JPH11218610A - 新規偏光膜 - Google Patents

新規偏光膜

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JPH11218610A
JPH11218610A JP3240798A JP3240798A JPH11218610A JP H11218610 A JPH11218610 A JP H11218610A JP 3240798 A JP3240798 A JP 3240798A JP 3240798 A JP3240798 A JP 3240798A JP H11218610 A JPH11218610 A JP H11218610A
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Kumiko Ishii
久美子 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏光性能及び耐久性に優れるとともに、可視光
領域における色もれも少ない偏光膜の開発。 【解決手段】遊離酸の形で下記式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はメチル基又はメトキ
シ基を表す。但し、R1、R3 は同じ基であり、R2
4 も同じ基である。またR1 、R3 がメトキシ基の時
にはR2 、R4 もメトキシ基である。R5 は水素原子、
ニトロ基又はアミノ基を表す。)で表される水溶性染料
またはこの銅錯塩染料を有することを特徴とするポリビ
ニルアルコール系偏光膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリビニルア
ルコール系偏光膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光の透過・遮へい機能を有する偏光板
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに液晶デ
ィスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。この
LCDの適用分野も初期の頃の電卓および時計等の小型
機器から、ノートパソコン、ワープロ、液晶プロジェク
タ、液晶テレビ、カーナビゲーションおよび屋内外の計
測機器等の広範囲に広がり、使用条件も低温〜高温、低
湿度〜高湿度の幅広い条件で使用されることから、偏光
性能が高くかつ耐久性に優れた偏光板が求められてい
る。
【0003】現在、偏光膜は延伸配向したポリビニルア
ルコール又はその誘導体のフィルムあるいは、ポリ塩化
ビニルフィルムの脱塩酸又はポリビニルアルコール系フ
ィルムの脱水によりポリエンを生成して配向せしめたポ
リエン系のフィルムなどの偏光基材に、偏光素子として
ヨウ素や二色性染料を含有せしめて製造される。これら
のうち、偏光素子としてヨウ素を用いたヨウ素系偏光膜
は、初期偏光性能には優れるものの、水および熱に対し
て弱く、高温、高湿の状態で長時間使用する場合にはそ
の耐久性に問題がある。耐久性を向上させるためにホル
マリン、あるいはほう酸を含む水溶液で処理したり、ま
た透湿度の低い高分子フィルムを保護膜として用いる方
法などが考えられているが十分とはいえない。一方、偏
光素子として二色性染料を用いた染料系偏光膜はヨウ素
系偏光膜に比べ、耐湿性および耐熱性は優れるものの、
一般に初期偏光性能が十分ではない。
【0004】また、高分子フィルムに数種の二色性染料
を吸着・配向させてなる中性色の偏光膜において、2枚
の偏光膜をその配向方向が直交するように重ね合わせた
状態(直交位)で、可視光領域、特に400〜700n
mの波長領域における特定波長の光漏れ(色漏れ)があ
ると、偏光膜を液晶パネルに装着したとき、暗状態にお
いて液晶表示の色相が変わってしまうことがある。そこ
で、偏光膜を液晶表示装置に装着したとき、暗状態にお
いて特定波長の色漏れによる液晶表示の変色を防止する
ためには、高分子フィルムに数種の二色性染料を吸着・
配向させてなる中性色の偏光膜において、可視光領域、
特に400〜700nmの波長領域における直交位の透
過率(直交透過率)を一様に低くしなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、優れた偏光性能および耐湿性・耐熱性を有する高性
能な偏光膜を提供することにある。本発明の別の目的
は、かかる偏光膜を製造するのに適した化合物を提供す
ることにある。さらに、本発明の他の目的は、高分子フ
ィルムに二種類以上の二色性染料を吸着・配向せしめて
なる中性色の偏光膜であって、可視光領域、特に400
〜700nmの波長領域における直交位の色もれがな
く、優れた偏光性能及び耐湿性、耐熱性を有する高性能
な偏光膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、特定の染料を含
有する偏光膜が、優れた偏光性能及び耐湿性、耐熱性を
有することを見いだし、さらにはかかる特定の染料とと
もに、中性色を有する偏光膜とするための特定の選択さ
れた染料を含有させることにより、偏光性能及び耐久性
に優れるとともに、可視光領域における色もれも少ない
偏光膜が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
【0007】遊離酸の形で下記式(1)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 はメチル
基又はメトキシ基を表す。但し、R1、R3 は同じ基で
あり、R2 、R4 も同じ基である。またR1 、R3 がメ
トキシ基の時にはR2 、R4 もメトキシ基である。R5
は水素原子、ニトロ基又はアミノ基を表す。)で表され
る水溶性染料またはこの銅錯塩染料を有することを特徴
とするポリビニルアルコール系偏光膜、(2)さらに式
(1)で表される化合物以外の有機染料を少なくとも1
種以上有することを特徴とする(1)に記載のポリビニ
ルアルコール系偏光膜、に関する。
【0010】上記式(1)で表される水溶性染料または
その銅錯塩染料を一種以上含有してなる偏光膜は、偏光
性能に優れ、しかも耐湿性、耐熱性に優れる特徴を有す
る。さらに上記式(1)で表される水溶性染料またはそ
の銅錯塩染料を含有した偏光膜は別の有機染料を含有さ
せることにより、偏光性能に優れ、しかも耐湿性、耐熱
性に優れた特徴を有する中性色(グレー)の偏光膜が得
られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の偏光膜は、式(1)で表
される水溶性染料またはこの銅錯塩染料を少なくとも1
種有する。式(1)において、R1 、R2 、R3 、R4
はそれぞれメチル基、メトキシ基を表すが、R1 、R3
がメチル基を、R2 、R4 がメトキシ基のものが特に好
ましい。また、式(1)において、R5 は水素、ニトロ
基、アミノ基、であるが水素が特に好ましい。R5 の置
換位置としては、−NHCO−基に対してパラ位が特に
好ましい。次に、本発明で使用する式(1)で表される
水溶性染料の代表例を表1にあげる。
【0012】
【表1】 表1 R1 2 3 4 5 No. 1. メチル メトキシ メチル メトキシ 水素 2. メチル メトキシ メチル メトキシ p−アミノ 3. メトキシ メトキシ メトキシ メトキシ p−アミノ 4. メチル メチル メチル メチル p−ニトロ
【0013】式(1)で表される水溶性染料は、通常の
アゾ染料の製法に従い、公知のジアゾ化、カップリング
法で容易に製造できる。即ち、スルファニル酸をジアゾ
化し、式(2)
【0014】
【化3】
【0015】〔式(2)において、R1 、R2 は前記と
同じ意味を表す〕のアミノ化合物と常法によりカップリ
ングさせて、式(3)
【0016】
【化4】
【0017】〔式(3)において、R1 、R2 は前記と
同じ意味を表す〕で表されるモノアゾ化合物を製造し、
これを再びジアゾ化し、式(4)
【0018】
【化5】
【0019】〔式(4)において、R3 、R4 は前記と
同じ意味を表す〕のアミノ化合物と常法によりカップリ
ングさせて、式(5)
【0020】
【化6】
【0021】〔式(5)において、R1 、R2 、R3
4 は前記と同じ意味を表す〕で表される、アミノ基を
もったジスアゾ中間体を製造する。
【0022】これらの中間体の製造法においてジアゾ化
法はジアゾ成分の塩酸、硫酸などの鉱酸水溶液またはけ
ん濁液に亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を混合すると
いう順法によるか、あるいはジアゾ成分の中性もしくは
弱アルカリ性の水溶液に亜硝酸塩を加えておき、これと
鉱酸を混合するという逆法によってもよい。ジアゾ化の
温度は、−10〜40℃が適当である。カップリング
は、アミン類の塩酸、酢酸などの酸性水溶液と上記ジア
ゾ液を混合し中和してPH2〜7にすればよい。カップ
リングの温度は−10〜40℃が適当である。
【0023】カップリングして得られた式(3)および
式(5)の化合物はそのままあるいは酸析や塩析により
析出させ濾過して取り出すか、溶液またはけん濁液のま
ま次の工程へ進むこともできる。ジアゾニウム塩が難溶
性でけん濁液となっている場合は濾過してプレスケーキ
として次のジアゾ化工程で使うこともできる。
【0024】このようにして得た中間体の式(5)の化
合物は上記と同様な公知の方法でジアゾ化し、下記式
(6)
【0025】
【化7】
【0026】〔式(6)において、R5 は前記と同じ意
味を表す〕で表される化合物とアルカリ性でカップリン
グさせれば式(1)の水溶性染料が得られる。
【0027】式(6)の化合物は、J酸を公知の方法で
塩化ベンゾイルによりベンゾイル化すれば、R5 が水素
である化合物が得られる。またR5 がニトロ基である化
合物はニトロ基で置換された塩化ベンゾイルを用いてベ
ンゾイル化すれば得られる。さらに得られたニトロ化物
を公知の方法により還元すれば、R5 がアミノ基である
化合物が得られる。式(1)の化合物のアゾ結合位置の
オルト位に水酸基、メトキシ基がある場合には、更に硫
酸銅等を用いて常法により銅化すれば、式(1)の化合
物の銅錯体が得られる。もちろんこれ以外の製造ルート
によっても式(1)で表される化合物を製造することが
できる。
【0028】式(1)で表される化合物は単独で使用さ
れる他、それら同士、あるいは他の色素と配合すること
により、各種の色相を有する偏光素子または偏光板を製
造することができる。配合する他の有機染料としては、
本発明のトリスアゾ化合物の吸収波長領域と異なる波長
領域に吸収特性を有する染料であって二色性の高いもの
であれば、いかなる染料であってもよく、例えばシー.
アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレ
クト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロ
ー44、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シ
ー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダ
イレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.
レッド 2、シー.アイ.ダイレクト.レッド 31、
シー.アイ.ダイレクト.レッド 79、シー.アイ.
ダイレクト.レッド 81、シー.アイ.ダイレクト.
レッド 247 、シー.アイ.ダイレクト.グリーン
80、シー.アイ.ダイレクト.グリーン 59およ
び特開昭59−145255号、特開昭60−1567
59号、特開平3−12606号の各公報に記載された
染料等が挙げられ、これらの色素は遊離酸、あるいはア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として用
いられる。
【0029】本発明の偏光膜は、式(1)で表されるト
リスアゾ化合物からなる。あるいは、更に他の有機染料
からなる二色性染料を、偏光膜材料である高分子フィル
ムに公知の方法で含有せしめることにより、製造するこ
とができる。式(1)で表されるトリスアゾ化合物に加
えて前記の有機染料を少なくとも一種以上用いる場合、
それぞれの配合割合は特に限定されるものではないが、
一般的には、式(1)で表されるトリスアゾ化合物の重
量を基準として、前記の有機染料の少なくとも一種以上
の合計で0.1〜10重量部の範囲で用いるのが好まし
い。
【0030】このように構成した偏光膜は中性色を有
し、可視光領域、特に400〜700nmの波長領域に
おいて直交位の色もれがなく、偏光性能に優れ、さらに
高温、高湿状態でも変色や偏光性能の低下を起こさない
という特徴を有する。
【0031】本発明の偏光膜に使用する基材(高分子フ
ィルム)は、ポリビニアルコールまたはその誘導体、こ
れらのいずれかをエチレン、プロピレンのようなオレフ
ィンや、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸のような不飽和カルボン酸などで変性したもの、
EVA(エチレン/ビニルアセテート)樹脂、ケン化E
VA樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂などからな
るものが利用される。なかでも、ポリビニアルコールま
たはその誘導体からなるフィルムが、染料の吸着性およ
び配向性の点から、好適に用いられる。
【0032】このような高分子フィルムに二色性染料を
含有せしめるにあたっては、通常、高分子フィルムを染
色する方法が採用される。染色は、例えば次のように行
われる。まず、二色性染料を水に溶解して染浴を調整す
る。染浴中の染料濃度は特に制限されないが、通常は
0.001〜10重量%程度の範囲から選択される。ま
た、必要により染色助剤を用いてもよく、例えば、芒硝
を1〜10重量%程度の濃度で用いるのが好適である。
このようにして調製した染浴に高分子フィルムを浸漬
し、染色を行う。染色温度は、好ましくは40〜80℃
程度である。
【0033】二色性染料の配向は、高分子フィルムを延
伸することによって行われる。延伸する方法としては、
例えば湿式法、乾式法など、公知のいずれの方法を用い
てもよい。高分子フィルムの延伸は、染色の前に行って
もよい。二色性染料を含有・配向せしめた高分子フィル
ムは、必要に応じて公知の方法によりホウ酸処理などの
後処理が施される。このような後処理は、偏光膜の光線
透過率および偏光度を向上させる目的で行われる。ホウ
酸処理の条件は、用いる高分子フィルムの種類や用いる
染料の種類によって異なるが、一般的にはホウ酸水溶液
のホウ酸濃度を1〜15重量%、好ましくは5〜10重
量%の範囲とし、処理は30〜80℃、好ましくは40
〜75℃の温度範囲で行われる。更に必要に応じて、カ
チオン系高分子化合物を含む水溶液で、フィックス処理
を併せて行ってもよい。
【0034】このようにして得られた染料系偏光膜は、
その片面または両面に、光学的透明性および機械的強度
に優れる保護膜を貼合して、偏光板とすることができ
る。保護膜を形成する材料は、従来から使用されている
ものでよく、例えば、セルロースアセテート系フィルム
やアクリル系フィルムのほか、四フッ化エチレン/六フ
ッ化プロピレン系共重合体のようなフッ素系フィルム、
ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂またはポリアミ
ド系樹脂からなるフィルムが用いられる。
【0035】このようにして、高い偏光性能を有し、且
つ耐湿性、耐熱性に優れた偏光膜を得ることができる。
また式(1)で表されるトリスアゾ化合物と他の有機染
料を併用することによって、耐湿性、耐熱性の優れた中
性色の偏光膜を得ることができる。この場合、有機染料
として前記した染料から一種以上を併用することによっ
て、耐湿性、耐熱性に優れ、可視光領域における直交位
での光もれの少ない偏光膜を得ることができる。
【0036】
【実施例】以下、合成例、実施例により本発明をさらに
詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本
発明をなんら限定するものではない。例中にある%およ
び部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0037】合成例1 スルファニル酸17.3部を水200部に分散させたの
ち、35%塩酸20.9部を加え、次に亜硝酸ナトリウ
ム6.9部を加え、5℃で1時間攪拌する。そこへ p
−クレシジン13.7部を加え、5〜10℃で2時間攪
拌したのち、炭酸ナトリウムを加えてpH3とし、さら
に攪拌してカップリング反応を完結させ、濾過して、モ
ノアゾ化合物を得る。得られたモノアゾ化合物を水30
0部に分散させたのち、35%塩酸20.9部を、次に
亜硝酸ナトリウム6.9部を加え、10〜15℃で1時
間攪拌してジアゾ化する。そこへ p−クレシジン1
3.7部を加え、5〜10℃で2時間攪拌したのち、炭
酸ナトリウムを加えてpH3とし、さらに攪拌してカッ
プリング反応を完結させ、濾過して、ジスアゾ化合物を
得る。得られたジスアゾ化合物を水400部に分散させ
たのち、35%塩酸20.9部を、次に亜硝酸ナトリウ
ム6.9部を加え、10〜15℃で攪拌してジアゾ化す
る。
【0038】一方、J酸23.9部を水250部に加
え、炭酸ナトリウムで弱アルカリ性として溶解し、塩化
ベンゾイル17.5部と炭酸ナトリウム7.0部の溶液
を同時に加え反応させる。反応は終始中性〜弱アルカリ
性で行う。この反応液に先に得られたジスアゾ化合物の
ジアゾ化物を中性〜弱アルカリ性を保って注入し、攪拌
して、カップリング反応を完結させる。塩化ナトリウム
で塩析し、濾過して化合物No.1のトリスアゾ化合物
の水溶性染料を得た。
【0039】合成例2 合成例1で得られたトリスアゾ化合物を水500部に分
散させ、結晶硫酸銅30部およびモノエタノールアミン
30部を加えて95℃に加熱し、10時間反応させる。
反応液に塩化ナトリウムを加えて塩析し、濾過して、化
合物No.1のトリスアゾ化合物の水溶性銅錯塩染料を
得た。
【0040】実施例1 合成例1で得られた化合物No.1のトリスアゾ化合物
の水溶性染料の0.04%および芒硝0.3%の濃度と
した45℃の水溶液に、厚さ75μmのポリビニルアル
コールを4分間浸漬した。このフィルムを3%ホウ酸水
溶液中で50℃で5倍に延伸し、緊張状態を保ったまま
水洗、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜は、最大
吸収波長585nmであり、最大吸収波長における単板
透過率43%における偏光率が99.7%であり、高
温、高湿の状態でも長時間にわたって変色を示さなかっ
た。
【0041】実施例2 合成例2で得られた化合物No.1のトリスアゾ化合物
の水溶性銅錯塩染料の0.04%および芒硝0.3%の
濃度とした45℃の水溶液に、厚さ75μmのポリビニ
ルアルコールを4分間浸漬した。このフィルムを3%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で5倍に延伸し、緊張状態を保っ
たまま水洗、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜
は、最大吸収波長605nmであり、最大吸収波長にお
ける単板透過率43%における偏光率が99.5%であ
り、高温、高湿の状態でも長時間にわたって変色を示さ
なかった。
【0042】実施例3 合成例1と同様な方法を用いて得られた化合物No.2
のトリスアゾ化合物の水溶性染料を使用し、実施例1と
同様な方法を用いて偏光膜を作成した。得られた偏光膜
は、最大吸収波長585nmであり、最大吸収波長にお
ける単板透過率43%における偏光率が99.7%であ
り、高温、高湿の状態でも長時間にわたって変色を示さ
なかった。
【0043】実施例4 合成例1と同様な方法を用いて得られた化合物No.3
のトリスアゾ化合物の水溶性染料を使用し、実施例1と
同様な方法を用いて偏光膜を作成した。得られた偏光膜
は、最大吸収波長600nmであり、最大吸収波長にお
ける単板透過率43%における偏光率が99.7%であ
り、高温、高湿の状態でも長時間にわたって変色を示さ
なかった。
【0044】実施例5 合成例1で得られた化合物No.1の染料0.06%、
シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39を0.04%、
シー.アイ.ダイレクト.レッド81を0.02%、特
開昭60−156759号公報、実施例38において公
開されている下記構造式で示される染料0.04%およ
び芒硝を0.3%の濃度とした45℃の水溶液に、厚さ
75μmのポリビニルアルコールを4分間浸漬した。こ
のフィルムを3%ホウ酸水溶液中で50℃で5倍に延伸
し、緊張状態を保ったまま水洗、乾燥して中性色の偏光
膜を得た。得られた偏光膜は、単板透過率41%におけ
る偏光率が99.9%であり、高温、高湿の状態でも長
時間にわたって変色を示さなかった。
【0045】
【化8】
【0046】実施例6 実施例3で使用した化合物No.2のトリスアゾ化合物
の染料0.06%、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ
39を0.04%、シー.アイ.ダイレクト.レッド8
1を0.02%、特開昭60−156759号公報、実
施例23において公開されている下記構造式で示される
染料0.04%および芒硝を0.3%の濃度とした45
℃の水溶液に、厚さ75μmのポリビニルアルコールを
4分間浸漬した。このフィルムを3%ホウ酸水溶液中で
50℃で5倍に延伸し、緊張状態を保ったまま水洗、乾
燥して中性色の偏光膜を得た。得られた偏光膜は、単板
透過率41%における偏光率が99.9%であり、高
温、高湿の状態でも長時間にわたって変色を示さなかっ
た。
【0047】
【化9】
【0048】比較例1 実施例1において使用した化合物No.1の水溶性染料
の代わりに、特開平5−295281号公報、実施例1
において公開されている下記構造式の染料を用いて、実
施例1と同様にして中性色の偏光膜を得た。得られた偏
光膜は、単板透過率40%における偏光率が98.7%
であり、本発明の中性色の偏光膜より劣っていた。
【0049】
【化10】
【0050】
【発明の効果】本発明で使用するトリスアゾ化合物は、
染料、特に偏光膜用の染料として有用である。そしてこ
の化合物を含有する偏光膜は、ヨウ素を用いた偏光膜に
匹敵する高い偏光性能を有し、且つ耐久性にも優れるの
で、各種液晶表示体、なかでも高い偏光性能と耐久性を
必要とする車載用途、各種環境で用いられる工業計器類
の表示用途に好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で下記式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はメチル基又はメトキ
    シ基を表す。但し、R1、R3 は同じ基であり、R2
    4 も同じ基である。またR1 、R3 がメトキシ基の時
    にはR2 、R4 もメトキシ基である。R5 は水素原子、
    ニトロ基又はアミノ基を表す。)で表される水溶性染料
    またはこの銅錯塩染料を有することを特徴とするポリビ
    ニルアルコール系偏光膜。
  2. 【請求項2】さらに式(1)で表される化合物以外の有
    機染料を少なくとも1種以上有することを特徴とする請
    求項1に記載のポリビニルアルコール系偏光膜。
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Cited By (14)

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