JP3643684B2 - ディファレンシャルの接合面シール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、差動装置が変速機ファイナルドライブ部に一体に設けられたFF車用自動変速機等に適用されるディファレンシャルの接合面シール構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、差動装置が変速機ファイナルドライブ部に一体に設けられた自動変速機は、図7に示すように、トランスミッションケースのファイナルドライブ部にボトムカバーを結合することでデフハウジングが構成され、このデフハウジングへのサイドベアリングハウジングの固定は、サイドベアリングハウジングフランジ面を、半円帯状のトランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面の合わせ面に符合させてボルト締結することにより行なわれる。
【0003】
このサイドベアリングハウジングをデフハウジングに固定するに際しては、フランジシールとして、シール剤(例えば、シリコーンシール剤)を一方のフランジ面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面間にシール剤を介装させ、これを硬化させた液状ガスケットが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のディファレンシャルの接合面シール構造にあっては、デフハウジングのフランジ面とサイドベアリングハウジング取付穴とが交差する位置の面取りが小さく、シール剤溜り部がほとんど形成されないため、下記に列挙するような問題を有する。
【0005】
(1) サイドベアリングハウジングをデフハウジングに固定する際、フランジ面の隙間に介装されているシール剤の逃げ場がなくなり、図6に示すように、シール剤の大半がサイドベアリングハウジングの外周からはみ出してしまう。
【0006】
(2) ボルト締結によりサイドベアリングハウジングをデフハウジングに固定した状態では、外気とシール剤との接触面積が小さいため、シール剤の硬化時間が長くなる。尚、シリコーンシール剤の場合、空気中の湿気と反応して硬化する。
【0007】
(3) サイドベアリングハウジングとデフハウジングとの間には膜厚がきわめて薄い硬化シール剤が介装されるだけであり、シール性が低い。
【0008】
この結果、トランスミッションケースのファイナルドライブ部にボトムカバーを結合することでデフハウジングが構成された自動変速機の場合、両者の合わせ面が変位することにより硬化シール剤の膜切れを生じ、デフハウジングの内部に封入されているオイルの漏れが発生する。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、液状ガスケットをフランジシールとして用いることにより、成形ガスケットを用いるのに比べて経時的なヘタリが無く安価であるのに加え、シール剤のはみ出し防止と、シール剤の硬化時間短縮と、シール性の向上とが併せて達成されるディファレンシャルの接合面シール構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)上記課題の解決手段1(請求項1)は、内部にオイルが貯留されるデフハウジングと、該デフハウジングに収納される差動装置と、該差動装置のデフケースを支持するサイドベアリングと、該サイドベアリングを支持すると共に該デフハウジングに固定されるサイドベアリングハウジングとを備え、該サイドベアリングハウジングを該デフハウジングに固定するに際し、シール剤を一方のフランジ面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面間にシール剤を介装させ、これを硬化させた液状ガスケットをフランジシールとして用いたディファレンシャルの接合面シール構造において、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面と前記デフハウジングに設けられたサイドベアリングハウジング取付穴に嵌合するサイドベアリングハウジングの筒状部分の外周面とによって形成される角部と、前記サイドベアリングハウジング取付穴の内周面と前記サイドベアリングハウジングのフランジ面に対向する前記デフハウジングの合わせ面とによって形成される角部とが近接する位置及びその近傍に第1のシール剤溜り部を形成し、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周位置に外気と連通する第2のシール剤溜り部を形成したことを特徴とする。
【0011】
(解決手段2)上記課題の解決手段2(請求項2)は、請求項1記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、前記第1のシール剤溜り部を、前記サイドベアリングハウジング取付穴の内周面と前記サイドベアリングハウジングのフランジ面に対向する前記デフハウジングの合わせ面とによって形成される角部に設けた面取りにより形成したことを特徴とする。
【0012】
(解決手段3)
上記課題の解決手段3(請求項3)は、請求項1または請求項2記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記第2のシール剤溜り部を、サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に設けた段差開放溝により形成し、該段差開放溝の角隅部断面形状を円弧形としたことを特徴とする。
【0013】
(解決手段4)上記課題の解決手段4(請求項4)は、前記デフハウジングが、トランスミッションケースのファイナルドライブ部にボトムカバーを結合することで構成され、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面を、半円帯状のトランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面によって形成される前記合わせ面に符合させて接合面を成す自動変速機へ適用したことを特徴とする。
【0014】
(解決手段5)上記課題の解決手段5(請求項5)は、請求項4記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に設けた第2のシール剤溜り部を、少なくとも前記トランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面の合わせ面の下半分の範囲に設けたことを特徴とする。
【0015】
(解決手段6)
上記課題の解決手段6(請求項6)は、請求項4または請求項5記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記第1のシール剤溜り部を、トランスミッションケースとボトムカバーとを結合した状態にて面取り加工を行なうことにより形成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は請求項1〜請求項6に記載の発明に対応するディファレンシャルの接合面シール構造である。
【0017】
まず、構成を説明する。
【0018】
図1は実施の形態1のディファレンシャルの接合面シール構造を示す図2のA−A線断面図、図2は実施の形態1の接合面シール構造が適用された自動変速機のサイドベアリングハウジングを示す正面図、図3は実施の形態1の接合面シール構造が適用された自動変速機のデフハウジング部を示す正面図、図4は実施の形態1の接合面シール構造が適用された自動変速機の全体図、図5は実施の形態1のディファレンシャルの接合面シール構造を有する自動変速機のファイナルドライブ部を示す図4のB−B線断面図である。
【0019】
図4,5において、1はトランスミッションケース、2はボトムカバー、3はオイルパン、4はオイルクーラ、5はリングギヤ、6はデフケース、7はディファレンシャルギヤ、8は第1サイドベアリング、9は第2サイドベアリング(サイドベアリング)、10はサイドベアリングハウジングである。
【0020】
前記トランスミッションケース1のファイナルドライブ部にボトムカバー2を結合することでデフハウジングが構成され、このデフハウジングの内部には冷却と潤滑を兼ねたオイルが貯留される。
【0021】
前記トランスミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウジングには、リングギヤ5,デフケース6及びディファレンシャルギヤ7により構成される差動装置が収納されている。
【0022】
前記差動装置のデフケース6の両端部は、第1サイドベアリング8と第2サイドベアリング9により支持されている。
【0023】
前記第1サイドベアリング8は、トランスミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウジングに直接支持され、前記第2サイドベアリング9は、デフハウジングに固定されたサイドベアリングハウジング10に支持されている。
【0024】
前記サイドベアリングハウジング10をトランスミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウジングに固定するに際しては、後述するシリコーンシール剤Sを一方のフランジ面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面間にシリコーンシール剤Sを介装させ、これを硬化させた液状ガスケットがフランジシールとして用いられている。
【0025】
ここで、成形ガスケットと液状ガスケットとを比較する。
【0026】
成形ガスケットの場合、部品形状とガスケット形状が同一で、組み付け後すぐに使用可能で、油付着フランジで使用可能という長所を有するが、経時的にヘタリが生じる、強い締め付け力,フランジ剛性及び高加工精度が必要、各種ガスケットの在庫管理が必要、高価という短所を有する。
【0027】
これに対し、液状ガスケットの場合、経時的なヘタリが無い、接合面の加工状態にかかわらず充填追従ができる、安価、在庫管理の合理化、自動化,省力化ができるという長所を有する。
【0028】
よって、この長所が生かされるサイドベアリングハウジング10の接合面に液状ガスケットを採用している。
【0029】
実施の形態1の接合面シール構造を、図1〜図3により詳しく述べる。
【0030】
実施の形態1の接合面シール構造の特徴とする点は、フランジ面間にシリコーンシール剤Sを溜める第1のシール剤溜り部11と第2のシール剤溜り部12とを形成したダブルシール構造とした点にある。
【0031】
前記第1のシール剤溜り部11は、トランスミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウジングのフランジ面1a,2aとサイドベアリングハウジング取付穴1b,2bとが交差する位置の面取り部1c,2cを大きくし、この面取り部1c,2cに対しサイドベアリングハウジング10を嵌着した時に形成される断面三角形の環状隙間により形成される。
【0032】
ここで、トランスミッションケースフランジ面1aとボトムカバーフランジ面2aは、図3に示すように、いずれも半円帯状であり、両フランジ面1a,2aを合わせることで円帯状の面とし、ここにサイドベアリングハウジング10のフランジ面10aを符合させる。
【0033】
そこで、トランスミッションケース1とボトムカバー2とに予め面取り部1c,2cを形成した場合、2部材1,2の結合時に面取り部1c,2cが互いにズレてしまうおそれがあるため、第1のシール剤溜り部11となる面取り部1c,2cは、トランスミッションケース1とボトムカバー2とを結合した状態にて面取り加工を行なうことにより形成される。
【0034】
前記第2のシール剤溜り部12は、サイドベアリングハウジング10のフランジ面10aのボルト締結部を除く外周位置に段差開放溝10bを設け、この段差開放溝10bを持つサイドベアリングハウジング10をトランスミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウジングに嵌着した時、段差開放溝10bと両フランジ面1a,2aとの隙間により形成される。
【0035】
この第2のシール剤溜り部12は、大きな開口形状により外気と大きな接触面を持って連通し、しかも、面取りによる三角形断面形状に比べ、シリコーンシール剤Sの溜め容積が大きく、しかも、シリコーンシール剤Sの流動性が良好で溜め易い角隅部断面形状を円弧形とした段差開放溝10bにより形成される。
【0036】
次に、作用効果を説明する。
【0037】
[サイドベアリングハウジング固定時]
サイドベアリングハウジング10をトランスミッションケース1とボトムカバー2によるデフハウジングに固定する時、シリコーンシール剤Sを一方のフランジ面のほぼ中央部に所定のビード径にて注出しながら全周にわたって塗布し、シール剤の塗布終了後、サイドベアリングハウジング10をボルト締結によりデフハウジングに固定する。
【0038】
このボルト締結により両フランジ面の隙間が次第に狭くなってゆき、円形断面のシリコーンシール剤Sは断面形状が崩れて内側方向と外側方向に押し潰されて移動し、内側方向に移動したシリコーンシール剤Sは第1のシール剤溜り部11に溜められて空間を埋め、外側方向に移動したシリコーンシール剤Sは第2のシール剤溜り部12に溜められて空間を埋める。
【0039】
すなわち、図2のハッチングに示すように、内側の第1のシール剤溜り部11には環状にシリコーンシール剤Sが充填され、外側の第2のシール剤溜り部12にはボルト締結部を除いて環状にシリコーンシール剤Sが充填されるというように、シリコーンシール剤Sの充填スペースが十分に確保されていることで、サイドベアリングハウジング10をデフハウジングに固定する時にサイドベアリングハウジング10の外周から外にシリコーンシール剤Sがはみ出すことが無い。
【0040】
[シール剤硬化作用]
シリコーンシール剤Sは、空気中の湿気と反応して硬化する。
【0041】
よって、第1のシール剤溜り部11のシリコーンシール剤Sは、サイドベアリングハウジング取付穴1b,2bの隙間部分から空気に接触して硬化し、また、第2のシール剤溜り部12のシリコーンシール剤Sは、大きな開口形状により外気と大きな接触面を持って連通しているため、きわめて短時間にて硬化させることができる。
【0042】
すなわち、シール剤溜り部を形成するにあたって、両側がフランジ接合面で囲まれた溝により形成した場合、外気とはほとんど遮断された状態となり、溝部に充填されたシリコーンシール剤を硬化させるのに、例えば、2週間以上の時間を要することになる。
【0043】
[シール作用]
サイドベアリングハウジング10とデフハウジングとの接合面におけるシール作用は、デフハウジングの内部に貯留されているオイルが走行による揺れやギヤによる跳ね上げでサイドベアリングハウジング取付穴1b,2bの隙間部分から流入してきた場合、まず、第1のシール剤溜り部11に充填されている弾力性を有する硬化シリコーンシール剤により流入してきたオイルの通過を阻止するシール作用を示す。
【0044】
そして、仮に第1のシール剤溜り部11をオイルが通過することがあっても第2のシール剤溜り部12に充填されている弾力性を有する硬化シリコーンシール剤により第1関門をクリアしたオイルの通過を阻止するシール作用を示す。尚、ボルト締結部分には第2のシール剤溜り部12が存在しないが、この部分はボルト締結力により大きな押し付け面圧が作用し、隙間が形成されないことで硬化シリコーンシール剤が充填されなくとも高いシール性が確保される。
【0045】
すなわち、フランジ接合面は、第1のシール剤溜り部11と第2のシール剤溜り部12との2つのシール関門が存在するダブルシール構造であるため、高いシール作用を示す。
【0046】
また、トランスミッションケース1のファイナルドライブ部にボトムカバー2を結合することでデフハウジングが構成された自動変速機の場合、両者の合わせ面が変位することがある。一方、第1のシール剤溜り部11と第2のシール剤溜り部12に充填された断面積の大きな硬化シリコーンシール剤は、大きな変形追従性を有する。よって、合わせ面が変位することがあっても変位に対して硬化シリコーンシール剤が変形追従し、高いシール作用が損なわれることが無く、合わせ面変位によるオイル漏れの発生を防止することができる。
【0047】
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、自動変速機のファイナルドライブ部に適用されたディファレンシャルの接合面シール構造の例を示したが、プロペラシャフトの端部に設けられる独立のディファレンシャルの接合面シール構造に対しても適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、内部にオイルが貯留されるデフハウジングと、該デフハウジングに収納される差動装置と、該差動装置のデフケースを支持するサイドベアリングと、該サイドベアリングを支持すると共に該デフハウジングに固定されるサイドベアリングハウジングとを備え、該サイドベアリングハウジングを該デフハウジングに固定するに際し、シール剤を一方のフランジ面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面間にシール剤を介装させ、これを硬化させた液状ガスケットをフランジシールとして用いたディファレンシャルの接合面シール構造において、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面と前記デフハウジングに設けられたサイドベアリングハウジング取付穴に嵌合するサイドベアリングハウジングの筒状部分の外周面とによって形成される角部と、前記サイドベアリングハウジング取付穴の内周面と前記サイドベアリングハウジングのフランジ面に対向する前記デフハウジングの合わせ面とによって形成される角部とが近接する位置及びその近傍に第1のシール剤溜り部を形成し、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周位置に外気と連通する第2のシール剤溜り部を形成したため、液状ガスケットをフランジシールとして用いることにより、成形ガスケットを用いるのに比べて経時的なヘタリが無く安価であるのに加え、シール剤のはみ出し防止と、シール剤の硬化時間短縮と、シール性の向上とが併せて達成されるディファレンシャルの接合面シール構造を提供することができるという効果が得られる。
【0049】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、前記第1のシール剤溜り部を、前記サイドベアリングハウジング取付穴の内周面と前記サイドベアリングハウジングのフランジ面に対向する前記デフハウジングの合わせ面とによって形成される角部に設けた面取りにより形成したため、上記効果に加え、通常行なわれる面取り加工にて面取りを大きくするだけで容易に第1のシール剤溜り部を設けることができる。
【0050】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1または請求項2記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、第2のシール剤溜り部を、サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に設けた段差開放溝により形成し、該段差開放溝の角隅部断面形状を円弧形としたため、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、第2のシール剤溜り部へのシール剤の溜め容積を大きく確保することができると共に、円弧断面によりシール剤の流動性が良好で溜め易くすることができる。
【0051】
請求項4記載の発明にあっては、請求項1ないし請求項3記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、前記デフハウジングが、トランスミッションケースのファイナルドライブ部にボトムカバーを結合することで構成され、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面を、半円帯状のトランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面によって形成される前記合わせ面に符合させて接合面を成す自動変速機へ適用したため、請求項1ないし請求項3記載の発明の効果に加え、フランジ面の合わせ面が変位することがあっても変位に対して硬化シール剤の変形追従によりオイル漏れの発生を防止することができる。
【0052】
請求項5記載の発明にあっては、請求項4記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に設けた第2のシール剤溜り部を、少なくとも前記トランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面の合わせ面の下半分の範囲に設けたため、請求項4記載の発明の効果に加え、第2のシール剤溜り部の設定範囲を少なくしながらフランジ面の合わせ面からのオイル漏れの発生を防止することができる。
【0053】
請求項6記載の発明にあっては、請求項4または請求項5記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、第1のシール剤溜り部を、トランスミッションケースとボトムカバーとを結合した状態にて面取り加工を行なうことにより形成したため、請求項4または請求項5記載の発明の効果に加え、段差やズレが無く断面形状が一定に保たれた環状の第1のシール剤溜り部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シール構造を示す図2のA−A線断面図である。
【図2】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シール構造が適用された自動変速機のサイドベアリングハウジングを示す正面図である。
【図3】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シール構造が適用された自動変速機のデフハウジング部を示す正面図である。
【図4】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シール構造が適用された自動変速機の全体図である。
【図5】実施の形態1のディファレンシャルの接合面シール構造を有する自動変速機のファイナルドライブ部を示す図4のB−B線断面図である。
【図6】従来のディファレンシャルの接合面シール構造を示す断面図である。
【図7】従来のディファレンシャルの接合面シール構造が適用された自動変速機のデフハウジング部を示す正面図である。
【符号の説明】
1 トランスミッションケース
1a フランジ面
1b サイドベアリングハウジング取付穴
1c 面取り部
2 ボトムカバー
2a フランジ面
2b サイドベアリングハウジング取付穴
2c 面取り部
3 オイルパン
4 オイルクーラ
5 リングギヤ
6 デフケース
7 ディファレンシャルギヤ
8 第1サイドベアリング
9 第2サイドベアリング(サイドベアリング)
10 サイドベアリングハウジング
10a フランジ面
10b 段差開放溝
S シリコーンシール剤
11 第1のシール剤溜り部
12 第2のシール剤溜り部
Claims (6)
- 内部にオイルが貯留されるデフハウジングと、該デフハウジングに収納される差動装置と、該差動装置のデフケースを支持するサイドベアリングと、該サイドベアリングを支持すると共に該デフハウジングに固定されるサイドベアリングハウジングとを備え、
該サイドベアリングハウジングを該デフハウジングに固定するに際し、シール剤を一方のフランジ面に塗布し、ボルト締結により両フランジ面間にシール剤を介装させ、これを硬化させた液状ガスケットをフランジシールとして用いたディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記サイドベアリングハウジングのフランジ面と前記デフハウジングに設けられたサイドベアリングハウジング取付穴に嵌合するサイドベアリングハウジングの筒状部分の外周面とによって形成される角部と、前記サイドベアリングハウジング取付穴の内周面と前記サイドベアリングハウジングのフランジ面に対向する前記デフハウジングの合わせ面とによって形成される角部とが近接する位置及びその近傍に第1のシール剤溜り部を形成し、前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周位置に外気と連通する第2のシール剤溜り部を形成したことを特徴とするディファレンシャルの接合面シール構造。 - 請求項1記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記第1のシール剤溜り部を、前記サイドベアリングハウジング取付穴の内周面と前記サイドベアリングハウジングのフランジ面に対向する前記デフハウジングの合わせ面とによって形成される角部に設けた面取りにより形成したことを特徴とするディファレンシャルの接合面シール構造。 - 請求項1または請求項2記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記第2のシール剤溜り部を、サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に設けた段差開放溝により形成し、該段差開放溝の角隅部断面形状を円弧形としたことを特徴とするディファレンシャルの接合面シール構造。 - 請求項1ないし請求項3記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記デフハウジングが、トランスミッションケースのファイナルドライブ部にボトムカバーを結合することで構成され、
前記サイドベアリングハウジングのフランジ面を、半円帯状のトランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面によって形成される前記合わせ面に符合させて接合面を成す自動変速機へ適用したことを特徴とするディファレンシャルの接合面シール構造。 - 請求項4記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記サイドベアリングハウジングのフランジ面の外周に設けた第2のシール剤溜り部を、少なくとも前記トランスミッションケースフランジ面とボトムカバーフランジ面の合わせ面の下半分の範囲に設けたことを特徴とするディファレンシャルの接合面シール構造。 - 請求項4または請求項5記載のディファレンシャルの接合面シール構造において、
前記第1のシール剤溜り部を、トランスミッションケースとボトムカバーとを結合した状態にて面取り加工を行なうことにより形成したことを特徴とするディファレンシャルの接合面シール構造。
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- 1997-12-08 JP JP33689997A patent/JP3643684B2/ja not_active Expired - Lifetime
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