JP4723449B2 - 等速ジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、レーザビームにより溶接されるバンドを用いて等速ジョイントにおける外輪部材、ドライブシャフト等の部材に固定される等速ジョイント用ブーツ及びこのブーツを有する等速ジョイントに関する。
従来より、自動車等の車両の駆動力伝達部では、駆動軸の回転駆動力を従動軸を介して各車軸へと伝達させるために、等速ジョイントが用いられている。この等速ジョイントでは、ドライブシャフト等の動力伝達シャフトと外輪部材の間に蛇腹状のブーツが装着され、外輪部材内に封入された潤滑油を保持すると共に、前記外輪部材内に塵埃、水等が浸入することを防止する。
前記ブーツは、伸縮自在に形成された蛇腹部と、前記蛇腹部の両端部に一体的に形成され、外輪部材の外周面に装着される大径環状取付部と、動力伝達シャフトの外周面に装着される小径環状取付部とから構成される。前記大径環状取付部及び小径環状取付部には、金属製バンドがそれぞれ巻き締め固定される。
この種のブーツは、通常、クロロプレンゴム等のゴム製材料によって形成されているが、近年、高速動作や温度に対する耐久性等の要請から、ゴム製材料に代替して、熱可塑性ポリエステル系エラストマ等の合成樹脂製材料を使用するブーツも用いられるようになってきている。
また、金属製バンドの巻き締め固定には、かしめ方式(例えば、特許文献1を参照)や、レーザ溶接方式(例えば、特許文献2、特許文献3を参照)が用いられている。
かしめ方式では、金属製バンドをブーツの外周に巻き付けた後、該金属性バンドをかしめてバンドを固定する。
また、レーザ溶接方式では、金属製バンドを溶接する箇所、すなわち、バンドがブーツの外周面を1周して重なり合う箇所(バンド重合部)に対応して、バックバーと呼ばれる保護部材をバンドとブーツの間に配置させる。これは、バンド重合部の溶接を十分に行うために必要なレーザビームの出力を確保しつつ、レーザビームによるブーツの損傷を防止するためである。すなわち、ブーツの固定に用いられるバンドは、厚さが1mm未満であることが一般的であるため、バンド重合部を十分に溶接しつつ、レーザビームにより発生する熱がバンド重合部を越えて伝わらないように制御することは困難である。このため、バンド重合部を十分に溶接可能な出力でレーザビームを照射する際、バンドとブーツの間にバックバーを配置しておくことで、バンド重合部に生じる熱がブーツに伝達されて蓄熱されることを阻止している。これによって、ブーツをレーザビームの熱から保護する。溶接が終わると、バックバーは引き抜かれる。
特開平8−159108号公報(図1、図4) 特公昭58−34710号公報(第7図) 特開平2−76648号公報(第8図)
しかしながら、レーザ溶接方式では、バックバーが比較的硬い素材(例えば、セラミックス)から形成されているため、バックバーを引き抜くことにより、ブーツにおけるバックバーとの接触部が損傷することがあった。
また、レーザ溶接後にバックバーを引き抜いた際、バックバーがあった箇所に隙間が発生する。ブーツが、クロロプレンゴム等の比較的弾性が大きい材料からなるものであれば、その弾性により、当該隙間を塞ぐことができる。しかし、ブーツが、熱可塑性ポリエステル系エラストマ等の比較的弾性が小さい材料からなる場合には、当該隙間を十分に塞ぐことができず、等速ジョイント内の潤滑油がこの隙間から漏れ出してしまう。すなわち、レーザ溶接方式は、隙間を塞ぐのに十分な弾性を有する材料からなるブーツに用いることはできるが、この種の隙間を塞ぐには弾性が不十分な材料からなるブーツに用いることはできなかった。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、バックバーを用いずにバンドをレーザ溶接しても、熱によるブーツの損傷を発生させない等速ジョイント用ブーツ及びこのブーツを有する等速ジョイントを提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、弾性が比較的小さい材料からなるブーツにおいても、レーザ溶接によりバンドを溶接することが可能な等速ジョイント用ブーツ及びこのブーツを有する等速ジョイントを提供することを目的とする。
本発明に係る等速ジョイント用ブーツは、レーザビームにより溶接されるバンドを用いて固定されるものであって、前記バンドが巻き付けられるバンド巻付部を備え、前記バンド巻付部の外周面には、前記バンドが重なり合うバンド重合部のうち、前記レーザビームが照射される部分に対応して熱逃がし用空間が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、ブーツのバンド巻付部には、バンド重合部のうち、レーザビームが照射される部分に対応して熱逃がし用空間が設けられる。このため、レーザビームによる熱がバンド重合部を超えてブーツ側に発生した場合でも、その熱を熱逃がし用空間に逃がすことができる。このため、バックバーを用いずにバンドをレーザ溶接しても、熱によるブーツの損傷を抑えることができる。また、ヒートシンクとして機能するバックバーの使用が不要となるため、従来技術のようにバックバーを引き抜いた際に生じる隙間を塞ぐために必要な弾性がブーツには要求されず、弾性が比較的小さい材料からなるブーツに対しても、レーザ溶接によりバンドを溶接することができる。
ここで、レーザビームの照射方向が、前記等速ジョイント用ブーツの周方向とされること、すなわち、前記熱逃がし用空間が、前記等速ジョイント用ブーツの周方向に設けられることが好ましい。一般に、バンドは、幅方向よりも長さ方向が大きくなることから、バンドの長さ方向(ブーツの周方向)にレーザビームを照射する方が、バンドの幅方向(ブーツの軸方向)にレーザビームを照射するよりも照射距離を長くすることができる。このため、バンド溶接部の範囲を広くすることが可能となり、バンド重合部の結合強度を高めることができる。
さらに、前記熱逃がし用空間は、前記バンド巻付部の外周面を周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられることが好ましい。このような構成では、ブーツを周方向にどれだけ回転させても、断面形状が同一の熱逃がし用空間が、同一の位置に常に現れることとなる。このため、熱逃がし用空間がバンドの下に隠れた状態でも、バンド巻付部の端部など所定位置からブーツの軸方向の距離を測定することで熱逃がし用空間の位置を容易に判定することができ、レーザビームの照射位置を迅速且つ容易に決定することが可能となる。
本発明に係る等速ジョイントは、前記等速ジョイント用ブーツを備える。前記等速ジョイント用ブーツの内周面のうち、前記熱逃がし用空間に対応する位置に凸部が形成され、前記凸部を嵌め込む凹部が外輪部材の外周面に形成されることが好ましい。このような構成では、熱逃がし用空間に対応して凸部が形成されるので、熱逃がし用空間が形成される箇所のブーツの肉厚をより厚くし、ブーツの耐久性を高めることができる。また、凸部を凹部に嵌め込むことで、ブーツの内周面における凸部の周辺部を外輪部材の外周面に密着させることが可能となり、ブーツの内表面と外輪部材の外表面との間のシール性を低下させることがない。
本発明によれば、バンド巻付部には、バンド重合部のうち、レーザビームが照射される部分に対応して熱逃がし用空間が設けられる。このため、レーザビームによる熱がバンド重合部を超えてブーツ側に発生した場合でも、その熱を熱逃がし用空間に逃がすことができる。このため、バックバーを用いずにバンドをレーザ溶接しても、熱によるブーツの損傷を抑えることができる。また、ヒートシンクとして機能するバックバーの使用が不要となるため、従来技術のようにバックバーを引き抜いた際に生じる隙間を塞ぐために必要な弾性がブーツには要求されず、ブーツの弾性が比較的小さい場合であっても、レーザ溶接によりバンドを溶接することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るブーツ14を備える等速ジョイント10の断面説明図である。
等速ジョイント10は、トリポードタイプの等速ジョイントであり、外輪部材18と、3本のクロスジョイント20と、それぞれのクロスジョイント20に嵌合される3つのローラ22と、前記クロスジョイント20と一体的に形成されたドライブシャフト24とを有する。前記の通り、クロスジョイント20には、ドライブシャフト24の一端が接続され、ドライブシャフト24からの駆動力は、クロスジョイント20、ローラ22、外輪部材18を介してホイール(図示せず)へと伝達される。
外輪部材18とドライブシャフト24の間には、塵埃や水の侵入を阻止し、等速ジョイント10の内部に充填されるグリスを保持する等の目的で、ブーツ14が配置される。ブーツ14は、内部が空洞で両端が開放された蛇腹状且つ断面略円錐状の部材であり、熱可塑性ポリエステル系エラストマからなる。ブーツ14の小径環状取付部26(バンド巻付部)は、スチール製のバンド16によりドライブシャフト24に固定される。ブーツ14の大径環状取付部28(バンド巻付部)は、バンド16により外輪部材18に固定される。
なお、ドライブシャフト24の他端には、別の等速ジョイント(図示せず)が配置される。この別の等速ジョイントは、デファレンシャルギアに接続されたバーフィールドタイプの等速ジョイントである。この等速ジョイントの外輪部材とドライブシャフト24との間には、等速ジョイント10と同様、バンドにより固定されたブーツが設けられる。
図2A及び図2Bは、バンド16を用いてブーツ14を外輪部材18に固定する状態が示されている。図2Aにおいて、ブーツ14の大径環状取付部28を外輪部材18の一端に被せた状態で、バンド16をブーツ14の大径環状取付部28に巻き付ける。この際、バンド16の両端が重なり合うことでバンド重合部30(バンド16が重なり合う部分)が形成される。図2Bにおいて、バンド16を切断した後、バンド重合部30の所定位置をレーザ溶接する。これにより、ブーツ14の大径環状取付部28は、外輪部材18のバンド取付部32(図3)に固定される。
ブーツ14の小径環状取付部26も、同様に、バンド16を用いてドライブシャフト24に固定される。
バンド16の巻き付け方法や溶接方法については、上述した特許文献2や特許文献3に記載した方法を基本的に用いることができる。ただし、後述するように、ブーツ14を保護するためのバックバーは使用せず、代わりに、ブーツ14の内部に熱逃がし用空間34が設けられる。
図3は、ブーツ14の大径環状取付部28及びその周辺の拡大断面図を示している。ブーツ14の軸方向(図3中、矢印Xで示される方向)における大径環状取付部28の中央部には、断面が五角形状の熱逃がし用空間34が形成されている。この熱逃がし用空間34は、大径環状取付部28の外周面において、ブーツ14の周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられている。また、ブーツ14の内周面のうち、熱逃がし用空間34に対応する位置には、断面が山型の凸部36が形成されている。凸部36もブーツ14の周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられている。さらに、外輪部材18のバンド取付部32の外周面のうち、ブーツ14の凸部36に対応する位置には、断面が台形状の凹部38が形成されている。凹部38は外輪部材18の周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられている。凹部38には、凸部36が嵌め込まれる。
図4には、炭酸レーザガスからなるレーザビーム40によりバンド16を溶接する状態が示されている。図4に示すように、バンド16のバンド重合部30に対して垂直方向からレーザビーム40が照射される。また、図5に示すように、レーザビーム40は、バンド16の長さ方向、すなわち、ブーツ14の周方向に所定長さ照射される(溶接長さを参照)。この際、レーザビーム40の照射は、バンド重合部30のうち、ブーツ14の熱逃がし用空間34に対応する位置になされる。
本実施形態においては、熱逃がし用空間34は、ブーツ14の軸方向において大径環状取付部28の中央部に、大径環状取付部28の外周面を周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられている。このため、ブーツ14を周方向にどれだけ回転させても、断面が同一の熱逃がし用空間34が、同一の位置に常に現れることとなる。このため、熱逃がし用空間34がバンド16の下に隠れた状態でも、大径環状取付部28の端部など所定位置からブーツ14の軸方向の距離を測定することで熱逃がし用空間34の位置を判定して、該熱逃がし用空間34に対応する位置においてバンド16に対してレーザビーム40を照射する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ブーツ14の大径環状取付部28の外表面には、バンド重合部30のうち、レーザビーム40が照射される部分に対応して熱逃がし用空間34が設けられる。このため、レーザビーム40による熱がバンド重合部30を越えてブーツ14側に発生した場合でも、その熱を熱逃がし用空間34に逃がすことができる。このため、バックバーを用いずにバンド16をレーザ溶接しても、熱によるブーツ14の損傷を抑えることができる。また、ヒートシンクとして機能するバックバーの使用が不要となるため、従来技術のようにバックバーを引き抜いた際に生じる隙間を塞ぐために必要な弾性がブーツ14には要求されず、ブーツ14が、弾性の比較的小さい材料からなる場合であっても、レーザ溶接によりバンド16を溶接することができる。
また、本実施形態では、熱逃がし用空間34が、ブーツ14の周方向に設けられる。一般に、バンド16は、幅方向よりも長さ方向が大きくなることから、バンド16の長さ方向(ブーツ14の周方向)にレーザビーム40を照射する方が、バンド16の幅方向(ブーツ14の軸方向)にレーザビーム40を照射するよりも照射距離を長くすることができる。このため、バンド溶接部の範囲を広くすることが可能となり、バンド重合部30の結合強度を高めることができる。
さらに、熱逃がし用空間34は、大径環状取付部28の外周面を周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられる。このような構成では、ブーツ14を周方向にどれだけ回転させても、断面形状が同一の熱逃がし用空間34が、同一の位置に常に現れることとなる。このため、熱逃がし用空間34がバンド16の下に隠れた状態でも、大径環状取付部28の端部など所定位置からブーツ14の軸方向の距離を測定することで熱逃がし用空間34の位置を容易に判定することができ、レーザビーム40の照射位置を迅速且つ容易に決定することが可能となる。
加えて、ブーツ14の内周面のうち、熱逃がし用空間34に対応する位置に凸部36が形成され、凸部36を嵌め込む凹部38が外輪部材18の外周面に形成される。これにより、熱逃がし用空間34が形成される箇所のブーツ14の肉厚をより厚くし、ブーツ14の耐久性を高めることができる。また、凸部36を凹部38に嵌め込むことで、ブーツ14の内周面における凸部36の周辺部を外輪部材18の外周面に密着させることが可能となり、ブーツ14の内表面と外輪部材18の外表面との間のシール性を低下させることがない。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下に示す(1)〜(7)の構成を採ることができる。
(1)ブーツの接続対象
上記実施形態では、外輪部材18に対してブーツ14を接続することについて詳述したが、等速ジョイント用ブーツを接続する構成であれば、これに限られない。例えば、ドライブシャフト24やプロペラシャフト等の動力伝達シャフトに対してブーツ14を接続する場合も、同様の構成を採用することができる。
(2)等速ジョイントの種類
上記実施形態では、等速ジョイント10をトリポードタイプとしたが、レーザビームにより溶接されるバンドを用いてブーツが固定される等速ジョイントであれば、これに限られない。例えば、バーフィールドタイプの等速ジョイントも用いることができる。
(3)ブーツの素材
上記実施形態では、ブーツ14が熱可塑性ポリエステル系エラストマ製であるとしたが、その他の合成樹脂製のブーツも用いることができる。また、等速ジョイントに用いることができるものであれば、合成樹脂以外の素材からなるものでもよい。例えば、クロロプレンゴム等のゴム製ブーツも使用可能である。
(4)バンド
上記実施形態では、バンド16がスチール製であるとしたが、レーザ溶接が可能なものであれば、これに限られない。例えば、ステンレス製のバンドも使用可能である。また、バンド16の幅、厚さ及び長さは、必要に応じて変更可能である。
(5)熱逃がし用空間
(a)配置
上記実施形態では、ブーツ14の軸方向において、熱逃がし用空間34を大径環状取付部28の中央部に配置したが、レーザビーム40の照射位置に対応して配置されるものであれば、これに限られない。例えば、大径環状取付部28の端部により近い位置又はより遠い位置に設けてもよい。
また、大径環状取付部28の外周面を周方向に1周するように熱逃がし用空間34を設けたが、レーザ照射位置に対応することができれば、例えば、大径環状取付部28の外周面を周方向に半周するように熱逃がし用空間34を設けることもできる。さらに、熱逃がし用空間34を周方向に等間隔に分断してもよい。
図6の第1変形例に示すように、バンド16の端部に対応して熱逃がし用空間34を設けてもよい。図6の各熱逃がし用空間34の一部は、ブーツ14の外部と連通している。このため、熱逃がし用空間34の開放側から熱を逃がすことができ、より確実に熱によるブーツ14の損傷を防ぐことができる。
上記実施形態では、熱逃がし用空間34をブーツ14の周方向に設けたが、熱逃がし用空間34として機能する限り、これに限られない。例えば、ブーツ14の軸方向に沿って設けることが可能であり、さらに、ブーツ14の周方向及び軸方向に対して斜めの方向でもよい。これらの場合、熱逃がし用空間34の位置を表示する目印を大径環状取付部28の先端などブーツ14の所定位置に設けることが好ましい。
(b)数
上記実施形態では、熱逃がし用空間34は1つのみであったが、複数設けることもできる。図6の第1変形例、図7の第2変形例、図8の第3変形例、図9の第4変形例及び図10の第5変形例には、熱逃がし用空間34を複数設けた構成が示されている。このように熱逃がし用空間34を複数設け、熱逃がし用空間34が1つの場合と同じ距離をそれぞれの熱逃がし用空間34に対してレーザ照射すれば、バンド溶接部の範囲が広がるため、バンド16の溶接強度がより高くなる。或いは、各熱逃がし用空間34におけるレーザ照射距離を短くして、バンド溶接部の範囲の合計を、熱逃がし用空間34が1つの場合と同じとし、熱逃がし用空間34が1つの場合と同じ溶接強度を得ることで、バンド重合部30の長さを短くすることができる。なお、熱逃がし用空間34をブーツ14の周方向に複数設けた場合でも、ブーツ14の端部などの所定位置からの距離がわかれば、バンド16を巻き付けた後でも熱逃がし用空間34の位置を容易に判定可能である。
(c)断面形状
上記実施形態では、熱逃がし用空間34の断面は五角形状であったが、レーザビーム40による熱を逃がすことができるものであれば、これに限られない。例えば、半円状や矩形状とすることができる。
(6)ブーツの凸部及び外輪部材の凹部
(a)配置
上記実施形態では、熱逃がし用空間34と同様、ブーツ14の軸方向において、凸部36を大径環状取付部28の中央部に配置し、凹部38をこれに対応させて配置したが、凸部36と凹部38が対応する位置にあれば、これに限られない。例えば、凸部36を大径環状取付部28の端部により近い位置又はより遠い位置に設け、凹部38をこれに対応させて配置してもよい。
また、上記実施形態では、凸部36及び凹部38をブーツ14(外輪部材18)の周方向に設けたが、これに限られない。例えば、ブーツ14(外輪部材18)の軸方向に設けることが可能であり、さらに、ブーツ14(外輪部材18)の周方向及び軸方向に対して斜めの方向でもよい。これらの場合、凸部36又は凹部38の位置を表示する目印をブーツ14又は外輪部材18の所定位置に設けることが好ましい。
なお、図7及び図8に示すように、凸部36及び凹部38の位置を熱逃がし用空間34に対応する位置からずらしてもよい。
(b)数
上記実施形態では、凸部36及び凹部38を1つずつ設けたが、複数設けることもできる。例えば、図10のように、熱逃がし用空間34を2つ配置した状態で、2つの熱逃がし用空間34それぞれに対応して凸部36及び凹部38を設けてもよい。
(c)断面形状
上記実施形態では、凸部36の断面を山型とし、凹部38の断面を台形状としたが、凸部36と凹部38が対応するものであれば、これに限られない。例えば、図12の第7変形例に示すように、凸部36及び凹部38それぞれの断面を円弧状としてもよい。
(d)その他
図9の第4変形例及び図13の第8変形例に示すように、凸部36及び凹部38を設けない構成も可能である。
図6に示すように、ブーツ14の外周面を周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように凸部42を設け、この凸部42に対応してブーツ14の内周面に凹部44を設け、この凹部44に対応して外輪部材18の外周面に凸部46を設ける構成も可能である。ブーツ14の外周面に凸部42を設けることで、外部に開放された熱逃がし用空間34を形成することができる。また、凸部42に対応させて凹部44及び凸部46を設けることで、ブーツ14の厚みを一定にすることができるため、ブーツ14の耐久性を向上することが可能となる。
図8及び図11に示すように、ブーツ14の凸部36の両端に凹部48を設け、この凹部48に対応する凸部50を外輪部材18の外表面に設けてもよい。このような構成では、ブーツ14の凹部48と外輪部材18の凸部50の間における圧力が、他の部分の圧力よりも高くなるため、凹部48と凸部50の間の部分のシール性を高めることができる。その結果、等速ジョイント10全体として、潤滑油の漏れを防ぎやすい構成とすることができる。
(7)その他
上記実施形態では、ブーツ14の周方向にレーザビーム40を連続的に照射したが(図5参照)、図14に示すように、断続的に照射してもよい。また、ブーツ14の軸方向等その他の方向に照射することもできる。
上記実施形態では、レーザビーム40を炭酸ガスレーザからなるものとしたが、バンド16を溶接可能であれば、これに限られない。例えば、YAGレーザからなるものであってもよい。さらに、レーザビーム40のレーザ径、レーザ出力、照射速度等は、適宜変更可能である。
熱逃がし用空間34内に、セラミックス等の耐熱性の高い物質を充填し、ブーツ14への熱の伝達を防止することもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るブーツを有する等速ジョイントの断面説明図である。 図2Aは、バンドをブーツに巻き付ける状態を示す図である。 図2Bは、ブーツに巻き付けたバンドをレーザ溶接する状態を示す図である。 図3は、前記等速ジョイントの一部拡大断面図である。 図4は、レーザビームによりバンドを溶接する状態を示す図である。 図5は、レーザビームによりバンドを溶接する箇所を示す図である。 図6は、第1変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図7は、第2変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図8は、第3変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図9は、第4変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図10は、第5変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図11は、第6変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図12は、第7変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図13は、第8変形例に係る等速ジョイントの一部拡大断面図を示す図である。 図14は、レーザビームを断続的に照射した状態を示す図である。
符号の説明
10…等速ジョイント 14…ブーツ
16…バンド 18…外輪部材
20…クロスジョイント 22…ローラ
24…ドライブシャフト 26…小径環状取付部(バンド巻付部)
28…大径環状取付部(バンド巻付部) 30…バンド重合部
32…バンド取付部 34…熱逃がし用空間
36、42、46、50…凸部 38、44、48…凹部
40…レーザビーム

Claims (2)

  1. レーザビームにより溶接されたバンドを用いて固定された等速ジョイント用ブーツを有する等速ジョイントであって、
    前記等速ジョイント用ブーツは、前記バンドが巻き付けられたバンド巻付部を備え、
    前記バンド巻付部の外周面には、前記バンドが重なり合うバンド重合部のうち、前記レーザビームが照射された部分に対応して熱逃がし用空間が設けられ、
    前記等速ジョイント用ブーツは、その内周面のうち、前記熱逃がし用空間に対応する位置に、凸部が形成され、
    前記凸部を嵌め込む凹部が、外輪部材の外周面に形成され、
    前記熱逃がし用空間は、前記バンド巻付部の外周面を周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられ、
    前記凸部は、前記バンド巻付部の内周面を周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられ、
    前記凹部は、前記外輪部材の周方向に1周するように、且つ周方向での断面形状が一定となるように設けられ、
    前記凸部は、その周囲よりも肉厚に形成される
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  2. 請求項1記載の等速ジョイントにおいて、
    前記等速ジョイント用ブーツが、合成樹脂製である
    ことを特徴とする等速ジョイント。
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