JP2007078154A - 等速自在継手用ブーツ - Google Patents

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    • F16D3/2055Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members one coupling part having radially projecting pins, e.g. tripod joints the pins extending radially outwardly from the coupling part having three pins, i.e. true tripod joints

Abstract

【課題】 疲労性及び耐摩耗性の向上を図ることができ、しかも、高速回転にも十分追従できる等速自在継手用ブーツを提供する。
【解決手段】 ブーツ本体21とブーツ本体21に外嵌されるリング状体22とを備えた等速自在継手用ブーツである。ブーツ本体21は、等速自在継手1の外側継手部材2の開口端部に装着される大径部23と、等速自在継手1の内側継手部材4に連結されたシャフト3に装着される小径部24と、大径部23と小径部24との間に設けられ、軸方向に沿って交互に配設される山25と谷26とを有する蛇腹部27とを備える。ブーツ本体21のブーツ材料を、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが35以上50以下の熱可塑性エラストマーとする。少なくとも大径部23側の谷に、ブーツ本体21よりも硬質の樹脂または弾性材からなるリング状体22を外嵌する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、等速自在継手用ブーツに関し、特に、自動車や各種産業機械における動力の伝達に用いられる等速自在継手用ブーツに関するものである。
自動車や各種産業機械における動力の伝達に用いられる等速自在継手には、継手内部への塵埃等の異物進入防止や継手内部に封入されたグリースの漏れ防止を目的とし、蛇腹状のブーツが装着される。
この種のブーツは例えば図8に示すように、等速自在継手100の外輪101に固定される大径部102と、内輪103から延びるシャフト104に固定される小径部105と、大径部102と小径部105との間に設けられ、谷106と山107とが交互に形成された蛇腹部108とを有する。なお、大径部102と小径部105とはそれぞれブーツバンド109が装着されることによって固定される。
等速自在継手100には、作動角を取りながら回転したり、摺動しながら回転したりする機能が備わっている。そのため、その挙動に追従できるように、ブーツは柔軟性と、高速回転に追従できる回転時振れ回り性が要求される。
従来のブーツには、高速回転時において外周側への膨張変形を抑えるために、リング体を装着したものがある(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1に記載のものでは、リング体としてワイヤリングを使用し、このワイヤリングを蛇腹部の谷に外嵌させている。特許文献2に記載のものは、リング体はゴム材から構成され、ブーツ材料として樹脂系のゴム状弾性材(エラストマー)が使用されている。
また、従来のブーツとして、蛇腹部の谷の屈曲を防止してその谷の疲労性の向上を図るもの(特許文献3)、オゾンによるに疲労性の低下を防止するもの(特許文献4、特許文献5)、蛇腹部の谷での破損を防止するものがある(特許文献6)。
実開昭63−64926号公報 特開平10−122257号公報 実公平7−1531号公報 実用新案登録第2509944号公報 実公平7−21972号公報 特開平11−159615号公報
前記特許文献4から特許文献6に記載のものは、ブーツ材料としてゴム材を使用したゴム製ブーツであり、作動角が大きい自動車の前輪側に使用される等速自在継手等に用いるものであって、疲労性の向上を図ることを目的としている。そのため。高速回転に追従できる回転時振れ回り性(高速回転性)の向上には至っていない。近年の自動車の高性能化により、高速回転性の更なる向上が求められている。ところが、前記したように、ゴム製ブーツでは、疲労性の向上を達成できても高速回転性の向上を達成できない。
現在では、自動車の前輪側に使用される等速自在継手のブーツとしては、ブーツ材料を樹脂とした樹脂ブーツが主流となっており、さらには、デファレンシャルギア側(インボード側)に使用されるブーツにも樹脂ブーツを用いる場合が増加しつつある。
特許文献1に記載のブーツを前記したようなインボード側に用いれば、インボード側ではその近くに排気管が配置されているので、ブーツが高温下に曝される。しかしながら、このようなブーツは、高温になると軟化する熱可塑性の特性をもつ材料からなるものである。このため、高温下に曝されることによって、高速回転性が低下する傾向にある。
また、特許文献2に記載のものでは、作動角が大きい自動車の前輪側に使用される等速自在継手のブーツを対象とするものである。このため、高速回転に追従できるものではない。なお、この特許文献2のブーツはゴム状弾性材(エラストマー)を使用しているが、ブーツの硬さ等に特定がなく、強度や耐久性等については全く考慮されていない。
特許文献3に記載のものは、弾性保持リングを蛇腹部の谷に嵌合させている。この場合、弾性保持リングは、蛇腹部の変形に対する剛性と同等かそれ以下のものを使用している。このため、高速回転時の蛇腹部の外径拡張を防止することができず、高速回転に追従することができない。
本発明は、上記課題に鑑みて、疲労性及び耐摩耗性の向上を図ることができ、しかも、高速回転にも十分追従できる等速自在継手用ブーツを提供する。
本発明の等速自在継手用ブーツは、等速自在継手の外側継手部材の開口端部に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に設けられる蛇腹部とを有するブーツ本体と、このブーツ本体の蛇腹部の谷に外嵌されるリング状体とを備えた等速自在継手用ブーツにおいて、前記ブーツ本体のブーツ材料を、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが35以上50以下の熱可塑性エラストマーとし、少なくとも大径部側の谷に、前記ブーツ本体よりも硬質の樹脂または弾性材からなる前記リング状体を外嵌したものである。
ブーツ本体のブーツ材料を熱可塑性エラストマーとしたので、耐熱性や耐候性等に優れ、しかも、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが35以上50以下であるので、強度的に優れ、耐摩耗性においても有利である。また、ブーツ本体よりも硬質の樹脂または弾性材からなるリング状体を、大径部側の谷に外嵌したので、高速回転時のブーツ本体の外径拡張を防止できる。
前記リング状体の断面形状が円形であり、前記リング状体の内径側を、その嵌合される谷のリング状体対応部の形状に合わせたことが可能である。また、前記リング状体の内径寸法を、その嵌合される谷の外径寸法に合わせて、前記リング状体の内周縁を谷の外周縁に密接させるのも好ましい。
前記リング状体の内径寸法を、その嵌合される谷の外径寸法よりも大きくして、蛇腹部の山と谷とを連結する傾斜部に前記リング状体を密接させたことも可能である。
本発明の等速自在継手用ブーツを、自動車用のドライブシャフトに用いられるデファレンシャルギア側に使用する摺動式等速自在継手に適用するのが好ましい。
本発明は、ブーツ本体よりも硬質の樹脂または弾性材からなるリング状体を、大径部側の谷に外嵌したので、高速回転時のブーツ本体の外径拡張を防止できる。これによって、高速回転に十分に追従することができる。このため、ブーツ肉厚を厚く(大きく)したり、ブーツ外径を小さくしたりすることがなく、疲労性及び耐摩耗性の向上を図ることができ、しかも等速自在継手の可動範囲を制限したりすることがなくて、等速自在継手はその機能を有効に発揮することができる。これに対して、ブーツ肉厚を厚くしたり、ブーツ外径を小さくしたりすれば、等速自在継手の可動範囲を制限したり、疲労性及び耐摩耗性を低下させることになる。なお、前記高速回転とは、例えば、自動車のドライブシャフトに使用される等速自在継手の高速回転である。
特に、ブーツ本体のブーツ材料を熱可塑性エラストマーとしたので、耐熱性や耐老化性等に優れ、等速自在継手が使用される高温雰囲気下においても十分使用することができる。しかも、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが35以上50以下であるので、強度的に優れ、耐摩耗性においても有利であり、疲労性及び耐摩耗性の向上を確実に図ることができる。
リング状体の断面形状を円形として、前記リング状体の内径側を、その嵌合される谷のリング状体対応部の形状に合わせることによって、このリング状体によるブーツ本体の外径拡張防止機能を安定して発揮でき、高速回転に対する追従性が向上する。また、前記リング状体の内径寸法を、その嵌合される谷の外径寸法に合わせて、前記リング状体の内周縁を谷の外周縁に密接させるようにしても、外径拡張防止機能を安定して発揮できる。
リング状体の内径寸法を、その嵌合される谷の外径寸法よりも大きくして、蛇腹部の山と谷とを連結する傾斜部に前記リング状体を密接させた場合であっても、外径拡張防止機能を安定して発揮できる。
このように、本発明の等速自在継手用ブーツは、高温雰囲気下で使用できるので、自動車のドライブシャフトに用いられるデファレンシャルギア側に使用する摺動型等速自在継手に最適となる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
等速自在継手用ブーツ10は、図1に示すように、等速自在継手1に取付けられる。この場合の等速自在継手1は、トリポード型等速自在継手を示し、外側継手部材2と、内側継手部材としてのトリポード部材4と、トルク伝達部材としてのローラ6を主要な構成要素としている。
外側継手部材2は一体に形成されたマウス部12とステム部13とからなる。ステム部13は端部に形成したスプラインまたはセレーション軸14にて図示省略の回転軸とトルク伝達可能に結合する。マウス部12は反ステム部側に開口したカップ状で、その外周面に、図3に示すように、大径部12aと小径部12bとが交互に現れる非円筒形状とされている。すなわち、この大径部12aと小径部12bとを形成することによって、マウス部12内に、周方向に沿って120度ピッチで配設されるトラック溝15が形成される。
トリポード部材4はボス18と脚軸19とからなる。ボス18には回転軸3とトルク伝達可能に結合するスプラインまたはセレーション孔20が形成してある。脚軸19はボス18の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。トリポード部材4の各脚軸19はローラ6を担持している。脚軸19とローラ6との間には複数の針状ころ8が介在させてあり、ローラ6は脚軸19の軸線を中心として回転自在である。なお、図1ではローラ6の脱落防止のための止め輪やワッシャ等を省略してある。また、ここでは、1つの脚軸19に1つのローラ6を支持させたシングルローラタイプを例示してあるが、相対回転自在の内外ローラを支持させたダブルローラタイプであってもよい。
ブーツ10は、例えば、エステル系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、スチレン系等の熱可塑性エラストマーにて形成されるブーツ本体21と、このブーツ本体21に装着される断面円形の複数のリング状体22とからなる。この第1の実施の形態においては、リング状体22は、図2等に示すように、その内部に中空部が設けられたパイプ状であっても良いし、中空部を有さない中実体にて構成してもよい。
ブーツ本体21は、等速自在継手1の外側継手部材2の開口端部に装着される大径部23と、等速自在継手1の内側継手部材4に連結されたシャフト3に装着される小径部24と、大径部23と小径部24との間に設けられ、軸方向に沿って交互に配設される山25と谷26とを有する蛇腹部27とを備える。谷26と山25とは傾斜部28にて連結されている。
ブーツ10の大径部23が外側継手部材2の開口部2a側に外嵌される。そして、大径部23の外周面に形成された嵌合溝29にブーツバンド30を嵌着することによって、大径部23を外側継手部材2に固定している。
シャフト3には、外側継手部材2から所定量突出した位置に、周方向に沿った環状の係合溝31を有するブーツ取付け部32が設けられ、この係合溝31を覆うように、ブーツ10の小径部24がブーツ取付け部32に外嵌される。そして、小径部24の外周面に形成された嵌合溝33にブーツバンド30を嵌着することによって、小径部24をシャフト3に固定している。
蛇腹部27の谷26の外径側には、図4に示すように、径方向溝35が周方向に沿って形成されている。径方向溝35の底面35aは円弧面とされ、この底面35aの曲率半径rをリング状体22の半径(断面における半径)r1と同じに設定している。すなわち、リング状体22の内径側を、その嵌合される谷26のリング状体対応部の形状に合わせている。
ブーツ本体21は、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが35以上50以下である。なお、デュロメータ硬さとは、デュロメータによって測定した硬さであって、デュロメータには、測定対象の硬さに応じて3種がある。タイプDデュロメータは高硬さ用であって、国際規格であるISO 7619と整合する。
熱可塑性エラストマーは樹脂とゴムの中間の性質を持っている。熱可塑性エラストマーは、弾性体でありながら、熱可塑性樹脂の通常の成形機にて加工することができる。
リング状体22は、ブーツ本体21のブーツ材料よりも硬質な樹脂または弾性材からなる。すなわち、リング状体22として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム、熱収縮チューブ等にて構成することができる。
リング状体22に用いる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シラン等である。
リング状体22に用いる熱可塑性樹脂は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、PBT、PET、PEEK、PPS等である。
リング状体22に用いる熱可塑性エラストマーは、エステル系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、スチレン系等である。
リング状体22に用いるゴムは、CR、EPDM、NBR、SBR等である。
リング状体22に用いる熱収縮チューブは、オレフィン系、シリコーン系、フッ素系の樹脂やエラストマー等である。なお、熱収縮チューブをブーツ10の谷26に巻き付けると、リング断面は中空であるが、径の大きい熱収縮チューブをいわゆる輪切りにすれば、リング体を形成することができる。このリング体をブーツ10の谷26に嵌合すれば、中実のリング体がブーツ10の谷26に外嵌された状態となる。
このように、リング状体22には種々の材質(材料)のものを使用することができるが、前記したように、ブーツ材料よりも硬質である必要がある。すなわち、熱可塑性エラストマーを用いる場合には、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが50を超えるものとし、ゴムを用いる場合には、JIS K 6253によるタイプAデュロメータ硬さが80以上のものとする。なお、タイプAデュロメータ硬さとは、デュロメータは中硬さ用であって、国際規格であるISO 7619と整合する。
特に、高温下において、ブーツ材料の熱可塑性エラストマーよりも高い機械的特性を保持しなければならない。このため、熱可塑性の材料を用いる場合、その融点が230℃以上のものが好ましい。
自由状態において、リング状体22の内径d1を、そのリング状体22が嵌合される谷26の外径d(径方向溝35の底面35aの径)に合わせている。径方向溝35の底面35aが円弧面とされ、この底面35aの曲率半径rがリング状体22の半径(断面における半径)r1と同じとされたことと相俟って、自由状態において、図1や図4に示すように、リング状体22、底面35aに密接するように、径方向溝35に嵌合する。
この実施の形態においては、リング状体22を大径部23側の3個の谷26に外嵌させている。なお、リング状の内径d1は、そのリング状体22が嵌合される谷26の外径dと同等とするのが好ましいが、その誤差が1mm未満であればよい。
本発明のブーツでは、ブーツ本体21よりも硬質の樹脂または弾性材からなるリング状体22を、大径部23側の谷に外嵌したので、高速回転時のブーツ本体21の外径拡張を防止できる。これによって、高速回転に十分に追従することができる。このため、ブーツ肉厚を厚く(大きく)したり、ブーツ外径を小さくしたりすることがなくなって、疲労性及び耐摩耗性の向上を図ることができ、しかも等速自在継手の可動範囲を制限したりすることがなく、等速自在継手はその機能を有効に発揮することができる。これに対して、ブーツ肉厚を厚くしたり、ブーツ外径を小さくしたりすれば、等速自在継手の可動範囲を制限したり、疲労性及び耐摩耗性を低下させることになる。なお、前記高速回転とは、例えば、自動車のドライブシャフトに使用される等速自在継手の高速回転である。
特に、ブーツ本体21のブーツ材料を熱可塑性エラストマーとしたので、耐熱性や耐老化性等に優れ、等速自在継手が使用される高温雰囲気下においても十分使用することができる。しかも、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが35以上50以下であるので、強度的に優れ、耐摩耗性においても有利であり、疲労性及び耐摩耗性の向上を確実に図ることができる。
リング状体22の断面形状を円形として、前記リング状体22の内径側を、その嵌合される谷26のリング状体対応部の形状に合わせることによって、このリング状体22によるブーツ本体21の外径拡張防止機能を安定して発揮でき、高速回転に対する追従性が向上する。なお、リング状体22の内径d1が、そのリング状体22が嵌合される谷26の外径dより1mm以上大きければ、外径拡張防止機能が低下し、逆に1mm以上小さければ、等速自在継手1が作動角をとったときやスライドしたときに通常発生する変形の妨げになる。
次に図5は第2の実施形態を示し、この場合、自由状態において、リング状体22の内径d1を、そのリング状体22が嵌合される谷26の外径(この場合、径方向溝35の開口部の径)よりも大きく設定している。これによって、リング状体22を谷26から連続する傾斜部28に接触させている。
このため、図5に示すブーツであっても、リング状体22によるブーツ本体21の外径拡張防止機能を安定して発揮でき、高速回転に対する追従性が向上する。なお、このブーツであっても、リング状体22の内径d1が、傾斜部28の接触部より1mm以上大きければ、外径拡張防止機能が低下し、逆に1mm以上小さければ、等速自在継手1が作動角をとったときやスライドしたときに通常発生する変形の妨げになる。
さらにこの図5に示すブーツでは、リング状体22を谷26から連続する傾斜部28に接触させているので、リング状体22が嵌合するスペースが大きくなって、リング状体22の断面積を大きくすることができる。これによって、リング状体22の剛性を向上させることができ、外径拡張防止機能をより安定して発揮することができる。なお、断面積が大きすぎると、通常のブーツ変形に支障を来たすことがあるので、断面の直径を5mm以下にするのが好ましい。
次に図6は第3の実施の形態を示す。この場合、リング状体22は、径方向溝35に嵌合する薄肉部40と、この薄肉部40に連設される厚肉部41とからなる。すなわち、リング状体22は、谷26との接触部が谷26の外径形状(リング状体対応部)にほぼ合っている。
図6に示すブーツであっても、リング状体22によるブーツ本体21の外径拡張防止機能を安定して発揮でき、高速回転に対する追従性が向上する。なお、このブーツであっても、リング状の内径d1が、谷26の外径dより1mm以上大きければ、外径拡張防止機能が低下し、逆に1mm以上小さければ、等速自在継手1が作動角をとったときやスライドしたときに通常発生する変形の妨げになる。
このリング状体22の厚肉部41は、図7に示すように、小径部側の側面42と、大径部側の側面43とは、内径側から外径側に向かって相互に開くように傾斜している。そして、この開き角αは、等速自在継手の作動角0degにおける谷26の開き角βよりも5度以上狭いことが好ましく、さらにリング状体22の外径は、隣接する2つの山25の外径とこの谷26との中間部の径より小さくするのが好ましい。このような設定とすることによって、高速回転に対する追従性やブーツ耐久性を向上させることができる。
ところで、等速自在継手には、θ=45〜50deg程度の大きな作動角を取ることのできるタイプ(例えばツェッパ型、バーフィールド型などのボールを用いた固定式等速自在継手)や、作動角はそれ程大きく取ることはできないが外側継手部材の軸線方向にスライドする機構を兼ね備えたタイプ(例えばダブルオフセット型、トリポード型、クロスグルーブ型などの摺動式等速自在継手)等がある。このため、本発明のブーツ10は、これらの種々の等速自在継手に適用することができる。
本発明のブーツは、特に自動車用のドライブシャフトに用いられるデファレンシャルギア側に使用する摺動式等速自在継手への適用が好ましい。これは、この等速自在継手が高温雰囲気中に曝される頻度が高いためである。また、外径が95mmを超え、かつ摺動量が50mm以上である等速自在継手に使用するのが好ましく、トリポード型やダブルオフセット型の摺動式の等速自在継手において本発明のブーツ10はその効果を有効に発揮する。これは、大きいサイズの等速自在継手では、回転による遠心力が大きくなると共に、等速自在継手に封入するグリース量が多くなるからである。
リング状体22を、ブーツ本体21のすべての谷26に外嵌(装着)するようにしてもよいが、谷26が4つ以上ある場合に、大径部23側の1つ以上3つ以下の谷26に装着するようにするのが好ましい。特に、実施形態のように、大径部23側からの3個の谷26に装着するようにするのが好ましい。これは、小径部24側の谷26にリング状体22を装着しても、高速回転に対する追従性の大きな向上を望みにくく、また、装着するリング状体22の数が増加することによって、円滑なブーツ変形を阻害することになりかねない。
蛇腹部27の山谷25、26の数の増減は任意であり、谷26に径方向溝35を有さないものであってもよい。また、各実施形態では、山谷25、26の外径側及び内径側の曲率半径が比較的小さいが、これらの曲率半径を大きいものとしてもよい。さらに、傾斜部28の傾斜角度としても変更可能である。
リング状体22として、繊維状体を編み込んで形成してもよく、型による一体成形品であってもよい。また、リング状体22はエンドレスであっても、一部に切欠き部を有するものであってもよい。
一つのブーツ本体21に複数のリング状体22を装着する場合、形状及び材質が同じものを使用しても、形状のみ、材質のみ、又は形状及び材質が相違するものを使用してもよい。すなわち、一つのブーツ本体21に対して、使用するリング状体22が同じタイプであっても、相違するタイプであってもよい。
リング状体22の断面形状は、円形以外に、楕円、三角形、矩形、多角形(五角形以上の多角形)等の種々の形状であってもよい。
本発明の第1の実施の形態を示す等速自在継手用ブーツを等速自在継手に装着した状態の断面図である。 前記等速自在継手用ブーツの拡大断面図である。 前記等速自在継手の拡大横断面図である。 前記等速自在継手用ブーツの要部拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す等速自在継手用ブーツの拡大断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す等速自在継手用ブーツの拡大断面図である。 前記第3の実施の形態を示す等速自在継手用ブーツの要部拡大図である。 従来の等速自在継手用ブーツを等速自在継手に装着した状態の断面図である。
符号の説明
1 等速自在継手
3 シャフト
4 内側継手部材
6 ローラ
10 等速自在継手用ブーツ
12 マウス部
12a 大径部
12b 小径部
13 ステム部
14 セレーション軸
15 トラック溝
18 ボス
19 脚軸
20 セレーション孔
21 ブーツ本体
22 リング状体
23 大径部
24 小径部
25 山
26 谷
27 蛇腹部
28 傾斜部
29 嵌合溝
30 ブーツバンド
31 係合溝
32 ブーツ取付け部
33 嵌合溝
35a 底面
35 径方向溝
40 薄肉部
41 厚肉部
42 側面
43 側面
100 等速自在継手
101 外輪
102 大径部
103 内輪
104 シャフト
105 小径部
106 谷
107 山
108 蛇腹部
109 ブーツバンド
d 外径
d1 内径
r 曲率半径
r1 半径
α 開き角
β 開き角

Claims (6)

  1. 等速自在継手の外側継手部材の開口端部に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に設けられる蛇腹部とを有するブーツ本体と、
    このブーツ本体の蛇腹部の谷に外嵌されるリング状体とを備えた等速自在継手用ブーツにおいて、
    前記ブーツ本体のブーツ材料を、JIS K 6253によるタイプDデュロメータ硬さが35以上50以下の熱可塑性エラストマーとし、少なくとも大径部側の谷に、前記ブーツ本体よりも硬質の樹脂または弾性材からなる前記リング状体を外嵌したことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
  2. 前記弾性リング状体の断面形状が円形であることを特徴とした請求項1の等速自在継手用ブーツ。
  3. 前記リング状体の内径側を、その嵌合される谷のリング状体対応部の形状に合わせたことを特徴とする請求項1又は請求項2の等速自在継手用ブーツ。
  4. 前記リング状体の内径寸法を、その嵌合される谷の外径寸法に合わせて、前記リング状体の内周縁を谷の外周縁に密接させたことを特徴とする請求項1又は請求項2の等速自在継手用ブーツ。
  5. 前記リング状体の内径寸法を、その嵌合される谷の外径寸法よりも大きくして、蛇腹部の山と谷とを連結する傾斜部に前記リング状体を密接させたことを特徴とする請求項1又は請求項2の等速自在継手用ブーツ。
  6. 前記等速自在継手が摺動式等速自在継手であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの等速自在継手用ブーツ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102011119672A1 (de) * 2011-11-29 2013-05-29 Volkswagen Aktiengesellschaft Faltenbalg, Verwendung dieses Faltenbalgs und Fahrzeug mit einem derartigen Faltenbalg
JP5303058B1 (ja) * 2012-09-11 2013-10-02 容薫 許 緩衝装置用バンプストッパ
US8936248B2 (en) 2011-03-28 2015-01-20 Toyoda Gosei Co., Ltd. Boot seal for variable compression-rate engine

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