JP7477951B2 - 等速自在継手 - Google Patents

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Description

本開示は、等速自在継手に関する。
車両のプロペラシャフト等に使用される等速自在継手は、直列に配置された第1シャフト及び第2シャフト間でトルクを伝達するように構成される。
一般的に、等速自在継手は、第1シャフトに結合される筒状の外側継手部材と、第2シャフトに結合される内側継手部材と、外側継手部材の第2シャフト側の端部と第2シャフトとの間を塞ぐブーツと、を備える。
外側継手部材の内部は、潤滑材で潤滑され、内側継手部材は、外側継手部材の中心軸に対し周方向に相対回転不能かつ傾動可能に設けられる。また、ブーツは、外側継手部材及び内側継手部材に対して相対回転不能に設けられる。
特開2015-68377号公報
ところで、上記の等速自在継手では、外側継手部材の内部から、その軸方向の第2シャフト側に向かって潤滑材が移動して、ブーツの内壁に潤滑材が付着する場合がある。この場合、例えば、ブーツに掛かる遠心力が潤滑材の重みで増加して、ブーツに変形が生じ、ブーツの寿命が低下する虞がある。
そこで、本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、ブーツの内壁に潤滑材が付着するのを抑制できる等速自在継手を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、第1シャフトと第2シャフトとを直列に接続する等速自在継手であって、前記第1シャフトに結合され、内部が潤滑材で潤滑される筒状の外側継手部材と、前記第2シャフトに結合され、前記外側継手部材の内部に配置された内側継手部材と、前記外側継手部材の前記第2シャフト側の端部と前記第2シャフトとの間を塞ぐブーツと、前記ブーツの内側で前記外側継手部材の前記第2シャフト側の端部と前記第2シャフトとの間を塞ぐシール部材と、を備えることを特徴とする等速自在継手が提供される。
好ましくは、前記シール部材は、前記外側継手部材の前記第2シャフト側の端部に嵌合固定されるリング状の基端部と、前記第2シャフトの外周面に摺動自在に嵌合されるリング状の先端部と、前記基端部と前記先端部とを接続する中間壁部と、を備え、前記中間壁部は、前記外側継手部材の軸方向の前記第2シャフト側に向かうにつれ順次縮径する管状のテーパ部を有する。
また、前記テーパ部は、断面円弧状または直線状に形成されている。
また、等速自在継手は、前記外側継手部材の前記第1シャフト側の端部を塞ぐ蓋部材と、前記蓋部材の内側と外側とを連通する通気孔と、を更に備える。
また、等速自在継手は、車両のプロペラシャフトに用いられる。
本開示に係る等速自在継手によれば、ブーツの内壁に潤滑材が付着するのを抑制できる。
プロペラシャフトの概略側面図である。 図1のII部に示した等速自在継手の概略断面図である。 図2において潤滑剤が付着する範囲を表した概略断面図である。 外側継手部材と内側継手部材の分解斜視図である。 外側継手部材の中心軸に対して内側継手部材が傾動した状態を示す概略断面図である。 図3のVI部に示したブーツの拡大断面図である。 図2のVII-VII断面図である。 通気孔及びブリーザ弁の正面図である。 第1変形例を示す拡大断面図である。 第2変形例を示す拡大断面図である。 第3変形例の等速自在継手の概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図中に示す上下前後左右の各方向は、車両(不図示)の上下前後左右の各方向に一致する。
図1は、前側自在継手100、中間自在継手200、及び後側自在継手300を用いたプロペラシャフト1の概略側面図である。
プロペラシャフト1は、車両のプロペラシャフトであり、前方から順に配置された、前側自在継手100、前側軸部2、中間自在継手200、後側軸部3、及び後側自在継手300を備える。
前側自在継手100は、変速機(不図示)の出力軸4と前側軸部2とを直列に接続する。中間自在継手200は、前側軸部2と後側軸部3とを直列に接続する。後側自在継手300は、後側軸部3とファイナルギア(不図示)の入力シャフト5とを直列に接続する。なお、前側軸部2は、車体に固定されたセンターベアリング6によって回転可能に支持される。
車両のエンジン等の動力源の動力は、変速機の出力軸4から前側自在継手100を通じて前側軸部2に伝達され、前側軸部2から中間自在継手200を通じて後側軸部3に伝達され、更に、後側軸部3から後側自在継手300を通じてファイナルギアの入力軸5に伝達される。
本実施形態では、図2~図7を参照して、等速自在継手としての前側自在継手100について詳しく説明する。なお、図中において、一点鎖線C1は、外側継手部材10の中心軸を示し、一点鎖線C2は、内側継手部材20の中心軸を示す。
また、本実施形態の前後方向は、外側継手部材10の軸方向と一致する。本実施形態では、第1シャフトとしての変速機の出力軸4側が前方となり、第2シャフトとしての前側軸部2側が後方となる。
図2及び図3に示すように、前側自在継手100は、固定式の等速自在継手である。前側自在継手100は、変速機の出力軸4に結合され、内部が潤滑材としてのグリースG(図3のみに示す)で潤滑される筒状の外側継手部材10と、前側軸部2に結合され、外側継手部材10の内部に配置された内側継手部材20と、を備える。なお、図2及び図3では、外側継手部材10及び内側継手部材20の中心軸C1,C2同士が、同軸に配置されている。
また、前側自在継手100は、外側継手部材10の後端部11と前側軸部2との間を塞ぐブーツ30と、ブーツ30の内側で外側継手部材10の後端部11と前側軸部2との間を塞ぐシール部材40と、外側継手部材10の前端部12を塞ぐ蓋部材50と、を備える。なお、本実施形態において、「ブーツ30の内側」とは、ブーツ30よりも前側の位置を意味する。
外側継手部材10は、前端部12及び後端部11が開口された円筒状に形成される。外側継手部材10は、その外径及び内径において、前端部12よりも後端部11の方が小さくなるように形成される。
外側継手部材10の後端部11には、外周面13を周方向に1周する溝部13aが形成される。溝部13aには、後述するブーツ取付具60の爪部61aが嵌合固定される。
また、外側継手部材10の後端部11には、内周面14を全周に亘って拡径させた後側拡径部14aが形成される。後側拡径部14aには、後述するシール部材40のシール基端部41が嵌合固定される。
外側継手部材10の前端部12には、フランジ15が形成される。フランジ15は、ボルト及びナット(不図示)を用いて、変速機の出力軸4の後端部に形成されたフランジ部4aに締結される。なお、出力軸4は、後端部が開口された中空状に形成される。
また、外側継手部材10の前端部12には、内周面14を全周に亘って拡径させた前側拡径部14bが形成される。前側拡径部14bには、後述する蓋部材50が嵌合固定される。
図2及び図4に示すように、後側拡径部14aと前側拡径部14bとの間に位置する外側継手部材10の内周面14には、前後方向に延びる外側トラック溝14cが周方向に複数(図示例では、等間隔に6つ)形成される。なお、外側トラック溝14cは、前後方向において、両端よりも中央が径方向外側に緩やかに膨らむように球面状に形成される。
内側継手部材20は、リング状に形成され、前側軸部2の前端部にスプライン嵌合される。内側継手部材20の外周面21には、前後方向に延びる内側トラック溝21aが周方向に複数(図示例では、等間隔に6つ)形成される。
外側継手部材10と内側継手部材20との間には、ケージ22及びボール23が介在される。
ケージ22は、リング状に形成され、周方向に複数(図示例では、6つ)の開口部22aを有する。ボール23は、複数(図示例では、6つ)設けられ、ケージ22の開口部22aにそれぞれ挿通される。
また、ボール23は、外側トラック溝14c及び内側トラック溝21aに保持される。これにより、内側継手部材20は、外側継手部材の中心軸C1に対し周方向に相対回転不能となり、ボール23を介して外側継手部材10からのトルクが伝達される。
また、ボール23は、外側トラック溝14c上を前後方向に転動する。これにより、図5中の中心軸C1,C2で示すように、内側継手部材20は、外側継手部材10の中心軸C1に対し傾動できる。
他方、図3に示したように、外側継手部材10、内側継手部材20、ケージ22及びボール23同士の接触面は、グリースGで潤滑される。これにより、接触面における摩擦係数が低減され、摩擦による外側継手部材10の内部の摩耗と発熱が抑えられる。
ブーツ30は、外部からの異物の侵入を防ぎ、グリースGを保持する。ブーツ30は、管状に形成され、内側継手部材20と同軸に配置される。また、ブーツ30は、ブーツ取付具60を介して外側継手部材10の後端部11に取り付けられる。
ブーツ取付具60は、金属材料または樹脂材料からなり、円筒状に形成され、外側継手部材10と同軸に配置される。
ブーツ取付具60の前端部61は、外側継手部材10の後端部11の外径よりも僅かに小さい内径を有し、外側継手部材10の後端部11を圧入させる。
また、ブーツ取付具60の前端部61には、径方向内側にかしめて突出された爪部61aが形成される。ブーツ取付具60は、外側継手部材10の後端部11の外周面13に形成された溝部13aに爪部61aが嵌合されることで、外側継手部材10から抜けないように抜け止めされる。
ブーツ取付具60の後端部62には、径方向内側から前方に折り返されたヘアピン状のクリップ部62aが形成される。クリップ部62aは、ブーツ取付具60の周方向に全周に亘って形成される。
ブーツ30は、ゴム材料で形成される。ブーツ30は、ブーツ取付具60のクリップ部62aに嵌合固定されるリング状のブーツ基端部31と、前側軸部2の外周面に嵌合されるリング状のブーツ先端部32と、ブーツ基端部31とブーツ先端部32とを接続する管状のブーツ壁部33と、を備える。
ブーツ基端部31は、クリップ部62aに弾性的に挟まれて嵌合される。また、ブーツ基端部31は、クリップ部62aを径方向の外側または内側からかしめることで、クリップ部62aから抜けないように抜け止めされる。ブーツ先端部32は、ブーツ基端部31よりも後方の位置に配置され、バンド部材34により外周側から締め付けられて前側軸部2に固定される。
ブーツ壁部33は、ブーツ基端部31側からブーツ先端部32側にかけて順次縮径するように形成される。また、ブーツ壁部33は、ブーツ基端部31側の部分が前方から後方に折り返されて断面J字状に形成される。
図6及び図7に示すように、シール部材40は、ゴム材料で形成される。シール部材40は、外側継手部材10の後端部に嵌合固定されるリング状の基端部としてのシール基端部41と、前側軸部2の外周面に摺動自在に嵌合されるリング状の先端部としてのシール先端部42と、シール基端部41とシール先端部42とを接続する中間壁部43としての管状のテーパ部43aと、を備える。
本実施形態のシール部材40は、シール基端部41、シール先端部42及びテーパ部43aにより、外側継手部材10の後端部11と前側軸部2との間を全周に亘って隙間なく塞いでいる。本実施形態において、「塞ぐ」とは、このように全周に亘って隙間なく塞ぐことを意味する。これにより、後述するグリースGの漏れを抑制できる。
具体的には、シール基端部41は、外側継手部材10の後側拡径部14aの内径よりも僅かに大きい外径を有し、後側拡径部14aに後方から圧入される。これにより、シール基端部41は、外側継手部材10の後端部11に対して、隙間を生じることなく密着した状態で固定される。
また、シール基端部41は、円筒状に形成される。これにより、シール基端部41と後側拡径部14aとの接触面積を十分に確保でき、シール基端部41を後側拡径部14aに確実に密着させて固定できる。
シール基端部41の内部には、補強部材として金属製または樹脂製のリング部材41aが埋設される。これにより、シール基端部41の変形が抑えられ、シール基端部41と後側拡径部14aとの間に隙間が生じたり、シール部材40が後側拡径部14aから抜けるのを抑制できる。
シール先端部42は、シール基端部41よりも後方に配置される。また、シール先端部42は、前側軸部2の外周面に対して摺動可能な大きさの内径を有し、前側軸部2の外周面に対して全周に亘って密着される(図7を参照)。これにより、シール先端部42と前側軸部2の間に隙間が生じるのを抑制できる。
また、シール先端部42は、円筒状に形成される。これにより、シール先端部42と前側軸部2との接触面積を十分に確保でき、シール先端部42を前側軸部2に確実に密着させて摺動できる。
テーパ部43aは、後方に向かうにつれ順次縮径するように形成される。また、テーパ部43aは、断面円弧状に形成されており、径方向内側かつ斜め前方に向かって出っ張るように湾曲した円弧状の断面形状を有する。但し、テーパ部43aは、断面直線状に形成されていても良い。また、本実施形態のテーパ部43aは、全周に亘って隙間なく形成される。
また、本実施形態のシール部材40は、内側継手部材20が外側継手部材10の中心軸C1に対して傾動したときに(図5を参照)、前側軸部2に追従できる最適な厚さ及び硬度に設定される。
また、シール部材40は、ブーツ30から前方に離間されて配置され、特に、内側継手部材20が外側継手部材10の中心軸C1に対して傾動したときでも(図5を参照)、ブーツ30に接触しないような位置に配置される。これにより、ブーツ30及びシール部材40の摩耗や破損を抑制できる。
図3に戻って、蓋部材50は、プレス鋼材または樹脂材料からなり、円盤状に形成され、外側継手部材10と同軸に配置される。蓋部材50の外周部50aは、円筒状に形成されており、外側継手部材10の前側拡径部14bに嵌合されて固定される。
蓋部材50には、その内側と外側とを連通する通気孔51が形成される。通気孔51は、蓋部材50の径方向の中心部分に設けられる。また、蓋部材50には、外側継手部材10の内部(蓋部材50の内側)の圧力に応じて通気孔51を開閉するブリーザ弁52が取り付けられる。
ブリーザ弁52は、ゴム材料からなり、円盤状に形成され、通気孔51に嵌合固定される。また、ブリーザ弁52の径方向の中央部分には、軸方向に貫通するスリット52a(図8を参照)が形成される。
ブリーザ弁52は、外側継手部材10の内部の圧力が所定値未満のとき(通常時)に、スリット52aが閉じるように構成される。これにより、外側継手部材10の内部のグリースGが漏れ出すのを抑制できる。
また、ブリーザ弁52は、外側継手部材10の内部の圧力が所定値以上のときに、スリット52aが開くように構成される。これにより、スリット52aを通じて、外側継手部材10の内部から変速機の出力軸4の内部に空気が排出され、外側継手部材10の内部の圧力が下がる。外側継手部材10の内部の圧力が上昇すると、シール先端部42と前側軸部2との間に隙間が生じ、この隙間からグリースGが漏れ出す可能性があるが、本実施形態であれば、圧力を下げられるので、隙間が生じてグリースGが漏れ出すのを抑制できる。なお、出力軸4の壁部には、出力軸4の内部に排出された空気を大気に放出するための貫通孔(不図示)が形成される。
ところで、図示しないが、一般的な等速自在継手では、ブーツの内側にシール部材が設けられていない。そのため、例えば、車両の走行中、プロペラシャフトの回転による遠心力や、外側継手部材の内部の圧力によって、外側継手部材の内部からグリースが移動し、ブーツの内壁にグリースが付着する場合がある。特に、車両のプロペラシャフトでは、例えばドライブシャフトに比べて回転速度が高く、遠心力や外側継手部材の内部の圧力が大きいので、グリースが移動してブーツに付着し易い。
そして、ブーツの内壁にグリースが付着すると、ブーツに掛かる遠心力がグリースの重みで増加して、ブーツに変形が生じ、ブーツの寿命が低下する虞がある。
また、外側継手部材等の接触面における摩擦係数を低減するためには、外側継手部材の内部に充填されるグリースの量を、空間容積に対して所定の充填率を満たすように適正に設定する必要がある。しかし、充填されるグリースの量を適正に設定した場合でも、ブーツの内壁に付着するグリースが存在し、また、ブーツの一部に偏在する場合がある。その結果、ブーツが局部的に変形してブーツ取付具に接触し、ブーツの摩耗や破損を生じさせる虞もある。
また、ブーツ内壁に付着したグリースの成分によってブーツが劣化する可能性もある。
他方、上記のようなブーツの破損や劣化等を抑制するためには、ブーツの材質として耐久性や耐油性の高いゴムや樹脂材料を選択する必要があるが、製造コストが高くなる虞がある。
これに対して、図3に示したように、本実施形態の前側自在継手100では、シール部材40によりグリースGの後方への移動を規制できるので、ブーツ30の内壁にグリースGが付着するのを抑制できる。これにより、ブーツの変形が抑えられ、ブーツの寿命の低下を抑制できる。
また、ブーツ30の変形が抑えられることで、ブーツ取付具60との接触によるブーツ30の摩耗や破損をも抑制できる。
また、ブーツ30へのグリースGの付着による耐久性の低下を考慮することなく、外側継手部材10の内部に充填されるグリースの量を適正に設定できるので、外側継手部材10等の接触面における摩擦係数の低減に有利である。
また、ブーツ30の内壁へのグリースGの付着が抑制されることで、グリースGの成分によるブーツ30の劣化をも抑制でき、耐油性を確保するために選択できなかったブーツ30の材質を選択することで、耐熱性や耐環境性等を高くし、耐久性を向上させることができる。
更に、ブーツ30の材質として耐油性の比較的低い材質を選択することもできるので、ブーツ30の材質の選択において、製造コストを削減できる。
また、本実施形態のシール部材40は、シール基端部41、シール先端部42及びテーパ部43aにより、外側継手部材10の後端部11と前側軸部2との間を全周に亘って隙間なく塞いでいる。図示しないが、例えば、比較例として、シール部材40のシール先端部42と前側軸部2との間に隙間が形成されている場合には、この隙間からグリースGが漏れてブーツ30の内壁にグリースGが付着する可能性が高い。
これに対して、本実施形態では、このような隙間がなく、グリースGの漏れを確実に抑制できる。その結果、ブーツ30の内壁にグリースGが付着をするのを確実に抑制できる。
また、本実施形態のシール部材40では、外側継手部材10の中心軸C1に対して内側継手部材20が傾動したときに、テーパ部43aが前側軸部2に追従して変形する(図5を参照)。これにより、シール先端部42と前側軸部2との間に隙間を生じるのを抑制できる。
また、本実施形態のシール先端部42は、前側軸部2の外周面に対して摺動する。これにより、テーパ部43aを前側軸部2に追従して変形させ易くできる。
また、テーパ部43aは、断面円弧状に形成されているため、湾曲した方向に変形させ易くでき、また、変形可能な余長を十分に確保できる。また、テーパ部43aは、径方向内側かつ斜め前方に向かって出っ張るように湾曲しているため、前方から後方に折り返されたブーツ壁部33に対して接触し難くできる。
また、本実施形態では、シール部材40及び蓋部材50により、外側継手部材10の内部にグリースGを密封しつつ、蓋部材50の通気孔51を通じて外側継手部材10の内部から空気を逃がすことができる。これにより、外側継手部材10の内部の圧力上昇を抑制でき、圧力によってシール先端部42と前側軸部2との隙間からグリースGが漏れ出すのを抑制できる。
また、本実施形態の通気孔51には、ブリーザ弁52が設けられる。ブリーザ弁52によれば、通常時は、スリット52aが閉じられることで、通気孔51からグリースGが漏れ出すのを確実に抑制できる。また、外側継手部材10の内部の圧力が所定値以上になったときは、スリット52aが開かれることで、空気を逃がして圧力を低下させることができる。
以上、本開示の基本実施形態を詳細に述べたが、本開示は以下のような変形例またはそれら変形例の組み合わせとすることができる。なお、下記の変形例では、上記の基本実施形態と共通する構成要素については同一の符号を用い、それらの詳細な説明は省略する。
(第1変形例)
シール部材40の形状は、任意であって良い。例えば、図9に示すように、第1変形例の中間壁部43は、シール基端部41の前端部から径方向内側に延出された円環状の平板部43bと、平板部43bの内周端とシール先端部42の後端とを接続する管状のテーパ部43cと、を有する。また、第1変形例の平板部43b及びテーパ部43cは、それぞれ断面直線状に形成される。
(第2変形例)
シール部材40の取付方法は、任意であって良い。例えば、図10に示すように、第2変形例のシール部材40は、シール基端部41の外周面から径方向外側に突出された爪部41bを有する。また、第2変形例の外側継手部材10は、後側拡径部14aの内周面に形成された溝部14dを有する。爪部41b及び溝部14dは、周方向に1周するリング状にそれぞれ形成され、互いに係合する。
第2変形例であれば、シール基端部41に補強部材を設けなくても、シール部材40が外側継手部材10から抜けないように抜け止めできる。
(第3変形例)
図11に示すように、第3変形例では、等速自在継手として、図1に示した後側自在継手300が用いられる。なお、第3変形例では、第2シャフトとしての後側軸部3側が前方となり、第1シャフトとしての入力シャフト5側が後方となる。
後側自在継手300は、摺動式の等速自在継手であり、外側トラック溝14cが前後方向に直線状に延びるように形成される。また、後側自在継手300は、前側自在継手100に対して前後方向に反転して配置されており、後側自在継手300のフランジ30は、ファイナルギアの入力軸5の前端部に形成されたフランジ部5aに締結される。なお、第3変形例の入力軸5は、前端部が開口された中空状に形成されており、入力軸5の壁部には、スリット52aから入力軸5の内部に排出された空気を大気に放出するための貫通孔(不図示)が形成される。
(第4変形例)
図示しないが、シール部材の材質、厚さ及び硬度は、任意であって良い。例えば、第4変形例のシール部材は、柔軟性のあるナイロン等の樹脂材料で形成される。
(第5変形例)
シール部材は、内側継手部材が大きく傾動したときに、ブーツに接触可能な位置に配置されても良い。但し、この場合には、ブーツの保護を優先し、シール部材を薄く柔軟に形成することが好ましい。
(第6変形例)
ブーツの種類、形状、取付方法等は、任意であって良い。例えば、第6変形例のブーツ壁部は、前方から後方に折り返されておらず、蛇腹状に形成される。また、第6変形例では、ブーツ取付具が省略され、ブーツが外側継手部材の端部に直接取り付けられる。
(第7変形例)
等速自在継手の種類、位置、形状等は、任意であって良く、例えば、ダブルオフセット型、トリポード型、またはレブロ型の等速ジョイントであっても良い。
また、上述した前側自在継手、中間自在継手及び後側自在継手のうち、何れか1つまたは2つの自在継手は、ユニバーサルジョイント等であっても良い。また、等速自在継手は、車両のドライブシャフト等に用いられても良い。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 プロペラシャフト
2 前側軸部(第2シャフト)
4 変速機の出力軸(第1シャフト)
10 外側継手部材
20 内側継手部材
30 ブーツ
40 シール部材
50 蓋部材
51 通気孔
52 ブリーザ弁
60 ブーツ取付具
100 前側自在継手(等速自在継手)

Claims (4)

  1. 第1シャフトと第2シャフトとを直列に接続する等速自在継手であって、
    前記第1シャフトに結合され、内部が潤滑材で潤滑される筒状の外側継手部材と、
    前記第2シャフトに結合され、前記外側継手部材の内部に配置された内側継手部材と、
    前記外側継手部材の前記第2シャフト側の端部と前記第2シャフトとの間を塞ぐブーツと、
    前記ブーツの内側で前記外側継手部材の前記第2シャフト側の端部と前記第2シャフトとの間を塞ぐシール部材と、を備え、
    前記シール部材は、
    前記外側継手部材の前記第2シャフト側の端部の内周面に嵌合固定されるリング状の基端部と、
    前記第2シャフトの外周面に摺動自在に嵌合されるリング状の先端部と、
    前記基端部と前記先端部とを接続する中間壁部と、を備え、
    前記中間壁部は、前記外側継手部材の軸方向の前記第2シャフト側に向かうにつれ順次縮径する管状のテーパ部を有し、
    前記中間壁部は、前記基端部の前記第1シャフト側の端部に接続されている
    ことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記テーパ部は、側面視において断面円弧状または直線状に形成されている
    請求項に記載の等速自在継手。
  3. 前記外側継手部材の前記第1シャフト側の端部を塞ぐ蓋部材と、
    前記蓋部材の内側と外側とを連通する通気孔と、を更に備える
    請求項1または2に記載の等速自在継手。
  4. 車両のプロペラシャフトに用いられる
    請求項1~何れか一項に記載の等速自在継手。
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