JP2007100827A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
シールの密封性と耐久性を高めて軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】
ハブ輪1に摺接されるサイドリップを一体に有するシール8を備えた車輪用軸受装置において、シール8が、外方部材10の端部内周に装着され、ハブ輪2に摺接する一対のサイドリップ17a、17bを一体に有する第1のシール15と、外方部材10の端部外周に装着され、ハブ輪2に摺接するサイドリップ21aを一体に有する第2のシール19とからなり、この第2のシール19が、鋼板をプレス加工で形成された芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材21とを備え、芯金20が、外方部材10の外周面22に嵌合される円周部20aと、この円周部20aから径方向外方に延びる立板部20bとからなり、この立板部20bの外縁からサイドリップ21aが先端に向って傾斜して形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置に関し、詳しくは、軸受部に装着されたシールの密封性と耐久性を高めて軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの軸受部には、軸受内部に封入されたグリースの漏れを防止すると共に、外部から雨水やダスト等の侵入を防止するためにシールが装着されている。近年、自動車のメンテナンスフリー化が進み、車輪用軸受装置においてもさらなる長寿命化が要求されるようになっているが、市場回収品の軸受損傷状況を検証すると、剥離等の本来の軸受寿命よりも、シール不具合による損傷が多くを占めている。したがって、シールの密封性と耐久性を高めることにより、軸受寿命の向上を図ることができる。
従来から、密封性を高めたシールに関しては種々提案されているが、こうしたシールが装着された従来の車輪用軸受装置の一例を図4に示す。この車輪用軸受装置は、従動輪側の第3世代と称され、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51aが形成された外方部材51と、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ52を一体に有し、外周に前記複列の外側転走面51a、51aに対向する一方の内側転走面53aと、この内側転走面53aから軸方向に延びる小径段部53bが形成されたハブ輪53、およびこのハブ輪53の小径段部53bに圧入され、外周に前記複列の外側転走面51a、51aに対向する他方の内側転走面54aが形成された内輪54からなる内方部材55と、両転走面間に保持器56を介して転動自在に収容された複列のボール57、57とを備えている。
車輪取付フランジ52の周方向等配にはハブボルト52aが植設されている。ハブ輪53の小径段部53bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部58によって内輪54が軸方向に軸方向に固定されている。また、外方部材51の両端部にシール59,60が装着され、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ここで、アウター側のシール59は、図5に拡大して示すように、芯金61とこれに一体に加硫接着されたシール部材62とからなる。芯金61は、外方部材51に内嵌される円筒状の圧入部61aと、この圧入部61aの内端から径方向内方側に屈曲した内側部61bとからなり、断面が略コの字状に形成されている。
また、シール部材62は、合成ゴム等の弾性部材により形成され、芯金61の内側部61bの範囲に固着され、先端部においてはその内面に回り込んでいる。シール部材62には内外2枚のサイドリップ63、64が設けられ、各サイドリップ63、64は外向きに屈曲され、車輪取付フランジ52の基部の壁面に押圧されている。また、芯金62の内側部61bの内端にはラジアルリップ65が設けられ、車輪取付フランジ52の基部の隅アール部66に内向きに屈曲して押圧されている。
さらに、外方部材51の外周にシールド板67が装着されている。このシールド板67は、外方部材51に外嵌される円周部67aと、この円周部67aから径方向外方に延びる立板部67bとからなり、断面が略L字状に形成されている。そして、立板部67bは車輪取付フランジ52の基端部と所定のすきまを介して対向配置され、ラビリンスシール68が構成されている。
このラビリンスシール68によって外部からの雨水やダスト等の侵入が防止されるので、シール59のサイドリップ63、64のシメシロを小さくしても充分な密封機能を確保することができる。したがって、シール59による接触抵抗で生じる回転トルクが小さくなり、車両の燃費向上に貢献できる。
特開2005−147298号公報
こうした従来の車輪用軸受装置では、シール59の軸受空間の外側に形成されたラビリンスシール68によって、シール59の接触抵抗で生じる回転トルクを軽減でき、車両の燃費向上を図ることができるが、ラビリンスシール68を通過して侵入した泥水69等は、2枚のサイドリップ63、64で軸受内部への侵入が阻止されたとしても、外側のサイドリップ63の外表面に泥水が溜まり固まった場合、サイドリップ63が柔軟に変形できない。このように、サイドリップ63の柔軟な変形が抑制されると、リップ先端部で固着した塵埃によってリップ摩耗が促進され、所望の密封性が損なわれる恐れがあった。さらに、溜まった泥水によって外方部材51とハブ輪53が発錆する恐れがあり、この錆の成長によって両部材の相対回転が阻害され、異音や振動が発生するだけでなく、剥がれ落ちた錆がシール59のサイドリップ63を損傷させて密封性がさらに低下する恐れがある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、シールの密封性と耐久性を高めて軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の端部に装着され、前記ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有するシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記ハブ輪に摺接する複数のサイドリップを一体に有する第1のシールと、前記外方部材の端部外周に装着され、前記ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有する第2のシールとからなり、この第2のシールのサイドリップが基部から先端に向って傾斜して形成されている。
このように、ハブ輪に摺接されるサイドリップを一体に有するシールを備えた車輪用軸受装置において、シールが、外方部材の端部内周に装着され、ハブ輪に摺接する複数のサイドリップを一体に有する第1のシールと、外方部材の端部外周に装着され、ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有する第2のシールとからなり、この第2のシールのサイドリップが基部から先端に向って傾斜して形成されているので、第1のシールに泥水等が直接侵入するのを阻止できるため密封性が向上すると共に、外側のサイドリップの外表面に泥水が溜まって外方部材とハブ輪が発錆するのを防止することができ、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記第2のシールが、耐食性を有する鋼板からプレス加工によって形成された芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材とを備え、前記芯金が、前記外方部材の端部外周面に嵌合される円周部と、この円周部から径方向外方に延びる立板部とからなり、この立板部の外縁から前記サイドリップが外方に傾斜して形成されていれば、芯金の耐久性が向上すると共に、サイドリップに降りかかった雨水やダストは、バンク状の外表面から外方部材側に容易に流れてサイドリップの接触部に滞留することはなくシール部材の耐久性が向上する。
また、請求項3に記載の発明は、前記端部外周面が、前記外方部材の外周面よりもテーパ面を介して一段小径に形成されていれば、サイドリップに降りかかった雨水やダストは、バンク状の外表面から外方部材側に流れると共に、第2のシールと外方部材の外周面およびテーパ面とで形成される樋状の環状空間に沿って下部に流れて排出されるので、高い密封性を発揮することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記第2のシールのシール部材が、前記芯金の円周部に回り込んだ状態で固着されていれば、芯金と外方部材とが金属接触しなくなり、気密性を向上させることができると共に、芯金と外方部材の接触部の発錆を防止することができ、耐久性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記第1のシールサイドリップのうち最も内側のサイドリップの基部に径方向内方に延びるラジアルリップが形成され、このラジアルリップが前記ハブ輪または内輪と係合されていれば、軸受内部に封入されたグリースが外部に流出するのを防止することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の端部に装着され、前記ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有するシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記ハブ輪に摺接する複数のサイドリップを一体に有する第1のシールと、前記外方部材の端部外周に装着され、前記ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有する第2のシールとからなり、この第2のシールのサイドリップが基部から先端に向って傾斜して形成されているので、第1のシールに泥水等が侵入するのを阻止できるため密封性が向上すると共に、外側のサイドリップの外表面に泥水が溜まって外方部材とハブ輪が発錆するのを防止することができ、軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材の端部に装着され、前記ハブ輪に摺接されるサイドリップを一体に有するシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記ハブ輪に摺接する一対のサイドリップを一体に有する第1のシールと、前記外方部材の端部外周に装着され、前記ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有する第2のシールとからなり、この第2のシールが、耐食性を有する鋼板からプレス加工によって形成された芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材とを備え、前記芯金が、前記外方部材の端部外周面に嵌合される円周部と、この円周部から径方向外方に延びる立板部とからなり、この立板部の外縁から前記サイドリップが先端に向って傾斜して形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図2の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪用で、内方部材1と外方部材10、および両部材1、10間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)7、7とを備え、第3世代と称される構成をなしている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に所定のシメシロを介して圧入された内輪3とからなる。
ハブ輪2は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる小径段部2bが形成されている。また、車輪取付フランジ4の周方向等配位置にハブボルト4aが植設されている。内輪3は、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成され、ハブ輪2の小径段部2bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部5によって予圧が付与された状態で、ハブ輪2に対して軸方向に固定されている。
ハブ輪2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、後述する第1のシール15のシールランド部となる車輪取付フランジ4の基部18から小径段部2bに亙って高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。なお、加締部5は鍛造後の生のままとされている。一方、内輪3は、SUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材10は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが形成されている。これら両転走面10a、2aおよび10a、3a間には保持器6を介して複列の転動体7、7が転造自在に収容されている。この外方部材10はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが、高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。
外方部材10の両端部にはシール8、9が装着され、外方部材10と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部を密封している。このシール8、9により、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
シール8、9のうちインナー側のシール9はスリンガ11と環状のシール板12とからなる。スリンガ11は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪3に圧入される円筒部11aと、この円筒部11aから径方向外方に延びる立板部11bとからなる。一方、シール板12はスリンガ11に対向して外方部材10に装着され、断面略L字状に形成されている。そして、外方部材10の端部に内嵌される芯金13と、この芯金13に加硫接着されたシール部材14とからなる。芯金13は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成されている。
一方、シール部材14はゴム等の弾性部材からなり、スリンガ11に摺接するサイドリップとラジアルリップを有している。また、スリンガ11における立板部11bの外縁は、芯金13と僅かな径方向すきまを介して対峙しラビリンスシールを構成している。
アウター側のシール8は、図2に拡大して示すように、第1のシール15と、この第1のシール15の軸受空間の外側にさらに配設された第2のシール19とからなる。第1のシール15は、芯金16と、この芯金16に一体に加硫接着されたシール部材17とからなる。芯金16は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて形成され、外方部材10の端部内周に内嵌される円筒状の嵌合部16aと、この嵌合部16aから屈曲して形成され、径方向内方に延びる内側部16bとを備えている。
一方、シール部材17は、ニトリルゴム等の合成ゴムからなり、芯金16の嵌合部16aの一部から、内側部16bの内端部に亙る範囲に固着されている。シール部材17は一対のサイドリップ17a、17bと、内側のサイドリップ17bの基部から径方向内方に延びるラジアルリップ17cとを有している。サイドリップ17a、17bは、それぞれ異なった長さで外向きに傾斜して形成され、車輪取付フランジ4の基部18に所定のシメシロをもって摺接している。この基部18は断面が円弧状の曲面に形成されている。また、ラジアルリップ17cは軸受内方側に傾斜して形成されると共に、所定のシメシロをもって基部18の外周面に摺接し、軸受内部に封入されたグリースが外部に流出するのを防止している。
第2のシール19は、外方部材10の端部外周に装着され、芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材21とからなる。芯金20は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて形成され、外方部材10の外周面に圧入される円筒状の円周部20aと、この円周部20aから径方向外方に延びる立板部20bとを備えている。
一方、シール部材21は、ニトリルゴム等の合成ゴムからなり、芯金20の円周部20aから、立板部20bの外端部に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップ21aを一体に有している。このサイドリップ21aは、車輪取付フランジ4の基部18に所定のシメシロをもって摺接している。このように、本実施形態では、第1のシール15の径方向外方側にサイドリップ21aを有する第2のシール19がさらに配置されているので、第1のシール15に泥水等が直接侵入するのを阻止できるため密封性が向上すると共に、従来のように、外側のサイドリップの外表面に泥水が溜まることがなく、外方部材10とハブ輪2が発錆するのを防止することができ、軸受の長寿命化を図ることができる。
さらに、この第2のシール19においては、端部の外周面22が、外方部材10の外周面23からテーパ面22aを介して一段小径に形成され、この外周面22の位置からサイドリップ21aが外向きに傾斜して形成されているので、このサイドリップ21aに降りかかった雨水やダストは、バンク状の外表面から外方部材10側に流れると共に、第2のシール19と外周面22およびテーパ面22aとで形成される樋状の環状空間に沿って下部に流れて排出されるので、高い密封性を発揮することができる。さらに、シール部材21は芯金20の円周部20aの外表面に回り込んでいるため、芯金20と外方部材10の接触部の発錆を防止することができると共に、円周部20aから泥水等が内部に侵入するのを防止して気密性を向上させることができる。
なお、ここでは、転動体7にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明はこれに限らず、転動体7に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受であっても良い。また、本発明に係る車輪用軸受装置は、内輪回転方式であれば、例示した第3世代構造以外にも、例えば、第1世代や第2世代あるいは第4世代構造にも適用することができる。
図3は図2の変形例で、他の実施形態を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した実施形態と第1のシールの構成のみが異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
アウター側のシール24は、第1のシール25と、この第1のシール25の軸受空間の外側にさらに配設された第2のシール19とからなる。第1のシール25は、芯金16と、この芯金16に一体に加硫接着されたシール部材17’とからなる。このシール部材17’は、ニトリルゴム等の合成ゴムからなり、芯金16の嵌合部16aの一部から内側部16bの内端部に亙る範囲に固着されている。
シール部材17’は一対のサイドリップ17a、17bと、内側のサイドリップ17bの基部から径方向内方に突出して形成されたラジアルリップ17c’とを有している。ラジアルリップ17c’は軸受内方側に屈曲して形成されると共に、基部18の外周面と僅かな径方向隙間を介して対向し、ラビリンスシールを構成している。これにより、シールトルクを低減して車両の燃費向上を図ると共に、リップ摺接部の昇温を抑制して耐久性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内輪回転方式の第1乃至第4世代の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2の変形例で、他の実施形態を示す要部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図4の要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・・・・小径段部
3・・・・・・・・・・・・内輪
4・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
4a・・・・・・・・・・・ハブボルト
5・・・・・・・・・・・・加締部
6・・・・・・・・・・・・保持器
7・・・・・・・・・・・・転動体
8、24・・・・・・・・・アウター側のシール
9・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
10・・・・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・・・・車体取付フランジ
11・・・・・・・・・・・スリンガ
11a・・・・・・・・・・円筒部
11b、20b・・・・・・立板部
12・・・・・・・・・・・シール板
13、16、20・・・・・芯金
14、17、21、17’・シール部材
15、25・・・・・・・・第1のシール
16a・・・・・・・・・・嵌合部
16b・・・・・・・・・・内側部
17a、17b、21a・・サイドリップ
17c、17c’・・・・・ラジアルリップ
18・・・・・・・・・・・基部
19・・・・・・・・・・・第2のシール
20a・・・・・・・・・・円周部
22、23・・・・・・・・外周面
22a・・・・・・・・・・テーパ面
51・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・外側転走面
51b・・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
52a・・・・・・・・・・ハブボルト
53・・・・・・・・・・・ハブ輪
53a、54a・・・・・・内側転走面
53b・・・・・・・・・・小径段部
54・・・・・・・・・・・内輪
55・・・・・・・・・・・内方部材
56・・・・・・・・・・・保持器
57・・・・・・・・・・・ボール
58・・・・・・・・・・・加締部
59、60・・・・・・・・シール
61・・・・・・・・・・・芯金
61a・・・・・・・・・・圧入部
61b・・・・・・・・・・内側部
62・・・・・・・・・・・シール部材
63、64・・・・・・・・サイドリップ
65・・・・・・・・・・・ラジアルリップ
66・・・・・・・・・・・隅アール部
67・・・・・・・・・・・シールド板
67a・・・・・・・・・・円周部
67b・・・・・・・・・・立板部
68・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
69・・・・・・・・・・・泥水

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材の端部に装着され、前記ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有するシールとを備えた車輪用軸受装置において、
    前記シールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記ハブ輪に摺接する複数のサイドリップを一体に有する第1のシールと、前記外方部材の端部外周に装着され、前記ハブ輪に摺接するサイドリップを一体に有する第2のシールとからなり、この第2のシールのサイドリップが基部から先端に向って傾斜して形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記第2のシールが、耐食性を有する鋼板からプレス加工によって形成された芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材とを備え、前記芯金が、前記外方部材の端部外周面に嵌合される円周部と、この円周部から径方向外方に延びる立板部とからなり、この立板部の外縁から前記サイドリップが外方に傾斜して形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記端部外周面が、前記外方部材の外周面よりもテーパ面を介して一段小径に形成されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記第2のシールのシール部材が、前記芯金の円周部に回り込んだ状態で固着されている請求項2または3に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記第1のシールサイドリップのうち最も内側のサイドリップの基部から径方向内方に延びるラジアルリップが形成され、このラジアルリップが前記ハブ輪または内輪と係合されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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