JP2000015935A - 感光感熱記録材料 - Google Patents
感光感熱記録材料Info
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Abstract
感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、ジアゾ化合物及びカプラー
を含む感光感熱記録層を設けた感光感熱記録材料におい
て、該ジアゾ化合物が一般式(1)で表わされる化合物
であり、かつ該ジアゾ化合物がマイクロカプセル中に内
包されている。 【化1】 式中、R1 及びR2 はそれぞれ同一でも異なっていても
よく、炭素数1〜5のアルキル基を表す。R1 及びR2
は互いに結合して環を形成してもよい。R3 及びR4 は
それぞれ同一でも異なっていてもよく、アルキル基を表
す。R3 及びR 4 は互いに結合して環を形成してもよ
い。
Description
ラーを発色成分として用いる感光感熱記録材料に関し、
特に生保存性に優れ、熱記録時の発色濃度の高い黄から
青色発色型の感光感熱記録材料に関する。また、紫外領
域のうち比較的波長の短い(350nm〜390nm)
光によって高い感光性を有する感光感熱記録材料に関す
る。
化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を有
する、いわゆるカプラーと呼ばれる化合物と反応して容
易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、光照
射によって分解し、その活性を失う。そこで、ジアゾ化
合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料として古
くから利用されている(日本写真学会編「写真工学の基
礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)P89〜P
117、P182〜P201参照)。
利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料に
も応用され、代表的なものとして、ジアゾ化合物とカプ
ラーを画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形成
させた後光照射して画像を定着する、光定着型感熱記録
材料が提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌第
11巻 第4号(1982)P290−296など)。
して用いたこれらの記録材料は、ジアゾ化合物の活性が
非常に高く、暗所であってもジアゾ化合物が徐々に熱分
解して反応性を失うので、記録材料としてのシェルフラ
イフが短いという欠点があった。このようなジアゾ化合
物の不安定さを改善する手段としては様々な方法が提案
されているが、最も有効な手段の一つとして、ジアゾ化
合物をマイクロカプセル中に内包させる方法が挙げられ
る。
セル化することにより、ジアゾ化合物は水、塩基といっ
た分解を促進させるものから隔離されるので、その分解
は著しく抑制され、これを用いた記録材料のシェルフラ
イフも飛躍的に向上する(宇佐美智正ら 電子写真学会
誌 第26巻 第2号(1987)P115〜12
5)。
させる一般的な方法は、疎水性溶媒にジアゾ化合物を溶
解させ(油相)、これを水溶性高分子を溶解した水溶液
中(水相)に加えてホモジナイザー等で乳化分散すると
共に、マイクロカプセルの壁材となるモノマーあるいは
プレポリマーを油相側または水相側の何れかあるいは両
方に添加しておくことにより、油相と水相の界面で重合
反応を生じさせ、あるいは、ポリマーを析出させること
により高分子壁を形成させ、マイクロカプセルとする方
法である。
イクロカプセル」日刊工業新聞社(1970年発行)、
近藤 保ら著、「マイクロカプセル」三共出版(197
7年発行)などに詳しい。形成されるマイクロカプセル
壁としては、架橋ゼラチン、アルギン酸塩、セルロース
類、ポリウレア、ポリウレタン、メラミン樹脂、ナイロ
ン樹脂など様々なものが使用可能である。
転移温度を有し、そのガラス転移温度が室温よりやや高
い壁を有するマイクロカプセルの場合には、室温におけ
るカプセル壁は物質非透過性を示す一方、ガラス転移温
度以上では物質透過性を示すため、熱応答性マイクロカ
プセルと呼ばれ、感熱記録材料に有用である。
た熱応答性マイクロカプセルとカプラーおよび塩基を含
有する感光感熱記録層を塗布した記録材料を作製するこ
とにより、ジアゾ化合物を長期間安定に保持させること
ができると共に、加熱により容易に発色画像を形成させ
ることができる上、光照射により画像を定着することも
可能となる。上述したように、マイクロカプセル化する
ことによりジアゾ化合物の安定性を飛躍的に向上させる
ことが可能である。
とにより、水、塩基といった分解を促進させるものから
ジアゾ化合物を隔離しても、ジアゾ化合物は本来それ自
身不安定なものであり光によって分解する。従って、マ
イクロカプセル化することを前提にしても、ジアゾ化合
物自身の安定化を図ることが不可欠である。
安定なジアゾ化合物の構造について、種々の検討を行っ
てきた。これらの検討の結果、ジアゾニオ基のオルト位
にアルコキシ基やアリールオキシ基を有するベンゼンジ
アゾニウム塩が、紫外領域のうち比較的波長の短い(3
50nm〜390nm)定着光に対して感光性を有し、
ジアゾニオ基のオルト位にアルコキシ基やアリールオキ
シ基を有していないベンゼンジアゾニウム塩に比べて熱
安定性が改良されることを見出した(特開昭64−80
588号公報、特開平4−59288号公報、特開平4
−197782号公報)。しかしながら、これらのジア
ゾ化合物を用いても、長期間保存後に使用した場合に
は、地肌部分が着色することがあり、シェルフライフを
延ばすために更なる改良が望まれていた。従って、本発
明の目的は、生保存性が良好であり、得られる発色画像
の発色濃度が十分高く、かつ紫外領域のうち比較的波長
の短い(350nm〜390nm)光によって高い感光
性を有する感光感熱記録材料を提供することにある。
体上に、ジアゾ化合物及びカプラーを含む感光感熱記録
層を設けた感光感熱記録材料において、該ジアゾ化合物
が一般式(1)で表わされる化合物であり、かつ該ジア
ゾ化合物がマイクロカプセル中に内包される感光感熱記
録材料によって達成された。
てもよく、炭素数1〜5のアルキル基を表す。R1 及び
R2 は互いに結合して環を形成してもよい。R3 及びR
4 は同一でも異なっていてもよく、アルキル基を表す。
R3 及びR4 は互いに結合して環を形成してもよい。
(3)で表わされる化合物であることが好ましい。
引性基を表す。E1 とE2 が結合し環を形成してもよ
い。
るマイクロカプセルのカプセル壁がポリウレタンおよび
/またはポリウレアを構成成分として含む壁であること
がより好ましい。
ゾ化合物について詳細に述べる。式中、R1 又はR2 で
表されるアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、及びアミル基等である。
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、及びペンチル基である。−CHR3 R4 としては、
例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、2−ペン
チル基,3−ペンチル基、シクロペンチル基、2−ヘキ
シル基、3−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヘプ
チル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基等であり、炭
素数6以下の二級アルキル基が好ましく、具体的には、
イソプロピル基、3−ペンチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基が好ましい。
アゾ化合物の具体例を示すが本発明はこれらに限定され
るものではない。
知の方法で製造することが可能である。すなわち、対応
するアニリンを酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロ
シル硫酸、亜硝酸イソアミル等を用いてジアゾ化するこ
とにより得られる。例として例示化合物A−11の合成
例を以下に示す。
アニリドの合成)4−ニトロ−2−ヒドロキシ−アセト
アニリド49g、炭酸カリウム41.5g、及びジメチ
ルアセトアミド220ccの混合物を70℃で攪拌し、
これにブロモシクロペンタン55.9gを滴下し、得ら
れた混合物を90℃に昇温して、6時間攪拌した。反応
混合物を水300gに注ぐと結晶が析出した。この結晶
を濾過し、水洗し、乾燥させると、黄土色の2−シクロ
ペンチルオキシ−4−ニトロ−アセトアニリド結晶6
2.6gが得られた。
ジブチルアミノ−アセトアニリドの合成)塩化アンモニ
ウム1.19g、水60cc、イソプロパノール180
cc、及び鉄粉58.14gを加熱還流した中に、2−
シクロペンチルオキシ−4−ニトロ−アセトアニリド5
8.14gを少しずつ添加した。反応混合物を1時間加
熱しながら攪拌した後、室温まで冷却して不溶物をセラ
イトを用いて濾過した。濾液を濃縮すると、4−アミノ
−2−シクロペンチルオキシ−アセトアニリド50.0
0gが得られた。得られた4−アミノ−2−シクロペン
チルオキシ−アセトアニリド23.43gに、炭酸カリ
ウム34.6g、ヨウ化カリウム16.6g、及びジメ
チルアセトアミド170ccを添加し、さらに1−ブロ
モブタン41.1gを加えて、得られた混合物を80℃
で3時間加熱しながら攪拌した。反応混合物に水350
ccを添加し、生成した2−シクロペンチルオキシ−4
−ジブチルアミノ−アセトアニリドを酢酸エチルで抽出
し、有機層を濃縮して、カラムクロマトグラフィーによ
り精製し、2−シクロペンチルオキシ−4−ジブチルア
ミノ−アセトアニリド30.55gを得た。
ペンチルオキシ−4−ジブチルアミノ−アセトアニリド
27.72gをメタノール60ccに溶解し、得られた
溶液に濃塩酸44.2ccを添加し、混合物を80℃で
1時間加熱しながら攪拌した。反応混合物を−10℃に
冷却し、この混合物に水15ccに溶かした亜硝酸ナト
リウム6.9gを−10℃で滴下した。これを10℃で
1時間攪拌した後、反応混合物にヘキサフルオロリン酸
カリウム23.0gを添加し、得られた混合物を室温で
1時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、水、イソプロ
パノールで順次洗浄後、エタノールから再度結晶を析出
させた。得られた結晶を乾燥後、25.8gの例示化合
物A−11を得た。メタノール中の例示化合物A−11
の紫外可視吸収スペクトルはλmax 369nm、ε36
000であった。
物、結晶状態のいずれであってもよいが、取扱い性の点
で結晶状態のものが好ましい。これらの一般式(1)の
化合物は単独で用いてもよいし、2種以上併用すること
もできる。また一般式(1)の化合物を感光感熱記録材
料に用いる場合、感光感熱記録層中において0.02〜
5g/m 2 の範囲で用いることが好ましいが、発色濃度
の点から0.1〜4g/m 2 の範囲で用いることが特に
好ましい。
鉛、塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化合物を形
成させジアゾ化合物の安定化を行なうこともできる。こ
れらのジアゾ化合物は単独で用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。
は、塩基性雰囲気および/または中性雰囲気でジアゾ化
合物とカップリングして色素を形成するものであればい
ずれの化合物も可能である。ハロゲン化銀写真感光材料
用のいわゆる4当量カプラーはすべてカプラーとして使
用可能である。これらは目的とする色相に応じて選択す
ることが可能である。
有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体などがあり、具体例として下記の
ものが挙げられ本発明の目的に合致する範囲で使用され
る。
特に好ましくは、一般式(3)で表される化合物であ
る。次に一般式(3)で表されるカプラーについて詳細
に述べる。式中E1 、E2 で表される電子吸引性基は、
Hammettのσ値が正である置換基をさし、これら
は同一であっても異なっていても良く、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニト
ロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
ヘテロ環基、ホスホノ基等が好ましい。アセチル基、プ
ロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリ
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチ
ルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロ
ピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボ
ニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テ
ノイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、
4−メトキシフェノキシカルボニル基等のオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイ
ル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニル
カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキ
シ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス
(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホ
リノカルボニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニ
ル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等
のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基、
ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾー
ル−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,
4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,
4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等
の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が好まし
い。
は、両者が結合し環を形成してもよい。E1 、E2 で形
成される環としては5ないし6員の炭素環あるいは複素
環が好ましい。
ルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニ
リド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モル
ホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフト
ール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−
3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8
−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジア
ニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−
1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタ
ンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニ
ル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−
4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)
−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロ
ヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシル
バルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタ
デシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5
−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、
N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチ
ル)バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−
ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)
−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−
トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾ
ロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール等がある。 カプラーの詳細につい
ては、特開平4−201483号、特開平7−2233
67号、特開平7−223368号、特開平7−323
660号、特願平5−278608号、特願平5−29
7024号、特願平6−18669号、特願平6−18
670号、特願平7−316280号、特願平8−02
7095号、特願平8−027096号、特願平8−0
30799号、特願平8−12610号、特願平8−1
32394号、特願平8−358755号、特願平8−
358756号、特願平9−069990号等に記載さ
れている。
プラーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
の生保存性を良好とするために、ジアゾ化合物をマイク
ロカプセルに内包させる。その形成方法は既に公知の方
法を用いることができる。カプセル壁を形成する高分子
物質は常温では不透過性であり、加熱時に透過性となる
ことが必要で有り、特にガラス転移温度が60−200
℃のものが好ましい。これらの例として、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホ
ルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ス
チレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレ
ート共重合体およびこれらの混合系をあげることができ
る。
合法および内部重合法が適している。カプセル形成方法
の詳細およびリアクタントの具体例については、米国特
許第3,726,804号、同第3,796,669号
等の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウ
レタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソシ
アネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成する第
2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒体ま
たはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれ
らを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分
子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成する。な
お上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアが生
成する。本発明においては、マイクロカプセル壁を形成
する高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中から
選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。以下
に、本発明におけるジアゾ化合物内包マイクロカプセル
(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について述
べる。
疎水性の有機溶媒に溶解または分散させる。この場合の
有機溶媒としては、沸点100−300℃の有機溶媒が
好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネートが
壁材として添加される(油相)。
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩田敬治 編 ポリ
ウレタンハンドブック日刊工業新聞社 (198
7))。
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシリレ
ンジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびそ
の水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシ
アネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリ
メチロールプロパンなどのポリオールとキシリレンジイ
ソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体
として多官能としたもの、トリメチロールプロパンなど
のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能
イソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド
等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物
を導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリ
ン縮合物などが挙げられる。特開昭62−212190
号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−31
7694号公報、特願平8−268721号公報等に記
載の化合物が好ましい。
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
クロカプセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒とし
ては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具
体的にはアルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタ
ン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、
アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エス
テル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル
類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エ
ステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エ
ステル類などが挙げられる。これらは2種以上混合して
用いてもよい。
れらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いようと
するジゾ化合物の溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併
用することもできる。具体的には、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル、アセトンなどが挙げられる。このため、ジ
アゾ化合物はこれら高沸点疎水性有機溶媒、低沸点補助
溶媒に対する適当な溶解度を有していることが好まし
く、具体的には該溶剤に5%以上の溶解度を有している
ことが好ましい。水に対する溶解度は1%以下が好まし
い。
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変性物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たと
えばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変性するなどして反応性をなくしてお
くことが必要である。また、界面活性剤を添加する場合
には、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.
1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好まし
い。
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同
士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝
突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾ化合物内包マイクロ
カプセルを得ることができる。
質、その他の発色助剤等とともに、サンドミル等により
水溶性高分子とともに固体分散して用いることもできる
が、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解した後、こ
れを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイド
として有する水相と混合し、乳化分散物とすることが好
ましい。乳化分散を容易にする観点から、界面活性剤を
用いることが好ましい。
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点から好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルと
の併用も可能である。
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいもの
として挙げることができる。場合により、高沸点オイル
を含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
ン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コ
ロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選
択して使用することができる。好ましい界面活性剤とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫
酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
ーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を加
えることもできる。これらの有機塩基は、単独で用いて
も2種以上併用して用いることもできる。塩基性物質と
しては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン
類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グア
ニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が挙げられ
る。特公昭52−46806号公報、特開昭62−70
082号公報、特開昭57−169745号公報、特開
昭60−94381号公報、特開昭57−123086
号公報、特開昭58−1347901号公報、特開昭6
0−49991号公報、特公平2−24916号公報、
特公平2−28479号公報、特開昭60−16528
8号公報、特開昭57−185430号公報に記載のも
のを使用できる。
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N′−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジン類、N
−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒ
ドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)
ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピ
ペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジ
ン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシル
フェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
に対するカプラー及び塩基性物質の使用量は、それぞれ
0.1〜30重量部であることが好ましい。
にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えるこ
とができる。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高
くする、もしくは最低発色温度を低くする物質であり、
カプラー、塩基性物質、もしくはジアゾ化合物等の融解
点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用
により、ジアゾ化合物、塩基性物質、カプラー等が反応
しやすい状況を作るためのものである。
ば低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が行われるよう
に、発色層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導体、
アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン
類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミ
ド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物、ヒド
ロキシ化合物等を加えることができる。
発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、また
は、定着後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的
で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ま
しい。上記の酸化防止剤については、例えばヨーロッパ
公開特許、同第223739号公報、同309401号
公報、同第309402号公報、同第310551号公
報、同第310552号公報、同第459416号公
報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭5
4−48535号公報、同62−262047号公報、
同63−113536号公報、同63−163351号
公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71
262号公報、特開平3−121449号公報、特開平
5−61166号公報、特開平5−119449号公
報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許第
4980275号等に記載されている。
圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加
剤を用いることも有効である。これらの各種添加剤の具
体例としては、特開昭60−107384号公報、同6
0−107383号公報、同60−125470号公
報、同60−125471号公報、同60−12547
2号公報、同60−287485号公報、同60−28
7486号公報、同60−287487号公報、同60
−287488号公報、同61−160287号公報、
同61−185483号公報、同61−211079号
公報、同62−146678号公報、同62−1466
80号公報、同62−146679号公報、同62−2
82885号公報、同63−051174号公報、同6
3−89877号公報、同63−88380号公報、同
63−088381号公報、同63−203372号公
報、同63−224989号公報、同63−25128
2号公報、同63−267594号公報、同63−18
2484号公報、特開平1−239282号公報、同4
−291685号公報、同4−291684号公報、同
5−188687号公報、同5−188686号公報、
同5−110490号公報、同5−1108437号公
報、同5−170361号公報、特公昭48−0432
94号公報、同48−033212号公報等に記載され
てる化合物を挙げることができる。
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサンカルボン酸ニッケル、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサ
ン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1
−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
加量は、ジアゾ化合物1重量部に対して0.05〜10
0重量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜3
0重量部であることが好ましい。このような公知の酸化
防止剤および各種添加剤はジアゾ化合物と共にマイクロ
カプセル中に含有させて用いることも、あるいはカプラ
ーや塩基性物質、その他の発色助剤と共に、固体分散物
として、もしくは適当な乳化助剤と共に乳化物にして用
いることも、あるいはその両方の形態で用いることもで
きる。また酸化防止剤および各種添加剤を単独または複
数併用することができるのは勿論である。また、保護層
に添加または存在させることもできる。
一層に添加しなくてもよい。更にこれらの酸化防止剤お
よび各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合には、ア
ニリン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフェノー
ル類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、り
ん化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに異
なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを
複数組み合わせることもできる。
地肌部の黄着色を軽減する目的で光重合性組成物等に用
いられる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する
化合物)を加えることができる。遊離基発生剤として
は、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾイ
ンエーテル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシ
ルオキシムエステル類などが挙げられる。添加する量
は、ジアゾ化合物1重量部に対して、遊離基発生剤0.
01〜5重量部が好ましい。
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビ
ニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニルモ
ノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレ
ン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する
化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を
持つものである。これらの例として、不飽和カルボン酸
及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化
合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジア
ゾ化合物1重量部に対して0.2〜20重量部の割合で
用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジアゾ
化合物と共にマイクロカプセル中に含有して用いること
もできる。
てクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロ
リン酸等を添加することができる。
物を含有したマイクロカプセル、カプラー、及び有機塩
基、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、紙や合
成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード塗
布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティン
グ塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等
の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜30g
/m 2 の感熱層を設けることが好ましい。本発明の感光
感熱記録材料においては、マイクロカプセル、カップリ
ング成分、塩基などが同一層に含まれていてもよいが、
別層に含まれるような積層型の構成をとることもでき
る。また、支持体の上に特願昭59−177669号明
細書等に記載されているような中間層を設けた後、感熱
層を塗布することもできる。
れるバインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物や
ラテックス類などを使用することができる。水溶性高分
子化合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、ア
ラビアゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニル
アルコール、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、イソ
ブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変性物等
が挙げられ、ラテックス類としては、スチレン−ブタジ
エンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴ
ムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ
る。
料としては、有機、無機を問わず公知のものを使用する
ことができる。具体的には、カオリン、焼成カオリン、
タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポ
ン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シ
リカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸
バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、
尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティク
ル、セルロースフィラー等が挙げられる。
必要に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、
導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤及びその
前駆体など各種添加剤を使用することができる。
て記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要
に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料
としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリ
ビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合
体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、
カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、
スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解
物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解
物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いら
れる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より一
層保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤とし
ては公知の架橋剤を使用することができる。具体的には
N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−
ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼
砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンな
どが挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属
石鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもでき
る。保護層の塗布量は0.2〜5g/m 2 が好ましく、
さらには0.5〜2g/m 2 が好ましい。またその膜厚
は0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好
ましい。
する場合、保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体
を含有してもよい。
感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用いられる紙
支持体はいずれも使用することができる他、酸性紙、中
性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、
合成紙、プラスチックフィルムなどを使用することがで
きる。支持体のカールバランスを補正するため或いは、
裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バックコート
層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙
を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。このバック
コート層についても上記保護層と同様にして設けること
ができる。
マルヘッド等で加熱すると、ポリウレアおよび/または
ポリウレタンのカプセル壁が軟化し、カプセル外のカプ
ラーと塩基化合物がカプセル内に進入して発色する。発
色後はジアゾ化合物の吸収波長の光を照射する事によ
り、ジアゾ化合物が分解しカプラーとの反応性を失うた
め画像の定着が行なわれる。
ンランプ、水銀灯などが用いられ、この発光スペクトル
が感光感熱記録材料で用いたジアゾ化合物の吸収スペク
トルにほぼ一致していることが効率よく定着でき好まし
い。本発明においては、発光中心波長が360〜380
nmの定着光源が特に好ましい。
ジアゾ化合物を別層に用いることにより多色記録材料と
することもできる。
記録材料とした場合には感光感熱記録層相互の混色を防
ぐため、中間層を設けることもできる。この中間層はゼ
ラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドンなどの水溶性高分子化合物からな
り、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
酸エチル16.0部にジアゾ化合物(A−5)2.4
部、トリクレジルホスフェート12.1部を添加して均
一に混合した。次いでこの混合液に壁材としてタケネー
トD110N(武田薬品工業社製)8.8部を加え混合
しI液を得た。次にフタル化ゼラチンの8%水溶液60
部、水23.5部の混合液に上記I液を添加しホモジナ
イザーを使用して40℃、9000rpmで10分間乳
分散した。得られた乳化物に水20部を加えて均一化し
た後、攪拌しながら40℃で3時間カプセル化反応をお
こなわせてカプセル液Aを得た。カプセルの粒径は0.
9〜1.1マイクロメートルであった。
0.5部にカプラー(B−30)3部、トリフェニルグ
アニジン3部、トリクレジルホスフェート0.5部、マ
レイン酸ジエチル0.24部を溶解しII液を得た。次
に石灰処理ゼラチンの15%水溶液49部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダの10%水溶液9.5部、水3
5部を40℃で均一に混合した中にII液を添加しホモ
ジナイザーを使用して40℃、10000rpmで10
分間乳化分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪
拌して酢酸エチルを除去後、蒸発した酢酸エチルと水の
量を加水によりおぎない、カプラー乳化液Bを得た。
ル液A3.0部、水3.0部、カプラー乳化液B5.8
部を混合し、感光感熱記録層塗布液Cを得た。 (保護層塗布液Dの調製)イタコン酸変性ポリビニルア
ルコール(KL−318;商品名、クラレ株式会社製)
6%水溶液100部とエポキシ変性ポリアミド(FL−
71;商品名、東邦化学株式会社製)30%の分散液1
0部とを混合した液に、ステアリン酸亜鉛40%の分散
液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式会社製)15
部を均一に混合し保護層塗布液Dを得た。
トした印画紙用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗
布液C、保護層塗布液Dの順に順次塗布と50℃での乾
燥を行ない、目的の感熱記録材料を得た。固形分として
の塗布量は各々8.0グラム/m2 、1.2グラム/m
2 であった。 (発色試験)京セラ株式会社製サーマルヘッド(KST
型)を用い、単位面積あたりの記録エネルギーが50m
j/mm2 となるようにサーマルヘッドに対する印加電
力およびパルス幅を決め、感熱記録材料に熱印画し画像
を得た。次いで、発光中心波長365nm、出力40W
の紫外線ランプ下に12秒間曝し、地肌部分の濃度を測
定した。 (生保存性試験)記録前の感熱記録材料を60℃、30
%RHの条件下72時間強制保存した。強制保存後、発
光中心波長365nm、出力40Wの紫外線ランプ下に
12秒間曝し、地肌部分の濃度を測定した。 (濃度測定)マクベス濃度計「MacbethRD91
8」を用い、発色部の濃度はC又はMポジションで、地
肌部の濃度はYポジションで測定した。
3.0部用いた以外は実施例1と同様にして感光感熱記
録材料を作成、評価した。
2.4部用いた以外は実施例1と同様にして感光感熱記
録材料を作成、評価した。
2.6部用いた以外は実施例1と同様にして感光感熱記
録材料を作成、評価した。
を2.6部用いた以外は実施例1と同様にして感光感熱
記録材料を作成、評価した。
を2.6部用いた以外は実施例1と同様にして感光感熱
記録材料を作成、評価した。
を2.7部用いた以外は実施例1と同様にして感光感熱
記録材料を作成、評価した。
を2.6部用いた以外は実施例1と同様にして感光感熱
記録材料を作成、評価した。
1を3.0部用いた以外は実施例1と同様にして感光感
熱記録材料を作成、評価した。
2を3.6部用いた以外は実施例1と同様にして感光感
熱記録材料を作成、評価した。
は、発色部分の濃度を高く維持したまま、作製直後だけ
でなく高温高湿下で強制保存後に使用しても地肌部分の
着色が少ないことが分かる。特に、ジアゾニオ基のオル
ト位に直鎖のアルコキシ基を有するジアゾ化合物(比較
例1)やパラ位に長鎖のジアルキルアミノ基を有するジ
アゾ化合物(比較例2)と比較しても、本発明の感光感
熱記録材料では強制保存後の使用においても地肌部分の
着色が少なく、さらに、生保存性が改良されていること
が分かる。
波長の短い(350nm〜390nm)光に対する高い
感光性を有し、得られる発色画像の発色濃度が極めて高
く、かつ生保存性が大幅に改良された感光感熱記録材料
が提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】 支持体上に、ジアゾ化合物及びカプラー
を含む感光感熱記録層を設けた感光感熱記録材料におい
て、該ジアゾ化合物が、下記一般式(1)で表される化
合物であり、かつ該ジアゾ化合物がマイクロカプセル中
に内包されることを特徴とする感光感熱記録材料。 【化1】 [式中、R1 及びR2 は同一でも異なっていてもよく、
炭素数1〜5のアルキル基を表す。R1 及びR2 は互い
に結合して環を形成してもよい。R3 及びR4 は同一で
も異なっていてもよく、アルキル基を表す。R3 及びR
4 は互いに結合して環を形成してもよい。] - 【請求項2】 カプラーが下記一般式(2)で表される
化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光感
熱記録材料。 【化2】 [式中、E1 及びE2 はそれぞれ独立に電子吸引性基を
表す。E1 、E2 は互いに結合して環を形成してもよ
い。] - 【請求項3】 ジアゾ化合物を内包するマイクロカプセ
ルのカプセル壁が、ポリウレタンおよび/またはポリウ
レアを構成成分として含むカプセル壁であることを特徴
とする請求項1又は2に記載の感光感熱記録材料。
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