JP6305744B2 - 等速自在継手 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達機構として、劣悪な環境下で使用される等速自在継手に関する。
例えば、自動車や各種産業機械の動力伝達機構として使用される等速自在継手には、ツェッパ型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)の固定式等速自在継手がある。この種の等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速でトルクを伝達し得る構造を備えている。この等速自在継手の中には、劣悪な環境下で使用されるものがあり、そのような等速自在継手は、外部からの粉塵等の異物や水の侵入を防止するため、蛇腹状ブーツを使用したシール構造を具備するのが一般的である(例えば、特許文献1の図13参照)。
この種のブーツを備えた等速自在継手は、図5に示すように、軸方向に延びるトラック溝111が内周面112の周方向複数箇所に形成された外側継手部材113と、軸方向に延びるトラック溝114が外側継手部材113のトラック溝111と対をなして外周面115の周方向複数箇所に形成された内側継手部材116と、外側継手部材113のトラック溝111と内側継手部材116のトラック溝114との間に介在してトルクを伝達するボール117と、外側継手部材113の内周面112と内側継手部材116の外周面115との間に配されてボール117を保持するケージ118とを備えた構造を有する。
この等速自在継手のシール構造として、外側継手部材113の開口端部130と内側継手部材116から延びるシャフト119との間にゴム製の蛇腹状ブーツ140を装着している。このブーツ140は、外側継手部材113の開口端部130の外周面にブーツバンド141により締め付け固定された大径端部142と、シャフト119の外周面にブーツバンド143により締め付け固定された小径端部144と、大径端部142と小径端部144とを繋ぎ、その大径端部142から小径端部144へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部145とで構成されている。
この等速自在継手では、外側継手部材113およびブーツ140の内部空間に潤滑材(図示せず)を封入することにより、外側継手部材113に対してシャフト119が作動角をとりながら回転する動作時において、継手内部の摺動部位、つまり、外側継手部材113、内側継手部材116、ボール117およびケージ118で構成される摺動部位での潤滑性を確保するようにしている。また、外側継手部材113とブーツ140の大径端部142との間、およびシャフト119とブーツ140の小径端部144との間でのシール性は、ブーツバンド141,143の締め付けにより確保するようにしている。
特開2004−162882号公報
ところで、前述した従来の等速自在継手において、外部からの異物や水の侵入を防止するためのブーツ140の素材は、CR(クロロプレンゴム)が一般的であることから、各種産業機械の熱処理部位近傍などの劣悪な環境下で使用されると、化学水の飛散や熱雰囲気などの外的な影響により、ブーツ140の耐久寿命が左右されることが多い。また、ブーツ140の内部空間には、外側継手部材113の内部部品の摺動部位での潤滑性を確保するための潤滑材が封入されていることから、ブーツ140のシール性が損なわれてこの潤滑材が外部に漏洩したり、外部から異物や水が侵入したりすると、等速自在継手の内部での潤滑不良を招くことになる。等速自在継手自体の寿命は、このブーツ140のシール性能による影響が大きいため、より一層シール性に優れた等速自在継手が要望されているのが現状である。
そこで、本発明は前述の要望に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、劣悪な環境下においても長期間の安定したシール性を確保し得るシール構造を具備した等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、一端に開口部を有する外側継手部材と、外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、外側継手部材の開口端部に外側継手部材と別体のブーツ固定部材を固着し、そのブーツ固定部材の外周面および内側継手部材から延びる軸部材の外周面に、外側継手部材の開口部の前方空間を密閉する蛇腹状のアウタブーツを固定すると共に、ブーツ固定部材の内周面および軸部材の外周面に、外側継手部材の開口部を閉塞するインナブーツを固定し、そのインナブーツの内径端部が接着された内環部材のアウタブーツ側端部と軸部材との間に、内環部材のアウタブーツ側端部の内周面と軸部材の外周面との間を封止するインナブーツ用シール部材を装着したことを特徴とする。
本発明では、外側継手部材の開口端部に固着されたブーツ固定部材の外周面および内側継手部材から延びる軸部材の外周面に、外側継手部材の開口部の前方空間を密閉する蛇腹状のアウタブーツを固定すると共に、ブーツ固定部材の内周面および軸部材の外周面に、外側継手部材の開口部を閉塞するインナブーツを固定したことにより、アウタブーツにインナブーツを加えた二重ブーツ構造としている。
このような二重ブーツ構造を採用したことにより、長期間の安定したシール性を確保することができる。劣悪な環境下での使用によりアウタブーツが損傷を受けたとしても、外側継手部材の内部への異物や水の侵入をインナブーツにより防止することができる。このインナブーツにより、外側継手部材の内部での潤滑不良を招くこともないので、損傷したアウタブーツを新たなアウタブーツに交換するだけで等速自在継手の長寿命化が図れる。
また、インナブーツの内径端部が接着された内環部材のアウタブーツ側端部と軸部材との間に、内環部材のアウタブーツ側端部の内周面と軸部材の外周面との間を封止するインナブーツ用シール部材を装着したことにより、内環部材を軸部材に組み付ける上で、その内環部材の内周面と軸部材の外周面との間に隙間が必要であっても、内環部材のアウタブーツ側端部の内周面と軸部材の外周面との間をインナブーツ用シール部材により封止することができるので、より一層のシール性を確保することができる。
本発明におけるインナブーツは、断面横U字状をなし、ブーツ固定部材の内周面に圧入された外環部材と、軸部材の外周面に嵌挿された内環部材との間に接着一体化されていることが望ましい。このような構造を採用すれば、インナブーツをブーツ固定部材と軸部材との間に容易に組み付けることができ、外側継手部材に対して軸部材が作動角をとりながら回転する動作時においても、外側継手部材の開口部を閉塞する構造を容易に実現することができる。
本発明において、アウタブーツの小径端部と軸部材との間に、アウタブーツの小径端部の内周面と軸部材の外周面との間を封止するアウタブーツ用シール部材を装着した構造が望ましい。このようにすれば、アウタブーツの小径端部を軸部材に組み付けた状態で、アウタブーツの小径端部の内周面と軸部材の外周面との間に隙間が存在しても、アウタブーツの小径端部の内周面と軸部材の外周面との間をアウタブーツ用シール部材により封止することができるので、より一層のシール性を確保することができる。
本発明において、インナブーツの外径端部が接着された外環部材のアウタブーツ側端部の外径側角部を断面R形状とすることが望ましい。等速自在継手の動作時に外側継手部材に対して軸部材が作動角をとることにより、アウタブーツの内周面と外環部材のアウタブーツ側端部の外径側角部とが接触しても、外環部材のアウタブーツ側端部の外径側角部が断面R形状であれば、アウタブーツの内周面が摩耗することを抑制できる。
本発明において、ブーツ固定部材の端面と、ブーツ固定部材の径方向内側に位置する外環部材の外周面と、ブーツ固定部材の径方向外側に位置するアウタブーツの内周面とで囲まれた空間に、潤滑材を封入した構造が望ましい。等速自在継手の動作時に外側継手部材に対して軸部材が作動角をとることにより、アウタブーツの内周面と外環部材の外周面とが接触しようとしても、アウタブーツの内周面と外環部材の外周面との間に潤滑材が介在すれば、アウタブーツの内周面が摩耗することを抑制できる。
本発明によれば、外側継手部材の開口端部に固着されたブーツ固定部材の外周面および内側継手部材から延びる軸部材の外周面に、外側継手部材の開口端部の前方空間を密閉するアウタブーツを固定すると共に、ブーツ固定部材の内周面および軸部材の外周面に、外側継手部材の開口部を閉塞するインナブーツを固定したことにより、アウタブーツにインナブーツを加えた二重ブーツ構造でもって、長期間の安定したシール性を確保することができる。劣悪な環境下での使用によりアウタブーツが損傷を受けたとしても、外側継手部材の内部への異物や水の侵入をインナブーツにより防止することができる。その結果、劣悪な環境下においても安定したシール性を確保できるシール構造を具備した長寿命の等速自在継手を提供できる。
本発明の実施形態で、ツェッパ型等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。 図1の要部拡大断面図である。 図1の等速自在継手が作動角をとった状態を示す縦断面図である。 図3の要部拡大断面図である。 従来の等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、駆動側と従動側の二軸間で角度変位のみを許容する固定式等速自在継手の一つであるツェッパ型等速自在継手(BJ)を例示するが、他の固定式等速自在継手としてアンダーカットフリー型等速自在継手(UJ)にも適用可能である。
また、以下の実施形態では、自動車や各種産業機械の中でも、例えば、鉄鋼設備において、各種ロールに駆動力を伝達するロール駆動力伝達装置に使用される等速自在継手を例示する。このロール駆動力伝達装置における等速自在継手は、80℃程度の輻射熱、水蒸気による高温多湿、スケールの飛散、薬品類を含む化学水の飛散などによる劣悪な環境下で使用される。
図1は作動角0°の状態にある等速自在継手を示す。同図に示す等速自在継手は、軸方向に延びる複数の円弧状トラック溝11が球面状内周面12に円周方向等間隔で形成された外側継手部材13と、その外側継手部材13のトラック溝11と対をなして複数の円弧状トラック溝14が球面状外周面15に円周方向等間隔で形成された内側継手部材16と、外側継手部材13のトラック溝11と内側継手部材16のトラック溝14との間に介在するトルク伝達部材としてのボール17と、外側継手部材13の球面状内周面12と内側継手部材16の球面状外周面15との間に配されてボール17を保持するケージ18とで主要部が構成されている。
この等速自在継手では、外側継手部材13のトラック溝11の曲率中心と内側継手部材16のトラック溝14の曲率中心とが、継手中心に対して等距離だけ軸方向に互いに反対向きにオフセットされている。このトラックオフセットにより外側継手部材13のトラック溝11と内側継手部材16のトラック溝14で形成されるボールトラックが外側継手部材13の開口部35に向けて拡開する楔形状をなしている。
内側継手部材16には、軸部材であるシャフト19がスプライン嵌合によりトルク伝達可能に結合されている。内側継手部材16から延びるシャフト19は、内側継手部材16の軸方向両端部で止め輪20,21により抜け止めされている。このシャフト19の先端には拡径部22が形成され、その拡径部22とロール駆動力伝達装置の中間軸23とが溶接部24で一体的に連結されている。
外側継手部材13の後方開口端部25には、ロール駆動力伝達装置への取り付けフランジ26が溶接部27で一体的に連結されている。この取り付けフランジ26には、外側継手部材13の後方開口部を閉塞するエンドプレート28が取り付けられ、そのエンドプレート28は止め輪29により抜け止めされている。一方、外側継手部材13の前方開口端部30には、金属製のブーツ固定部材31がボルト32により固着されている。このブーツ固定部材31は、外側継手部材13の端面に接合する板状部33と、その板状部33の外周縁から軸方向に沿って一体的に延設された筒状部34とで構成されている。ブーツ固定部材31の板状部33の中央には、外側継手部材13の開口部35と略同径の開口孔36が形成され、その開口孔36にシャフト19が挿通されている。ブーツ固定部材31の筒状部34は、Oリング37を介して外側継手部材13の開口端部30の外周面に外嵌され、そのOリング37によりシール性が確保されている。
なお、ブーツ固定部材31の板状部33には、外側継手部材13のトラック溝11の開口端から内部へ潤滑材(後述)を充填するためのプラグ38が設けられている。また、ブーツ固定部材31の板状部33の端面に凹孔39を設け、その凹孔39にボルト32の頭部40を収容することにより、そのボルト32の頭部40が他の周辺部品と干渉することを回避している。さらに、このボルト32はワッシャによる緩み止め構造を有する。ワッシャは、緩み防止効果の高いノルトロックワッシャなどが好適である。
ブーツ固定部材31の外周面およびシャフト19の外周面に、外側継手部材13の開口部35の前方空間を密閉する蛇腹状のアウタブーツ41を固定している。このアウタブーツ41は、ブーツ固定部材31の筒状部34の外周面にブーツバンド42により締め付け固定された大径端部43と、シャフト19の外周面にブーツバンド44により締め付け固定された小径端部45と、大径端部44と小径端部45とを繋ぎ、その大径端部44から小径端部45へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部46とで構成されている。
ブーツ固定部材31の板状部33の外周縁には、径方向外側に突出する環状の突起部47が一体的に形成されている。これに対して、アウタブーツ41の大径端部43の内周面には、環状の凹陥部48が形成されている。アウタブーツ41の大径端部43は、その内周面の凹陥部48をブーツ固定部材31の突起部47に嵌合させることにより、ブーツ組み付け時の軸方向位置決めを可能にすると共に密閉性を向上させている。また、シャフト19の外周面に環状の凹溝49が形成されている。これに対して、アウタブーツ41の小径端部45の内周面に環状の膨出部50が形成されている。アウタブーツ41の小径端部45は、その内周面の膨出部50をシャフト19の凹溝49に嵌合させることにより、ブーツ組み付け時の軸方向位置決めを可能にすると共に密閉性を向上させている。
なお、前述したアウタブーツ41は、CR(クロロプレンゴム)を素材としているが、継手の回転数、作動角度や雰囲気温度などの使用環境に応じて、AR(アクリルゴム)、UR(ウレタンゴム)およびSi(シリコンゴム)等を素材としてもよい。また、密着性に優れたURあるいはSi樹脂にフッ素樹脂等の固体潤滑材が配合された塗料をアウタブーツ41の外周面に塗布して硬化させたドライ被膜を形成するようにしてもよい。このようなドライ被膜は、被膜剛性が高く、剥離しにくく低摩擦であるため、耐摩耗性向上の点で有効である。
ブーツ固定部材31の内周面およびシャフト19の外周面に、外側継手部材13の開口部35を閉塞するフレキシブルなインナブーツ51を固定している。このインナブーツ51は、外側継手部材側が凸状となるような断面横U字状をなし、ブーツ固定部材31の内周面、つまり、板状部33の開口孔36に圧入された金属製の円筒状外環部材52と、内側継手部材16から延びるシャフト19の根元部位の外周面に嵌挿された金属製の円筒状内環部材53との間に焼付あるいは加硫等により接着一体化されている。
このような構造を採用することにより、インナブーツ51をブーツ固定部材31とシャフト19との間に容易に組み付けることができ、外側継手部材13に対してシャフト19が作動角をとりながら回転する動作時においても、外側継手部材13の開口部35を閉塞する構造を容易に実現することができる。外環部材52の外側継手部材側の端部を径方向外側へ加締め、その加締め部58をブーツ固定部材31の板状部33の開口孔周縁に食い込ませることにより、ブーツ固定部材31に対する外環部材52の抜け止めとしている。内環部材53は、その軸方向寸法が外環部材52よりも長く、アウタブーツ側で外環部材52よりも突出するように配置されている。
なお、このインナブーツ51についても、前述したアウタブーツ41と同様、CRを素材としているが、継手の回転数、作動角度や雰囲気温度などの使用環境に応じて、AR、URおよびSi等を素材としてもよい。インナブーツ51は、アウタブーツ41と同一の素材あるいは異なる素材のいずれであってもよい。また、密着性に優れたURあるいはSi樹脂にフッ素樹脂等の固体潤滑材が配合された塗料をインナブーツ51の外周面に塗布して硬化させたドライ被膜を形成するようにしてもよい。このようなドライ被膜は、被膜剛性が高く、剥離しにくく低摩擦であるため、耐摩耗性向上の点で有効である。
以上のように、ブーツ固定部材31の筒状部34の外周面およびシャフト19の外周面に、外側継手部材13の開口端部30の前方空間を密閉するアウタブーツ41を固定すると共に、ブーツ固定部材31の板状部33の開口孔36の内周面およびシャフト19の外周面に、外側継手部材13の開口部35を閉塞するインナブーツ51を固定したことにより、アウタブーツ41にインナブーツ51を加えた二重ブーツ構造としている。アウタブーツ41は、インナブーツ51を劣悪な環境から保護するフレキシブルなカバーとして機能する。
このようなアウタブーツ41およびインナブーツ51からなる二重ブーツ構造を採用したことにより、長期間の安定したシール性を確保することができる。劣悪な環境下での使用により、アウタブーツ41が損傷を受けたとしても、外側継手部材13の内部への異物や水の侵入をインナブーツ51により防止することができる。このインナブーツ51により、外側継手部材13の内部での潤滑不良を招くことなく継続使用が可能となるので、損傷したアウタブーツ41を新たなアウタブーツ41に交換するだけで等速自在継手の長寿命化が図れる。
この等速自在継手において、インナブーツ51の内径端部が接着された内環部材53のアウタブーツ側端部とシャフト19との間に、内環部材53のアウタブーツ側端部の内周面とシャフト19の外周面との間を封止するリング状のインナブーツ用シール部材54を装着している。このシール部材54は、シャフト19の外周面に密着すると共に内環部材53の端面あるいは外周面に密着している。外環部材52の外径は、ブーツ固定部材31の板状部33の開口孔36への圧入が可能なように設定されているのに対して、内環部材53の内径は、その組み付け時にシャフト19への挿入が容易なように設定されている。このことから、内環部材53の内周面とシャフト19の外周面との間に隙間が存在する可能性がある。このような場合、シール部材54により、内環部材53のアウタブーツ側端部の内周面とシャフト19の外周面との間を封止することができるので、より一層のシール性を確保することができる。
また、アウタブーツ41の小径端部45とシャフト19との間に、アウタブーツ41の小径端部45の内周面とシャフト19の外周面との間を封止するリング状のアウタブーツ用シール部材55を装着している。このシール部材55は、シャフト19の外周面に密着すると共にアウタブーツ41の小径端部45の端面あるいはブーツバンド44の外周面に密着している。アウタブーツ41の小径端部45をブーツバンド44によりシャフト19に締め付け固定した状態で、アウタブーツ41の小径端部45の内周面とシャフト19の外周面との間に隙間が存在しても、シール部材55により、アウタブーツ41の小径端部45の内周面とシャフト19の外周面との間を封止することができるので、より一層のシール性を確保することができる。
図1に示すように、インナブーツ51の外径端部が接着された外環部材52のアウタブーツ側端部の外径側角部56を断面R形状としている(図2参照)。図3は等速自在継手が作動角をとった状態を示す。この等速自在継手は、最大作動角10°以上、例えば最大作動角15°を許容する。同図に示すように、等速自在継手の動作時に外側継手部材13に対してシャフト19が作動角をとることにより、アウタブーツ41の内周面と外環部材52のアウタブーツ側端部の外径側角部56とが近接して接触するおそれがある場合でも(図4参照)、外環部材52のアウタブーツ側端部の外径側角部56を断面R形状としていることにより、アウタブーツ41の内周面が摩耗することを抑制でき、アウタブーツ41の長寿命化が図れる。その結果、外部への潤滑材の漏洩、外部からの異物や水の侵入をより一層確実に防止できる。
この等速自在継手では、外側継手部材13の内部空間、つまり、外側継手部材13と、その外側継手部材13の前方開口端部30にあるインナブーツ51と、外側継手部材13の後方開口端部25にある取り付けフランジ26のエンドプレート28で囲まれた空間に、グリース等の潤滑材(図示せず)を封入する。これにより、外側継手部材13に対してシャフト19が作動角をとりながら回転する動作時において、継手内部の摺動部位、つまり、外側継手部材13、内側継手部材16、ボール17およびケージ18で構成される摺動部位での潤滑性を確保するようにしている。
さらに、この等速自在継手では、ブーツ固定部材31の端面と、ブーツ固定部材31の径方向内側に位置する外環部材52の外周面と、ブーツ固定部材31の径方向外側に位置するアウタブーツ41の内周面とで囲まれた空間に、外側継手部材13の内部空間に封入したものと同じグリース等の潤滑材57を封入している。等速自在継手の動作時に外側継手部材13に対してシャフト19が作動角をとることにより、アウタブーツ41の内周面と外環部材52の外周面とが近接して接触しようとしても、アウタブーツ41の内周面と外環部材52の外周面との間に潤滑材57が介在することで、アウタブーツ41の内周面が摩耗することを抑制でき、アウタブーツ41の長寿命化が図れる。その結果、外部への潤滑材57の漏洩、外部からの異物や水の侵入をより一層確実に防止できる。なお、潤滑材57は、アウタブーツ41の内部容積の10%程度の量が好適である。また、ブーツ固定部材31は別体のもので説明したが、外側継手部材13と一体に形成したものであってもよい。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
13 外側継手部材
16 内側継手部材
17 トルク伝達部材(ボール)
19 軸部材(シャフト)
30 開口端部
31 ブーツ固定部材
35 開口部
41 アウタブーツ
45 小径端部
51 インナブーツ
52 外環部材
53 内環部材
54 インナブーツ用シール部材
55 アウタブーツ用シール部材
56 外径側角部
57 潤滑材

Claims (5)

  1. 一端に開口部を有する外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の開口端部に前記外側継手部材と別体のブーツ固定部材を固着し、前記ブーツ固定部材の外周面および前記内側継手部材から延びる軸部材の外周面に、前記外側継手部材の開口部の前方空間を密閉する蛇腹状のアウタブーツを固定すると共に、前記ブーツ固定部材の内周面および前記軸部材の外周面に、前記外側継手部材の開口部を閉塞するインナブーツを固定し、前記インナブーツの内径端部が接着された内環部材のアウタブーツ側端部と前記軸部材との間に、前記内環部材のアウタブーツ側端部の内周面と軸部材の外周面との間を封止するインナブーツ用シール部材を装着したことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記インナブーツは、断面横U字状をなし、前記ブーツ固定部材の内周面に圧入された外環部材と、前記軸部材の外周面に嵌挿された内環部材との間に接着一体化されている請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記アウタブーツの小径端部と前記軸部材との間に、前記アウタブーツの小径端部の内周面と軸部材の外周面との間を封止するアウタブーツ用シール部材を装着した請求項1又は2に記載の等速自在継手。
  4. 前記インナブーツの外径端部が接着された外環部材のアウタブーツ側端部の外径側角部を断面R形状とした請求項1〜のいずれか一項に記載の等速自在継手。
  5. 前記ブーツ固定部材の端面と、前記ブーツ固定部材の径方向内側に位置する外環部材の外周面と、前記ブーツ固定部材の径方向外側に位置するアウタブーツの内周面とで囲まれた空間に、潤滑材を封入した請求項1〜のいずれか一項に記載の等速自在継手。
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