JP2011116171A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】密封性能の向上と強度・剛性を高めると共に、低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】シール8が、外方部材5の端部外周に圧入される円筒部12aと、径方向内方に延び、外方部材5の端面5cに密着する鍔部12bと、これから径方向内方に屈曲して延びる内径部12c、および円筒部12aから径方向外方に突出する円板状の堰部14が一体に形成された芯金12と、この芯金12に一体に加硫接着されたシール部材13とからなる一体型のシールで構成され、シール部材13が、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ13aとダストリップ13bと軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップ13cを一体に有し、サイドリップ13aとダストリップ13bが車輪取付フランジ6の基部6bに軸方向シメシロを介して摺接されると共に、グリースリップ13cが径方向シメシロを介して摺接されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、密封性能の向上と強度・剛性を高めると共に、低コスト化を図った車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの車輪用軸受装置は泥水等がかかり易い部位に配置されるため、密封装置が装着されて外方部材と内方部材との間を密封するように構成されている。ここで、市場回収品の軸受損傷状況を検証すると、剥離等から来る本来の軸受寿命よりも、密封装置の不具合による損傷が多くを占めている。したがって、密封装置の密封性と耐久性を高めることにより、軸受寿命の向上を確実に図ることができる。一般的に、密封装置は、シールリップを備えたシール部材が固定側部材となる外方部材に装着され、シールリップが内方部材の外周面に摺接されている。
従来から、密封性を高めたシール構造に関しては種々提案されているが、こうしたシール構造を備えた車輪用軸受装置の代表的な一例を図11に示す。この車輪用軸受装置は、車体側にナックルを介して非回転に取り付けられ、内周に複列の外側転走面50a、50aが形成された外方部材50を有し、この外方部材50に保持器51に円周等配位置に保持された複列のボール52、52を介してハブ輪53およびこのハブ輪53に一体的に取り付けられる図示しない等速自在継手の外側継手部材とが軸心回りに回転自在に支持されている。
ハブ輪53の外周には外方部材50の複列の外側転走面50a、50aに対向する内側転走面53aが形成され、一端部に図示しないブレーキディスクと車輪を取り付けるための車輪取付フランジ54が径方向外方に突設されている。
シール構造55は、車輪取付フランジ54の外方部材50側の側面54aと、外方部材50の内周面に嵌着された芯金56と、この芯金56に固定された弾性シール体57とから構成されている。この弾性シール体57は、車輪取付フランジ54の側面54aに軸方向で接触する二個のアキシアルリップ部58と、ハブ輪53の外周面に径方向で接触するラジアルリップ部59とを有している。
また、芯金56には、車輪取付フランジ54の側面54aに沿って一部が外方部材50の外周面50bから上方に径方向外向きに突出するよう延長された円弧状(三日月状)の堰部材56aが形成され、この堰部材56aは外方部材50の側面54a側の端面に密着している。さらに、この堰部材56aは、軸心より上方のみ形成されている。
このようなシール構造55は、例えば、車両の走行中に外方部材50に泥水がかかった場合、芯金56の一部には、外方部材50の外周面50bから上方の径方向外向きに突出するよう延長された堰部材56aが形成されているので、泥水はこの堰部材56aによって外方部材50と車輪取付フランジ54の側面54aへ流れるのが防止される。したがって、アキシアルリップ部58に外方部材50の泥水が流れて溜まることがなく、密封性を維持することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−49852号公報
然しながら、こうした従来のシール構造55では、アキシアルリップ部58の所望の接触面圧を保持するため、芯金56と車輪取付フランジ54の側面54aとの間隙を狭くする必要や芯金56と外方部材50との嵌め合い力を確保するために嵌め合い長さを確保する必要があり、シール構造55とボール52の干渉を回避するためにボール位置を変更しなければならないという設計上の制約があった。また、芯金56の一部に径方向外向きに突出するよう延長された堰部材56aが形成されているため、組立時に位相を合せた状態で芯金56を外方部材50に嵌着しなければならず、組立工数が嵩んで低コスト化が阻害されていた。さらに、この堰部材56aが走行中に飛石等が衝突して塑性変形する恐れがあった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、密封性能の向上と強度・剛性を高めると共に、低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合され、前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両端開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部外周に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部、およびこの鍔部から径方向内方に屈曲して延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金の内径部に一体に加硫接着されたシール部材からなる一体型のシールで構成され、前記シール部材が径方向外方に傾斜して延び、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に軸方向シメシロを介して摺接されるサイドリップを一体に有すると共に、前記芯金の円筒部から径方向外方に突出する円板状の堰部が形成されている。
このように、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両端開口部に装着されたシールを備えた車輪用軸受装置において、シールのうちアウター側のシールが、外方部材の端部外周に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向内方に延び、外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部、およびこの鍔部から径方向内方に屈曲して延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金の内径部に一体に加硫接着されたシール部材からなる一体型のシールで構成され、シール部材が径方向外方に傾斜して延び、車輪取付フランジのインナー側の基部に軸方向シメシロを介して摺接されるサイドリップを一体に有すると共に、芯金の円筒部から径方向外方に突出する円板状の堰部が形成されているので、組立時に位相合わせを行う必要がなく、ボール位置との設計的な制約がなくシールと外方部材との嵌め合い力を確保できる。また、シール単体の輸送時に円筒部同士が干渉するため、シールリップに塗布されたグリースを保護することができると共に、この堰部により、車両の走行中に外方部材に泥水がかかっても外方部材の外周面を伝って車輪取付フランジの側面との間に流動するのを防止することができ、長期間に亘ってシールの耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記堰部が前記芯金に一体に形成されていれば、芯金の強度・剛性が高くなり、走行中に飛石等が衝突しても塑性変形し、他の部品と干渉するのを確実に防止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記堰部がインナー側に傾斜して形成されていれば、車両の走行中に外方部材に泥水がかかって外周面を伝ってきても車輪取付フランジの側面との間に流動するのを一層防止することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記芯金が、前記堰部から軸方向アウター側に延びる円筒状の張出部と、この張出部から径方向外方に延びる折曲部を一体に有し、この折曲部が前記車輪取付フランジのインナー側の側面または前記ハブボルトの頭部に僅かな軸方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールが構成されていれば、芯金の強度・剛性が一層高くなり、走行中に飛石等が衝突しても塑性変形し、他の部品と干渉するのを防止できると共に、シールに泥水が直接かかるのを確実に防止でき、長期間に亘ってシールの耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記シール部材が前記芯金の露出した表面を覆う被覆部を有していれば、芯金の発錆を抑え、芯金に高価なステンレス鋼鈑を使用しなくても、例えば、廉価で加工性の良い冷間圧延鋼鈑を使用することができ、低コスト化を図ることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記シール部材が、前記芯金の内径部から鍔部の内表面に亙って接合された被覆部を有していれば、芯金の鍔部と外方部材の端面との接触部から泥水等が浸入するのを防止して気密性が高くなると共に、軸受内部に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記シール部材が、前記芯金の円筒部の端縁に接合された被覆部を有していれば、芯金の円筒部と外方部材の嵌合部から泥水等が浸入するのを防止して気密性が高くなる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記シール部材が、前記サイドリップの根元部から前記芯金の鍔部の外表面を覆い、前記芯金の円筒部から径方向外方に突出する堰部を一体に有していれば、走行中に飛石等が衝突しても塑性変形し、他の部品と干渉するのを防止できると共に、この堰部により、車両の走行中に外方部材に泥水がかかっても外方部材の外周面を伝って車輪取付フランジの側面との間に流動するのを防止することができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記シールとは別に外部シールが配設され、この外部シールが、前記芯金の堰部の側面に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを有していれば、車両の走行中に外方部材に泥水がかかって外方部材の外周面を伝ってきても堰部によって車輪取付フランジの側面との間に流動するのを防止することができると共に、シールに泥水が直接かかるのを確実に防止することができ、長期間に亘ってシールの耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記外部シールが、前記車輪取付フランジの外径に嵌合される円筒部と、この円筒部から径方向内方に延び、前記車輪取付フランジのインナー側の側面に密着した状態で接合される円板部、およびこの円板部から軸方向インナー側に折曲された円筒状の張出部を有し、この張出部に前記サイドリップが加硫接着により一体に接合されると共に、当該外部シールが前記車輪取付フランジに植設されたハブボルトによって固定されていても良い。
また、請求項11に記載の発明のように、前記外部シールが、前記車輪取付フランジの基部に形成された段部に嵌合される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる折曲部を有し、この折曲部に前記サイドリップが加硫接着により一体に接合されていても良い。
また、請求項12に記載の発明のように、前記シール部材が、前記サイドリップの内径側に径方向外方に傾斜して延びるダストリップと軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップを一体に有すると共に、前記車輪取付フランジのインナー側の基部が断面円弧状の曲面に形成され、この基部に前記サイドリップとダストリップが所定の軸方向シメシロを介して摺接されると共に、前記グリースリップが所定の径方向シメシロを介して摺接されていれば、シールの密封性能を向上させることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合され、前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両端開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部外周に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部、およびこの鍔部から径方向内方に屈曲して延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金の内径部に一体に加硫接着されたシール部材からなる一体型のシールで構成され、前記シール部材が径方向外方に傾斜して延び、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に軸方向シメシロを介して摺接されるサイドリップを一体に有すると共に、前記芯金の円筒部から径方向外方に突出する円板状の堰部が形成されているので、組立時に位相合わせを行う必要がなく、ボール位置との設計的な制約がなくシールと外方部材との嵌め合い力を確保できる。また、シール単体の輸送時に円筒部同士が干渉するため、シールリップに塗布されたグリースを保護することができると共に、この堰部により、車両の走行中に外方部材に泥水がかかっても外方部材の外周面を伝って車輪取付フランジの側面との間に流動するのを防止することができ、長期間に亘ってシールの耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1のシール部を示す要部拡大図である。 図2の変形例を示す要部拡大図である。 図2の他の変形例を示す要部拡大図である。 図2の他の変形例を示す要部拡大図である。 図5の変形例を示す要部拡大図である。 図5の他の変形例を示す要部拡大図である。 (a)は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。 図8(a)の他の変形例を示す要部拡大図である。 (a)、(b)は、図9の変形例を示す要部拡大図である。 従来のシール構造を示す要部拡大図である。
外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両端開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部外周に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部と、この鍔部から径方向内方に屈曲して延びる内径部、および前記円筒部から径方向外方に突出する円板状の堰部が一体に形成された芯金と、この芯金の内径部に一体に加硫接着されたシール部材とからなる一体型のシールで構成され、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップと、このサイドリップの内径側に径方向外方に傾斜して延びるダストリップ、および軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップを一体に有し、前記サイドリップとダストリップが前記車輪取付フランジのインナー側の基部に所定の軸方向シメシロを介して摺接されると共に、前記グリースリップが前記基部に所定の径方向シメシロを介して摺接されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のシール部を示す要部拡大図、図3は、図2の変形例を示す要部拡大図、図4は、図2の他の変形例を示す要部拡大図、図5は、図2の他の変形例を示す要部拡大図、図6は、図5の変形例を示す要部拡大図、図7は、図5の他の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪用の第3世代と称され、ハブ輪1と、このハブ輪1に圧入された内輪2とからなる内方部材3と、この内方部材3に複列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された外方部材5とを備えている。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる小径段部1bが形成されている。また、車輪取付フランジ6の周方向等配位置にハブボルト6aが植設されている。
内輪2は、外周に他方(インナー側)の内側転走面2aが形成され、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入され、この小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部1cによって、所定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面1aをはじめ、後述するシール8のシールランド部となる車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。なお、加締部1cは鍛造加工後の表面硬さのままの未焼入れ部とされている。一方、内輪2および転動体4はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材5は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ5bを一体に有し、内周に内方部材3の内側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走面5a、5aが一体に形成されている。これら両転走面5a、1aおよび5a、2a間には保持器7を介して複列の転動体4、4が転動自在に収容されている。
外方部材5はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面5a、5aが高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。また、外方部材5と内方部材3との間に形成される環状空間の両端開口部にシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に浸入するのを防止している。
シール8、9のうちインナー側のシール9は、互いに対向配置され、固定側部材となる外方部材5のインナー側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入された環状のシール板10と、回転側部材となる内輪2の外径に所定のシメシロを介して圧入されたスリンガ11とからなる、所謂パックシールで構成されている。また、アウター側のシール8は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金12と、この芯金12に接合されたシール部材13とからなる一体型のシールで構成されている。
シール8の芯金12は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、全体として円環状に形成されている。芯金12がこの種の防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成されていれば、長期間に亘って芯金12の発錆を抑え、耐久性と密封性を向上させることができる。
一方、シール部材13はNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金12に一体に接合されている。このシール部材13は、図2に拡大して示すように、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ13aと、このサイドリップ13aの内径側に同じく径方向外方に傾斜して延びるダストリップ13b、および軸受内方側(インナー側)に傾斜して延びるグリースリップ13cを一体に有している。
車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bは断面が円弧状の曲面に形成され、この基部6bにサイドリップ13aとダストリップ13bが所定の軸方向シメシロをもって摺接されると共に、グリースリップ13cが所定の径方向シメシロを介して摺接されている。なお、シール部材13の材質としては、NBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
本実施形態では、このシール8の芯金12が外方部材5のアウター側の端部外周に所定のシメシロを介して圧入された円筒部12aと、この円筒部12aから径方向内方に延び、外方部材5のアウター側の端面5cに密着する鍔部12bと、この鍔部12bからさらに径方向径内方に屈曲して延びる内径部12cと、円筒部12aから径方向外方に延びる円板状の堰部14が一体に形成されている。このように屈曲形成された芯金12により、強度・剛性が高くなり、走行中に飛石等が衝突しても塑性変形し、芯金12の堰部14が他の部品と干渉するのを防止できると共に、この堰部14により、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかっても外方部材5の外周面を伝って車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを防止することができ、長期間に亘ってシール8の耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
図3は、図2の変形例である。なお、この実施形態は、基本的にはシールの芯金の構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図3に示すシール15は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金16と、この芯金16に接合されたシール部材13とからなる一体型のシールで構成されている。芯金16は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、外方部材5のアウター側の端部外周に所定のシメシロを介して圧入された円筒部12aと、この円筒部12aから径方向内方に延び、外方部材5のアウター側の端面に密着する鍔部12bと、この鍔部12bからさらに径方向径内方に屈曲して延びる内径部12cと、円筒部12aから径方向外方のインナー側に傾斜して延びる円板状の堰部16aが一体に形成されている。この堰部16aにより、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかっても外方部材5の外周面を伝って車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを一層防止することができる。
図4は、図2の他の変形例である。なお、この実施形態は、基本的にはシールのシール部材の構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
シール17は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金12と、この芯金12に接合されたシール部材18とからなる一体型のシールで構成されている。シール部材18はNBR等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金12に一体に接合されている。このシール部材18は、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ13aと、このサイドリップ13aの内径側に同じく径方向外方に傾斜して延びるダストリップ13bと、軸受内方側(インナー側)に傾斜して延びるグリースリップ13c、およびサイドリップ13aから芯金12の露出した表面を覆う被覆部18aを一体に有している。
本実施形態では、シール部材18が被覆部18aを有しているので、芯金12の円筒部12aと外方部材5の嵌合部から泥水等が浸入するのを防止して気密性が高くなると共に、芯金12の発錆を抑え、芯金12に高価なステンレス鋼鈑を使用しなくても、例えば、廉価で加工性の良い冷間圧延鋼鈑を使用することができ、低コスト化を図ることができる。
図5は、図2の他の変形例である。なお、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。このシール19は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金20と、この芯金20に接合されたシール部材21とからなる一体型のシールで構成されている。
芯金20は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、全体として円環状に形成されている。この芯金20は、外方部材5のアウター側の端部外周に所定のシメシロを介して圧入された円筒部12aと、この円筒部12aから径方向内方に延び、外方部材5のアウター側の端面に密着する鍔部12b、およびこの鍔部12bからさらに径方向径内方に屈曲して延びる内径部12cを一体に有している。
一方、シール部材21はNBR等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金20に一体に接合されている。このシール部材21は、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ13aと、このサイドリップ13aの内径側に同じく径方向外方に傾斜して延びるダストリップ13bと、軸受内方側(インナー側)に傾斜して延びるグリースリップ13c、およびサイドリップ13aの根元部から芯金20の鍔部12bを覆い、円筒部12aから径方向外方に突出した堰部21aを一体に有している。本実施形態では、シール部材21に堰部21aが一体に形成されているので、組立時に堰部21aが他の部品と干渉したり、走行中に飛石等が衝突しても損傷するのを防止できると共に、この堰部21aにより、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかっても外方部材5の外周面を伝って車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを防止することができる。
図6は、図5の変形例である。この実施形態は、基本的にはシールのシール部材の構成が一部異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
シール22は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金20と、この芯金20に接合されたシール部材23とからなる一体型のシールで構成されている。シール部材23はNBR等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金20に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ13aと、このサイドリップ13aの内径側に同じく径方向外方に傾斜して延びるダストリップ13bと、軸受内方側(インナー側)に傾斜して延びるグリースリップ13c、およびグリースリップ13cの根元部から芯金20の鍔部12bに亙って接合された被覆部23aを一体に有している。
本実施形態では、シール部材23が被覆部23aを有しているので、芯金20の鍔部12bと外方部材5の端面5cとの接触部から泥水等が浸入するのを防止して気密性が高くなると共に、軸受内部に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止することができる。
図7は、図5の他の変形例を示す。この実施形態は、基本的にはシールのシール部材の構成が一部異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
シール24は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金20と、この芯金20に接合されたシール部材25とからなる一体型のシールで構成されている。
シール部材25はNBR等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金20に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ13aと、このサイドリップ13aの内径側に同じく径方向外方に傾斜して延びるダストリップ13bと、軸受内方側(インナー側)に傾斜して延びるグリースリップ13c、およびサイドリップ13aの根元部から芯金20の円筒部12aに亙って接合された被覆部25aを一体に有している。そして、円筒部12aから径方向外方に突出した堰部21aがこの被覆部25aに一体に形成されている。
本実施形態では、シール部材25の被覆部25aに堰部21aが一体に形成されているので、組立時に堰部21aが他の部品と干渉したり、走行中に飛石等が衝突しても損傷するのを防止できると共に、芯金20の発錆を抑え、芯金20に高価なステンレス鋼鈑を使用しなくても、例えば、廉価で加工性の良い冷間圧延鋼鈑を使用することができ、低コスト化を図ることができる。
図8(a)は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図、図9は、図8(a)の他の変形例を示す要部拡大図、図10(a)、(b)は、図9の変形例を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は前述した第1の実施形態(図1)と基本的にはシール構造が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符合を付して詳細な説明を省略する。
アウター側のシール8は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金12と、この芯金12に接合されたシール部材13とからなる一体型のシールで構成されている。
本実施形態では、シール8とは別に外部シール26が配設されている。この外部シール26は、車輪取付フランジ6に植設されたハブボルト6aによって固定されている。外部シール26は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、車輪取付フランジ6の外径に嵌合される円筒部26aと、この円筒部26aから径方向内方に延び、車輪取付フランジ6のインナー側の側面6cに密着した状態で接合される円板部26b、およびこの円板部26bから軸方向インナー側に折曲された円筒状の張出部26cを有している。そして、この張出部26cに、NBR等の合成ゴムからなるサイドリップ27が加硫接着により一体に接合され、このサイドリップ27が芯金12の堰部14の側面に所定の軸方向シメシロを介して摺接されている。これにより、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかって外方部材5の外周面を伝ってきても堰部14によって車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを防止することができると共に、シール8に泥水が直接かかるのを確実に防止することができ、長期間に亘ってシール8の耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
(b)は、(a)の変形例で、外部シール28が車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bに嵌着されている。この外部シール28は防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて円筒状に形成され、車輪取付フランジ6の基部6bに形成された段部29に嵌合される円筒部28aと、この円筒部28aから径方向外方に延びる折曲部28bを有している。そして、この折曲部28bにNBR等の合成ゴムからなるサイドリップ27が加硫接着により一体に接合され、堰部14に所定の軸方向シメシロを介して摺接されている。これにより、シール8に泥水が直接かかるのを防止できると共に、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかって外方部材5の外周面を伝ってきても車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを防止することができる。
図9は、図8(a)の他の変形例で、シール30の芯金31が車輪取付フランジ6のインナー側の側面6cに対向配置されている。シール30は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金31と、この芯金31に接合されたシール部材13とからなる一体型のシールで構成されている。
芯金31は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、全体として円環状に形成されている。
本実施形態では、この芯金31が、外方部材5のアウター側の端部外周に所定のシメシロを介して圧入された円筒部12aと、この円筒部12aから径方向内方に延び、外方部材5のアウター側の端面5cに密着する鍔部12bと、この鍔部12bから径方向径内方に屈曲して延びる内径部12cと、円筒部12aから径方向外方に延びる堰部31aと、この堰部31aから軸方向アウター側に延びる円筒状の張出部31b、およびこの張出部31bからさらに径方向外方に延びる折曲部31cを一体に有している。このように屈曲形成された芯金31により、強度・剛性が高くなり、組立時に芯金31が他の部品と干渉したり、走行中に飛石等が衝突しても塑性変形するのを防止できると共に、この堰部31aにより、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかっても外方部材5の外周面を伝って車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを防止することができる。
さらに、ここでは、折曲部31cが車輪取付フランジ6のインナー側の側面6cに僅かな軸方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシール32が構成されているので、シール30に泥水が直接かかるのを確実に防止でき、長期間に亘ってシール30の耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
図10は、図9の他の変形例である。(a)に示すシール33は、その芯金34が車輪取付フランジ6のハブボルト6aの頭部35に対向配置されている。シール33は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金34と、この芯金34に接合されたシール部材13とからなる一体型のシールで構成されている。
芯金34は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、全体として円環状に形成されている。
本実施形態では、この芯金34が、外方部材5のアウター側の端部外周に所定のシメシロを介して圧入された円筒部12aと、この円筒部12aから径方向内方に延び、外方部材5のアウター側の端面5cに密着する鍔部12bと、この鍔部12bから径方向径内方に屈曲して延びる内径部12cと、円筒部12aから径方向外方に延びる堰部34aと、この堰部34aから軸方向アウター側に延びる円筒状の張出部34b、およびこの張出部34bからさらに径方向外方に延びる折曲部34cを一体に有している。このように屈曲形成された芯金34により、強度・剛性が高くなり、組立時に芯金34が他の部品と干渉したり、走行中に飛石等が衝突しても塑性変形するのを防止できると共に、この堰部34aにより、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかっても外方部材5の外周面を伝って車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを防止することができる。
(b)に示すシール36は、前述した実施形態と同様、その芯金37が車輪取付フランジ6のハブボルト6aの頭部35に対向配置されている。このシール36は、外方部材5のアウター側の端部外周に圧入された芯金37と、この芯金37に接合されたシール部材13とからなる一体型のシールで構成されている。
芯金37は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、全体として円環状に形成されている。
本実施形態では、この芯金37が、外方部材5のアウター側の端部外周に所定のシメシロを介して圧入された円筒部12aと、この円筒部12aから径方向内方に延び、外方部材5のアウター側の端面5cに密着する鍔部12bと、この鍔部12bから径方向径内方に屈曲して延びる内径部12cと、円筒部12aから径方向外方に傾斜して延びる堰部37aを一体に有している。この堰部37aにより、車両の走行中に外方部材5に泥水がかかっても外方部材5の外周面を伝って車輪取付フランジ6の側面6cとの間に流動するのを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、回転側部材となる内方部材と、固定側部材となる外方部材との間に形成される環状空間の両端開口部にシールが装着された第2世代乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用できる。
1 ハブ輪
1a、2a 内側転走面
1b 小径段部
1c 加締部
2 内輪
3 内方部材
4 転動体
5 外方部材
5a 外側転走面
5b 車体取付フランジ
5c アウター側の端面
6 車輪取付フランジ
6a ハブボルト
6b 車輪取付フランジのインナー側の基部
6c 車輪取付フランジのインナー側の側面
7 保持器
8、15、17、19、22、24、30、33、36 アウター側のシール
9 インナー側のシール
10 シール板
11 スリンガ
12、16、20、31、34、37 芯金
12a、26a、28a 円筒部
12b 鍔部
12c 内径部
13、18、21、23、25 シール部材
13a、27 サイドリップ
13b ダストリップ
13c グリースリップ
14、16a、31a、34a、37a 堰部
18a、23a、25a 被覆部
26、28 外部シール
26b 円板部
26c、31b、33b 張出部
28b、31c、33c 折曲部
29 段部
32 ラビリンスシール
35 ハブボルトの頭部
50 外方部材
50a 外側転走面
50b 外周面
51 保持器
52 ボール
53 ハブ輪
53a 内側転走面
54 車輪取付フランジ
54a 車輪取付フランジの側面
55 シール構造
56 芯金
56a 堰部材
57 弾性シール体
58 アキシアルリップ部
59 ラジアルリップ部

Claims (12)

  1. 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合され、前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両端開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、
    前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部外周に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部、およびこの鍔部から径方向内方に屈曲して延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金の内径部に一体に加硫接着されたシール部材からなる一体型のシールで構成され、前記シール部材が径方向外方に傾斜して延び、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に軸方向シメシロを介して摺接されるサイドリップを一体に有すると共に、前記芯金の円筒部から径方向外方に突出する円板状の堰部が形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記堰部が前記芯金に一体に形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記堰部がインナー側に傾斜して形成されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記芯金が、前記堰部から軸方向アウター側に延びる円筒状の張出部と、この張出部から径方向外方に延びる折曲部を一体に有し、この折曲部が前記車輪取付フランジのインナー側の側面または前記ハブボルトの頭部に僅かな軸方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールが構成されている請求項2に記載された車輪用軸受装置。
  5. 前記シール部材が前記芯金の露出した表面を覆う被覆部を有している請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記シール部材が、前記芯金の内径部から鍔部の内表面に亙って接合された被覆部を有している請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記シール部材が、前記芯金の円筒部の端縁に接合された被覆部を有している請求項1乃至6いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記シール部材が、前記サイドリップの根元部から前記芯金の鍔部の外表面を覆い、前記芯金の円筒部から径方向外方に突出する堰部を一体に有している請求項1および請求項5乃至7いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記シールとは別に外部シールが配設され、この外部シールが、前記芯金の堰部の側面に所定の軸方向シメシロを介して摺接するサイドリップを有している請求項2、3および請求項5乃至7いずれかに記載された車輪用軸受装置。
  10. 前記外部シールが、前記車輪取付フランジの外径に嵌合される円筒部と、この円筒部から径方向内方に延び、前記車輪取付フランジのインナー側の側面に密着した状態で接合される円板部、およびこの円板部から軸方向インナー側に折曲された円筒状の張出部を有し、この張出部に前記サイドリップが加硫接着により一体に接合されると共に、当該外部シールが前記車輪取付フランジに植設されたハブボルトによって固定されている請求項9に記載の車輪用軸受装置。
  11. 前記外部シールが、前記車輪取付フランジの基部に形成された段部に嵌合される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる折曲部を有し、この折曲部に前記サイドリップが加硫接着により一体に接合されている請求項9に記載の車輪用軸受装置。
  12. 前記シール部材が、前記サイドリップの内径側に径方向外方に傾斜して延びるダストリップと軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップを一体に有すると共に、前記車輪取付フランジのインナー側の基部が断面円弧状の曲面に形成され、この基部に前記サイドリップとダストリップが所定の軸方向シメシロを介して摺接されると共に、前記グリースリップが所定の径方向シメシロを介して摺接されている請求項1乃至11いずれかに記載された車輪用軸受装置。
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