JP6417746B2 - ボール型等速ジョイント組立体及びそのブーツ - Google Patents

ボール型等速ジョイント組立体及びそのブーツ Download PDF

Info

Publication number
JP6417746B2
JP6417746B2 JP2014128064A JP2014128064A JP6417746B2 JP 6417746 B2 JP6417746 B2 JP 6417746B2 JP 2014128064 A JP2014128064 A JP 2014128064A JP 2014128064 A JP2014128064 A JP 2014128064A JP 6417746 B2 JP6417746 B2 JP 6417746B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer ring
ball
tapered portion
peripheral surface
diameter cylindrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014128064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016008626A (ja
Inventor
芳実 青木
芳実 青木
市川 和之
和之 市川
浩二 馬上
浩二 馬上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2014128064A priority Critical patent/JP6417746B2/ja
Publication of JP2016008626A publication Critical patent/JP2016008626A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6417746B2 publication Critical patent/JP6417746B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/84Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor
    • F16D3/843Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor enclosed covers
    • F16D3/845Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor enclosed covers allowing relative movement of joint parts due to the flexing of the cover

Description

本発明は、ボール型等速ジョイント組立体、及びその等速ジョイント組立体に使用されるブーツに関する。
ボール型等速ジョイント組立体では、ジョイント組立体の組み付け時、ジョイント組立体を納品するための搬送時、及びジョイント組立体の車両への組み付け時などにおいて、等速ジョイントを構成するボールが、外輪から離脱する可能性がある。このような場合、外輪からのボールの離脱を防止する必要がある。なお、ボールが外輪から離脱するのは、内輪に連結されるシャフトの作動角が、車両組付後における等速ジョイントのシャフトの作動角を大きく上回ることによって起きる。このとき、シャフトの作動角を所定の角度に規制するためのストッパとなる部品を追加することにより、外輪からのボールの離脱は防止可能である。しかし、低コスト化の要求もあり部品追加による対策は好ましくない。
これに対し、部品追加をせずに行なう対策として、特許文献1には、外輪の端面とシャフトの端部との間に固定されるブーツによって、外輪からのボールの離脱を防止することが記載されている。具体的には、ボールが外輪から離脱する離脱位置に位置するブーツの所定の部分にテーパ部を設けている。これにより、シャフトの作動角が所定の角度を越えて大きくなり、ボールが外輪から離脱しかけると、テーパ部がボールに当接してボールを離脱方向と反対方向に押さえ込み、外輪からのボールの離脱を防止すると記載されている。ブーツの軸線周り方向においてボールが離脱する側では、シャフトの大きな作動角に応じて、蛇腹部がシャフト軸線方向に伸長される。このとき、テーパ部も同時にシャフト軸線方向に引っ張られる。これによってテーパ部の剛性が向上する。そして、剛性が向上したテーパ部がボールに当接して外輪からのボールの離脱を防止する。
特開2008−133855号公報
しかし、特許文献1に開示された技術では、テーパ部に伸縮自在な蛇腹部が連結されている。このため、蛇腹部とテーパ部とが一体であるとして見たとき、テーパ部の径方向外方への可動変位量がボールを押さえ込むのに必要な大きさ以下に規制されていない場合が考えられる。これにより、離脱しようとするボールによってテーパ部が押されて大きく変位し、ボールが外輪から離脱することを防止できない虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低コストな構成によってボールが外輪から離脱することを防止できるボール型等速ジョイント組立体を提供することを目的とする。
(請求項1)本発明のボール型等速ジョイント組立体は、有底筒状に形成される外輪と、前記外輪の内側に配置される内輪と、前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備え、前記ブーツは、前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、前記壁部は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記保持器に当接する。
上記構成により、ブーツにおけるテーパ部の径方向外方への変位が円環状の壁部によって抑制される。つまり、従来技術においては、連結された伸縮自在な蛇腹部の影響を受けるので、蛇腹部とともに変位するテーパ部の径方向外方への可動変位量を、ボールを押さえ込むのに必要な大きさに規制することが困難であった。しかし、本発明においては、テーパ部の内周面のうちボールとの当接点より蛇腹部側の範囲のテーパ部の内周面からテーパ部の径方向内側に向かって、円環状の壁部が突出している。このような壁部によって、蛇腹部の影響を減少させ、テーパ部の径方向外方への変位量を小さくすることができる。これにより、ボールがテーパ部と当接しても変位が抑制されたテーパ部によって、それ以上の外輪からの離脱が防止される。また、前記壁部は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記保持器に当接してもよい。このため、保持器に当接した壁部は、保持器に支持される。これにより、保持器に支持された壁部によってテーパ部の変位量はさらに小さくなり、ボールの外輪からの離脱がさらに抑制される。
(請求項)また、前記ボール型等速ジョイント組立体は、車両に搭載され、前記テーパ部は、車両搭載状態において、前記ボールと常時非接触となり、前記壁部は、車両搭載状態において、前記保持器と常時非接触となってもよい。これにより、車両搭載状態においては、壁部は、保持器と常時非接触となるので、シャフト作動時においては、両者の間で抵抗が発生せず良好な作動状態が維持できる。
(請求項)また、前記壁部は、前記テーパ部の前記内周面から前記外輪方向に傾斜して伸びてもよい。これにより、ボールがテーパ部に当接する状態においては、ボールを保持する保持器の端面が傾斜した壁部の面に良好に当接可能となる。このため、保持器と壁部との間では大きな摩擦力が発生し、壁部は保持器との当接位置で保持器に強固に支持される。このため、テーパ部の変位は、良好に抑制される。
(請求項)また、前記壁部は、前記テーパ部の前記蛇腹部側の端部から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出してもよい。このように、テーパ部の蛇腹部と接する端部に壁部を設けるので、蛇腹部がテーパ部に与える影響を端部で遮断し最小にできる。このため、テーパ部の変位は、良好に抑制される。
(請求項)また、前記壁部の内周面は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記シャフトの外周面に当接してもよい。これにより、シャフトの作動が規制でき、シャフトの作動角度が更に拡大して、ボールが勢いよく外輪の開口端部から離脱しようとする力を効果的に抑制できる。
(請求項)また、前記ボール型等速ジョイント組立体は、車両に搭載され、前記テーパ部は、車両搭載状態において、前記ボールと常時非接触となり、前記壁部の前記内周面は、車両搭載状態において、前記シャフトの前記外周面と常時非接触となってもよい。これにより、車両搭載状態においては、壁部の内周面は、シャフトの外周面と常時非接触となるので、シャフトが所定のジョイント角だけ作動する時においては、壁部の内周面によって作動角は規制されず、良好な作動状態が維持できる。
(請求項7)また、本発明のボール型等速ジョイント組立体は、有底筒状に形成される外輪と、前記外輪の内側に配置される内輪と、前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備え、前記ブーツは、前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、前記壁部は、前記テーパ部の前記蛇腹部側の端部から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する。
(請求項8)また、本発明のボール型等速ジョイント組立体は、有底筒状に形成される外輪と、前記外輪の内側に配置される内輪と、前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備え、前記ブーツは、前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、前記壁部の内周面は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記シャフトの外周面に当接する。
(請求項)本発明のボール型等速ジョイント組立体のブーツは、有底筒状に形成される外輪と、前記外輪の内側に配置される内輪と、前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備えるボール型等速ジョイント組立体のブーツであって、前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、前記壁部は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記保持器に当接する。上記構成により、請求項1の発明と同様の効果を有するボール型等速ジョイント組立体のブーツが得られる。
(請求項10)また、本発明のボール型等速ジョイント組立体のブーツは、有底筒状に形成される外輪と、前記外輪の内側に配置される内輪と、前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備えるボール型等速ジョイント組立体のブーツであって、前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、前記壁部は、前記テーパ部の前記蛇腹部側の端部から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する。
(請求項11)また、本発明のボール型等速ジョイント組立体のブーツは、有底筒状に形成される外輪と、前記外輪の内側に配置される内輪と、前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備えるボール型等速ジョイント組立体のブーツであって、前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、前記壁部の内周面は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記シャフトの外周面に当接する。
ジョイント角0度の場合における等速ジョイント10の軸方向断面図を示す。 ジョイント角が所定値以上の角度の場合における等速ジョイント10の軸方向断面図を示す。 図2におけるボール13とテーパ部16cとの当接部位の拡大図を示す。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態のクロスグルーブ型等速ジョイント組立体1(本発明のボール型等速ジョイント組立体に相当)について、図1〜図3を参照して説明する。なお、以降においては、クロスグルーブ型等速ジョイント組立体1を単に「等速ジョイント組立体1」という。
図1は、外輪11(後述)に対するシャフト15(後述)の作動角を示すジョイント角が0度の場合における等速ジョイント組立体1の軸方向断面図を示す。図2は、ジョイント角が所定値以上の角度の場合における等速ジョイント組立体1の軸方向断面図を示す。なお、所定値以上のジョイント角とは、等速ジョイント組立体1を構成する後述するボール13が、外輪11から離脱する場合のジョイント角のことを言う。具体的には、所定値以上のジョイント角は、等速ジョイント組立体1の組み付け時、等速ジョイント組立体1を納品するための搬送時、及び等速ジョイント組立体1の車両への組み付け時などの場合に発生することが想定される。ボール13の外輪11からの離脱は、ジョイント角が、車両組付後における等速ジョイント組立体1のジョイント角を上回ることによって起きる。つまり、等速ジョイント組立体1が車両に組付けられた状態において生じるジョイント角では、ボールは外輪から離脱しない。
図3は、図2におけるボール13とテーパ部16cとの当接部位の拡大図を示す。本実施形態の等速ジョイントは、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げる。例えば、車輪に連結されるハブユニットとドライブシャフトの中間シャフトとの連結部位(アウトボード側)に用いる。
図1に示すように、等速ジョイント組立体1は、クロスグルーブ型等速ジョイント10(以降、等速ジョイント10とのみ称す)と、シャフト15と、ブーツ16とを備える。等速ジョイント10は、外輪11と、内輪12と、複数のボール13と、保持器14と、を備える。
外輪11は、カップ状(有底筒状)に形成される。この外輪11の内周面には、複数の外輪ボール溝11aが形成される。この外輪ボール溝11aは、外輪回転軸(外輪11の回転軸に相当)に対してねじれる方向に、且つ、溝中心が直線状になるように形成される。そして、隣り合う外輪ボール溝11aは、ねじれる方向が逆方向となるように形成される。つまり、隣り合う外輪ボール溝11aは、外輪11の一端側(例えば、図1の右端側)において近接し、他端側(例えば、図1の左端側)において遠ざかるように位置する。さらに、外輪ボール溝11aの一端は、外輪11の開口端部に開放されるように形成される。
内輪12は、筒状からなる。この内輪12の外周面は、凸球面状に形成される。具体的には、内輪12の凸球面状外周面の最外周面12aは、軸方向断面で見た場合に一様な凸円弧状に近似した形状、つまり凸状の部分球面状に近似した形状に形成される。さらに、内輪12の外周面には、複数の内輪ボール溝12bが形成される。この内輪ボール溝12bは、内輪12の内輪回転軸(内輪12の回転軸に相当)に対してねじれる方向に、且つ、溝中心が直線状に形成される。従って、当然に、内輪ボール溝12bの底部も直線状となる。そして、隣り合う内輪ボール溝12bは、ねじれる方向が逆方向となるように形成される。つまり、隣り合う内輪ボール溝12bは、内輪12の一端側において近接し、他端側において遠ざかるように位置する。また、内輪12の内周面には、内周スプライン12cが形成される。この内周スプライン12cは、後述するシャフト15の端部に形成されている外周スプライン15aに挿通嵌合(噛合)する。
内輪12は、外輪11の内側に配置される。内輪12は、外輪11に対して外輪回転軸方向にスライド可能に配置される。また、内輪12のそれぞれの内輪ボール溝12bが、径方向外側から見た状態において、外輪11のそれぞれの外輪ボール溝11aに交差するように配置される。
ボール13は、外輪11のそれぞれの外輪ボール溝11aおよび内輪12のそれぞれの内輪ボール溝12bに対して周方向に係合するように、且つ、外輪ボール溝11aおよび内輪ボール溝12bに転動可能に配置される。このボール13は、外輪ボール溝11aと内輪ボール溝12bとが交差する交差部に配置される。具体的には、ボール13は、外輪ボール溝11aの溝中心と内輪ボール溝12bの溝中心とが径方向外側から見た状態において周方向に交差する位置に配置される。このため、ボール13により、外輪11と内輪12との間で周方向にトルクが伝達される。なお、ボール13は、外輪ボール溝11aおよび内輪ボール溝12bと同数配置される。
保持器14は、略円筒状からなる。具体的には、保持器14の内周面は、内輪12の最外周面12aにほぼ対応する凹状の部分球面状に形成される。保持器14の外周面も、凸状の部分球面状に形成される。そして、保持器14は、外輪11と内輪12との間に配置される。具体的には、保持器14は、外輪11の内周面と内輪12の最外周面12aとの間に配置される。さらに、この保持器14は、周方向に等間隔に、略矩形孔の窓部14aを複数有する。この窓部14aは、ボール13と同数形成される。この窓部14aには、ボール13がそれぞれ挿通される。つまり、保持器14は、ボール13を保持する。
シャフト15は、例えばドライブシャフトなどの動力伝達シャフトである。このシャフト15の一端側の外周面には、外周スプライン15aが形成される。この外周スプライン15aが内輪12の内周スプライン12cに挿通嵌合(噛合)されることにより、シャフト15は、内輪12の内輪回転軸と中心軸が一致するよう内輪12に連結される。
(ブーツ16について)
ブーツ16は、蛇腹筒状に一体形成される。このブーツ16は、合成樹脂やゴムなどを用いて、ブロー成形、射出成形などの公知の成形方法により成形する。なお、合成樹脂としては、例えば、TPE(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)、TPO(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)などの熱可塑性樹脂を用いる。ブーツ16は、外輪11の開口側を封止している。つまり、外輪11とブーツ16とによる閉塞空間に、内輪12、ボール13、保持器14が配置されている。なお、この閉塞空間には、グリスなどの潤滑剤が封入される。
ブーツ16は、詳細には、大径筒部16aと、小径筒部16bと、テーパ部16cと、蛇腹部16dと、壁部16eとから構成され、これらは一体形成されている。また、テーパ部16cは、蛇腹部16dよりも若干肉厚となるように形成され、蛇腹部16dに比べて剛性が高められている。
大径筒部16aは、円筒状からなり、クランプ部材により外輪11の開口端部外周面に締め付け固定される。小径筒部16bは、大径筒部16aより小径の円筒状からなる。この小径筒部16bは、クランプ部材により、シャフト15の外周面に締め付け固定される。小径筒部16bが締め付け固定されるシャフト15の位置は、外周スプライン15aの形成位置よりも軸中央部側(図1の右側)であり、且つ、大径筒部16aが外輪11に締め付け固定される位置よりも図1の右側(外輪11の開口端部より外輪11の外方)に位置している。
テーパ部16cは、大径筒部16aの小径筒部16b側(図1の右端)に、大径筒部16aと一体で連結されている。テーパ部16cは、小径筒部16bに向かって縮径するテーパ状に形成される。テーパ部16cの大径側は、外輪11の開口端部内周面付近に位置している。詳細には、外輪11の外輪回転軸から外輪ボール溝11aの溝底までの距離と、テーパ部16cの大径側端部の内周半径とは、ほぼ一致するよう形成される。そして、テーパ部16cは、開口端部に位置するボール13と当接する。つまり、所定値以上のジョイント角となった場合に、外輪11の開口端部から脱離しようとするボール13と当接する。
一方、テーパ部16cの最小半径は、外輪11の中心軸から外輪ボール溝11aの溝底までの距離よりも小さい。テーパ部16cの小径側は、外輪ボール溝11aより小径筒部16b側に位置している。また、テーパ部16cは、外輪ボール溝11aの少なくとも小径筒部16b側を覆うように配置されている。また、テーパ部16cの最小半径は、小径筒部16bの内径よりも大きい。
なお、テーパ部16cにおけるテーパ状とは、軸方向断面において、直線状のみならず、曲線状、段差状のものを含む。つまり、テーパ状とは、連続的に縮径する形状のみならず、断続的に縮径する形状を含む。従って、詳細には、テーパ部16cの内周面および外周面の軸方向断面形状は、何れも、直線状、曲線状、段差状などを含む。しかし、テーパ部16cの内周面の軸方向断面形状は、連続的に縮径するテーパ状であることが望ましい。なお、図1においては、テーパ部16cの内周面および外周面の軸方向断面形状は、ほぼ直線状のテーパ状に図示している。
また、このテーパ部16cを含むブーツ16は、上述したように、熱可塑性樹脂やゴムなどを用いる。従って、テーパ部16c自体は、僅かながら曲げ変形(撓み変形)し得る。さらには、テーパ部16cは、大径筒部16aとの連結部位においても僅かながら曲げ変形し得る。
蛇腹部16dは、蛇腹筒状に形成されており、伸縮性を有する。この蛇腹部16dは、テーパ部16cの小径側と小径筒部16bとの間に一体に設けられる。つまり、蛇腹部16dの一端側(図1の左側)は、テーパ部16cの小径側(図1の右側)に一体に連結されている。一方、蛇腹部16dの他端側(図1の右側)は、小径筒部16bの大径筒部16a側(図1の左側)に一体に連結される。
また、壁部16eは、円環状であり、テーパ部16cの内周面のうちテーパ部16cのボール13との当接点より蛇腹部側の範囲に、テーパ部16cの内周面からテーパ部16cの径方向内側に突出して形成される。
具体的には、壁部16eは、外輪11の外輪回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったときに、何れかのボール13の一部が、外輪11の端部からはみ出してテーパ部16cの内周面に当接する位置Xと、蛇腹部16dとの間に形成される。本実施形態では、壁部16eは、テーパ部16cの小径側の端部に形成される(図1,図2参照)。なお、位置X等については、後に説明する。
また、図1、図2に示すように、壁部16eは、内周面16e1を有し、且つ外輪11方向に傾斜して伸びるよう形成される(図1参照)。このときの、壁部16eの傾斜角度は、外輪11の外輪回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったとき、つまり、ボール13がテーパ部16cに当接する状態において、保持器14の端面14bと壁部16eの保持器14側の面16e2とが面同士で当接可能な角度で形成されることが好ましい(図2、A部参照)。一方、等速ジョイント組立体1が、車両に搭載された状態においては、テーパ部16cは、ボール13と常時非接触となり、壁部16eは、保持器14と常時非接触となる。
また、壁部16eの内周面16e1は、外輪11の外輪回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったとき、つまり、ボール13がテーパ部16cに当接する状態において、壁部16eの内周面16e1がシャフト15の外周面に接触するように形成される(図2、B部参照)。一方、等速ジョイント組立体1が、車両に搭載された状態においては、テーパ部16cは、ボール13と常時非接触となり、壁部16eの内周面16e1は、シャフト15の外周面と常時非接触となる。
(所定値以上のジョイント角度をとった場合の作動について)
次に、外輪11とシャフト15とのジョイント角が所定値以上の角度をとったときにおける等速ジョイント組立体1の状態(作動)について、図2を参照して説明する。
このような場合、上述より、等速ジョイント組立体1は車両に搭載されていない。詳細には、前述したように等速ジョイント組立体1が組み付け中である場合、等速ジョイント組立体1が搬送されている場合、及び等速ジョイント組立体1が車両に組み付けされている最中である場合等が考えられる。このような状態において、等速ジョイント組立体1が所定値以上のジョイント角をとったときには、ブーツ16の蛇腹部16dが変形する(図2参照)。具体的には、蛇腹部16dのうち、大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が近接する部位(図2の下側)は収縮変形し、大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)は伸長変形する。
また、テーパ部16cは、蛇腹部16dの変形に比べて非常に僅かにではあるが、変形する。具体的には、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が近接する部位(図2の下側)は、収縮した蛇腹部16dに押圧されることで、軸方向長さが短くなるように、大径筒部16aとの連結部位および蛇腹部16dとの連結部位にて曲げ変形する。また、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)は、大径筒部16aの小径筒部16b側の端部(図2の右側)と小径筒部16bの大径筒部16a側の端部(図2の左側)と、を結ぶ直線上に近づくように、引っ張り変形する。
ここで、ボール13の作動について説明しておく。複数のボール13の全てのボール中心を通る平面は、外輪11の中心軸に直交する平面に対して傾斜している。つまり、複数のボール13は、外輪11の軸方向中央部に位置するもの、当該中央部より外輪11のカップ底部側に位置するもの、当該中央部より外輪11の開口端部側に位置するもの(図2に示すボール13)が存在する。ここで、外輪11の開口端部付近に位置するボール13は、外輪11の開口端部より外輪11の外方に移動し、開口端部から離脱しようとする。つまり、当該ボール13は、外輪11および保持器14から離脱し得る位置に移動しようとする。
すると、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)には、外輪11の開口端部付近に位置するボール13が当接する。つまり、当該ボール13は、テーパ部16cの内周面に当接している状態となる。このとき、当該ボール13は、外輪11から完全には離脱していない。このため、ボール13の一部が、外輪ボール溝11aに対して周方向に係合している状態を維持している。従って、当該ボール13は、テーパ部16cに当接することにより、外輪11の外方へ移動(離脱)することが規制される。
このような状態において、当該ボール13が当接するテーパ部16cは、ボール13の外面に倣って僅かに撓み変形する(図3、参照)。このため、当該ボール13とテーパ部16cとは面接触の状態となる。この接触面のうち外輪11のカップ底部から最も遠い位置X(図2および図3の最も右側の位置)における接面は、Xaとなる。そして、この接面Xaは、テーパ部16cに当接する当該ボール13が配置(係合)される内輪ボール溝12bの底部の延長線Yaに対して、外輪11の開口端部より外輪11の外方で交差する。
つまり、ブーツ16のテーパ部16cと内輪12の内輪ボール溝12bとにより、くさび効果を発揮することができる。従って、ボール13は、このくさび効果により、より効果的に外輪11の外方へ移動することが規制され、ボール13が外輪11から外れることを防止できる。特に、上述したように、テーパ部16cのうち大径筒部16aと小径筒部16bとの離間距離が遠ざかる部位(図2の上側)、すなわちテーパ部16cのうち引っ張り変形する部位に、ボール13が当接する。従って、テーパ部16cの当該部位は、ボール13からの押圧力を受けた場合であっても、変形量を小さく抑えることができる。つまり、テーパ部16cの当該部位自体は、ボール13の移動を規制するための剛性を発揮できる。
しかしながら、テーパ部16cは、テーパ部16cと比較して、径方向に対して大きな強度を有さない蛇腹部16dに直接連結されている。このため、蛇腹部16dとテーパ部16cとが一体であるとして見たとき、テーパ部16cの径方向外方への可動変位量が、ボール13を押さえ込むのに必要な大きさに十分規制されているとはいえない場合もある。このため、ブーツ16が、ボール13の離脱に対する押さえとしてテーパ部16cしか有さない場合、ボール13がテーパ部16cを内周面から径方向外方に押圧すると、蛇腹部16dも含んだ状態で、テーパ部16cが径方向外方に変位して膨らみ、ボール13が外輪11の外方へ外れる虞がある。
(壁部16eの効果)
しかし、前述したように、テーパ部16cの小径側における内周面の端面(端部)には、テーパ部16cの径方向内側に向かい突出して形成される円環状の壁部16eが設けられる(図1、図2参照)。円環状の壁部16eは、テーパ部16c及び蛇腹部16dとは異なり、その形状の特性から径方向外方に向かって伸びにくい。これにより、壁部16eは、テーパ部16cが、径方向外方へ膨張し膨らむこと(変位すること)を良好に規制するので、延いてはボール13が外輪11の外方へ離脱することを抑制する。
(壁部16eの傾斜の効果)
また、図2に示すように、円環状の壁部16eは、外輪11の外輪回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったときに、ボール13を保持する保持器14の壁部16e側の端面14bが、傾斜した壁部16eの保持器14側の面16e2に当接する(図2、A部参照)。これにより、保持器14の端面14bと壁部16eの面16e2との間では良好な摩擦力が生じる。このため、壁部16eは保持器14との当接位置で保持器14に強固に支持されることになる。よって、壁部16eに連結されるテーパ部16cの径方向外方への変位は良好に規制される。つまり、テーパ部16cのボール13のはみ出し方向への変位が抑制される。
また、壁部16eは、テーパ部16cの内周面で、蛇腹部16dと接する端部に設けられるので、蛇腹部16dがテーパ部16cに与える影響をテーパ部16cの端部で遮断し最小にできる。これによっても、テーパ部16cの径方向外方への変位は良好に規制され、ボール13の脱離がさらに良好に抑制される。
一方、等速ジョイント組立体1が、車両に搭載された状態においては、テーパ部16cは、ボール13と常時非接触となり、壁部16eは、保持器14と常時非接触となる。これにより、車両搭載状態では、壁部16eと保持器14との間で接触抵抗が発生せず良好な作動状態が維持できる。
(壁部16eの内周面16e1の効果)
また、図2に示すように、外輪11の外輪回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったときには、壁部16eの内周面16e1がシャフト15の外周面に接触する(図2、B部参照)。これにより、シャフト15の作動角が規制でき、シャフト15の作動角が、所定値以上のジョイント角を越えて更に拡大しボール13が勢いよく外輪11の開口端部から離脱しようとすることを効果的に規制できる。
一方、等速ジョイント組立体1が、車両に搭載された状態においては、テーパ部16cは、ボール13と常時非接触となり、壁部16eの内周面16e1は、シャフト15の外周面と常時非接触となる。これにより、車両搭載状態では、壁部16eの内周面16e1によってシャフト15の作動角が規制されることはなく、良好な作動状態が維持できる。
また、本実施形態のブーツ16を用いることにより、金具などのブーツ16以外の新たな部品を用いることなく、ボール13が外輪11から外れることを防止できる。
<変形態様1>
なお、上記実施形態においては、ボール型等速ジョイント組立体の代表としてクロスグルーブ型等速ジョイント組立体について説明した。しかし、この態様には限らない。変形態様1(図示しない)として、ボール型等速ジョイント組立体は、例えば、ジョイント中心Oを屈曲の中心として固定し、軸方向変位を許容しない公知の固定式ボール型等速ジョイント(「ツェッパ型等速ジョイント」とも称する)であってもよい。なお、この場合の固定式ボール型等速ジョイントは、外輪の回転軸に対するシャフト中心軸の相対作動角(ジョイント角)が、所定値以上の角度をとったときに、何れかのボールが外輪から脱離するアンダーカットフリー型(UF)の等速ジョイントである。これによって上記実施形態と同様の効果が得られる。
<変形態様2>
また、変形態様2(図示しない)として、ボール型等速ジョイント組立体は、例えば、公知のダブルオフセット型等速ジョイントであってもよい。なお、本発明が適用されるダブルオフセット型等速ジョイントは、外輪の回転軸に対するシャフト中心軸の相対作動角(ジョイント角)が、所定値以上の角度をとったときに、何れかのボールが外輪から脱離するタイプの等速ジョイントであればよい。これによって上記実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においては、外輪11の外輪回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったときに、ボール13を保持する保持器14の壁部16e側の端面14bが、傾斜した壁部16eの保持器14側の面16e2に当接するよう構成した。しかしこの態様には限らず、外輪11の回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったときに、保持器14の壁部16e側の端面14bと壁部16eの保持器14側の面16e2とが当接しなくてもよい。これによっても、ブーツ16に壁部16eを付加した効果のみによって、テーパ部16cの径方向外方への変位は十分規制でき、外輪11からのボール13の脱離を相応に抑制できる。
また、本実施形態においては、壁部16eを外輪11側に傾斜させて設けた。しかし、この態様には限らず、壁部16eをシャフト15の中心軸に直交するように設けてもよい。また、外輪11側とは反対方向に傾斜させてもよい。そして、外輪11とシャフト15とが所定値以上のジョイント角を取ったときに、上記のように形成された壁部16eと保持器14とを当接させてもよい。これによっても相応の効果が得られる。
また、本実施形態においては、外輪11とシャフト15とが所定値以上のジョイント角をとったときには、壁部16eの内周面16e1がシャフト15の外周面に接触するようにした。しかし、この態様に限らず、外輪11の外輪回転軸とシャフト15の中心軸とが所定値以上のジョイント角をとったときに、壁部16eの内周面16e1がシャフト15の外周面に接触しなくてもよい。これによっても相応の効果は得られる。
また、本実施形態においては、壁部16eは、テーパ部16cの蛇腹部側の端部からテーパ部16cの径方向内側に向かって突出して形成された。しかし、この態様には限らない。壁部16eは、テーパ部16cの内周面のうち、テーパ部16cのボール13との当接点より蛇腹部側の範囲にあれば、どこに設けてもよい。これによっても相応の効果は得られる。
1・・・クロスグルーブ型等速ジョイント組立体(ボール型等速ジョイント組立体)、 10・・・等速ジョイント、 11・・・外輪、 11a・・・外輪ボール溝、 12・・・内輪、 13・・・ボール、 14・・・保持器、 14b・・・端面、 15・・・シャフト、 16・・・ブーツ、 16a・・・大径筒部、 16b・・・小径筒部、 16c・・・テーパ部、 16d・・・蛇腹部、 16e・・・壁部、 16e1・・・内周面、 16e2・・・面。

Claims (11)

  1. 有底筒状に形成される外輪と、
    前記外輪の内側に配置される内輪と、
    前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、
    前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、
    前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、
    前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備え、
    前記ブーツは、
    前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、
    前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、
    前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、
    当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、
    前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、
    前記壁部は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記保持器に当接する、ボール型等速ジョイント組立体。
  2. 前記ボール型等速ジョイント組立体は、車両に搭載され、
    前記テーパ部は、車両搭載状態において、前記ボールと常時非接触となり、
    前記壁部は、車両搭載状態において、前記保持器と常時非接触となる、請求項に記載のボール型等速ジョイント組立体。
  3. 前記壁部は、前記テーパ部の前記内周面から前記外輪方向に傾斜して伸びる、請求項1又は2に記載のボール型等速ジョイント組立体。
  4. 前記壁部は、前記テーパ部の前記蛇腹部側の端部から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する、請求項1〜の何れか1項に記載のボール型等速ジョイント組立体。
  5. 前記壁部の内周面は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記シャフトの外周面に当接する、請求項1〜の何れか1項に記載のボール型等速ジョイント組立体。
  6. 前記ボール型等速ジョイント組立体は、車両に搭載され、
    前記テーパ部は、車両搭載状態において、前記ボールと常時非接触となり、
    前記壁部の前記内周面は、車両搭載状態において、前記シャフトの前記外周面と常時非接触となる、請求項に記載のボール型等速ジョイント組立体。
  7. 有底筒状に形成される外輪と、
    前記外輪の内側に配置される内輪と、
    前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、
    前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、
    前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、
    前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備え、
    前記ブーツは、
    前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、
    前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、
    前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、
    当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、
    前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、
    前記壁部は、前記テーパ部の前記蛇腹部側の端部から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する、ボール型等速ジョイント組立体。
  8. 有底筒状に形成される外輪と、
    前記外輪の内側に配置される内輪と、
    前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、
    前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、
    前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、
    前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備え、
    前記ブーツは、
    前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、
    前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、
    前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、
    当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、
    前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、
    前記壁部の内周面は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記シャフトの外周面に当接するボール型等速ジョイント組立体。
  9. 有底筒状に形成される外輪と、
    前記外輪の内側に配置される内輪と、
    前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、
    前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、
    前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、
    前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備えるボール型等速ジョイント組立体のブーツであって、
    前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、
    前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、
    前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、
    当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、
    前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、
    前記壁部は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記保持器に当接する、ボール型等速ジョイント組立体のブーツ。
  10. 有底筒状に形成される外輪と、
    前記外輪の内側に配置される内輪と、
    前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、
    前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、
    前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、
    前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備えるボール型等速ジョイント組立体のブーツであって、
    前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、
    前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、
    前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、
    当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、
    前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、
    前記壁部は、前記テーパ部の前記蛇腹部側の端部から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する、ボール型等速ジョイント組立体のブーツ。
  11. 有底筒状に形成される外輪と、
    前記外輪の内側に配置される内輪と、
    前記外輪と前記内輪の間に配置され、前記外輪及び前記内輪に周方向に係合して前記外輪と前記内輪との間のトルク伝達を行う複数のボールと、
    前記内輪の回転軸と中心軸が一致するよう前記内輪に連結されるシャフトと、
    前記外輪と前記内輪との間に配置され、各前記ボールをそれぞれ挿通する複数の窓部が形成される保持器と、
    前記外輪の開口端部と前記シャフトとの間を覆う可撓性のブーツと、を備えるボール型等速ジョイント組立体のブーツであって、
    前記外輪の前記開口端部の外周面に固定される大径筒部と、
    前記シャフトの外周面に固定される小径筒部と、
    前記大径筒部の前記小径筒部側に一体に連結され前記小径筒部に向かって縮径し、前記外輪の前記開口端部に位置する前記ボールに当接するテーパ部と、
    当該テーパ部と前記小径筒部との間に一体的に設けられた伸縮性の蛇腹部と、
    前記テーパ部の内周面のうち前記テーパ部の前記ボールとの当接点より前記蛇腹部側の範囲に、前記テーパ部の内周面から前記テーパ部の径方向内側に向かって突出する円環状の壁部と、を備え、
    前記壁部の内周面は、前記ボールが前記テーパ部に当接する状態において、前記シャフトの外周面に当接する、ボール型等速ジョイント組立体のブーツ。
JP2014128064A 2014-06-23 2014-06-23 ボール型等速ジョイント組立体及びそのブーツ Expired - Fee Related JP6417746B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014128064A JP6417746B2 (ja) 2014-06-23 2014-06-23 ボール型等速ジョイント組立体及びそのブーツ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014128064A JP6417746B2 (ja) 2014-06-23 2014-06-23 ボール型等速ジョイント組立体及びそのブーツ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016008626A JP2016008626A (ja) 2016-01-18
JP6417746B2 true JP6417746B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=55226331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014128064A Expired - Fee Related JP6417746B2 (ja) 2014-06-23 2014-06-23 ボール型等速ジョイント組立体及びそのブーツ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6417746B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE6809359U (de) * 1968-11-30 1969-03-26 Opel Adam Ag Faltenbalg aus elastischem werkstoff fuer umlaufende gelenkteile, insbesondere fuer antriebsgelenke von kraftfahrzeugen
GB2295426B (en) * 1994-11-10 1998-07-01 Draftex Ind Ltd Protective bellows
JPH08170651A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Matsui Seisakusho:Kk 自在継手用ブーツ
JP2008051191A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Ntn Corp 固定式等速自在継手
JP5235296B2 (ja) * 2006-11-27 2013-07-10 株式会社ジェイテクト クロスグルーブ形等速ジョイント
DE202009006696U1 (de) * 2009-05-08 2010-09-23 Bf New Technologies Gmbh Gleichlaufgelenk und Gelenkwelle
JP2012189190A (ja) * 2011-03-14 2012-10-04 Ntn Corp 摺動式等速自在継手

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016008626A (ja) 2016-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110360236B (zh) 动力传递轴及车辆用传动轴
EP3306121B1 (en) Ball joint
EP3184832B1 (en) Dust cover
JP5235296B2 (ja) クロスグルーブ形等速ジョイント
US10422388B2 (en) Propeller shaft
JP6417746B2 (ja) ボール型等速ジョイント組立体及びそのブーツ
WO2008044760A1 (en) Boot for constant velocity joint and cross group-type constant velocity joint
JP2006300205A (ja) 等速継手およびそのアウターレース
JP5024338B2 (ja) 等速ジョイント用ブーツ
EP3686447B1 (en) Ball joint and dust cover
JP4946473B2 (ja) ボール形等速ジョイント
US11085486B2 (en) Seal member of ball joint
JP2009168144A (ja) スプライン構造及びこれを備える駆動力伝達装置
JP2007064266A (ja) 中空シャフト
JP2006177528A (ja) ボールジョイント及びそのソケット
JP2007078154A (ja) 等速自在継手用ブーツ
CN111197623B (zh) 等速万向节及其组装方法
JP2015203476A (ja) 軸部材の抜け止め装置及びその装置を用いた等速ジョイント組立体
JP2006183709A (ja) ボールジョイント
JP2006275241A (ja) 等速自在継手
JP5473681B2 (ja) ボールジョイントの製造方法
JP2007113614A (ja) 固定式等速自在継手
JP2009228728A (ja) 継手の防塵装置
JP2008248964A (ja) 等速ジョイント用ブーツ
JP2008298256A (ja) 玉軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6417746

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees