JP2015203476A - 軸部材の抜け止め装置及びその装置を用いた等速ジョイント組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】分解意図がない場合には軸部材を支持部材に強固に固定し、且つ分解時には容易に分解可能な軸部材の抜け止め装置およびその装置を用いた等速ジョイント組立体を提供する。【解決手段】軸部材20と、第一位置P1と第二位置P2とに軸部材に対して相対移動可能な支持部材120と、第一位置において軸部材に対する支持部材の第一方向への移動を規制し、且つ、第二位置において軸部材に対する支持部材の第一方向への移動を許容する抜け止め部材42と、支持部材が第一位置に存在する状態から軸部材に対する支持部材の第一方向と反対方向への移動を規制する第一状態と、第一位置から第二位置への支持部材の移動を許容する第二状態とを切替可能なストッパ部材50と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、軸部材の抜け止め装置に関するものであり、特に等速ジョイント組立体を構成する内側部材に軸部材を固定する構造に関する。
ボール型等速ジョイントの内輪(支持部材)とシャフト(軸部材)とが、止め輪により一体的に連結される技術がある。このとき、意図せぬときに等速ジョイントとシャフトとが分離しないようにすることが求められる。そのため、一度組み付けると、等速ジョイントとシャフトとを分離できないものが多く存在している(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示される技術では、シャフトが抜け方向に移動しようとすると、シャフトの外周溝に収容された止め輪が、内輪の内周面に設けられた予め設定されたランプ角を有する当接面に当接して、抜け方向の移動が規制される。
しかし、市場においては、サービス性向上の観点から等速ジョイント組立体を分解可能とする構造が求められている。そこで、例えば、特許文献1の等速ジョイント組立体を分解可能、つまり、シャフトを内輪から引抜き可能とするため、当接面のランプ角が大きく設定される方法が考えられる。当接面のランプ角を大きくすると当接面が止め輪に当接した際に、止め輪を縮径する方向に作用する力が大きくなる。そして、所定値以上のランプ角に設定される場合、シャフトに対しシャフトの抜き方向に負荷を与えると、止め輪が当接面と当接しながら当接面の小径側の内径よりも縮径され、シャフトの引抜きが可能となる。
特開昭61−290219号公報
上記の構造では、シャフトに対しシャフトの抜き方向に所定値以上の負荷を与えると、シャフトが内輪から抜ける。このため、分解する意図がない場合でも、シャフトに対し所定値以上の負荷が加わると、シャフトが内輪から抜ける虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、分解意図がない場合には軸部材を支持部材に強固に固定し、且つ分解時には容易に分解可能な軸部材の抜け止め装置およびその装置を用いた等速ジョイント組立体を提供することを目的とする。
(請求項1)本発明の軸部材の抜け止め装置は、円柱状に形成され、外周に外周溝を有する軸部材と、前記軸部材を第一方向に挿入可能な筒状に形成され、径方向内側に開口し且つ前記第一方向の奥側に開口する規制凹所が形成される支持部材であり、前記規制凹所が前記外周溝に対向する状態である第一位置と、前記規制凹所が前記外周溝に対して前記第一方向の手前側にずれた状態である第二位置とに前記軸部材に対して相対移動可能な前記支持部材と、径方向に縮径可能なリング状に形成され、前記第一位置において前記規制凹所に拡径を規制された状態で前記外周溝と前記規制凹所に嵌められ、前記軸部材に対する前記支持部材の前記第一方向への移動を規制し、且つ、前記第二位置において前記規制凹所より前記第一方向の奥側にて拡径された状態で前記軸部材に対する前記支持部材の前記第一方向への移動を許容する抜け止め部材と、前記支持部材の前記第一方向の手前側の端面に当接可能に設けられ、前記支持部材が前記第一位置に存在する状態から前記軸部材に対する前記支持部材の前記第一方向と反対方向への移動を規制する第一状態と前記第一位置から前記第二位置への前記支持部材の移動を許容する第二状態とを切替可能なストッパ部材と、を備える。
このように、支持部材を第一位置から第二位置に移動させると、抜け止め部材は、規制凹所離脱し拡径する。このため、軸部材に対し支持部材を第一方向へ移動させる規制が解除されるので、支持部材が軸部材から引き抜き可能となる。このように、簡易な構成によって、分解意図がない場合には支持部材を軸部材に強固に固定できる。また、分解時には容易に分解できる。
(請求項2)また、前記軸部材の前記外周溝は、対向する二つの側面を有し、前記対向する二つの側面のうち前記第一方向の奥側の側面の少なくとも一部は法線ベクトルが径方向外側の成分を有する傾斜面であってもよい。
このため、第二位置において抜け止め部材は、外周溝の傾斜面を利用し、傾斜面に沿って移動することで更なる拡径が可能となる。これにより、支持部材を軸部材から引き抜く方向への規制の解除が容易となる。
(請求項3)また、前記傾斜面は、自由長状態の前記抜け止め部材と当接し、前記第一位置から前記第二位置への前記支持部材の移動によって前記抜け止め部材を拡径してもよい。このため、抜け止め部材は、第二位置において拡径しその外径が自由長状態となった際に、傾斜面に沿って容易に拡径できる。これにより、抜け止め部材は、自由長状態において、外周溝から離脱可能となるほど大きく拡径する必要がない。このため、抜け止め部材の径方向における弾性変形を小さくすることができ、汎用性の高い安価な材料で抜け止め部材が製作可能となる。
(請求項4)また、前記ストッパ部材は、C型止め輪であってもよい。これにより、低コストで、軸部材の抜け止め装置が製作できる。
(請求項5)また、等速ジョイントの内側部材と前記内側部材に連結されるシャフトとが、請求項1乃至4の何れか1項に記載の軸部材の抜け止め装置によって固定された等速ジョイント組立体であって、前記内側部材は、前記支持部材であり、前記シャフトは、前記軸部材であってもよい。これにより、請求項1乃至4の何れか1項と同様の効果を有する等速ジョイント組立体が得られる。
本実施形態の等速ジョイント組立体の軸方向断面図である。 抜け止め装置40の一部を示す図1の2点鎖線部の拡大図である。 規制凹所の拡大図である。 第一位置から第二位置に移動した状態における図1の2点鎖線部の拡大図である。 止め輪の傾斜面20c上での拡径について説明する図である。 止め輪の外周面20b上への乗り上げについて説明する図である。 第二実施形態における抜け止め装置の空間Faを説明する図である。 ストッパ部材の別の実施例の説明図である。
<第一実施形態>
(1.等速ジョイント組立体の構成)
本発明に係る軸部材の抜け止め装置を適用した第一実施形態の等速ジョイント組立体1について、図1および図2を参照して説明する。等速ジョイント組立体1は、例えば、車両の動力伝達シャフトに用いられる。等速ジョイント組立体1は、ディファレンシャル(図示せず)と車輪(図示せず)とを連結するドライブシャフトに好適に用いられる。
等速ジョイント組立体1は、図1に示すように、ボール型等速ジョイント10(以下、「等速ジョイント」と称する)と、シャフト20(軸部材に相当する)と、ブーツ30と、止め輪42と、ストッパリング50とを備える。等速ジョイント10は、ジョイント中心固定式ボール型等速ジョイント(「ツェッパ形等速ジョイント」とも称す)であって、自動車のドライブシャフトのアウトボードジョイントとして好適に使用されるものである。
等速ジョイント10は、外輪110と、内輪120(支持部材に相当)と、複数のボール130と、保持器140とを備えて構成される。以下、各構成部品について詳細に説明する。
外輪110は、図1の右側に開口部を備え、図1の左側に底部を備える有底筒状(カップ状)に形成される。
この外輪110の底部の外方(図1の左側)には、連結軸111が外輪軸方向に延びるように一体形成される。外輪110の内周面112は、球面凹状に形成される。さらに、外輪110の内周面112には、複数の外輪ボール溝113が、外輪軸方向に延びるように形成される。複数の外輪ボール溝113は、周方向に等間隔に形成される。
内輪120は、抜け止め装置40の一部を構成する。内輪120は、筒状に形成され、外輪110の内側に配置される。この内輪120の外周面121は、球面凸状に形成される。また、内輪120の外周面121には、複数の内輪ボール溝122が、内輪軸方向に延びるように形成される。複数の内輪ボール溝122は、外輪ボール溝113と同数であり、周方向に等間隔に形成される。また、内輪120の内周には、内輪軸方向に貫通する挿入孔が設けられ、当該挿入孔内周面には内輪軸方向に延びる雌スプライン123が形成される。この雌スプライン123は、シャフト20の雄スプライン21に嵌合(噛合)される。
複数のボール130のそれぞれは、外輪110の外輪ボール溝113と、当該外輪ボール溝113に対向する内輪120の内輪ボール溝122に挟まれるように配置される。そして、それぞれのボール130は、外輪ボール溝113および内輪ボール溝122に対して、転動自在であって、周方向(外輪軸回りまたは内輪軸回り)に係合する。従って、ボール130は、外輪110と内輪120との間で回転駆動力を伝達する。
保持器140は、環状に形成される。この保持器140の外周面141は、外輪110の内周面112にほぼ対応する球面凸状に形成される。一方、保持器140の内周面142は、内輪120の外周面121にほぼ対応する球面凹状に形成される。この保持器140は、外輪110の内周面112と内輪120の外周面121との径方向間に配置される。この保持器140は、複数の窓部143を有する。複数の窓部143は、周方向(保持器軸心の周方向)に等間隔に形成されたほぼ矩形の貫通孔である。それぞれの窓部143に、ボール130が1つずつ収容される。
シャフト20は、いわゆるドライブシャフトの中間シャフトである。シャフト20は、抜け止め装置40の一部を構成する。このシャフト20の第一方向奥側(図1において左側)の外周面20bには、雄スプライン21が形成される。なお、第一方向とは、シャフト20(軸部材)を内輪120の挿入孔に挿入する方向をいい、図1においては、右から左に向かう方向である。シャフト20が内輪120の挿入孔に挿入された状態で、シャフト20の雄スプライン21が内輪120の雌スプライン123に嵌合する。雄スプライン21が形成される軸方向途中には、外周溝22が形成される。外周溝22は、図1に示す第一位置P1において、内輪120の規制凹所124と一致する位置に設けられる。そして、外周溝22は、径方向外側に向かって開口して形成される。
ブーツ30は、中心軸方向に伸縮可能で、かつ、中心軸を屈曲可能とするように、蛇腹筒状に形成される。ブーツ30の一端が外輪110の外周面の開口側に取り付けられ、ブーツ30の他端がシャフト20の外周面に取り付けられる。このようにして、ブーツ30は、外輪110の開口側を閉塞する。外輪110の内部領域にはグリースが封入されており、ブーツ30は、グリースが外輪110の開口部から漏出しないようにシールする。
止め輪42は、シャフト20の外周溝22に嵌め込まれる。ストッパリング50は、内輪120の端面のうちシャフト20が挿入される側の端面側に設けられる。止め輪42及びストッパリング50は、シャフト20に対する内輪120の軸方向移動を規制する。
(2.抜け止め装置の構成)
次に、抜け止め装置40の構成について、図2を参照して説明する。図2は、抜け止め装置40の主要部を示す図1の2点鎖線部の拡大図である。抜け止め装置40は、シャフト20に対する内輪120の第一方向への移動を規制及び許容する構造部分である。抜け止め装置40は、シャフト20(軸部材に相当)と、内輪120(支持部材に相当)と、止め輪42(抜け止め部材に相当)と、ストッパリング50(ストッパ部材に相当)とを備える。
シャフト20は、外周溝22と、突起部20dとを備える。外周溝22は、対向する二つの側面を有する。対向する二つの側面のうち第一方向の奥側の側面である第一平面20aは、シャフト20の軸線と直交して形成され、外径側に傾斜面20cを備える。図3に示すように傾斜面20cは、法線ベクトルHが径方向外側の成分vを有するよう形成される。
傾斜面20cは、第一平面20aとシャフト20の先端部の外周面20bとを接続する面である。傾斜面20cは、予め設定された角度で形成される。傾斜面20cについては後に詳しく述べる。外周面20bには、雄スプライン21が形成される。突起部20dは、外周溝22より反先端側に設けられる。突起部20dは、軸方向断面が矩形を呈し、シャフト20の外周全周に形成される。突起部20dは、ストッパリング50と当接する凸部側面20d1を備える。凸部側面20d1は、シャフト20の軸線と直交する平面である。
内輪120(支持部材)は、内周面に規制凹所124を備える。規制凹所124は、内輪120の第一方向奥側の端面に図3に示す形状で形成される。規制凹所124は、径方向内側及び第一方向奥側に向かって開口を有する。また、規制凹所124は、所定の内径(底径に相当)で形成された底面124aを備える。
底面124aは、縮径されてシャフト20の外周溝22に収容された止め輪42が、初期状態(自由長状態に相当、以後、自由長状態と称して説明する)に戻ろうと拡径する途中の状態で、その拡径を抑制する面である。なお、止め輪42の自由長状態における外径は、底面124aの内径よりも大径で形成される。この拡径の抑制によって、第一位置P1における止め輪42の外径をコントロールしている。第一位置P1とは、内輪120の規制凹所124がシャフト20の外周溝22に対して対向する位置のことをいう(図2参照)。また、規制凹所124が外周溝22に対して第一方向の手前側にずれた状態となる位置を第二位置P2とする(図4参照)。内輪120(支持部材)は、シャフト20(軸部材)に対して、第一位置P1と第二位置P2との間を相対移動可能である。
また、内輪120は、第一方向奥側の端面において規制凹所124が開口する開口部の径方向外側の面に、押動側面120bを備える。押動側面120bは、第二位置P2で、自由長状態まで拡径した止め輪42を、第一方向に押動する面である。さらに、規制凹所124は、開口部の第一方向と反対側に内輪120の軸線と直交する第二平面124bを備える(図3参照)。
止め輪42(抜け止め部材)は、径方向に縮径かつ拡径可能なリング状の弾性体からなる。止め輪42の軸断面形状は円形とする。図2に示すように、止め輪42は、止め輪42がシャフト20の外周溝22及び規制凹所124に嵌められる状態、つまりシャフト20と内輪120とが第一位置P1に位置する状態にてシャフト20に対する内輪120の第一方向への移動を規制する。このとき、シャフト20に対する内輪120の移動の規制は、止め輪42の第一方向奥側、及び第一方向手前側の各側面が、外周溝22の第一平面20a及び規制凹所124の第二平面124bにそれぞれ当接し挟持されることにより行われる。また、止め輪42は、第二位置P2、即ち、規制凹所124が外周溝22に対し第一方向手前側にずれ、外周溝22が径方向外側の空間に開口される位置にて、シャフト20に対する内輪120の第一方向への移動を許容する。詳細については後述する。
ストッパリング50は、シャフト20の外周に装着又は脱離可能に設けられる例えばC型止め輪である。ストッパリング50は、内輪120(支持部材)の第一方向の手前側の端面に当接可能に設けられる。つまり、ストッパリング50は、内輪120とシャフト20との間に配置される。詳細には、ストッパリング50は、軸方向両端面50a,50bが、内輪120の挿入孔の入口の周縁面である入口端面120aと、入口端面120aよりさらに第一方向手前側に配置されるシャフト20の突起部20dの凸部側面20d1と、にそれぞれ当接する。
入口端面120aの内周側には、シャフト20を内輪120の挿入孔に挿入する際、止め輪42を外周溝22内に縮径させながら良好に収容するため、予め設定された角度で形成された傾斜面120cを備える。このため、ストッパリング50の端面50aの外径φDは、傾斜面120cの入り口部の径φdよりも大きく形成される(図2参照)。ストッパリング50の軸方向の厚さ(長さ)は、これまで説明した第一位置P1と第二位置P2とを成立可能とさせる距離とする。これにより、ストッパリング50は、内輪120とシャフト20との間への装着時に、内輪120が第一位置P1に存在する状態からシャフト20に対する内輪120の第一方向と反対方向への移動を規制する第一状態を形成する。また、ストッパリング50は、脱離時に、内輪120の第一位置P1から第二位置P2への移動を許容する第二状態を形成する。つまり、ストッパリング50は、着脱によって第一状態と、第二状態とを切替可能とする。
(3.シャフトと内輪との固定について)
次に、シャフト20と内輪120との固定について説明する。シャフト20と内輪120とを固定する前には、まず、シャフト20の外周溝22に、自由長状態に対して拡径及び縮径可能な止め輪42を嵌め込む(収容する)。このとき、自由長状態の止め輪42の外径部は、シャフト20の外周面から若干、突出している。そして、止め輪42を外周溝22に収容し、シャフト20が先端側から内輪120の挿入孔に第一方向に向かって挿入される。
止め輪42は、挿入孔の入り口に設けられた傾斜面120cに沿って縮径され、外周溝22内に完全に収容される。その後、止め輪42が、規制凹所124に到達すると、止め輪42は、自由長状態に戻ろうとして拡径する。そして、自由長状態に達する途中で止め輪42の外径部が、規制凹所124の底面124aに当接し、止め輪42の拡径が抑制される。この状態で、シャフト20に対する内輪120の抜け方向の移動が規制される。本実施形態では、この内輪120のシャフト20に対する位置が第一位置P1である。
このように、本実施形態においては、第一位置P1でシャフト20と内輪120とを固定する。図2に、第一位置P1における、外周溝22、規制凹所124及び止め輪42の相対位置関係を示す。前述したように、このとき、止め輪42は、止め輪42の自由長状態に対し、規制凹所124の底面124aによって外周が押さえこまれ縮径される。
また、このとき、止め輪42の第一方向奥側の側面が、軸線と直交する外周溝22の第一平面20aに当接するよう構成される。また、止め輪42の第一方向手前側の側面が、軸線と直交する規制凹所124の第二平面124bに当接するよう構成される。このように、止め輪42が第一平面20aと第二平面124bとの間に介在する。これにより、止め輪42が、シャフト20に対する内輪120の第一方向への相対移動を規制する。
しかし、この止め輪42の構造だけでは、シャフト20に対して内輪120が第一方向と反対方向に相対移動されることは規制していない。そこで、本実施形態では、図2に示すように、ストッパリング50をシャフト20の外周に装着している。これにより、シャフト20に対して内輪120が、第一方向と反対方向に相対移動することはない。これにより、シャフト20と内輪120とが強固に固定される。
(4.シャフトと内輪の分解について)
次に、シャフト20及び内輪120の分解について説明する。シャフト20と内輪120とを分解するときには、次の3つの工程により行なう。
(4−1.第一工程)
第一工程は、図2に示す状態(第一位置)から、ストッパリング50をシャフト20の外周面から脱離させる。なお、ストッパリング50をシャフト20の外周面から脱離させる前には、ストッパリング50は、上述の第一状態を形成している。このとき、ストッパリング50は、作業者から視認可能な内輪120の第一方向手前側に設けられている。このため、ジョイント組立体からブーツ30さえはずせば、ストッパリング50の脱離作業は、容易に行なえる。ストッパリング50をシャフト20の外周面から脱離させると、シャフト20に対して内輪120は第一位置P1から第二位置P2への移動が可能となる。
(4−2.第二工程)
次に、第二工程では、第二状態となった内輪120をシャフト20に対して、図4に示すように第二位置P2に移動させる。これにより、外周溝22、規制凹所124及び止め輪42の相対位置関係が、図4に示すようになり、外周溝22が径方向外側の空間に向かって開口する。そして、止め輪42は、外径部が規制凹所124の底面124aからはずれ自由長状態まで拡径する。本実施形態においては、この自由長状態における止め輪42が、外周溝22の傾斜面20cの斜面上の何れかの位置に当接可能に構成される。
(4−3.第三工程)
次に、第三工程では、内輪120が、シャフト20に対して第一方向に向かって移動される。この動作によって、止め輪42が、傾斜面20c上を押動側面120bによって第一方向に押される。傾斜面20cは、図3に示すように、法線ベクトルHが径方向外側の成分vを有するよう形成されている。これにより、止め輪42は、図5に示すように、外周溝22の傾斜面20cに沿って更に拡径しながら、図6に示すように、シャフト20の先端部の外周面20bに乗り上げる。
その結果、止め輪42は、シャフト20に対する内輪120の第一方向への相対移動を規制する機能を失う。よって、シャフト20に対して内輪120を、第一方向にさらに相対移動させることにより、内輪120はシャフト20から脱離する。止め輪42は、内輪120とシャフト20とを完全に脱離させた後に、回収すればよい。なお、上記において、前述した予め設定された傾斜面20cの傾斜角度は、止め輪42が押動側面120bに第一方向に押された際に、止め輪42が傾斜面20cに沿って良好に拡径することが可能な角度に設定されることが好ましい。
上述の説明から明らかなように、第一実施形態では、第一位置P1で組付状態にあるストッパリング50(ストッパ部材)を脱離させ、内輪120(支持部材)を第一位置P1から第二位置P2に移動させると、止め輪42は、規制凹所124から脱離し自由長状態まで拡径する。このため、止め輪42は、シャフト20(軸部材)の外周溝22から脱離可能となる。これにより、シャフト20に対する内輪120(支持部材)の第一方向への移動規制が解除され、シャフト20に対する内輪120の引き抜きが可能となる。このように、簡易な構成によって、分解意図がない場合には、止め輪42の第一方向奥側、及び手前側の各側面が、外周溝22の第一平面20a及び規制凹所124の第二平面124bにそれぞれ当接し挟持されることによりシャフト20を内輪120に強固に固定できる。また、分解時にはストッパリング50を脱離させるだけで容易にシャフト20と内輪120とを分解可能な状態にできる。
また、上記第一実施形態では、第二位置P2において、止め輪42(抜け止め部材)が、自由長状態となった場合に、止め輪42は傾斜面20cと当接する。このため、止め輪42は、押動側面120bにより第一方向に押動され傾斜面20cに沿って移動することで、更なる拡径が可能となる。これにより、止め輪42は、第二位置P2において、その外径が自由長状態となった際、外周溝22から脱離可能となるほど大きく拡径する必要がない。このため、抜け止め部材の径方向における弾性変形を小さくすることができ、汎用性の高い安価な材料で抜け止め部材が製作可能となる。
また、上記第一実施形態では、ストッパ部材は、C型止め輪である。これにより、低コストで、シャフト20の抜け止め装置が製作できる。
<第二実施形態>
なお、上記第一実施形態においては、内輪120(支持部材)を第一位置P1から第二位置P2に移動させたとき、止め輪42が、規制凹所124から脱離し拡径する空間を内輪120(支持部材)の外側の空間であるとした。しかし、この態様には限らない。第二実施形態として、図7に示すように、止め輪42が規制凹所124から脱離し拡径する空間Faを、内輪120の内部に設けてもよい。この点以外は全て第一実施形態と同様である。この場合、第一実施形態と同様、空間Faに向かって拡径した止め輪42を押動する面を図7に示す押動側面120dとすればよい。これによっても同様の効果を奏する。
また、上記第一、第二実施形態においては、ストッパ部材(ストッパリング50)をC型止め輪としたが、この態様には限らない。ストッパ部材は、シャフト20に対して内輪120を、第一状態と第二状態とに切替可能とする部材であればよい。例えば、ストッパ部材は、ナットでもよい。具体的には、シャフト20の突起部20dがナットに置き換わればよい。ナットはシャフト20の外周面に形成した雄ねじと螺着させ、ナットの軸周りの回転によってナットの軸方向への移動を可能とする。このような状態で、第一状態を形成するときには、ナットの第一方向奥側の端面を第一位置P1に位置する内輪120の第一方向手前側端面と当接させる。また、第二状態を形成するときには、内輪120が第二位置P2まで移動可能となる位置まで、ナットを第一方向手前側に移動させればよい。これによっても、同様の効果が得られる。
また、上記第一、第二実施形態においては、ストッパ部材(ストッパリング50)が、内輪120の入口端面120aと、入口端面120aよりさらに第一方向手前側に配置されるシャフト20の突起部20dの凸部側面20d1と、の間に装着された。しかし、この態様には限らない。図8に示すように、シャフト20の突起部20dを廃止し、突起部20dが設けられていたシャフト20の外周面近傍にストッパリング50の軸方向長さより若干長い軸方向長さを有する外周溝20eを形成してもよい。なお、図8では、第一実施形態と同様部分については、同じ符号が付してある。
外周溝20eの第一方向奥側の側面20e1の位置は、第一位置P1における内輪120の第一方向手前側の入口端面120aの位置よりも第一方向奥側に若干入り込むよう形成される。また、外周溝20eの径方向深さは、ストッパリング50の径方向厚さよりも小さくなるよう形成する。そして、第一位置P1における内輪120の第一方向手前側の入口端面120aと外周溝20eの第一方向手前側の端面20e2との間にストッパリング50を装着することで上記第一、第二実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記第一、第二実施形態においては、外周溝22に傾斜面20cを設けた。しかし、この態様には限らない。外周溝は傾斜面を有さなくてもよい。この場合、止め輪42が、上記第二工程において、初期状態(自由長状態)まで拡径した場合に、止め輪42の内径がシャフトの先端部の外周面の径よりも大きくなるものであればよい。これによっても第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、上記第一、第二実施形態においては、傾斜面20cは、外周溝22の対向する二つの側面のうち第一方向の奥側の側面である第一平面20aの一部に設けられた。しかし、この態様には限らず、第一平面20aが、全て傾斜面であってもよい。これによっても、十分な効果が得られる。
また、上記各実施形態においては、ボール型等速ジョイント10が、ドライブシャフトの中間シャフトと車輪のハブユニットとの間、つまり、アウトボード側に設けられるものとして説明した。しかし、この態様には限らない。ボール型等速ジョイント10が、車両のディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトの中間シャフトとの連結部位に設けられるもの、つまり、インボード側に設けられてもよい。
また、上記各実施形態においては、等速ジョイントが、ボール型等速ジョイントでなく、トリポード型等速ジョイントでもよい。そして、そのトリポード型等速ジョイントはインボード側及びアウトボード側のいずれに設けられてもよい。このような構成においても同様の効果を奏する。
1・・・等速ジョイント組立体、 10・・・ボール型等速ジョイント、 20・・・軸部材(シャフト)、 20c・・・傾斜面、 22・・・外周溝、 40・・・抜け止め装置、 42・・・抜け止め部材(止め輪)、 50・・・ストッパ部材,C型止め輪(ストッパリング)、 110・・・外輪、 120・・・支持部材(内輪)、 124・・・規制凹所、 P1・・・第一位置、 P2・・・第二位置。

Claims (5)

  1. 円柱状に形成され、外周に外周溝を有する軸部材と、
    前記軸部材を第一方向に挿入可能な筒状に形成され、径方向内側に開口し且つ前記第一方向の奥側に開口する規制凹所が形成される支持部材であり、前記規制凹所が前記外周溝に対向する状態である第一位置と、前記規制凹所が前記外周溝に対して前記第一方向の手前側にずれた状態である第二位置とに前記軸部材に対して相対移動可能な前記支持部材と、
    径方向に縮径可能なリング状に形成され、前記第一位置において前記規制凹所に拡径を規制された状態で前記外周溝と前記規制凹所に嵌められ、前記軸部材に対する前記支持部材の前記第一方向への移動を規制し、且つ、前記第二位置において前記規制凹所より前記第一方向の奥側にて拡径された状態で前記軸部材に対する前記支持部材の前記第一方向への移動を許容する抜け止め部材と、
    前記支持部材の前記第一方向の手前側の端面に当接可能に設けられ、前記支持部材が前記第一位置に存在する状態から前記軸部材に対する前記支持部材の前記第一方向と反対方向への移動を規制する第一状態と、前記第一位置から前記第二位置への前記支持部材の移動を許容する第二状態とを切替可能なストッパ部材と、
    を備える、軸部材の抜け止め装置。
  2. 前記軸部材の前記外周溝は、対向する二つの側面を有し、前記対向する二つの側面のうち前記第一方向の奥側の側面の少なくとも一部は法線ベクトルが径方向外側の成分を有する傾斜面である、請求項1に記載の軸部材の抜け止め装置。
  3. 前記傾斜面は、自由長状態の前記抜け止め部材と当接し、前記第一位置から前記第二位置への前記支持部材の移動によって前記抜け止め部材を拡径する、請求項2に記載の軸部材の抜け止め装置。
  4. 前記ストッパ部材は、C型止め輪である、請求項1〜3の何れか1項に記載の軸部材の抜け止め装置。
  5. 等速ジョイントの内側部材と前記内側部材に連結されるシャフトとが、請求項1〜4の何れか1項に記載の軸部材の抜け止め装置によって固定された等速ジョイント組立体であって、
    前記内側部材は、前記支持部材であり、
    前記シャフトは、前記軸部材である、等速ジョイント組立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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