JP2019086018A - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

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礼宜 小林
Noriyoshi Kobayashi
礼宜 小林
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Abstract

【課題】高速回転・高角度を必要とする部位において最適なとなる摺動式等速自在継手を提供する。【解決手段】密封部材は、凸球面状のシール面を有する球面シール内環と、凹球面状のシール面を有する球面シール外環とを備える。球面シール外環が内側継手部材側に固定される。球面シール内環のシール面と球面シール外環のシール面との間にシールリングが介在される。球面シール内環の外側継手部材装着用筒部の内径面と外側継手部材の外径面との間にシールリングが介在される。外側継手部材の外径面に、球面シール内環の外側継手部材装着用筒部を弾性的に球面シール外環へ押圧する弾性部材が配設されて、球面シール内環の球面シール外嵌との一体的な軸方向の摺動が許容されている。【選択図】図1

Description

本発明は、等速自在継手に関し、特に、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手に関する。
自動車や各種産業機械の動力伝達系を構成する等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸をトルク伝達可能に連結すると共に、前記二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達することができる。等速自在継手は、一般的に負荷を伴わない軸方向移動と角度変位を許容する固定式等速自在継手と、負荷時に角度変位および軸方向変位の両方を許容する摺動式等速自在継手とに大別され、例えば、自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトにおいては、デフ側(インボード側)に摺動式等速自在継手が使用され、駆動車輪側(アウトボード側)には固定式等速自在継手が使用される。
摺動式等速自在継手の一つとして、特許文献1等に記載のダブルオフセット型等速自在継手がある。この等速自在継手は、図8に示すように、内径面1にトラック溝2が形成された外側継手部材3と、外径面4にトラック溝5が形成された内側継手部材6と、外側継手部材3のトラック溝2と内側継手部材6のトラック溝5との間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材としてのボール7と、このボール7を収容するポケット8を有するとともに外側継手部材3と内側継手部材6との間に介装されるケージ9とを備えたものである。ケージ9の外周面9aの曲率中心と内周面9bの曲率中心とが、継手の角度中心に対し、軸方向に逆方向にオフセットしている。
外側継手部材3は、内径面1にトラック溝2が形成された本体部3aと、本体部3aの軸方向一端部側において外径側に突出するフランジ3bとを有する。
内側継手部材6の孔部の内径面には雌スプライン13が形成され、内側継手部材6の孔部にシャフト14の端部が嵌入されることによって、シャフト14の端部雄スプライン16が内側継手部材6の雌スプライン13に嵌合する。また、端部雄スプライン16の端部には止め輪17が装着され、シャフト14の抜けを規制している。
外側継手部材3の反フランジ側(軸方向他端部側)の開口部は、ブーツ20にて塞がれている。ブーツ20は、大径部20aと、小径部20bと、大径部20aと小径部20bとを連結する蛇腹部20cとからなる。そして、大径部20aが外側継手部材3の外径面の反フランジ側の端部のブーツ装着部21に外嵌され、この状態でブーツバンド22を締め付ける。これによって、ブーツ20の大径部20aが外側継手部材3に装着される。また、小径部20bがシャフト24のブーツ装着部23に外嵌され、この状態でブーツバンド22を締め付ける。これによって、ブーツ20の小径部20bがシャフト14に装着される。
また、外側継手部材3の反フランジ側(軸方向他端部側)の開口部には、ストッパ部材25が装着される。すなわち、反フランジ側の開口部の内径面に周方向嵌合溝26が形成され、この周方向嵌合溝26に前記ストッパ部材25が嵌着されている。
そして、外側継手部材3のフランジ側の開口部にはシールプレート30が装着されている。シールプレート30は円盤状の本体部30aと、この本体部30aの外周縁からアール部を介して連設される短円筒部30bとからなる。このため、シールプレート30の短円筒部30bが、外側継手部材3のフランジ側の開口部内径面に設けられた嵌合凹所33に圧入されることになる。
上述のように、図8に示す等速自在継手では、そのシャフト14が突出される側の外側継手部材3の開口部は、ブーツ20で密封されている。この場合、ブーツ20の大径部20aが外側継手部材3に固定され、ブーツ20の小径部20bがシャフト14に固定される。
これに対して、図7に示すように、密封部材としてオイルシール40を使用したものが提案されている。この場合、シャフト14が突出する側の外側継手部材3の開口部にシール固定部材41を装着し、このシール固定部材41にオイルシール40を嵌合させている。
すなわち、シール固定部材41は、大径部41aと小径部41bとを有する短筒体からなる。大径部41aの開口端面には、周方向嵌合凹部42が設けられ、この周方向嵌合凹部42に、外側継手部材3の開口端部を嵌合させている。また、周方向嵌合凹部42の底部に、周方向凹部43が設けられ、この周方向凹部43にOリング等のシールシング39が嵌着されている。
また、大径部41aに内径面と小径部41bの内径面との間に内鍔部41cが設けられ、小径部41bの内部にシール嵌合部38を形成している。この場合、小径部41bの内径面の反大径部側にストッパング44を装着し、このストッパング44と内鍔部41cとの間にオイルシール40を配設している。ここで、オイルシール40は、環状芯金45と、この環状芯金45を覆う弾性体46とを備えたものである。この場合、弾性体46は、シャフト14の外径面に圧接するリップ47を有し、このリップ47はばね部材48にて押圧される。
特開2012−97887号公報
図7に示すようにオイルシール40を用いた等速自在継手では、オイルシール40の弾性体46の弾性復元性に依存することになって、作動角θを大きくとることができない。このため、高角度を要求される部位にはこのようなオイルシール40を用いた等速自在継手を用いることができなかった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、高速回転・高角度を必要とする部位において最適となる摺動式等速自在継手を提供するものである。
本発明の摺動式等速自在継手は、外側継手部材と、内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在されるトルク伝達部材とを備え、前記外側継手部材の開口部が密封部材にて密封されて、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手であって、前記密封部材は、凸球面状のシール面を有する球面シール内環と、この球面シール内環のシール面と相対的に摺接する凹球面状のシール面を有する球面シール外環とを備え、球面シール内環が前記外側継手部材に軸方向のスライドが可能とされて外嵌されるとともに、前記球面シール外環が継手開口部から継手外部へ突出される軸部に外嵌され、さらに、球面シール内環のシール面と、球面シール外環のシール面との間にシールリングが介在され、かつ、球面シール内環は外側継手部材の開口部に外嵌される外側継手部材装着用の筒部を有するとともに、この筒部の内径面と外側継手部材の外径面との間にシールリングが介在され、外側継手部材の外径面に、球面シール内環の外側継手部材装着用の筒部を弾性的に球面シール外環へ押圧する弾性部材が配設されて、球面シール内環の球面シール外環との一体的な軸方向の摺動が許容されているものである。
本発明の摺動式等速自在継手によれば、密封部材は、凸球面状のシール面を有する球面シール内環と、この球面シール内環のシール面と相対的に摺接する凹球面状のシール面を有する球面シール外環とを備えたものであり、しかも、球面シール内環が前記外側継手部材に対し軸方向のスライドが可能である為、シール性を維持したまま伸縮が可能である。。また、トルクチューブのシャフト部は、この球面シール内環に干渉されるまで、作動角をとることができ、密封部材にブーツを用いる場合と同様に大きな作動角を得ることができる。
球面シール内環の球面シール外環との一体的な軸方向の摺動が許容され、摺動式等速自在継手としての摺動機能性が安定する。しかも、球面シール内環のシール面と、球面シール外環のシール面との間にシールリングが介在され、かつ、外側継手部材装着用筒部の内径面と外側継手部材の外径面との間にシールリングが介在されるので、シール性の向上を図ることができ、安定した密封性を発揮できる。
前記シールリングがゴム又は樹脂の弾性材にて構成できる。このように構成することによって、シール性の向上や軽量化を図ることができる。材質としては、CR,NR,NBR,Si,ACM,FPM/FKM等があり、樹脂材としては、PTFE等のフッ素樹脂、ポリアミド系の合成繊維等がある。
摺動式等速自在継手として、前記外側継手部材は、底壁から中心軸部を突出させることによって一端が開口する環状空間を形成し、その環状空間の外壁面と内壁面のそれぞれに軸方向に延びる3本のトラック溝が周方向に120°の間隔をおいて形成されてなり、前記内側継手部材は、その外側継手部材の前記環状空間内に端部が組込まれ、前記トラック溝のそれぞれと対応する位置にポケットが形成されたトルクチューブにて構成され、トルク伝達部材は、前記トルクチューブのポケット内に組込まれて前記トラック溝に沿って転動可能なボールで構成されるものであってもよい。
本発明の摺動式等速自在継手では、球面シール内環に干渉されるまで、作動角をとることができ、密封部材にブーツを用いる場合と同様に大きな作動角を得ることができる。また、摺動式等速自在継手としての摺動機能性が安定し、しかも、シール性の向上を図ることができ、安定した密封性を発揮できる。このため、高速回転・高角度を必要とする部位において最適なとなる摺動式等速自在継手を得ることができる。
本発明の摺動式等速自在継手の断面図である。 図1に示す摺動式等速自在継手が作動角ととった状態の断面図である。 図1に示す摺動式等速自在継手の外側継手部材の端面図である。 密封部材の拡大断面図である。 本発明の他の摺動式等速自在継手の断面図である。 本発明の別の摺動式等速自在継手の断面図である。 密封部材にオイルシールを用いた摺動式等速自在継手の断面図である。 従来の等速自在継手の断面図である
以下本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1と図2とは、本発明に係る摺動式等速自在継手を示し、この場合、トリボールジョイントである。この摺動式等速自在継手では、中心軸部51と一体となった外側継手部材52と、3個のボール穴(ポケット)53が形成された内側継手部材を構成するトルクチューブ54が、3個のトルク伝達部材としてのボール55を介して伝達力を伝えるようになっている。
すなわち、外輪としての外側継手部材52は、外周壁52aと、底壁52bと、底壁52bから突設される前記中心軸部51とを備え、これらによって、一端が開口する環状空間56が形成される。環状空間56の外壁面59aと内壁面59bに軸方向に延びる3本のトラック溝57,58が周方向に120°の間隔をおいて形成される。なお、底壁52bには、孔部60aが形成された短筒形状のボス部60が設けられている。
トルクチューブ54は、周方向に沿って120°ピッチで、3個のポケット53を有する円環部63と、円環部63より継手の外方に延びる軸部64とからなる。軸部64の端部には、軸部64の軸心と直交する方向に延びる、貫通孔64aが設けられている。
外側継手部材52の開口部は、密封部材Sにて密封されている。密封部材Sは、球面シール構造であって、凸球面状のシール面71を有する球面シール内環72と、この球面シール内環72のシール面71と相対的に摺接する凹球面状のシール面73を有する球面シール外環74とを備える。
球面シール内環72は、図4に示すように、大径部72aと、小径部72bと、大径部72aと小径部72bとを連結する段差部72cとを備えた筒体からなる。そして、小径部72bには、その先端部に、外径側に向かって拡径するコーン部75が設けられ、このコーン部75の端面が前記シール面71を構成する。
球面シール外環74は、図4に示すように、内側継手部材としてのトルクチューブ54の軸部(シャフト)64に外嵌される短筒部74aと、この短筒部74aに連設される椀形状部74bとを備える。この椀形状部74bの内径面(内球面)が前記シール面73を構成する。
球面シール外環74は、軸部64に装着されるストッパ部材76にて、継手外方への移動が規制されている。ストッパ部材76は、軸部64に設けられて周方向凹溝77に嵌着される止め輪78と、止め輪78と球面シール外環74の短筒部74aとの間に介在される台座79とを有する。台座79は、リング体からなり、その反継手側端面が軸部64の軸線と直交する平坦面79aとされ、その継手側端面に底面が凹球面79b1とされた周方向切欠部79bが設けられている。また、凹球面79b1には、周方向凹溝80が形成され、この周方向凹溝80にはOリング等のシールリング81が嵌合されている。
また、球面シール外環74の短筒部74aの外端面は、凸球面74a1とされ、台座79の凹球面79b1と相対面している。このため、球面シール外環74は短筒部74aの凸球面74a1と台座79の凹球面79b1とが、シールリング81がを介して密封されている。
そして、球面シール外環74の短筒部74aの内径面74a2には、周方向凹溝82が形成され、この周方向凹溝82にはOリング等のシールリング83が嵌合されている。このため、軸部64の外周面64bと内径面74a2との間は、シールリング83にて密封されている。この場合、軸部64の外周面64bの外径寸法よりも、短筒部74aの内径面74a2の内径寸法を僅かに大きくしている。このため、球面シール外環74の短筒部74aは、軸部64の外周面64bに対して摺動することが可能となっている。
また、球面シール内環72のシール面71と、球面シール外環74のシール面73との間に、Oリング等のシールリング86が介在されている。すなわち、球面シール内環72のシール面71に周方向凹溝85が形成され、この周方向凹溝85にシールリング86が嵌合されている。このため、球面シール内環72のシール面71と球面シール外環74のシール面73との間がシールリング86にて密封される。
ところで、外側継手部材52の外壁52aの外径面には、周方向切欠部88が設けられ、この周方向切欠部88の開口部側に球面シール内環72の大径部72aが外嵌されている。また、球面シール内環72の大径部72aの内径面72a1の端部には、周方向凹溝89が設けられ、この周方向凹溝89にOリング等のシールリング90が嵌合されている。このため、球面シール内環72の大径部72aの内径面72a1と外側継手部材52の外壁52aの外径面、つまり、周方向切欠部88の周面88bとの間はシールリング90にて密封されている。
また、球面シール内環72の大径部72aの内径面の内径寸法が、外側継手部材52の外壁52aの外径面の外径寸法、つまり、周方向切欠部88の周面88bの外径寸法よりも大きく設定され、球面シール内環72の大径部72aの周方向切欠部88内での摺動が可能とされている。
外側継手部材52の外壁52aの周方向切欠部88には、図1と図2に示すように、弾性部材(コイルスプリング)91が嵌合されている。すなわち、弾性部材91は、周方向切欠部88の端面88aと、球面シール内環72の大径部72aの端面92との間に介在され、球面シール内環72を球面シール外環74側に押圧している。このため、球面シール内環72のシール面71と球面シール外環74のシール面73とは、弾性的に接触した状態で摺動することになる。なお、外側継手部材52の開口部の内径面には周方向凹溝94が設けられ、この周方向凹溝94にストッパリング95が嵌着されている。このストッパリング95により内側継手部材を構成するトルクチューブ54の外側継手部材の外方に突出するスライド量が規制されている。
球面シール内環72および球面シール外環74は、耐腐食性に優れたSUS系材料が好適であるが、耐熱性を目的とする場合には機械構造用炭素鋼であってもよく、さらには、耐熱性に優れたSiやフッ素系ゴム等を用いてもよい。
この実施形態では、球面シール内環72および球面シール外環74は、素材調質(硬さ:HRc20〜30)後、無電解ニッケルめっきを施したものとした。これによって、耐食性・耐摩耗性を向上させた。また、球面シール内環72のシール面71と球面シール外環74のシール面73の少なくともいずれか一方に、フッ素樹脂系コーティングを施すようにするのも好ましい。この場合、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を熱融着等によりコーティングすることができる。PTFE以外に、PFA、FEP、ETFE、分子鎖末端にカルボキシルなどの官能基を有する直鎖および、または環状の、フルオロアルキル重合体またはフルオロポリエーテル重合体などのフッ素系ポリマーを使用することができる。
また、シールリングとしては、ゴムや樹脂製等の弾性材で構成できる。このように構成することによって、シール性の向上や軽量化を図ることができる。ゴム材としては、CR,NR,NBR,Si,ACM,FPM/FKM等があり、樹脂材としては、PTFE等のフッ素樹脂、ポリアミド系の合成繊維等がある。
このように構成された摺動式等速自在継手では、トルクチューブ54の外側継手部材52内方への移動、及びトルクチューブ54の外側継手部材52外方への移動が可能となっている。すなわち、軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手となっている。
密封部材Sは、凸球面状のシール面71を有する球面シール内環72と、この球面シール内環72のシール面71と相対的に摺接する凹球面状のシール面73を有する球面シール外環74とを備えたものであり、しかも、球面シール内環72が外側継手部材52に軸方向のスライドが可能とされて外環されるものであるので、軸部64は、この球面シール内環72に干渉されるまで、作動角をとることができ、密封部材Sにブーツを用いる場合と同様に大きな作動角を得ることができる。また、球面シール内環72の外側継手部材52の軸方向奥側へのスライド量は、外側継手部材52の開口端と球面シール内環72の段差部72cの当接により規制されている。
球面シール内環72の球面シール外環74との一体的な軸方向の摺動が許容され、摺動式等速自在継手としての摺動機能性が安定する。しかも、球面シール内環72のシール面71と、球面シール外環74のシール面73との間にシールリング86が介在され、かつ、外側継手部材装着用の筒部(大径部)72aの内径面72a1と外側継手部材52の外径面(周方向切欠部88の周面88b)との間にシールリング90が介在されるので、シール性の向上を図ることができ、安定した密封性を発揮できる。
ところで、前記実施形態では、摺動式等速自在継手として、トリボールジョイントを用いていたが、図5に示すようなダブルオフセット型の摺動式等速自在継手であってもよい。この摺動式等速自在継手は、内径面101にトラック溝102が形成された外側継手部材103と、外径面104にトラック溝105が形成された内側継手部材106と、外側継手部材103のトラック溝102と内側継手部材106のトラック溝105との間に介在されるトルク伝達部材としてのボール107と、このボール107を収容するポケット108を有するとともに外側継手部材103と内側継手部材106との間に介装される保持器109とを備える。
また、外側継手部材103は、内径面101にトラック溝102が形成されたマウス部99を備える。内側継手部材106の軸心孔には、雌スプライン100が形成され、内側継手部材106の軸心孔にシャフト110の端部が嵌入される。シャフト110の端部には雄スプライン111が形成され、シャフト110の端部が内側継手部材106の軸心孔に嵌入された際に、雌スプライン100と雄スプライン111とが嵌合する。シャフト110の雄スプライン111の端部には、抜け止め用の止め輪112が装着され、外側継手部材103の内径面の開口部には、抜け止め用の止め輪113が装着されている。
保持器109の外径面109aの曲率中心O1と、保持器109の内径面109bの曲率中心O2と、継手の角度中心Oから互いに反対側に等距離だけオフセットさせてある(ダブルオフセット)。
この場合、外側継手部材103の外径面に周方向切欠部88を設け、周方向切欠部88の開口部側に球面シール内環72の大径部72aが外嵌されているとともに、周方向切欠部88には、弾性部材(コイルスプリング)91が嵌合されている。また、シャフト110にストッパ部材76が設けられ、このストッパ部材76は、球面シール外環74を受けている。なお、この図5に示す密封部材Sの他の構成は、図1に示す密封部材Sの構成と同様であるので、同一部材については、図1に付した符号と同一符号を附して、それらの説明を省略する。
このため、図5に示すような摺動式等速自在継手であっても、密封部材Sが図1に示す密封部材Sと同様の作用効果を奏する。
また、摺動式等速自在継手として、図6に示すようなトリポード型等速自在継手であってもよい。トリポード型等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝121を設けた外側継手部材122と、半径方向に突出した3つの脚軸123を備えた内側継手部材としてのトリポード部材124と、脚軸123に回転自在に支持されると共に外側継手部材のトラック溝121に転動自在に挿入されたトルク伝達手段としてのローラ125とを備える。
この場合、ローラ125は脚軸123の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ126を介して外嵌されている。脚軸123の外周面は針状ころ126の内側転動面を構成し、ローラ125の内周面は針状ころ126の外側転動面を構成している。複数の針状ころ126は、脚軸123の外周面とローラ125の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ126は、脚軸123の付け根部に外嵌されたインナワッシャ130と半径方向内側で接すると共に、脚軸123の先端部に外嵌されたアウタワッシャ131と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ131は、脚軸123の先端部に形成された環状溝132に丸サークリップ等の止め輪133を嵌合させることにより抜け止めされている。
また、トリポード部材124は、ボス部127と、このボス部127から径方向に伸びる脚軸123とからなる。トリポード部材(トラニオン)124のボス部127の軸孔135には雌スプライン136が設けられている。そして、この軸孔135に、端部に雄スプライン137が形成されたシャフト138が嵌入され、雄スプライン137と雌スプライン136とが嵌合する。なお、シャフト138の雄スプライン137の端部には、抜け止め用の止め輪139が装着されている。
ところで、外側継手部材122は一端にて開口したカップ状のマウス部140を有し、マウス部140は、その内周面に、軸方向に延びる3本の前記トラック溝121が形成される。各トラック溝121の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)121a,121aが形成される。
この場合、外側継手部材122の外径面に周方向切欠部88を設け、周方向切欠部88の開口部側に球面シール内環72の大径部72aが外嵌されているとともに、周方向切欠部88には、弾性部材(コイルスプリング)91が嵌合されている。また、シャフト138にストッパ部材76が設けられ、このストッパ部材76には、球面シール外環74を受けている。なお、この図6に示す密封部材Sの他の構成は、図1に示す密封部材Sの構成と同様であるので、同一部材については、図1に付した符号と同一符号を附して、それらの説明を省略する。
このため、図6に示すような摺動式等速自在継手であっても、密封部材Sが図1に示す密封部材Sと同様の作用効果を奏する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、作動角θとして、図1に示す実施形態の摺動式等速自在継手として、15°程度であったが、作動角θとしては、球面シール内環72に干渉されるまで、作動角をとることができるので、球面シール内環72の小径部72bの径寸や軸方向長さ寸法等を変更することによって、種々変更することが可能である。
摺動式等速自在継手として、クロスグルーブ型等速自在継手(LJ)等であってもよい。クロスグルーブ型等速自在継手を用いる場合、フロートタイプやノンフロートタイプであってもよく、トリポード型等速自在継手を用いる場合、シグルローラタイプであっても、ダブルローラタイプであってもよい。
51 中心軸部
52 外側継手部材
53 ポケット
54 トルクチューブ
55 ボール
56 環状空間
57,58 トラック溝
59a 外壁面
59b 内壁面
60 ボス部
71 シール面
72 球面シール内環
73 シール面
74 球面シール外環
86 シールリング
90 シールリング
S 密封部材

Claims (3)

  1. 外側継手部材と、内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在されるトルク伝達部材とを備え、前記外側継手部材の開口部が密封部材にて密封されて、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手であって、
    前記密封部材は、凸球面状のシール面を有する球面シール内環と、この球面シール内環のシール面と相対的に摺接する凹球面状のシール面を有する球面シール外環とを備え、球面シール内環が前記外側継手部材に軸方向のスライドが可能とされて外嵌されるとともに、前記球面シール外環が継手開口部から継手外部へ突出される軸部に外嵌され、さらに、球面シール内環のシール面と、球面シール外環のシール面との間にシールリングが介在され、かつ、球面シール内環は外側継手部材の開口部に外嵌される外側継手部材装着用の筒部を有するとともに、この筒部の内径面と外側継手部材の外径面との間にシールリングが介在され、外側継手部材の外径面に、球面シール内環の外側継手部材装着用の筒部を弾性的に球面シール外環へ押圧する弾性部材が配設されて、球面シール内環の球面シール外嵌との一体的な軸方向の摺動が許容されていることを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. 前記シールリングがゴム又は樹脂の弾性材からなることを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  3. 前記外側継手部材は、底壁から中心軸部を突出させることによって一端が開口する環状空間を形成し、その環状空間の外壁面と内壁面のそれぞれに軸方向に延びる3本のトラック溝が周方向に120°の間隔をおいて形成されてなり、前記内側継手部材は、その外側継手部材の前記環状空間内に端部が組込まれ、前記トラック溝のそれぞれと対応する位置にポケットが形成されたトルクチューブにて構成され、トルク伝達部材は、前記トルクチューブのポケット内に組込まれて前記トラック溝に沿って転動可能なボールで構成されることを特徴とする摺動式等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023025136A (ja) * 2019-09-13 2023-02-21 日本電産シンポ株式会社 波動歯車装置

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