JP2021025604A - 動力伝達軸及び車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品を追加することなく、グリース漏れを抑制できる動力伝達軸を提供する。【解決手段】外周面にブーツ40A,40Bが装着されるブーツ装着部42A,42Bを有し、回転トルクを伝達する動力伝達軸Sであって、ブーツ装着部42A,42Bに、螺旋溝50が設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、動力伝達軸及び車両に関する。
自動車などの車両に搭載される動力伝達機構として、動力伝達軸と、動力伝達軸の両端に取り付けられた等速自在継手などで構成されるドライブシャフトやプロペラシャフトが知られている。
このようなドライブシャフトやプロペラシャフトにおいては、等速自在継手内への異物侵入防止や等速自在継手内に封入されているグリースの漏洩防止のため、各等速自在継手とシャフトとの間に筒状のブーツが装着されている。一般的にブーツは、大径部と、小径部と、これらを連結する蛇腹部とで構成されており、大径部が等速自在継手の外側継手部材の外周面に対してブーツバンドによって締め付け固定され、小径部が動力伝達軸の外周面に対してブーツバンドによって締め付け固定される。
また、ブーツは、ゴムや樹脂などの材料で構成されており、ブーツバンドの締め付け力によりブーツがある程度弾性変形して相手部材に密着することで、相手部材とブーツとの間のシール性が確保される。しかしながら、エンジンや排気管などの熱によりブーツが劣化すると、ブーツの圧縮永久歪が増大して弾性反発力が低下することにより、相手部材に対するブーツの密着性が低下することがある。また、ブーツの劣化により蛇腹部の柔軟性が低下することで、継手が作動角をとった際の蛇腹部の変形に伴う小径部への荷重が増加する。その結果、特に小径部においてシール性が低下し、グリースが漏れ出るといった問題が生じる。
斯かる問題に対して、例えば特許文献1では、ブーツとシャフトとの間にリング状のシール部材を介在させて、シール性の低下を抑制する技術が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1で提案する方法は、部品点数が増えるため、製造コストが高くなったり、部品組付けの手間が増えたりするといった問題がある。
そこで、本発明は、部品を追加することなく、グリース漏れを抑制できる動力伝達軸、及びその動力伝達軸を備える車両を提供することを目的とする。
本発明は、外周面にブーツが装着されるブーツ装着部を有し、回転トルクを伝達する動力伝達軸であって、ブーツ装着部に、螺旋溝が設けられていることを特徴とする。
このような螺旋溝が設けられた動力伝達軸を、ブーツが装着される動力伝達軸として用いることで、ブーツ内のグリースが外部に漏洩するのを抑制できるようになる。すなわち、動力伝達軸のブーツ装着部に螺旋溝が設けられていることで、動力伝達軸が回転した際に、螺旋溝内のグリースに対してブーツ内に戻す方向の力を作用させることができる。これにより、グリースが外部に漏洩するのを抑制し、さらには、グリースをブーツ内に戻すことができるようになる。
螺旋溝の軸中間側の端部は、ブーツ装着部の軸中間側の端部よりもブーツ装着部の内側に配置されていることが好ましい。これにより、螺旋溝の軸中間側の端部がブーツの外部空間と連通しにくくなるので、グリース漏れが生じにくくなる。
さらに、螺旋溝の軸中間側の端部とブーツ装着部の軸中間側の端部との間に、突起を設けてもよい。このような突起を設けることで、グリースが螺旋溝に沿ってブーツ外に向かっても、突起によってグリースの移動が規制されるため、グリース漏れが抑制される。
また、ブーツ装着部を、軸端側に向かって縮径するテーパ面とし、テーパ面に、螺旋溝を設けてもよい。ブーツ装着部をこのようなテーパ面とすることで、ブーツ内のグリースがテーパ面を乗り越えて外部に漏れにくくなる。また、動力伝達軸に対するブーツの接触圧がブーツ装着部の軸端側よりも軸中間側で大きくなるため、シール性が向上する。これにより、グリース漏れを効果的に抑制できるようになる。
また、本発明に係る動力伝達軸を車両に搭載することで、グリース漏れの少ない車両を提供できるようになる。
螺旋溝は、車両前進時の動力伝達軸の回転方向に向かって軸中間側へ進行する螺旋状に形成されていることが好ましい。このような向きに螺旋溝を形成することで、車両が前進するときの動力伝達軸の回転によってグリースをブーツ内に戻す力を生じさせることができる。このように、車両後退時よりも使用頻度の高い車両前進時に、グリースをブーツ内に戻す力を発生させることができるため、効果的にグリース漏れを抑制できるようになる。
本発明によれば、部品を追加することなく、動力伝達軸のブーツ装着部に螺旋溝を設けるだけで、グリース漏れを抑制できるようになる。
図1に、自動車に搭載された動力伝達機構の概略構成を示す。
図1に示す自動車100は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のエンジン駆動車両である。自動車100は、駆動源であるエンジンEの回転トルクを駆動輪である左右の前輪Wへ伝達する動力伝達機構として、一対のドライブシャフト200を備えている。エンジンEの回転トルクは、トランスミッションTによって変速された後、ディファレンシャルギヤDによって左右のドライブシャフト200に分配されて各前輪Wに伝達される。
以下、本発明の実施形態について、図1に示す自動車100に搭載されたドライブシャフト200を例に説明する。なお、本発明の実施形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図2〜図4に基づき、ドライブシャフトの全体構成について説明する。
図2に示すように、このドライブシャフト200は、2つの等速自在継手1,2と、これらの等速自在継手1,2を連結する動力伝達軸としてのシャフトSとを備えている。この図例では、アウトボード側(車幅方向外側又は車輪側)に配置される一方の等速自在継手1がバーフィールド型の固定式等速自在継手であり、インボード側(車幅方向内側又はデフ側)に配置される他方の等速自在継手2がトリポード型の摺動式等速自在継手である。
図2及び図3に示すように、固定式等速自在継手1は、外側継手部材3と、内側継手部材4と、トルクを伝達するための複数のボール5と、ボール5を保持する保持器6とを備える。
外側継手部材3は、一端にて開口したカップ部7と、このカップ部7の底壁から突設されるステム部8とにより構成される。カップ部7は、その内側に球面状の内球面9を有する。内球面9は、軸方向に沿って曲線状に構成される複数のトラック溝10を有する。複数のトラック溝10は、カップ部7の周方向に所定の間隔をおいて形成される。
内側継手部材4は環状(筒状)に構成されると共に、中心孔11と、球面状の外球面12とを備える。中心孔11は、スプライン嵌合によりシャフトSに対して動力伝達可能に連結されている。外球面12は、軸方向に沿って曲線状に構成される複数のトラック溝15を有する。複数のトラック溝15は、内側継手部材4の周方向に所定の間隔をおいて形成される。各トラック溝15は、外側継手部材3のトラック溝10と対向するように配される。これにより、外側継手部材3のトラック溝10と内側継手部材4のトラック溝15とでボール5を収容するボールトラックが構成されている。
ボール5は、外側継手部材3及び内側継手部材4の各トラック溝10,15に収容されており、各トラック溝10,15の範囲内で転動しながら外側継手部材3、内側継手部材4間に動力を伝達する。
保持器6は環状に構成されると供に、外側継手部材3の内球面9と内側継手部材4の外球面12との間の空間に収容される。保持器6は、球面状に構成される外球面16及び内球面17と、ボール5を保持する複数のポケット19とを備える。
保持器6の外球面16は、外側継手部材3の内球面9に接触している。一方、保持器6の内球面17は、内側継手部材4の外球面12に接触している。複数のポケット19は、保持器6の周方向に一定の間隔をおいて形成されている。
続いて、図2及び図4に示すように、摺動式等速自在継手2は、外側継手部材22と、内側継手部材としてのトリポード部材23と、トルク伝達部材24とを備える。
外側継手部材22は、一端にて開口したカップ部25と、カップ部25の底壁から突設されるステム部26とを備える。カップ部25は、内周面の円周方向三等分位置に、軸方向に直線状に伸びるトラック溝27を有する。
トリポード部材23は、ボス28と、脚軸29とを備える。ボス28は環状(筒状)に構成されると供に、軸孔30を備える。脚軸29は、ボス28の外周面における円周方向三等分位置から半径方向に突出し、トルク伝達部材24を回転可能に支持している。
トルク伝達部材24は、ローラ33と、複数の針状ころ34とを備える。針状ころ34は、ローラ33と脚軸29との間に、保持器のない、いわゆる単列総ころ状態で配置されている。脚軸29の外周面は針状ころ34の内側転動面を構成し、ローラ33の内周面は針状ころ34の外側転動面を構成している。
針状ころ34は、脚軸29の付け根部側に装着された環状のインナワッシャ35と継手径方向内側で接すると共に、脚軸29の先端部側に装着された環状のアウタワッシャ36と継手径方向外側で接している。これにより、針状ころ34は、脚軸29に対して軸方向移動が規制されている。また、アウタワッシャ36は、脚軸29の先端部側に形成された環状溝37に丸サークリップ等の止め輪38を嵌合することにより抜け止めされている。これにより、アウタワッシャ36は、針状ころ34の位置決め及び抜けの防止と、ローラ33の抜けの防止とを兼ねている。
シャフトSと各外側継手部材3,22との間には、外部からの異物の侵入および内部からのグリースの漏洩を防止するため、筒状に形成されたゴム製又は樹脂製のブーツ40A,40Bがそれぞれ装着されている。本実施形態では、外気に曝されやすいアウトボード側のブーツ40Aに、耐オゾン性や耐摩耗性に優れる樹脂製のものが用いられ、インボード側のブーツ40Bに、樹脂製のものよりも安価なゴム製のものが用いられているが、アウトボード側とインボード側のそれぞれのブーツの組み合わせはこれに限らず適宜変更可能である。
各ブーツ40A,40Bは、大径部40aと、小径部40bと、大径部40aと小径部40bとを連結する蛇腹部40cとから成る。各ブーツ40A,40Bの大径部40aは各外側継手部材3,22の開口端側の外周面にブーツバンド41A,41Bにより締め付け固定され、各ブーツ40A,40Bの小径部40bはシャフトSの外周面に設けられたブーツ装着部42A,42Bにブーツバンド44A,44Bにより締め付け固定されている。
ところで、ゴム製や樹脂製のブーツを備えるドライブシャフトにおいては、エンジンや排気管などの熱によりブーツが劣化すると、ブーツの弾性反発力が低下することにより、ブーツと相手部材との間のシール性が低下することがある。特に、シャフトに固定されるブーツの小径部においては、ブーツのシール性が低下した場合、継手が作動角をとった状態で回転すると、シャフトとの間からグリースが外部に漏洩する虞がある。
そこで、本実施形態では、ブーツ(小径部)とシャフトとの間からのグリース漏れを抑制するため、図2〜図4に示すように、シャフトSの両側のブーツ装着部42A,42Bに螺旋溝50を設けている。各螺旋溝50は、各ブーツ装着部42A,42Bの軸方向範囲X(図3及び図4参照)、すなわちブーツ40A,40B(小径部40b)がシャフトSに対して接触する軸方向範囲Xに渡って設けられている。本実施形態では、螺旋溝50が、例えば深さ0.4mm程度の断面円弧状の溝で構成されているが、螺旋溝50の深さや断面形状は適宜変更可能である。また、各ブーツ装着部42A,42Bに設けられる螺旋溝50の数は、1本であってもよいし、複数本であってもよい。
ブーツ40A,40Bがブーツバンド44A,44BによってシャフトSに締め付け固定された当初は(ブーツ40A,40Bが劣化する前の状態では)、ブーツ40A,40Bが十分な弾性反発力を有しているので、図5に示すように、小径部40bは螺旋溝50に対して隙間を生じさせない状態で接触する。しかしながら、ブーツ40A,40Bが劣化して弾性反発力が低下すると、図6に示すように、小径部40bと螺旋溝50との間に隙間が生じる。このような隙間が生じると、継手が作動角をとって回転した場合などに、ブーツ40A内のグリース60が螺旋溝50内に侵入する。
しかしながら、そのような場合でも、シャフトSが図7の矢印A方向に回転することで、螺旋溝50内のグリース60に対してブーツ40A内(シャフトSの軸端側)に戻す方向の力が作用する。これにより、グリース60が外部に漏洩するのが抑制され、さらには、グリース60をブーツ40A内に戻すことができる。なお、図7は、固定式等速自在継手1側の螺旋溝50を示した図であるが、摺動式等速自在継手2側の螺旋溝50においても同様にシャフトSの回転によって螺旋溝50内のグリース60に対してブーツ40B内(シャフトSの軸端側)に戻す方向の力が作用する。ただし、固定式等速自在継手1側の螺旋溝50と摺動式等速自在継手2側の螺旋溝50では、グリース60を戻す方向が互いに逆向きとなるため、固定式等速自在継手1側の螺旋溝50と摺動式等速自在継手2側の螺旋溝50は、互いに反対向きの螺旋状に形成されている。
このように、本実施形態では、螺旋溝50が各ブーツ装着部42A,42Bに設けられていることで、螺旋溝50と小径部40bとの隙間にグリースが侵入したとしても、シャフトSの回転に伴って、グリース60を螺旋溝50に沿ってブーツ40A,40B内(シャフトSの軸端側)へ戻す力を発生させることができ、グリース漏れを抑制できるようになる。
本実施形態では、螺旋溝50が、ブーツ劣化に伴ってブーツ40A,40BとシャフトSの間に隙間が生じた場合のグリース漏れを抑制するバックアップ機構として機能しているが、ブーツ40A,40BをシャフトSに装着した当初(劣化前の状態)から螺旋溝50と小径部40bとの間に隙間を設けるようにして、螺旋溝50によるグリース漏れ抑制効果が生じるようにしてもよい。
また、本実施形態では、螺旋溝50を、固定式等速自在継手1側と摺動式等速自在継手2側の両方のブーツ装着部42A,42Bに設けているが、これらのいずれか一方のみに螺旋溝50を設けてもよい。例えば、熱源となるエンジンに近いインボード側(摺動式等速自在継手2側)のブーツ40Bは熱劣化する可能性が高いので、インボード側のブーツ40Bが装着されるブーツ装着部42Bのみに螺旋溝50を設けてもよい。
また、螺旋溝50は、車両が前進するときのシャフトSの回転によってグリース60をブーツ40A,40B内に戻す力を生じさせる向きに形成されていることが好ましい。すなわち、図7の例で説明すると、矢印A方向が車両前進時のシャフトSの回転方向である場合、螺旋溝50は、その回転方向Aに向かって軸中間側(図7の右側)へ進行する螺旋状に形成されていることが好ましい。このような向きに螺旋溝50を形成することで、車両後退時よりも使用頻度の高い車両前進時に、グリース60をブーツ40A,40B内に戻す力を発生させることができ、効果的にグリース漏れを抑制できるようになる。
また、螺旋溝50は、図3及び図4に示す各ブーツ装着部42A,42Bの軸方向範囲X内であれば、その一部のみに設けられていてもよいし、全体に渡って設けられていてもよい。好ましくは、図8に示す実施形態(本発明の第1実施形態)のように、螺旋溝50は、ブーツ装着部42よりもシャフトSの軸端側(図の左側)へ伸びるように形成されているのがよい。すなわち、螺旋溝50の両端部50a,50bのうち、軸端側の端部50aは、ブーツ装着部42(軸方向範囲X)の軸端側の端部Xaよりもブーツ装着部42の外側(図の左側)に配置されていることが好ましい。このように、螺旋溝50の軸端側の端部50aをブーツ装着部42の軸端側の端部Xaよりもブーツ装着部42の外側に配置することで、螺旋溝50の軸端側の端部50aがブーツ40の内部空間に連通するので、グリースをブーツ40内に戻しやすくなる。
一方、螺旋溝50の軸中間側の端部50bは、グリースの漏出を効果的に抑制できるような位置に配置されていることが好ましい。具体的には、図9に示す実施形態(本発明の第2実施形態)のように、螺旋溝50がブーツ40の外部まで伸びないようにするとよい。すなわち、螺旋溝50の軸中間側の端部50bを、ブーツ装着部42(軸方向範囲X)の軸中間側の端部Xbよりもブーツ装着部42の内側(図の左側)に配置する。これにより、螺旋溝50の軸中間側の端部50bがブーツ40の外部空間と連通しにくくなるので、グリース漏れが生じにくくなる。
上記のように、車両前進時のシャフトSの回転によってグリースをブーツ40内へ戻す力を発生させるようにした場合、反対に、車両後退時はシャフトSの回転方向が逆向きになるため、グリースがブーツ40外に向かう力が発生する。このような場合でも、図9に示す実施形態のように、螺旋溝50の軸中間側の端部50bをブーツ装着部42の軸中間側の端部Xbよりもブーツ装着部42の内側に配置することで、グリース漏れを生じにくくすることが可能である。
さらに確実にグリース漏れを抑制するため、図10に示す実施形態(本発明の第3実施形態)のように、ブーツ装着部42に環状の突起51を設けてもよい。突起51は、螺旋溝50の軸中間側の端部50bとブーツ装着部42(軸方向範囲X)の軸中間側の端部Xbとの間に設けられ、ブーツ装着部42の螺旋溝50が設けられていない外周面よりも外径側に突出している
このような突起51を設けることで、グリースが螺旋溝50に沿ってブーツ40外に向かっても、突起51によってグリースの移動が規制されるため、グリース漏れが抑制される。また、ブーツ40が劣化して小径部40bと螺旋溝50との間に隙間ができてもグリース漏れを確実に抑制できるように、突起51の高さ(突出量)は、ブーツ40が劣化した状態の小径部40bの内周面に対して食い込むような高さであることが好ましい。また、突起51は、ブーツ装着部42の全周に渡って設けられていることが好ましいが、必要に応じて部分的に設けられていてもよい。
また、図11に示す実施形態(本発明の第4実施形態)のように、ブーツ装着部42を、軸端側に向かって角度θ縮径するテーパ面とし、そのテーパ面に螺旋溝50を設けてもよい。ブーツ装着部42をこのようなテーパ面とすることで、ブーツ40内のグリースがテーパ面を乗り越えて外部に漏れにくくなる。また、シャフトSに対するブーツ40の接触圧がブーツ装着部42の軸端側よりも軸中間側で大きくなるため、シール性が向上する。これにより、グリース漏れを効果的に抑制できるようになる。
また、グリース漏れの抑制をより一層向上させるべく、図12に示す実施形態(本発明の第5実施形態)のように、ブーツ装着部42を上記のようなテーパ面にすることに加え、図9に示す実施形態と同様に、螺旋溝50をブーツ40の外部まで伸ばさないようにしてもよい。
さらに、図13に示す実施形態(本発明の第6実施形態)のように、ブーツ装着部42を上記のようなテーパ面にすることに加え、図10に示す実施形態と同様に、ブーツ装着部42に突起51を設けてもよい。
以上のように、本発明によれば、動力伝達軸(シャフトS)のブーツ装着部に螺旋溝を設けることで、動力伝達軸の回転により螺旋溝内のグリースに対してブーツへ戻す力を発生させ、グリースが外部に漏洩するのを抑制することが可能である。しかも、部品点数を増加させることなく、グリース漏れを抑制できるので、製造コストや部品組付け工数の増加も回避できる。これにより、低コストでグリース漏れの少ないドライブシャフトやプロペラシャフトなどの動力伝達機構、及びそれを備える車両を提供できるようになる。
なお、上述の実施形態では、本発明に係る動力伝達軸を、FF方式の自動車に搭載されたドライブシャフト(フロントドライブシャフト)に適用した場合を例に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、車両後部に搭載されたディファレンシャルギヤと左右の後輪とを繋ぐリアドライブシャフトや、車両前部に搭載されたトランスミッションと車両後部に搭載されたディファレンシャルギヤとを繋ぐプロペラシャフトなどの動力伝達機構にも適用可能である。また、本発明は、駆動源がエンジンのみのエンジン駆動車両に限らず、エンジンと電動モータとを使い分けるいわゆるハイブリッド車や、駆動源に電動モータのみを用いた電気自動車にも適用可能である。
1 固定式等速自在継手
2 摺動式等速自在継手
40,40A,40B ブーツ
41A,41B ブーツバンド
42,42A,42B ブーツ装着部
44A,44B ブーツバンド
50 螺旋溝
50a 螺旋溝の軸端側の端部
50b 螺旋溝の軸中間側の端部
51 突起
100 自動車(車両)
S シャフト(動力伝達軸)
X ブーツ装着部の軸方向範囲
Xa ブーツ装着部の軸端側の端部
Xb ブーツ装着部の軸中間側の端部
2 摺動式等速自在継手
40,40A,40B ブーツ
41A,41B ブーツバンド
42,42A,42B ブーツ装着部
44A,44B ブーツバンド
50 螺旋溝
50a 螺旋溝の軸端側の端部
50b 螺旋溝の軸中間側の端部
51 突起
100 自動車(車両)
S シャフト(動力伝達軸)
X ブーツ装着部の軸方向範囲
Xa ブーツ装着部の軸端側の端部
Xb ブーツ装着部の軸中間側の端部
Claims (6)
- 外周面にブーツが装着されるブーツ装着部を有し、回転トルクを伝達する動力伝達軸であって、
前記ブーツ装着部に、螺旋溝が設けられていることを特徴とする動力伝達軸。 - 前記螺旋溝の軸中間側の端部は、前記ブーツ装着部の軸中間側の端部よりも前記ブーツ装着部の内側に配置されている請求項1に記載の動力伝達軸。
- 前記螺旋溝の軸中間側の端部と前記ブーツ装着部の軸中間側の端部との間に、突起が設けられている請求項2に記載の動力伝達軸。
- 前記ブーツ装着部を、軸端側に向かって縮径するテーパ面とし、
前記テーパ面に、前記螺旋溝を設けた請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達軸。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の動力伝達軸を備えることを特徴とする車両。
- 前記螺旋溝は、車両前進時の前記動力伝達軸の回転方向に向かって軸中間側へ進行する螺旋状に形成されている請求項5に記載の車両。
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