JP2013002587A - 等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】劣悪環境下で使用される等速自在継手のシール性能向上、及びメンテナンス作業性向上を達成する。
【解決手段】第1軸部材2に設けられる外側継手部材11と、第2軸部材3に設けられる内側継手部材12と、両継手部材11,12間に配されたトルク伝達部材としてのボール14と、両継手部材11,12間の開口部15を密封するシール装置30を備える。一端部21が第2軸部材3に設けたカバー取付フランジ4に固定されて軸方向に延び、内周に収容した外側継手部材11及びシール装置30との間に軸方向に延びた半径方向隙間40を形成する円筒状のカバー材20を設ける。半径方向隙間40を形成する対向二面の少なくとも一方に、半径方向隙間40の隙間幅を部分的に縮小させる環状凸部Aを設ける。ここでは、カバー材20の内径面に形成した環状突起23で環状凸部Aが構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、等速自在継手に関し、特に、鉄鋼設備などの各種産業機械等、劣悪環境下で使用される等速自在継手の改良に関する。
周知のように、動力伝達装置に組み込まれ、二軸の角度変位を許容しながら二軸間で動力(回転トルク)を等速で伝達する等速自在継手には、通常、少なくとも一部がゴムあるいは樹脂などの可撓性材料で形成されたブーツ、およびブーツ固定部材などで構成されるシール装置が設けられている。このシール装置で外側継手部材と内側継手部材との間の開口部が密封されることにより、継手内部への異物侵入および継手内部に封入された潤滑剤の外部漏洩が防止される。しかしながら、例えば、各種産業機械の中でも鉄鋼設備などで使用されるロールを駆動するための動力伝達装置は、高温多湿で、しかもスケール、スラッジ及び薬品等が飛散する劣悪環境下で使用されるため、シール装置を構成するブーツのうち、可撓性材料で形成された部分が劣化し易く、必要とされるシール性能、ひいては動力伝達性能を長期間に亘って発揮することが難しいという問題があった。
そこで、シール装置を、金属製の部材を組み合わせて構成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。詳述すると、このシール装置は、内側継手部材(より詳しくは、内側継手部材に連結される軸部材)に、外周の一部に凸球面が形成された金属製の凸球面部材および内周の一部に凹球面が形成された金属製の凹球面部材を設けると共に、外側継手部材に、内周の一部に凸球面部材の凸球面と接する凹球面が形成され、外周の一部に凹球面部材の凹球面と接する凸球面が形成された金属製の中間部材を設け、この中間部材を凸球面部材と凹球面部材との間に介設して構成されるものである。
特開2006−97733号公報
特許文献1に記載されたシール装置は、金属製の凸球面部材、凹球面部材及び中間部材を組み合わせて構成される関係上、可撓性ブーツを用いたシール装置と比較して耐久寿命に優れる。しかしながら、特許文献1に記載されたシール装置が耐久寿命に優れるとはいえども、スケールやスラッジが混入した高温の化学水などがシール装置に勢い良くかつ直接的に降りかかるような場合には、シール装置の構成部材が腐食等し易く、必要とされるシール性能が比較的早期に低下し易い。そのため、鉄鋼設備用の動力伝達装置に組み込まれる等速自在継手では、シール装置の保守点検や部品交換(メンテナンス)を頻繁に実施する必要があるが、シール装置自体のメンテナンスを簡便に行うことは容易ではなく、メンテナンスに多大な手間とコストを要するという問題がある。
このような実情に鑑み、本発明は、シール装置を備えた等速自在継手のシール性能向上と、メンテナンス作業の作業性向上とを同時に達成することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、二軸間に介設され、二軸の角度変位を許容しながら二軸間で回転トルクを伝達する等速自在継手であって、一方の軸に設けられる外側継手部材と、他方の軸に設けられる内側継手部材と、両継手部材間に配されたトルク伝達部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に形成される開口部を密封するシール装置とを備えるものにおいて、一端が二軸の何れか一方に固定されて軸方向に延び、内周に収容した外側継手部材及びシール装置との間に軸方向に延びた半径方向隙間を形成する円筒状のカバー材を設け、半径方向隙間を形成する対向二面の少なくとも一方に、半径方向隙間の隙間幅を部分的に縮小させる環状凸部を設けたことを特徴とする。なお、ここでいう「円筒状のカバー材」とは、最終的に円筒状に形成されるカバー材を意味する。すなわち、「円筒状のカバー材」とは、予め円筒状に形成されたカバー材のみならず、例えば断面半円形状を呈する二部材を連結して円筒状に形成されるカバー材も含む概念である。また、予め円筒状に形成されたカバー材を軸方向に複数連結して構成したものも含む。
上記のように、外側継手部材及びシール装置を内周に収容した円筒状のカバー材を設けたことにより、等速自在継手が劣悪環境下で使用される場合にも、外側継手部材やシール装置に対し、スケールやスラッジが混入した高温の化学水などが勢い良くかつ直接的に降りかかるような事態を回避することができる。これにより、シール装置や外側継手部材の腐食等による劣化が進行し難くなり、シール性能、ひいては動力伝達性能の早期低下を効果的に防止することができる。また、カバー材と、外側継手部材及びシール装置との間に軸方向に延びる半径方向隙間(環状空間)を形成し、半径方向隙間を形成する対向二面の少なくとも一方に、半径方向隙間の隙間幅を部分的に縮小させる環状凸部を設けたことから、軸方向に延びた半径方向隙間の経路上に非接触シール部を形成することができる。非接触シール部であれば、いわゆる接触シールに比べ、適切なシール機能を発揮し得るだけのシール構造を簡単に構築することができ、しかも製造容易であることからコスト増を抑えることができる。また、カバー材と外側継手部材等との摺接による異音の発生やトルク上昇を効果的に防止しつつ、高温の化学水などが半径方向隙間を介して継手内部に浸入するのを可及的に阻止することができる。従って、シール装置の腐食等による劣化に起因したシール性能の早期低下、ひいては動力伝達性能の早期低下を一層効果的に防止することができる。
一方、本発明の構成上、カバー材には高温の化学水などが勢い良くかつ直接的に降りかかるため、カバー材自体が腐食等し易くなるが、カバー材は、二軸の何れか一方に固定されていることから、それ自体の保守点検や交換等のメンテナンスに要する手間は、シール装置のメンテナンスを実行する際に要する手間よりも格段に軽減される。以上のことから、本発明によれば、この種の等速自在継手のシール性能向上と、メンテナンス作業性の向上とを同時に達成することができる。
上記の構成において、カバー材の他端には、作動角0°の状態で半径方向隙間の入口部を実質的に封口するフランジ部を設けることができる。このような構成によれば、作動角0°の状態において、高温の化学水などが半径方向隙間に浸入する可能性を限りなくゼロにすることができるので、シール装置の腐食等による劣化を防止する上で有効となる。
上記の構成を採用したことによってシール装置自体の耐久寿命を向上し得る分、シール装置は任意の構造を採用することができる。例えば、一端が他方の軸に嵌着され、少なくとも一部がゴム、樹脂あるいは熱可塑性エラストマーに代表される、可撓性を有する材料で形成されたブーツと、このブーツの他端を保持するブーツ保持部材とを備えるもので構成することができる。シール装置は、これ以外にも、例えば、他方の軸に装着され、外周面に凸球面部が設けられた凸球面部材と、外側継手部材に装着され、内周面に凸球面部と球面接触する凹球面部が設けられた凹球面部材とを備えるもので構成することもできる。前者のシール装置を採用する場合、ブーツ保持部材に環状凸部を設けることができ、後者のシール装置を採用する場合、凹球面部材に環状凸部を設けることができる。
もちろん、以上で示した何れの構成においても、カバー材に環状凸部を設けることが可能である。
以上の構成において、カバー材は、その一端が、上記一方の軸に固定されて軸方向に延びたものとすることも可能であるが、カバー材の一端を他方の軸に固定し、カバー材の他端を一方の軸の外径側に配置するのが望ましい。カバー材の開口部(半径方向隙間の入口部)からシール装置に至るまでの距離を稼ぐ上で有利となり、高温の化学水等がシール装置に到達し難くなるからである。
また、以上の構成において、環状凸部のうち半径方向隙間の形成面は、軸線に沿った円筒面に形成することができる他、作動角0°の状態における半径方向隙間の隙間幅をカバー材の一端側(固定側)に向けて漸次拡大させる傾斜面に形成することができる。このようにすれば、二軸(両継手部材)が角度変位したときに、環状凸部と、半径方向隙間を介して環状凸部と対峙する相手側とが干渉し難くなるので、角度変位時における相手側との干渉を回避するために、環状凸部全体の径方向寸法(径方向突出量)を小さくする必要がなくなる。そのため、半径方向隙間の隙間幅(半径方向隙間の経路上に形成される非接触シール部の隙間幅)を小さくしてシール性能を高めることができる。
本発明に係る等速自在継手は、以上に示した特徴を有することから、特に劣悪環境下で使用される動力伝達装置、例えば鉄鋼設備のロールを駆動するための動力伝達装置に組み込んで好ましく用いることができる。
以上に示すように、本発明によれば、シール装置を備えた等速自在継手のシール性能向上、及びメンテナンス作業性向上を同時に達成することができる。
本発明の第1実施形態に係る等速自在継手の断面図であり、作動角0°の状態を示す図である。 図1に示す等速自在継手が角度変位した状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る等速自在継手の断面図であり、作動角0°の状態を示す図である。 図2に示す等速自在継手が角度変位した状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る等速自在継手の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る等速自在継手の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に、本発明の第1実施形態に係る等速自在継手1を示す。なお、図1は、等速自在継手1が角度変位していない状態(作動角0°の状態)を示しており、図2は、等速自在継手1が角度変位した状態(より詳しくは最大作動角をとった状態)を示している。また、本実施形態のみならず、図3以降に示す本発明の他の実施形態に係る等速自在継手1も、各種産業機械のうち鉄鋼設備などで使用されるロールを駆動するための動力伝達装置に組み込まれ、80℃以上の輻射熱や飛散する水蒸気によって高温多湿となり、しかもスケール、スラッジ、薬品等が恒常的に飛散する劣悪環境下で使用されるものである。
等速自在継手1は、第1軸部材2と第2軸部材3との間に介設され、両軸部材2,3の角度変位を許容しながら両軸部材2,3間で回転トルクを伝達する(作動角をとった状態で動力伝達を許容する)いわゆる固定式等速自在継手であり、球状内周面11aに軸方向に延びた複数のトラック溝11bが形成された外側継手部材11と、球状外周面12aに軸方向に延びた複数のトラック溝12bが形成された内側継手部材12と、対をなすトラック溝11b,12bで形成されるボールトラックに配されたトルク伝達部材としてのボール14と、外側継手部材11と内側継手部材12との間に介在して、複数のボール14を保持するケージ13とを備える。ケージ13には、ボール14の個数と同数のポケット13aが形成されており、ボール14は、ケージ13のポケット13aのそれぞれに収容されている。なお、ボール14の個数(総数)は通常6個あるいは8個とされるが、それ以外でも良く任意である。
第1軸部材2は中空軸又は中実軸(図示例では中空軸)とされ、その一端にリング状の連結部材18を介して外側継手部材11が取り付けられている。一方、第2軸部材3は段付きの中空軸あるいは中軸軸とされ、その一端外周に内側継手部材12がスプライン嵌合によって結合一体化されている。第2軸部材3のうち、内側継手部材12の端面から突出した部分の外周面には環状溝が形成されており、この環状溝に嵌着された止め輪16と内側継手部材12とを締結部材17で共締めすることにより、内側継手部材12から第2軸部材3が抜脱するのを可及的に防止するようにしている。第2軸部材3にはカバー取付フランジ4が設けられており、このカバー取付フランジ4に、略円筒状をなしたカバー材20の一端(軸方向一端)21が固定される。カバー取付フランジ4は、ここでは、ボルト7aおよびナット7bを用いたボルトナット結合によって結合一体化された第1フランジ5と第2フランジ6とからなり、両フランジ5,6は、例えば溶接によって第2軸部材3に対してそれぞれ固定されている。なお、カバー取付フランジ4は、第2軸部材3と一体に設けることもできる。
この等速自在継手1において、ケージ13のポケット13aに収容されたボール14は、第1軸部材2(外側継手部材11)と第2軸部材3(内側継手部材12)とが角度変位していかなる作動角をとったとしても、その作動角の二等分面内に維持されるようになっている。これにより、等速自在継手1の等速性が確保される。
外側継手部材11と内側継手部材12との間の開口部15は、シール装置30によって密封されている。これにより、両継手部材11,12間に画成される環状の内部空間に充填された潤滑剤としてのグリースの外部漏洩や、内部空間への異物侵入が可及的に防止される。
本実施形態のシール装置30は、全体として筒状をなすブーツ31と、ブーツ31の外径端部を保持しつつ、ブーツ31と協働して開口部15を閉塞するリング状のブーツ保持部材32とを主要部として構成される。ブーツ保持部材32は、締結部材33によって外側継手部材11及び連結部材18と共締めされている。ブーツ31は、ブーツ保持部材32により一端が保持された金属製の外方筒状部材31aと、第2軸部材3の外周面に嵌着された金属製の内方筒状部材31bと、樹脂、ゴムあるいは熱可塑性エラストマーなどの可撓性材料(弾性材料)で形成され、両筒状部材31a,31bに固着された可撓部31cとを備えており、両継手部材11,12が角度変位したとき(図2参照)にも、この角度変位に追従して可撓部31cが弾性変形することで開口部15を確実に密封する。
この等速自在継手1は、一端21が第2軸部材3のカバー取付フランジ4に締結部材27により固定されて軸方向(第1軸部材2に接近する方向)に延び、内周にシール装置30や外側継手部材11を収容した円筒状のカバー材20を備える。カバー材20の他端22は、両継手部材11,12が作動角をとっていない状態(図1)において、第1軸部材2の外径側に配置される。カバー材20の形成材料は特に問わず、樹脂材料や金属材料等、機械部品の形成材料として一般的に使用されているものであれば問題なく使用し得るが、本実施形態の等速自在継手1が上記したような劣悪環境下で使用されるものであることを考慮すると、耐熱性や耐食性などに優れた金属材料、例えばステンレス鋼で形成するのが望ましい。また、カバー材20は、その外周面に、カバー材20の耐熱性や耐食性などを向上するためのコーティング膜が形成されたものを使用することも可能である。さらに、カバー材20は、最終的に円筒形態を呈するものであれば良く、予め円筒状に形成されたカバー材20を用いることができるのはもちろんのこと、例えば断面半円形状を呈する二部材を連結して円筒状に形成しても構わない。
カバー材20は、内周に収容(配置)したシール装置30、外側継手部材11及び連結部材18の外径面との間に、軸方向に延びた半径方向隙間(環状空間)40を形成する。半径方向隙間40を形成する対向二面の少なくとも一方には、半径方向隙間40の隙間幅(環状空間の空間幅)を部分的に縮小させる環状凸部Aが設けられ、本実施形態では、カバー材20の内径面のうち、外側継手部材11の軸方向略中央部と対峙する部位に設けた環状突起23が環状凸部Aとして機能する。環状凸部Aの形成位置や内径側への突出量は、等速自在継手1がとり得る作動角の範囲内において、環状凸部Aがブーツ保持部材32、外側継手部材11及び連結部材18と干渉しないように設定する。また、本実施形態のカバー材20の他端22には、図1に示す作動角0°の状態で半径方向隙間40の入口部を実質的に封口するフランジ部24が一体に設けられている。ここでは、フランジ部24の内径端部を連結部材18の外周角部に近接配置することにより、作動角0°の状態での半径方向隙間40の入口部の開口寸法がほぼゼロになっている。
以上で説明したように、本発明では、外側継手部材11及びシール装置30を内周に収容する円筒状のカバー材20を設けた。これにより、等速自在継手1が劣悪環境下で使用される場合にも、外側継手部材11やシール装置30にスケールやスラッジが混入した高温の化学水などが勢い良くかつ直接的に降りかかるような事態を回避することができる。これにより、外側継手部材11やシール装置30(特に可撓性材料で形成されたブーツ31)の腐食等による劣化が進行し難くなり、シール性能、ひいては動力伝達性能の早期低下を効果的に防止することができる。
また、カバー材20の内径面と、外側継手部材11、ブーツ保持部材32及び連結部材18の外径面との間に軸方向に延びる半径方向隙間40を形成し、半径方向隙間40を形成する対向二面の少なくとも一方(本実施形態ではカバー材20の内径面)に、半径方向隙間40の隙間幅を部分的に縮小させる環状凸部Aとしての環状突起22を設けたことから、半径方向隙間40の経路上に非接触シール部を形成することができる。そのため、カバー材20と相手側との摺接による異音の発生やトルク上昇を効果的に防止しつつ、高温の化学水などが半径方向隙間40を介して継手内部に浸入するのを可及的に阻止することができる。特に本実施形態では、カバー材20の他端22に設けたフランジ部24により、作動角0°の状態における半径方向隙間40(継手内部)への化学水などの浸入が効果的に防止され(図1参照)、また、カバー材20の内径面に設けた環状凸部Aとしての環状突起23により、作動角をとった状態における継手内部への化学水などの浸入が効果的に阻止される(図2参照)。従って、シール装置30の腐食等による劣化に起因したシール性能の低下、ひいては動力伝達性能の早期低下を一層効果的に防止することができる。
一方、本発明の構成上、カバー材20には高温の化学水などが勢い良くかつ直接的に降りかかるため、カバー材20自体が腐食等し易くなるが、カバー材20は、その一端21が第2軸部材3に設けたカバー取付フランジ4に締結部材27により固定されていることから、それ自体の保守点検や交換等のメンテナンスを実行する際には、締結部材27を取り外せば良い。そのため、カバー材20のメンテナンスを実行する際に要する手間は、シール装置30のメンテナンスを実行する際に要する手間よりも格段に軽減される。以上のことから、本発明によれば、この種の等速自在継手1のシール性能向上と、メンテナンス作業性の向上とを同時に達成することができる。
なお、本実施形態のように、カバー材20の一端21を第2軸部材3のカバー取付フランジ4に固定し、カバー材20の他端22(フランジ部24)を第1軸部材2の外径側に配置すれば、これとは逆の構成を採用する場合に比べ、カバー材20の開口部(半径方向隙間40の入口部)からシール装置30に至るまでの距離をかせぐことができる。そのため、高温の化学水等がシール装置30に到達し難くなり、シール装置30の耐久寿命向上を図る上で有利となる。
図3及び図4に、本発明の第2実施形態に係る等速自在継手1を示す。なお、図3は、第2実施形態に係る等速自在継手1が角度変位していない状態(作動角0°の状態)を示しており、図4は、同等速自在継手1が角度変位した状態(最大作動角をとった状態)を示している。
図3及び図4に示す等速自在継手1が以上で示した本発明の第1実施形態に係る等速自在継手1と異なる主な点は、半径方向隙間40の隙間幅を部分的に縮小させるための環状凸部Aを、カバー材20に替えて、シール装置30を構成するブーツ保持部材32に設けた点にある。詳しくは、図1及び図2に示した第1実施形態と比較して、外径寸法を拡大させたブーツ保持部材32の外径端部32aで環状凸部Aを構成している。このような構成を採用しても、上記同様の作用効果を奏することができる。
環状凸部Aのうち半径方向隙間40の形成面B(ここでは、ブーツ保持部材32の外径面32b)は、軸線と平行な円筒面に形成することも可能であるが、このようにすると、等速自在継手1が作動角をとったときに、ブーツ保持部材32の外径端部32aとカバー材20とが干渉し易くなることから、設計上、環状凸部A全体の径方向突出量を小さくする必要が生じてシール性能が低下する可能性がある。そこで、環状凸部Aのうち半径方向隙間40の形成面B(ブーツ保持部材32の外径面32b)を、作動角0°の状態における半径方向隙間40の隙間幅をカバー材20の一端21側に向けて漸次拡大させる方向の傾斜面に形成している。これにより、等速自在継手1が作動角をとったときに、ブーツ保持部材32の外径端部32a(環状凸部A)とカバー材20とが干渉し難くなるので、カバー材20との干渉を回避するために、環状凸部A全体の径方向突出量を小さくする必要がなくなる。そのため、半径方向隙間40の隙間幅(半径方向隙間40の経路上に形成される非接触シール部の隙間幅)を小さくしてシール性能を高めることができる。
なお、その他の構成は、図1及び図2に示す第1実施形態に係る等速自在継手1に準ずるので、共通の参照番号を付して重複説明を省略する。以下に示す本発明の第3及び第4実施形態に係る等速自在継手1についても、図1及び図2に示す第1実施形態に係る等速自在継手1に準ずる構成には、共通の参照番号を付し、重複説明を省略する。
図5に、本発明の第3実施形態に係る等速自在継手1を示す。この等速自在継手1は、両継手部材11,12間の開口部15を密封するシール装置30の構成が以上で示した実施形態と異なり、さらに、連結部材18を省略して外側継手部材11の端部内周に第1軸部材2の一端を嵌合固定した点、および第2軸部材3の軸端を被覆するカバー19を設けた点において、以上で示した実施形態と構成を異にしている。なお、カバー材20の内径面で形成される半径方向隙間40の隙間幅を部分的に縮小するための構成は、第1実施形態と同様である。
この実施形態のシール装置30は、スペーサ38を介して第2軸部材3の外周に装着され、外周面に凸球面部34aが設けられたリング状の凸球面部材34と、締結部材36により外側継手部材11に装着され、内周面に凸球面部34aと球面接触する凹球面部35aが設けられたリング状の凹球面部材35とを備えており、凸球面部材34の凸球面部34aは、凸球面部材34と内側継手部材12との間に介設された弾性部材37の弾性復元力により、凹球面部材35の凹球面部35aに対して常時附勢されている。このような構成のシール装置30では、両軸部材2,3(両継手部材11,12)が角度変位するのに伴って、凸球面部材34の凸球面部34aと凹球面部材35の凹球面部35aとが接触状態を保ったまま両者が相対スライドすることにより、両継手部材11,12間の開口部15が密封される。
図6に、本発明の第4実施形態に係る等速自在継手1を示す。この等速自在継手1は、基本的な構成は図5に示す実施形態と共通しており、カバー材20の内径面で形成される半径方向隙間40の隙間幅を部分的に縮小するための構成を、第2実施形態に準ずるものとしている。すなわち、開口部15を密封するシール装置30のうち、外側継手部材11に固定される凹球面部材35の外径端部35bで環状凸部Aを構成し、この環状凸部Aにより半径方向隙間40の隙間幅を部分的に縮小させている。また、環状凸部Aのうち半径方向隙間を形成する形成面Bとしての凹球面部材35の外径面35cは、半径方向隙間40の隙間幅をカバー材20の一端21側に向けて漸次拡大させる方向に傾斜した傾斜面に形成している。
以上、本発明の実施形態に係る等速自在継手1について説明を行ったが、本発明に係る等速自在継手1には、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他の変更を施すことも可能である。例えば、以上の実施形態では、カバー材20の内径面で形成される半径方向隙間40の隙間幅を縮小させるための環状凸部Aを、半径方向隙間40を形成する対向二面の何れか一方に設けた構成としたが、環状凸部Aは、対向二面の双方に設けても構わない。また、環状凸部Aは、軸方向の一箇所のみならず、軸方向の複数箇所に設けても構わない。要するに、環状凸部Aは、両継手部材11,12(軸部材2,3)の角度変位の範囲内において、外側継手部材11やシール装置30との干渉を回避しつつ、カバー材20の内周面で形成される半径方向隙間40の隙間幅(環状空間の空間幅)を部分的に極小化し、外側継手部材11やシール装置30などの相手側との間に外部からの異物浸入を可及的に防止する非接触シール部を形成することができれば、その径方向寸法(径方向の突出量)や軸方向での形成位置及び個数は任意に設定することができる。
また、以上の実施形態では、個別に製作した第1軸部材2と外側継手部材11とを適宜の手段で結合一体化しているが、第1軸部材2と外側継手部材11とは一体形成することも可能である。また、以上の実施形態では、個別に製作した内側継手部材12と第2軸部材3とをスプライン嵌合により結合一体化しているが、第2軸部材3と内側継手部材12とを一体形成することも可能である。
1 等速自在継手
2 第1軸部材
3 第2軸部材
4 カバー取付フランジ
11 外側継手部材
12 内側継手部材
13 ケージ
14 ボール(トルク伝達部材)
15 開口部
20 カバー材
21 一端
22 他端
23 環状突起(環状凸部)
24 フランジ部
30 シール装置
31 ブーツ(可撓性ブーツ)
32 ブーツ保持部材
34 凸球面部材
35 凹球面部材
40 半径方向隙間
A 環状凸部
B 半径方向隙間の形成面

Claims (9)

  1. 二軸間に介設され、前記二軸の角度変位を許容しながら前記二軸間で回転トルクを伝達する等速自在継手であって、一方の軸に設けられる外側継手部材と、他方の軸に設けられる内側継手部材と、両継手部材間に配されたトルク伝達部材と、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間に形成される開口部を密封するシール装置とを備えるものにおいて、
    一端が前記二軸の何れか一方に固定されて軸方向に延び、内周に収容した前記外側継手部材及び前記シール装置との間に軸方向に延びた半径方向隙間を形成する円筒状のカバー材を設け、前記半径方向隙間を形成する対向二面の少なくとも一方に、前記半径方向隙間の隙間幅を部分的に縮小させる環状凸部を設けたことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記カバー材の他端に、作動角0°の状態で前記半径方向隙間の入口部を実質的に封口するフランジ部が設けられた請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記シール装置を、一端が前記他方の軸に嵌着され、少なくとも一部が可撓性材料で形成されたブーツと、該ブーツの他端を保持するブーツ保持部材とを備えるもので構成した請求項1又は2に記載の等速自在継手。
  4. 前記ブーツ保持部材に前記環状凸部が設けられた請求項3に記載の等速自在継手。
  5. 前記シール装置を、前記他方の軸に装着され、外周面に凸球面部が設けられた凸球面部材と、前記外側継手部材に装着され、内周面に前記凸球面部と球面接触する凹球面部が設けられた凹球面部材とを備えるもので構成した請求項1又は2に記載の等速自在継手。
  6. 前記凹球面部材に前記環状凸部が設けられた請求項5に記載の等速自在継手。
  7. 前記カバー材に前記環状凸部が設けられた請求項1〜6の何れか一項に記載の等速自在継手。
  8. 前記カバー材の一端を前記他方の軸に固定し、前記カバー材の他端を前記一方の軸の外径側に配置した請求項1〜7の何れか一項に記載の等速自在継手。
  9. 前記環状凸部のうち前記半径方向隙間の形成面を、作動角0°の状態における前記半径方向隙間の隙間幅を前記カバー材の一端側に向けて漸次拡大させる傾斜面に形成した請求項1〜8の何れか一項に記載の等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015113875A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 Ntn株式会社 等速自在継手
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