JP2002225441A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2002225441A
JP2002225441A JP2001022483A JP2001022483A JP2002225441A JP 2002225441 A JP2002225441 A JP 2002225441A JP 2001022483 A JP2001022483 A JP 2001022483A JP 2001022483 A JP2001022483 A JP 2001022483A JP 2002225441 A JP2002225441 A JP 2002225441A
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JP
Japan
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group
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heat
sensitive recording
diazonium salt
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Application number
JP2001022483A
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English (en)
Inventor
Hisato Nagase
久人 長瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 400nmより長波長の光源での光定着性に
優れ、地肌着色が少なく、発色部の耐光性に優れた感熱
記録材料 【解決手段】 支持体上に、ジアゾニウム塩及びカプラ
ーを含む感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該
ジアゾニウム塩が、下記一般式(1)で表される化合物
であることを特徴とする感熱記録材料。 【化1】 一般式(1) (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R
9はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基また
はシアノ基を表す。X-は陰イオンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジアゾニウム塩とカ
プラーを発色成分として用いる感熱記録材料に関し、特
に400nmより長波長の光源での光定着性に優れ、地
肌着色の少なく、発色部の耐光性に優れた感熱記録材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアゾニウム塩は非常に化学的活性の高
い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を
有する、いわゆるカプラーと呼ばれる化合物と反応して
容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、光
照射によって分解し、その活性を失う。そこで、ジアゾ
ニウム塩は、ジアゾコピーに代表される光記録材料とし
て古くから利用されている(日本写真学会編「写真工学
の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)P89
〜P117、P182〜P201参照)。
【0003】更に、光によって分解し活性を失う性質を
利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料に
も応用され、代表的なものとして、ジアゾニウム塩とカ
プラーを画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形
成させた後光照射して画像を定着する、光定着型感熱記
録材料が提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌
第11巻 第4号(1982)P290−296な
ど)。
【0004】ジアゾニウム塩を発色要素として用いたこ
れらの記録材料は、光定着を効率よく行うため、定着工
程で波長360nm前後の紫外線を照射することが一般
的であった。紫外線は、特殊な光源を必要とし、さら
に、例えば、目に対する影響が懸念されるなどの問題も
あり、400nmより長波長の可視光線の光源により効
率よく定着し得るジアゾニウム塩が求められていた。
【0005】しかしながら従来のジアゾニウム塩では4
00nmより長波長の光源で失活させる際に、定着が遅
く長時間かかる問題点があった。また、光定着を完全に
行う目的で長時間の光定着を行うと定着により生じた生
成物がさらに反応して地肌白色度の低い発色画像となっ
てしまう可能性があるなど問題点があった。
【0006】また、上記ジアゾニウム塩を用いた感熱記
録材料は、発色部の保存安定性、特に耐光性について、
光定着後長時間光照射されると発色部の濃度が低下する
問題点もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、40
0nmより長波長の光源での光定着性に優れ、地肌着色
の少なく、発色部の耐光性に優れた感熱記録材料を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の諸目的は、支持
体上に、ジアゾニウム塩及びカプラーを含む感熱記録層
を設けた感熱記録材料において、該ジアゾニウム塩が一
般式(1)で表わされる化合物であり、特に該ジアゾニ
ウム塩がマイクロカプセル中に内包される感熱記録材料
によって達成された。
【0009】
【化4】 一般式(1) [式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9
はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、ニト
ロ基またはシアノ基を表す。X-は陰イオンを表す。]
【0010】より好ましくは、ジアゾニウム塩が下記一
般式(2)で表わされる化合物を使用した感熱記録材料
によって達成された。
【0011】
【化5】 一般式(2) [式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、ニトロ基またはシアノ基を表す。R10はアルキル
基またはアリール基を表し、X-は陰イオンを表す。]
【0012】本発明においては、カプラーが下記一般式
(3)で表わされる化合物であることが好ましい。
【0013】
【化6】 一般式(3) [式中、E1、E2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表
す。E1とE2が結合し環を形成してもよい。]
【0014】本発明においては、ジアゾニウム塩を内包
するマイクロカプセルのカプセル壁がポリウレタンおよ
び/またはポリウレアを構成成分として含む壁であるこ
とが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、前記一
般式(1)または(2)で表されるジアゾニウム塩及び
カプラーを含む感熱記録層を設けてなり、必要に応じて
該ジアゾニウム塩はポリウレア、ポリウレタン等を構成
成分とするマイクロカプセルに内包させてもよい。以下
に、本発明の感熱記録材料を詳細に説明する。
【0016】《ジアゾニウム塩》本発明の感熱記録材料
に用いられるジアゾニウム塩は、一般式(1)または
(2)で表される化合物である。以下該化合物について
詳細に述べる。
【0017】式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7,R8,R9で表されるハロゲン原子としてはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、特に
塩素原子、臭素原子が好ましい。
【0018】式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7,R8,R9で表されるアルキル基は、置換基を有して
いてもよく、その置換基例としては、例えばフェニル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテロ環基があ
る。また、式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,R8,R9で表されるアルキル基は、総炭素数1か
ら30のアルキル基が好ましく、総炭素数1から12の
アルキル基が特に好ましい。たとえば、メチル、エチ
ル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチ
ル、ターシャリーブチル、ノルマルヘキシル、、ノルマ
ルヘプチル、ノルマルオクチル、2−エチルヘキシル、
3,5,5,-トリメチルヘキシル、ノルマルドデシル、シク
ロヘキシル、ベンジル、α−メチルベンジル、アリル、
2−クロロエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシ
エチル、2−フェノキシエチル、2−(2,5-ジ−ターシ
ャリーアミルフェノキシ)エチル、2−ベンゾイルオキ
シエチル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボ
ニルエチル、ブトキシカルボニルエチル、2−イソプロ
ピルオキシエチル、2−メタンスルホニルエチル、2−
エトキシカルボニルメチル、1−(4−メトキシフェノ
キシ)−2−プロピル、トリクロロメチル、トリフルオ
ロメチルが好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルブ
チル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基が特
に好ましい。
【0019】式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R
7,R8,R9で表されるアルコキシ基は置換基を有して
いてもよく、その置換基例としては、たとえばフェニル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテロ環基があ
る。また、式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,R8,R9で表されるアルコキシ基は、総炭素数1
から20のアルコキシ基が好ましく、総炭素数1から1
2のアルコキシ基が特に好ましい。たとえば、メトキ
シ、エトキシ、ノルマルプロピルオキシ、イソプロピル
オキシ、ノルマルブチルオキシ、ターシャリーブチルオ
キシ、ノルマルヘキシルオキシ、ノルマルヘプチルオキ
シ、ノルマルオクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキ
シ、3,5,5,-トリメチルヘキシルオキシ、ノルマルデシ
ルオキシ、ノルマルドデシルオキシ、シクロヘキシルオ
キシ、ベンジルオキシ、アリルオキシ、2−メトキシエ
トキシ、2−エトキシエトキシ、2−フェノキシエトキ
シ、2−(2,5-ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エ
トキシ、2−ベンゾイルオキシエトキシ、メトキシカル
ボニルメチルオキシ、メトキシカルボニルエチルオキ
シ、ブトキシカルボニルエチルオキシ、2−イソプロピ
ルオキシエチルオキシが好ましく、メトキシ基、エトキ
シ基、ノルマルブチルオキシ基、ターシャリーブチルオ
キシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、ノルマルヘプチル
オキシ基、ノルマルオクチルオキシ基が特に好ましい。
【0020】式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7,R8,R9で表されるアリール基は置換基を有してい
ても良く、その置換基例としては、たとえばフェニル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテロ環基があ
る。また、式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,R8,R9で表されるアリール基は、総炭素数6か
ら30のアリール基が好ましく、総炭素数6から12の
アリール基が特に好ましい。たとえば、フェニル、4−
メチルフェニル、3−メチルフェニル、2−メチルフェ
ニル、4−クロロフェニル、2−クロロフェニル、4−
ニトロフェニル、4−アセトアミドフェニル、4−オク
タノイルアミノフェニル、4−(4−メチルフェニルス
ルホニルアミノ)フェニル、1−ナフチルが好ましく、
フェニル、4-メチルフェニル、4−クロロフェニルが特
に好ましい。
【0021】式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R
7,R8,R9で表されるアリールオキシ基は置換基を有
していてもよく、その置換基例としては、たとえばフェ
ニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル
アミノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテロ環基
がある。また、式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,R8,R9で表されるアリールオキシ基は、総炭素
数6から30のアリールオキシ基が好ましく、総炭素数
6から12のアリールオキシ基が特に好ましい。たとえ
ば、フェノキシ、4−メチルフェノキシ、2−メチルフ
ェノキシ、2−クロロフェノキシ、1−ナフチルオキシ
が好ましく、フェノキシ、4−メチルフェノキシが特に
好ましい。
【0022】式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R
7,R8,R9で表されるアルキルチオ基は、置換基を有
していてもよく、その置換基例としては、たとえばフェ
ニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル
アミノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテロ環基
がある。また、式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,R8,R9で表されるアルキルチオ基は、総炭素数
1から20のアルキルチオ基が好ましく、総炭素数1か
ら12のアルキルチオ基が特に好ましい。たとえば、メ
チルチオ、エチルチオ、ノルマルブチルチオ、ターシャ
リーブチルチオ、ノルマルヘキシルチオ、ノルマルオク
チルチオ、2−エチルヘキシルチオ、ノルマルドデシル
チオ、シクロヘキシルチオ、ベンジルチオ、エトキシカ
ルボニルメチルチオが好ましく、ノルマルオクチルチ
オ、ノルマルドデシルチオ、シクロヘキシルチオ、ベン
ジルチオが特に好ましい。
【0023】式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R
7,R8,R9で表されるアリールチオ基は置換基を有し
ていてもよく、その置換基例としては、たとえばフェニ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル
アミノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテロ環基
がある。式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R7
8,R9で表されるアリールチオ基は総炭素数6から3
0のアリールチオ基が好ましく、総炭素数6から12の
アリールチオ基が特に好ましい。たとえば、フェニルチ
オ、4−メチルフェニルチオ、3−メチルフェニルチ
オ、2−メチルフェニルチオ、4−クロロフェニルチ
オ、2−クロロフェニルチオ、1−ナフチルチオが好ま
しく、フェニルチオ、4−メチルチオが特に好ましい。
【0024】式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R
7,R8,R9で表されるアルキルスルホニル基は、置換
基を有していてもよく、その置換基例としては、たとえ
ばフェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、
アシルアミノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテ
ロ環基がある。また、式中、R1,R2,R3,R4
5,R6,R7,R8,R9で表されるアルキルスルホニ
ル基は、総炭素数1から20のアルキルスルホニル基が
好ましく、炭素数1から12のアルキルスルホニル基が
特に好ましい。たとえば、メチルスルホニル、エチルス
ルホニル、ノルマルブチルスルホニル、ノルマルヘキシ
ルスルホニル、ノルマルオクチルスルホニル、2−エチ
ルヘキシルスルホニル、ノルマルドデシルスルホニル、
シクロヘキシルスルホニル、ベンジルスルホニル、エト
キシカルボニルメチルスルホニルが好ましく、メチルス
ルホニル、ノルマルオクチルスルホニル、ノルマルドデ
シルスルホニル、ベンジルスネルホニルが特に好まし
い。
【0025】式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R
7,R8,R9で表されるアリールスルホニル基は置換基
を有していてもよく、その置換基例としては、たとえば
フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ア
シルアミノ基、カルバテイル基、シアノ基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ヘテロ
環基がある。式中、R1,R2,R3、R4、R5、R6、R
7,R8,R9で表されるアリールスルホニルチオ基は総
炭素数6から30のアリールスルホニル基が好ましく、
総炭素数6から12のアリールスルホニル基が特に好ま
しい。たとえば、フェニルスルホニル、4−メチルフェ
ニルスルホニル、3−メチルフェニルスルホニル、2−
メチルフェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホ
ニル、2−クロロフェニルスルホニル、1−ナフチルス
ルホニルが好ましく、フェニルスルホニル、4−メチル
フェニルスルホニルが特に好ましい。
【0026】さらに、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7,R8,R9で表される基が置換基としてジアゾニオ
フェニル基を有した置換基であり、ビス体あるいはそれ
以上の多量体を形成してもよい。
【0027】式(2)中R10で示されるアルキル基または
アリール基の詳細は、上記R1,R2,R3,R4,R5
6,R7,R8,R9で表されるアルキル基、アリール基
と同じである。
【0028】X- で表わされる陰イオンは無機陰イオン
としてはヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素
酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオンが好ましく、ヘキ
サフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオンが特
に好ましい。有機陰イオンとしてはポリフルオロアルキ
ルカルボン酸イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸
イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン
酸イオン、芳香族スルホン酸イオンが好ましく、ポリフ
ルオロアルキルスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ
酸イオン、芳香族スルホン酸イオンが特に好ましい。
【0029】以下に本発明の一般式(1)または(2)
で表される化合物の具体例を示すが本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0030】(化合物例)
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】一般式(1)または(2)で表されるジア
ゾニウム塩は既知の方法で製造することが可能である。
すなわち、対応するアニリンを酸性溶媒中、亜硝酸ナト
リウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用いて
ジアゾ化することにより得られる。例として例示化合物
A−1、例示化合物A−2の合成例を以下に示す。
【0035】〔例示化合物A−1の合成例〕ジエチル−
4−ニトロベンジルホスホネート58.3gとナトリウ
ムメトキシド(28%メタノール溶液)61.7gをエ
タノール400mLとDMF400mLの混合溶媒中で
撹拌し、4−n−デシルオキシベンズアルデヒド55.
1gを室温で滴下した。そのまま室温で3時間撹拌し、
生成した結晶を濾集した。結晶を冷エタノール200mLで
洗浄し、乾燥すると黄色結晶である4−n−デシルオキ
シ−4’−ニトロスチルベン73.4gを得た。
【0036】得られた4−n−デシルオキシ−4’−ニ
トロスチルベンの1H−NMR(溶媒:CDCl3、30
0MHz)のデータを以下に示す。1 H−NMR(δ、ppm);8.20(d, 2H), 7.59(d, 2H),
7.48(d, 2H), 7.22(d,1H, J=14.6Hz), 7.00(d, 1H, J=1
4.6Hz), 6.91(d, 2H), 3.98(t, 2H), 1.76-1.84(m, 2
H), 1.40-1.52(m, 2H), 1.25-1.40(m, 12H), 0.89(t, 3
H)
【0037】還元鉄2.8g、塩化アンモニウム0.3
gをイソプロパノール15mLと水5mLの混合溶媒中
に加え加熱環流し、ここへ4−n−デシルオキシ−4’
−ニトロスチルベン3.8gを固体で分割添加した。3
0分加熱環流した後、反応液をセライト濾過した。濾液
に酢酸エチルと水を加えて分液し、酢酸エチル層を濃縮
し、クリーム色の固体である4−n−デシルオキシ−
4’−アミノスチルベン3.7gを得た。この4−n−
デシルオキシ−4’−アミノスチルベンの粗結晶3.7
gを20mLのメタノールに溶解し、濃塩酸2.6mL
を加えて0℃に冷却した。ここへ亜硝酸ナトリウム0.
91g、水2mLの溶液を滴下し10℃で1時間攪拌し
た後、反応混合物にカリウムヘキサフルオロホスフェー
2.4gを加えて室温で30分撹拌した。ここへ水
10mLを加えて晶析した。析出した結晶を濾集し水、
イソプロパノールで順次洗浄後、酢酸エチルとイソプロ
パノールの混合溶媒から再結晶した。乾燥後、例示化合
物A−1を3.7g得た。
【0038】得られた例示化合物A−1の1H−NMR
(溶媒:Acetone−d6、300MHz)のデータ
を以下に示す。1 H-NMR(δ、ppm);8.75(d, 2H), 8.20(d, 2H), 7.84
(d, 1H, J=14.6Hz), 7.71(d, 2H), 7.42(d, 1H, J=14.6
Hz), 7.03(d, 2H), 4.05(t, 2H), 1.76-1.84(m,2H), 1.
40-1.56(m, 2H), 1.25-1.43(m, 12H), 0.86(t, 3H) また、メタノール中の紫外可視吸収スペクトルはλmax
445nm,ε 2.9×104 であった。
【0039】〔例示化合物A−2の合成例〕2−n−ヘ
キシルオキシ−4−ヨードアセトアニリド11.2g、
トリエチルアミン5.7g、PdCl2(PPh3)2 0.2gを
DMF30mL中に撹拌し、窒素置換した。ここへ4−
t−ブチルオキシスチレン5.0gを加え、80℃で1
2時間加熱撹拌し、酢酸エチルと水を加えて分液した。
酢酸エチル層を濃縮し、得られた粗結晶をカラムクロマ
トグラフィーにより精製し(酢酸エチル:ヘキサン=1:
5)、白色結晶の4−t−ブチルオキシ−4’−アセトア
ミド −3’−n−ヘキシルオキシスチルベン11.5
gを得た。
【0040】得られた4−t−ブチルオキシ−4’−ア
セトアミド −3’−n−ヘキシルオキシスチルベンの1
H−NMR(溶媒:CDCl3、300MHz)のデータ
を以下に示す。1 H−NMR(δ、ppm);8.34(d, 1H), 7.78(br, 1H),
7.40(d, 2H), 7.07(dd, 1H), 6.87-7.02(m, 5H), 4.14
(t, 2H), 1.80-1.93(m, 2H), 1.43-1.50(m, 2H), 1.38-
1.45(m, 13H), 0.96(t, 3H) 4−t−ブチルオキシ−4’−アセトアミド −3’−n
−ヘキシルオキシスチルベン2.7gを14mLのメタ
ノールに溶解し、濃塩酸2.6mLを加えて3時間加熱
還流した。その後反応溶液を0℃に冷却し、ここへ亜硝
酸ナトリウム0.55g、水1mLの溶液を滴下し10
℃で1時間攪拌した後、反応混合物にカリウムヘキサフ
ルオロホスフェート 1.6gを加えて室温で60分撹
拌した。ここへ水8mLを加えて晶析した。析出した結
晶を濾集し水、イソプロパノールで順次洗浄後、酢酸エ
チルとイソプロパノールの混合溶媒から再結晶した。乾
燥後、例示化合物A−2を2.3g得た。
【0041】得られた例示化合物A−2の1H−NMR
(溶媒:CD3OD、300MHz)のデータを以下に示
す。1 H-NMR(δ、ppm);8.22(d, 1H), 7.75(d, 1H, J=14.6
Hz), 7.61(d, 2H), 7.60(d, 1H), 7.58(s, 1H), 7.20
(d, 1H, J=14.6Hz), 6.85(d, 2H), 4.51(t, 2H), 1.90-
1.99(m, 2H), 1.50-1.61(m, 2H), 1.35-1.48(m, 13H),
0.96(t, 3H) また、メタノール中の紫外可視吸収スペクトルはλmax
450nm,ε 1.7×104 であった。
【0042】一般式(1)または(2)で表わされる化
合物は油状物、結晶状態のいずれであってもよいが、取
扱い性の点で結晶状態のものが好ましい。これらの一般
式(1)または(2)の化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上併用することもできる。また一般式(1)
または(2)の化合物を感熱記録材料に用いる場合、感
熱記録層中において0.02〜5g/m2の範囲で用いる
ことが好ましいが、発色濃度の点から0.1〜4g/m2
の範囲で用いることが特に好ましい。
【0043】上記化合物(ジアゾニウム塩)の安定化の
ために塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて
錯化合物を形成させジアゾニウム塩の安定化を行なうこ
ともできる。これらジアゾニウム塩は単独で用いてもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
【0044】《カプラー》本発明において使用できるカ
プラーとしては、塩基性雰囲気および/または中性雰囲
気でジアゾニウム塩とカップリングして色素を形成する
ものであればいずれの化合物も可能である。ハロゲン化
銀写真感光材料用のいわゆる4当量カプラーはすべてカ
プラーとして使用可能である。これらは目的とする色相
に応じて選択することが可能である。
【0045】例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を
有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体などがあり、具体例として下記の
ものが挙げられ本発明の目的に合致する範囲で使用され
る。
【0046】本発明において使用できるカプラーとして
特に好ましくは、一般式(3)で表される化合物であ
る。次に一般式(3)で表されるカプラーについて詳細
に述べる。式中E1 、E2 で表される電子吸引性基は、
Hammettのσ値が正である置換基をさし、これら
は同一であっても異なっていても良く、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニト
ロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
ヘテロ環基、ホスホノ基等が好ましい。アセチル基、プ
ロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリ
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチ
ルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロ
ピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボ
ニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テ
ノイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、
4−メトキシフェノキシカルボニル基等のオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイ
ル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニル
カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキ
シ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス
(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホ
リノカルボニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニ
ル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等
のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基、
ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾー
ル−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,
4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,
4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等
の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が好まし
い。
【0047】また、E1 、E2 で表される電子吸引性基
は、両者が結合し環を形成してもよい。E1 、E2 で形
成される環としては5ないし6員の炭素環あるいは複素
環が好ましい。
【0048】具体例を挙げると、レゾルシン、フロログ
ルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニ
リド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モル
ホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフト
ール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−
3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8
−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジア
ニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−
1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタ
ンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニ
ル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−
4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)
−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロ
ヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシル
バルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタ
デシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5
−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、
N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチ
ル)バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−
ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)
−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−
トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾ
ロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール等がある。 カプラーの詳細につい
ては、特開平4−201483号、特開平7−2233
67号、特開平7−223368号、特開平7−323
660号、特願平5−278608号、特願平5−29
7024号、特願平6−18669号、特願平6−18
670号、特願平7−316280号、特願平8−02
7095号、特願平8−027096号、特願平8−0
30799号、特願平8−12610号、特願平8−1
32394号、特願平8−358755号、特願平8−
358756号、特願平9−069990号等に記載さ
れている。
【0049】以下に本発明の一般式(3)で表されるカ
プラーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0050】(カプラー化合物例)
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】《ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル》
本発明の感熱記録材料は、その使用前の生保存性を良好
とするために、ジアゾニウム塩をマイクロカプセルに内
包させる。その形成方法は既に公知の方法を用いること
ができる。カプセル壁を形成する高分子物質は常温では
不透過性であり、加熱時に透過性となることが必要で有
り、特にガラス転移温度が60−200℃のものが好ま
しい。これらの例として、ポリウレタン、ポリウレア、
ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン・メタクリ
レート共重合体、スチレン・アクリレート共重合体およ
びこれらの混合系をあげることができるが、本発明にお
いては、ポリウレアまたはポリウレタンの中から選ばれ
る少なくとも1種であることが好ましい。
【0057】マイクロカプセル形成法としては、界面重
合法および内部重合法が適している。カプセル形成方法
の詳細およびリアクタントの具体例については、米国特
許第3,726,804号、同第3,796,669号
等の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウ
レタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソシ
アネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成する第
2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒体ま
たはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれ
らを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分
子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。な
お上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアが生
成する。以下に、本発明におけるジアゾニウム塩内包マ
イクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造
方法について述べる。
【0058】まず、ジアゾニウム塩はカプセルの芯とな
る疎水性の有機溶媒に溶解または分散させる。この場合
の有機溶媒としては、沸点100−300℃の有機溶媒
が好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネート
が壁材として添加される(油相)。
【0059】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
【0060】多価イソシアネートの使用量は、マイクロ
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0061】水相中にポリオールを添加しておけば、多
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩田敬治 編 ポリ
ウレタンハンドブック日刊工業新聞社 (198
7))。
【0062】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレン
ジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその
水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールとキシリレンジイソ
シアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体と
して多官能としたもの、トリメチロールプロパンなどの
ポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イ
ソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等
の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を
導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン
縮合物などが挙げられる。特開昭62−212190号
公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317
694号公報、特願平8−268721号公報等に記載
の化合物が好ましい。
【0063】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
【0064】前記のジアゾニウム塩を溶解し、マイクロ
カプセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒として
は、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具体
的にはアルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタ
ン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、
アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エス
テル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル
類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エ
ステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エ
ステル類や特願平11−317869、特願平11−3
69276に記載の化合物などが挙げられる。これらは
2種以上混合して用いてもよい。
【0065】カプセル化しようとするジアゾニウム塩の
これらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いよう
とするジアゾニウム塩の溶解性の高い低沸点溶媒を補助
的に併用することもできる。具体的には、酢酸エチル、
酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、アセトンなどが挙げられる。この
ため、ジアゾニウム塩はこれら高沸点疎水性有機溶媒、
低沸点補助溶媒に対する適当な溶解度を有していること
が好ましく、具体的には該溶剤に5%以上の溶解度を有
していることが好ましい。水に対する溶解度は1%以下
が好ましい。
【0066】このようにして調製されたカプセルの油相
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0067】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たと
えばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変成するなどして反応性をなくしてお
くことが必要である。また、界面活性剤を添加する場合
には、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.
1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好まし
い。
【0068】乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同
士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝
突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0069】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾニウム塩内包マイク
ロカプセルを得ることができる。
【0070】《その他の成分》本発明に用いられるカプ
ラーは、塩基性物質、その他の発色助剤等とともに、サ
ンドミル等により水溶性高分子とともに固体分散して用
いることもできるが、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤
に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分
子を保護コロイドとして有する水相と混合し、乳化分散
物とすることが好ましいが、乳化分散を容易にする観点
から、界面活性剤を用いることが特に好ましい。
【0071】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点から好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルと
の併用も可能である。
【0072】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいもの
として挙げることができる。場合により、高沸点オイル
を含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0073】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0074】又水相に含有させる界面活性剤は、アニオ
ン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コ
ロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選
択して使用することができる。好ましい界面活性剤とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫
酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
【0075】本発明においては、ジアゾニウム塩とカプ
ラーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を
加えることもできる。これらの有機塩基は、単独で用い
ても2種以上併用して用いることもできる。塩基性物質
としては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン
類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グア
ニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が挙げられ
る。特公昭52−46806号公報、特開昭62−70
082号公報、特開昭57−169745号公報、特開
昭60−94381号公報、特開昭57−123086
号公報、特開昭58−1347901号公報、特開昭6
0−49991号公報、特公平2−24916号公報、
特公平2−28479号公報、特開昭60−16528
8号公報、特開昭57−185430号公報に記載のも
のを使用できる。
【0076】これらの中でも、特に、N,N′−ビス
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N′−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジン類、N
−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒ
ドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)
ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピ
ペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジ
ン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシル
フェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0077】本発明においては、ジアゾニウム塩1重量
部に対するカプラー及び塩基性物質の使用量は、それぞ
れ0.1〜30重量部であることが好ましい。
【0078】本発明においては、上記した有機塩基の他
にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えるこ
とができる。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高
くする、もしくは最低発色温度を低くする物質であり、
カプラー、塩基性物質、もしくはジアゾニウム塩等の融
解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作
用により、ジアゾニウム塩、塩基性物質、カプラー等が
反応しやすい状況を作るためのものである。
【0079】本発明に用いられる発色助剤として、例え
ば低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が行われるよう
に、発色層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導体、
アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン
類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミ
ド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物ヒドロ
キシ化合物、等を加えることができる。
【0080】本発明の感熱記録材料においては、熱発色
画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、または、定
着後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的で、以
下に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ましい。
上記の酸化防止剤については、例えばヨーロッパ公開特
許、同第223739号公報、同309401号公報、
同第309402号公報、同第310551号公報、同
第310552号公報、同第459416号公報、ドイ
ツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48
535号公報、同62−262047号公報、同63−
113536号公報、同63−163351号公報、特
開平2−262654号公報、特開平2−71262号
公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61
166号公報、特開平5−119449号公報、アメリ
カ特許第4814262号、アメリカ特許第49802
75号等に記載されている。
【0081】更に、本発明においては感熱記録材料や感
圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加
剤を用いることも有効である。これらの各種添加剤の具
体例としては、特開昭60−107384号公報、同6
0−107383号公報、同60−125470号公
報、同60−125471号公報、同60−12547
2号公報、同60−287485号公報、同60−28
7486号公報、同60−287487号公報、同60
−287488号公報、同61−160287号公報、
同61−185483号公報、同61−211079号
公報、同62−146678号公報、同62−1466
80号公報、同62−146679号公報、同62−2
82885号公報、同63−051174号公報、同6
3−89877号公報、同63−88380号公報、同
63−088381号公報、同63−203372号公
報、同63−224989号公報、同63−25128
2号公報、同63−267594号公報、同63−18
2484号公報、特開平1−239282号公報、同4
−291685号公報、同4−291684号公報、同
5−188687号公報、同5−188686号公報、
同5−110490号公報、同5−1108437号公
報、同5−170361号公報、特公昭48−0432
94号公報、同48−033212号公報等に記載され
てる化合物を挙げることができる。
【0082】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0083】これらの酸化防止剤および各種添加剤の添
加量は、ジアゾニウム塩1重量部に対して0.05〜1
00重量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜
30重量部であることが好ましい。このような公知の酸
化防止剤および各種添加剤はジアゾニウム塩と共にマイ
クロカプセル中に含有させて用いることも、あるいはカ
プラーや塩基性物質、その他の発色助剤と共に、固体分
散物として、もしくは適当な乳化助剤と共に乳化物にし
て用いることも、あるいはその両方の形態で用いること
もできる。また酸化防止剤および各種添加剤を単独また
は複数併用することができるのは勿論である。また、保
護層に添加または存在させることもできる。
【0084】これらの酸化防止剤および各種添加剤は同
一層に添加しなくてもよい。更にこれらの酸化防止剤お
よび各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合には、ア
ニリン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフェノー
ル類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、り
ん化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに異
なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを
複数組み合わせることもできる。
【0085】本発明の感熱記録材料には、記録後の地肌
部の黄着色を軽減する目的で光重合性組成物等に用いら
れる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合
物)を加えることができる。遊離基発生剤としては、芳
香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエー
テル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキ
シムエステル類などが挙げられる。添加する量は、ジア
ゾニウム塩1重量部に対して、遊離基発生剤0.01〜
5重量部が好ましい。
【0086】また同様に黄着色を軽減する目的で、エチ
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビ
ニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニルモ
ノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレ
ン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する
化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を
持つものである。これらの例として、不飽和カルボン酸
及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化
合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジア
ゾニウム塩1重量部に対して0.2〜20重量部の割合
で用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジア
ゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有して用いる
こともできる。
【0087】本発明では以上の素材の他に酸安定剤とし
てクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロ
リン酸等を添加することができる。
【0088】本発明の感熱記録材料は、ジアゾニウム塩
を含有したマイクロカプセル、カプラー、及び有機塩
基、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、紙や合
成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード塗
布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティン
グ塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等
の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜30g
/m2の感熱層を設けることが好ましい。本発明の感熱記
録材料においては、マイクロカプセル、カップリング成
分、塩基などが同一層に含まれていてもよいが、別層に
含まれるような積層型の構成をとることもできる。ま
た、支持体の上に特願昭59−177669号明細書等
に記載されているような中間層を設けた後、感熱層を塗
布することもできる。
【0089】本発明の感熱記録材料において使用される
バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテ
ックス類などを使用することができる。水溶性高分子化
合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビ
アゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブ
チレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変成物等が
挙げられ、ラテックス類としては、スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴム
ラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0090】本発明の感熱記録材料に使用できる顔料と
しては、有機、無機を問わず公知のものを使用すること
ができる。具体的には、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリ
カ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バ
リウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿
素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、
セルロースフィラー等が挙げられる。
【0091】本発明の感熱記録材料においてはその必要
に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電
剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆
体など各種添加剤を使用することができる。
【0092】本発明の感熱記録材料には必要に応じて記
録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要に応
じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料とし
ては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、
珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼ
イン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチ
レン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポ
リアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリ
スチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水
溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテ
ックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテック
ス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢
酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いられる。
保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より一層保存
安定性を向上させることもでき、その架橋剤としては公
知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−メ
チロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマ
リン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタル
アルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の
無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが挙
げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石鹸、
ワックス、界面活性剤などを使用することもできる。保
護層の塗布量は0.2〜5g/m2が好ましく、0.5〜
2g/m2が特に好ましい。またその膜厚は0.2〜5μ
mが好ましく、0.5〜2μmが特に好ましい。
【0093】本発明の感熱記録材料に保護層を使用する
場合、保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体を含
有してもよい。
【0094】本発明の支持体としては、通常の感圧紙や
感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用いられる紙
支持体はいずれも使用することができる他、酸性紙、中
性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、
合成紙、プラスチックフィルムなどを使用することがで
きる。支持体のカールバランスを補正するため或いは、
裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バックコート
層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙
を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。このバック
コート層についても上記保護層と同様にして設けること
ができる。
【0095】《画像形成方法》本発明の感熱記録材料を
用いた画像形成は、以下のような方法で行ってもよい。
即ち、例えば、感熱記録材料の感熱記録層が設けられた
側の表面をサーマルヘッド等の加熱装置により画像様に
加熱印画することにより、感熱記録層の加熱部で、層中
のポリウレアおよび/またはポリウレタンを含むカプセ
ル壁が軟化して物質透過性となり、カプセル外のカプラ
ーや塩基性物質(有機塩基)がマイクロカプセル内に侵入
すると、画像様に発色して画像形成する態様の方法であ
ってもよい。この場合、発色後、さらにジアゾニウム塩
の吸収波長に相当する光を照射することにより(光定
着)、ジアゾニウム塩が分解反応を起こしてカプラーと
の反応性を失い、画像の定着を図ることができる。上記
のように光定着を施すことにより、未反応のジアゾニウ
ム塩は、分解反応を生じてその活性を失うため、形成し
た画像の濃度変動や、非画像部(地肌部)におけるステイ
ンの発生による着色、即ち、白色性の低下、該低下に伴
う画像コントラストの低下を抑制することができる。
【0096】定着光源としては、種々の蛍光灯、キセノ
ンランプ、水銀灯などが用いられ、この発光スペクトル
が感熱記録材料で用いたジアゾニウム塩の吸収スペクト
ルにほぼ一致していることが効率よく定着でき好まし
い。本発明においては、発光中心波長が360〜450
nmの定着光源が特に好ましい。
【0097】本発明では、光分解波長が異なる光分解性
ジアゾニウム塩を別層に用いることにより多色記録材料
とすることもできる。
【0098】本発明の感熱記録材料を多層多色感熱記録
材料とした場合には感熱記録層相互の混色を防ぐため、
中間層を設けることもできる。この中間層はゼラチン、
フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドンなどの水溶性高分子化合物からなり、適宜各
種添加剤を含んでいてもよい。
【0099】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0100】〔実施例1〕 (ジアゾニウム塩含有マイクロカプセル液Aの調製)酢
酸エチル19gにジアゾニウム塩(A−1)2.4g、
トリクレジルホスフェート10gを添加して均一に混合
した。次いでこの混合液に壁材としてタケネートD11
0N(武田薬品工業株式会社製)7.6gを加え混合し
I液を得た。次にフタル化ゼラチンの8%水溶液46
g、水17.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
の10%水溶液2gの混合液に上記I液を添加しホモジ
ナイザーを使用して40℃、10000rpmで10分
間乳分散した。得られた乳化物に水20gを加えて均一
化した後、攪拌しながら40℃で3時間カプセル化反応
をおこなわせてカプセル液Aを得た。カプセルの粒径は
0.6〜0.8マイクロメートルであった。
【0101】(カプラー乳化液Bの調製)酢酸エチル1
0.5gにカプラー(B−1)3g、トリフェニルグア
ニジン3g、トリクレジルホスフェート0.5g、マレ
イン酸ジエチル0.24gを溶解しII液を得た。次に
石灰処理ゼラチンの15%水溶液49g、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダの10%水溶液9.5g、水35
gを40℃で均一に混合した中にII液を添加しホモジ
ナイザーを使用して40℃、10000rpmで10分
間乳化分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪拌
して酢酸エチルを除去後、蒸発した酢酸エチルと水の量
を加水によりおぎない、カプラー乳化液Bを得た。
【0102】(感熱記録層塗布液Cの調製)カプセル液
A3.6g、水3.3g、カプラー乳化液B9.5gを
混合し、感熱記録層塗布液Cを得た。
【0103】(保護層塗布液Dの調製)イタコン酸変性
ポリビニルアルコール(KL−318;商品名、クラレ
株式会社製)6%水溶液100gとエポキシ変性ポリア
ミド(FL−71;商品名、東邦化学株式会社製)30
%の分散液10gとを混合した液に、ステアリン酸亜鉛
40%の分散液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式
会社製)15gを均一に混合し保護層塗布液Dを得た。
【0104】(塗布)上質紙にポリエチレンをラミネー
トした印画紙用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗
布液C、保護層塗布液Dの順に順次塗布と50℃での乾
燥を行ない、目的の感熱記録材料を得た。固形分として
の塗布量は各々6.0g/m2 、1.2g/m2 であっ
た。
【0105】(発色試験)京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに
対する印加電力およびパルス幅を決め、感熱記録材料に
熱印画し画像を得た。次いで、発光中心波長420n
m、出力40Wの紫外線ランプ下に10秒間曝した。発
色濃度および地肌濃度を測定した。
【0106】(耐光性試験)京セラ株式会社製サーマル
ヘッド(KST型)を用いて発色させた発色部を蛍光灯
試験機を用い、30000luxで24時間照射した
後、発色部の濃度を測定した。
【0107】(光定着性試験)発光中心波長420n
m、出力40Wの紫外線ランプ下に8秒曝した後に、発
色試験を行なった。
【0108】(濃度測定)発色部およびカブリの濃度は
MacbethRD918を用い、Yポジションでの濃
度を測定した。地肌部の濃度はYポジションでの濃度を
測定した。
【0109】〔実施例2〕ジアゾニウム塩として(A−
1)2.4gの換わりに(A−2)2.5gを用いた他
は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0110】〔実施例3〕カプラーとして(B−1)3
gの換わりに(B−10)3.9gを用いた他は、実施
例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0111】〔比較例1〕ジアゾニウム塩として(A−
1)2.4gの換わりに2,5−ジブチル−4−モルホ
リノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート
2.5gを用いた他は、実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製した。
【0112】〔比較例2〕ジアゾニウム塩として(A−
1)2.4gの換わりに2,5−ジブチル−4−(4−
メチルチオフェニル)ベンゼンジアゾニウムヘキサフル
オロホスフェート2.8gを用いた他は、実施例1と同
様にして感熱記録材料を作成した。
【0113】結果を表1に示す。
【表1】
【0114】表1の結果は、本発明における感熱記録材
料が、比較例の感熱記録材料に比べて、400nmより
長波長の光源による光定着後の発色濃度が低く、光定着
性に優れていることを示している。
【0115】更に、本発明における感熱記録材料は、4
00nmより長波長の光源で、十分な発色濃度を示して
いると共に、比較例の感熱記録材料に比べて、地肌濃度
が低く抑えられていることを示している。また本発明に
おける感熱記録材料の発色部が、比較例の感熱記録材料
の発色部に比べて、高い耐光性を有していることも示し
ている。
【0116】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、400nmよ
り長波長の光源での光定着性に優れ、地肌着色が少な
く、発色部の耐光性に優れている。その結果、定着性向
上により印刷時間の短縮が期待出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ジアゾニウム塩及びカプラ
    ーを含む感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該
    ジアゾニウム塩が、下記一般式(1)で表される化合物
    であることを特徴とする感熱記録材料。 【化1】 一般式(1) [式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R
    9はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
    基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリール
    スルホニル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、ニト
    ロ基またはシアノ基を表す。X-は陰イオンを表す。]
  2. 【請求項2】 ジアゾニウム塩が下記一般式(2)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の
    感熱記録材料。 【化2】 一般式(2) [式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8はそ
    れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリ
    ールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
    ル基、ニトロ基またはシアノ基を表す。R10はアルキル
    基またはアリール基を表し、X-は陰イオンを表す。]
  3. 【請求項3】 カプラーが下記一般式(3)で表される
    化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の感熱記録材料。 【化3】 一般式(3) (式中、E1、E2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表す。
    E1とE2が結合して環を形成しても良い。)
  4. 【請求項4】 ジアゾニウム塩がマイクロカプセル中に
    内包されることを特徴とする請求項1、2または3に記
    載の感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 ジアゾニウム塩を内包するマイクロカプ
    セルのカプセル壁がポリウレタンおよび/またはポリウ
    レアを構成成分として含むカプセル壁であることを特徴
    とする請求項4に記載の感熱記録材料。
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