JP3662050B2 - プロペラシャフト用等速自在継手のシール構造 - Google Patents
プロペラシャフト用等速自在継手のシール構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や各種産業機械において、動力伝達用に用いられる等速自在継手のシール構造に関し、特に、自動車等のプロペラシャフト用等速自在継手に好適なシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、振動・騒音低減の要求の高まりに伴い、自動車等のプロペラシャフトにおいても従来の不等速なカルダンジョイントに代わり、等速自在継手の適用が増加している。現在、プロペラシャフト用としては、ダブルオフセット型、トリポード型などの摺動式等速自在継手が多く用いられているが、スライドスプラインと組み合わせて使用する場合や、作動角を大きく取りたい場合などには、固定式等速自在継手が用いられている。
【0003】
図3に一例として示すのは、プロペラシャフト用に開発された固定式等速自在継手である。この等速自在継手は、内周面に軸方向の球面状案内溝1aを形成した外輪1と、外周面に軸方向の球面状案内溝2aを形成した内輪2と、外輪1の案内溝1aと内輪2の案内溝2aとの間に形成されるボールトラックに配されたボール3と、ボール3を作動角の角度2等分面内に保持する保持器4とを主要な構成要素とする。外輪1は両端が開口したフランジ形のもので、外輪1の一方の開口側から軸(プロペラシャフト)5を内輪2の内周に挿通して連結し、外輪1の他方の開口側の外周に設けたフランジ1bを相手軸(変速機の出力軸等)に連結する。外輪1の一方の開口は、この開口側の外周と軸5の外周とに取付固定されたブーツ6でシールされ、外輪1の他方の開口は、この開口側の端面の取付部1c’に圧入固定されたシールプレート7’でシールされる。このシールプレート7’は、外輪1の開口を覆う大きさをもったプレス鋼板製のもので、その外周には、外輪1の取付部1c’に圧入される圧入面7’aが設けられている。
【0004】
ところで、プロペラシャフト用等速自在継手は、一般用途に比べかなり高速回転で運転されるため(5000rpm程度以上、一般用途では2000rpm程度)、回転遠心力に伴うグリースの外径側への流動により、シールプレート7’の圧入面7’aからのグリース洩れが懸念され、また、回転時の発熱に伴う内圧の上昇により、ブーツ6の反転が懸念される。従来、かかる懸念を解消するため、外輪1の取付部1c’にOリング溝を設け、このOリング溝にOリング8を装着することにより、圧入面7’aとの間のシール性を高め、また、シールプレート7’の中央部に貫通穴を設け、この貫通穴に通気用ゴム部材9を装着することにより、外部との通気を可能とし、内圧上昇を防止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、プロペラシャフト用等速自在継手のシール構造には、高いシール機能と通気機能という二律背反の機能が要求され、従来は、鋼板製シールプレート7’、Oリング8、通気用ゴム部材9といった3つの部材を併用することによって、この要求に対応してきた。そのため、部品点数、組立工数の増大となり、また、外輪1の取付部1c’のOリング溝加工、通気用ゴム部材9の製造およびそのための成形金型等が必要となり、製造工程の複雑化、コストの上昇を招く一因ともなっていた。
【0006】
本発明は、等速自在継手のシール構造における上記のような問題点を解決することをその目的とするものである。等速自在継手のシール構造における上記のような問題点を解決することをその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、シールプレートに、外輪の取付部に圧入される圧入面を形成し、略中央部に貫通穴を設けると共に、該シールプレートの圧入面および貫通穴を含む片側全面を覆うようにゴム状弾性体を層状に一体に形成し、ゴム状弾性体の貫通穴を覆う部分に開閉自在なスリットを形成した。ここで、「ゴム状弾性体」は、ゴム状弾性を示す物の意であり、ゴム材料からなる物の他、合成樹脂材料(例えばゴム状ポリアミド)等からなる物も含まれる。
【0008】
ゴム状弾性体の貫通穴を覆う部分は、継手内部の内圧変化に応じて弾性変形し、これによりスリットが開き、内圧の上昇分を外部に逃がす働きをする。
【0009】
上記のようなゴム状弾性体は、ゴム材料の加硫成形体とすると良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に示すのは、プロペラシャフト用に開発された固定式等速自在継手である。この等速自在継手の基本的な構成は、シールプレート7およびその周辺部を除いて、図3に示す従来構成と同じであるので、同一の構成部材および部分には同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0011】
図2に拡大して示すように、この実施例のシールプレート7は、プレス等によって所定形状に成形した金属製プレート例えば鋼板製プレート7aに、ゴム状弾性体7bを一体に設けたものである。鋼板製プレート7aの外周には、外輪1の取付部1cの内周に圧入される圧入面7a1が設けられ、鋼板製プレート7aの中央部には、貫通穴7a2が設けられている。ゴム状弾性体7bは、鋼板製プレート7aの圧入面7a1および貫通穴7a2を含む片側全面を覆う連続した1つの層状をなし、その圧入面7a1を覆う部分7b1の先端部には、圧入作業を容易にするためのテーパ面7b2が形成され、また、その貫通穴7a2を覆う部分7b3には、外部との通気を確保するためのスリット7b4が形成されている。この実施例において、ゴム状弾性体7bは、NBR、CR等のゴム材料を鋼板製プレート7aの表面に加硫成形したものである。
【0012】
図1に示すように、上記構成のシールプレート7は、圧入面7a1を外輪1の取付部1cの内周に圧入固定されるが、ゴム状弾性体7bの圧入面7a1に設けられた部分7b1の緊迫力によって圧入部からのグリース洩れが防止され、高いシール性が得られる。したがって、従来構造におけるOリングおよび取付部のOリング溝は不要である。また、回転時の発熱等により、継手内部の圧力上昇が生じた場合には、この内圧を受けてゴム状弾性体7bの貫通穴7a2を覆う部分7b3が弾性変形し、これによってスリット7b4が開き、内圧の上昇分を外部に逃がす働きをするので、内圧上昇によるブーツ6の反転等の弊害も防止される。したがって、従来構造における別体の通気用ゴム部材は不要である。
【0013】
尚、ゴム状弾性体7は、ゴム材料のみならず、ゴム状弾性を示す樹脂材料等で形成することも可能である。また、スリット7b4の形状は図2(c)に示すようなI字形状の他、Y字、十字など任意の形状で良い。さらに、この実施例において、ゴム状弾性体7は、鋼板製プレート7aの片側全面を覆う連続した1つの層状に設けてあるが、鋼板製プレート7aの圧入面7a1と貫通穴7a2の部分にのみ別々に設けても良く(材料の節約になるため)、外部との通気機能が要求されない場合には圧入面7a1にのみ設けても良く、また鋼板製プレート7aの両側面にわたって設けも良い。
【0014】
【発明の効果】
シールプレートの圧入面および貫通穴を含む片側全面を覆うようにゴム状弾性体を層状に一体に形成することにより、外輪への圧入固定時、シールプレートの圧入面を覆う部分のゴム状弾性体の緊迫力によって高いシール性を確保することができるので、従来構造におけるOリングおよびOリング溝を不要にすることができる。
【0015】
また、シールプレートの貫通穴を覆う部分のゴム状弾性体に開閉自在なスリットを形成することにより、外部との通気機能を確保することができるので、従来構造における別体の通気用ゴム部材を不要にすることができる。
【0016】
したがって、本発明によれば、プロペラシャフト用等速自在継手のシール構造における、高いシール機能と通気機能という二律背反の機能を同時に確保することができると同時に、部品点数および組立工数の削減、製造工程の簡略化、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】 図1におけるシールプレートの拡大断面図(図b)、図bにおけるB部の拡大断面図(図a)、図bにおける貫通穴周辺部のA方向矢視図(図c)である。
【図3】 従来のシール構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外輪
1c 取付部
7 シールプレート
7a 鋼板製プレート
7a1 圧入面
7b ゴム状弾性体
7b3 ゴム状弾性体のみからなる部分
7b4 スリット
Claims (4)
- 両端が開口したフランジ形の外輪を有する等速自在継手に、外輪の一方の開口側から軸を連結し、この開口をブーツでシールすると共に、外輪の他方の開口側に取付部を設け、この取付部に金属製のシールプレートを圧入固定したプロペラシャフト用等速自在継手のシール構造において、
上記シールプレートは、外輪の取付部に圧入される圧入面と、略中央部に設けられた貫通穴と、該シールプレートに一体に設けられたゴム状弾性体とを備え、
上記ゴム状弾性体は、上記シールプレートの圧入面および貫通穴を含む片側全面を覆うように層状に形成され、上記貫通穴を覆う部分に開閉自在なスリットが形成されていることを特徴とするプロペラシャフト用等速自在継手のシール構造。 - 上記ゴム状弾性体がゴム材料の加硫成形体であることを特徴とする請求項1のプロペラシャフト用等速自在継手のシール構造。
- 金属製プレートの外周に外輪の取付部に圧入される圧入面を形成し、略中央部に貫通穴を設ける共に、上記金属製プレートの圧入面および貫通穴を含む片側全面を覆うようにゴム状弾性体を層状に一体に設け、該ゴム状弾性体の上記貫通穴を覆う部分に開閉自在なスリットを形成したことを特徴とするプロペラシャフト用等速自在継手用シールプレート。
- 上記ゴム状弾性体がゴム材料の加硫成形体であることを特徴とする請求項3のプロペラシャフト用等速自在継手用シールプレート。
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JP23026795A JP3662050B2 (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | プロペラシャフト用等速自在継手のシール構造 |
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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1995
- 1995-09-07 JP JP23026795A patent/JP3662050B2/ja not_active Expired - Lifetime
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