JP2008133855A - クロスグルーブ形等速ジョイント - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな部品を用いることなく、且つ、ブーツの肉厚および軸方向長さの増大を抑制しつつ、ボールが外輪から外れることを防止できるクロスグルーブ形等速ジョイントを提供する。
【解決手段】ブーツ16は、外輪11の開口端部外周面に締め付け固定される大径筒部16aと、シャフト15に締め付け固定される小径筒部16bと、大径筒部16aの小径筒部16b側に一体に連結され小径筒部に向かって縮径するテーパ部16cと、テーパ部16cの小径側と小径筒部16bとの間に一体に設けられた伸縮性の蛇腹部16bとを備える。そして、外輪11の中心軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上の角度をとったときに、ボール13は、外輪ボール溝11aに対して周方向に係合し、且つ、ブーツ16のテーパ部16cの内周面に当接する。
【選択図】図2

Description

本発明は、クロスグルーブ形等速ジョイント、すなわち、外輪ボール溝におけるボール軌跡と内輪ボール溝におけるボール軌跡とが周方向に交差するように形成された等速ジョイントに関するものである。
クロスグルーブ形等速ジョイントにおいては、組み付けの際および組み付け後車両等に取り付けられる前の搬送の際などに、等速ジョイントを構成するボールが外輪から外れることを防止する必要がある。この対策として、例えば、実開平1−69916号公報(特許文献1)の図1には、外輪部材の開口部側に金具を配置して、当該金具にシャフトを当接させることによりジョイント角を制限し、結果としてボールが外輪から外れないようにすることが記載されている。また、当該公報の図2には、上記金具に代えて、当該金具に相当する剛性を有するブーツを用いることが記載されている。その他に、実開平6−32755号公報(特許文献2)には、外輪の開口端部の内周面に、サークリップを配置して、ボールをサークリップに当接させることによりジョイント角を制限し、結果としてボールが外輪から外れないようにすることが記載されている。
実開平1−69916号公報 実開平6−32755号公報
しかし、金具やサークリップなどの別部品を用いる場合には、部品点数の増加および組み付け工数の増加により高コスト化を招来する。また、金具に相当する剛性を有するブーツを用いる場合には、当該ブーツの高い剛性を確保するために、肉厚に加えて軸方向長さを十分に確保しなければならない。このように、肉厚を厚く、且つ、軸方向長さを長くすることにより、ブーツを形成するエラストマーの体積が増大する。従って、ブーツの高コスト化を招来する。さらに、ブーツの軸方向長さが増大することにより、ブーツ自体が大型化し、その結果、内部に充填するグリスが多量に必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、新たな部品を用いることなく、且つ、ブーツの肉厚および軸方向長さの増大を抑制しつつ、ボールが外輪から外れることを防止できるクロスグルーブ形等速ジョイントを提供することを目的とする。
(1)本発明のクロスグルーブ形等速ジョイントは、カップ状からなり、内周面に外輪回転軸に対してねじれ且つ一端が開口端部に開放された複数の外輪ボール溝が形成された外輪と、外輪に対して外輪回転軸方向にスライド可能に外輪の内側に配置され、外周面に内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪ボール溝が形成された内輪と、外輪ボール溝および内輪ボール溝に対して周方向に係合して転動可能に配置され、且つ、外輪ボール溝と外輪ボール溝に対して交差する内輪ボール溝との交差部に配置された複数のボールと、外輪と内輪との間に配置され、ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成された保持器と、外輪の開口端部と内輪に同軸的に挿通されたシャフトとの間を覆蓋する可撓性のブーツと、を備える。
このブーツは、外輪の開口端部外周面に締め付け固定される大径筒部と、シャフトに締め付け固定される小径筒部と、大径筒部の小径筒部側に一体に連結され小径筒部に向かって縮径するテーパ部と、該テーパ部の小径側と小径筒部との間に一体に設けられた伸縮性の蛇腹部と、を備える。そして、本発明のクロスグルーブ形等速ジョイントにおいて、外輪の中心軸とシャフトの中心軸とが所定値以上の角度をとったときに、ボールは、外輪ボール溝に対して周方向に係合し且つブーツのテーパ部の内周面に当接するようにしている。
ここで、本発明のクロスグルーブ形等速ジョイントを組み付ける際、および、組み付け後車両等に取り付けられる前の搬送の際には、外輪の中心軸とシャフトの中心軸とが自由に動くことができ、両中心軸の傾斜角度(ジョイント角)が外力によって極めて大きくなることがある。この際、両中心軸の傾斜角度が、ボールを介したトルク伝達時における最大角度以上の角度、すなわち、所定値以上の角度となる場合がある。このとき、複数のボールのうち何れかは、外輪ボール溝の一端から離脱する方向に移動しようとする。しかし、外輪ボール溝から離脱しようとするボールは、ブーツのテーパ部の内周面に当接することにより、ボールの移動が規制される。つまり、ブーツのテーパ部により、ボールは、外輪ボール溝から離脱しない。従って、本発明によれば、ボールが外輪から外れることを防止できる。
ところで、ブーツのテーパ部は、大径筒部より小径筒部側に一体に連結され、小径筒部に向かって縮径するように形成されている。そして、当該テーパ部は、外輪ボール溝から離脱しようとするボールが当接し得る位置に配置されている。つまり、当該テーパ部の大径側は、外輪の開口端部外周面付近に位置し、当該テーパ部の小径側は、外輪ボール溝から外輪の外輪回転軸方向外方に位置している。換言すると、テーパ部は、外輪ボール溝の少なくとも径方向外側を覆蓋するように配置されている。このように配置することで、確実に、ボールをテーパ部の内周面に当接させて、ボールの移動を規制できる。
また、本発明のテーパ部は、上述したように、外輪ボール溝を覆蓋するように配置することで、ボールの移動を規制している。一方、特許文献1の図1のように剛性筒部33を有するブーツは、当該ブーツの剛性筒部の端部にシャフトを当接させることで、ジョイント角を規制している。従って、本発明のテーパ部の軸方向長さは、それほど長くする必要はなく、当該テーパ部の軸方向長さは、特許文献1の図1の剛性筒部に比べて短くできる。従って、従来に比べて、ブーツの軸方向長さの増大を抑制できる。また、本発明のテーパ部の剛性は、特許文献1の当該部分の剛性に比べて低くてもよくなる。なぜなら、特許文献1の剛性筒部に相当する部分のみを抽出してみると、軸方向長さの長い片持ち梁で、その端部にシャフトから荷重を受けている一方、本発明のテーパ部は、軸方向長さの短い片持ち梁で、その中央部にボールから荷重を受けており、ブーツが受ける荷重が仮に同一とした場合に、特許文献1の当該部分の撓み量に比べて、本発明のテーパ部の撓み量が小さくなるからである。つまり、本発明のテーパ部は、従来に比べて、肉厚の増大を抑制することができる。
さらに、本発明は、ブーツのみにより、ボールが外輪から外れることを防止している。つまり、本発明は、従来のような金具やサークリップなどの新たな部品を用いていない。このように、本発明は、新たな部品を用いることなく、且つ、ブーツの肉厚および軸方向長さの増大を抑制しつつ、ボールが外輪から外れることを防止できる。
(2)また、本発明のクロスグルーブ形等速ジョイントは、ボールがブーツのテーパ部の内周面に当接する際、ボールの当該当接位置における接面と、内輪ボール溝の底部の延長線とが、外輪の開口端部より前記外輪の外方で交差するようにするとよい。つまり、ブーツのテーパ部と内輪ボール溝とにより、くさび効果を発揮することができる。従って、このくさび効果により、ボールが外輪の外方へ移動することを確実に規制できる。
(3)前記ボールの当接位置における接面は、特に、ボールの当接位置のうち外輪のカップ底部から最も遠い位置における接面であるとよい。これにより、くさび効果を確実に発揮することができる。
(4)テーパ部は、曲げ変形可能としてもよい。当該テーパ部が曲げ変形することで、ボールがテーパ部に当接する際に、ボールとテーパ部との接触部位は面状となる。従って、テーパ部がボールから受ける面圧を低減できる。つまり、テーパ部の剛性を低くすることができる。
本発明のクロスグルーブ形等速ジョイントによれば、金具やサークリップなどの新たな部品を用いることなく、且つ、ブーツの肉厚および軸方向長さの増大を抑制しつつ、ボールが外輪から外れることを防止できる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態のクロスグルーブ形等速ジョイント10(以下、単に「等速ジョイント」という)について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、ジョイント角0度の場合における等速ジョイント10の軸方向断面図を示す。図2は、ジョイント角が所定値以上の角度の場合における等速ジョイント10の軸方向断面図を示す。図3は、図2におけるボール13とテーパ部16cとの当接部位の拡大図を示す。
図1に示すように、等速ジョイント10は、外輪11と、内輪12と、ボール13と、保持器14と、シャフト15と、ブーツ16とを備えている。
外輪11は、カップ状(有底筒状)に形成されている。この外輪11の内周面には、複数の外輪ボール溝11aが形成されている。この外輪ボール溝11aは、外輪回転軸(外輪11の中心軸)に対してねじれる方向に、且つ、溝中心が直線状になるように形成されている。そして、隣り合う外輪ボール溝11aは、ねじれる方向が逆方向となるように形成されている。つまり、隣り合う外輪ボール溝11aは、外輪11の一端側(例えば、図1の右端側)において近接し、他端側(例えば、図1の左端側)において遠ざかるように位置する。さらに、外輪ボール溝11aの一端は、外輪11の開口端部に開放されるように形成されている。
内輪12は、筒状からなる。この内輪12の外周面は、凸球面状に形成されている。具体的には、内輪12の凸球面状外周面の最外周面12aは、軸方向断面で見た場合に一様な凸円弧状に近似した形状、つまり凸状の部分球面状に近似した形状に形成されている。さらに、内輪12の外周面には、複数の内輪ボール溝12bが形成されている。この内輪ボール溝12bは、内輪12の内輪回転軸(内輪12の中心軸)に対してねじれる方向に、且つ、溝中心が直線状に形成されている。従って、当然に、内輪ボール溝12bの底部も直線状となる。そして、隣り合う内輪ボール溝12bは、ねじれる方向が逆方向となるように形成されている。つまり、隣り合う内輪ボール溝12bは、内輪12の一端側において近接し、他端側において遠ざかるように位置する。また、内輪12の内周面には、内周スプライン12cが形成されている。この内周スプライン12cは、後述するシャフト15の端部に形成されている外周スプライン15aに挿通嵌合(噛合)する。
そして、この内輪12は、外輪11の内側に配置されている。さらに、内輪12は、外輪11に対して外輪回転軸方向にスライド可能に配置されている。このとき、内輪12のそれぞれの内輪ボール溝12bが、径方向外側から見た状態において、外輪11のそれぞれの外輪ボール溝11aに交差するように配置されている。
ボール13は、外輪11のそれぞれの外輪ボール溝11aおよび内輪12のそれぞれの内輪ボール溝12bに対して周方向に係合するように、且つ、外輪ボール溝11aおよび内輪ボール溝12bに転動可能に配置されている。このボール13は、外輪ボール溝11aと内輪ボール溝12bとが交差する交差部に配置される。具体的には、ボール13は、外輪ボール溝11aの溝中心(外輪ボール溝11aにおけるボール軌跡に相当)と内輪ボール溝12bの溝中心(内輪ボール溝12bにおけるボール軌跡に相当)とが径方向外側から見た状態において周方向に交差する位置に配置されている。つまり、ボール13により、外輪11と内輪12との間でトルクが伝達される。なお、ボール13は、外輪ボール溝11aおよび内輪ボール溝12bと同数配置されている。
保持器14は、略円筒状からなる。具体的には、保持器14の内周面は、内輪12の最外周面12aにほぼ対応する凹状の部分球面状に形成され、保持器14の外周面も、凸状の部分球面状に形成されている。そして、保持器14は、外輪11と内輪12との間に配置されている。具体的には、保持器14は、外輪11の内周面と内輪12の最外周面12aとの間に配置されている。さらに、この保持器14は、周方向に等間隔に、略矩形孔の窓部14aを複数形成している。この窓部14aは、ボール13と同数形成されている。この窓部14aには、ボール13がそれぞれ挿通されている。つまり、保持器14は、ボール13を保持している。
シャフト15は、例えばドライブシャフトなどの動力伝達シャフトである。このシャフト15の一端側の外周面には、外周スプライン15aが形成されている。この外周スプライン15aが内輪12の内周スプライン12cに挿通嵌合(噛合)されることにより、シャフト15は内輪12に同軸的に連結される。
ブーツ16は、蛇腹筒状に一体形成されている。このブーツ16は、合成樹脂やゴムなどを用いて、ブロー成形、射出成形などの公知の成形方法により成形する。なお、合成樹脂としては、例えば、TPE(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)、TPO(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)などの熱可塑性樹脂を用いる。このブーツ16は、外輪11の開口側を封止している。つまり、外輪11とブーツ16とにより閉塞空間に、内輪12、ボール13、保持器14が配置されている。なお、この閉塞空間には、グリスなどの潤滑剤が封入されている。
このブーツ16は、詳細には、大径筒部16aと、小径筒部16bと、テーパ部16cと、蛇腹部16dとから構成され、これらは一体形成されている。また、テーパ部16cは蛇腹部16dよりも肉厚となるように形成され、蛇腹部16dに比べて剛性が高められている。
大径筒部16aは、円筒状からなり、クランプ部材により外輪11の開口端部外周面に締め付け固定されている。小径筒部16bは、大径筒部16aより小径の円筒状からなる。この小径筒部16bは、クランプ部材により、シャフト15の外周面に締め付け固定されている。小径筒部16bが締め付け固定されるシャフト15の位置は、外周スプライン15aの形成位置よりも軸中央部側(図1の右側)であり、且つ、大径筒部16aが外輪11に締め付け固定される位置よりも図1の右側(外輪11の開口端部より外輪11の外方)に位置している。
テーパ部16cは、大径筒部16aの小径筒部16b側(図1の右端)に一体に連結されており、小径筒部16bに向かって縮径するテーパ状に形成されている。つまり、テーパ部16cの最大径は、大径筒部16aと同径からなる。そして、テーパ部16cの大径側は、外輪11の開口端部外周面付近に位置している。一方、テーパ部16cの最小半径は、外輪11の中心軸から外輪ボール溝11aの溝底までの距離よりも小さくされている。つまり、テーパ部16cの小径側は、外輪ボール溝11aから外輪11の外輪回転軸方向外方に位置している。さらに、テーパ部16cは、外輪ボール溝11aの少なくとも径方向外側を覆蓋するように配置されている。また、テーパ部16cの最小半径は、小径筒部16bの内径よりも大きくされている。
ここで、テーパ部16cのテーパ状とは、軸方向断面において、直線状のみならず、曲線状、段差状のものを含む意味である。つまり、当該テーパ状とは、連続的に縮径するテーパ状のみならず、断続的に縮径するテーパ状を含む。従って、詳細には、テーパ部16cの内周面および外周面の軸方向断面形状は、何れも、直線状、曲線状、段差状などを含む。特に、テーパ部16cの内周面の軸方向断面形状は、連続的に縮径するテーパ状であることが望ましい。なお、図1においては、テーパ部16cの内周面および外周面の軸方向断面形状は、ほぼ直線状のテーパ状に図示している。
また、このテーパ部16cを含むブーツ16は、上述したように、熱可塑性樹脂やゴムなどを用いている。従って、テーパ部16c自体は、僅かながら曲げ変形(撓み変形)し得るし、さらには、テーパ部16cは、大径筒部16aとの連結部位においても僅かながら曲げ変形し得る。
蛇腹部16dは、蛇腹筒状に形成されており、伸縮性を有する。この蛇腹部16dは、テーパ部16cの小径側と小径筒部16bとの間に一体に設けられている。つまり、蛇腹部16dの一端側(図1の左側)は、テーパ部16cの小径側(図1の右側)に一体に連結されている。一方、蛇腹部16dの他端側(図1の右側)は、小径筒部16bの大径筒部16a側(図1の左側)に一体に連結されている。
次に、ジョイント角(外輪11の中心軸とシャフト15の中心軸との傾斜角度)が所定値以上の角度をとったときにおける等速ジョイント10について、図2を参照して説明する。
このとき、ジョイント角が所定値以上の角度をとったときには、ブーツ16の蛇腹部16dが変形する。具体的には、蛇腹部16dのうち、大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が近接する部位(図2の下側)は収縮変形し、大径筒部16aと小径筒部16dとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)は伸長変形する。
また、テーパ部16cは、蛇腹部16dの変形に比べて非常に僅かにではあるが、変形する。具体的には、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が近接する部位(図2の下側)は、収縮した蛇腹部16dに押圧されることで、軸方向長さが短くなるように、大径筒部16aとの連結部位および蛇腹部16dとの連結部位にて曲げ変形する。また、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16dとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)は、大径筒部16aの小径筒部16b側の端部(図2の右側)と小径筒部16bの大径筒部16a側の端部(図2の左側)とを結ぶ直線上に近づくように、引っ張り変形する。
ここで、複数のボール13の全てのボール中心を通る平面は、外輪11の中心軸に直交する平面に対して傾斜している。つまり、複数のボール13は、外輪11の軸方向中央部に位置するもの、当該中央部より外輪11のカップ底部側に位置するもの、当該中央部より外輪11の開口端部側に位置するもの(図2に示すボール13)が存在する。ここで、外輪11の開口端部付近に位置するボール13は、外輪11の開口端部より外輪11の外方に移動しようとする。つまり、当該ボール13は、外輪11および保持器14から離脱し得る位置に移動しようとする。
そうすると、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16dとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)には、外輪11の開口端部付近に位置するボール13が当接する。つまり、当該ボール13は、テーパ部16cの内周面に当接している状態となる。このとき、当該ボール13は、外輪ボール溝11aに対して周方向に係合している状態を維持している。従って、当該ボール13は、テーパ部16cに当接することにより、外輪11の外方へ移動することが規制される。
ここで、図3に示すように、当該ボール13が当接するテーパ部16cは、ボール13の外面に倣って僅かに撓み変形するため、当該ボール13とテーパ部16cとは面接触の状態となる。この接触面のうち外輪11のカップ底部から最も遠い位置X(図2および図3の最も右側の位置)における接面は、Xaとなる。そして、この接面Xaは、テーパ部16cに当接する当該ボール13が配置(係合)される内輪ボール溝12bの底部の延長線Yaに対して、外輪11の開口端部より外輪11の外方で交差する。
つまり、ブーツ16のテーパ部16cと内輪12の内輪ボール溝12bとにより、くさび効果を発揮することができる。従って、ボール13は、このくさび効果により、より確実に外輪11の外方へ移動することが規制され、ボール13が外輪11から外れることを防止できる。特に、上述したように、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16dとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)、すなわちテーパ部16cのうち引っ張り変形する部位に、ボール13が当接する。従って、テーパ部16cの当該部位は、ボール13からの押圧力を受けた場合であっても、変形量を小さく抑えることができる。つまり、テーパ部16cの当該部位は、ボール13の移動を規制するための十分な剛性を発揮できる。
また、本実施形態のブーツ16を用いることにより、上述したように、ブーツ16自体の軸方向長さの増大を抑制できると共に、肉厚の増大を抑制できる。さらに、金具などのブーツ16以外の新たな部品を用いることなく、ボール13が外輪11から外れることを防止できる。
ジョイント角0度の場合における等速ジョイント10の軸方向断面図を示す。 ジョイント角が所定値以上の角度の場合における等速ジョイント10の軸方向断面図を示す。 図2におけるボール13とテーパ部16cとの当接部位の拡大図を示す。
符号の説明
10:クロスグルーブ形等速ジョイント、
11:外輪、 11a:外輪ボール溝、
12:内輪、 12a:最外周面、 12b:内輪ボール溝、 12c:内周スプライン、
13:ボール、 14:保持器、 14a:窓部、
15:シャフト、 15a:外周スプライン、
16:ブーツ、
16a:大径筒部、 16b:小径筒部、 16c:テーパ部、 16d:蛇腹部

Claims (4)

  1. カップ状からなり、内周面に外輪回転軸に対してねじれ且つ一端が開口端部に開放された複数の外輪ボール溝が形成された外輪と、
    前記外輪に対して前記外輪回転軸方向にスライド可能に前記外輪の内側に配置され、外周面に内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪ボール溝が形成された内輪と、
    前記外輪ボール溝および前記内輪ボール溝に対して周方向に係合して転動可能に配置され、且つ、前記外輪ボール溝と前記外輪ボール溝に対して交差する前記内輪ボール溝との交差部に配置された複数のボールと、
    前記外輪と前記内輪との間に配置され、前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成された保持器と、
    前記外輪の開口端部と前記内輪に同軸的に挿通されたシャフトとの間を覆蓋する可撓性のブーツと、
    を備えるクロスグルーブ形等速ジョイントであって、
    前記ブーツは、前記外輪の開口端部外周面に締め付け固定される大径筒部と、前記シャフトに締め付け固定される小径筒部と、前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径するテーパ部と、該テーパ部の小径側と前記小径筒部との間に一体に設けられた伸縮性の蛇腹部と、を備え、
    前記外輪の中心軸と前記シャフトの中心軸とが所定値以上の角度をとったときに、前記ボールは、前記外輪ボール溝に対して周方向に係合し且つ前記ブーツの前記テーパ部の内周面に当接することを特徴とするクロスグルーブ形等速ジョイント。
  2. 前記ボールが前記ブーツの前記テーパ部の内周面に当接する際、前記ボールの当該当接位置における接面と、前記内輪ボール溝の底部の延長線とが、前記外輪の開口端部より前記外輪の外方で交差する請求項1に記載のクロスグルーブ形等速ジョイント。
  3. 前記ボールの前記当接位置における接面は、前記ボールの前記当接位置のうち前記外輪のカップ底部から最も遠い位置における接面である請求項2に記載のクロスグルーブ形等速ジョイント。
  4. 前記テーパ部は、曲げ変形可能である請求項1〜3の何れか一項に記載のクロスグルーブ形等速ジョイント。
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