。
【0064】本発明の感熱記録材料において使用される
バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテ
ックス類などを使用することができる。水溶性高分子化
合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビ
アゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カル
ボキシ変性ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン
変性ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル
酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等
及びこれらの変性物等が挙げられ、ラテックス類として
は、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸
メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマル
ジョン等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシエチル
セルロース、でんぷん誘導体、ゼラチン、ポリビニルア
ルコール誘導体、ポリアクリル酸アミド誘導体等が挙げ
られる。
【0065】本発明の感熱記録材料に使用できる顔料と
しては、有機、無機を問わず公知のものを使用すること
ができる。具体的には、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリ
カ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バ
リウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿
素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、
セルロースフィラー等が挙げられる。
【0066】本発明の感熱記録材料においてはその必要
に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電
剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆
体など各種添加剤を使用することができる。
【0067】本発明の感熱記録材料には必要に応じて記
録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要に応
じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料とし
ては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、
珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼ
イン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチ
レン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポ
リアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリ
スチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水
溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテ
ックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテック
ス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢
酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いられる、
保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より一層保存
安定性を向上させることもでき、その架橋剤としては公
知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−メ
チロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマ
リン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタル
アルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の
無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが挙
げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石鹸、
ワックス、界面活性剤などを使用することもできる。保
護層の塗布量は0.2〜5g/m2 が好ましく、さらに
は0.5〜2g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.
2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好まし
い。
【0068】本発明の感熱記録材料に保護層を使用する
場合、保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体を含
有させてもよい。
【0069】本発明の支持体としては、通常の感圧紙や
感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用いられる紙
支持体はいずれも使用することができる他、酸性紙、中
性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、
合成紙、プラスチックフィルムなどを使用することがで
きる。支持体のカールバランスを補正するため或いは、
裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バックコート
層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙
を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。このバック
コート層についても上記保護層と同様にして設けること
ができる。
【0070】本発明の感熱記録材料の記録面をサーマル
ヘッド等で加熱すると、ポリウレアおよび/またはポリ
ウレタンのカプセル壁が軟化し、カプセル外のカプラー
と塩基化合物がカプセル内に浸入して発色する。発色後
はジアゾニウム塩の吸収波長の光を照射することによ
り、ジアゾニウム塩が分解しカプラーとの反応性を失う
ため画像の定着が行なわれる。
【0071】定着光源としては、種々の蛍光灯、キセノ
ンランプ、水銀灯などが用いられ、この発光スペクトル
が感熱記録材料で用いたジアゾニウム塩の吸収スペクト
ルにほぼ一致していることが効率よく定着するために好
ましい。本発明においては、発光中心波長が360〜4
40nmの定着光源が特に好ましい。
【0072】本発明の感熱記録材料においては、互いに
発色色相の異なる感熱記録層を更に積層することによ
り、多色の感熱記録材料とすることができる。更に積層
する感熱記録層としては,光分解性のジアゾニウム塩を
含む感熱記録層が挙げられる。
【0073】この多色感熱記録材料(感光感熱記録材
料)については、特開平3−288688号公報、同4
−135787号公報、同4−144784号公報、同
4−144785号公報、同4−194842号公報、
同4−247447号公報、同4−247448号公
報、同4−340540号公報、同4−340541号
公報、同5−34860号公報、同5−194842号
公報、特願平7−316280号公報等に記載されてい
る。例えば、フルカラー感熱記録材料の層構成としては
特に限定されるものではないが、特に感光波長が異なる
2種のジアゾニウム塩をそれぞれのジアゾニウム塩と熱
時反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合わ
せた感熱記録層2層(B層、C層)と、電子供与性無色
染料と電子受容性化合物とを組み合わせた感熱記録層
(A層)とを積層したフルカラー感熱記録材料、または
上記感熱記録層2層(B層、C層)と更に感光波長が異
なるジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時に反応し
て呈色するカプラーを組み合わせた感熱記録層(A層)
とを積層したフルカラー感熱記録材料が好ましい。すな
わち、支持体側から電子供与性無色染料と電子受容性化
合物、または最大吸収波長が350nmより短いジアゾ
ニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応して呈色するカ
プラーとを含有する第一の感熱記録層(A層)、極大吸
収波長が360nm±20nmであるジアゾニウム塩と
該ジアゾニウム塩と熱時反応して呈色するカプラーを含
有する第二の感熱記録層(B層)、極大吸収波長が40
0±20nmであるジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩
と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第三の感熱
記録層(C層)とするものである。この例において、各
感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエ
ロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フ
ルカラーの画像記録が可能となる。フルカラー記録材料
の場合の層構成は、イエロー、マゼンタ、シアンの各発
色層はどのように積層してもよいが、色再現性の点で、
支持体側から、イエロー、シアン、マゼンタ、またはイ
エロー、マゼンタ、シアンの順に積層するのが好まし
い。
【0074】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず
第三の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジ
アゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400±
20nmの光を照射してC層中に含まれている未反応の
ジアゾニウム塩を分解させる。次に、第二の感熱記録層
(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれて
いるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。このと
きC層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム
塩は分解しており、発色能力が失われているので発色し
ない。この後360±20nmの光を照射してB層に含
まれているジアゾニウム塩を分解させる。最後に、第一
の感熱記録層(A層)が発色するに十分な熱を与えて発
色させる。このときC層、B層の感熱記録層も同時に強
く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩は分解してお
り、発色能力が失われているので、発色しない。本発明
の感熱記録材料は上記のような多色感熱記録材料とする
ことが好ましい。
【0075】この場合、支持体面に直接積層される感熱
記録層(A層)の発色機構は電子供与性染料と電子受容
性染料との組み合わせ、あるいはジアゾニウム塩と該ジ
アゾニウム塩と熱時に反応して呈色するカプラーとの組
み合わせに限らず、塩基性化合物と接触して発色する塩
基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反応
を起こし発色する発色系等のいずれでもよい。この感熱
記録層上にジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と反応し
呈色するカプラーとを含有する感熱記録層を設けること
により多色感熱記録材料を構成しうる。多色感熱記録材
料とした場合、感熱記録層相互の混色を防ぐため、中間
層を設けることもできる。この中間層はゼラチン、フタ
ル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなどの水溶性高分子化合物からなり、適宜各種添
加剤を含んでいてもよい。
【0076】支持体上に光定着型感熱記録層を有する多
色感熱記録材料の場合、必要によりさらにその上層に光
透過率調整層もしくは保護層、または光透過率調整層お
よび保護層を設けることが望ましい。光透過率調整層に
ついては、特開平9−39395号公報、同9−393
96号公報、特願平7−208386号等に記載されて
いる。本発明において、光透過率調整層は、紫外線吸収
剤の前駆体として機能する成分を含有しており、定着に
必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能
しないので、光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定
着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、
また、可視光線の透過率も高く、感熱記録層の定着には
支障は生じない。この紫外線吸収剤の前駆体は、光定着
型感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の
光照射が終了した後、光または熱などで反応することに
より紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領
域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収さ
れ、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上す
るが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過
率は実質的に変わらない。光透過率調整層は光定着型感
熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も
望ましくは光定着型感熱記録層と保護層との間に形成す
るのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するよう
にしてもよい。
【0077】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。 実施例1 <化合物A−1の合成>3,6−ジ(n−オクチルオキ
シ)−2−メトキシアセトアニリド12.6g、濃塩酸
15ml、メタノール60mlの混合物を4時間加熱還
流した。反応混合物を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム
2.2g、水道水10mlの溶液を10分間で滴下し、
20℃で30分攪拌を続けた。ヘキサフルオロリン酸カ
リウム7.2g、水道水50mlの懸濁液を加え、30
℃で1時間攪拌した後10℃に冷却した。析出した結晶
を濾集し、水でかけ洗いした後、イソプロピルアルコー
ル30mlで再結晶した。化合物A−1を12.2g得
た。クロロホルム中の吸収極大432nm、291nm
であり、また吸光係数はそれぞれ3.99×103
1.16×104 であった。
【0078】実施例2 <化合物A−21の合成>2,5−ジ(n−オクチルオ
キシ)−3−メトキシアセトアニリド12.6g、濃塩
酸12.5ml、メタノール60mlの混合物を1時間
加熱還流した。反応混合物を0℃に冷却し、亜硝酸ナト
リウム2.2g、水道水10mlの溶液を10分間で滴
下し、10℃で20分間攪拌を続けた。ヘキサフルオロ
リン酸カリウム7.2g、水道水60mlの懸濁液を加
え、30℃で1時間攪拌した後5℃に冷却した。析出し
た結晶を濾集し、水、イソプロパノールでかけ洗いした
後、アセトニトリル/メタノール=1/5の溶媒120
mlで再結晶した。化合物A−21を10.7g得た。
クロロホルム中の吸収極大423nm、315nmであ
り、また吸光係数はそれぞれ3.46×103 、6.2
7×103 であった。
【0079】実施例3 実施例1及び2で得られたジアゾニウム塩A−1とA−
21、及び比較化合物1と2のメタノール溶液を高圧水
銀灯で照射し、光分解試験を行った。メタノール溶液は
各々ジアゾニウム塩を0.04mmol/lの濃度で調
整した。高圧水銀灯として、ウシオ製ランプ(OM−1
02)を用い、400nmより短波領域の光を遮断する
目的で、ランプにシャープカットフィルター(ケンコー
製、L−40)を用いて光照射を行った。その結果、A
−1およびA−21は速やかに極大吸収波長の減衰が観
察されたが、比較化合物1および2はほとんど変化しな
かった。このような簡易テストにより、本発明の化合物
A−1およびA−21は400nmより長波のランプで
定着可能なことがわかる。
【0080】
【化15】
【0081】
【化16】
【0082】実施例4 <ジアゾニウム塩含有マイクロカプセル液Aの調製>酢
酸エチル20部にジアゾニウム塩(例示化合物A−1)
2.6部、トリクレジルホスフェート10部を添加して
均一に混合した。次いでこの混合液に壁材としてタケネ
ートD110N(武田薬品工業株式会社製)7.6部を
加え混合しI液を得た。次にフタル化ゼラチンの8%水
溶液46部、水17.5部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダの10%水溶液2.5部の混合液に上記I液を
添加しホモジナイザーを使用して40℃、10000r
pmで10分間乳化分散した。得られた乳化物に水20
部を加えて均一化した後、攪拌しながら40℃で3時間
マイクロカプセル化反応を行わせてジアゾニウム塩含有
マイクロカプセル液Aを得た。マイクロカプセルの平均
粒径は0.8〜1.0μmであった。
【0083】<カプラー乳化液Bの調製>酢酸エチル1
1部にカプラー(例示化合物B−1)3部、トリフェニ
ルグアニジン3部、トリクレジルホスフェート1.0
部、マレイン酸ジエチル0.5部を溶解しII液を得た。
次に石灰処理ゼラチンの15%水溶液49部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダの10%水溶液9.5部、水
35部を40℃で均一に混合した中にII液を添加しホモ
ジナイザーを使用して40℃、10000rpmで10
分間乳化分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪
拌して酢酸エチルを除去後、水を添加して、カプラー乳
化液Bを得た。
【0084】<感熱記録層塗布液Cの調製>ジアゾニウ
ム塩含有マイクロカプセル液A3.6部、水3.3部、
カプラー乳化液B10.5部を混合し、感熱記録層塗布
液Cを得た。 <保護層塗布液Dの調製>イタコン酸変性ポリビニルア
ルコール(KL−318;商品名、クラレ株式会社製)
6%水溶液100部とエポキシ変性ポリアミド(FL−
71;商品名、東邦化学株式会社製)30%の分散液1
0部とを混合した液に、ステアリン酸亜鉛40%の分散
液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式会社製)15
部を均一に混合し、保護層塗布液Dを得た。 <塗布>上質紙にポリエチレンをラミネートした印画紙
用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗布液C、保護
層塗布液Dの順に順次塗布したのち、50℃での乾燥を
行ない、目的の感熱記録材料を得た。感熱記録層及び保
護層の固形分としての塗布量は各々8.0g/m2
1.6g/m2 であった。
【0085】<発色試験>京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに
対する印加電力およびパルス幅を決め、感熱記録材料に
熱印画し画像を得たのち、発光中心波長420nm、出
力40Wの紫外線ランプを用いて、紫外光を15秒間全
面照射した。このときの発色濃度および地肌濃度を測定
した。発色部の濃度は1.5以上が使用可能範囲であ
り、地肌部の濃度は0.15以下が使用可能範囲であ
る。 <耐光性試験>京セラ株式会社製サーマルヘッド(KS
T型)を用いて発色させた発色部を、蛍光灯試験機を用
い、30000ルックスで24時間照射した後、発色部
および地肌部の濃度を測定した。蛍光灯照射後の発色部
の濃度の減少が少なく、地肌部の濃度の増加が少ない方
が、耐光性に優れている。 <濃度測定>発色部、地肌部の濃度は、マクベス濃度計
「MacbethRD918」(マクベス社製)を用
い、発色部の濃度、地肌部の濃度とも、Yポジションで
の濃度を測定した。
【0086】実施例5 ジアゾニウム塩として例示化合物A−2を用いた他は実
施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価した。 実施例6 ジアゾニウム塩として例示化合物A−3を用いた他は実
施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価した。 実施例7 ジアゾニウム塩として例示化合物A−16を用いた他は
実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価し
た。 実施例8 カプラーとして例示化合物B−25を用いた他は実施例
1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価した。
【0087】〔比較例1〕下記比較化合物3を用いた他
は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価し
た。
【化17】
【0088】〔比較例2〕下記比較化合物4を用いた他
は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価し
た。
【化18】
【0089】結果を以下に示す。
【表1】
【0090】以上の実施例・比較例の結果から、本発明
のジアゾニウム塩を用いる感熱記録材料は、発色濃度が
極めて高く、画像定着後に蛍光灯を長時間照射(耐光性
試験)しても、発色部の濃度が大幅に低下せず、地肌部
の濃度が低く保たれていることが分かる。一方、3位に
アルコキシ基またはアリールオキシ基を有していない比
較化合物3のものは発色試験における発色部濃度がやや
劣る他、耐光性試験における発色部の褪色が著しく、ま
た同じく比較化合物4の場合は発色試験における地肌濃
度がやや高い他、耐光性試験の結果では地肌濃度が非常
に高くなることが分かる。
【0091】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、得られる発色
画像の発色濃度が極めて高く、かつ、得られた画像が堅
牢である。すなわち、光による発色部の褪色が少なく、
地肌部の着色が少ない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるジアゾニウ
    ム塩。 【化1】 式中、R1 およびR2 は各々独立にアルキル基またはア
    リール基を表し、Tは水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アリール基、またはOR3 (R3 はアルキル基、
    またはアリール基を表す。)を表し、UおよびVは各々
    独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
    基、またはOR4 (R4 はアルキル基またはアリール基
    を表す。)を表し、X- は陰イオンを表す。ただし、少
    なくともUおよびVのいずれか1つはOR4 である。R
    1 とR2 、R2 とT、TとU、またはUとVが結合して
    環を形成してもよい。
  2. 【請求項2】 支持体上に、ジアゾニウム塩及びカプラ
    ーを含む感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該
    ジアゾニウム塩が前記一般式(1)で表される化合物で
    あることを特徴とする感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 ジアゾニウム塩が下記一般式(2)また
    は(3)で表される化合物であることを特徴とする請求
    項2に記載の感熱記録材料。 【化2】 式中、R1 、R2 およびR4 は各々独立にアルキル基を
    表し、X- は陰イオンを表す。 【化3】 式中、R1 、R2 およびR4 は各々独立にアルキル基を
    表し、X- は陰イオンを表す。
  4. 【請求項4】 カプラーが下記一般式(4)で表される
    化合物であることを特徴とする請求項2に記載の感熱記
    録材料。 【化4】一般式(4) E1 −CH2 −E2 式中、E1 およびE2 は各々独立に電子吸引性基を表
    し、E1 およびE2 が結合して環を形成してもよい。
  5. 【請求項5】 ジアゾニウム塩がマイクロカプセルに内
    包されていることを特徴とする請求項2または3に記載
    の感熱記録材料。
  6. 【請求項6】 ジアゾニウム塩を内包するマイクロカプ
    セルのカプセル壁が、ポリウレタンおよび/またはポリ
    ウレアを構成成分として含むカプセル壁であることを特
    徴とする請求項5に記載の感熱記録材料。
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