JPH11165548A - ディファレンシャルの接合面シール構造 - Google Patents

ディファレンシャルの接合面シール構造

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JPH11165548A
JPH11165548A JP9336899A JP33689997A JPH11165548A JP H11165548 A JPH11165548 A JP H11165548A JP 9336899 A JP9336899 A JP 9336899A JP 33689997 A JP33689997 A JP 33689997A JP H11165548 A JPH11165548 A JP H11165548A
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秀信 丸橋
Akio Sei
昭男 清
Kazuo Matsuoka
和夫 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液状ガスケットをフランジシールとして用い
ることにより、成形ガスケットを用いるのに比べて経時
的なヘタリが無く安価であるのに加え、シール剤のはみ
出し防止と、シール剤の硬化時間短縮と、シール性の向
上とが併せて達成されるディファレンシャルの接合面シ
ール構造を提供すること。 【解決手段】 シリコーンシール剤Sを一方のフランジ
面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面間にシリコ
ーンシール剤Sを介装させ、これを硬化させた液状ガス
ケットをフランジシールとして用いたディファレンシャ
ルの接合面シール構造において、デフハウジング1,2
のフランジ面1a,2aとサイドベアリングハウジング
取付穴1b,2bとが交差する位置の面取り部1c,2
cを大きくして第1のシール剤溜り部11を形成し、サ
イドベアリングハウジング10のフランジ面10aの外
周位置に設けた段差開放溝10bにより外気と連通する
第2のシール剤溜り部12を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、差動装置が変速機
ファイナルドライブ部に一体に設けられたFF車用自動
変速機等に適用されるディファレンシャルの接合面シー
ル構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、差動装置が変速機ファイナルドラ
イブ部に一体に設けられた自動変速機は、図7に示すよ
うに、トランスミッションケースのファイナルドライブ
部にボトムカバーを結合することでデフハウジングが構
成され、このデフハウジングへのサイドベアリングハウ
ジングの固定は、サイドベアリングハウジングフランジ
面を、半円帯状のトランスミッションケースフランジ面
とボトムカバーフランジ面の合わせ面に符合させてボル
ト締結することにより行なわれる。
【0003】このサイドベアリングハウジングをデフハ
ウジングに固定するに際しては、フランジシールとし
て、シール剤(例えば、シリコーンシール剤)を一方の
フランジ面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面間
にシール剤を介装させ、これを硬化させた液状ガスケッ
トが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のディファレンシャルの接合面シール構造にあって
は、デフハウジングのフランジ面とサイドベアリングハ
ウジング取付穴とが交差する位置の面取りが小さく、シ
ール剤溜り部がほとんど形成されないため、下記に列挙
するような問題を有する。
【0005】(1) サイドベアリングハウジングをデフハ
ウジングに固定する際、フランジ面の隙間に介装されて
いるシール剤の逃げ場がなくなり、図6に示すように、
シール剤の大半がサイドベアリングハウジングの外周か
らはみ出してしまう。
【0006】(2) ボルト締結によりサイドベアリングハ
ウジングをデフハウジングに固定した状態では、外気と
シール剤との接触面積が小さいため、シール剤の硬化時
間が長くなる。尚、シリコーンシール剤の場合、空気中
の湿気と反応して硬化する。
【0007】(3) サイドベアリングハウジングとデフハ
ウジングとの間には膜厚がきわめて薄い硬化シール剤が
介装されるだけであり、シール性が低い。
【0008】この結果、トランスミッションケースのフ
ァイナルドライブ部にボトムカバーを結合することでデ
フハウジングが構成された自動変速機の場合、両者の合
わせ面が変位することにより硬化シール剤の膜切れを生
じ、デフハウジングの内部に封入されているオイルの漏
れが発生する。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、液状ガ
スケットをフランジシールとして用いることにより、成
形ガスケットを用いるのに比べて経時的なヘタリが無く
安価であるのに加え、シール剤のはみ出し防止と、シー
ル剤の硬化時間短縮と、シール性の向上とが併せて達成
されるディファレンシャルの接合面シール構造を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】(解決手段1)上記課題
の解決手段1(請求項1)は、内部にオイルが貯留され
るデフハウジングと、該デフハウジングに収納される差
動装置と、該差動装置のデフケースを支持するサイドベ
アリングと、該サイドベアリングを支持するサイドベア
リングハウジングとを備え、サイドベアリングハウジン
グをデフハウジングに固定するに際し、シール剤を一方
のフランジ面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面
間にシール剤を介装させ、これを硬化させた液状ガスケ
ットをフランジシールとして用いたディファレンシャル
の接合面シール構造において、前記デフハウジングのフ
ランジ面とサイドベアリングハウジング取付穴とが交差
する位置及びその近傍に第1のシール剤溜り部を形成
し、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外
周位置に外気と連通する第2のシール剤溜り部を形成し
たことを特徴とする。
【0011】(解決手段2)上記課題の解決手段2(請
求項2)は、請求項1記載のディファレンシャルの接合
面シール構造において、前記第1のシール剤溜り部を、
デフハウジングのフランジ面とサイドベアリングハウジ
ング取付穴とが交差する位置に設けた面取りとしたこと
を特徴とする。
【0012】(解決手段3)上記課題の解決手段3(請
求項3)は、請求項1または請求項2記載のディファレ
ンシャルの接合面シール構造において、前記第2のシー
ル剤溜り部を、サイドベアリングハウジングのフランジ
面の外周に設けた段差開放溝により形成し、該段差開放
溝の角隅部断面形状を円弧形としたことを特徴とする。
【0013】(解決手段4)上記課題の解決手段4(請
求項4)は、請求項1ないし請求項3記載のディファレ
ンシャルの接合面シール構造において、前記デフハウジ
ングが、トランスミッションケースのファイナルドライ
ブ部にボトムカバーを結合することで構成され、前記サ
イドベアリングハウジングのフランジ面を、半円帯状の
トランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフ
ランジ面の合わせ面に符合させる接合面を有する自動変
速機へ適用したことを特徴とする。
【0014】(解決手段5)上記課題の解決手段5(請
求項5)は、請求項4記載のディファレンシャルの接合
面シール構造において、前記サイドベアリングハウジン
グのフランジ面の外周に設けた第2のシール剤溜り部
を、少なくともトランスミッションケースフランジ面と
ボトムカバーフランジ面の合わせ面の下半分の範囲に設
けたことを特徴とする。
【0015】(解決手段6)上記課題の解決手段6(請
求項6)は、請求項4または請求項5記載のディファレ
ンシャルの接合面シール構造において、前記第1のシー
ル剤溜り部を、トランスミッションケースとボトムカバ
ーとを結合した状態にて面取り加工を行なうことにより
形成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は
請求項1〜請求項6に記載の発明に対応するディファレ
ンシャルの接合面シール構造である。
【0017】まず、構成を説明する。
【0018】図1は実施の形態1のディファレンシャル
の接合面シール構造を示す図2のA−A線断面図、図2
は実施の形態1の接合面シール構造が適用された自動変
速機のサイドベアリングハウジングを示す正面図、図3
は実施の形態1の接合面シール構造が適用された自動変
速機のデフハウジング部を示す正面図、図4は実施の形
態1の接合面シール構造が適用された自動変速機の全体
図、図5は実施の形態1のディファレンシャルの接合面
シール構造を有する自動変速機のファイナルドライブ部
を示す図4のB−B線断面図である。
【0019】図4,5において、1はトランスミッショ
ンケース、2はボトムカバー、3はオイルパン、4はオ
イルクーラ、5はリングギヤ、6はデフケース、7はデ
ィファレンシャルギヤ、8は第1サイドベアリング、9
は第2サイドベアリング(サイドベアリング)、10は
サイドベアリングハウジングである。
【0020】前記トランスミッションケース1のファイ
ナルドライブ部にボトムカバー2を結合することでデフ
ハウジングが構成され、このデフハウジングの内部には
冷却と潤滑を兼ねたオイルが貯留される。
【0021】前記トランスミッションケース1とボトム
カバー2によるデフハウジングには、リングギヤ5,デ
フケース6及びディファレンシャルギヤ7により構成さ
れる差動装置が収納されている。
【0022】前記差動装置のデフケース6の両端部は、
第1サイドベアリング8と第2サイドベアリング9によ
り支持されている。
【0023】前記第1サイドベアリング8は、トランス
ミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウジ
ングに直接支持され、前記第2サイドベアリング9は、
デフハウジングに固定されたサイドベアリングハウジン
グ10に支持されている。
【0024】前記サイドベアリングハウジング10をト
ランスミッションケース1とボトムカバー2によるデフ
ハウジングに固定するに際しては、後述するシリコーン
シール剤Sを一方のフランジ面に塗布し、ボルト締結に
より両フランジ面間にシリコーンシール剤Sを介装さ
せ、これを硬化させた液状ガスケットがフランジシール
として用いられている。
【0025】ここで、成形ガスケットと液状ガスケット
とを比較する。
【0026】成形ガスケットの場合、部品形状とガスケ
ット形状が同一で、組み付け後すぐに使用可能で、油付
着フランジで使用可能という長所を有するが、経時的に
ヘタリが生じる、強い締め付け力,フランジ剛性及び高
加工精度が必要、各種ガスケットの在庫管理が必要、高
価という短所を有する。
【0027】これに対し、液状ガスケットの場合、経時
的なヘタリが無い、接合面の加工状態にかかわらず充填
追従ができる、安価、在庫管理の合理化、自動化,省力
化ができるという長所を有する。
【0028】よって、この長所が生かされるサイドベア
リングハウジング10の接合面に液状ガスケットを採用
している。
【0029】実施の形態1の接合面シール構造を、図1
〜図3により詳しく述べる。
【0030】実施の形態1の接合面シール構造の特徴と
する点は、フランジ面間にシリコーンシール剤Sを溜め
る第1のシール剤溜り部11と第2のシール剤溜り部1
2とを形成したダブルシール構造とした点にある。
【0031】前記第1のシール剤溜り部11は、トラン
スミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウ
ジングのフランジ面1a,2aとサイドベアリングハウ
ジング取付穴1b,2bとが交差する位置の面取り部1
c,2cを大きくし、この面取り部1c,2cに対しサ
イドベアリングハウジング10を嵌着した時に形成され
る断面三角形の環状隙間により形成される。
【0032】ここで、トランスミッションケースフラン
ジ面1aとボトムカバーフランジ面2aは、図3に示す
ように、いずれも半円帯状であり、両フランジ面1a,
2aを合わせることで円帯状の面とし、ここにサイドベ
アリングハウジング10のフランジ面10aを符合させ
る。
【0033】そこで、トランスミッションケース1とボ
トムカバー2とに予め面取り部1c,2cを形成した場
合、2部材1,2の結合時に面取り部1c,2cが互い
にズレてしまうおそれがあるため、第1のシール剤溜り
部11となる面取り部1c,2cは、トランスミッショ
ンケース1とボトムカバー2とを結合した状態にて面取
り加工を行なうことにより形成される。
【0034】前記第2のシール剤溜り部12は、サイド
ベアリングハウジング10のフランジ面10aのボルト
締結部を除く外周位置に段差開放溝10bを設け、この
段差開放溝10bを持つサイドベアリングハウジング1
0をトランスミッションケース1とボトムカバー2によ
るデフハウジングに嵌着した時、段差開放溝10bと両
フランジ面1a,2aとの隙間により形成される。
【0035】この第2のシール剤溜り部12は、大きな
開口形状により外気と大きな接触面を持って連通し、し
かも、面取りによる三角形断面形状に比べ、シリコーン
シール剤Sの溜め容積が大きく、しかも、シリコーンシ
ール剤Sの流動性が良好で溜め易い角隅部断面形状を円
弧形とした段差開放溝10bにより形成される。
【0036】次に、作用効果を説明する。
【0037】[サイドベアリングハウジング固定時]サ
イドベアリングハウジング10をトランスミッションケ
ース1とボトムカバー2によるデフハウジングに固定す
る時、シリコーンシール剤Sを一方のフランジ面のほぼ
中央部に所定のビード径にて注出しながら全周にわたっ
て塗布し、シール剤の塗布終了後、サイドベアリングハ
ウジング10をボルト締結によりデフハウジングに固定
する。
【0038】このボルト締結により両フランジ面の隙間
が次第に狭くなってゆき、円形断面のシリコーンシール
剤Sは断面形状が崩れて内側方向と外側方向に押し潰さ
れて移動し、内側方向に移動したシリコーンシール剤S
は第1のシール剤溜り部11に溜められて空間を埋め、
外側方向に移動したシリコーンシール剤Sは第2のシー
ル剤溜り部12に溜められて空間を埋める。
【0039】すなわち、図2のハッチングに示すよう
に、内側の第1のシール剤溜り部11には環状にシリコ
ーンシール剤Sが充填され、外側の第2のシール剤溜り
部12にはボルト締結部を除いて環状にシリコーンシー
ル剤Sが充填されるというように、シリコーンシール剤
Sの充填スペースが十分に確保されていることで、サイ
ドベアリングハウジング10をデフハウジングに固定す
る時にサイドベアリングハウジング10の外周から外に
シリコーンシール剤Sがはみ出すことが無い。
【0040】[シール剤硬化作用]シリコーンシール剤
Sは、空気中の湿気と反応して硬化する。
【0041】よって、第1のシール剤溜り部11のシリ
コーンシール剤Sは、サイドベアリングハウジング取付
穴1b,2bの隙間部分から空気に接触して硬化し、ま
た、第2のシール剤溜り部12のシリコーンシール剤S
は、大きな開口形状により外気と大きな接触面を持って
連通しているため、きわめて短時間にて硬化させること
ができる。
【0042】すなわち、シール剤溜り部を形成するにあ
たって、両側がフランジ接合面で囲まれた溝により形成
した場合、外気とはほとんど遮断された状態となり、溝
部に充填されたシリコーンシール剤を硬化させるのに、
例えば、2週間以上の時間を要することになる。
【0043】[シール作用]サイドベアリングハウジン
グ10とデフハウジングとの接合面におけるシール作用
は、デフハウジングの内部に貯留されているオイルが走
行による揺れやギヤによる跳ね上げでサイドベアリング
ハウジング取付穴1b,2bの隙間部分から流入してき
た場合、まず、第1のシール剤溜り部11に充填されて
いる弾力性を有する硬化シリコーンシール剤により流入
してきたオイルの通過を阻止するシール作用を示す。
【0044】そして、仮に第1のシール剤溜り部11を
オイルが通過することがあっても第2のシール剤溜り部
12に充填されている弾力性を有する硬化シリコーンシ
ール剤により第1関門をクリアしたオイルの通過を阻止
するシール作用を示す。尚、ボルト締結部分には第2の
シール剤溜り部12が存在しないが、この部分はボルト
締結力により大きな押し付け面圧が作用し、隙間が形成
されないことで硬化シリコーンシール剤が充填されなく
とも高いシール性が確保される。
【0045】すなわち、フランジ接合面は、第1のシー
ル剤溜り部11と第2のシール剤溜り部12との2つの
シール関門が存在するダブルシール構造であるため、高
いシール作用を示す。
【0046】また、トランスミッションケース1のファ
イナルドライブ部にボトムカバー2を結合することでデ
フハウジングが構成された自動変速機の場合、両者の合
わせ面が変位することがある。一方、第1のシール剤溜
り部11と第2のシール剤溜り部12に充填された断面
積の大きな硬化シリコーンシール剤は、大きな変形追従
性を有する。よって、合わせ面が変位することがあって
も変位に対して硬化シリコーンシール剤が変形追従し、
高いシール作用が損なわれることが無く、合わせ面変位
によるオイル漏れの発生を防止することができる。
【0047】(その他の実施の形態)実施の形態1で
は、自動変速機のファイナルドライブ部に適用されたデ
ィファレンシャルの接合面シール構造の例を示したが、
プロペラシャフトの端部に設けられる独立のディファレ
ンシャルの接合面シール構造に対しても適用することが
できる。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、内部に
オイルが貯留されるデフハウジングと、該デフハウジン
グに収納される差動装置と、該差動装置のデフケースを
支持するサイドベアリングと、該サイドベアリングを支
持するサイドベアリングハウジングとを備え、サイドベ
アリングハウジングをデフハウジングに固定するに際
し、シール剤を一方のフランジ面に塗布し、ボルト締結
により両フランジ面間にシール剤を介装させ、これを硬
化させた液状ガスケットをフランジシールとして用いた
ディファレンシャルの接合面シール構造において、デフ
ハウジングのフランジ面とサイドベアリングハウジング
取付穴とが交差する位置及びその近傍に第1のシール剤
溜り部を形成し、サイドベアリングハウジングのフラン
ジ面の外周位置に外気と連通する第2のシール剤溜り部
を形成したため、液状ガスケットをフランジシールとし
て用いることにより、成形ガスケットを用いるのに比べ
て経時的なヘタリが無く安価であるのに加え、シール剤
のはみ出し防止と、シール剤の硬化時間短縮と、シール
性の向上とが併せて達成されるディファレンシャルの接
合面シール構造を提供することができるという効果が得
られる。
【0049】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載のディファレンシャルの接合面シール構造におい
て、第1のシール剤溜り部を、デフハウジングのフラン
ジ面とサイドベアリングハウジング取付穴とが交差する
位置に設けた面取りとしたため、上記効果に加え、通常
行なわれる面取り加工にて面取りを大きくするだけで容
易に第1のシール剤溜り部を設けることができる。
【0050】請求項3記載の発明にあっては、請求項1
または請求項2記載のディファレンシャルの接合面シー
ル構造において、第2のシール剤溜り部を、サイドベア
リングハウジングのフランジ面の外周に設けた段差開放
溝により形成し、該段差開放溝の角隅部断面形状を円弧
形としたため、請求項1または請求項2記載の発明の効
果に加え、第2のシール剤溜り部へのシール剤の溜め容
積を大きく確保することができると共に、円弧断面によ
りシール剤の流動性が良好で溜め易くすることができ
る。
【0051】請求項4記載の発明にあっては、請求項1
ないし請求項3記載のディファレンシャルの接合面シー
ル構造において、デフハウジングが、トランスミッショ
ンケースのファイナルドライブ部にボトムカバーを結合
することで構成され、サイドベアリングハウジングのフ
ランジ面を、半円帯状のトランスミッションケースフラ
ンジ面とボトムカバーフランジ面の合わせ面に符合させ
る接合面を有する自動変速機へ適用したため、請求項1
ないし請求項3記載の発明の効果に加え、フランジ面の
合わせ面が変位することがあっても変位に対して硬化シ
ール剤の変形追従によりオイル漏れの発生を防止するこ
とができる。
【0052】請求項5記載の発明にあっては、請求項4
記載のディファレンシャルの接合面シール構造におい
て、サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に
設けた第2のシール剤溜り部を、少なくともトランスミ
ッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面の
合わせ面の下半分の範囲に設けたため、請求項4記載の
発明の効果に加え、第2のシール剤溜り部の設定範囲を
少なくしながらフランジ面の合わせ面からのオイル漏れ
の発生を防止することができる。
【0053】請求項6記載の発明にあっては、請求項4
または請求項5記載のディファレンシャルの接合面シー
ル構造において、第1のシール剤溜り部を、トランスミ
ッションケースとボトムカバーとを結合した状態にて面
取り加工を行なうことにより形成したため、請求項4ま
たは請求項5記載の発明の効果に加え、段差やズレが無
く断面形状が一定に保たれた環状の第1のシール剤溜り
部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シ
ール構造を示す図2のA−A線断面図である。
【図2】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シ
ール構造が適用された自動変速機のサイドベアリングハ
ウジングを示す正面図である。
【図3】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シ
ール構造が適用された自動変速機のデフハウジング部を
示す正面図である。
【図4】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シ
ール構造が適用された自動変速機の全体図である。
【図5】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シ
ール構造を有する自動変速機のファイナルドライブ部を
示す図4のB−B線断面図である。
【図6】従来のディファレンシャルの接合面シール構造
を示す断面図である。
【図7】従来のディファレンシャルの接合面シール構造
が適用された自動変速機のデフハウジング部を示す正面
図である。
【符号の説明】 1 トランスミッションケース 1a フランジ面 1b サイドベアリングハウジング取付穴 1c 面取り部 2 ボトムカバー 2a フランジ面 2b サイドベアリングハウジング取付穴 2c 面取り部 3 オイルパン 4 オイルクーラ 5 リングギヤ 6 デフケース 7 ディファレンシャルギヤ 8 第1サイドベアリング 9 第2サイドベアリング(サイドベアリング) 10 サイドベアリングハウジング 10a フランジ面 10b 段差開放溝 S シリコーンシール剤 11 第1のシール剤溜り部 12 第2のシール剤溜り部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にオイルが貯留されるデフハウジン
    グと、該デフハウジングに収納される差動装置と、該差
    動装置のデフケースを支持するサイドベアリングと、該
    サイドベアリングを支持するサイドベアリングハウジン
    グとを備え、サイドベアリングハウジングをデフハウジ
    ングに固定するに際し、シール剤を一方のフランジ面に
    塗布し、ボルト締結により両フランジ面間にシール剤を
    介装させ、これを硬化させた液状ガスケットをフランジ
    シールとして用いたディファレンシャルの接合面シール
    構造において、 前記デフハウジングのフランジ面とサイドベアリングハ
    ウジング取付穴とが交差する位置及びその近傍に第1の
    シール剤溜り部を形成し、 前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周位
    置に外気と連通する第2のシール剤溜り部を形成したこ
    とを特徴とするディファレンシャルの接合面シール構
    造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のディファレンシャルの接
    合面シール構造において、 前記第1のシール剤溜り部を、デフハウジングのフラン
    ジ面とサイドベアリングハウジング取付穴とが交差する
    位置に設けた面取りとしたことを特徴とするディファレ
    ンシャルの接合面シール構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のディファ
    レンシャルの接合面シール構造において、 前記第2のシール剤溜り部を、サイドベアリングハウジ
    ングのフランジ面の外周に設けた段差開放溝により形成
    し、該段差開放溝の角隅部断面形状を円弧形としたこと
    を特徴とするディファレンシャルの接合面シール構造。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載のディファ
    レンシャルの接合面シール構造において、 前記デフハウジングが、トランスミッションケースのフ
    ァイナルドライブ部にボトムカバーを結合することで構
    成され、 前記サイドベアリングハウジングのフランジ面を、半円
    帯状のトランスミッションケースフランジ面とボトムカ
    バーフランジ面の合わせ面に符合させる接合面を有する
    自動変速機へ適用したことを特徴とするディファレンシ
    ャルの接合面シール構造。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のディファレンシャルの接
    合面シール構造において、 前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に
    設けた第2のシール剤溜り部を、少なくともトランスミ
    ッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面の
    合わせ面の下半分の範囲に設けたことを特徴とするディ
    ファレンシャルの接合面シール構造。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5記載のディファ
    レンシャルの接合面シール構造において、 前記第1のシール剤溜り部を、トランスミッションケー
    スとボトムカバーとを結合した状態にて面取り加工を行
    なうことにより形成したことを特徴とするディファレン
    シャルの接合面シール構造。
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