JP7110143B2 - シール付き等速自在継手 - Google Patents

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この発明は、主として産業機械に使用されるシール付き等速自在継手に関する。
駆動軸と被駆動軸とを交差角をもって配置し、その駆動軸から被駆動軸に常に等しい角速度で回転を伝達するように駆動軸と被駆動軸を連結する継手として、等速自在継手が用いられる(特許文献1~3)。
特許文献1~3の等速自在継手は、環状の外側継手部材と、外側継手部材の径方向内側に配置された内側継手部材と、複数のボールと、そのボールをそれぞれ収容する複数のポケットをもつケージとを有する。ここで、外側継手部材の内周には、周方向に間隔をおいて複数の外側トラック溝が形成され、内側継手部材の外周には、周方向に間隔をおいて複数の内側トラック溝が形成され、ボールは、外側トラック溝と内側トラック溝とに同時に転がり接触するように外側継手部材と内側継手部材の間に組み込まれている。ケージは、外側継手部材の内周に形成された凹球面と内側継手部材の外周に形成された凸球面とで摺動可能に支持されている。
ところで、上記の等速自在継手を産業機械の動力伝達機構に組み込む場合、継手の外部から内部への異物侵入を防止したり、継手の内部から外部へのグリース漏れを防止したりするため、外側継手部材と、内側継手部材に連結したシャフトとの間をシールするシール装置を使用することが多い。
特許文献1では、等速自在継手のシール装置として、柔軟性を有するブーツを使用している。ブーツは、山部と谷部が軸方向に交互に並んだ断面形状をもつ筒状の部材であり、柔軟性をもつ素材(熱可塑性エラストマー)で形成されている。ブーツの一端は、外側継手部材の外周にブーツバンドで締め付けて固定され、ブーツの他端も、シャフトの外周にブーツバンドで締め付けて固定されている。
しかし、産業機械用の等速自在継手は、高温環境や、水蒸気による多湿環境や、スケールや薬品等が飛散する環境などの劣悪環境で使用されることが多い。この場合、特許文献1のように、等速自在継手のシール装置にブーツを使用したのでは、ブーツが劣化し、ブーツのシール性能が早期に低下する問題がある。
そこで、等速自在継手の劣悪環境での使用を可能とするため、特許文献2、3では、等速自在継手のシール装置に、球面シール構造を採用している。
特許文献2の球面シール構造は、球面状の内面をもつ蓋部材をシャフトの外周に装着し、その蓋部材の球面状の内面を、外側継手部材の軸方向の端部外周に摺接させたものである。
特許文献3の球面シール構造は、球面状の外面をもつシール内環をシャフトの外周に装着し、そのシール内環の球面状の外面に摺接するシール部を内周にもつシール外環を外側継手部材に固定したものである。
特開2007-155002号公報 特開2007-309367号公報 特開2010-65814号公報
特許文献2のように、球面状の内面をもつ蓋部材をシャフトの外周に装着し、その蓋部材の球面状の内面を、外側継手部材の軸方向の端部外周に摺接させたシール装置を採用すると、シール装置の外径や軸方向長さなどが大きいため、省スペースが求められる箇所に使用することが難しい。
一方、特許文献3のように、球面状の外面をもつシール内環をシャフトの外周に装着し、そのシール内環の球面状の外面に摺接するシール部を内周にもつシール外環を外側継手部材に固定したシール装置を採用すると、シール装置の外径や軸方向長さなどを抑えることが可能となるが、外側継手部材とシャフトがなす交差角を大きくとることができないという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、省スペースであり、かつ、交差角を大きくとることが可能なシール付き等速自在継手を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成のシール付き等速自在継手を提供する。
内周に周方向に間隔をおいて複数の外側トラック溝が形成された環状の外側継手部材と、
前記外側継手部材の径方向内側に配置され、外周に周方向に間隔をおいて複数の内側トラック溝が形成された内側継手部材と、
前記外側トラック溝と前記内側トラック溝とに同時に転がり接触するように前記外側継手部材と前記内側継手部材の間に組み込まれた複数のボールと、
前記複数のボールをそれぞれ収容する複数のポケットをもち、前記外側継手部材の内周に形成された凹球面と前記内側継手部材の外周に形成された凸球面とで摺動可能に支持されたケージと、
前記内側継手部材に連結されたシャフトと、
前記外側継手部材と前記シャフトの間をシールするシール装置と、
を備えたシール付き等速自在継手において、
前記シール装置は、
前記シャフトの外周に支持され、球面状の第1摺接面を外周にもつシール内環と、
前記第1摺接面に摺接する環状の第1シール部を内周にもち、球面状の第2摺接面を外周にもつシール中環と、
前記第2摺接面に摺接する環状の第2シール部を内周にもち、前記外側継手部材に固定されるシール外環と、を有することを特徴とするシール付き等速自在継手。
このようにすると、シール外環とシール内環の間にシール中環が設けられ、そのシール中環とシール外環が径方向に重なり合い、かつ、シール中環とシール内環も径方向に重なり合う構成とされているので、省スペースで、大きな交差角を得ることができる。
前記シール中環は、前記ケージが前記外側継手部材に対して角度変位したときに前記ケージの軸方向端面に前記シール中環が押し動かされて前記ケージと一緒に角度変位するように前記ケージの軸方向端面と対向して設けると好ましい。
このようにすると、シャフトが外側継手部材に対して角度変位するとき、ケージは、シャフトの角度変位の半分の角度まで角度変位し、シール中環も、ケージの軸方向端面に押し動かされることで、シャフトの角度変位の半分程度の角度まで角度変位することとなる。そのため、シャフトを外側継手部材に対して大きく角度変位させたときにも、シール外環とシール中環の間に隙間が生じたり、シール中環とシール内環との間に隙間が生じたりするのを防止することが可能である。
前記内側継手部材と前記シール内環との間に、前記シール内環を前記シール中環に向けて押圧するスプリングを設けると好ましい。
このようにすると、スプリングの押圧力によって、シール内環とシール中環の摺接部分のシール性を高め、かつ、シール中環とシール外環の摺接部分のシール性も高めることが可能となる。
前記第1摺接面の球径は、前記内側継手部材の外周の前記凸球面の球径よりも小さく設定すると好ましい。
このようにすると、シャフトを外側継手部材に対して大きく角度変位させたときに、シール内環がケージに干渉するのを防止することができる。
前記第2摺接面の球径は、前記外側継手部材の内周の前記凹球面の球径よりも小さく設定すると好ましい。
このようにすると、シャフトを外側継手部材に対して大きく角度変位させたときに、シール中環が外側継手部材に干渉するのを防止することができる。
前記シール中環の内周には、前記内側継手部材の外周の凸球面よりも大径で、前記内側継手部材の側に開放する内径拡大部を形成すると好ましい。
このようにすると、シャフトを外側継手部材に対して大きく角度変位させたときに、シール中環が内側継手部材に干渉するのを防止することができる。
前記シール内環、前記シール中環、前記シール外環は、いずれも金属またはプラスチックで形成すると好ましい。
このようにすると、シール内環、シール中環、シール外環の剛性が高く、遠心力による膨張変形を生じにくいので、高速回転する用途に等速自在継手を使用することが可能となる。
前記第1摺接面および前記第2摺接面に固体潤滑皮膜を形成すると好ましい。
このようにすると、シール内環、シール中環、シール外環の相対移動が円滑となる。また、シール内環とシール中環の摺接部分や、シール中環とシール外環の摺接部分が摩耗しにくくなるので、長期にわたってシール性能を確保することが可能となる。
前記固体潤滑皮膜としては、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレンのうち少なくとも1つ以上を含む皮膜を採用することができる。
この発明のシール付き等速自在継手は、シール外環とシール内環の間にシール中環が設けられ、そのシール中環とシール外環が径方向に重なり合い、かつ、シール中環とシール内環も径方向に重なり合う構成とされているので、省スペースで、大きな交差角を得ることが可能である。
この発明の実施形態のシール付き等速自在継手を示す断面図 図1のシール装置近傍を拡大して示す図 図1のシール付き等速自在継手を大きな交差角をもって作動させた状態を示す断面図 図3のシール装置近傍を拡大して示す図 図1のシール装置の第1摺接面および第2摺接面の近傍の拡大図 シール中環をもたず、シール内環とシール外環のみでシール装置を構成した比較例のシール付き等速自在継手を示す断面図
図1に、この発明の実施形態のシール付き等速自在継手を示す。このシール付き等速自在継手は、環状の外側継手部材1と、外側継手部材1の径方向内側に配置された内側継手部材2と、複数のボール3と、その複数のボール3をそれぞれ収容する複数のポケット4をもつケージ5と、内側継手部材2に連結されたシャフト6と、外側継手部材1とシャフト6の間をシールするシール装置7とを有する。
外側継手部材1の内周には、周方向に間隔をおいて複数の外側トラック溝8が形成されている。外側トラック溝8は、外側継手部材1の内周を軸方向に延びる溝である。内側継手部材2の外周には、周方向に間隔をおいて複数の内側トラック溝9が形成されている。内側トラック溝9は、内側継手部材2の外周を軸方向に延びる溝である。ボール3は、外側トラック溝8と内側トラック溝9とに同時に転がり接触するように外側継手部材1と内側継手部材2の間に組み込まれている。
ケージ5は、外側継手部材1の内周に形成された凹球面10と、内側継手部材2の外周に形成された凸球面11とで摺動可能に支持されている。ここで、ケージ5は、外側継手部材1の内周の凹球面10に摺接する球状の外周面12と、内側継手部材2の外周の凸球面11に摺接する球状の内周面13とを有する。ケージ5のポケット4は、ボール3の外周に嵌合する径方向の貫通孔である。ケージ5は、ケージ5とボール3が周方向と軸方向の両方向に一体に移動するように各ボール3を保持している。
外側継手部材1の内周の外側トラック溝8は、シャフト6の軸線を含む断面において溝底が円弧状に湾曲した形状を呈するように形成されている。内側継手部材2の外周の内側トラック溝9も、シャフト6の軸線を含む断面において溝底が円弧状に湾曲した形状を呈するように形成されている。ここで、外側トラック溝8の溝底の円弧中心と内側トラック溝9の溝底の円弧中心は、継手中心O(凹球面10の中心)から軸方向の逆向きに等距離だけオフセットしている。
シャフト6は、内側継手部材2の中心を軸方向に貫通する貫通孔14に挿入されている。シャフト6の外周には、内側継手部材2を間に挟んで一対の止め輪15,16が装着され、この止め輪15,16で内側継手部材2がシャフト6に対して軸方向に固定されている。貫通孔14はスプライン孔であり、貫通孔14に対するシャフト6の嵌合部分はスプライン軸である。この貫通孔14とシャフト6のスプライン嵌合により、内側継手部材2は、シャフト6に回り止めされている。その結果、内側継手部材2は、シャフト6に対して周方向と軸方向のいずれの方向にも相対移動しないようにシャフト6に固定されている。
図2に示すように、シール装置7は、球面状の第1摺接面17を外周にもつシール内環18と、第1摺接面17に摺接する環状の第1シール部19を内周にもつシール中環20と、シール中環20の外周に形成された球面状の第2摺接面21に摺接する環状の第2シール部22を内周にもつシール外環23とを有する。第1摺接面17は、継手中心O(図1参照)に中心をもつ球面状に形成されている。また、第2摺接面21も、継手中心Oに中心をもつ球面状に形成されている。
シール内環18は、シャフト6と一体に角度変位するように、シャフト6の外周に支持されている。内側継手部材2とシール内環18との間には、シール内環18をシール中環20に向けて押圧するスプリング24が設けられている。スプリング24は、シャフト6の周囲をらせん状に延びる圧縮コイルばねである。スプリング24の一端は、止め輪15で支持され、スプリング24の他端は、シール内環18に当接している。第1摺接面17の球径は、図3、図4に示すように、シール内環18が角度変位したときにシール内環18がケージ5に干渉しないように、内側継手部材2の外周の凸球面11の球径よりも小さく設定されている。
シール中環20の内周には、内径拡大部25と第1シール部19とが形成されている。第1シール部19は、シール中環20の内周を全周にわたって途切れずに周方向に延びる環状の突起であり、その先端には、周方向に連続する帯状球面26が形成されている。帯状球面26の球径は、帯状球面26が第1摺接面17に面接触するように、第1摺接面17の球径と同じ大きさに設定されている。シール中環20は、ケージ5が外側継手部材1に対して角度変位したときにケージ5の軸方向端面27にシール中環20が押し動かされてケージ5と一緒に角度変位するようにケージ5の軸方向端面27と対向して設けられている(図3参照)。第2摺接面21の球径は、図3に示すように、シール中環20が角度変位したときに、シール中環20の一部が外側継手部材1の内側に収容されるように、外側継手部材1の内周の凹球面10の球径よりも小さく設定されている。
図2に示すように、内径拡大部25は、内側継手部材2の外周の凸球面11よりも大径で、内側継手部材2の側に開放する形状を有する。これにより、図3に示すように、内側継手部材2が角度変位したときに、内側継手部材2がシール中環20に干渉せず、図4に示すように、内側継手部材2の外周の凸球面11の一部が内径拡大部25の内側に収容されるようになっている。内径拡大部25は、内側継手部材2が角度変位したときに、内側継手部材2の外周の凸球面11の一部を収容可能であれば、凹円錐面状に形成してもよいが、図2、図4に示すように、凹球面状に形成すると、シール中環20の厚みを大きくしてシール中環20の剛性を高めることが可能となるので好ましい。
図2に示すように、シール外環23は、外側継手部材1に固定されている。シール外環23は、外側継手部材1の軸方向端面に支持されるフランジ部28と、フランジ部28の径方向内端から軸方向外側に延び出す筒部29とを有する。フランジ部28はボルト30で外側継手部材1に固定されている。第2シール部22は、筒部29の内周に形成されている。第2シール部22は、シール外環23の内周を全周にわたって途切れずに周方向に延びる環状の突起であり、その先端には、周方向に連続する帯状球面31が形成されている。帯状球面31の球径は、帯状球面31が第2摺接面21に面接触するように、第2摺接面21の球径と同じ大きさに設定されている。
シール内環18、シール中環20、シール外環23は、いずれも、ゴムやエラストマーよりも高い剛性をもつ金属またはプラスチック(有機合成高分子)で形成されている。
図5に示すように、第1摺接面17および第2摺接面21には、固体潤滑皮膜32が形成されている。固体潤滑皮膜32は、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレンのうち少なくとも1つ以上を含む皮膜である。そのような固体潤滑皮膜32として、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレンをすべて含んだもの(例えば、商品名「デフリックコート」)を使用することができる。
このシール付き等速自在継手は、シール外環23とシール内環18の間にシール中環20が設けられ、そのシール中環20とシール外環23が径方向に重なり合い、かつ、シール中環20とシール内環18も径方向に重なり合う構成とされているので、省スペースで、大きな交差角θを得ることが可能である。すなわち、図6に示すように、外側継手部材1に固定されるシール外環23と、シャフト6の外周に支持されるシール内環18だけでシール装置7を構成したのでは、シャフト6の交差角θを大きくとることができない(通常、10°程度の交差角θしかとることができない)。これに対し、上記実施形態のように、シール外環23とシール内環18の間にシール中環20を設けると、図3に示すように、シール中環20の分、交差角θを大きくとることが可能となり、例えば20°以上(図では23°)の交差角θをとることが可能となる。
また、このシール付き等速自在継手は、図3に示すように、シャフト6が外側継手部材1に対して角度変位するとき、ケージ5が、シャフト6の角度変位の半分の角度まで角度変位し、このとき、シール中環20も、ケージ5の軸方向端面27に押し動かされることで、シャフト6の角度変位の半分程度の角度まで角度変位する。そのため、シャフト6を外側継手部材1に対して大きく角度変位させたときにも、シール外環23とシール中環20の間に隙間が生じたり、シール中環20とシール内環18との間に隙間が生じたりするのを防止することが可能となっている。
また、このシール付き等速自在継手は、内側継手部材2とシール内環18との間に、シール内環18をシール中環20に向けて押圧するスプリング24が設けられているので、スプリング24の押圧力によって、シール内環18とシール中環20の摺接部分のシール性を高め、かつ、シール中環20とシール外環23の摺接部分のシール性も高めることが可能となっている。
また、このシール付き等速自在継手は、第1摺接面17の球径が、内側継手部材2の外周の凸球面11の球径よりも小さいので、図3、図4に示すように、シャフト6を外側継手部材1に対して大きく角度変位させたときに、シール内環18がケージ5に干渉するのを防止することが可能となっている。
また、このシール付き等速自在継手は、第2摺接面21の球径が、外側継手部材1の内周の凹球面10の球径よりも小さいので、図3、図4に示すように、シャフト6を外側継手部材1に対して大きく角度変位させたときに、シール中環20が外側継手部材1に干渉するのを防止することが可能となっている。
また、このシール付き等速自在継手は、シール中環20の内周に、内側継手部材2の外周の凸球面11よりも大径で、内側継手部材2の側に開放する内径拡大部25を形成しているので、図3、図4に示すように、シャフト6を外側継手部材1に対して大きく角度変位させたときに、シール中環20が内側継手部材2に干渉するのを防止することが可能となっている。
また、このシール付き等速自在継手は、シール内環18、シール中環20、シール外環23を、いずれも金属またはプラスチックで形成しているので、シール内環18、シール中環20、シール外環23の剛性が高く、遠心力による膨張変形を生じにくい。そのため、高速回転する用途に等速自在継手を使用することが可能である。
また、このシール付き等速自在継手は、第1摺接面17および第2摺接面21に固体潤滑皮膜32を形成しているので、シール内環18、シール中環20、シール外環23の相対移動が円滑である。また、シール内環18とシール中環20の摺接部分や、シール中環20とシール外環23の摺接部分が摩耗しにくいので、長期にわたってシール性能を確保することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 外側継手部材
2 内側継手部材
3 ボール
4 ポケット
5 ケージ
6 シャフト
7 シール装置
8 外側トラック溝
9 内側トラック溝
10 凹球面
11 凸球面
17 第1摺接面
18 シール内環
19 第1シール部
20 シール中環
21 第2摺接面
22 第2シール部
23 シール外環
24 スプリング
25 内径拡大部
27 軸方向端面
32 固体潤滑皮膜

Claims (9)

  1. 内周に周方向に間隔をおいて複数の外側トラック溝(8)が形成された環状の外側継手部材(1)と、
    前記外側継手部材(1)の径方向内側に配置され、外周に周方向に間隔をおいて複数の内側トラック溝(9)が形成された内側継手部材(2)と、
    前記外側トラック溝(8)と前記内側トラック溝(9)とに同時に転がり接触するように前記外側継手部材(1)と前記内側継手部材(2)の間に組み込まれた複数のボール(3)と、
    前記複数のボール(3)をそれぞれ収容する複数のポケット(4)をもち、前記外側継手部材(1)の内周に形成された凹球面(10)と前記内側継手部材(2)の外周に形成された凸球面(11)とで摺動可能に支持されたケージ(5)と、
    前記内側継手部材(2)に連結されたシャフト(6)と、
    前記外側継手部材(1)と前記シャフト(6)の間をシールするシール装置(7)と、
    を備えたシール付き等速自在継手において、
    前記シール装置(7)は、
    前記シャフト(6)の外周に支持され、球面状の第1摺接面(17)を外周にもつシール内環(18)と、
    前記第1摺接面(17)に摺接する環状の第1シール部(19)を内周にもち、球面状の第2摺接面(21)を外周にもつシール中環(20)と、
    前記第2摺接面(21)に摺接する環状の第2シール部(22)を内周にもち、前記外側継手部材(1)に固定されるシール外環(23)と、を有することを特徴とするシール付き等速自在継手。
  2. 前記シール中環(20)は、前記ケージ(5)が前記外側継手部材(1)に対して角度変位したときに前記ケージ(5)の軸方向端面(27)に前記シール中環(20)が押し動かされて前記ケージ(5)と一緒に角度変位するように前記ケージ(5)の軸方向端面(27)と対向して設けられている請求項1に記載のシール付き等速自在継手。
  3. 前記内側継手部材(2)と前記シール内環(18)との間に、前記シール内環(18)を前記シール中環(20)に向けて押圧するスプリング(24)が設けられている請求項1または2に記載のシール付き等速自在継手。
  4. 前記第1摺接面(17)の球径が、前記内側継手部材(2)の外周の前記凸球面(11)の球径よりも小さく設定されている請求項1から3のいずれかに記載のシール付き等速自在継手。
  5. 前記第2摺接面(21)の球径が、前記外側継手部材(1)の内周の前記凹球面(10)の球径よりも小さく設定されている請求項1から4のいずれかに記載のシール付き等速自在継手。
  6. 前記シール中環(20)の内周には、前記内側継手部材(2)の外周の凸球面(11)よりも大径で、前記内側継手部材(2)の側に開放する内径拡大部(25)が形成されている請求項1から5のいずれかに記載のシール付き等速自在継手。
  7. 前記シール内環(18)、前記シール中環(20)、前記シール外環(23)は、いずれも金属またはプラスチックで形成されている請求項1から6のいずれかに記載のシール付き等速自在継手。
  8. 前記第1摺接面(17)および前記第2摺接面(21)に固体潤滑皮膜(32)が形成されている請求項1から7のいずれかに記載のシール付き等速自在継手。
  9. 前記固体潤滑皮膜(32)は、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレンのうち少なくとも1つ以上を含む皮膜である請求項8に記載のシール付き等速自在継手。
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