JP2002144743A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2002144743A
JP2002144743A JP2000345694A JP2000345694A JP2002144743A JP 2002144743 A JP2002144743 A JP 2002144743A JP 2000345694 A JP2000345694 A JP 2000345694A JP 2000345694 A JP2000345694 A JP 2000345694A JP 2002144743 A JP2002144743 A JP 2002144743A
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Hisato Nagase
久人 長瀬
Yoshihiro Jinbo
良弘 神保
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 400nmより長波長の光源での光定着性に
優れ、地肌着色の少ない感熱記録材料を提供すること。 【解決手段】支持体上に、ジアゾ化合物とカプラーとを
含む感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記ジ
アゾ化合物は、マイクロカプセルに内包され、かつ、下
記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とす
る感熱記録材料である。 【化1】 [一般式(1)中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン、アル
キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、またはアリー
ルチオ基を表わし、R9は水素原子、アルキル基、また
はアルコキシ基を表わす。X-は陰イオンを表わす。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジアゾ化合物とカプ
ラーとを発色成分として用いる感熱記録材料に関し、特
に400nmより長波長の光源での光定着性に優れ、地
肌着色の少ない感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ジアゾ化合物は非常に化学的活
性の高い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレ
ン基を有するいわゆるカプラーと呼ばれる化合物と反応
して、容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有
し、光照射によって分解してその活性を失うという性質
を有する。そのためジアゾ化合物は、ジアゾコピーに代
表される光記録材料として古くから利用されている(日
本写真学会編「写真工学の基礎−非銀塩写真編−」コロ
ナ社(1982)P89〜P117、P182〜P20
1参照)。
【0003】また、最近では、ジアゾ化合物は、その光
によって分解し活性を失うという性質が利用されて、画
像の定着が要求される記録材料にも応用されている。代
表的なものとしては、「佐藤弘次ら、画像電子学会誌第
11巻 第4号(1982)、P290〜296」等に
ジアゾ化合物とカプラーとを画像信号に従って加熱して
反応させ、画像を形成した後、光照射して画像を定着す
る光定着型感熱記録材料が提案されている。
【0004】ジアゾ化合物を発色要素として用いたこれ
らの記録材料は、光定着を効率よくおこなうため、定着
工程で波長360nm前後の紫外線を照射することが一
般的であった。しかし、紫外線は、特殊な光源を必要と
し、さらに、目に対する影響が懸念されるなどの問題も
あるため、400nmより長波長の可視光線の光源に効
率よく定着し得るジアゾ化合物を用いた記録材料が求め
られていた。
【0005】しかしながら、従来のジアゾ化合物を用い
た記録材料では400nmより長波長の光源で失活させ
る際に、定着が遅く長時間かかる問題点があった。ま
た、定着を完全におこなう目的で長時間の光定着をおこ
なうと、定着によって生じた生成物がさらに反応し、地
肌白色度の低い発色画像となる可能性があるといった問
題点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、40
0nmより長波長の光源での光定着性に優れ、地肌着色
の少ない感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
手段によって達成することができる。 <1> 支持体上に、ジアゾ化合物とカプラーとを含む
感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記ジアゾ
化合物は、マイクロカプセルに内包され、かつ、下記一
般式(1)で表される化合物であることを特徴とする感
熱記録材料である。
【化4】 [一般式(1)中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン、アル
キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、またはアリー
ルチオ基を表わし、R9は水素原子、アルキル基、また
はアルコキシ基を表わす。X-は陰イオンを表わす。]
【0008】<2> 前記ジアゾ化合物は、下記一般式
(2)で表される化合物であることを特徴とする<1>
の感熱記録材料である。
【化5】 [一般式(2)中、R9は水素原子、アルキル基、また
はアルコキシ基を表わし、R10およびR11は、それぞれ
独立にアルキル基を表わす。R12,R13はそれぞれ独立
に水素原子、ハロゲン、アルキル基、またはアルコキシ
基を表わし、X-は陰イオンを表わす。]
【0009】<3> 前記カプラーは、下記一般式
(3)で表される化合物であることを特徴とする<1>
または<2>の感熱記録材料である。
【化6】 [一般式(3)中、E1およびE2はそれぞれ独立に電子
吸引性基を表わす。また、E1およびE2は、結合して環
を形成してもよい。]<4> 前記マイクロカプセルの
カプセル壁は、ポリウレタンおよび/またはポリウレア
を含むことを特徴とする<1>〜<3>の感熱記録材料
である。
【0010】
【発明の実施の形態】《感熱記録材料》本発明の感熱記
録材料は、支持体上に、ジアゾ化合物とカプラーとを含
む感熱記録層を有する感熱記録材料であって、該ジアゾ
化合物は、マイクロカプセルに内包され、かつ、下記一
般式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
【0011】
【化7】 [一般式(1)中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン、アル
キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、またはアリー
ルチオ基を表わし、R9は水素原子、アルキル基、また
はアルコキシ基を表わす。X-は陰イオンを表わす。]
【0012】本発明の感熱記録材料は、感熱記録層に一
般式(1)で表される化合物をマイクロカプセルに内包
して含むことで、400nmより長波長の光源での光定
着性に優れ、地肌着色の少ない感熱記録材料を提供する
ことができる。
【0013】<感熱記録層> 〔ジアゾ化合物〕本発明に係るジアゾ化合物は上記一般
式(1)で表わされることを特徴とする。本発明に係る
ジアゾ化合物は、有機溶媒に対して高い溶解性を示すた
め、均一な乳化分散液を容易に得ることができる。ま
た、400nmより長波長の光源に対して、優れた光分
解速度を示すため光定着性を大幅に向上させることがで
きる。
【0014】一般式(1)において、R1,R2,R3
4,R5,R6,R7およびR8はそれぞれ独立に水素原
子、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチ
オ基、またはアリールチオ基を表わす。上記R1,R2
3,R4,R5,R6,R7およびR8で表わされるハロゲ
ンとしては、塩素原子、臭素原子が好ましい。
【0015】上記R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
およびR8で表わされるアルキル基は、炭素数1〜30
のアルキル基が好ましく、1〜12のアルキル基がさら
に好ましい。また、該アルキル基は置換基を有していて
もよく、その置換基としては、例えばフェニル基、ハロ
ゲン、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバ
モイル基、シアノ基、カルボン酸基、スルホン酸基また
はヘテロ環基が好ましい。
【0016】上記R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
およびR8で表わされるアルキル基としては、特にメチ
ル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシ
ル基、オクタデシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−
ベンゾイルオキシエチル基、2−(4−ブトキシフェノ
キシ)エチル基、ベンジル基が好ましく、この中でもメ
チル基、エチル基、ブチル基、へプチル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基がさらに好まし
く、メチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシ
ル基が特に好ましい。
【0017】上記R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
およびR8で表わされるアルコキシ基は、炭素数1〜3
0のアルコキシ基が好ましく、1〜12のアルコキシ基
がさらに好ましい。また、該アルコキシ基は置換基を有
していてもよく、その置換基としては、例えばフェニル
基、ハロゲン、アルコキシ基、アリールオキシ基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ
基、カルバモイル基、シアノ基、カルボン酸基、スルホ
ン酸基またはヘテロ環基が好ましい。
【0018】上記R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
およびR8で表わされるアルコキシ基としては、特にメ
トキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ
基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキ
シ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オ
クタデシルオキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ク
ロロエトキシ基、2−フェノキシエトキシ基、2−(2
−ブトキシフェノキシ)エチル基、ベンジルオキシ基が
好ましく、この中でもメトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、オクチル
オキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基がさらに
好ましく、メトキシ基、ブトキシ基、ヘプチルオキシ
基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基が特に好まし
い。
【0019】上記R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
およびR8で表わされるアルキルチオ基は、炭素数1〜
30のアルキルチオ基が好ましく、1〜12のアルキル
チオ基がさらに好ましい。また、上記R1,R2,R3
4,R5,R6,R7およびR8で表わされるアリールチ
オ基は、炭素数6〜30のアリールチオ基が好ましく、
6〜12のアリールチオ基がさらに好ましい。上記アル
キルチオ基およびアリールチオ基は置換基を有していて
もよく、その置換基としては、例えばフェニル基、ハロ
ゲン、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバ
モイル基、シアノ基、カルボン酸基、スルホン酸基また
はヘテロ環基が好ましい。
【0020】上記R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
およびR8で表わされるアルキルチオ基としては、特に
メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基、シクロヘ
キシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチ
オ基、ドデシルチオ基、2−(N,N−ジオクチルカル
バモイル)エチルチオ基、アリルチオ基、2−ヒドロキ
シエチルチオ基が好ましく、この中でもシクロヘキシル
チオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基がさらに好ま
しく、オクチルチオ基、ドデシルチオ基が特に好まし
い。
【0021】また、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7およびR8で表わされるアリールチオ基としては、特
に、ベンジルチオ基、フェニルチオ基、2−ブトキシカ
ルボニルフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基、
4−クロロフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基
が好ましく、この中でもベンジルチオ基、フェニルチオ
基、2−ブトキシカルボニルフェニルチオ基、4−メチ
ルフェニルチオ基がさらに好ましく、フェニルチオ基、
4−メチルフェニルチオ基が特に好ましい。
【0022】一般式(1)において、R9は水素原子、
アルキル基、またはアルコキシ基を表わす。R9で表わ
されるアルキル基は、炭素数1〜30のアルキル基が好
ましく、1〜12のアルキル基がさらに好ましい。ま
た、該アルキル基は置換基を有していてもよく、その置
換基としては、例えばフェニル基、ハロゲン、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シア
ノ基、カルボン酸基、スルホン酸基またはヘテロ環基が
好ましい。
【0023】上記R9で表わされるアルキル基として
は、特にメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタ
デシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ベンゾイルオ
キシエチル基、2−(2−ブトキシフェノキシ)エチル
基、ベンジル基が好ましく、この中でもメチル基、エチ
ル基、ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチル
ヘキシル基、ドデシル基がさらに好ましく、メチル基、
エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基が特に好ま
しい。
【0024】上記R9で表わされるアルコキシ基は、炭
素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、1〜12のア
ルコキシ基がさらに好ましい。また、該アルコキシ基は
置換基を有していてもよく、その置換基としては、例え
ばフェニル基、ハロゲン、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシ
ルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、カルボン酸
基、スルホン酸基またはヘテロ環基が好ましい。
【0025】上記R9で表わされるアルコキシ基として
は、特にメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デ
シルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキ
シ基、オクタデシルオキシ基、2−エトキシエトキシ
基、2−クロロエトキシ基、2−フェノキシエトキシ
基、ベンジルオキシ基が好ましく、この中でもメトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプ
チルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ド
デシルオキシ基、がさらに好ましく、メトキシ基、ブト
キシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシル
オキシ基が特に好ましい。
【0026】一般式(1)中、X-は、陰イオンを表わ
す。該陰イオンとしては、無機陰イオン、有機陰イオン
のいずれであってもよい。上記無機イオンとしては、例
えば、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)、ホウフ
ッカ水素酸イオン(BF4 -)、塩化物イオン、硫酸イオ
ンが好ましく、ヘキサフルオロリン酸イオン(P
6 -)、ホウフッカ水素酸イオン(BF4 -)がさらに好
ましい。上記有機陰イオンとしては、例えば、ポリフル
オロアルキルカルボン酸イオン、ポリフルオロアルキル
スルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香
族カルボン酸イオン、芳香族スルホン酸イオン等が好適
に挙げられる。
【0027】上記R3,R5およびR8としては、水素原
子が好ましい。また、R1およびR6としては、ハロゲ
ン、アルキル基、またはアルコキシ基が好ましく、アル
キル基、アルコキシ基がさらに好ましい。さらに、R2
およびR4としては、アルコキシ基が好ましい。
【0028】本発明の新規なジアゾ化合物としては、下
記一般式(2)で表わされるジアゾ化合物がさらに好ま
しい。
【0029】
【化8】 [一般式(2)中、R9は水素原子、アルキル基、また
はアルコキシ基を表わし、R10およびR11はそれぞれ独
立にアルキル基を表わす。R12およびR13はそれぞれ独
立に水素原子、ハロゲン、アルキル基、またはアルコキ
シ基を表わし、X -は陰イオンを表わす。]
【0030】一般式(2)中、R9は一般式(1)にお
けるR9と同義であり、好ましい例と同様である。ま
た、一般式(2)中、R10およびR11は、それぞれ独立
にアルキル基を表わす。該R10およびR11で表わされる
アルキル基は、炭素数1〜30のアルキル基が好まし
く、1〜12のアルキル基がさらに好ましい。また、該
アルキル基は、置換基を有していてもよく、その置換基
としては、例えばフェニル基、ハロゲン、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシ
ルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ
基、カルボン酸基、スルホン酸基またはヘテロ環基が好
ましい。
【0031】上記R10およびR11で表わされるアルキル
基としては、特にメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、2−ヒド
ロキシエチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、2−
(4−ブトキシフェノキシ)エチル基、ベンジル基が好
ましく、この中でもメチル基、エチル基、ブチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシ
ル基がさらに好ましく、メチル基、ブチル基、ヘプチル
基、オクチル基、デシル基が特に好ましい。
【0032】一般式(2)中、R12およびR13は、水素
原子、ハロゲン、アルキル基、またはアルコキシ基を表
わす。上記R12およびR13で表わされるハロゲンとして
は、塩素原子、臭素原子が好ましい。
【0033】上記R12およびR13で表わされるアルキル
基は、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、1〜1
2のアルキル基がさらに好ましい。また、該アルキル基
は置換基を有していてもよく、その置換基としては、例
えば、フェニル基、ハロゲン、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、
アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、カルボン
酸基、スルホン酸基、またはヘテロ環基が好ましい。
【0034】上記R12およびR13で表わされるアルキル
基としては、特にメチル基、エチル基、ブチル基、オク
チル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル
基、オクタデシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ベ
ンゾイルオキシエチル基、2−(4−ブトキシフェノキ
シ)エチル基、ベンジル基が好ましく、この中でもメチ
ル基、エチル基、ブチル基、オクチル基がさらに好まし
く、メチル基、エチル基が特に好ましい。
【0035】上記R12およびR13で表わされるアルコキ
シ基は、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、1
〜12のアルコキシ基がさらに好ましい。また、該アル
コキシ基は置換基を有していてもよく、その置換基とし
ては、例えば、フェニル基、ハロゲン、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオ
キシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、
カルボン酸基、スルホン酸基、またはヘテロ環基が好ま
しい
【0036】上記R12およびR13で表わされるアルコキ
シ基としては、特にメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオ
キシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、
オクタデシルオキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−
クロロエトキシ基、2−フェノキシエトキシ基、ベンジ
ルオキシ基が好ましく、この中でもメトキシ基、エトキ
シ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ
基がさらに好ましく、メトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基、オクチルオキシ基が特に好ましい。
【0037】また、一般式(2)中、X-は、一般式
(1)中のX-と同義であり、好ましい例も同様であ
る。
【0038】さらに、一般式(1)および(2)で表わ
されるジアゾ化合物は、R1,R2,R3,R4,R5
6,R7,R9,R10,R11,R12およびR13が置換基
としてジアゾニオフェニル基を有し、ビス体あるいはそ
れ以上の多量体を形成してもよい。
【0039】以下に本発明の一般式(1)または(2)
で表わされるジアゾ化合物の具体例として例示化合物
(A−1)〜(A−30)を示すが本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】また、一般式(1)または(2)で表わさ
れるジアゾ化合物は既知の方法で製造することが可能で
ある。すなわち、対応するアニリンを酸性溶媒中、亜硝
酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を
用いてジアゾ化することによって得ることができる。例
として例示化合物A−1の合成例を以下に示す。
【0044】(例示化合物(A−1)の合成例)(1)
2,5−ジ−n−ヘプチルオキシ−4−(4−メトキシ
フェニル)アセトアニリドの合成例 4−アセトアミド−2,5−(ジ−n−ヘプチルオキ
シ)ヨードベンゼン4.9g、Pd(PPh340.3
5gをトルエン20ml中に加え、窒素置換した。この
溶液に、炭酸ナトリウム2.1gと水15mlとの溶
液、および、4−メトキシフェニルボロン酸1.83g
とメタノール10mlとの溶液を加え、120℃で8時
間加熱還流した。ついで、酢酸エチルと水とを加えて分
液し、その後酢酸エチル層を濃縮して、粗結晶を得た。
そして、得られた粗結晶をカラムクロマトグラフィーに
よって精製し、白色結晶である2,5−ジ−n−ヘプチ
ルオキシ−4−(4−メトキシフェニル)アセトアニリ
ド4.5gを得た。
【0045】1H−NMR(CDCl3)δ;8.19
(s,1H),7.77(br,1H),7.20
(d,2H),6.94(d,2H),6.78(s,
1H),4.00(t,2H),3.94(t,2
H),3.86(s,3H),2.21(s,3H),
1.75−1.83(m,2H),1.54−1.63
(m,2H),1.19−1.49(m,16H),
0.81−0.94(m,6H)
【0046】(2)例示化合物A−1の合成例 (1)で得られた2,5−ジ−n−ヘプチルオキシ−4
−(4−メトキシフェニル)アセトアニリド4.5gを
20mlのメタノールに溶解し、さらに濃塩酸4mlを
加えて4時間加熱還流した。その後反応溶液を0℃に冷
却し、これに亜硝酸ナトリウム0.83g、水2mlの
溶液を滴下した。反応溶液を10℃で1時間攪拌した
後、反応混合物にカリウムヘキサフルオロホスフェート
2.4gを加えて室温で30分撹拌し、その後水10m
lを加えて晶析した。析出した結晶を濾集し水、イソプ
ロパノールで順次洗浄後、酢酸エチルとイソプロパノー
ルとの混合溶媒を用いて再結晶した。乾燥後、例示化合
物A−1を3.7g得た。メタノール中の紫外可視吸収
スペクトルはλmax:423nm、ε:1.8×10
4であった。
【0047】1H−NMR(CDCl3)δ;7.89
(s,1H),7.58(d,2H),7.12(s,
1H),7.02(d,2H),4.36(t,2
H),4.08(t,2H),3.86(s,3H),
1.87−1.96(m,2H),1.71−1.79
(m,2H),1.19−1.49(m,16H),
0.81−0.94(m,6H)
【0048】一般式(1)または(2)で表わされる化
合物は油状物、結晶状態のいずれであってもよいが、取
扱い性の点で結晶状態のものが好ましい。これらの一般
式(1)または(2)で表わされる化合物は単独で用い
てもよいし、2種以上併用することもできる。また一般
式(1)または(2)で表わされる化合物は、感熱記録
層中において0.02〜5g/m2の範囲で用いること
が好ましいが、発色濃度の点から0.1〜4g/m2
範囲で用いることが特に好ましい。
【0049】さらに、上記ジアゾ化合物の安定化のため
に塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化
合物を形成させジアゾ化合物の安定化をおこなうことも
できる。これらのジアゾ化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0050】〔カプラ−〕また、上記感熱記録層は、ジ
アゾ化合物とカップリング反応してアゾ染料を形成する
カプラーを含む。本発明において使用できるカプラーと
しては、塩基性雰囲気および/または中性雰囲気でジア
ゾ化合物とカップリングして色素を形成するものであれ
ばいずれの化合物であってもよい。さらに、ハロゲン化
銀写真感光材料用の用いられる、4当量カプラーはすべ
て本発明の感熱記録材料に使用することができる。な
お、これら本発明において使用できるカプラーは、目的
とする色相に応じて選択することが可能である。
【0051】例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を
有するいわゆる活性メチレン化合物おいて使用できるカ
プラーとしては、フェノール誘導体、ナフトール誘導体
などがあり、具体的には下記に述べるカプラーが挙げら
れ、本発明の目的に合致する範囲で使用することができ
る。
【0052】本発明において使用できるカプラーとし
て、下記一般式(3)で表される化合物が特に好まし
い。
【0053】
【化12】 [一般式(3)中、E1およびE2はそれぞれ独立に電子
吸引性基を表わす。また、E1およびE2は、結合して環
を形成してもよい。]
【0054】一般式(3)中、E1およびE2で表される
電子吸引性基は、Hammettのσ値が正である置換
基を意味する。該E1およびE2は同一であってもよく、
異なっていてもよい。上記電気吸引性基としては、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シア
ノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、ヘテロ環基、またはホスホノ基等が好まし
い。
【0055】上記電子吸引性基としては、具体的に、ア
セチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセ
チル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル
基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチ
ルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプ
ロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベン
ゾイル基、テノイル基等のアシル基、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカ
ルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等の
オキシカルボニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチ
ルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、
N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペ
ンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,
4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル
基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基、メタ
ンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスル
ホニル基等のアルキルスルホニル基若しくはアリールス
ルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベン
ゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−
イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−
イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−
2−イル基等の複素環基、ニトロ基、イミノ基、または
シアノ基が好ましい。
【0056】また、E1およびE2で表される電子吸引性
基は、E1,E2の両者が結合し環を形成してもよい。E1
およびE2で形成される環としては、5ないし6員の炭
素環あるいは複素環が好ましい。
【0057】具体例としては、レゾルシン、フロログル
シン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒ
ドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニ
リド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モル
ホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフト
ール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−
3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8
−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジア
ニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、
【0058】5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサ
ンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−
n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘ
キサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル
−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ−
n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサ
ンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール
酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−
n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール
酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチル
オキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オ
クタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、
【0059】1−(2,4,6−トリクロロフェニル)
−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−
トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾ
ロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール等が挙げられる。
【0060】上記カプラーの詳細については、特開平4
−201483号公報、特開平7−223367号公
報、特開平7−223368号公報、特開平7−323
660号公報、特願平5−278608号明細書、特願
平5−297024号明細書、特願平6−18669号
明細書、特願平6−18670号明細書、特願平7−3
16280号明細書、特願平8−027095号明細
書、特願平8−027096号明細書、特願平8−03
0799号明細書、特願平8−12610号明細書、特
願平8−132394号明細書、特願平8−35875
5号明細書、特願平8−358756号明細書、特願平
9−069990号明細書等に記載されている。
【0061】以下に、一般式(3)で表されるカプラー
の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。尚、以下に示すカプラーの互変異性体も、本発
明に適なカプラーとして挙げることができる。
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】〔マイクロカプセル〕本発明の感熱記録材
料は、その使用前の生保存性を良好とするために、ジア
ゾ化合物をマイクロカプセルに内包した状態で含むこと
を特徴とする。マイクロカプセルのカプセル壁を形成す
る高分子物質は常温では不透過性であり、加熱時に透過
性となることが必要であり、特にガラス転移温度が60
〜200℃のものがい。上記マイクロカプセルのカプセ
ル壁を形成する高分子物質としては、例えば、ポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・
ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、
スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリ
レート共重合体、またはこれらの混合系が挙げられる。
本発明においては、保存時のカブリが小さく、印画後の
発色濃度が高いことから、上記カプセル壁は、該カプセ
ル壁を形成する高分子としてポリウレタンおよび/また
はポリウレアを含むのが好ましい。
【0067】上記マイクロカプセルの形成方法として
は、公知のカプセル形成方法を用いることができるが、
その中でも界面重合法および内部重合法が適している。
カプセル形成方法の詳細およびリアクタントの具体例に
ついては、米国特許第3,726,804号明細書、同
第3,796,669号明細書等に記載がある。例え
ば、ポリウレアおよびポリウレタンをカプセル壁材とし
て用いる場合は、ポリイソシアネート、およびそれと反
応してカプセル壁を形成する第2物質(例えばポリオー
ル、ポリアミン)を水性媒体またはカプセル化すべき油
性媒体中に混合し、水中でこれらを乳化分散し次に加温
することによって油滴界面で高分子形成反応を起こしマ
イクロカプセル壁を形成する。なお上記第2物質の添加
を省略した場合もポリウレアが生成する。
【0068】以下に、本発明におけるジアゾ化合物内包
マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製
造方法について述べる。まず、ジアゾ化合物はカプセル
の芯となる疎水性の有機溶媒に溶解または分散させる。
この場合の有機溶媒としては、沸点100〜300℃の
有機溶媒が好ましい。芯溶媒中には、さらに、多価イソ
シアネートが壁材として添加される(油相)。
【0069】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、ついで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手
段によって乳化分散をおこなう。このとき水溶性高分子
は乳化分散の安定化剤として作用する。また、乳化分散
をさらに安定しておこなうために、油相あるいは水相の
少なくとも一方に界面活性剤を添加してもよい。
【0070】上記多価イソシアネートの使用量は、マイ
クロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚み
が0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散
粒子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分
散液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネ
ートの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0071】また、水相中にポリオールを添加しておけ
ば、多価イソシアネートとポリオールが反応してポリウ
レタン壁を形成することもできる。さらには、反応速度
を速めるために反応温度を高く保ち、あるいは適当な重
合触媒を添加することが好ましい。多価イソシアネー
ト、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形
成させるためのポリアミン等については成書に詳しい
(岩田敬治 編 ポリウレタンハンドブック日刊工業新
聞社(1987))。
【0072】上記カプセル壁の原料として用いる多価イ
ソシアネート化合物としては3官能以上のイソシアネー
ト基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアネ
ート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレンジイ
ソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネートおよびその水添
物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネー
トを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビュ
ーレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメチロー
ルプロパンなどのポリオールとキシリレンジイソシアネ
ート等の2官能イソシアネートとのアダクト体として多
官能としたもの、トリメチロールプロパンなどのポリオ
ールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシア
ネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性
水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入し
た化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物
などが挙げられる。特開昭62−212190号公報、
特開平4−26189号公報、特開平5−317694
号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合
物が好ましい。
【0073】さらに、ポリオールまたはポリアミンを、
芯となる疎水性溶媒中または分散媒となる水溶性高分子
溶液中に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一
つとして用いることもできる。これらのポリオールまた
はポリアミンの具体例としては、プロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノ
ールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンな
どが挙げられる。ポリオールを添加した場合には、ポリ
ウレタン壁が形成される。
【0074】上記のジアゾ化合物化合物を溶解し、マイ
クロカプセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒とし
ては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具
体的にはアルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタ
ン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、
アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エス
テル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル
類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エ
ステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エ
ステル類や特願平11−317869号明細書、特願平
11−369276号明細書に記載の化合物などが挙げ
られる。これらは2種以上混合して用いてもよい。
【0075】また、カプセル化しようとするジアゾ化合
物のこれらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用い
ようとするジゾ化合物の溶解性の高い低沸点溶媒を補助
的に併用することもできる。具体的には、酢酸エチル、
酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、アセトンなどが挙げられる。この
ため、ジアゾ化合物はこれら高沸点疎水性有機溶媒、低
沸点補助溶媒に対する適当な溶解度を有していることが
好ましく、具体的には該溶剤に5%以上の溶解度を有し
ていることが好ましい。水に対する溶解度は1%以下が
好ましい。
【0076】このようにして調製されたカプセルの油相
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0077】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たと
えばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変成するなどして反応性をなくしてお
くことが必要である。また、界面活性剤を添加する場合
には、界面活性剤の添加量は、油相の質量に対して0.
1%〜5%が好ましく、0.5%〜2%であることがさ
らにが好ましい。
【0078】乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することがおこなわれる。また反応中はカプセ
ル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士
の衝突確率を下げたり、充分な攪拌をおこなう等の必要
がある。
【0079】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾ化合物内包マイクロ
カプセルを得ることができる。
【0080】(界面活性剤)本発明に用いられるカプラ
ーは、塩基性物質、その他の発色助剤等とともに、サン
ドミル等により水溶性高分子とともに固体分散して用い
ることもできるが、水に難溶性または不溶性の有機溶剤
に溶解した後、これを界面活性剤および/または水溶性
高分子を保護コロイドとして有する水相と混合し、乳化
分散物とすることが好ましい。乳化分散を容易にする観
点から、界面活性剤を用いることが好ましい。
【0081】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点から好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、または他のオイル
との併用も可能である。
【0082】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチルおよびメチレンクロライド等を特に好ましいも
のとして挙げることができる。場合により、高沸点オイ
ルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもでき
る。
【0083】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0084】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記
保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを
適宜選択して使用することができる。好ましい界面活性
剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アル
キル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリ
ウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることが
できる。
【0085】(有機塩基)本発明においては、ジアゾ化
合物とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で
有機塩基を加えることもできる。これらの有機塩基は、
単独で用いても2種以上併用して用いることもできる。
上記有機塩基としては、第3級アミン類、ピペリジン
類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピ
リジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合
物が挙げられ、特公昭52−46806号公報、特開昭
62−70082号公報、特開昭57−169745号
公報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−1
23086号公報、特開昭58−1347901号公
報、特開昭60−49991号公報、特公平2−249
16号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60
−165288号公報、特開昭57−185430号公
報に記載のものを使用できる。
【0086】これらの中でも、特に、N,N′−ビス
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N′−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジン類、N
−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒ
ドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)
ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピ
ペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジ
ン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシル
フェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0087】本発明においては、ジアゾ化合物1質量部
に対するカプラーおよび有機塩基の使用量は、それぞれ
0.1〜30質量部であることが好ましい。
【0088】(発色助剤)また、本発明は、上記した有
機塩基の他にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤
を加えることができる。発色助剤とは、加熱記録時の発
色濃度を高くする、もしくは最低発色温度を低くする物
質であり、カプラー、塩基性物質、もしくはジアゾ化合
物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せ
しめる作用によって、ジアゾ化合物、塩基性物質、カプ
ラー等が反応しやすい状況を作るためのものである。
【0089】本発明に用いられる発色助剤として、例え
ば低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画がおこなわれる
ように、記録層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導
体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタ
レン類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、ア
ミド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物ヒド
ロキシ化合物等を加えることができる。
【0090】(酸化防止剤)本発明の感熱記録材料にお
いては、熱発色画像の光および熱に対する堅牢性を向上
させ、または、定着後の未印字部分の光による黄変を軽
減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いる
ことが好ましい。上記の酸化防止剤については、例えば
ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同3094
01号公報、同第309402号公報、同第31055
1号公報、同第310552号公報、同第459416
号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開
昭54−48535号公報、同62−262047号公
報、同63−113536号公報、同63−16335
1号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−
71262号公報、特開平3−121449号公報、特
開平5−61166号公報、特開平5−119449号
公報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許
第4980275号等に記載されている。
【0091】さらに、本発明においては感熱記録材料や
感圧記録材料において既に用いられている公知の各種添
加剤を用いることも有効である。これらの各種添加剤の
具体例としては、特開昭60−107384号公報、同
60−107383号公報、同60−125470号公
報、同60−125471号公報、同60−12547
2号公報、同60−287485号公報、同60−28
7486号公報、同60−287487号公報、同60
−287488号公報、同61−160287号公報、
同61−185483号公報、同61−211079号
公報、同62−146678号公報、同62−1466
80号公報、同62−146679号公報、同62−2
82885号公報、同63−051174号公報、同6
3−89877号公報、同63−88380号公報、同
63−088381号公報、同63−203372号公
報、同63−224989号公報、同63−25128
2号公報、同63−267594号公報、同63−18
2484号公報、特開平1−239282号公報、同4
−291685号公報、同4−291684号公報、同
5−188687号公報、同5−188686号公報、
同5−110490号公報、同5−1108437号公
報、同5−170361号公報、特公昭48−0432
94号公報、同48−033212号公報等に記載され
てる化合物を挙げることができる。
【0092】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0093】これらの酸化防止剤および各種添加剤の添
加量は、ジアゾ化合物1質量部に対して0.05〜10
0質量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜3
0質量部であることが好ましい。このような公知の酸化
防止剤および各種添加剤はジアゾ化合物と共にマイクロ
カプセル中に含有させて用いることも、あるいはカプラ
ーや塩基性物質、その他の発色助剤と共に、固体分散物
として、もしくは適当な乳化助剤と共に乳化物にして用
いることも、あるいはその両方の形態で用いることもで
きる。また酸化防止剤および各種添加剤を単独または複
数併用することができるのは勿論である。また、保護層
に添加または存在させることもできる。
【0094】これらの酸化防止剤および各種添加剤は同
一層に添加しなくてもよい。さらにこれらの酸化防止剤
および各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合には、
アニリン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフェノ
ール類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、
りん化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに
異なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のもの
を複数組み合わせることもできる。
【0095】(遊離基発生剤等)本発明の感熱記録材料
には、記録後の地肌部の黄着色を軽減する目的で光重合
性組成物等に用いられる遊離基発生剤(光照射により遊
離基を発生する化合物)を加えることができる。遊離基
発生剤としては、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイ
ン、ベンゾインエーテル類、アゾ化合物、有機ジスルフ
ィド類、アシルオキシムエステル類などが挙げられる。
添加する量は、ジアゾ化合物1質量部に対して、遊離基
発生剤0.01〜5質量部が好ましい。
【0096】また同様に黄着色を軽減する目的で、エチ
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビ
ニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニルモ
ノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレ
ン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する
化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を
持つものである。これらの例として、不飽和カルボン酸
およびその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコー
ルとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン
化合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジ
アゾ化合物1質量部に対して0.2〜20質量部の割合
で用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジア
ゾ化合物と共にマイクロカプセル中に含有して用いるこ
ともできる。
【0097】本発明では以上の素材の他に酸安定剤とし
てクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロ
リン酸等を添加することができる。
【0098】《感熱記録材料の製造方法》本発明の感熱
記録材料は、ジアゾ化合物を含有したマイクロカプセ
ル、カプラー、および有機塩基、その他の添加物を含有
した塗布液を調製し、紙や合成樹脂フィルム等の支持体
の上にバー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラ
ビア塗布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、デ
ィップ塗布、カーテン塗布等の塗布方法によって塗布乾
燥して、固型分2.5〜30g/m2の感熱層を設ける
ことが好ましい。本発明の感熱記録材料においては、マ
イクロカプセル、カップリング成分、塩基などが同一層
に含まれていてもよいが、別層に含まれるような積層型
の構成をとることもできる。また、支持体の上に特願昭
59−177669号明細書等に記載されているような
中間層を設けた後、感熱層を塗布することもできる。
【0099】本発明の感熱記録材料において使用される
バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテ
ックス類などを使用することができる。水溶性高分子化
合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビ
アゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブ
チレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸アミド等およびこれらの変成物等
が挙げられ、ラテックス類としては、スチレン−ブタジ
エンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴ
ムラテックス、酢酸ビニルエマルション等が挙げられ
る。
【0100】本発明の感熱記録材料に使用できる顔料と
しては、有機、無機を問わず公知のものを使用すること
ができる。具体的には、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリ
カ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バ
リウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿
素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、
セルロースフィラー等が挙げられる。
【0101】本発明の感熱記録材料においてはその必要
に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電
剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤およびその前
駆体など各種添加剤を使用することができる。
【0102】<保護層>本発明の感熱記録材料には必要
に応じて記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層
は必要に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用い
る材料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変
成ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド
共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性
澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビ
アゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水
分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル
加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加
水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロ
リドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソ
ーダなどの水溶性高分子化合物、およびスチレン−ブタ
ジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラ
テックス、酢酸ビニルエマルション等のラテックス類が
用いられる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、
より一層保存安定性を向上させることもでき、その架橋
剤としては公知の架橋剤を使用することができる。具体
的にはN−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、
尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザー
ル、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼
酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒド
リンなどが挙げられる。保護層には、さらに公知の顔
料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤などを使用するこ
ともできる。保護層の塗布量は0.2〜5g/m2が好
ましく、さらには0.5〜2g/m2が好ましい。また
その膜厚は0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2
μmが好ましい。本発明の感熱記録材料に保護層を使用
する場合、保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体
を含有してもよい。
【0103】<支持体>本発明の支持体としては、通常
の感圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用
いられる紙支持体はいずれも使用することができる他、
酸性紙、中性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミ
ネート紙、合成紙、プラスチックフィルムなどを使用す
ることができる。支持体のカールバランスを補正するた
め或いは、裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バ
ックコート層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介
して剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。
このバックコート層についても上記保護層と同様にして
設けることができる。
【0104】本発明の感熱記録材料の記録面にサーマル
ヘッド等で加熱すると、ポリウレアおよび/またはポリ
ウレタンのカプセル壁が軟化し、カプセル外のカプラー
と塩基化合物とがカプセル内に進入して発色する。発色
後はジアゾ化合物の吸収波長の光を照射する事により、
ジアゾ化合物が分解しカプラーとの反応性を失うため画
像の定着がおこなわれる。
【0105】上記定着光源としては、種々の蛍光灯、キ
セノンランプ、水銀灯などが用いられ、この発光スペク
トルが感熱記録材料で用いたジアゾ化合物の吸収スペク
トルにほぼ一致していることが効率よく定着でき好まし
い。本発明においては、発光中心波長が400nmより
長波長の定着光源が特に好ましい。
【0106】また、本発明では、光分解波長が異なる光
分解性ジアゾ化合物を別層に用いることにより多色記録
材料とすることもできる。本発明の感熱記録材料を多層
多色感熱記録材料とした場合には感熱記録層相互の混色
を防ぐため、中間層を設けることもできる。この中間層
はゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子化合物か
らなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。
【0107】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0108】〔実施例1〕 (ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Aの調製)酢酸
エチル19gにジアゾ化合物(上記例示化合物(A−
1))2.8g、トリクレジルホスフェート10gを添
加して均一に混合した。ついでこの混合液に壁材として
タケネートD110N(武田薬品工業製)7.6gを加
え混合し、第1液を得た。つぎにフタル化ゼラチンの8
%水溶液46g、水17.5g、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムの10%水溶液2gの混合液に、上記
第1液を添加し、ホモジナイザーを使用して40℃、1
0000rpmで10分間乳分散した。得られた乳化物
に水20gを加えて均一化した後、攪拌しながら40℃
で3時間カプセル化反応をおこなわせてカプセル液Aを
得た。カプセルの平均粒径は0.6〜0.8μmであっ
た。
【0109】(カプラー乳化液Bの調製)酢酸エチル1
0.5gにカプラー(B−1)3g、トリフェニルグア
ニジン3g、トリクレジルホスフェート0.5g、マレ
イン酸ジエチル0.24gを溶解し第2液を得た。つぎ
に石灰処理ゼラチンの15%水溶液49g、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムの10%水溶液9.5g、
水35gを40℃で均一に混合した中に第2液を添加
し、ホモジナイザーを使用して、40℃、10000r
pmで10分間乳化分散した。得られた乳化物を40℃
で2時間攪拌して酢酸エチルを除去後、蒸発した酢酸エ
チルと水の量を加水によっておぎない、カプラー乳化液
Bを得た。
【0110】(感熱記録層塗布液Cの調製)カプセル液
A3.6g、水3.3g、カプラー乳化液B9.5gを
混合し、感熱記録層塗布液Cを得た。
【0111】(保護層塗布液Dの調製)イタコン酸変性
ポリビニルアルコール(KL−318;商品名、クラレ
株式会社製)6%水溶液100gとエポキシ変性ポリア
ミド(FL−71;商品名、東邦化学株式会社製)30
%の分散液10gとを混合した液に、ステアリン酸亜鉛
40%の分散液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式
会社製)15gを均一に混合し保護層塗布液Dを得た。
【0112】(塗布)支持体として、上質紙上にポリエ
チレンをラミネートした印画紙用支持体を準備し、該印
画紙用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗布液C、
保護層塗布液Dをこの順に塗布および50℃での乾燥を
おこない、実施例1の感熱記録材料を得た。感熱記録層
および保護層の固形分としての塗布量は、それぞれ6.
0g/m2、1.2g/m2であった。
【0113】(発色試験)京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2となるようにサーマルヘッドに
対する印加電力およびパルス幅を決め、感熱記録材料に
熱印画し画像を得た。得られた画像に発光中心波長42
0nm、出力40Wの紫外線ランプを用いて紫外線を1
0秒間照射し、発色濃度および地肌濃度(非画像部の濃
度)を測定した。結果を表1に示す。
【0114】(耐光性試験)京セラ株式会社製サーマル
ヘッド(KST型)を用いて発色させた発色部を蛍光灯
試験機を用い、30000luxで24時間照射した
後、発色部の濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0115】(光定着性試験)発光中心波長420n
m、出力40Wの紫外線ランプを用いて紫外線を上記感
熱記録材料の保護層面に7秒間照射した後に、上記発色
試験をおこなった。結果を表1に示す。
【0116】(濃度測定)なお、上記発色試験および耐
光性試験において、発色部の画像濃度および地肌濃度
は、MacbethRD918を用い、Yポジションで
の濃度を測定した。
【0117】[実施例2]ジアゾ化合物として、例示化
合物(A−1)の代わりに上記例示化合物(A−2)を
用いた他は、実施例1と同様にして実施例2の感熱記録
材料を作製し、上記発色試験、耐光性試験、および光定
着性試験をおこなった。結果を表1に示す。
【0118】[実施例3]ジアゾ化合物として、例示化
合物(A−1)の代わりに例示化合物(A−4)を用い
た他は、実施例1と同様にして実施例3の感熱記録材料
を作製し、上記発色試験、耐光性試験、および光定着性
試験をおこなった。結果を表1に示す。
【0119】[実施例4]ジアゾ化合物として、例示化
合物(A−1)の代わりに例示化合物(A−11)を用
いた他は、実施例1と同様にして実施例4の感熱記録材
料を作製し、上記発色試験、耐光性試験、および光定着
性試験をおこなった。結果を表1に示す。
【0120】[比較例1]ジアゾ化合物として、例示化
合物(A−1)の代わりに2,5−ジブチル−4−モル
ホリノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェー
トを用いた他は、実施例1と同様にして比較例1の感熱
記録材料を作製し、上記発色試験、耐光性試験、および
光定着性試験をおこなった。結果を表1に示す。
【0121】〔比較例2〕ジアゾ化合物として、例示化
合物(A−1)の代わりに2,5−ジブチル−4−(4
−メチルチオフェニル)ベンゼンジアゾニウムヘキサフ
ルオロホスフェートを用いた他は、実施例1と同様にし
て比較例2の感熱記録材料を作製し、上記発色試験、耐
光性試験、および光定着性試験をおこなった。結果を表
1に示す。
【0122】
【表1】
【0123】表1の結果から、本発明係るジアゾ化合物
を使用した実施例では、比較例に比べて地肌濃度が少な
く(地肌かぶりが少ない)、光定着後の発色濃度が低く
光定着性に優れていることを示していた。
【0124】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、感熱記録層に
本発明に係るジアゾ化合物をマイクロカプセルに内包し
た状態で含むことによって、400nmより長波長の光
源での光定着性に優れ、地肌着色の少ない感熱記録材料
を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ジアゾ化合物とカプラーと
    を含む感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記
    ジアゾ化合物は、マイクロカプセルに内包され、かつ、
    下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴と
    する感熱記録材料。 【化1】 [一般式(1)中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
    7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン、アル
    キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、またはアリー
    ルチオ基を表わし、R9は水素原子、アルキル基、また
    はアルコキシ基を表わす。X-は陰イオンを表わす。]
  2. 【請求項2】 前記ジアゾ化合物は、下記一般式(2)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の感熱記録材料。 【化2】 [一般式(2)中、R9は水素原子、アルキル基、また
    はアルコキシ基を表わし、R10およびR11は、それぞれ
    独立にアルキル基を表わす。R12,R13はそれぞれ独立
    に水素原子、ハロゲン、アルキル基、またはアルコキシ
    基を表わし、X-は陰イオンを表わす。]
  3. 【請求項3】 前記カプラーは、下記一般式(3)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の感熱記録材料。 【化3】 [一般式(3)中、E1およびE2はそれぞれ独立に電子
    吸引性基を表わす。また、E1およびE2は、結合して環
    を形成してもよい。]
  4. 【請求項4】 前記マイクロカプセルのカプセル壁は、
    ポリウレタンおよび/またはポリウレアを含むことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材
    料。
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