JP6253933B2 - 等速自在継手 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに組み込まれ、継手外部からの異物侵入や継手内部からの潤滑剤漏洩を防止するブーツを備えた等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手には、固定式等速自在継手と摺動式等速自在継手の二種がある。これら両者の等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。
自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトは、エンジンと車輪との相対的位置関係の変化による角度変位と軸方向変位に対応する必要があるため、一般的にエンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、駆動車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手をシャフトで連結した構造を具備する。
これら摺動式等速自在継手あるいは固定式等速自在継手では、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するため、等速自在継手の外側継手部材と内側継手部材から延びるシャフトとの間にゴム製あるいは樹脂製の蛇腹状ブーツを装着して、外側継手部材の開口部をブーツで閉塞した構造が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
ブーツは、等速自在継手の外側継手部材の開口部外周面にブーツバンドにより締め付け固定された大径端部と、等速自在継手の内側継手部材から延びるシャフトの外周面にブーツバンドにより締め付け固定された小径端部と、大径端部と小径端部とを繋ぎ、その大径端部から小径端部へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部とで構成されている。
特許第4122126号公報
ところで、前述の等速自在継手は、外側継手部材とシャフトとが作動角をとりながら回転するように作動することから、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤が外側継手部材およびシャフトとブーツの端部との間から漏洩しないように、ブーツバンドの締め付けにより、外側継手部材およびシャフトとブーツの端部とのシール性を確保する必要があった。
このブーツのシール性を確保するため、特許文献1に開示された等速自在継手では、例えば、図14および図15に示すように、ブーツ160の小径端部162とシャフト150とのシール構造において、ブーツ160の小径端部162の内周面165に膨出部164を形成し、シャフト150の外周面151に凹溝152を形成すると共にその凹溝152の両端に突起153を形成した構造としている。これら二つの突起153がシャフト150の外周面151から突出することから、ブーツバンド172の締め付けにより、それぞれの突起153をブーツ160の小径端部162の膨出部164に食い込ませることでもって、シール性を確保するようにしている。
しかしながら、凹溝152の両端に突起153を形成した構造を採用した場合、ブーツ160の小径端部162が締め付け固定されるシャフト150では、シャフト150の外周面151から突出する突起153を凹溝152の両側に形成するためにシャフト150よりも大径の素材を使用しなければならない。つまり、突起153を最大径とする素材を用意し、その素材を加工することにより、突起153を有するシャフト150を製作することになる。このように、シャフト150よりも大径の素材を使用することで、材料費が嵩むことになる。これは、シャフト150のコスト増加の要因となっている。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、ブーツのシール性を確保し得る低コストの等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、一端に開口部を有する外側継手部材と、その外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、外側継手部材の開口部を閉塞するブーツの端部を、外側継手部材の取付部位および内側継手部材から延びる軸部材の取付部位にブーツバンドにより締め付け固定した等速自在継手であって、外側継手部材および軸部材の少なくとも一方の外周面の取付部位に凹部を形成すると共に、凹部に嵌入する膨出部をブーツの端部内周に形成し、ブーツバンドによる締め付けで膨出部と軸方向断面で点接触する凸部を凹部内に設けたことを特徴とする。
本発明では、ブーツの端部に形成された膨出部が嵌入する凹部の内部に、ブーツバンドによる締め付けで膨出部と軸方向断面で点接触する凸部を設けた構造としている。このように、凹部の内部に凸部を設けることで、従来のように、凹溝の両端に軸部材の外周面から突出する突起を設ける必要がない。その結果、軸部材と同径の素材を使用することができるので、材料費の削減が図れる。また、凹部の内部に設けられた凸部は、ブーツバンドによる締め付けでブーツの膨出部と軸方向断面で点接触することから、その接触部位での面圧を高くすることができるので、継手内部に封入された潤滑剤がブーツの端部から漏洩することを確実に抑制することができ、シール性の確保が容易となる。
本発明において、膨出部および凸部の接触部位のうち、一方の接触部位を軸方向断面で円弧状とし、他方の接触部位を軸方向断面で直線状とすることが望ましい。このようにすれば、膨出部と凸部との寸法公差に左右されることなく、ブーツバンドによる締め付けで膨出部と凸部とを確実に軸方向断面で点接触させることができる。その結果、シール性の確保がより一層容易となる。
本発明において、外側継手部材および軸部材の少なくとも一方の取付部位の外径をφD1、膨出部の最小内径をφD2、凸部の最大外径をφD3、ブーツの端部の内径をφD4とした時、φD2<φD3<φD4<φD1の関係を満足するように設定されていることを特徴とする。このように、取付部位、膨出部、凸部およびブーツの端部からなる四つの部位間での寸法関係について前述の条件を満足するように設定することにより、ブーツバンドによる締め付けで膨出部と凸部とを確実に軸方向断面で点接触させることができ、シール性の確保がより一層容易となる。
本発明において、凹部内に複数の凸部を軸方向に沿って配設することが望ましい。このようにすれば、膨出部と凸部との点接触部位が軸方向に沿う複数箇所となることから、継手内部に封入された潤滑剤がブーツの端部から漏洩することをより一層確実に抑制することができる。
本発明において、膨出部および凹部を軸方向に沿って複数個配設することを特徴とする。これにより、膨出部と凸部との点接触部位が軸方向に沿う複数箇所となることから、継手内部に封入された潤滑剤がブーツの端部から漏洩することをより一層確実に抑制することができる。
本発明において、膨出部および凹部をブーツバンドの幅方向中央部位を除く両側部位と対応させて配設することを特徴とする。これにより、ブーツバンドによる締め付け力がその幅方向中央部位でブーツの端部に弱まる場合であっても、ブーツバンドの幅方向中央部位を除く両側部位で膨出部と凸部とを確実に軸方向断面で点接触させることができるので、シール性を確保することができる。
本発明によれば、ブーツの端部に形成された膨出部が嵌入する凹部の内部に、ブーツバンドによる締め付けで膨出部と軸方向断面で点接触する凸部を設けた構造とすることにより、例えばブーツの端部と軸部材との取付構造において、軸部材を製作する素材の外径を大きくすることなく、軸部材と同径の素材を使用することができるので、材料費の削減が図れる。また、ブーツバンドによる締め付けでブーツの膨出部と凸部とが軸方向断面で点接触することから、その接触部位での面圧を高くすることができるので、継手内部に封入された潤滑剤がブーツの端部から漏洩することを確実に抑制することができ、シール性の確保が容易となる。その結果、ブーツのシール性を確保し得る低コストの等速自在継手を提供することができる。
本発明の実施形態で、ブーツの小径端部をシャフトに組み付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 図1のブーツの小径端部をシャフトに組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態で、ブーツの小径端部をシャフトに組み付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 図3のブーツの小径端部をシャフトに組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態で、ブーツの小径端部をシャフトに組み付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 図5のブーツの小径端部をシャフトに組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態で、ブーツの小径端部をシャフトに組み付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 図7のブーツの小径端部をシャフトに組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態で、ブーツの小径端部をシャフトに組み付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 図9のブーツの小径端部をシャフトに組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態で、ブーツの小径端部をシャフトに組み付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 図11のブーツの小径端部をシャフトに組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。 固定式等速自在継手の全体構成を示す断面図である。 従来において、ブーツの小径端部をシャフトに組み付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 図14のブーツの小径端部をシャフトに組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、自動車のエンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、駆動車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手をシャフトで連結した構造を具備するドライブシャフトに組み込まれ、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達することができる構造を備えた固定式等速自在継手の一つであるツェッパ型等速自在継手を例示する。
なお、本発明は、ツェッパ型等速自在継手以外に、アンダーカットフリー型等速自在継手などの他の固定式等速自在継手にも適用可能である。さらに、本発明は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し、しかも、軸方向の相対変位も許容することができる構造を備えたトリポード型およびダブルオフセット型等速自在継手のような摺動式等速自在継手にも適用可能である。また、プロペラシャフトに組み込まれた等速自在継手にも適用可能である。
図13に示す等速自在継手は、軸方向に延びる円弧状のトラック溝11が球面状内周面12の円周方向複数箇所に形成されたカップ状の外側継手部材10と、外側継手部材10のトラック溝11と対をなして軸方向に延びる円弧状のトラック溝21が球面状外周面22の円周方向複数箇所に形成された内側継手部材20と、外側継手部材10のトラック溝11と内側継手部材20のトラック溝21との間に介在してトルクを伝達する複数のトルク伝達部材であるボール30と、外側継手部材10の球面状内周面12と内側継手部材20の球面状外周面22との間に配され、円周方向等間隔に形成されたポケットに収容したボール30を保持するケージ40とを主要な構成要素としている。
この等速自在継手では、内側継手部材20の軸孔に軸部材であるシャフト50の一端がスプライン嵌合によりトルク伝達可能に連結されている。この種の等速自在継手は、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材10とシャフト50との間に、例えば樹脂製の蛇腹状ブーツ60を装着した構造を具備する。このように、外側継手部材10およびブーツ60の内部空間に潤滑剤(図示せず)を封入することにより、外側継手部材10に対してシャフト50が作動角をとりながら回転する動作時において、継手内部の摺動部位、つまり、外側継手部材10、内側継手部材20、ボール30およびケージ40で構成される摺動部位での潤滑性を確保するようにしている。
前述のブーツ60は、外側継手部材10の取付部位である開口部の外周面にブーツバンド71により締め付け固定された大径端部61と、内側継手部材20から延びるシャフト50の取付部位である外周面51にブーツバンド72により締め付け固定された小径端部62と、大径端部61と小径端部62とを繋ぎ、その大径端部61から小径端部62へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部63とで構成されている。
以下、ブーツ60の小径端部62をシャフト50の外周面51にブーツバンド72により締め付け固定したシール構造を詳述する。なお、ブーツ60の大径端部61を外側継手部材10の開口部の外周面に組み付けたシール構造は、図示しないが、ブーツ60の小径端部62をシャフト50の外周面に組み付けるシール構造と同様に適用可能である。
図1および図2に示すように、シャフト50の外周面51に環状の凹部52を形成すると共に、この凹部52に嵌入する環状の膨出部64をブーツ60の小径端部62の内周面65に形成する。この凹部52の軸方向寸法はブーツバンド72の幅方向中央部位と対応しており、その凹部52に嵌入する膨出部64の軸方向寸法は凹部52の軸方向寸法と一致している。一方、ブーツバンド72による締め付けで膨出部64と軸方向断面で点接触する環状の凸部53を凹部52内に設けている。この凸部53は、凹部52の軸方向中央部位に配置されている。ブーツ60の小径端部62の膨出部64とシャフト50の凹部52内の凸部53とをブーツバンド72による締め付けで点接触させるため、膨出部64の接触部位、つまり、膨出部64の全体を軸方向断面で円弧状とし、凸部53の接触部位、つまり、凸部53の頂面を軸方向断面で直線状としている。シャフト50の外周面51と凹部52の底面とを繋ぐ部位は、直線状のテーパ面54に形成されている。なお、ブーツ60の小径端部62の外周面には、ブーツバンド72が嵌まり込む凹溝66が形成されている。
図1および図2に示すシール構造では、シャフト50の凹部52の内部に凸部53を設けたことで、従来のように、凹溝152の両端にシャフト150の外周面151から突出する突起153を設ける必要がない(図14および図15参照)。その結果、シャフト50を製作する素材の外径を大きくすることなく、シャフト50と同径の素材を使用することができるので、材料費の削減が図れる。また、凹部52の内部に設けられた凸部53は、ブーツバンド72による締め付けでブーツ60の膨出部64と軸方向断面で点接触(図2のA点)、換言すれば、周方向で線接触することから、その接触部位での面圧を高くすることができるので、継手内部に封入された潤滑剤がブーツ60の小径端部62から漏洩することを確実に抑制することができ、シール性の確保が容易となる。
なお、膨出部64の接触部位を軸方向断面で円弧状とし、凸部53の接触部位を軸方向断面で円弧状とすることも可能であるが、その場合、膨出部64と凸部53との寸法公差により、円弧状の頂点同士を接触させることが困難となる可能性がある。そのため、図1および図2のシール構造のように、膨出部64の接触部位を軸方向断面で円弧状とし、凸部53の接触部位を軸方向断面で直線状とすることが有効である。つまり、膨出部64の接触部位を軸方向断面で円弧状とし、凸部53の接触部位を軸方向断面で直線状とすることにより、膨出部64と凸部53との寸法公差に左右されることなく、ブーツバンド72による締め付けで膨出部64と凸部53とを確実に軸方向断面で点接触させることができ、シール性の確保がより一層容易となる。
ここで、図1に示すように、シャフト50の外径をφD1、膨出部64の最小内径をφD2、凸部53の最大外径をφD3、ブーツ60の小径端部62の内径をφD4とした時、φD2<φD3<φD4<φD1の関係を満足するように設定されている。このように、シャフト50の外周面51、膨出部64の内周面、凸部53の頂面およびブーツ60の小径端部62の内周面からなる四つの部位間での寸法関係について前述の条件を満足するように設定することにより、ブーツバンド72による締め付け状態で凸部53の頂面を膨出部64の内周面とブーツ60の小径端部62の内周面との間に位置させることができる。その結果、ブーツバンド72による締め付けで膨出部64と凸部53とを確実に軸方向断面で点接触させることができ、シール性の確保がより一層容易となる。
以上で説明した図1および図2のシール構造では、シャフト50の外周面51と凹部52の底面とを繋ぐ部位を直線状のテーパ面54とした場合を例示したが、図3および図4に示すように、シャフト50の外周面51と凹部52内の凸部53とを繋ぐ部位を円弧状の凹曲面55とするようにしてもよい。
また、図1および図2のシール構造では、ブーツ60の小径端部62の膨出部64とシャフト50の凹部52内の凸部53とをブーツバンド72による締め付けにより軸方向断面で点接触させるため、膨出部64の接触部位を軸方向断面で円弧状とし、凸部53の接触部位を軸方向断面で直線状とした場合を例示したが、図5および図6に示すように、膨出部67の接触部位を軸方向断面で直線状とし、凸部56の接触部位を軸方向断面で円弧状とすることにより、ブーツバンド72による締め付けで膨出部67と凸部56とを軸方向断面で点接触(図6のB点)させるようにしてもよい。
図1および図2のシール構造と同様、図5および図6のシール構造では、シャフト50の外周面51と凹部52の底面とを繋ぐ部位を直線状のテーパ面54とした場合を例示したが、図3および図4のシール構造と同様、図7および図8に示すように、シャフト50の外周面51と凹部52内の凸部56とを繋ぐ部位を円弧状の凹曲面55とするようにしてもよい。
以上で説明した図1〜図8のシール構造では、シャフト50の外周面51に形成された凹部52の軸方向寸法をブーツバンド72の幅方向中央部位と対応させているが、図9および図10に示すように、この凹部52の軸方向寸法をブーツバンド72の幅方向全体と対応させ、その凹部52に嵌入する膨出部67の軸方向寸法を凹部52の軸方向寸法と一致させるようにしてもよい。このシール構造では、ブーツバンド72の幅方向両側部位と対応させて、凹部52の内部に2個の凸部56を軸方向に沿って配設している。
この場合、膨出部67の接触部位を軸方向断面で直線状とし、各凸部56の接触部位を軸方向断面で円弧状とすることにより、各凸部56を、ブーツバンド72による締め付けで膨出部67と軸方向断面で点接触させることができる。この凸部56の数は2個に限らず、2個以上であってもよい。膨出部67と凸部56との点接触部位が軸方向に沿う複数箇所となることから、継手内部に封入された潤滑剤がブーツの端部から漏洩することをより一層確実に抑制することができる。
また、図1〜図10のシール構造では、シャフト50の外周面51に1個の凹部52を形成すると共に、この凹部52に嵌入する1個の膨出部64,67をブーツ60の小径端部62の内周面65に形成した場合を例示したが、図11および図12に示すように、シャフト50の外周面51に2個の凹部52を軸方向に沿って形成すると共に、各凹部52に嵌入する2個の膨出部64をブーツ60の小径端部62の内周面65に軸方向に沿って形成するようにしてもよい。膨出部64および凹部52は、ブーツバンド72の幅方向中央部位を除く両側部位と対応させ、ブーツバンド72の幅中心に対して対称な位置に配設されている。また、それぞれの凹部52の内部には、凸部53が凹部52の軸方向中央部位に配置されている。
ここで、ブーツバンド72には、種々のタイプのブーツバンドがあるが、その中にはブーツ60の小径端部62に組み付けるための係合孔および係合爪を有する構造のものがあり、これら係合孔および係合爪は、ブーツバンド72の幅方向中央部位に打ち抜き加工により形成されている。そのため、ブーツバンド72による締め付け力がその幅方向中央部位でブーツ60の小径端部62に弱まる可能性がある。このような場合でも、前述のように2個の膨出部64および凹部52をブーツバンド72の作用力が働いている幅方向両側部位と対応させて配設することにより、そのブーツバンド72の幅方向両側部位で膨出部64と凸部53とを確実に軸方向断面で点接触させることができるので、シール性を確保することができる。
このシール構造では、2個の膨出部64と2個の凹部52を形成した場合を例示しているが、それら膨出部64および凹部52の数は2個に限らず、2個以上であってもよい。このように、膨出部64および凹部52を軸方向に沿って複数個配設することにより、膨出部64と凸部53との点接触部位が軸方向に沿う複数箇所となることから、継手内部に封入された潤滑剤がブーツ60の小径端部62から漏洩することをより一層確実に抑制することができる。
また、このシール構造では、膨出部64の接触部位を軸方向断面で円弧状とし、凸部53の接触部位を軸方向断面で直線状とした場合を例示したが、逆に、膨出部67の接触部位を軸方向断面で直線状とし、凸部56の接触部位を軸方向断面で円弧状としてもよい(図5および図6参照)。さらに、シャフト50の外周面51と凹部52の底面とを繋ぐ部位を直線状のテーパ面54とした場合を例示したが、シャフト50の外周面51と凹部52内の凸部53とを繋ぐ部位を円弧状の凹曲面55とするようにしてもよい(図7および図8参照)。
なお、以上のシール構造で使用するブーツバンド72は、係合孔および係合爪を有する構造のもの以外に、その他種々のタイプのブーツバンドが適用可能である。また、このシール構造で使用するブーツ60も、前述した樹脂製以外にゴム製のブーツ60であってもよい。樹脂製ブーツ60の場合、その表面硬さはHD38〜50が有効であり、ゴム製ブーツ60の場合、その表面硬さはHs50〜70が有効である。また、前述では、ドライブシャフトに組み込まれる等速自在継手について例示したが、プロペラシャフトに組み込まれる等速自在継手にも適用可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 外側継手部材
20 内側継手部材
30 トルク伝達部材(ボール)
50 軸部材(シャフト)
51 取付部位(外周面)
52 凹部
53,56 凸部
60 ブーツ
62 端部(小径端部)
64,67 膨出部
72 ブーツバンド

Claims (5)

  1. 一端に開口部を有する外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の開口部を閉塞するブーツの端部を、前記外側継手部材の取付部位および前記内側継手部材から延びる軸部材の取付部位にブーツバンドにより締め付け固定した等速自在継手であって、
    前記外側継手部材および前記軸部材の少なくとも一方の外周面の取付部位に凹部を形成すると共に、前記凹部に嵌入する膨出部を前記ブーツの端部内周に形成し、前記ブーツバンドによる締め付けで前記膨出部と軸方向断面で点接触する凸部を前記凹部内に設け、前記外側継手部材および前記軸部材の少なくとも一方の取付部位の外径をφD1、前記膨出部の最小内径をφD2、前記凸部の最大外径をφD3、前記ブーツの端部の内径をφD4とした時、φD2<φD3<φD4<φD1の関係を満足するように設定されていることを特徴とする等速自在継手。
  2. 一端に開口部を有する外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の開口部を閉塞するブーツの端部を、前記外側継手部材の取付部位および前記内側継手部材から延びる軸部材の取付部位にブーツバンドにより締め付け固定した等速自在継手であって、
    前記外側継手部材および前記軸部材の少なくとも一方の外周面の取付部位に凹部を形成すると共に、前記凹部に嵌入する膨出部を前記ブーツの端部内周に形成し、前記ブーツバンドによる締め付けで前記膨出部と軸方向断面で点接触する凸部を前記凹部内に設け、前記膨出部および前記凹部を軸方向に沿って複数個配設したことを特徴とする等速自在継手。
  3. 一端に開口部を有する外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の開口部を閉塞するブーツの端部を、前記外側継手部材の取付部位および前記内側継手部材から延びる軸部材の取付部位にブーツバンドにより締め付け固定した等速自在継手であって、
    前記外側継手部材および前記軸部材の少なくとも一方の外周面の取付部位に凹部を形成すると共に、前記凹部に嵌入する膨出部を前記ブーツの端部内周に形成し、前記ブーツバンドによる締め付けで前記膨出部と軸方向断面で点接触する凸部を前記凹部内に設け、前記膨出部および前記凹部をブーツバンドの幅方向中央部位を除く両側部位と対応させて配設したことを特徴とする等速自在継手。
  4. 前記膨出部および前記凸部の接触部位のうち、一方の接触部位を軸方向断面で円弧状とし、他方の接触部位を軸方向断面で直線状とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手。
  5. 前記凹部内に複数の凸部を軸方向に沿って配設した請求項に記載の等速自在継手。
JP2013201373A 2013-09-27 2013-09-27 等速自在継手 Expired - Fee Related JP6253933B2 (ja)

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