JP2014005915A - 等速ジョイントの取り付け構造およびプロペラシャフト - Google Patents

等速ジョイントの取り付け構造およびプロペラシャフト Download PDF

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Abstract

【課題】等速ジョイントの外輪とコンパニオンフランジ等の相手側動力伝達部材とをボルトで締結するにあたり、簡単な構造でボルトを予め等速ジョイントの外輪に仮付け可能として、締結作業の向上を図る。
【解決手段】コンパニオンフランジ16に連結される外輪2と、第二連結軸12に連結される内輪3とを備えた等速ジョイント1と、外輪2の環状側面2Aに取り付けられて等速ジョイント1の内側空間を覆うカバー6と、を備え、外輪2とカバー6とコンパニオンフランジ16とがジョイント軸方向に沿うボルト10により互いに締結固定される等速ジョイント1の取り付け構造において、カバー6に、ボルト孔6Dの周囲から略ボルト軸方向に沿って突設され、ボルト軸径内方向に作用する弾性復元力によりボルト10の表面に係止する係止突起18を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、等速ジョイントおよびこれを備えるプロペラシャフトに関する。
プロペラシャフト(推進軸)においては振動を低減させるために等速ジョイントを用いることが一般に行われている。等速ジョイントの例としてはクロスグルーブ型ジョイントが挙げられる。図8はクロスグルーブ型ジョイントを用いたプロペラシャフトのジョイント構造の説明図であり、(a),(b)はそれぞれ取り付け完了後、取り付け前の状態を示している。クロスグルーブ型ジョイント51は、内周に溝を形成した短い円筒状の外輪52と、外輪52と同軸に配置され外方に溝を形成した内輪53と、外輪52および内輪53の各溝を転動するボール(図示せず)と、このボールを所定の位置に保持するケージ55とを有した構成からなる。
ジョイント内部の潤滑を行うためにジョイント内にはグリースが封入され、このグリースの漏れおよび外部からの泥水の浸入を防止するために、外輪52の軸方向前後にはカバー56およびブーツ57が嵌着される。ブーツ57は、外輪52に嵌着されるブーツアダプタ58と、一端がブーツアダプタ58に取り付けられ他端がブーツバンド54により締結されて第二連結軸62の周面を封止するゴム製のブーツ本体59とから構成される。外輪52とカバー56,ブーツ57との間にはゴム製のパッキン60,60が取り付けられるか若しくは液体パッキンが塗布されることで合せ面からのグリースの漏れが防止される。
第一連結軸61にはコンパニオンフランジ63が取り付けられており、ボルト64が外輪52,カバー56,ブーツアダプタ58の各ボルト孔を挿通してコンパニオンフランジ63の雌ねじ孔65に螺着されることで、外輪52がコンパニオンフランジ63、すなわち第一連結軸61に固定される。ボルト64の頭部とブーツアダプタ58との間には、ボルト軸力による面圧を緩和するため、ボルト二本または三本当たり一個の割合でロックワッシャ66が取り付けられる。一方、内輪53には、その内径に形成されたスプラインに第二連結軸62がスプライン結合により取り付けられ、スナップリング67により抜け止めがなされている。
コンパニオンフランジ63には円筒状の鍔68が突出形成されており、前記ボルト64による取り付けの際には鍔68が外輪52に外嵌し、鍔68がカバー56の外周縁周りと外輪52の軸方向半分程度とを覆う構造となっている。したがって、取り付け作業の際、外輪52を鍔68内に挿入し始めた段階で作業者はコンパニオンフランジ63の雌ねじ孔65を目視できない状態となり、雌ねじ孔65に対して、ボルト64を挿通させるための外輪52,カバー56,ブーツアダプタ58の各ボルト孔の位置を合わせて取り付けることが難しくなるという問題がある。雌ねじ孔65と前記各ボルト孔との位置がずれた状態で外輪52を鍔68に一旦嵌合させてしまうと、コンパニオンフランジ63、外輪52の双方は共に円筒形状を呈した部材であることから回しづらく、嵌合箇所の隙間が小さく抑えられていることもあって、円周方向に回して雌ねじ孔65と各ボルト孔の位相を合わせることは困難となる。
また、以上の構成からなるクロスグルーブ型ジョイント51では、外輪52とコンパニオンフランジ63とを締結するボルト64は複数個あり、ロックワッシャ66を介在させることもあって、外輪52とコンパニオンフランジ63の位置合わせをした後に、一つずつボルト64とロックワッシャ66を組み付けて締結するという作業形態は手間が掛かりやすくなる。これに対し全てのボルト64とロックワッシャ66とを予め外輪52のボルト孔に仮付けした状態としておけば締結作業を迅速に行えるものとなる。その関連技術としては特許文献1〜4に記載のものが挙げられる。
特開2006−90343号公報 特許第4897636号公報 特開2010−95223号公報 特開2010−95224号公報
特許文献1には熱収縮チューブを用いてボルトを軸方向に仮止めする技術が記載されているが、この技術では熱収縮チューブを取り付けることにより組み立てコストが高くなりやすい。また、2つの部材をボルトで締結したうえで動力伝達する構造においては、負荷が作用したときのボルトの円周方向のすべりを抑える必要があるが、特許文献1の技術ではボルト軸部と外輪のボルト孔の内面との隙間が大きくなるために、ボルトのすべりによる緩みの懸念も生ずる。
特許文献2も熱収縮チューブを用いてボルトを仮止めする技術に関するものであり、緩み止め剤と熱収縮チューブの外径管理に関わるコストが高くなりやすいという問題や特許文献1と同様にボルトのすべりによる緩みのおそれがある。
特許文献3にはブーツカバーの外周に設けたストッパリングにより仮止め状態のボルトの抜けを防止する技術が記載されている。しかし当該技術では、ストッパリングを設けることにより部品コストが嵩むほか、ストッパリングのブーツカバーとの嵌合力は大きな力が期待できないため、外部からボルトの先端に荷重がかかるとストッパリングがブーツカバーから外れるおそれがある。
特許文献4にはカバーのボルト孔にねじ山に係止する突片を設ける技術が記載されているが、この突片はプレス成形で形成されるため、雌ねじ孔の位置精度に対して位置ずれが生じたり、突片同士の隙間のばらつきによってボルトのねじ山との係止ができないおそれがある。また、この突片は、ボルト孔内に平面的に臨む突起体、つまりボルト軸方向と直交する方向に延設された突起体であるため、ボルトの挿入動作に対して突片が弾性変形しづらいという問題がある。たとえば、突片同士の隙間のばらつきを考慮し、ボルトのねじ山との係止を確実にするために突片同士の隙間を小さく設定すると、突片がボルトの表面から強く押されて弾性変形ではなく塑性変形するおそれがあり、所定の係止力(弾性復元力)を得られないおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、その目的は、等速ジョイントの外輪とコンパニオンフランジ等の相手側動力伝達部材とをボルトで締結するにあたり、簡単な構造でボルトを予め等速ジョイントの外輪に仮付け可能として、締結作業の向上を図ることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、第一動力伝達部材に連結される外輪と、第二動力伝達部材に連結され摺動子を介して前記外輪と同軸に配される内輪とを備えた等速ジョイントと、前記外輪の各環状側面に取り付けられて前記等速ジョイントの内側空間を覆う一対の封止部材と、を備え、前記外輪と前記一対の封止部材と前記第一動力伝達部材とがジョイント軸方向に沿うボルトにより互いに締結固定される等速ジョイントの取り付け構造において、前記一対の封止部材の内の少なくとも一方のボルト孔の周囲から略ボルト軸方向に沿って突設され、ボルト軸径内方向に作用する弾性復元力により前記ボルトの表面に係止する係止突起を備えることを特徴とする。
本発明によれば、外輪と第一動力伝達部材とを締結するにあたり、予めボルトを係止突起により外輪に仮付けしておくことができ、迅速に締結作業を行うことができる。
特許文献4に記載の突片は、ボルト軸方向と直交する方向に延設された突起体であるために塑性変形しやすいのに対し、本発明の係止突起はボルト孔の周囲から屈曲してボルト軸方向に沿って立ち上がる形状となるため、弾性変形の領域が広くなり塑性変形しにくい。したがって、成形のばらつきを考慮して係止突起の内径をやや小さめに設定した場合であっても、係止突起は弾性変形の範囲内で変位し、所定の弾性復元力が得られる。
特許文献1、2のようにボルトに熱収縮チューブを取り付ける必要もないため、ボルトの表面と外輪のボルト孔の内面との隙間も小さく設定でき、ボルトのすべりによる緩みを招くおそれもない。
また、本発明は、前記係止突起は、ボルト孔の円周方向に分割された複数の円弧状突起からなり、前記円弧状突起が弾性変形して前記ボルトの表面に係止することを特徴とする。
係止突起を複数の円弧状突起から構成することにより、一層、弾性変形の領域が広くなり係止突起が塑性変形しにくくなる。したがって、成形のばらつきを考慮して円弧状突起の内径をやや小さめに設定した場合であっても、円弧状突起は弾性変形の範囲内で変位し、所定の弾性復元力が得られる。
また、本発明は、前記係止突起は、ボルト孔の周囲から略ボルト軸方向に沿って突設される突起本体と、この突起本体の内面に塗布または接着により固定される弾性体とを備え、前記弾性体が弾性変形して前記ボルトの表面に係止することを特徴とする。
係止突起を、ボルト孔の周囲から略ボルト軸方向に沿って突設される突起本体と、この突起本体の内面に塗布または接着により固定される弾性体とを備えた構成にしても、予めボルトを係止突起により外輪に仮付けしておくことができ、迅速に締結作業を行うことができる。
また、本発明は、前記ボルトの表面に、前記係止突起の係止部を嵌合させるための凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ボルトの軸方向の位置ずれを一層低減でき、ボルトを確実に外輪に仮付けしておくことができる。
また、本発明は、前記ボルトの先端に、ボルトの雄ねじ部よりも小径のガイド部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、外輪とコンパニオンフランジとを組み付ける過程で、ボルトのガイド部がコンパニオンフランジのボルト孔に挿入されることで、外輪とコンパニオンフランジとの円周方向の位置ずれを防ぐことができ、ボルトの締結作業に迅速に移行できる。
また、前記第一動力伝達部材が軸部材に取り付けられたコンパニオンフランジであるプロペラシャフトに対し、本発明の等速ジョイントの取り付け構造を適用すれば、等速ジョイントとコンパニオンフランジとを迅速に連結することができ、プロペラシャフトの生産性が向上する。
本発明によれば、等速ジョイントと相手側動力伝達部材との取り付け作業を迅速に行うことができる。
本発明を適用したプロペラシャフトの全体構成図である。 図1における本発明の等速ジョイントの取り付け構造部を拡大した説明図である。 カバーの説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。 係止突起とボルトとの係止箇所の拡大側面図であり、(a)はボルトに凹部を設けた場合、(b)は設けない場合を示す。 本発明の等速ジョイントの取り付け構造部の分解斜視図である。 本発明の等速ジョイントの取り付け構造の説明図であり、外輪とコンパニオンフランジの組み付け前の状態を示す。 係止突起の変形例の説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)におけるB−B断面図である。 従来の等速ジョイントの取り付け構造部の説明図であり、(a),(b)はそれぞれ取り付け完了後、取り付け前の状態を示す。
以下、本発明に係る等速ジョイントの取り付け構造を自動車のプロペラシャフトに適用した形態について説明する。図1において、プロペラシャフトPは、3つの軸から構成されたいわゆる3ピース構成のプロペラシャフトであって、車両前後方向における前端(一端)側から順に第一軸S1、第二軸S2、第三軸S3を備える。なお、本明細書中では図1における左側を車両前方、右側を車両後方として説明する。
第一軸S1は、前端が第一ジョイントJ1を介して変速機あるいは副変速装置(共に図示せず)に連結され、後端が第二ジョイントJ2を介して第二軸S2の前端に連結される。第二軸S2は、後端が第三ジョイントJ3を介して第三軸S3の前端に連結される。第三軸S3は、後端が第四ジョイントJ4を介して終減速装置に連結される。各ジョイントの内、第一ジョイントJ1、第二ジョイントJ2および第四ジョイントJ4が、一対のU字形のヨーク31、32を十字軸33を介して互いに軸支するいわゆる十字軸ジョイントから構成され、第三ジョイントJ3が本発明に係る等速ジョイント1として構成される。第二軸S2の後端には第一連結軸11が固設されると共に、第三軸S3の前端には第二連結軸12(第二動力伝達部材)が固設されており、等速ジョイント1は第一連結軸11と第二連結軸12を連結することで第二軸S2と第三軸S3を連結する。
等速ジョイント1はたとえばクロスグルーブ型ジョイントであり、図2に示すように内周に溝を形成した短い円筒状の外輪2と、外輪2と同軸に配置され外方に溝を形成した内輪3と、外輪2および内輪3の各溝を転動するボール等からなる摺動子(図示せず)と、この摺動子を所定の位置に保持するケージ5とを有した構成からなる。外輪2には、ジョイント軸方向(プロペラシャフトPの軸心Oの方向)に沿うボルト10の挿通用として、円周方向に間隔を空けて複数の(本実施例では6つ)のボルト孔2Cが形成されている。ボルト10は、たとえば六角穴付きボルトである。ジョイント内部の潤滑を行うためにジョイント内にはグリースが封入され、このグリースの漏れおよび外部からの泥水の浸入を防止するために、外輪2の前後には等速ジョイント1の内側空間を覆う一対の封止部材(カバー6、ブーツアダプタ8)が嵌着される。
ブーツ7は、一対の封止部材の内の一方であるブーツアダプタ8と、ブーツ本体9とから構成される。ブーツアダプタ8は、プロペラシャフトPの軸心Oを軸方向とする無蓋無底の筒形状の板金部材であり、後方に向かうにしたがい縮径する略円錐台形状を呈した筒胴部8Aと、筒胴部8Aの前縁から軸心Oの径外方向に延設され、外輪2の後端側の環状側面2Bに対向する環状のフランジ部8Bと、フランジ部8Bの外縁から前方に延設される鍔部8Cとを有した形状からなる。フランジ部8Bには、外輪2のボルト孔2Cに対応するようにボルト孔8Dが形成されている。筒胴部8Aの後端は内側への折返し加工が施され、この折返し部にブーツ本体9の前端が挟持固定される。ブーツ本体9は軸心Oを軸方向とする環状のゴム製部材であり、筒胴部8Aの折り返し部から前方に延設した後に内側に折り返されて後端が後方に延設された形状からなる。
ブーツ7は以上の構成からなり、ブーツアダプタ8は、フランジ8Bが外輪2の環状側面2Bに突き当てられた状態で鍔部8Cが外輪2の外周の後端周りに外嵌し、ボルト10の締結により外輪2とボルト頭部に挟持固定される。ブーツ本体9はその後端がブーツバンド4により締結されて第二連結軸12の周面を封止する。第二連結軸12は内輪3の内径部にスプライン結合により取り付けられ、スナップリング13により抜け止めがなされる。なお、外輪2の環状側面2Bとブーツアダプタ8のフランジ部8Bとの間には、適宜にゴム製のパッキン14が取り付けられるか若しくは液体パッキンが塗布される。また、ボルト10の頭部とフランジ部8Bとの間にはボルト軸力による面圧を緩和するためのロックワッシャ15が取り付けられる。
一対の封止部材の内の他方であるカバー6は、図3に示すように、軸心O(図2)を軸方向とする略ハット形状の板金部材であり、前方に向けて扁平球殻状に突設されたカバー頭部6Aと、カバー頭部6Aの後縁から軸心Oの径外方向に延設され、外輪2の前端側の環状側面2Aに対向する環状のフランジ部6Bと、フランジ部6Bの外縁から後方に延設される鍔部6Cとを有した形状からなる。フランジ部6Bには、外輪2のボルト孔2C(図2)に対応するようにボルト孔6Dが形成されている。カバー6は、図2に示すように、フランジ部6Bが外輪2の環状側面2Aに突き当てられた状態で鍔部6Cが外輪2の外周の前端周りに外嵌し、ボルト10の締結により外輪2と後記するコンパニオンフランジ16に挟持固定される。外輪2の環状側面2Aとカバー6のフランジ部6Bとの間にも、適宜にゴム製のパッキン14が取り付けられるか若しくは液体パッキンが塗布される。
第一連結軸11の後端周りにはコンパニオンフランジ16(第一動力伝達部材)が取り付けられ、ロックナット17を締結することにより抜け止めがなされる。コンパニオンフランジ16は、第一連結軸11の外周に結合する軸胴部16Aと、軸胴部16Aの外周から軸心Oの径外方向に若干突設されたうえで後方に延設される円筒状の拡径部16Bと、拡径部16Bの後端から軸心Oの径外方向に突設されるリング状の取付座部16Cと、取付座部16Cの外縁から後方に延設され、カバー6の鍔部6Cの外径よりも若干大きい内径を有する鍔部16Dとを有した形状からなる。取付座部16Cには、外輪2のボルト孔2Cに対応するように、ボルト孔として雌ねじ孔16Eが取付座部16Cを貫通するように螺設されている。取付座部16Cの後面は軸心Oの径外方向に沿って延設される環状座面16Fとして形成される。
以上の等速ジョイント1周りの構造において、本発明は、カバー6およびブーツアダプタ8の少なくとも一方のボルト孔(6D,8D)の周囲から略ボルト軸方向に沿って突設され、ボルト軸径内方向に作用する弾性復元力によりボルト10の表面に係止する係止突起18を備えることを主な特徴とする。本実施形態では、係止突起18をカバー6側に形成している。係止突起18は、カバー6においてフランジ部6Bの各ボルト孔6Dの周囲から、コンパニオンフランジ16の環状座面16Fに向けて突設される。
また本実施形態では、図3に示すように、係止突起18は、ボルト孔6Dの円周方向に2分割された複数の円弧状突起19からなる。円弧状突起19はボルト軸方向から見て円弧状を呈した突起片である。図3では、一対のスリット20を形成して2つの円弧状突起19を形成した場合を示している。カバー6の単体の状態においては、円弧状突起19の内径(内周の曲率半径)はボルト10の外径よりも小さく設定されており、ボルト10がボルト孔6Dに挿通されると、円弧状突起19が弾性変形して拡径し、その弾性復元力によりボルト10の表面に係止する。
具体的には、円弧状突起19は、プレス成形のスプリングバックなどによって、先端側(前端側)に向かうにしたがい僅かに縮径するように形成されており、その前端側寄りの部分の内径がボルト10の外径よりも小さくなっている。したがって、ボルト10の挿通時には、円弧状突起19の前端側寄りの部分がボルト10の表面に押されることで、円弧状突起19は後端の折曲基端部を中心として容易に弾性変形して拡径する。
図2において、コンパニオンフランジ16の環状座面16Fには有底の嵌合穴21が雌ねじ孔16Eと同軸に形成されており、組み付け時にはこの嵌合穴21に円弧状突起19が収まる。
図4(a)に示すように、ボルト10の表面(雄ねじ部10Aの表面)に、係止突起18の係止部を嵌合させるための凹部22を形成すれば、ボルト10の軸方向の位置ずれが一層低減されることとなる。凹部22は雄ねじ部10Aの表面に円周方向に沿って形成される環状の溝として設けられる。勿論、所定の弾性復元力を確保できる場合には、図4(b)に示すように、ボルト10の表面(雄ねじ部10Aの表面)にそのまま係止突起18を係止させる態様としても差し支えない。
図2において、クロスグルーブ型ジョイントなどの等速ジョイント1にあっては、グリースの封止等に用いるカバー6,ブーツアダプタ8として前記したように共に板金部材から構成することが多い。したがって、係止突起18としては、プレス加工によってボルト孔6Dまたはボルト孔8Dの周囲から略ボルト軸方向に沿って折り曲げ加工することは容易である。
また、本実施形態ではボルト10の先端に、雄ねじ部10Aよりも小径のガイド部23が形成されている。つまり、ガイド部23はコンパニオンフランジ16の雌ねじ孔16Eよりも小径である。ガイド部23の周面は、ねじが螺設されていない滑らかな曲面として形成されている。
「作用」
等速ジョイント1周りの組み立て手順の一例を説明する。図6において、先ず、外輪2のボルト孔2Cとブーツアダプタ8のボルト孔8Dとが一致するようにしてブーツアダプタ8の鍔部8Cを外輪2の後端周りに圧入して外嵌させ、第二連結軸12にブーツ本体9の後端をブーツバンド4により締結固定する。そして、第二連結軸12の前端を内輪3にスプライン結合させてスナップリング13により留める。等速ジョイント1の内部にグリースを充填した後、外輪2のボルト孔2Cとカバー6のボルト孔6Dとが一致するようにしてカバー6の鍔部6Cを外輪2の前端周りに圧入して外嵌させる。
次いで、ロックワッシャ15を介在させたうえでボルト10をブーツアダプタ8側からボルト孔8D、ボルト孔2C、ボルト孔6Dに挿通させる。円弧状突起19の内径はボルト10の雄ねじ部10Aの外径よりも小さく設定されているが、円弧状突起19の内面がボルト10の雄ねじ部10Aの表面に押され弾性変形により拡径することで挿通作業が続行可能となる。カバー6の鍔部6Cは外環2の外周に圧入により嵌合しているので、挿通時にカバー6が外輪2から外れることもない。
図6に示すように、ボルト10の挿通完了時には、ボルト10の先端寄り、すなわちガイド部23と、コンパニオンフランジ16の雌ねじ孔16Eに螺合する分の雄ねじ部10Aはボルト孔6Dから突出する。円弧状突起19はその弾性復元力によりボルト10の表面に係止し、これによりボルト10はカバー6、外輪2、ブーツアダプタ8に仮付けされた状態が維持される。特に円弧状突起19はボルト10の凹部22に嵌合するので、仮付け状態のボルト10の軸方向の位置ずれが一層低減される。
次いでコンパニオンフランジ16の取付座部16Cに外輪2の前端周りを取り付けてボルト10の締結作業を行う。ボルト10は既に外輪2に装着された状態となっているので迅速な締結作業が可能となる。また、外輪2をコンパニオンフランジ16の鍔部16D内に嵌合させる過程で、ボルト10のガイド部23がコンパニオンフランジ16の雌ねじ孔16Eに挿入されることで、外輪2とコンパニオンフランジ16との円周方向の位置ずれを防ぐことができ、ボルト10の締結作業に迅速に移行できる。なお、特にガイド部23を設けない場合であっても、ボルト10がカバー6から突き出した状態で保持されているため、外輪2とコンパニオンフランジ16との嵌合過程において、ボルト10の先端が雌ねじ孔16Eの位置を探ることとなる。そのため、ガイド部23を設けない場合であっても、外輪2とコンパニオンフランジ16との円周方向の位置ずれ防止の効果はある程度奏されることになる。なお、図6から判るように、カバー6からのボルト10の突出長さはコンパニオンフランジ16の鍔部16Dの長さよりも長いので、作業者は目視によりボルト10の先端を雌ねじ孔16Eに導くことができる。
以上のように、カバー6のボルト孔6Dの周囲から略ボルト軸方向に沿って突設され、ボルト軸径内方向に作用する弾性復元力によりボルト10の表面に係止する係止突起18を備える構造とすれば、外輪2とコンパニオンフランジ16(第一動力伝達部材)とを締結するにあたり、ボルト10は既に外輪2に装着された状態となっているので迅速に締結作業を行うことができる。図示はしないが、係止突起18をブーツアダプタ8側に形成してもボルト10を外輪2に仮付けしておくことができるので、迅速に締結作業を行うことができる。係止突起18をブーツアダプタ8に形成する場合にはボルト孔8Dの周囲から略ボルト軸方向に沿って係止突起18を前方に突設する。そして、外輪2の環状側面2Bに有底の嵌合穴をボルト孔2Cと同軸に形成し、この嵌合穴に係止突起18を収める。
また、前記特許文献4に記載の突片は、ボルト軸方向と直交する方向に延設された突起体であるために塑性変形しやすいのに対し、本発明の円弧状突起19はボルト孔6Dの周囲から屈曲してボルト軸方向に沿って立ち上がる形状であるため、弾性変形の領域が広くなり塑性変形しにくい。したがって、成形のばらつきを考慮して円弧状突起19の内径をやや小さめに設定した場合であっても、円弧状突起19は弾性変形の範囲内で変位し、所定の弾性復元力を得ることができる。さらに、特許文献1、2のようにボルトに熱収縮チューブを取り付ける必要もないため、ボルト10の表面と外輪2のボルト孔2Cの内面との隙間を小さく設定でき、ボルトのすべりによる緩みを招くおそれもない。
なお、説明した実施形態では円弧状突起19を2つ形成しているが、3つ以上形成してもよい。
「係止突起18の変形例」
図7を参照して係止突起18の変形例を説明する。前記した実施形態では、係止突起18を、カバー6の一部である円弧状突起19から構成してこの円弧状突起19自体の弾性変形を利用した態様であるのに対し、この変形例ではカバー6とは別部材である弾性体25の弾性変形を利用する。本変形例の係止突起18は、カバー6のボルト孔6Dの周囲から略ボルト軸方向に沿って突設される突起本体24と、この突起本体24の内面に塗布または接着により固定される弾性体25とを備えて構成される。
突起本体24はたとえばカバー6のボルト孔6Dの周囲から前方に向けて突設される円筒状の突起からなる。この突起本体24はたとえばカバー6のプレス成形時に一体成形される。弾性体25はたとえばゴム材やスポンジ材等の弾性力に富む材料から構成され、突起本体24の内面に層状に形成される。
本変形例によれば、弾性体25が弾性変形してそのボルト軸径内方向に作用する弾性復元力により、弾性体25すなわち係止突起18がボルト10(図2)の表面に係止する。本変形例によっても、ボルト10を外輪2に装着した状態で、外輪2とコンパニオンフランジ16(第一動力伝達部材)とを締結することができ、迅速に締結作業を行うことができる。
以上、等速ジョイント1の取り付け構造とこれを備える自動車のプロペラシャフトPの好適な実施形態を説明した。説明した実施形態では3ピース構成のプロペラシャフトについて説明したが、2ピース構成のプロペラシャフトにも本発明の等速ジョイント1の取り付け構造を適用することができる。
1 等速ジョイント
2 外輪
2C ボルト孔
3 内輪
6 カバー
6D ボルト孔
7 ブーツ
8 ブーツアダプタ
8D ボルト孔
9 ブーツ本体
10 ボルト
11 第一連結軸
12 第二連結軸(第二動力伝達部材)
16 コンパニオンフランジ(第一動力伝達部材)
16E 雌ねじ孔
18 係止突起
19 円弧状突起
20 スリット
21 嵌合孔
22 凹部
23 ガイド部
24 突起本体
25 弾性体
P プロペラシャフト

Claims (6)

  1. 第一動力伝達部材に連結される外輪と、第二動力伝達部材に連結され摺動子を介して前記外輪と同軸に配される内輪とを備えた等速ジョイントと、
    前記外輪の各環状側面に取り付けられて前記等速ジョイントの内側空間を覆う一対の封止部材と、を備え、
    前記外輪と前記一対の封止部材と前記第一動力伝達部材とがジョイント軸方向に沿うボルトにより互いに締結固定される等速ジョイントの取り付け構造において、
    前記一対の封止部材の内の少なくとも一方のボルト孔の周囲から略ボルト軸方向に沿って突設され、ボルト軸径内方向に作用する弾性復元力により前記ボルトの表面に係止する係止突起を備えることを特徴とする等速ジョイントの取り付け構造。
  2. 前記係止突起は、ボルト孔の円周方向に分割された複数の円弧状突起からなり、
    前記円弧状突起が弾性変形して前記ボルトの表面に係止することを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイントの取り付け構造。
  3. 前記係止突起は、ボルト孔の周囲から略ボルト軸方向に沿って突設される突起本体と、この突起本体の内面に塗布または接着により固定される弾性体とを備え、
    前記弾性体が弾性変形して前記ボルトの表面に係止することを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイントの取り付け構造。
  4. 前記ボルトの表面に、前記係止突起の係止部を嵌合させるための凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の等速ジョイントの取り付け構造。
  5. 前記ボルトの先端に、ボルトの雄ねじ部よりも小径のガイド部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の等速ジョイントの取り付け構造。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の等速ジョイントの取り付け構造を有し、
    前記第一動力伝達部材が軸部材に取り付けられたコンパニオンフランジであることを特徴とするプロペラシャフト。
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