JP2004211729A - トーショナルダンパー及びその製造方法 - Google Patents

トーショナルダンパー及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004211729A
JP2004211729A JP2002379091A JP2002379091A JP2004211729A JP 2004211729 A JP2004211729 A JP 2004211729A JP 2002379091 A JP2002379091 A JP 2002379091A JP 2002379091 A JP2002379091 A JP 2002379091A JP 2004211729 A JP2004211729 A JP 2004211729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral surface
outer peripheral
metal ring
fitting
inner peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002379091A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kemuriyama
英夫 煙山
Noritoshi Yoneyama
憲寿 米山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2002379091A priority Critical patent/JP2004211729A/ja
Publication of JP2004211729A publication Critical patent/JP2004211729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pulleys (AREA)

Abstract

【課題】高い圧入力で圧入したときにもシール剤が外部に押出されることを防止できるトーショナルダンパー及びその製造方法を得る。
【解決手段】本発明のトーショナルダンパー10では、第1の金属リング22の外周面22A、第2の金属リング26の外周面26A、マス金具28の水平部34の内周面34A、マス金具28の本体部32の内周面32Aにシール剤溜り溝40、42、44、46を形成したため、マス金具28の圧入時にシール剤がこのシール剤溜り溝40、42、44、46に入り込む。このため、シール剤が外部に押し出されることを防止することができ、内部の空間S、Tに注入した粘性流体の外部への流出(漏れ)を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのクランク軸等の回転軸に取付けられ、そり捩り振動を減衰するトーショナルダンパー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1及び特許文献2に開示されているように、粘性流体が封印されるトーショナルダンパーでは、マス部周辺に前記粘性流体を封印する空間が必要なため、複数の金属を溶接・かしめ等によって組み立てている。
【0003】
一方、溶接・かしめ等によらないで組立てるトーショナルダンパーとしては、マス金具を圧入して製造するタイプのものがある。
【0004】
図5に示すように、かかるタイプのトーショナルダンパー100は、リング状のダンパー本体102にリング状のマス金具104が圧入されて構成されるものであり、ダンパー本体102に設けられた2つの金属リング106、108上に、径の小さいマス金具104が嵌め込まれる。
【0005】
ところで、上記した圧入タイプのトーショナルダンパー100では、マス金具104を強固に固定するため、高い圧入力で組み立てられている。
【0006】
ここで、マス金具104が圧入時には金属リング106、108の外周面とマス金具104の内周面との間にせん断力が作用するが、上記したように圧入力が高くなると、圧入面に塗布したシール剤が外部に押出され、シール性が低下するという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−166181号公報
【特許文献2】
特開平7−197994号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記事実を考慮し、圧入面にシール剤が溜まるシール剤溜り溝を形成することにより、高い圧入力で圧入したときにもシール剤が外部に押出されることを防止できるトーショナルダンパー及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のトーショナルダンパーでは、回転軸に固着されるハブと、前記ハブにおいて前記回転軸の軸方向の一方側に位置する部分に取り付けられる第1の弾性部材と、前記ハブにおいて前記回転軸の軸方向の他方側に位置する部分に取り付けられる第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材の外周面に嵌め込まれる第1の金属リングと、前記第2の弾性部材の外周面に嵌め込まれる第2の金属リングと、第1の内周面と第2の内周面とを備え、前記第1の内周面が前記第1の金属リングの外周面とシール剤を介して面接し、前記第2の内周面が前記第2の金属リングの外周面とシール剤を介して面接するとともに、内部に粘性流体を収容する空間が介在するように圧入されるリング状のマス金具と、を含んで構成されたトーショナルダンパーであって、前記第1の金属リングの外周面、前記第2の金属リングの外周面、前記マス金具の第1の内周面又は前記マス金具の第2の内周面の内、少なくとも1つの面にシール剤溜り溝が形成されたことを特徴とする。
【0010】
次に、請求項1に記載のトーショナルダンパーの作用効果について説明する。
【0011】
従来では、マス金具を圧入するときに、予めマス金具の第1の内周面と第2の内周面にシール剤を塗布した状態で圧入していた。
【0012】
圧入時には、マス金具の第1の内周面と第1の金属リングの外周面との間、及びマス金具の第2の内周面と第2の金属リングの外周面との間には、せん断力が発生する。かかる圧入力が高くなればなるほど、上記各せん断力が大きくなるため、シール剤が外部に押し出される問題があった。このシール剤が外部に押出されれば、内部の空間に注入した粘性流体が外部に漏れるため、不具合が生じる。
【0013】
そこで、本発明では、第1の金属リングの外周面、第2の金属リングの外周面、マス金具の第1の内周面又はマス金具の第2の内周面の内、少なくとも1つの面にシール剤溜り溝を形成したため、マス金具の圧入時にシール剤がこのシール剤溜り溝に入り込む。このため、シール剤が外部に押出されることを防止することができる。この結果、内部の空間に注入した粘性流体の外部への流出(漏れ)を防止することができる。
【0014】
なお、シール剤溜り溝は、第1の金属リングの外周面、第2の金属リングの外周面、マス金具の第1の内周面又はマス金具の第2の内周面の内、少なくとも1つの面に形成されていれば、上記効果を生ずるが、これに限られることはなく、上記した全ての面に形成してもよい。
【0015】
請求項2に記載のトーショナルダンパーでは、前記シール剤溜り溝は、前記第1の金属リングの外周面又は前記マス金具の第1の内周面の少なくとも一方の面に形成され、かつ、前記第2の金属リングの外周面又は前記マス金具の第2の内周面の少なくとも一方の面に形成されたことを特徴とする。
【0016】
次に、請求項2に記載のトーショナルダンパーの作用効果について説明する。
【0017】
シール剤溜り溝は、第1の金属リングの外周面又はマス金具の第1の内周面の少なくとも一方の面に形成され、かつ、第2の金属リングの外周面又はマス金具の第2の内周面の少なくとも一方の面に形成されたことが好ましい。
【0018】
すなわち、第1の金属リングの外周面又はマス金具の第1の内周面の少なくとも一方の面、又は、第2の金属リングの外周面又はマス金具の第2の内周面の少なくとも一方の面のいずれか1つの面のみにシール剤溜り溝を形成すると、シール剤溜り溝を形成していない面ではシール剤が外部に押し出され、シール性が低下する問題があるが、上記のように両側の面に、シール剤溜り溝を形成することにより、確実にシールすることができる。
【0019】
請求項3に記載のトーショナルダンパーでは、前記シール剤溜り溝は、周方向につながったリング状溝であることを特徴とする。
【0020】
次に、請求項3に記載のトーショナルダンパーの作用効果について説明する。
【0021】
シール剤溜り溝を周方向につながったリング状溝とすることにより、より効果的にシール性を向上させることができる。
【0022】
請求項4に記載のトーショナルダンパーでは、前記シール剤溜り溝は、前記1つの面において前記回転軸方向に沿って複数形成されたことを特徴とする。
【0023】
次に、請求項4に記載のトーショナルダンパーの作用効果について説明する。
【0024】
シール剤溜り溝は、1つの面において回転軸方向に沿って複数形成されているため、大量のシール剤が塗布された場合にも、複数のシール剤溜り溝でシール剤を貯溜でき、シール剤が外部に押し出されることを極力防止できる。
【0025】
請求項5に記載のトーショナルダンパーでは、前記シール剤溜り溝の溝幅は、1mm以下であることを特徴とする。
【0026】
次に、請求項5に記載のトーショナルダンパーの作用効果について説明する。
【0027】
シール剤溜り溝の溝幅を1mm以下とすることにより、第1の金属リングの外周面とマス金具の第1の内周面との接触面積、第2の金属リングの外周面とマス金具の第2の内周面との接触面積の減少を最小限に抑えることができる。この結果、圧入面積の減少により生ずる圧入の緩みを極力防止できる。
【0028】
請求項6に記載のトーショナルダンパーの製造方法では、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトーショナルダンパーの製造方法であって、前記第1の金属リングの外周面、前記第2の金属リングの外周面、前記マス金具の第1の内周面又は前記マス金具の第2の内周面の内、少なくとも1つの面にシール剤溜り溝を形成する溝形成工程と、前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材を前記ハブに固着する固着工程と、前記第1の金属リングを前記第1の弾性部材の外周面に、前記第2の金属リングを前記第2の弾性部材の外周面にそれぞれ嵌める嵌込工程と、前記マス金具の第1の内周面又は前記第1の金属リングの外周面のいずれか一方の面と、前記マス金具の第2の内周面又は前記第2の金属リングの外周面のいずれか一方の面にシール剤を塗布する塗布工程と、前記マス金具を前記第1の金属リングと前記第2の金属リングに圧入する圧入工程と、からなることを特徴とする。
【0029】
次に、請求項6に記載のトーショナルダンパーの製造方法の作用効果について説明する。
【0030】
本発明によれば、溝形成工程において、第1の金属リングの外周面、第2の金属リングの外周面、マス金具の第1の内周面又はマス金具の第2の内周面の内、少なくとも1つの面にシール剤溜り溝が形成される。
【0031】
また、固着工程において、第1の弾性部材と第2の弾性部材がハブに固着される。
【0032】
また、嵌込工程において、第1の金属リングが第1の弾性部材の外周面に、第2の金属リングが第2の弾性部材の外周面にそれぞれ嵌め込まれる。
【0033】
また、塗布工程において、マス金具の第1の内周面又は第1の金属リングの外周面のいずれか一方の面と、マス金具の第2の内周面又は第2の金属リングの外周面のいずれか一方の面にシール剤が塗布される。
【0034】
また、圧入工程において、マス金具が第1の金属リングと第2の金属リングに圧入される。
【0035】
以上の各工程により製造されたトーショナルダンパーでは、シール剤が外部に押し出されることを防止することができ、内部の空間に注入した粘性流体の外部への流出(漏れ)を防止することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパーについて説明する。
【0037】
図1及び図2に示すように、トーショナルダンパー10は、図示しないエンジンのクランク軸等の回転軸12に固着されるハブ14を備えている。このハブ14は、リング状に形成されている。また、このハブ14の径方向(図1中矢印A方向)は、回転軸12の軸方向(図1中矢印B方向)に対して垂直方向となっている。
【0038】
また、回転軸12の軸方向の一方側(図1中矢印C方向)に位置するハブ14の部分には、加硫された第1のゴム部材16(第1の弾性部材)が固着されている。
【0039】
この第1のゴム部材16は、図1に示す断面方向から観て回転軸12の軸方向の一方側に延びる底辺部16Aと、底辺部16Aの端部からハブ14の径方向に延びる垂直部16Bと、垂直部16Bの上端部から回転軸12の軸方向の一方側に延びる上辺部16Cと、で構成されている。
【0040】
一方、回転軸12の軸方向の他方側(図1中矢印D方向)に位置するハブ14の部分には、加硫された第2のゴム部材18(第2の弾性部材)が固着されている。
【0041】
この第2のゴム部材18は、図1に示す断面方向から観て回転軸12の軸方向の他方側に延びる底辺部18Aと、底辺部18Aの端部からハブ14の径方向に延びる垂直部18Bと、垂直部18Bの上端部から回転軸12の軸方向の他方側に延びる上辺部18Cと、で構成されている。
【0042】
また、ハブ14の径方向外側には、リング状の区画リング20が形成されている。この区画リング20は、ハブ14の外周面14Aよりも径方向外側に突出するように設けられている。
【0043】
また、第1のゴム部材16の外周面16Dには、第1の金属リング22が嵌め込まれている。第1の金属リング22の径方向の肉厚は、比較的厚く形成されている。
【0044】
第1の金属リング22の区画リング20側の側面には、凹溝24が周方向に沿って形成されている。
【0045】
図3に示すように、第1の金属リング22の外周面22Aには、2本のシール剤溜り溝44(図1及び図2では図示省略)が回転軸12の軸方向に沿って並列に形成されている。このシール剤溜り溝44の溝幅は、1mm以下に設定されている。
【0046】
また、第2のゴム部材18の外周面18Dには、第2の金属リング26が嵌め込まれている。第2の金属リング26の径方向の肉厚は、比較的薄く形成されている。
【0047】
図3に示すように、第2の金属リング26の外周面26Aには、2本のシール剤溜り溝46(図1及び図2では図示省略)が回転軸12の軸方向に沿って並列に形成されている。このシール剤溜り溝46の溝幅は、1mm以下に設定されている。
【0048】
一方、第1の金属リング22の外周面22Aと第2の金属リング26の外周面26Aには、リング状のマス金具28が圧入される。
【0049】
このマス金具28は、径方向に延びる本体部32と本体部32の上端部から回転軸12の軸方向一方側に延びる水平部34とで構成された嵌込部30を有している。
【0050】
マス金具28が圧入された状態では、水平部34の内周面34A(第1の内周面)が第1の金属リング22の外周面22Aと面接(対面)し、本体部32の内周面32A(第2の内周面)が第2の金属リング26の外周面26Aと面接(対面)する。
【0051】
ここで、回転軸12の中心軸lを基準とした第1の金属リング22の外周面22A、第2の金属リング26の外周面26A、マス金具28の水平部34の内周面34A及び本体部32の内周面32Aとの位置関係について説明する。
【0052】
回転軸12の中心軸lを基準として、第1の金属リング22の外半径をX、第2の金属リング26の外半径をY、マス金具28の水平部34の内半径をR、本体部32の内半径をTとおくと、各寸法は、X>R、Y>Tを満足するように、それぞれ設定されている。このため、マス金具28は、第1の金属リング22及び第2の金属リング26に圧入することができる。
【0053】
一方、本体部32の水平部34側の側面であって圧入時に前記凹溝24と対応する位置には、凹溝36が周方向に沿って形成されている。
【0054】
このため、マス金具28が圧入されると、マス金具28の凹溝36と区画リング20との間及び第1の金属リング22の凹溝24と区画リング20との間に、それぞれ空間Tが形成される。
【0055】
また、本体部32の内周面32Aのハブ14側の一部には切欠き38が形成されており、マス金具28が圧入されると、ハブ14の外周面14Aとの間に空間Sが形成されるようになっている。
【0056】
また、図3及び図4に示すように、マス金具28の水平部34の内周面34Aには、回転軸12の軸方向に並列した2本のシール剤溜り溝40が内周(1周)に沿って形成されている。各シール剤溜り溝40は、第1の金属リング22の外周面22Aに形成された各シール剤溜り溝44に対応した位置にそれぞれ形成されている。また、この各シール剤溜り溝40の回転軸12の軸方向沿った溝幅は1mm以下に設定されている。
【0057】
同様にして、マス金具28の本体部32の内周面32Aには、回転軸12の軸方向に並列した2本のシール剤溜り溝42が内周(1周)に沿って形成されている。各シール剤溜り溝42は、第2の金属リング26の外周面26Aに形成された各シール剤溜り溝46に対応した位置にそれぞれ形成されている。また、このシール剤溜り溝42の回転軸12の軸方向沿った溝幅は1mm以下に設定されている。
【0058】
なお、上記各シール剤溜り溝40、42は各2本に限られず、回転軸12の軸方向に3本以上の複数本のシール剤溜り溝が隣接するように形成してもよい。
【0059】
また、上記シール剤溜り溝40、42、44、46は、少なくとも、第1の金属リング22の外周面22A又はマス金具28の水平部34の内周面34Aの少なくとも一方の面に形成され、かつ、第2の金属リング26の外周面26A又はマス金具28の本体部32の内周面32Aの少なくとも一方の面に形成されていればよい。
【0060】
また、上記説明したトーショナルダンパー10では、空間S、Tには粘性流体(図示省略)が収容されている。また、第1の金属リング22とマス金具28の水平部34の内周面34Aとの間及び第2の金属リング26とマス金具28の本体部32の内周面32Aとの間にはシール剤(図示省略)が介在している。
【0061】
次に、トーショナルダンパー10の製造方法について説明する。
【0062】
図1乃至図4に示すように、マス金具28の嵌込部30の水平部34の内周面34A及び本体部32の内周面32Aにシール剤溜り溝40、42が形成されるような所定の型(図示省略)を用いて、マス金具28が製造される。
【0063】
また、固着工程において、第1のゴム部材16と第2のゴム部材18がハブ14に固着される。
【0064】
また、嵌込工程において、外周面22Aにシール剤溜り溝44が形成された第1の金属リング22が第1のゴム部材16の外周面16Dに嵌め込まれる。また、外周面26Aにシール剤溜り溝46が形成された第2の金属リング26が第2のゴム部材18の外周面18Dに嵌め込まれる。
【0065】
また、塗布工程において、マス金具28の水平部34の内周面34A及び本体部32の内周面32Aにシール剤が塗布される。
【0066】
また、圧入工程において、マス金具28の水平部34の内周面34Aが第1の金属リング22の外周面22Aと面接するように、かつ、本体部32の内周面32Aと第2の金属リング26の外周面26Aとが面接するように、マス金具28が圧入される。
【0067】
図2に示すように、このマス金具28の圧入により、第1のゴム部材16は、その垂直部16Bがハブ14側の区画リング20に押し付けられるように弾性変形する。圧入後、第1の金属リング22は区画リング20と面接する。
【0068】
一方、第2のゴム部材18は、その垂直部18Bがハブ14に押し付けられるように弾性変形する。圧入後、第2の金属リング18は嵌込部30と面接している。
【0069】
上記のようにマス金具28が圧入されると、第1の金属リング22の凹溝24と区画リング20との間に、また、マス金具28の凹溝36と区画リング20との間に空間Tが形成される。
【0070】
また、同時に、マス金具28の本体部32の内周面32Aとハブ14の外周面14Aとの間にも空間Sが形成される。そして、これらの空間T、Sには、粘性流体が注入される。
【0071】
次に、トーショナルダンパー10の作用及び効果について説明する。
【0072】
トーショナルダンパー10は、マス金具28は、第1の金属リング22の外周面22Aと、第2の金属リング26の外周面26Aにそれぞれ圧入される。
【0073】
このとき、マス金具28の水平部34の内周面34Aが第1の金属リング22の外周面22Aに面接し、本体部32の内周面32Aが第2の金属リング26の外周面26Aに面接する。
【0074】
一方、内部の空間S、Tに収容された粘性流体が外部に漏れてしまうのを防止するため、マス金具28の水平部34の内周面34Aと第1の金属リング22の外周面22Aとの間及びマス金具28の本体部32の内周面32Aと第2の金属リング26の外周面26Aとの間にはシール剤が塗布されている。
【0075】
ここで、マス金具28を第1の金属リング22と第2の金属リング26に圧入するときに、水平部34の内周面34Aと第1の金属リング22の外周面22Aとの間にはせん断力が作用する。また、同時に、本体部34の内周面34Aと第2の金属リング26の外周面26Aとの間にもせん断力が作用する。
【0076】
ところで、本発明のトーショナルダンパー10では、マス金具28の圧入時において、せん断力により上記シール剤が外部方向に押される。せん断力により押されたシール剤は、シール剤溜り溝40、42、44、46に入り込む。
【0077】
このため、シール剤が外部に漏れることがなく、シール性の低下を防止でき、内部の粘性流体が外部に漏れることを防止することができる。
【0078】
特に、本発明のトーショナルダンパー10では、圧入時の圧入力が大きく設定されている場合においてもシール性が低下することがないため、非常に効果的である。
【0079】
さらに、上記シール剤溜り溝40、42は、周方向につながったリング状溝とすることにより、また、隣接させて複数設けることにより、シール剤が外部に漏れることをより効果的に防止できる。
【0080】
また、シール剤溜り溝40、42の溝幅を1mm以下に設定することにより、マス金具28の内周面32A、34Aと第1の金属リング22及び第2の金属リング26の外周面22A、26Aとの接触面積の減少を極力抑えることができ、圧入力の緩みを極力防止できる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、シール剤が外部に押し出されることを防止することができ、内部の空間に注入した粘性流体の外部への流出(漏れ)を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパーの圧入前の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパーの圧入後の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパーの部分断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るトーショナルダンパー構成するマス金具の部分断面図である。
【図5】従来のトーショナルダンパーの部分断面図である。
【符号の説明】
10 トーショナルダンパー
12 回転軸
14 ハブ
16 第1のゴム部材(第1の弾性部材)
18 第2のゴム部材(第2の弾性部材)
22 第1の金属リング
22A 第1の金属リングの外周面
26 第2の金属リング
26A 第2の金属リングの外周面
28 マス金具
32A 第2の内週面
34A 第1の内周面
40 シール剤溜り溝
42 シール剤溜り溝
44 シール剤溜り溝
46 シール剤溜り溝

Claims (6)

  1. 回転軸に固着されるハブと、
    前記ハブにおいて前記回転軸の軸方向の一方側に位置する部分に取り付けられる第1の弾性部材と、
    前記ハブにおいて前記回転軸の軸方向の他方側に位置する部分に取り付けられる第2の弾性部材と、
    前記第1の弾性部材の外周面に嵌め込まれる第1の金属リングと、
    前記第2の弾性部材の外周面に嵌め込まれる第2の金属リングと、
    第1の内周面と第2の内周面とを備え、前記第1の内周面が前記第1の金属リングの外周面とシール剤を介して面接し、前記第2の内周面が前記第2の金属リングの外周面とシール剤を介して面接するとともに、内部に粘性流体を収容する空間が介在するように圧入されるリング状のマス金具と、
    を含んで構成されたトーショナルダンパーであって、
    前記第1の金属リングの外周面、前記第2の金属リングの外周面、前記マス金具の第1の内周面又は前記マス金具の第2の内周面の内、少なくとも1つの面にシール剤溜り溝が形成されたことを特徴とするトーショナルダンパー。
  2. 前記シール剤溜り溝は、
    前記第1の金属リングの外周面又は前記マス金具の第1の内周面の少なくとも一方の面に形成され、かつ、前記第2の金属リングの外周面又は前記マス金具の第2の内周面の少なくとも一方の面に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のトーショナルダンパー。
  3. 前記シール剤溜り溝は、周方向につながったリング状溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトーショナルダンパー。
  4. 前記シール剤溜り溝は、前記1つの面において前記回転軸方向に沿って複数形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトーショナルダンパー。
  5. 前記シール剤溜り溝の溝幅は、1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトーショナルダンパー。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトーショナルダンパーの製造方法であって、
    前記第1の金属リングの外周面、前記第2の金属リングの外周面、前記マス金具の第1の内周面又は前記マス金具の第2の内周面の内、少なくとも1つの面にシール剤溜り溝を形成する溝形成工程と、
    前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材を前記ハブに固着する固着工程と、前記第1の金属リングを前記第1の弾性部材の外周面に、前記第2の金属リングを前記第2の弾性部材の外周面にそれぞれ嵌める嵌込工程と、
    前記マス金具の第1の内周面又は前記第1の金属リングの外周面のいずれか一方の面と、前記マス金具の第2の内周面又は前記第2の金属リングの外周面のいずれか一方の面にシール剤を塗布する塗布工程と、
    前記マス金具を前記第1の金属リングと前記第2の金属リングに圧入する圧入工程と、
    からなることを特徴とするトーショナルダンパーの製造方法。
JP2002379091A 2002-12-27 2002-12-27 トーショナルダンパー及びその製造方法 Pending JP2004211729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002379091A JP2004211729A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 トーショナルダンパー及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002379091A JP2004211729A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 トーショナルダンパー及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004211729A true JP2004211729A (ja) 2004-07-29

Family

ID=32815693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002379091A Pending JP2004211729A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 トーショナルダンパー及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004211729A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057585A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Bridgestone Corp トーショナルダンパ
JP2008223928A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Bridgestone Corp トーショナルダンパ
JP2008223929A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Bridgestone Corp トーショナルダンパの製造方法
CN110886812A (zh) * 2019-11-26 2020-03-17 北京化工大学 一种对称连续型整体式挤压油膜阻尼器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057585A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Bridgestone Corp トーショナルダンパ
JP4630852B2 (ja) * 2006-08-29 2011-02-09 株式会社ブリヂストン トーショナルダンパ
JP2008223928A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Bridgestone Corp トーショナルダンパ
JP2008223929A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Bridgestone Corp トーショナルダンパの製造方法
CN110886812A (zh) * 2019-11-26 2020-03-17 北京化工大学 一种对称连续型整体式挤压油膜阻尼器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4934943B2 (ja) 軸用リップパッキン
JP6642453B2 (ja) トーショナルダンパとオイルシールとを用いた密封構造
EP2273140B1 (en) Device with seals
US10711863B2 (en) Torsional vibration damper
WO2008032729A1 (fr) Structure de transmission électrique
JPH06190641A (ja) 同軸の2つの構成要素の組立方法
JP2004211729A (ja) トーショナルダンパー及びその製造方法
JP3884261B2 (ja) スタータクラッチのシール構造
JPH11165548A (ja) ディファレンシャルの接合面シール構造
JP2012229742A (ja) 密封装置
JP2018091372A (ja) 密封装置
WO2020129367A1 (ja) 液封ブッシュ
JP5457261B2 (ja) 液体封入式防振装置
JPH08232971A (ja) ブーツのシール構造
JP7350449B2 (ja) メカニカルシール
JP7485360B2 (ja) モータのシール・芯出し構造及びモータの組立方法
JP7372779B2 (ja) 密封装置
JP6538454B2 (ja) 板金ハブ
JPH055308Y2 (ja)
JPH07269655A (ja) トーショナルダンパー
JPH10274335A (ja) シールリング
JPH03272322A (ja) 防振型等速ジョイント用外輪
JP2021089015A (ja) 密封装置
JPH0729328Y2 (ja) ダンパ
JPS6143921Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080417

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080708

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20081118

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02