JP2020159459A - 等速自在継手用ブーツ - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで小径部の亀裂を防止できる等速自在継手用ブーツを提供する。【解決手段】等速自在継手の外側継手部材の外周に配置される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結された動力伝達軸Sの外周に配置される小径部40bと、大径部と小径部40bとの間に設けられた蛇腹部40cと、を備える等速自在継手用ブーツ40Bであって、小径部40bの少なくとも蛇腹部40c側の外周面に、周方向に伸びる周方向溝50を設けた。【選択図】図4
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達装置において使用される等速自在継手用ブーツに関する。
自動車や各種産業機械に用いられる動力伝達装置として、ドライブシャフトやプロペラシャフト等の動力伝達軸に等速自在継手が連結されたものが知られている。
この種の動力伝達装置においては、継手内部への砂塵等の侵入や、継手内部からのグリース等の漏洩を防止するために、動力伝達軸と等速自在継手との間に筒状のブーツが装着されている。
一般的に、ブーツは、等速自在継手の外側継手部材の外周面に固定される大径部と、動力伝達軸の外周面に固定される小径部と、小径部と外径端部との間に設けられた蛇腹部とで構成されている。
ところで、ブーツが装着された等速自在継手が作動角をとった状態で回転すると、ブーツの小径部と蛇腹部との間で応力集中が生じることで、小径部の特に蛇腹部側の部分に亀裂が発生することがある。
斯かる課題に対して、特許文献1では、蛇腹部の小径側の外面に複数の補強フィンを一体成形することで、小径側取付部(小径部)への負荷を軽減する対策が提案されている。
また、特許文献2では、小径取付部(小径部)と蛇腹部との間の部分を、シャフトに設けられた突出外面と、これに対応する位置に取り付けられる抑制部材とで挟むことで、小径取付部と蛇腹部との間の部分の変形を抑制する対策が提案されている。
しかしながら、上記のような、ブーツに補強フィンを設けたり、抑制部材などの別部材を用いたりする対策では、ブーツの大幅な設計変更や部品点数の増加に繋がるため、製造コストが増大するといった課題がある。
そこで、本発明は、低コストで小径部の亀裂を防止できる等速自在継手用ブーツを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、等速自在継手の外側継手部材の外周に配置される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結された動力伝達軸の外周に配置される小径部と、大径部と小径部との間に設けられた蛇腹部と、を備える等速自在継手用ブーツであって、小径部の少なくとも蛇腹部側の外周面に、周方向に伸びる周方向溝を設けたことを特徴とする。
このように、小径部の少なくとも蛇腹部側の外周面に、周方向に伸びる周方向溝を設けることで、小径部の蛇腹部側への軸方向の変形が許容されやすくなる。また、周方向溝が設けられることで、小径部の表面積が増え、小径部に生じる応力を分散することができるようになる。これにより、等速自在継手が作動角をとった際に、蛇腹部の変形に伴って小径部と蛇腹部との間に軸方向の引っ張り力が生じても、小径部の変形が許容され、応力が分散されることで、応力集中を緩和することができ、周方向の亀裂の発生を防止できるようになる。
また、上記課題を解決するため、本発明は、等速自在継手の外側継手部材の外周に配置される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結された動力伝達軸の外周に配置される小径部と、大径部と小径部との間に設けられた蛇腹部と、を備える等速自在継手用ブーツであって、小径部の少なくとも蛇腹部側の外周面に、軸方向に伸びる軸方向溝を設けたことを特徴とする。
このように、小径部の少なくとも蛇腹部側の外周面に、軸方向に伸びる軸方向溝を設けることで、小径部の周方向への変形が許容されやすくなる。また、軸方向溝が設けられることで、小径部の表面積が増え、小径部の外周面に生じる応力を分散することができるようになる。これにより、等速自在継手が作動角をとった際に、蛇腹部の変形に伴って小径部に周方向の引っ張り力が生じても、小径部の変形が許容され、応力が分散されることで、応力集中を緩和することができ、軸方向の亀裂の発生を防止できるようになる。
また、小径部の少なくとも蛇腹部側の外周面に、周方向に伸びる周方向溝と、軸方向に伸びる軸方向溝との、両方を設けてもよい。この場合、小径部における周方向の亀裂と軸方向の亀裂の両方を効果的に防止できるようになる。
また、本発明は、樹脂製のブーツに適用することが好ましい。樹脂製のブーツはゴム製のブーツに比べて柔軟性に劣ることから、等速自在継手が高作動角をとったときに、小径部と蛇腹との間で応力集中が生じやすく、繰り返し屈曲に対する必要な耐疲労性が得られにくい傾向にある。従って、このような耐疲労性が得られにくい樹脂製のブーツに対して本発明を適用することで、小径部における亀裂の発生を効果的に防止できるようになる。
また、本発明は、インボード側(車幅方向内側)の等速自在継手に取り付けられるブーツに適用することが好ましい。インボード側のブーツは、カバーなどで覆われて放熱されにくかったり、アウトボード側に比べて空冷効果が得られにくかったりするため、高温による劣化が生じやすくなる虞がある。従って、このような劣化が生じやすいインボード側のブーツに対して本発明を適用することで、小径部における亀裂の発生を効果的に防止できるようになる。
本発明によれば、従来のような補強フィンをブーツに設けたり、ブーツの変形を抑制する別部材を設けたりしなくても、ブーツの小径部に周方向溝又は軸方向溝を設けるだけで、小径部における亀裂の発生を効果的に防止できるので、低コストで小径部の亀裂を防止できる等速自在継手用ブーツを提供できるようになる。
以下、添付の図面に基づき、本発明について、ドライブシャフトに用いられるブーツを例に説明する。なお、本発明は、斯かるブーツに限らず、その他の産業機械の等速自在継手に用いられるブーツにも適用可能である。また、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1〜図3に基づき、ドライブシャフトの全体構成について説明する。
図1に示すように、このドライブシャフトは、一対の等速自在継手1,2と、この一対の等速自在継手1,2を連結する動力伝達軸としてのシャフトSと、を備えている。この図例では、アウトボード側(車幅方向外側又は車輪側)に配置される一方の等速自在継手1がバーフィールド型の固定式等速自在継手であり、インボード側(車幅方向内側又はデフ側)に配置される他方の等速自在継手2がトリポード型の摺動式等速自在継手である。
図1及び図2に示すように、固定式等速自在継手1は、外側継手部材3と、内側継手部材4と、トルクを伝達するための複数のボール5と、ボール5を保持する保持器6と、を備える。
外側継手部材3は、一端にて開口したカップ部7と、このカップ部7の底壁から突設されるステム部8とにより構成される。カップ部7は、その内側に球面状の内球面9を有する。内球面9は、軸方向に沿って曲線状に構成される複数のトラック溝10を有する。複数のトラック溝10は、カップ部7の周方向に所定の間隔をおいて形成される。
内側継手部材4は環状(筒状)に構成されると共に、中心孔11と、球面状の外球面12と、を備える。中心孔11は、スプライン嵌合によりシャフトSに対して動力伝達可能に連結されている。外球面12は、軸方向に沿って曲線状に構成される複数のトラック溝15を有する。複数のトラック溝15は、内側継手部材4の周方向に所定の間隔をおいて形成される。各トラック溝15は、外側継手部材3のトラック溝10と対向するように配される。これにより、外側継手部材3のトラック溝10と内側継手部材4のトラック溝15とでボール5を収容するボールトラックが構成されている。
ボール5は、外側継手部材3及び内側継手部材4の各トラック溝10,15に収容されており、各トラック溝10,15の範囲内で転動しながら外側継手部材3、内側継手部材4間に動力を伝達する。
保持器6は環状に構成されると供に、外側継手部材3の内球面9と内側継手部材4の外球面12との間の空間に収容される。保持器6は、球面状に構成される外球面16及び内球面17と、ボール5を保持する複数のポケット19と、を備える。
外球面16は、外側継手部材3の内球面9に接触している。内球面17は、内側継手部材4の外球面12に接触している。複数のポケット19は、保持器6の周方向に一定の間隔をおいて形成されている。ポケット19は、すき間嵌め又は圧入によってボール5を保持する。
図1及び図3に示すように、摺動式等速自在継手2は、外側継手部材22と、内側継手部材としてのトリポード部材23と、トルク伝達部材24と、を備える。
外側継手部材22は、一端にて開口したカップ部25と、カップ部25の底壁から突設されるステム部26と、を備える。カップ部25は、内周面の円周方向三等分位置に、軸方向に直線状に延びるトラック溝27を有する。
トリポード部材23は、ボス28と、脚軸29と、を備える。ボス28は環状(筒状)に構成されると供に、軸孔30を備える。脚軸29は、ボス28の外周面における円周方向三等分位置から半径方向に突出し、トルク伝達部材24を回転可能に支持している。
トルク伝達部材24は、ローラ33と、複数の針状ころ34と、を備える。針状ころ34は、ローラ33と脚軸29との間に、保持器のない、いわゆる単列総ころ状態で配置されている。脚軸29の外周面は針状ころ34の内側転動面を構成し、ローラ33の内周面は針状ころ34の外側転動面を構成している。
針状ころ34は、脚軸29の付け根部側に装着された環状のインナワッシャ35と継手径方向内側で接すると共に、脚軸29の先端部側に装着された環状のアウタワッシャ36と継手径方向外側で接している。これにより、針状ころ34は、脚軸29に対して軸方向移動が規制されている。また、アウタワッシャ36は、脚軸29の先端部側に形成された環状溝37に丸サークリップ等の止め輪38を嵌合することにより抜け止めされている。これにより、アウタワッシャ36は、針状ころ34の位置決め及び抜けの防止と、ローラ33の抜けの防止とを兼ねている。
シャフトSと各外側継手部材3,22との間には、外部からの異物の侵入および内部からのグリースの漏洩を防止するための筒状のブーツ40A,40Bがそれぞれ装着されている。ブーツ40A,40Bは、大径部40aと、小径部40bと、大径部40aと小径部40bとを連結する蛇腹部40cとからなる。ブーツ40A,40Bの大径部40aは外側継手部材3(カップ部7)の開口端でブーツバンド41A,41Bにより締め付け固定され、小径部40bはシャフトSの中途部に形成されるブーツ装着部42,43にて、ブーツバンド44A,44Bにより締め付け固定されている。
ところで、自動車等の等速自在継手に用いられるブーツには、大きく分けてゴム製のものと樹脂製のものとがある。特に、外気に曝されやすいアウトボード側のブーツには、耐オゾン性や耐摩耗性についての要求を満たすため、樹脂製のものが用いられ、インボード側には、樹脂製のものよりも安価なゴム製のものを用いることが主流となっている。しかしながら、近年では、樹脂製ブーツの価格が安くなってきたことや、軽量化の目的などで、インボード側のブーツにおいても樹脂製ブーツが用いられるようになってきている。
ただし、樹脂製ブーツは、ゴム製ブーツに比べて柔軟性に劣ることから、等速自在継手が高作動角をとったときに、小径部と蛇腹との間で応力集中が生じやすく、繰り返し屈曲に対する必要な耐疲労性が得られにくいといった短所がある。また、樹脂製ブーツをインボード側に配置した場合は、カバーなどで覆われて放熱されにくい環境になることも想定されるため、アウトボード側に比べて空冷効果が得られにくく、高温になる虞がある。このように、樹脂製ブーツを特にインボート側に配置した場合は、小径部と蛇腹部との間での応力集中と劣化により亀裂が発生しやすくなると考えられる。
上記のような事情を踏まえ、樹脂製ブーツについて、高温環境下での耐久試験を行ったところ、ブーツの小径部に周方向に伸びる亀裂と軸方向に伸びる亀裂とが生じたものがあった。斯かる亀裂の原因は、高温環境下によるブーツの劣化もさることながら、等速自在継手が作動角をとったときのブーツの変形による応力集中や、これに伴ってブーツバンドがブーツに強く食い込むことによる応力集中が、主な原因と考えられる。すなわち、等速自在継手が作動角をとると、ブーツの断面がほぼ真円形状から楕円形状に変形するため、その曲率が大きい箇所でブーツは大きく曲げられることになる。そして、このときにブーツの表面が周方向に強く引っ張られることで、この負荷に耐えられなくなったときに、図12に示すように、小径部40bの表面(外周面)が裂けて軸方向の亀裂C1が発生すると考えられる。また、等速自在継手が作動角をとった場合は、蛇腹部の変形に伴って小径部が蛇腹部側に引っ張られることで、図13に示すように、小径部40bのブーツバンド44Bを固定する凹部45のうち、特にその底面45aと蛇腹部40c側の周壁面45bとの間の隅部や、ブーツバンド44Bのエッジが食い込む箇所で応力集中が生じ、周方向の亀裂C2が発生すると考えられる。
そこで、本発明では、上記のような亀裂を防止するため、以下のような対策を講じている。まず、周方向の亀裂に対する対策について説明する。
図4及び図5に、周方向の亀裂への対策を施したインボード側の樹脂製ブーツの実施形態を示す。図4は、ブーツ40Bの小径部40b及びその周辺の縦断面図、図5は、図4のA矢視図である。
図4及び図5に示すように、本実施形態に係るブーツ40Bにおいては、小径部40bのブーツバンド44Bを固定する凹部45のうち、その底面45aと蛇腹部40c側の周壁面45bとの間の隅部、すなわち等速自在継手が作動角をとった際に軸方向の引っ張り力による応力集中が生じやすい箇所(外周面)に、ブーツ40Bの周方向Y(図5参照)に伸びる周方向溝50を設けている。本実施形態では、周方向溝50が、凹部45の蛇腹部40c側の隅部の全周に渡って連続して設けられている。また、図4に示すように、周方向溝50の断面形状は、円弧状又は凹曲面状に形成されている。
このように、本実施形態に係るブーツ40Bにおいては、小径部40bの蛇腹部40c側の箇所に周方向溝50を設けることで、小径部40bの蛇腹部40c側への軸方向の変形が許容されやすくなる。また、周方向溝50が設けられることで、小径部40bの表面積が増え、小径部40b(凹部45)の蛇腹部40c側の隅部に生じる応力を分散することができるようになる。これにより、等速自在継手が作動角をとった際に、蛇腹部40cの変形に伴って小径部40bと蛇腹部40cとの間に軸方向の引っ張り力が生じても、小径部40bの変形が許容され、応力集中が緩和されることで、周方向の亀裂の発生を防止できるようになる。
周方向溝50の断面形状は、任意の形状を選択できるが、応力集中を極力緩和できるように、本実施形態のような円弧状や凹曲面状などの角部(隅部)の無い断面形状であることが望ましい。本実施形態では、周方向に連続する1本の周方向溝50を設けているが、亀裂が生じる虞のある範囲の大きさによっては、周方向溝50を2本以上平行に設けてもよい。また、本実施形態のように、周方向溝50を、ブーツバンド44BのエッジZに対応する部分に至るまで広げていることで(図4参照)、小径部40bに対するブーツバンド44BのエッジZの食い込みを回避でき、エッジZが食い込むことによる亀裂の発生を効果的に防止できるようになる。
次に、軸方向の亀裂に対する対策について説明する。
図6〜図8に、軸方向の亀裂への対策を施したインボード側の樹脂製ブーツの実施形態を示す。図6は、ブーツ40Bの小径部40b及びその周辺の縦断面図、図7は、図6のB矢視図、図8は、図6のC−C横断面図である。
図6〜図8に示すように、本実施形態に係るブーツ40Bにおいては、小径部40bのブーツバンド44Bを固定する凹部45のうち、その底面45aと蛇腹部40c側の周壁面45bとに渡って、すなわち等速自在継手が作動角をとった際に周方向に引っ張り力が生じやすい箇所(外周面)に、ブーツ40Bの軸方向X(図7参照)に伸びる複数の軸方向溝51を設けている。図8に示すように、本実施形態では、複数の軸方向溝51が、小径部40bの周方向に渡って等間隔に設けられている。また、図8に示すように、各軸方向溝51の断面形状は、円弧状又は凹曲面状に形成されている。
このように、本実施形態に係るブーツ40Bにおいては、小径部40bに複数の軸方向溝51を設けることで、小径部40bの周方向への変形が許容されやすくなる。また、軸方向溝51が設けられることで、小径部40bの表面積が増え、小径部40bの外周面に生じる応力を分散することができるようになる。これにより、等速自在継手が作動角をとった際に、蛇腹部40cの変形に伴って小径部40bに周方向の引っ張り力が生じても、小径部40bの変形が許容され、応力集中が緩和されることで、軸方向の亀裂の発生を防止できるようになる。
軸方向溝51の断面形状は、任意の形状を選択できるが、応力集中を極力緩和できるように、本実施形態のような円弧状や凹曲面状などの角部(隅部)の無い断面形状であることが望ましい。本実施形態では、軸方向溝51を、ブーツ40Bの軸方向Xと平行に設けているが、軸方向Xに対して傾斜するように軸方向溝51を設けてもよい。また、本実施形態では、軸方向溝51を、凹部45の底面45a及び蛇腹部40c側の周壁面45bの全体に渡って設けているが、これらの一部に軸方向溝51を設けてもよい。軸方向溝51は、特に周方向の引っ張り力による応力集中が生じやすい小径部40bの蛇腹部40c側の部分に少なくとも設けられることが望ましい。
以上、周方向の亀裂に対する対策と、軸方向の亀裂に対する対策について説明したが、いずれの亀裂の発生も効果的に防止するため、図9に示す実施形態のように、小径部40bに、周方向溝50と軸方向溝51との両方を設けてもよい。
また、本発明は、亀裂の生じやすい環境下にあるインボード側の樹脂製ブーツに適用することが好ましいが、アウトボード側に配置されるブーツに対して適用してもよい。アウトボード側のブーツであっても、ブーツの材質や使用環境などにより小径部に周方向の亀裂や軸方向の亀裂が発生する虞があり、これらの亀裂の発生を防止するために、上述の周方向溝50や軸方向溝51を設けることが好ましい。
図10及び図11に、図1に示すアウトボート側のブーツ40Aに対して、周方向溝50又は軸方向溝51を設けた実施形態を示す。図10は、アウトボード側のブーツ40Aの小径部40bに周方向溝50を設けた図であり、図11は、同ブーツ40Aの小径部40bに軸方向溝51を設けた図である。なお、アウトボード側のブーツ40Aに設けられた周方向溝50及び軸方向溝51の詳細については、上述のインボード側のブーツ40Bの場合と同様であるので説明を省略する。また、インボード側のブーツ40Bと同様に、アウトボード側のブーツ40Aに対しても周方向溝50と軸方向溝51との両方を設けることも可能である。
また、本発明は、樹脂製ブーツに限らず、ゴム製ブーツにも適用可能である。一般的に、ゴム製ブーツは、樹脂製ブーツに比べて亀裂が生じにくい傾向にあるが、過酷な環境下でブーツが使用される場合、ゴム製ブーツであっても亀裂の発生が全くないとは限らない。そのため、ゴム製ブーツの小径部においても、亀裂の発生を防止するため、上述の周方向溝50や軸方向溝51を設けてもよい。
以上のように、本発明によれば、ブーツの小径部に周方向溝又は軸方向溝を設けるだけで、小径部における亀裂の発生を効果的に防止できるようになる。すなわち、本発明によれば、従来のような補強フィンをブーツに設けたり、ブーツの変形を抑制する別部材を設けたりする必要がないので、低コストで小径部の亀裂を防止できる等速自在継手用ブーツを提供できるようになる。
なお、本発明は上述の実施形態に何ら限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1 固定式等速自在継手
2 摺動式等速自在継手
3 外側継手部材
22 外側継手部材
40A ブーツ
40B ブーツ
40a 大径部
40b 小径部
40c 蛇腹部
50 周方向溝
51 軸方向溝
S シャフト(動力伝達軸)
2 摺動式等速自在継手
3 外側継手部材
22 外側継手部材
40A ブーツ
40B ブーツ
40a 大径部
40b 小径部
40c 蛇腹部
50 周方向溝
51 軸方向溝
S シャフト(動力伝達軸)
Claims (5)
- 等速自在継手の外側継手部材の外周に配置される大径部と、前記等速自在継手の内側継手部材に連結された動力伝達軸の外周に配置される小径部と、前記大径部と前記小径部との間に設けられた蛇腹部と、を備える等速自在継手用ブーツであって、
前記小径部の少なくとも前記蛇腹部側の外周面に、周方向に伸びる周方向溝を設けたことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。 - 等速自在継手の外側継手部材の外周に配置される大径部と、前記等速自在継手の内側継手部材に連結された動力伝達軸の外周に配置される小径部と、前記大径部と前記小径部との間に設けられた蛇腹部と、を備える等速自在継手用ブーツであって、
前記小径部の少なくとも前記蛇腹部側の外周面に、軸方向に伸びる軸方向溝を設けたことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。 - 等速自在継手の外側継手部材の外周に配置される大径部と、前記等速自在継手の内側継手部材に連結された動力伝達軸の外周に配置される小径部と、前記大径部と前記小径部との間に設けられた蛇腹部と、を備える等速自在継手用ブーツであって、
前記小径部の少なくとも前記蛇腹部側の外周面に、周方向に伸びる周方向溝と、軸方向に伸びる軸方向溝と、を設けたことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。 - 樹脂製のブーツである請求項1から3のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
- インボード側の等速自在継手に取り付けられるブーツである請求項1から4のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
Priority Applications (1)
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JP2019059065A JP2020159459A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 等速自在継手用ブーツ |
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JP2019059065A JP2020159459A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 等速自在継手用ブーツ |
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