WO2023204201A1 - 密封構造 - Google Patents

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Abstract

軸方向に相対回転する外側部材及び内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間を密封する密封装置9とを備えた密封構造であって、前記外側部材は、前記内側部材に対して外径側に設けられ、前記内側部材は、連続して拡径するフランジ部41と該フランジ部から軸方向に突出して設けられた突部42とを有し、前記密封装置は、前記内側部材に嵌合されるスリンガ部材13及び該スリンガ部材に摺接するリップ部によって前記外側部材と前記内側部材との間を密封するシール体12を備え、前記スリンガ部材は、前記内側部材の外周面に嵌合される第1円筒部130と、前記第1円筒部の軸方向外側の端部130aから外径側に延びる円板部131と、前記円板部の外径側端部131aから前記フランジ部側とは反対側に延びるとともに前記突部の内周面42aに嵌合される第2円筒部132と、を備えたことを特徴とする。

Description

密封構造
 本発明は、例えば自動車等の車両におけるベアリング装置の外側部材と内側部材との間を密封する密封装置を備えた密封構造に関する。
 従来より、スリンガ部材が内側部材の外周面に嵌合されることで自動車等の車両におけるベアリング装置の外側部材と内側部材との間を密封する密封装置が知られている。このような密封装置の多くは、スリンガ部材が内側部材の外周面に嵌合しているだけなので、スリンガ部材が軸方向に移動してベアリング装置の転動体に接触するおそれがある。
 そこで密封装置のスリンガ部材が軸方向に移動して転動体に接触することを抑制するために、下記特許文献1の発明では、内側部材に外径側に突出した突起が形成されている。スリンガ部材の軸方向内側の端部と機械装置の転動体との間に突起が配されることで、突起がスリンガ部材の軸方向の移動を抑制する。
 一方、下記特許文献2には、上述したものとは異なり、スリンガ部材の外径側に形成された第2円筒部が、内側部材のフランジ部から軸方向に突出した突部の内周面に嵌合したものが開示されている。
特開2017-129197号公報 国際公開WO2019/114853号
 しかしながら、例えば車両走行に伴い、ベアリング装置の内側部材が荷重を受けて変形することで、スリンガ部材の内側部材に対する嵌合力に偏りが生じるおそれがある。そのような場合、特許文献1では、突部の内側部材の外周面からの突出具合が小さいと、スリンガ部材が突部を乗り越えて軸方向に移動してしまうおそれがある。そして、スリンガ部材が軸方向に移動してしまうと、リップ部のスリンガ部材への摺接具合が変化することでトルクが変動するおそれがある。また、スリンガ部材が乗り越えられないほど突部の突出具合が大きいと、内側部材の変形に伴いスリンガ部材に大きな力が加わる。そのような場合では、スリンガ部材が塑性変形してしまうおそれがある。
 特許文献2の発明では、スリンガ部材は内側部材の外周面に嵌合されず、内側部材に形成された突部の内周面に嵌合しているだけなので、厳しい条件下では、スリンガ部材の軸方向の移動を抑制することが難しい場合がある。
 本発明は、このような事情を鑑みて提案されたもので、その目的は、スリンガ部材の軸方向への移動を抑制し、且つ、内側部材に対するスリンガ部材の嵌合力の向上を図った密封構造を提供することにある。
 上記目的を達成するために、本発明の密封構造は、軸方向に相対回転する外側部材及び内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間を密封する密封装置とを備えた密封構造であって、前記外側部材は、前記内側部材に対して外径側に設けられ、前記内側部材は、連続して拡径するフランジ部と該フランジ部から軸方向に突出して設けられた突部とを有し、前記密封装置は、前記内側部材に嵌合されるスリンガ部材及び該スリンガ部材に摺接するリップ部によって前記外側部材と前記内側部材との間を密封するシール体を備え、前記スリンガ部材は、前記内側部材の外周面に嵌合される第1円筒部と、前記第1円筒部の軸方向外側の端部から外径側に延びる円板部と、前記円板部の外径側端部から前記フランジ部側とは反対側に延びるとともに前記突部の内周面に嵌合される第2円筒部と、を備えたことを特徴とする。
 上記密封構造において、前記第2円筒部の軸方向長さは、前記第1円筒部の軸方向長さよりも短くてもよい。
 また、上記密封構造において、前記シール体は、前記スリンガ部材の前記円板部に摺接する第1リップ部と、前記スリンガ部材の前記第1円筒部に摺接する第2リップ部と、を備えてもよい。
 また、上記密封構造において、前記突部は、前記外側部材の外周面の少なくとも一部よりも外径側に設けられており、前記第2円筒部は、一部が前記外側部材の外周面の一部と径方向において重なるように、且つ、前記外側部材の外周面との間にラビリンスが存在するように設けられてもよい。
 また、上記密封構造において、前記突部は、前記外側部材の外周面よりも外径側に設けられており、前記シール体は、前記外側部材の外周面よりも外径側にまで延びる堰部を備えており、前記第2円筒部は、前記堰部の外周面との間にラビリンスを形成してもよい。
 そして、上記密封構造において、前記シール体は、前記外側部材の外周面よりも外径側にまで延びる堰部を備えており、前記突部の外周面と前記堰部の内周面との間にラビリンスが形成されてもよい。
 さらに、上記密封構造において、前記第2円筒部の軸方向長さは、前記突部の軸方向長さよりも短くてもよい。
 本発明の密封構造は上述した構成とされるため、スリンガ部材の軸方向への移動を抑制し、且つ、内側部材に対するスリンガ部材の嵌合力の向上を図ることができる。
本実施形態に係る密封構造が適用される軸受装置の一例を示す概略的縦断面図である。 (a)は図1のX部の拡大図であって、第1実施形態に係る密封構造を模式的に示す概略的縦断面図であり、(b)はその変形例を模式的に示す概略的縦断面図である。 (a)は第2実施形態に係る密封構造を模式的に示す概略的縦断面図であり、(b)はその変形例を模式的に示す概略的縦断面図である。 (a)は第3実施形態に係る密封構造を模式的に示す概略的縦断面図であり、(b)はその変形例を模式的に示す概略的縦断面図である。 図4(a)の実施形態のさらなる変形例を模式的に示す概略的縦断面図である。 (a)(b)は、それぞれ本実施形態と比較例との比較解析を模式的に示す概略的縦断面図である。 (a)(b)は、それぞれ本実施形態の変形例を模式的に示す概略的縦断面図である。
 以下、本実施形態について、図面に基づいて説明する。
 なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
 本実施形態における密封構造10は、軸方向に相対回転する外側部材及び内側部材と、外側部材と内側部材との間を密封する密封装置9とを備える。外側部材は、内側部材に対して外径側に設けられている。内側部材は、連続して拡径するフランジ部41とフランジ部41から軸方向に突出して設けられた突部42とを有する。密封装置9は、内側部材に嵌合されるスリンガ部材13及びスリンガ部材13に摺接するリップ部によって外側部材と内側部材との間を密封するシール体12を備える。スリンガ部材13は、内側部材の外周面4bに嵌合される第1円筒部130と、第1円筒部130の軸方向外側の端部130aから外径側に延びる円板部131とを備える。さらにスリンガ部材13は、円板部131の外径側の端部131aからフランジ部41側とは反対側に延びるとともに突部42の内周面42aに嵌合される第2円筒部132を備える。
 以下、詳述する。
<第1実施形態>
 第1実施形態について、図1、図2を参照しながら説明する。
 図1は、自動車の車輪(不図示)を軸Lの周りに回転(軸回転)可能に支持する軸受装置1を示す。
 図1に示す軸受装置1は、自動車の駆動輪を回転自在に支持するハブベアリングである。軸受装置1は、車体(不図示)に固定される上記外側部材に相当する外輪2と、上記内側部材に相当するハブ輪4を含んで構成される内輪6と、外輪2と内輪6との間に介装される2列の転動体(玉)3…とを含んで構成される。内輪6は、ハブ輪4と内輪部材5とで構成され、内輪部材5はハブ輪4の車体側に嵌合一体とされる。ハブ輪4には、等速ジョイント8を介して不図示の駆動源(駆動伝達部)に連結するドライブシャフト7が同軸的にスプライン嵌合される。ドライブシャフト7は、ナット7aによってハブ輪4と一体化され、ハブ輪4からの抜脱が防止されている。内輪6(ハブ輪4及び内輪部材5)は外輪2に対して、軸L回りに同軸回転可能とされる。外輪2と内輪6との間には、転動体3…がリテーナ3aに保持された状態で、外輪2の外輪側軌道輪2aと、ハブ輪4及び内輪部材5の内輪側軌道輪4a,5aとを転動し得るように介装されている。転動体3…の介装部分を含む外輪2と内輪6との間が環状の被密封空間としての軸受空間Sとされ、この軸受空間Sには、転動体3…の転動を円滑にするための潤滑剤(例えば、グリース)が充填される。ハブ輪4には、ドライブシャフト7がスプライン嵌合される円筒状のハブ輪本体40と、ハブ輪本体40の車輪側一端部40aから連続して拡径して形成されたフランジ部41と、フランジ部41を介して外径側に延出されたハブフランジ43を有する。ハブフランジ43にボルト44及び不図示のナットによって車輪が取付固定される。以下において、軸方向に沿って車輪に向く側(図1において右側)を上記軸方向外側に相当する車輪側、車体に向く側(図1において左側)を車体側と言う。また、図2~図5において、シール体12の二点鎖線で示している部分は、変形前の原形状を表している。
 軸受空間Sの車輪側端部及び車体側端部における外輪2と内輪6との間には密封装置9,90がそれぞれ装着される。これら密封装置9,90が、軸受空間Sを密封し、軸受空間S内への泥水等の浸入が防止され、また、軸受空間S内に充填される潤滑剤(グリース等)の外部漏出が防止される。これら密封装置9,90のうち、車輪側の密封装置9と軸受装置1の外輪2と内輪6(ハブ輪4)とによって、本実施形態に係る密封構造10が構成される。
 以下、本発明に係る密封構造10の一実施形態について、図1のX部の拡大図である図2(a)を参照しながら説明する。
 密封構造10は、外側部材である外輪2と、内側部材であるハブ輪4と、外輪2とハブ輪4との間に装着される密封装置9を備える。外輪2の外周面2dは、車輪側の一部が内径側に段落ちするようにして形成された段差部20を有している。
 ハブ輪4は、ハブ輪本体40の車輪側一端部40aから連続して拡径して形成されたフランジ部41と、フランジ部41の一部分が軸方向車体側に突出して設けられた突部42とを有している。図2(a)の密封構造10において突部42は、車体側の面42bが外輪2の車輪側の端面2cと対向するように設けられている。これにより、外輪2の車輪側の端面2cと突部42の車体側の面42bとの間には、径方向に延びるラビリンスR1が形成されている。
 密封装置9は、シール体12が固着されている芯体部材11と、シール体12のリップ部である第1リップ部121、第2リップ部122、第3リップ部123が摺接されるスリンガ部材13とを備えている。この密封装置9が装着されることで、外輪2とハブ輪4との間の空間が密封される。
 次に密封装置9を構成する各部材について、説明する。
 芯体部材11は、SPCC又はSUS等の鋼板をプレス加工して形成されている。芯体部材11は、外輪2の内周面2bに嵌合(内嵌)される円筒部110と、円筒部110の車輪側の端部110aから内径側に延出した円板部111とを備える。
 シール体12は、ゴム材等の弾性材料からなり、加硫成型により、シールリップ基部120を介して芯体部材11に固着一体とされる。シールリップ基部120は、芯体部材11の円板部111の車体側の面111cの内径側の一部から円板部111の内径側の端部111bを回り込み、円板部111の車輪側の面111aの全面を覆い、芯体部材11に固着一体とされている。
 シールリップ基部120からは、第1リップ部121、第2リップ部122、第3リップ部123が延出して形成されている。第1リップ部121は、最も外径側に設けられて外方空間に近い位置に配されている。第2リップ部122は、最も内径側に設けられて軸受空間Sに近い位置に配されている。第3リップ部123は、第1リップ部121と第2リップ部122との間に配されている。これらのうち、第1リップ部121、第3リップ部123は、軸方向の外側に向けて次第に拡径し延出して形成され、スリンガ部材13の円板部131の車体側の面131bに摺接するアキシャルリップ(サイドリップ)である。第2リップ部122は、内径側に向けて延出して形成され、スリンガ部材13の第1円筒部130の外周面130bに摺接するラジアルリップである。
 スリンガ部材13は、SPCC又はSUS等の鋼板をプレス加工して形成されている。スリンガ部材13は、ハブ輪4の外周面4bに嵌合(外嵌)される第1円筒部130と、第1円筒部130の車輪側の端部130aからハブ輪4のフランジ部41に沿って外径側に向けて延出する円板部131とを備えている。さらにスリンガ部材13は、円板部131の外径側の端部131aから車体側(フランジ部41とは反対側)に延びる第2円筒部132を備えている。第2円筒部132は、突部42の内周面42aに嵌合される。本実施形態において、第2円筒部132の軸方向長さは、第1円筒部130の軸方向長さよりも短くなるように設けられている。第2円筒部132が第1円筒部130よりも軸方向の長さが短いので、シール体12や外輪2に干渉することが抑制される。また、本実施形態においては、芯体部材11の円筒部110と、スリンガ部材13の第2円筒部132とは、径方向において略同位置に設けられている。さらに、第2円筒部132の車体側の端部132aは、突部42の車体側の面42bよりもわずかに軸方向車体側に突出するように形成されている。
 以上の芯体部材11、シール体12、スリンガ部材13を備えた密封装置9は、外輪2とハブ輪4との間を密封するように装着される。芯体部材11の円筒部110が外輪2の内周面2bに嵌合される。スリンガ部材13の第1円筒部130がハブ輪4の外周面4bに嵌合され、第2円筒部132がフランジ部41の突部42の内周面42aに嵌合される。スリンガ部材13の第1円筒部130及び第2円筒部132の2か所がハブ輪4に嵌合されるので、スリンガ部材13の軸方向の移動を抑制させることができる。また、スリンガ部材13の軸方向の移動が抑制されるのでリップ部、特にアキシャルリップである第1リップ部121、第3リップ部123のスリンガ部材13への当たり具合を設計通りにすることができる。
 また、シール体12のシールリップ基部120の第1リップ部121よりも外径側に位置する車輪側の面120aが、外輪2の車輪側の端面2cよりも軸方向車輪側に突出するように設けられている。これにより、シールリップ基部120の車輪側の面120aとスリンガ部材13の第2円筒部132の車体側の端部132aとの間の隙間がより小さくなり、泥水等の侵入が抑制される。また、スリンガ部材13の円板部131に摺接する第1リップ部121及び第3リップ部123と、第1円筒部130に摺接する第2リップ部122により、泥水等が軸受空間S内に侵入することが抑制される。
 そして、外輪2の外周面2dに段落ちして段差部20が形成されているので、車輪側の外部から侵入した泥水等は段差部20内に留まりやすくなり、外輪2の外周面2dを伝って車体側の密封装置90に到達するのが抑制される。
<第1実施形態の変形例>
 次に、第1実施形態の変形例である密封構造10’について、図2(b)を参照しながら説明する。なお、図2(a)と共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。
 図2(b)の芯体部材11、シール体12、外輪2は、図2(a)のものと略同様であり、スリンガ部材13と突部42が図2(a)のものと構成が異なる。
 突部42は、外輪2の外周面2dの一部である段差部20の外周面20aよりも、外径側に設けられている。また、突部42は、車体側の一部が外輪2の外周面2dの一部である段差部20の外周面20aと径方向において重なるように設けられている。
 スリンガ部材13は、第2円筒部132が上記突部42の内周面42aに嵌合(内嵌)される。そのため、スリンガ部材13は円板部131の外径側の端部131aが段差部20の外周面20aよりも外径側に延出して形成されている。そして、円板部131の外径側の端部131aから軸方向車体側に延出して第2円筒部132が形成されている。第2円筒部132の車体側の端部132aは、突部42の車体側の面42bよりも車体側にわずかに突出するように形成されている。そして、第2円筒部132の車体側の一部と、外輪2の車輪側の一部(段差部20)とが径方向において重なるように構成されている。これにより、第2円筒部132は、外輪2の外周面2dの一部である段差部20の外周面20aとの間に軸方向に延びるラビリンスR2が設けられる。
 密封構造10’は、スリンガ部材13の円板部131の車体側の面131bと外輪2の車輪側の端面2cとの間の隙間s1を突部42が覆うような構成となっているので、外部からの泥水等が隙間s1に直接侵入することが抑制される。また、第2円筒部132と外輪2との間に形成されたラビリンスR2により、泥水等が第1リップ部121まで到達することが抑制される。
<第2実施形態>
 次に、第2実施形態に係る密封構造10Aについて、図3(a)を参照しながら説明する。
 図3(a)の外輪2は、図2(a)(b)の外輪2と異なり、外周面2dに段差部20が設けられていない。図3(a)の突部42は、車体側の面42bが外輪2の車輪側の端面2cに対向するように設けられている。さらに、この突部42は、後述するシール体12のシールリップ基部120の外周面120bよりも外径側に延びて形成されている。
 次に密封装置9について説明する。
 図3(a)の芯体部材11は、図2(a)(b)の芯体部材11とは異なり、円筒部110が外輪2の外周面2dに嵌合(外嵌)される。この円筒部110の車輪側の端部110aから内径側に延出して円板部111が形成されている。この円板部111の外径側の一部は、外輪2の車輪側の端面2cに当接する。
 シール体12のシールリップ基部120は、芯体部材11の円板部111の車体側の面111cの内径側の一部から内径側の端部111bを回り込んで車輪側の面111a及び円筒部110の外径側の面110bの全面を覆う。そして、シールリップ基部120は、円筒部110の車体側の端部110cに回り込む。これにより、シール体12は芯体部材11に固着一体とされている。このシール体12には、2つのリップ部が形成されており、具体的には、シールリップ基部120から軸方向車輪側に延びてスリンガ部材13の円板部131に摺接する第1リップ部121と、内径側に延びてスリンガ部材13の第1円筒部130に摺接する第2リップ部122とが形成されている。本実施形態のシール体12は、図2(a)(b)のシール体12とは形成されているリップ部の数が異なる。
 スリンガ部材13は、ハブ輪4の外周面4bに嵌合するように軸方向車輪側に延出する第1円筒部130を備える。さらにスリンガ部材13は、第1円筒部130の車輪側の端部130aからフランジ部41に沿って外径側に延出した円板部131と、円板部131の外径側の端部131aから軸方向車体側に延出した第2円筒部132と、を備える。第2円筒部132の軸方向の長さ寸法は、車体側の端部132aが突部42の車体側の面42bよりも車輪側に位置するように、突部42の軸方向の長さ寸法よりも短く形成されている。突部42の軸方向の長さが第2円筒部132よりも長いので、第2円筒部132が安定した状態で突部42の内周面42aに嵌合される。
 ハブ輪4のフランジ部41には、軸方向の車体側に突出した突部42が形成されている。突部42は、内周面42aが外輪2の内周面2bよりも内径側に位置する。そして、突部42の車体側の面42bが、シールリップ基部120の外周面120bよりも外径側に延びて形成されている。この突部42の車体側の面42bと、この面42bと対向するシールリップ基部120との間に径方向に延びるラビリンスR3が形成される。
 シールリップ基部120において、芯体部材11の円筒部110の車体側の端部110cに至った部分により、車体側からの泥水等の侵入が抑制される。また、突部42とシールリップ基部120との間にラビリンスR3が形成されるのでさらに泥水等の侵入が抑制される。
<第2実施形態の変形例>
 次に密封構造10Aの変形例である密封構造10A’について、図3(b)を参照しながら説明する。なお、図3(a)と共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。密封構造10A’は、密封構造10Aと比べて突部42とシール体12とスリンガ部材13の構成が異なる。
 突部42は、シールリップ基部120の外周面120bよりも外径側に位置している。スリンガ部材13の円板部131は、この突部42に合わせてシールリップ基部120の外周面120bよりも外径側に延出して形成されている。第2円筒部132は、円板部131の外径側の端部131aから軸方向車体側に延出して形成されている。第2円筒部132の車体側の端部132aは、突部42の車体側の面42bよりも車輪側に位置する。
 図3(b)のシール体12は、3つのリップ部が形成されており、具体的には、図3(a)のものと異なりシールリップ基部120から、第1リップ部121、第2リップ部122、第3リップ部123が延出して形成されている。第1リップ部121及び第3リップ部123は、スリンガ部材13の円板部131に摺接している。第2リップ部122はスリンガ部材13の第1円筒部130に摺接している。
 図3(b)の密封構造10A’は、スリンガ部材13の円板部131の車体側の面131bとシールリップ基部120の車輪側の面120aとの間の隙間s2を突部42が覆う構成となっているので、外部からの泥水等が隙間s2に直接侵入することが抑制される。また、シールリップ基部120の円筒部110の車体側の端部110cに至った部分により、泥水等が密封装置9内へ侵入して第1リップ部121に到達することが抑制される。
<第3実施形態>
 次に、第3実施形態に係る密封構造10Bについて、図4(a)を参照しながら説明する。
 突部42は、フランジ部41から軸方向車体側に突出して形成されている。突部42は、内周面42aが外輪2の内周面2bよりも外径側に位置し、且つ、外周面42cが外輪2の外周面2dよりも内径側に位置するように形成されている。突部42の車体側の面42bと、この面42bと対向するシールリップ基部120との間には、径方向に延びるラビリンスR3が形成されている。
 芯体部材11は、外輪2の内周面2bに嵌合される円筒部110を備える。円筒部110の車輪側の端部110aから外径側に延出して、外輪2の車輪側の端面2cに当接する堰部支持部112が形成されている。そして、円筒部110の車体側の端部110cからから内径側に折り返して折曲部113が形成されている。そして、折曲部113の内径側の端部113aから内径側に延出して円板部111が形成されている。
 シール体12のシールリップ基部120は、円板部111の車体側の面111cの内径側の一部を覆い、円板部111の内径側の端部111bを回り込む。そしてシールリップ基部120は、円板部111の車輪側の面111a、折曲部113の車輪側の面113b、円筒部110の内径側の面110d及び堰部支持部112の車輪側の面112aの全面を覆い、堰部支持部112の外径側の端部112bに至る。これにより、シール体12は芯体部材11に固着一体とされている。このシール体12は、シールリップ基部120から軸方向車輪側に延びて、スリンガ部材13の円板部131に摺接する第1リップ部121を備えている。さらにシール体12は、シールリップ基部120から内径側に延びてスリンガ部材13の第1円筒部130に摺接する第2リップ部122と、第1リップ部121と第2リップ部122との間に位置する第3リップ部123とを備えている。
 さらにシール体12は、外輪2の外周面2dよりも外径側にまで延びる堰部124を備えている。堰部124は、車輪側の一部が突部42の車体側の一部と径方向においてわずかに重なって、堰部124よりも内径側に設けられているラビリンスR3を覆うように形成される。つまり、堰部124は、外径側部分が軸方向に延びる円筒状となるように形成されている。
 スリンガ部材13は、ハブ輪4の外周面4bに嵌合されるとともに軸方向に延びる第1円筒部130を備えている。さらに、スリンガ部材13は、第1円筒部130の車輪側の端部130aからフランジ部41に沿って外径側に延出する円板部131と、円板部131の外径側の端部131aから軸方向車体側に延びる第2円筒部132とを備えている。第2円筒部132の車体側の端部132aは、突部42の車体側の面42bよりも車体側に突出している。
 図4(a)の密封構造10Bは、外輪2の外周面2dよりも外径側に突出している堰部124により、車体側からの泥水等の侵入が抑制される。また、堰部124は、ラビリンスR3を覆うように構成されている。この堰部124により、泥水等が第1リップ部121に到達することが抑制される。また、スリンガ部材13は、第1円筒部130及び第2円筒部132がハブ輪4に嵌合されるので、上述した他の実施形態のスリンガ部材13と同様に軸方向の移動が抑制されるのは言うまでもない。
<第3実施形態の変形例>
 次に、第3実施形態の変形例に係る密封構造10B’について、図4(b)を参照しながら説明する。なお、図4(a)の密封構造10Bと共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。
 図4(b)の密封構造10B’は、図4(a)の密封構造10Bとは突部42とスリンガ部材13の構成が異なっている。
 突部42は、外輪2よりも外径側に位置し、車体側の面42bは堰部124よりも軸方向車体側に位置している。
 スリンガ部材13は、円板部131の外径側の端部131aから軸方向車体側に延出して第2円筒部132が形成されている。第2円筒部132の軸方向の長さは、突部42軸方向の長さよりも短く形成されている。また、第2円筒部132は、車体側の端部132aが堰部124よりも車体側に延出している。第2円筒部132の内周面132bと堰部124の外周面124aとの間には、軸方向に延びるラビリンスR4が形成されている。さらにスリンガ部材13の円板部131の車体側の面131bと堰部124の車輪側の面124bとの間には、ラビリンスR4に連通した径方向に延びるラビリンスR5が形成されている。このラビリンスR4,R5により、泥水等の侵入が抑制される。
 図4(b)では、突部42が堰部124を覆うように構成されている。そのため、車輪側からきた泥水等が、直接密封装置9内に侵入することが抑制される。また、堰部124が存在するので、図4(a)のものと同様に、泥水等が第1リップ部に到達することが抑制される。
<第3実施形態のさらなる変形例>
 次に、第3実施形態の密封構造10Bのさらなる変形例である密封構造10B’ ’について、図5を参照しながら説明する。なお、図4(a)の密封構造10Bと共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。
 図5の密封構造10B’ ’は、図4(a)の密封構造10Bと堰部124の構造が異なっており、その他の芯体部材11、スリンガ部材13、突部42の構成は略同様である。
 シール体12は、外輪2の外周面2dよりも外径側にまで延びる堰部124を備えている構成は、図4(a)の密封構造10Bと同様であるが、堰部124が突部42と径方向において重なるように軸方向の車輪側に延出して形成されている点で異なる。堰部124は、車輪側の面124bがフランジ部41の車体側の面41aと近接している。これにより、車輪側の面124bとフランジ部41の車体側の面41aとの間に径方向に延びるラビリンスR6が形成されている。そして、突部42は、外周面42cと堰部124の内周面124cとの間に軸方向に延びるラビリンスR7と、車体側の面42bとシールリップ基部120の車輪側の面120aとの間に軸方向に延びるラビリンスR3とが形成されている。このラビリンスR3は、堰部124に覆われているので、外部からの泥水等が直接密封装置9内に侵入することが抑制される。密封構造10B’’では、ラビリンスR6,R7,R3が連通して縦断面視において蛇行した形状となっているので、より泥水等が侵入しにくくなっている。
<比較解析>
 次に、本発明の密封構造10と比較例である従来の密封構造100との比較解析について、図6(a)(b)を参照して説明する。
 この比較解析では、本発明の密封構造10において、ハブ輪4に嵌合されたスリンガ部材13を引き抜くのに必要な力について試験する。そのため、密封構造10の他の構成要素である外輪2及び芯体部材11とシール体12を備えないモデルで解析する。
 図6(a)に示すものが、本発明の密封構造10であり、図6(b)に示すものが比較例の密封構造100である。比較例の密封構造100は、本発明の密封構造10の突部42を備えない構成となっており、その他の構成は本発明のものと同様である。
 図6(a)に示す本発明の密封構造10において、スリンガ部材13は図6(a)に示す矢印Aの方向に圧入治具Cを用いて圧入される。これにより、第1円筒部130がハブ輪4の外周面4bに嵌合(外嵌)され、第2円筒部132が突部42の内周面42aに嵌合(内嵌)されてハブ輪4にスリンガ部材13が装着される。
 一方、図6(b)に示す従来の密封構造100において、スリンガ部材13は図6(b)に示す矢印Aの方向に圧入治具Cを用いて圧入されることで、第1円筒部130がハブ輪4の外周面4bに嵌合(外嵌)されてハブ輪4に装着される。
 スリンガ部材13の第1円筒部130が嵌合されるハブ輪4の外周面4bの径が72.3mm、ハブ輪4の外周面4bとの嵌合締め代(図6(a)(b)のD部)が0.045mm、突部42との嵌合締め代(図6(a)のE部)が0mmの状態で比較解析を行う。なお、図6(b)に示すスリンガ部材13は、突部42に嵌合されないことは言うまでもない。ハブ輪4に嵌合された状態のスリンガ部材13を図6(a)(b)に示す矢印Bの方向に引き抜いてハブ輪4との嵌合を解除させるには、密封構造10では密封構造100と比べて約1.4倍の力が必要であることがわかった。このように、突部42との嵌合締め代が0mmであっても、本発明の密封構造10では、スリンガ部材13を引き抜く際に、密封構造100よりも大きな力が必要となる。
 次に、ハブ輪4との嵌合締め代を0.135mm、突部42との嵌合締め代を0.09mmに変更して、上述したものと同様に比較解析を行う。その結果、ハブ輪4からスリンガ部材13を引き抜いてハブ輪4との嵌合を解除させるには、密封構造10は、密封構造100と比べて約2.7倍の引き抜く力が必要となることがわかった。
 しかしながら、本発明の密封構造10では、スリンガ部材13の第1円筒部130と第2円筒部132とがハブ輪4に嵌合されている。そのため、ハブ輪4からスリンガ部材13を引き抜く際には、スリンガ部材13の第1円筒部130のみが嵌合される密封構造100よりも大きな力が必要となることがわかった。つまり、本発明の密封構造10では、ハブ輪4が荷重を受けて変形することでスリンガ部材13のハブ輪4に対する嵌合力に偏りが生じてしまっても、装着されたスリンガ部材13が、軸方向に移動してしまうことが従来の密封構造100よりも抑制される。そのため、密封構造10に装着されたスリンガ部材13は、軸方向にずれにくくなっている。
 なお、上述した各実施形態の密封構造10~10B’’は、図面の形状・構成に限定されるものではない。例えば、芯体部材11、スリンガ部材13は、SPCC又はSUS等の鋼板ではなく、樹脂材料等で形成されてもよい。また、第1実施形態では、外輪2の外周面2dに段差部20が設けられているが、設けられてなくてもよい。また、第2実施形態では、突部42がシールリップ基部120の外周面120bよりも外径側に延びて形成されているがこれに限定されることはない。また、第2実施形態の変形例では、突部42及び/もしくは第2円筒部132が車体側に延びて、シールリップ基部120の外周面120bとの間にラビリンスが形成されるように径方向において重なって形成されてもよい。また、第3実施形態では、堰部124の形状は図示したものに限定されることはなく、種々の形状が採用されてよい。
 また、図7(a)に示すように、ハブ輪4に突部42の車体側の面42bから突部42の内周面42a、フランジ部41の車体側の面41aの一部にかけて連通する溝状の凹部であるスリット4dが設けられてもよい。スリット4dは、フランジ部41と突部42とにおいて、スリンガ部材13と当接する部位の一部に設けられている。スリット4dは、スリンガ部材13の円板部131の外径側の一部と、円板部131の外径側の端部131aと、第2円筒部132の内周面132bとに接触する部分に設けられている。これにより、図6(a)に示す方法と同様な方法でスリンガ部材13をハブ輪4に嵌合させる際に、フランジ部41の車体側の面41aとスリンガ部材13の円板部131の車輪側の面131cとの間に存在する空気が、スリット4dを通って外部に排出されやすくなる。スリット4dが空気の抜け道となるので、スリンガ部材13をハブ輪4に嵌合させる際に抵抗が小さくなって、よりスムーズにハブ輪4をスリンガ部材13に嵌合させることができる。このようなスリット4dは上述した各実施形態の密封構造10~10B’’に設けられてもよい。また、スリット4dは、密封構造10にハブ輪4に周方向に間隔をあけて複数設けられてもよい。
 また、図7(b)に示すように、スリンガ部材13の円板部131において、シール体12の各リップ部と接触しない部位に、軸方向に延びる貫通孔131dが設けられてもよい。これにより、図6(a)に示す方法と同様の方法でスリンガ部材13をハブ輪4に嵌合させる際に、フランジ部41の車体側の面41aとスリンガ部材13の円板部131の車輪側の面131cとの間に存在する空気が、スリンガ部材13の円板部131の貫通孔131dを通って外部に排出されやすくなる。この貫通孔131dが空気の抜け道となるので、スリンガ部材13をハブ輪4に嵌合させる際に抵抗が小さくなって、よりスムーズにハブ輪4をスリンガ部材13に嵌合させることができる。このような貫通孔131dは上述した各実施形態の密封構造10~10B’’に設けられてもよい。また、貫通孔131dは、スリンガ部材13の円板部131に周方向に間隔をあけて複数設けられてもよい。この貫通孔131dは、シール体12のリップ部が摺接する箇所を避けて設けられるのが望ましい。
 1                     軸受装置
 2                     外輪(外側部材)
 4                     ハブ輪(内側部材)
 40                    ハブ輪本体
 41                    フランジ部
 42                    突部
 5                     内輪部材
 6                     内輪
 9,90                  密封装置
 10                    密封構造
 11                    芯体部材
 12                    シール体
 120                   シールリップ基部
 121                   (第1)リップ部
 122                   (第2)リップ部
 123                   (第3)リップ部
 13                    スリンガ部材
 130                   第1円筒部
 130a                  端部
 131                   円板部
 131a                  端部
 132                   第2円筒部
 R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7  ラビリンス

 

Claims (7)

  1.  軸方向に相対回転する外側部材及び内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間を密封する密封装置とを備えた密封構造であって、
     前記外側部材は、前記内側部材に対して外径側に設けられ、
     前記内側部材は、連続して拡径するフランジ部と、該フランジ部から軸方向に突出して設けられた突部とを有し、
     前記密封装置は、前記内側部材に嵌合されるスリンガ部材及び該スリンガ部材に摺接するリップ部によって前記外側部材と前記内側部材との間を密封するシール体を備え、
     前記スリンガ部材は、前記内側部材の外周面に嵌合される第1円筒部と、前記第1円筒部の軸方向外側の端部から外径側に延びる円板部と、前記円板部の外径側端部から前記フランジ部側とは反対側に延びるとともに前記突部の内周面に嵌合される第2円筒部と、を備えたことを特徴とする密封構造。
  2.  請求項1に記載の密封構造において、
     前記第2円筒部の軸方向長さは、前記第1円筒部の軸方向長さよりも短いことを特徴とする密封構造。
  3.  請求項1又は請求項2に記載の密封構造において、
     前記シール体は、前記スリンガ部材の前記円板部に摺接する第1リップ部と、前記スリンガ部材の前記第1円筒部に摺接する第2リップ部と、を備えたことを特徴とする密封構造。
  4.  請求項1又は請求項2に記載の密封構造において、
     前記突部は、前記外側部材の外周面の少なくとも一部よりも外径側に設けられており、
     前記第2円筒部は、一部が前記外側部材の外周面の一部と径方向において重なるように、且つ、前記外側部材の外周面との間にラビリンスが存在するように設けられていることを特徴とする密封構造。
  5.  請求項1又は請求項2に記載の密封構造において、
     前記突部は、前記外側部材の外周面よりも外径側に設けられており、
     前記シール体は、前記外側部材の外周面よりも外径側にまで延びる堰部を備えており、
     前記第2円筒部は、前記堰部の外周面との間にラビリンスを形成していることを特徴とする密封構造。
  6.  請求項1又は請求項2に記載の密封構造において、
     前記シール体は、前記外側部材の外周面よりも外径側にまで延びる堰部を備えており、
     前記突部の外周面と前記堰部の内周面との間にラビリンスが形成されていることを特徴とする密封構造。
  7.  請求項1又は請求項2に記載の密封構造において、
     前記第2円筒部の軸方向長さは、前記突部の軸方向長さよりも短いことを特徴とする密封構造。

     
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