JP2001063218A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2001063218A
JP2001063218A JP23699399A JP23699399A JP2001063218A JP 2001063218 A JP2001063218 A JP 2001063218A JP 23699399 A JP23699399 A JP 23699399A JP 23699399 A JP23699399 A JP 23699399A JP 2001063218 A JP2001063218 A JP 2001063218A
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diazonium salt
heat
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JP23699399A
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English (en)
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Hisao Yamada
尚郎 山田
Takami Ikeda
貴美 池田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 420nm前後の波長で定着が可能なジアゾ
ニウム塩化合物を用いて、色相の良好なマゼンタ色素を
与え、かつ、画像耐光性に優れた新規な赤〜マゼンタ〜
紫発色型のジアゾ感熱記録材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に、ジアゾニウム塩化合物と、
該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して発色するカプラ
ーとを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料におい
て、該カプラーとして、下記一般式(1)で表される化
合物を少なくとも1種含有することを特徴とする感熱記
録材料である。式中、Aは、芳香族ヘテロ環基を表し、
Bは、ジアゾニウム塩とカップリングした際に離脱可能
な置換基を表す。Xは、硫黄原子、酸素原子又はNR1
を表し、Yは、炭素原子、硫黄原子又はリン原子を表
し、Zは、酸素原子又は硫黄原子を表す。Rは、アルキ
ル基、アリール基等を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアゾニウム塩化
合物の感光性を利用した感熱記録材料に関する。更に詳
しくは、色相が良好で、かつ、画像耐光性に優れた新規
な赤〜マゼンタ〜紫発色型のジアゾ感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジアゾニウム塩化合物は、ジアゾコピー
に代表される光記録材料として古くから利用されてお
り、更に、光によって分解して機能を失う性質を利用し
て、最近では画像の定着が要求される記録材料にも応用
され、代表的なものとしてはジアゾニウム塩化合物とカ
プラーを画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形
成した後、光照射により画像を定着する光定着型感熱記
録材料が提案されている(佐藤弘次ら、画像電子学会
誌、第11巻、290〜296頁(1982年))。
【0003】更に、ジアゾニウム塩化合物の保在性改良
等の技術的な発展もあり、フルカラー感熱記録材料への
適用が報告されている(電子写真学会誌、第26巻、1
15〜125ぺ一ジ(1987年)、FUJIFILM
Research&Development,40
巻、13頁(1995年)、特公平4−10879号
等)。
【0004】これまでフルカラー感材を作る多くの研究
において、マゼンタは365nm付近に極大吸収を有す
るジアゾを用いて色素を形成させていた。しかしなが
ら、感熱記録材料の高性能化に伴って視感度の高いマゼ
ンタを最上層におくこくにより、シャープネスを高める
設計が有効であることがわかった。そのためには、42
0nm前後の波長で定着が可能なジアゾニウム塩化合物
を用いてマゼンタ色素を形成するカプラーを用いる必要
がある。420nm前後の波長で定着が可能なジアゾニ
ウム塩化合物と熱時反応して発色するマゼンタカプラー
として、これまで365nm付近に極大吸収を有するジ
アゾニウム塩化合物と熱時反応して発色する1−ヒドロ
キシクマリン等のカプラーを用いた場合には、非常にブ
ロードで茶色い色味を示す色素を与えてしまい、その母
核上の置換基を変えてもマゼンタを形成することはでき
なかった。
【0005】また、これを改良する目的で、特願平9−
152414号明細書に新しいジアゾニウム塩が提案さ
れている。1−ヒドロキシクマリンカプラーから得られ
る色相は、従来型のジアゾから得られるものに比べて改
良されているものの、色相として満足できるものではな
く、画像耐光性も良好とは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、420nm前後の波長で定着
が可能なジアゾニウム塩化合物を用いて、色相の良好な
マゼンタ色素を与え、かつ、画像耐光性に優れた新規な
赤〜マゼンタ〜紫発色型のジアゾ感熱記録材料を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 支持体上に、ジアゾニウム塩化合物と、該ジア
ゾニウム塩化合物と熱時反応して発色するカプラーとを
含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該
カプラーとして、下記一般式(1)で表される化合物を
少なくとも1種含有することを特徴とする感熱記録材料
である。
【0008】
【化5】
【0009】(一般式(1)中、Aは、芳香族ヘテロ環
基を表し、Bは、ジアゾニウム塩とカップリングした際
に離脱可能な置換基を表す。Xは、硫黄原子、酸素原子
又はNR1(R1は、水素原子、アルキル基又はアリール
基を表す。)を表す。Yは、炭素原子、硫黄原子又はリ
ン原子を表す。Zは、酸素原子又は硫黄原子を表す。R
は、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ
基、アリールオキシ基又はアミノ基を表す。n1は、Y
が炭素原子又はリン原子のとき1を表し、Yが硫黄原子
のとき1又は2を表す。n2は、Yが炭素原子又は硫黄
原子のとき1を表し、Yがリン原子のとき1又は2を表
す。n1及びn2が2のとき、2つのZ及びRは、同じ
でもよく、異なっていてもよい。) <2> 前記ジアゾニウム塩が、下記一般式(2)で表
わされる化合物であることを特徴とする前記<1>に記
載の感熱記録材料である。
【0010】
【化6】
【0011】(一般式(2)中、R11は、アルキルスル
フェニル基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフ
ィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシル
基、アシル基又はシアノ基を表す。R13及びR14は、そ
れぞれ、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
12、R15及びR16は、それぞれ、水素原子、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表
す。X-は陰イオンを表す。R13とR14、R12とR13
及びR14とR15は、互いに結合して環を形成してもよ
い。) <3> 前記ジアゾニウム塩化合物が、下記一般式
(3)で表される化合物であることを特徴とする前記<
1>に記載の感熱記録材料である。
【0012】
【化7】
【0013】(一般式(3)中、R11は、アルキルスル
フェニル基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフ
ィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基又はシ
アノ基を表す。R13及びR14は、それぞれ、水素原子、
アルキル基又はアリール基を表す。X-は陰イオンを表
す。R13とR14は、互いに結合して環を形成してもよ
い。) <4> 前記ジアゾニウム塩が、下記一般式(4)で表
わされる化合物であることを特徴とする前記<1>に記
載の感熱記録材料である。
【0014】
【化8】
【0015】(一般式(4)中、Arはアリール基を表
す。R17及びR18は、それぞれ、アルキル基又はアリー
ル基を表す。R17及びR18は、同一でもよく、異なって
いてもよい。X-は、酸アニオンを表す。) <5> 前記ジアゾニウム塩化合物が、マイクロカプセ
ルに内包されていることを特徴とする前記<1>から<
4>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の感熱記録材料は、支持体上に、感熱記録
層を有し、更に必要に応じて、その他の層を有してな
る。
【0017】[感熱記録層]前記感熱記録層は、ジアゾ
ニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応
して発色するカプラーとを含有し、更に必要に応じて、
その他の成分を含有してなる。
【0018】(カプラー)前記カプラーは、前記一般式
(1)で表される化合物を少なくとも1種含有してな
る。一般式(1)で表される化合物は、種々の互変異性
構造をとりうるものであり、本発明における一般式
(1)で表される化合物は、これら互変異性体をも含む
ものである。
【0019】一般式(1)中、Yは、炭素原子、硫黄原
子又はリン原子を表し、好ましくは、硫黄原子を表す。
Zは、酸素原子又は硫黄原子を表し、好ましくは、酸素
原子を表す。Rは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表
す。n1は、Yが炭素原子又はリン原子のとき1を表
し、Yが硫黄原子のとき1又は2を表す。n2は、Yが
炭素原子又は硫黄原子のとき1を表し、Yがリン原子の
とき1又は2を表す。n1及びn2が2のとき、2つの
Z及びRは、同じでもよく、異なっていてもよい。Yが
硫黄原子のときn1として好ましくは2である。
【0020】一般式(1)中、Rは、アルキル基(例え
ば、メチル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル
基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロヘキシル
基)、アリール基(例えば、フェニル基、1−ナフチル
基、2−ナフチル基)、ヘテロ環基、アルコキシ基(例
えば、メトキシ基、イソプロピルオキシ基、デシルオキ
シ基、ヘキサデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキ
シ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフ
トキシ基)、又はアミノ基(例えば、アミノ基、メチル
アミノ基、イソプロピルアミノ基、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ
基、ドデシルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルヘキ
シルアミノ基、ジオクチルアミノ基、シクロヘキシルア
ミノ基)を表す。これらの基は、更に置換基を有してい
てもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ
基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハ
ロゲン原子、水酸基等が挙げられる。前記Rとして好ま
しくは、アルキル基及びアリール基である。また置換基
として好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基及び塩素原子で
ある。
【0021】一般式(1)中、Aは、芳香族ヘテロ環基
を表す。芳香族ヘテロ環基としては、チオフェン、フラ
ン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、イミダゾー
ル、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、
ピリダジン及びトリアジンが好ましく挙げられ、チオフ
ェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール及
びイミダゾールがより好ましく挙げられる。これらの芳
香族ヘテロ環基は、置換基を有していてもよく、該置換
基としては、アルキル基及びアリール基が好ましく挙げ
られる。
【0022】一般式(1)中、Bは、ジアゾニウム塩と
カップリングした際に離脱可能な置換基を表す。このよ
うな離脱可能な置換基としては、ハロゲン原子、芳香族
アゾ基、酸素・窒素・イオウ若しくは炭素原子を介して
カップリング部位を結合するアルキル基、アリール基若
しくは複素環基、アルキル若しくはアリールスルホニル
基、アリールスルフィニル基、アルキル・アリール若し
くは複素環カルボニル基又は窒素原子でカップリング部
位と結合する複素環基等が挙げられ、例えば、ハロゲン
原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、アルキル若しくはアリールスルホニルオキシ基、ア
シルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホンアミ
ド基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ
カルボニルオキシ基、アルキル・アリール若しくはヘテ
ロ環チオ基、カルバモイルアミノ基、アリールスルフィ
ニル基、アリールスルホニル基、5員若しくは6員の含
窒素ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ基等があり、
これらの離脱基に含まれるアルキル基若しくは複素環基
は、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、
アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ基等
の置換基で更に置換されていてもよく、これらの置換基
が2つ以上のときは同一でも異なっていてもよく、これ
らの置換基が更に置換基を有していてもよい。
【0023】離脱基は、更に詳しくはハロゲン原子(フ
ッ素、臭素、塩素、沃素)、アルコキシ基(例えば、エ
トキシ、ドデシルオキシ、メトキシエチルカルバモイル
メトキシ、カルボキシプロピルオキシ、メチルスルホニ
ルエトキシ、エトキシカルボニルメトキシ)、アリール
オキシ基(例えば、4−メチルフェノキシ、4−クロロ
フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、4−カルボキシ
フェノキシ、3−エトキシカルボキシフェノキシ、3−
アセチルアミノフェノキシ、2−カルボキシフェノキ
シ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、テトラデ
カノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルキル若しく
はアリールスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホ
ニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルアミ
ノ基(例えば、ジクロロアセチルアミノ、ヘプタフルオ
ロブチリルアミノ)、アルキル若しくはアリールスルホ
ンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、トリフル
オロメタンスルホンアミノ、p−トルエンスルホニルア
ミノ)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、エト
キシカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキ
シ)、アリールオキシカルボニルオキシ(例えば、フェ
ノキシカルボニルオキシ)、アルキル・アリール若しく
はヘテロ環チオ基(例えば、エチルチオ、2−カルボキ
シエチルチオ、ドデシルチオ、1−カルボキシドデシル
チオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−t−オクチルフェ
ニルチオ、テトラゾリルチオ)、アリールスルホニル基
(例えば、2−ブトキシ−t−オクチルフェニルスルホ
ニル)、アリールスルフィニル基(例えば、2−ブトキ
シ−t−オクチルフェニルスルフィニル)、カルバモイ
ルアミノ基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ、
N−フェニルカルバモイルアミノ)、5員若しくは6員
の含窒素ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2−ジヒドロ−
2−オキソ−1−ピリジル)、イミド基(例えば、スク
シンイミド、ヒダントイニル)、アリールアゾ基(例え
ば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ)等であ
る。これらの基は更に置換されてもよい。
【0024】一般式(1)中、Xは、硫黄原子、酸素原
子又はNR1(R1は、水素原子、アルキル基又はアリー
ル基を表す。)を表す。R1で表されるアルキル基及び
アリール基の具体例としては、前記Rで表されるアルキ
ル基及びアリール基の具体例が挙げられる。
【0025】以下に、本発明におけるカプラーとして用
いる一般式(1)で表される化合物の具体例(K−1〜
K−53)を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】本発明におけるカプラーは種々の方法によ
り合成できるが、代表的な合成例を以下に示す。 [合成例1] (例示化合物K−10の合成)
【0034】
【化16】
【0035】上記10a(20.6g)と上記10b
(7.61g)を2−プロパノール(100ml)中
で、2時間還流した。反応液を氷冷し、析出した結晶を
濾過、冷やした2−プロパノールで洗浄、風乾した。こ
の結晶を炭酸水素ナトリウム水溶液中に分散し、1時間
攪拌した。その後、結晶を濾過、水洗、風乾することに
より上記10cを16.5g(90%)得た。上記10
c(16.5g)とテトラヒドロフラン(100ml)
の混合物を氷冷後、上記10d(37.5g)を加え、
続いてNaHのオイル分散物(含有率60%)を反応液
が15℃以下を保つように加えた。その後更に30分攪
拌し、そこに1N塩酸(150ml)と酢酸エチル(3
00ml)を加えた。水層を分離し、更に有機層を水で
洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、
ヘキサンから晶析し、更に得られた結晶を酢酸エチル
(40ml)とヘキサン(300ml)から再結晶する
ことにより例示化合物K−10を30.4g(60%)
得た。
【0036】[合成例2] (例示化合物K−34の合成)
【0037】
【化17】
【0038】上記10c(3.0g)と上記34b
(4.4g)とテトラヒドロフラン(30ml)との混
合物を氷冷後、NaHのオイル分散物(含有率60%)
を反応液が15℃以下を保つように加えた。その後更に
30分攪拌し、そこに1N塩酸(50ml)と酢酸エチ
ル(100ml)を加えた。水層を分離し、更に有機層
を水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃
縮後、シリカゲルカラム精製することにより例示化合物
K−34を5.5g(80%)得た。
【0039】本発明におけるカプラーとして用いる一般
式(1)で表される化合物の感熱記録層中の含有量は、
0.02〜5g/m2の範囲が好ましく、0.1〜4g
/m2の範囲が更に好ましい。0.02g/m2より少な
いと発色性が不十分となり易く、5g/m2を超えると
塗布適性に問題が生じ易くなる。
【0040】(ジアゾニウム塩化合物)本発明の感熱記
録材料に用いられるジアゾニウム塩化合物は、下記一般
式(A)で表される化合物であり、加熱によりカプラー
とカップリング反応を起こして発色し、また光によって
分解する化合物である。これらはAr部分の置換基の位
置や種類によって、その最大吸収波長を制御することが
可能である。 一般式(A) Ar−N2 +・X- 一般式(A)中、Arは芳香族部分を表し、X-は酸ア
ニオンを表す。
【0041】塩を形成するジアゾニウム塩化合物の具体
例としては、4−(p−トリルチオ)−2,5−ジブト
キシベンゼンジアゾニウム、4−(4−クロロフェニル
チオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4
−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、
4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウ
ム、4−(N,N−ジプロピルアミノ)ベンゼンジアゾ
ニウム、4−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)ベン
ゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジベンジルアミノ)
ベンゼンジアゾニウム、4−(N−エチル−N−ヒドロ
キシエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,
N−ジエチルアミノ)−3−メトキシベンゼンジアゾニ
ウム、4−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メトキシ
ベンゼンジアゾニウム、4−(N−ベンゾイルアミノ)
−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−モル
ホリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4
−アニリノベンゼンジアゾニウム、4−〔N−(4−メ
トキシベンゾイル)アミノ〕−2.5−ジエトキシベン
ゼンジアゾニウム、4−ピロリジノ−3−エチルベンゼ
ンジアゾニウム、4−〔N−(1−メチル−2−(4−
メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ〕
−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−〔N
−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘ
キシルアミノ〕−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニ
ウム、2−(1−エチルプロピルオキシ)−4−〔ジ−
(ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル)アミノ〕ベ
ンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0042】本発明に用いられるジアゾニウム塩化合物
の最大吸収波長λmaxは、450nm以下であること
が効果の点から好ましく、290〜440nmであるこ
とがより好ましい。ジアゾニウム塩化合物が上記波長領
域よりも長波長側にλmaxを有すると生保存性の点
で、短波長側にλmaxを有するとカプラーとの組み合
わせにおいて画像定着性、画像保存性の点でいずれも好
ましくない。また、本発明において用いられるジアゾニ
ウム塩化合物は、炭素原子数が12以上で、水に対する
溶解度が1%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解度が
5%以上であることが好ましい。
【0043】これらのジアゾニウム塩化合物の中でも、
本発明における特定カプラーとの組み合わせにおいて、
形成される色素の色相、画像耐光性の点で、前記一般式
(2)〜(4)で表されるジアゾニウム塩化合物の少な
くとも1種を用いることがより好ましい。
【0044】次に、一般式(2)及び(3)で表される
ジアゾニウム塩化合物について詳細に説明する。一般式
(2)及び(3)中、R11で表されるアルキルスルフェ
ニル基、アリールスルフェニル基は、更に置換基を有し
ていてもよく、その置換基としては例えば、フェニル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニ
ル基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテ
ロ環基が好ましい。特に総炭素数1〜30のアルキルス
ルフェニル基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、
ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデ
シルチオ基、オクタデシルチオ基、シクロヘキシルチオ
基、2−エチルヘキシルチオ基、2−(N,N−ジオク
チルカルバモイル)エチルチオ基)、アリルチオ基、ベ
ンジルチオ基、総炭素数6〜30のアリールスルフェニ
ル基(例えば、フェニルチオ基、4−メトキシフェニル
チオ基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルチ
オ基、2−ブトキシカルボニルフェニルチオ基、2−ク
ロロフェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基、4−
メチルフェニルチオ基)が好ましい。
【0045】一般式(2)及び(3)中、R11で表され
るアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基
は、更に置換基を有していてもよく、その置換基として
は例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオ
キシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、
アルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、ア
ルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンア
ミド基、スルファモイル基、カルボキシ基、スルホン酸
基、アシル基、ヘテロ環基が好ましい。特に総炭素数1
〜30のアルキルスルフィニル基(例えば、メチルスル
フィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニ
ル基、ヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル
基、ドデシルスルフィニル基、オクタデシルスルフィニ
ル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキ
シルスルフィニル基、2−(N,N−ジオクチルカルバ
モイル)エチルスルフィニル基)、アリルスルフィニル
基、ベンジルスルフィニル基、総炭素数6〜30のアリ
ールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル
基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−(2−
エチルヘキシルオキシ)フェニルスルフィニル基、2−
ブトキシカルボニルフェニルスルフィニル基、2−クロ
ロフェニルスルフィニル基、4−クロロフェニルスルフ
ィニル基、4−メチルフェニルスルフィニル基)が好ま
しい。
【0046】一般式(2)及び(3)中、R11で表され
るアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、更
に置換基を有していてもよく、その置換基としては例え
ば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、アル
キルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、アルキ
ルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド
基、スルファモイル基、カルボキシ基、スルホン酸基、
アシル基、ヘテロ環基が好ましい。特に総炭素数1〜3
0のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル
基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシ
ルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ドデシルスル
ホニル基、オクタデシルスルホニル基、シクロヘキシル
スルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、2−
(N,N−ジオクチルカルバモイル)エチルスルホニル
基)、アリルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、総
炭素数6〜30のアリールスルホニル基(例えば、フェ
ニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル
基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルスルホ
ニル基、2−ブトキシカルボニルフェニルスルホニル
基、2−クロロフェニルスルホニル基、4−クロロフェ
ニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基)
が好ましい。
【0047】一般式(2)及び(3)中、R11で表され
るスルファモイル基は、無置換でも置換基を有していて
もよく、総炭素数3〜30のN,N−ジアルキル(ある
いはアリール)スルファモイル基が好ましく、例えば、
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジエチル
スルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル
基、N,N−ジオクチルスルファモイル基、N,N−ビ
ス(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−エチ
ル−N−ベンジルスルファモイル基、N−エチル−N−
ブチルスルファモイル基、ピペリジノスルホニル基、ピ
ロリジノスルホニル基、モルホリノスルホニル基、4−
オクタノイルピペラジノスルホニル基、ヘキサメチレン
イミノスルホニル基が好ましい。
【0048】一般式(2)及び(3)中、R11で表され
るアルコキシカルボニル基は、無置換でも置換基を有し
ていてもよく、その置換基としては例えば、フェニル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニ
ル基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテ
ロ環基が好ましい。特に総炭素数2〜30のアルコキシ
カルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、オ
クチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル
基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、オクタデシル
オキシカルボニル基、2−エトキシエトキシカルボニル
基、2−クロロエトキシカルボニル基、2−フェノキシ
エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が
好ましい。
【0049】一般式(2)及び(3)中、R11で表され
るカルバモイル基は、無置換でも置換基を有していても
よく、N,N−ジアルキル(あるいはアリール)カルバ
モイル基が好ましく、このアルキル基(あるいはアリー
ル基)は無置換でも置換基を有していてもよく、置換基
としては例えば、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シア
ノ基、アルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル
基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ス
ルホンアミド基、スルファモイル基、カルボキシ基、ス
ルホン酸基、アシル基、ヘテロ環基が好ましい。特に総
炭素数3〜30のN,N−ジアルキル(あるいはアリー
ル)カルバモイル基が好ましく、例えば、N,N−ジメ
チルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル
基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N,N−ジオク
チルカルバモイル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシ
ル)カルバモイル基、N−エチル−N−ベンジルカルバ
モイル基、N−エチル−N−ブチルカルバモイル基、ピ
ペリジノカルボニル基、ピロリジノカルボニル基、モル
ホリノカルボニル基、4−オクタノイルピペラジノカル
ボニル基、ヘキサメチレンイミノカルボニル基が好まし
い。
【0050】一般式(2)及び(3)中、R11で表され
るアシル基は、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、ヘテ
ロ環アシル基が好ましく、これらは無置換でも置換基を
有していてもよく、その置換基としては例えば、フェニ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル
アミノ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフ
ェニル基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフィ
ニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルフ
ァモイル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、
ヘテロ環基が好ましい。特に総炭素数2〜30のアシル
基が好ましく、例えば、アセチル基、ブタノイル基、オ
クタノイル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル
基、4−クロロベンゾイル基が好ましい。
【0051】一般式(2)及び(3)中、R13及びR14
で表されるアルキル基は、無置換でも置換基を有してい
てもよく、その置換基としては例えば、フェニル基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、
カルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニル基、
アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル
基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテロ環
基が好ましい。特に総炭素数1〜30のアルキル基が好
ましく、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オク
チル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル
基、オクタデシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ベ
ンゾイルオキシエチル基、2−(4−ブトキシフェノキ
シ)エチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基が
好ましい。
【0052】一般式(2)及び(3)中、R13及びR14
で表わされるアリール基は、無置換でも置換基を有して
いてもよく、その置換基としては例えば、フェニル基、
ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ
基、カルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニル
基、アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテ
ロ環基が好ましい。特に総炭素数6〜30のアリール基
が好ましく、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニ
ル基、4−クロロフェニル基が好ましい。
【0053】一般式(2)中、R12、R15及びR16で表
されるアルキル基は、無置換でも置換基を有していても
よく、その置換基としては例えば、フェニル基、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシ
カルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カル
バモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニル基、アリ
ールスルフェニル基、アルキルスルフィニル基、アリー
ルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カ
ルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテロ環基が好
ましい。特に総炭素数1〜30のアルキル基が好まし
く、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル
基、α−メチルベンジル基、クロロエチル基、トリクロ
ロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル
基が特に好ましい。
【0054】一般式(2)中、R12、R15及びR16で表
されるアリール基は、無置換でも置換基を有していても
よく、その置換基としては例えば、フェニル基、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシ
カルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カル
バモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニル基、アリ
ールスルフェニル基、アルキルスルフィニル基、アリー
ルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カ
ルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテロ環基が好
ましい。特に総炭素数6〜30のアリール基が好まし
く、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4
−クロロフェニル基が好ましい。
【0055】一般式(2)中、R12、R15及びR16で表
されるアルコキシ基は、無置換でも置換基を有していて
もよく、その置換基としては例えば、フェニル基、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキ
シカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カ
ルバモイル基、シアノ基、アルキルスルフェニル基、ア
リールスルフェニル基、アルキルスルフィニル基、アリ
ールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、
カルボキシ基、スルホン酸基、アシル基、ヘテロ環基が
好ましい。特に総炭素数1〜30のアルコキシ基が好ま
しく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、
ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ
基、オクタデシルオキシ基、2−エトキシエトキシ基、
2−クロロエトキシ基、2−フェノキシエトキシ基が好
ましい。
【0056】一般式(2)中、R12、R15及びR16で表
されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
【0057】尚、R13とR14あるいはR12とR13あるい
はR14とR15は、互いに結合して環を形成する場合、5
ないし7員環を形成することが好ましい。また、R13
14が結合し含窒素複素環を形成する場合、5ないし7
員環を形成することが好ましく、例えば、ピロリジノ
基、ピペリジノ基、モルホリノ基、4−アシルピペラジ
ノ基、4−スルホニルピペラジノ基、ヘキサメチレンイ
ミノ基が好ましい。更に、R11、R12、R13、R14、R
15及びR16が置換基としてジアゾニオフェニル基を有し
た置換基であり、ビス体あるいはそれ以上の多量体を形
成してもよい。
【0058】一般式(2)及び(3)中、X-で表わさ
れる陰イオンとしては、無機陰イオン及び有機陰イオン
が挙げられる。前記無機陰イオンとしては、ヘキサフル
オロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオン、塩化物イ
オン、硫酸イオンが好ましく、ヘキサフルオロリン酸イ
オン、ホウフッ化水素酸イオンが特に好ましい。前記有
機陰イオンとしては、ポリフルオロアルキルカルボン酸
イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオン、テト
ラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳
香族スルホン酸イオンが好ましい。
【0059】以下に、本発明における一般式(2)又は
(3)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(A−
1〜A−47)を示すが、本発明は、これらに限定され
るものではない。
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
【化24】
【0067】
【化25】
【0068】
【化26】
【0069】一般式(2)又は(3)で表されるジアゾ
ニウム塩化合物は、既知の方法で製造することが可能で
ある。即ち、対応するアニリンを酸性溶媒中、亜硝酸ナ
トリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用い
てジアゾ化することにより得られる。例として例示化合
物A−1の合成例を以下に示す。
【0070】〔例示化合物A−1の合成例〕 (2−ドデシルスルホニル−4−ピロリジノニトロベン
ゼンの合成)2−ドデシルスルホニル−4−クロロニト
ロベンゼン27.5グラム、ピロリジン5.5グラム、
炭酸カリウム13.8グラム、ジメチルアセトアミド7
0ミリリットルの混合物を90℃で3時間加熱攪拌し
た。反応混合物に水210ミリリットルを添加し、析出
した結晶を濾集し、アセトニトリルで再結晶し2−ドデ
シルスルホニル−4−ピロリジノニトロベンゼン12.
7グラムを得た。
【0071】(2−ドデシルスルホニル−4−ピロリジ
ノアニリンの合成)鉄粉19.5グラム、塩化アンモニ
ウム2.0グラム、水35ミリリットル、イソプロパノ
ール105ミリリットルを加熱還流した中に、2−ドデ
シルスルホニル−4−ピロリジノニトロベンゼン20.
7グラムを分割添加した。反応混合物を30分加熱還流
したのち、室温まで冷却し不溶物をセライトを用いて濾
別した。濾液を濃縮後カラムクロマトにより精製し、2
−ドデシルスルホニル−4−ピロリジノアニリンを1
1.6グラム得た。
【0072】(例示化合物A−1の合成)0℃に冷却し
た2−ドデシルスルホニル4−ピロリジノアニリン1
1.6グラム、濃塩酸7.5ミリリットル、メタノール
60ミリリットルの混合物に亜硝酸ナトリウム2.3グ
ラム、水12ミリリットルの溶液を滴下した。10℃で
1時間攪拌した後、反応混合物にヘキサフルオロリン酸
カリウム6.6グラム、水60ミリリットルを添加し室
温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾集し水、イソプ
ロパノールで順次洗浄後、酢酸エチルとヘキサンの混合
溶媒から再結晶した。乾燥後、例示化合物A−1を1
0.1グラム得た。メタノール中の紫外可視吸収スペク
トルはλmax=392nm,ε=3.06×104
あった。
【0073】次に、一般式(4)で表されるジアゾニウ
ム塩化合物について説明する。一般式(4)中、Ar
は、アリール基を表し、該アリール基は置換基を有して
いてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、
アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スル
ファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲ
ン基、アミノ基、ヘテロ環基、等が挙げられ、これら置
換基は、更に置換されていてもよい。
【0074】Arで表されるアリール基としては、炭素
原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェ
ニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル
基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル
基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2
−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−
ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロ
フェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6
−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−
メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブト
キシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エ
チルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフ
ェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメ
トキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメ
トキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチ
ルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシ
フェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニ
ル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニル
フェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフ
ェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−
(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フ
ルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセ
チルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチ
オ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−
2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N
−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェ
ニル基、等が挙げられるが、特にこれらに限定されるも
のではない。また、これらの基は、更に、アルキルオキ
シ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置
換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換さ
れていてもよい。
【0075】一般式(4)中、R17及びR18は、それぞ
れ、アルキル基又はアリール基を表し、これらは置換基
を有していてもよい。また、R17及びR18は、同一でも
よく、異なっていてもよい。置換基としては、アルコキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル
基、置換アミノ基、置換アミド基、アリール基、アリー
ルオキシ基、等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0076】R17及びR18で表されるアルキル基として
は、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例え
ば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シク
ロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチ
ル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、トルフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチ
ル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシ
ルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペン
チルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブ
チルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボ
ニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシ
プロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−
(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピ
ル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセ
チルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル
基、等が好ましい。
【0077】R17及びR18で表されるアリール基として
は、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例え
ば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフ
ェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェ
ニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル
基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ
−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−
クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,
4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル
基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、
3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−
(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジ
クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,
4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカル
ボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、
4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−
ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキ
シ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノ
スルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノス
ルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル
基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル
基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル
基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロ
フェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニ
ル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカル
ボニルフェニル基、等が挙げらるが、特にこれらに限定
されるものではない。また、これらの基は、更に、アル
キルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シア
ノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等によ
り置換されていてもよい。
【0078】一般式(4)において、X-は酸アニオン
を表し、酸アニオンとしては、炭素原子数1〜9のポリ
フルオロアルキルカルボン酸、炭素原子数1〜9のポリ
フルオロアルキルスルホン酸、四フッ化ホウ素、テトラ
フェニルホウ素、ヘキサフロロリン酸、芳香族カルボン
酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。結晶性の点で、
ヘキサフルオロリン酸が好ましい。
【0079】以下に、一般式(4)で表されるジアゾニ
ウム塩化合物の具体例(A−48〜A−51)を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】
【化27】
【0081】一般式(2)〜(4)で表わされる化合物
は、油状物、結晶状態のいずれであってもよいが、取扱
い性の点で結晶状態のものが好ましい。これらの一般式
(2)〜(4)で表される化合物は、単独で用いてもよ
いし、2種以上併用することもできる。また、一般式
(2)〜(4)で表される化合物を感熱記録材料に用い
る場合、感熱記録層中において0.02〜5g/m2
範囲で用いることが好ましいが、発色濃度の点から0.
1〜4g/m2の範囲で用いることが特に好ましい。
【0082】上記ジアゾニウム塩化合物の安定化のため
に塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化
合物を形成させ、ジアゾニウム塩化合物の安定化を行な
うこともできる。これらのジアゾニウム塩化合物は、単
独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0083】−マイクロカプセル− 本発明の感熱記録材料は、その使用前の生保存性を良好
とするために、ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセ
ルに内包させることが好ましい。その形成方法は既に公
知の方法を用いることができる。カプセル壁を形成する
高分子物質は常温では不透過性であり、加熱時に透過性
となることが必要であり、特にガラス転移温度が60〜
200℃のものが好ましい。これらの例として、ポリウ
レタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素
・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレ
ン、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン・ア
クリレート共重合体及びこれらの混合系が挙げられる。
【0084】マイクロカプセル形成法としては、界面重
合法及び内部重合法が適している。カプセル形成方法の
詳細及びリアクタントの具体例については、米国特許第
3,726,804号、同第3,796,669号等の
明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウレタ
ンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソシアネ
ート及びそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質
(例えば、ポリオール、ポリアミン)を水性媒体又はカ
プセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれらを乳
化分散し、次に加温することにより油滴界面で高分子形
成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。尚、上
記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアが生成す
る。本発明においては、マイクロカプセル壁を形成する
高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中から選ば
れる少なくとも1種であることが好ましい。以下に、本
発明におけるジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセ
ル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について
述べる。
【0085】まず、ジアゾニウム塩化合物はカプセルの
芯となる疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させる。この
場合の有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機
溶媒が好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネ
ートが壁材として添加される(油相)。
【0086】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン等の水溶性高分子を溶解した水溶液を用意
し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手段
により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化分
散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に行
うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面活
性剤を添加してもよい。
【0087】多価イソシアネートの使用量は、マイクロ
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0088】水相中にポリオールを添加しておけば、多
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩田敬治 編 ポリ
ウレタンハンドブック日刊工業新聞社 (198
7))。
【0089】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネート化合物としては、3官能以上のイソシ
アネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソ
シアネート化合物を併用してもよい。具体的には、キシ
レンジイソシアネート及びその水添物、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びその
水添物、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネ
ートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビ
ューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメチロ
ールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネ
ート等の2官能イソシアネートとのアダクト体として多
官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオー
ルとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネ
ートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水
素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した
化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物等
が挙げられる。特開昭62−212190号公報、特開
平4−26189号公報、特開平5−317694号公
報、特願平8−268721号公報等に記載の化合物が
好ましい。
【0090】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミン等が挙げら
れる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁
が形成される。
【0091】前記ジアゾニウム塩化合物を溶解し、マイ
クロカプセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒とし
ては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具
体的には、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエ
タン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニ
ル、アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸
エステル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステ
ル類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸
エステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸
エステル類等が挙げられる。これらは2種以上混合して
用いてもよい。
【0092】カプセル化しようとするジアゾニウム塩化
合物のこれらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用
いようとするジアゾ化合物の溶解性の高い低沸点溶媒を
補助的に併用することもできる。具体的には、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフ
ラン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。この
ため、ジアゾニウム塩化合物はこれら高沸点疎水性有機
溶媒、低沸点補助溶媒に対する適当な溶解度を有してい
ることが好ましく、具体的には該溶媒に5%以上の溶解
度を有していることが好ましい。水に対する溶解度は1
%以下が好ましい。
【0093】このようにして調製されたカプセルの油相
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコール及びその変成物、ポリアクリ
ル酸アミド及びその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−
無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン
酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイ
ン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸
ナトリウム等が挙げられる。
【0094】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、例え
ば、ゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変成する等して反応性をなくしておく
ことが必要である。また、界面活性剤を添加する場合に
は、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.1
〜5重量%、特に0.5〜2重量%であることが好まし
い。
【0095】乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等、公
知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプセ
ル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70℃
に加温することが行われる。また反応中はカプセル同士
の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突
確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0096】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾニウム塩化合物内包
マイクロカプセルを得ることができる。
【0097】本発明に用いられるカプラーは、塩基性物
質、その他の発色助剤等とともに、サンドミル等により
水溶性高分子とともに固体分散して用いることもできる
が、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解した後、こ
れを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイド
として有する水相と混合し、乳化分散物とすることが好
ましい。乳化分散を容易にする観点から、界面活性剤を
用いることが好ましい。
【0098】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点から好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルと
の併用も可能である。
【0099】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、
酢酸ブチル及びメチレンクロライド等が特に好ましく挙
げられる。場合により、高沸点オイルを含まず、低沸点
補助溶剤のみを用いることもできる。
【0100】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン、セルロース誘導体等が挙げられる。
【0101】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保
護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適
宜選択して使用することができる。好ましい界面活性剤
としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキ
ル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウ
ム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
【0102】(その他の成分)本発明においては、ジア
ゾニウム塩化合物とカプラーとのカップリング反応を促
進する目的で有機塩基を加えることもできる。これらの
有機塩基は、単独で用いても2種以上併用してもよい。
塩基性物質としては、第3級アミン類、ピペリジン類、
ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジ
ン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が
挙げられる。特公昭52−46806号公報、特開昭6
2−70082号公報、特開昭57−169745号公
報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−12
3086号公報、特開昭58−1347901号公報、
特開昭60−49991号公報、特公平2−24916
号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−1
65288号公報、特開昭57−185430号公報に
記載のものを使用できる。
【0103】これらの中でも、特に、N,N′−ビス
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N′−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ}ベンゼン等のピペラジン類、N−
〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピル
モルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒド
ロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベン
ゼン等のモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒ
ドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジ
ン等のピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシ
クロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグ
アニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0104】本発明においては、ジアゾニウム塩化合物
1重量部に対するカプラー及び塩基性物質の使用量は、
それぞれ0.1〜30重量部であることが好ましい。
【0105】本発明においては、上記した有機塩基の他
にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えるこ
とができる。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高
くする、もしくは最低発色温度を低くする物質であり、
カプラー、塩基性物質、もしくはジアゾニウム塩化合物
等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せし
める作用により、ジアゾニウム塩化合物、塩基性物質、
カプラー等が反応しやすい状況を作るためのものであ
る。
【0106】本発明に用いられる発色助剤として、例え
ば、低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が行われるよ
うに、感熱記録層中にフェノール誘導体、ナフトール誘
導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフ
タレン類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、
アミド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物ヒ
ドロキシ化合物、等を加えることができる。
【0107】本発明の感熱記録材料においては、熱発色
画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、又は、定着
後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的で、以下
に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ましい。上
記の酸化防止剤については、例えば、ヨーロッパ公開特
許、同第223739号公報、同309401号公報、
同第309402号公報、同第310551号公報、同
第310552号公報、同第459416号公報、ドイ
ツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48
535号公報、同62−262047号公報、同63−
113536号公報、同63−163351号公報、特
開平2−262654号公報、特開平2−71262号
公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61
166号公報、特開平5−119449号公報、アメリ
カ特許第4814262号、アメリカ特許第49802
75号等に記載されている。
【0108】更に、本発明においては、感熱記録材料や
感圧記録材料において既に用いられている公知の各種添
加剤を用いることも有効である。これらの各種添加剤の
具体例としては、特開昭60−107384号公報、同
60−107383号公報、同60−125470号公
報、同60−125471号公報、同60−12547
2号公報、同60−287485号公報、同60−28
7486号公報、同60−287487号公報、同60
−287488号公報、同61−160287号公報、
同61−185483号公報、同61−211079号
公報、同62−146678号公報、同62−1466
80号公報、同62−146679号公報、同62−2
82885号公報、同63−051174号公報、同6
3−89877号公報、同63−88380号公報、同
63−088381号公報、同63−203372号公
報、同63−224989号公報、同63−25128
2号公報、同63−267594号公報、同63−18
2484号公報、特開平1−239282号公報、同4
−291685号公報、同4−291684号公報、同
5−188687号公報、同5−188686号公報、
同5−110490号公報、同5−1108437号公
報、同5−170361号公報、特公昭48−0432
94号公報、同48−033212号公報等に記載され
ている化合物が挙げられる。
【0109】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0110】これらの酸化防止剤及び各種添加剤の添加
量は、ジアゾニウム塩化合物1重量部に対して0.05
〜100重量部の割合であることが好ましく、特に0.
2〜30重量部であることが好ましい。このような公知
の酸化防止剤及び各種添加剤は、ジアゾニウム塩化合物
と共にマイクロカプセル中に含有させて用いることも、
あるいはカプラーや塩基性物質、その他の発色助剤と共
に、固体分散物として、もしくは適当な乳化助剤と共に
乳化物にして用いることも、あるいはその両方の形態で
用いることもできる。また酸化防止剤及び各種添加剤を
単独又は複数併用することができるのは勿論である。ま
た、保護層に添加又は存在させることもできる。
【0111】これらの酸化防止剤及び各種添加剤は同一
層に添加しなくてもよい。更に、これらの酸化防止剤及
び各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合には、アニ
リン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフェノール
類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、りん
化合物、硫黄化合物のように構造的に分類し、互いに異
なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを
複数組み合わせることもできる。
【0112】本発明の感熱記録材料には、記録後の地肌
部の黄着色を軽減する目的で、光重合性組成物等に用い
られる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化
合物)を加えることができる。遊離基発生剤としては、
芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエ
ーテル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオ
キシムエステル類等が挙げられる。添加する量は、ジア
ゾニウム塩化合物1重量部に対して、遊離基発生剤0.
01〜5重量部が好ましい。
【0113】また同様に黄着色を軽減する目的で、エチ
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、
「ビニルモノマー」と呼ぶ)を用いることができる。ビ
ニルモノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個の
エチレン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を
有する化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学
形態を持つものである。これらの例として、不飽和カル
ボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アル
コールとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価ア
ミン化合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマー
はジアゾニウム塩化合物1重量部に対して0.2〜20
重量部の割合で用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノ
マーは、ジアゾニウム塩化合物と共にマイクロカプセル
中に含有して用いることもできる。
【0114】本発明では、以上の素材の他に酸安定剤と
してクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピ
ロリン酸等を添加することができる。
【0115】本発明の感熱記録材料は、ジアゾニウム塩
化合物を含有したマイクロカプセル、カプラー、及び有
機塩基、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、紙
や合成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレー
ド塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーテ
ィング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗
布等の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜3
0g/m2の感熱記録層を設けることが好ましい。本発
明の感熱記録材料においては、マイクロカプセル、カッ
プリング成分、塩基等が同一層に含まれていてもよい
が、別層に含まれるような積層型の構成をとることもで
きる。また、支持体の上に特願昭59−177669号
明細書等に記載されているような中間層を設けた後、感
熱記録層を形成することもできる。
【0116】本発明の感熱記録材料において使用される
バインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテ
ックス類等を使用することができる。水溶性高分子化合
物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビア
ゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ
ール、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブチレ
ン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変成物等が挙
げられ、ラテックス類としては、スチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラ
テックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0117】本発明の感熱記録材料に使用できる顔料と
しては、有機、無機を問わず公知のものを使用すること
ができる。具体的には、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリ
カ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バ
リウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿
素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、
セルロースフィラー等が挙げられる。
【0118】本発明の感熱記録材料においてはその必要
に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電
剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆
体等各種添加剤を使用することができる。
【0119】[その他の層] (保護層)本発明の感熱記録材料には、必要に応じて感
熱記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要
に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料
としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリ
ビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合
体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、
カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、
スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解
物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解
物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
等の水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴ
ムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテ
ックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が挙げら
れる。
【0120】保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、
より一層保存安定性を向上させることもでき、その架橋
剤としては公知の架橋剤を使用することができる。具体
的には、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミ
ン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキ
ザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物
類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン等が挙げられる。保護層には、更に公知の顔
料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤等を使用すること
もできる。保護層の塗布量は0.2〜5g/m2が好ま
しく、更には0.5〜2g/m2が好ましい。またその
層厚は0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μm
が好ましい。本発明の感熱記録材料に保護層を設ける場
合、保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体を含有
してもよい。
【0121】[支持体]本発明における支持体として
は、通常の感圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙
等に用いられる紙支持体はいずれも使用することができ
る他、酸性紙、中性紙、コート紙、プラスチックフィル
ムラミネート紙、合成紙、プラスチックフィルム等を使
用することができる。支持体のカールバランスを補正す
るため或いは、裏面からの耐薬品性を向上させる目的
で、バックコート層を設けてもよく、また裏面に接着剤
層を介して剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしても
よい。このバックコート層についても上記保護層と同様
にして設けることができる。
【0122】本発明の感熱記録材料の記録面にサーマル
ヘッド等で加熱すると、ポリウレア及び/又はポリウレ
タンのカプセル壁が軟化し、カプセル外のカプラーと塩
基化合物がカプセル内に進入して発色する。発色後はジ
アゾニウム塩化合物の吸収波長の光を照射することによ
り、ジアゾニウム塩化合物が分解しカプラーとの反応性
を失うため画像の定着が行われる。
【0123】定着光源としては、種々の蛍光灯、キセノ
ンランプ、水銀灯等が用いられ、この発光スペクトルが
感熱記録材料で用いたジアゾニウム塩化合物の吸収スペ
クトルにほぼ一致していることが効率よく定着でき好ま
しい。本発明においては、発光中心波長が360〜44
0nmの定着光源が特に好ましい。
【0124】本発明では、光分解波長が異なる光分解性
ジアゾニウム塩化合物を別層に用いることにより多色記
録材料とすることもできる。
【0125】本発明の感熱記録材料を多層多色感熱記録
材料とした場合には、感熱記録層相互の混色を防ぐた
め、中間層を設けることもできる。この中間層はゼラチ
ン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン等の水溶性高分子化合物からなり、適宜
各種添加剤を含んでいてもよい。
【0126】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
尚、特に断りのない限り、「部」は『重量部』を意味す
る。
【0127】(実施例1) [ジアゾニウム塩含有マイクロカプセル液Aの調製]酢
酸エチル19部にジアゾニウム塩化合物(A−46)
2.8部、トリクレジルホスフェート10部を添加して
均一に混合した。次いでこの混合液に壁材としてタケネ
ートD110N(武田薬品工業製)7.6部を加え混合
しI液を得た。次に、フタル化ゼラチンの8%水溶液4
6部、水17.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダの10%水溶液2部の混合液に上記I液を添加し、ホ
モジナイザーを使用して40℃、10000rpmで1
0分間乳化分散した。得られた乳化物に水20部を加え
て均一化した後、攪拌しながら40℃で3時間カプセル
化反応を行いマイクロカプセル液Aを得た。マイクロカ
プセルの粒径は0.7〜0.8μmであった。
【0128】[カプラー乳化液Bの調製]酢酸エチル1
0.5部に上記に示したカプラー(K−1)3部、トリ
クレジルホスフェート0.5部、マレイン酸ジエチル
0.24部を溶解しII液を得た。次に、石灰処理ゼラチ
ンの15%水溶液49部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダの10%水溶液9.5部、水35部を40℃で均
一に混合した中に上記II液を添加し、ホモジナイザーを
使用して40℃、10000rpmで10分間乳化分散
した。得られた乳化物を40℃で2時間攪拌して酢酸エ
チルを除去後、蒸発した酢酸エチルと水の量を加水によ
り補い、カプラー乳化液Bを得た。
【0129】[感熱記録層塗布液Cの調製]マイクロカ
プセル液A3.6部、水3.3部、カプラー乳化液B
9.5部を混合し、感熱記録層塗布液Cを得た。
【0130】[保護層塗布液Dの調製]イタコン酸変性
ポリビニルアルコール(KL−318;商品名、クラレ
株式会社製)6%水溶液100部とエポキシ変性ポリア
ミド(FL−71;商品名、東邦化学株式会社製)30
%の分散液10部とを混合した液に、ステアリン酸亜鉛
40%の分散液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式
会社製)15部を均一に混合し保護層塗布液Dを得た。
【0131】[塗布]上質紙にポリエチレンをラミネー
トした印画紙用支持体上に、ワイヤーバーで感熱記録層
塗布液C、保護層塗布液Dの順に順次塗布と50℃での
乾燥を行い、目的の感熱記録材料を得た。固形分として
の塗布量は、各々8.0g/m2、1.2g/m2であっ
た。
【0132】<発色試験>京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2となるように、サーマルヘッド
に対する印画電力及びパルス幅を決め、感熱記録材料に
熱印画し画像を得た。次いで、発光中心波長420n
m、出力40Wの紫外線ランプ下に10秒間曝した。得
られた発色画像から、可視域における吸収極大波長と半
値幅(吸収極大の吸収度を1.0と規格化した時の吸光
度0.5での吸収波長域の値)を測定した。
【0133】<画像耐光性の試験>京セラ株式会社製サ
ーマルヘッド(KST型)を用いて発色させた画像部を
蛍光灯耐光性試験機を用い、30000ルックスで8時
間連続で光照射した後、画像部の濃度残存率(%)を測
定した。光照射後の画像部の濃度残存率(%)が高い方
が、画像耐光性に優れている。
【0134】(実施例2)実施例1において、カプラー
(K−1)の代わりにカプラー(K−2)を用いた以外
は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、同様
の評価を行った。
【0135】(実施例3)実施例1において、カプラー
(K−1)の代わりにカプラー(K−5)を用いた以外
は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、同様
の評価を行った。
【0136】(実施例4)実施例1において、カプラー
(K−1)の代わりにカプラー(K−6)を用いた以外
は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、同様
の評価を行った。
【0137】(実施例5)実施例1において、カプラー
(K−1)の代わりにカプラー(K−10)を用いた以
外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、同
様の評価を行った。
【0138】(実施例6)実施例1において、カプラー
(K−1)の代わりにカプラー(K−10)を用い、ジ
アゾニウム塩化合物(A−46)の代わりにジアゾニウ
ム塩化合物(A−48)を用いた以外は、実施例1と同
様にして感熱記録材料を作製し、同様の評価を行った。
【0139】(比較例1)実施例1において、カプラー
(K−1)の代わりに下記構造式で表されるカプラー
(化合物(B))を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感熱記録材料を作製し、同様の評価を行った。
【0140】
【化28】
【0141】(比較例2)実施例1において、カプラー
(K−1)の代わりに下記構造式で表されるカプラー
(化合物(C))を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感熱記録材料を作製し、同様の評価を行った。
【0142】
【化29】
【0143】実施例1〜6及び比較例1、2の結果を表
1に示す。
【0144】
【表1】
【0145】表1の結果より、本発明の感熱記録材料
は、極めてシャープな吸収特性を有する発色画像が得ら
れることがわかる。また、蛍光灯での光照射の後も、画
像部の濃度低下の割合が少なく、画像耐光性に優れてい
ることがわかる。
【0146】
【発明の効果】本発明によれば、420nm前後の波長
で定着が可能なジアゾニウム塩化合物を用いて、色相の
良好なマゼンタ色素を与え、かつ、画像耐光性に優れた
新規な赤〜マゼンタ〜紫発色型のジアゾ感熱記録材料を
提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ジアゾニウム塩化合物と、
    該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して発色するカプラ
    ーとを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料におい
    て、該カプラーとして、下記一般式(1)で表される化
    合物を少なくとも1種含有することを特徴とする感熱記
    録材料。 【化1】 (一般式(1)中、Aは、芳香族ヘテロ環基を表し、B
    は、ジアゾニウム塩とカップリングした際に離脱可能な
    置換基を表す。Xは、硫黄原子、酸素原子又はNR
    1(R1は、水素原子、アルキル基又はアリール基を表
    す。)を表す。Yは、炭素原子、硫黄原子又はリン原子
    を表す。Zは、酸素原子又は硫黄原子を表す。Rは、ア
    ルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、ア
    リールオキシ基又はアミノ基を表す。n1は、Yが炭素
    原子又はリン原子のとき1を表し、Yが硫黄原子のとき
    1又は2を表す。n2は、Yが炭素原子又は硫黄原子の
    とき1を表し、Yがリン原子のとき1又は2を表す。n
    1及びn2が2のとき、2つのZ及びRは、同じでもよ
    く、異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 前記ジアゾニウム塩が、下記一般式
    (2)で表わされる化合物であることを特徴とする請求
    項1に記載の感熱記録材料。 【化2】 (一般式(2)中、R11は、アルキルスルフェニル基、
    アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル基、ア
    リールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリー
    ルスルホニル基、スルファモイル基、アルコキシカルボ
    ニル基、カルバモイル基、カルボキシル基、アシル基又
    はシアノ基を表す。R13及びR14は、それぞれ、水素原
    子、アルキル基又はアリール基を表す。R12、R15及び
    16は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール
    基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。X-は陰イ
    オンを表す。R13とR14、R12とR13、及びR14とR15
    は、互いに結合して環を形成してもよい。)
  3. 【請求項3】 前記ジアゾニウム塩化合物が、下記一般
    式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求
    項1に記載の感熱記録材料。 【化3】 (一般式(3)中、R11は、アルキルスルフェニル基、
    アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル基、ア
    リールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリー
    ルスルホニル基、スルファモイル基、アルコキシカルボ
    ニル基、カルバモイル基、アシル基又はシアノ基を表
    す。R13及びR14は、それぞれ、水素原子、アルキル基
    又はアリール基を表す。X-は陰イオンを表す。R13
    14は、互いに結合して環を形成してもよい。)
  4. 【請求項4】 前記ジアゾニウム塩が、下記一般式
    (4)で表わされる化合物であることを特徴とする請求
    項1に記載の感熱記録材料。 【化4】 (一般式(4)中、Arはアリール基を表す。R17及び
    18は、それぞれ、アルキル基又はアリール基を表す。
    17及びR18は、同一でもよく、異なっていてもよい。
    -は、酸アニオンを表す。)
  5. 【請求項5】 前記ジアゾニウム塩化合物が、マイクロ
    カプセルに内包されていることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の感熱記録材料。
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