JP2598540Y2 - 等速自在継手 - Google Patents
等速自在継手Info
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- JP2598540Y2 JP2598540Y2 JP1993047416U JP4741693U JP2598540Y2 JP 2598540 Y2 JP2598540 Y2 JP 2598540Y2 JP 1993047416 U JP1993047416 U JP 1993047416U JP 4741693 U JP4741693 U JP 4741693U JP 2598540 Y2 JP2598540 Y2 JP 2598540Y2
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- groove
- boot
- ridge
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、等速自在継手本体と
ブーツとの組合せからなる等速自在継手に関し、特に合
成樹脂製ブーツの取付構造に関するものである。
ブーツとの組合せからなる等速自在継手に関し、特に合
成樹脂製ブーツの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】等速自在継手本体とブーツとの組合せか
らなる等速自在継手において、ブーツが飛石等により破
壊されることを防止するため、従来から熱可塑性ポリエ
ステルエラストマー等の硬質合成樹脂(例えば、デュポ
ン社製登録商標「ハイトレル」)を用いたブーツが使用
されている。この樹脂ブーツは、HD (試験方法AST
M D2240によるデュロメータD硬度)50の硬さ
を有することから、組立性、シール性を確保するため、
ブーツの固定端部の形状、それに対応した外輪、シャフ
ト、締結バンドの形状には特別の考慮を払ったものとな
っている。
らなる等速自在継手において、ブーツが飛石等により破
壊されることを防止するため、従来から熱可塑性ポリエ
ステルエラストマー等の硬質合成樹脂(例えば、デュポ
ン社製登録商標「ハイトレル」)を用いたブーツが使用
されている。この樹脂ブーツは、HD (試験方法AST
M D2240によるデュロメータD硬度)50の硬さ
を有することから、組立性、シール性を確保するため、
ブーツの固定端部の形状、それに対応した外輪、シャフ
ト、締結バンドの形状には特別の考慮を払ったものとな
っている。
【0003】図10はその一例である。ブーツ1の外輪
2側の固定端部3の内周面には突条4が形成され、その
突条4が外輪2の係合溝5に嵌合される。
2側の固定端部3の内周面には突条4が形成され、その
突条4が外輪2の係合溝5に嵌合される。
【0004】上記の突条4は、材料が硬質であって弾性
変形しにくいこと、及び成形上の問題から0.4mm程度
の小さい突出量に設定されている。このため、突条4が
係合溝5を乗り越えて組込まれることを防止するため、
外輪2の外周面にストッパー用の肩6を設け、その肩6
にブーツ1の固定端部3を当てるようにしている。ブー
ツ1の固定端部3の外周面はストレートであり、その面
に締結バンド7が装着される。
変形しにくいこと、及び成形上の問題から0.4mm程度
の小さい突出量に設定されている。このため、突条4が
係合溝5を乗り越えて組込まれることを防止するため、
外輪2の外周面にストッパー用の肩6を設け、その肩6
にブーツ1の固定端部3を当てるようにしている。ブー
ツ1の固定端部3の外周面はストレートであり、その面
に締結バンド7が装着される。
【0005】一方、シャフト8には数条の浅い溝9が近
接して設けられ、溝9相互間に鋭い山部10が形成され
る。ブーツ1の固定端部3’に形成した0.2mm程度の
低い突条4’が、前記の溝9に嵌合される。該固定端部
3’の外周面はストレートであり、その面に締結バンド
7’が装着される。また、ブーツ1が正しい位置にカッ
トされていることを確認するため、最外端の溝9を残し
てブーツ1を被せている。上記の締結バンド7、7’
は、ブーツ1の材料が硬質であるため、締結力の強いバ
ンドが用いられている。
接して設けられ、溝9相互間に鋭い山部10が形成され
る。ブーツ1の固定端部3’に形成した0.2mm程度の
低い突条4’が、前記の溝9に嵌合される。該固定端部
3’の外周面はストレートであり、その面に締結バンド
7’が装着される。また、ブーツ1が正しい位置にカッ
トされていることを確認するため、最外端の溝9を残し
てブーツ1を被せている。上記の締結バンド7、7’
は、ブーツ1の材料が硬質であるため、締結力の強いバ
ンドが用いられている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】上記の外輪2側のブー
ツ1の取付構造においては、外輪2の外周面に肩6が必
要となるため、その分だけ、外輪2の外径が大きくな
り、外輪2のコスト高の要因となっていた。また、係合
溝5の断面形状は円弧になっており、突切りバイトによ
る切削加工が行われるので、加工コストが高くつく要因
となっていた。
ツ1の取付構造においては、外輪2の外周面に肩6が必
要となるため、その分だけ、外輪2の外径が大きくな
り、外輪2のコスト高の要因となっていた。また、係合
溝5の断面形状は円弧になっており、突切りバイトによ
る切削加工が行われるので、加工コストが高くつく要因
となっていた。
【0007】一方、シャフト8側のブーツ1の取付構造
においては、その固定端部3’をシャフト8の端部のセ
レーション部11に通し、更に前記の溝9の部分まで差
込むようになっているが、固定端部3’の突条部4’の
内径φd1 をセレーション部11の外径φSより小さく
しすぎると、材料が硬いため差込み難く、また固定端部
の内径面φd2 に傷をつけることがある。
においては、その固定端部3’をシャフト8の端部のセ
レーション部11に通し、更に前記の溝9の部分まで差
込むようになっているが、固定端部3’の突条部4’の
内径φd1 をセレーション部11の外径φSより小さく
しすぎると、材料が硬いため差込み難く、また固定端部
の内径面φd2 に傷をつけることがある。
【0008】このため、φd1 ≒φS、φd2 >φSの
設定としている。また溝9の相互間の鋭い山部10の外
径φTは、固定端部の内径面とある程度の締代を持って
設定するため、φT>φd2 >φS≒φd1 の関係とな
りシャフト素材径はφd1 やφd2 で選定しなければな
らないので、シャフト8のコスト高の要因となってい
た。また締結力の強いバンドを用いることもコスト高の
要因となっていた。
設定としている。また溝9の相互間の鋭い山部10の外
径φTは、固定端部の内径面とある程度の締代を持って
設定するため、φT>φd2 >φS≒φd1 の関係とな
りシャフト素材径はφd1 やφd2 で選定しなければな
らないので、シャフト8のコスト高の要因となってい
た。また締結力の強いバンドを用いることもコスト高の
要因となっていた。
【0009】以上のごとき問題は、いずれもブーツの材
料が硬く、そのために固定端部の剛性が高いことが原因
である。
料が硬く、そのために固定端部の剛性が高いことが原因
である。
【0010】そこで、この考案はブーツの固定端部に弾
性を付与する構造とし、望ましくはブーツの材料の硬度
も下げることにより剛性を下げ、上記の問題点を解決す
ることを課題とする。
性を付与する構造とし、望ましくはブーツの材料の硬度
も下げることにより剛性を下げ、上記の問題点を解決す
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この考案は外輪とシャフトを含む等速自在継手本
体と、上記外輪とシャフトの間に被覆される合成樹脂製
ブーツとからなる等速自在継手において、上記のブーツ
の材料硬度をH D 46から48に設定し、上記外輪とシ
ャフトの少なくとも一方のブーツ取付部に嵌合されたブ
ーツの固定端部の外周面に、断面逆台形の外周溝を周方
向に形成し、その外周溝形状に従った突条を上記固定端
部の内周面に形成し、上記突条が合致する係合溝を相手
方部材のブーツ取付部に設け、上記外周溝の溝底の幅
を、その深さと同等かそれより大きい幅に設定し、上記
突条の突出高さを0.4mmから1.0mmに設定した
構成としたものである。
めに、この考案は外輪とシャフトを含む等速自在継手本
体と、上記外輪とシャフトの間に被覆される合成樹脂製
ブーツとからなる等速自在継手において、上記のブーツ
の材料硬度をH D 46から48に設定し、上記外輪とシ
ャフトの少なくとも一方のブーツ取付部に嵌合されたブ
ーツの固定端部の外周面に、断面逆台形の外周溝を周方
向に形成し、その外周溝形状に従った突条を上記固定端
部の内周面に形成し、上記突条が合致する係合溝を相手
方部材のブーツ取付部に設け、上記外周溝の溝底の幅
を、その深さと同等かそれより大きい幅に設定し、上記
突条の突出高さを0.4mmから1.0mmに設定した
構成としたものである。
【0012】なお、前記のブーツ固定端部の外周面に設
けた前記の断面逆台形の外周溝の軸方向の両側にそれぞ
れ複数の小突条を周方向に形成し、各小突条に対向した
内周面に同程度の幅の小溝を形成した構成としてもよ
い。
けた前記の断面逆台形の外周溝の軸方向の両側にそれぞ
れ複数の小突条を周方向に形成し、各小突条に対向した
内周面に同程度の幅の小溝を形成した構成としてもよ
い。
【0013】
【作用】上記構成の等速自在継手の固定端部を外輪又は
シャフトの外周面に差込む際、突条が弾性変形して突出
高さが零になり、その突条が外輪又はシャフトの係合溝
に嵌まると元の状態に復元して、その溝に係合される。
シャフトの外周面に差込む際、突条が弾性変形して突出
高さが零になり、その突条が外輪又はシャフトの係合溝
に嵌まると元の状態に復元して、その溝に係合される。
【0014】上記の突条の突出高さは比較的高く、従っ
て、係合溝との係合力は大きいので、組立時にその係合
溝を乗り越えることはない。そのため、外輪外径面にス
トッパーとしての肩を設ける必要がなく、その分だけ素
材径を小径にすることができる。
て、係合溝との係合力は大きいので、組立時にその係合
溝を乗り越えることはない。そのため、外輪外径面にス
トッパーとしての肩を設ける必要がなく、その分だけ素
材径を小径にすることができる。
【0015】また、シャフト側の固定端部の突条はセレ
ーション部を通過する際弾性変形して突出高さが零とな
るので、該固定端部の内径φd2 をセレーション部の外
径φSと一致させることができる。従って、シャフトの
固定部の溝両側の外径φTをセレーション部の外径φS
と一致させることができ、これによりシャフト素材径を
小径にすることができる。
ーション部を通過する際弾性変形して突出高さが零とな
るので、該固定端部の内径φd2 をセレーション部の外
径φSと一致させることができる。従って、シャフトの
固定部の溝両側の外径φTをセレーション部の外径φS
と一致させることができ、これによりシャフト素材径を
小径にすることができる。
【0016】なお、ブーツの固定端部の外周面に設けた
前記の断面逆台形の外周溝の軸方向の両側にそれぞれ複
数の小突条を周方向に形成し、各小突条に対向した内周
面に同程度の幅の小溝を形成した場合は、該固定端部の
剛性が一層低くなる。
前記の断面逆台形の外周溝の軸方向の両側にそれぞれ複
数の小突条を周方向に形成し、各小突条に対向した内周
面に同程度の幅の小溝を形成した場合は、該固定端部の
剛性が一層低くなる。
【0017】
【実施例】図1及び図2に示した第1実施例の等速自在
継手を構成する等速自在継手本体20は、外輪21及び
その内部に一端が挿入されたシャフト22を有する。外
輪21に挿入されたシャフト22の端部にはセレーショ
ン部23が設けられ、そのセレーション部23に内輪
(図示省略)が差込まれる。
継手を構成する等速自在継手本体20は、外輪21及び
その内部に一端が挿入されたシャフト22を有する。外
輪21に挿入されたシャフト22の端部にはセレーショ
ン部23が設けられ、そのセレーション部23に内輪
(図示省略)が差込まれる。
【0018】上記の外輪21及びシャフト22には、そ
れぞれブーツ27の取付部24、25が設けられ、各取
付部24、25には逆台形の断面形状の係合溝26が形
成される。
れぞれブーツ27の取付部24、25が設けられ、各取
付部24、25には逆台形の断面形状の係合溝26が形
成される。
【0019】ブーツ27は、複数の周方向のひだ28を
有し、一端部に外輪21の取付部24に固定される大径
の固定端部29が設けられ、他端部にシャフト22の取
付部25に固定される小径の固定端部31が設けられ
る。
有し、一端部に外輪21の取付部24に固定される大径
の固定端部29が設けられ、他端部にシャフト22の取
付部25に固定される小径の固定端部31が設けられ
る。
【0020】上記の両方の固定端部29、31における
ブーツ27の各取付部24、25の取付け構造は同一で
あるので、以下は外輪21側の取付け構造について説明
し、シャフト22側は同一符号を付して示すにとどめ
る。
ブーツ27の各取付部24、25の取付け構造は同一で
あるので、以下は外輪21側の取付け構造について説明
し、シャフト22側は同一符号を付して示すにとどめ
る。
【0021】図2に示すように、ブーツ27の固定端部
29は全体として円筒形であるが、その中間部分の外周
面に断面逆台形の外周溝32が形成される。この外周溝
32の深さをA、溝底の幅をBとすると、B≧Aの関係
に形成される。
29は全体として円筒形であるが、その中間部分の外周
面に断面逆台形の外周溝32が形成される。この外周溝
32の深さをA、溝底の幅をBとすると、B≧Aの関係
に形成される。
【0022】また、上記外周溝32の内側には、その溝
形状に沿った逆台形の突条33が形成される。この突条
33の突出高さhは、ブーツ27の材料の硬さがHD4
8〜46の場合に、0.4mm〜1.0mm程度に設定され
る。
形状に沿った逆台形の突条33が形成される。この突条
33の突出高さhは、ブーツ27の材料の硬さがHD4
8〜46の場合に、0.4mm〜1.0mm程度に設定され
る。
【0023】一方、外輪21の取付部24に、上記の突
条33が嵌合する前述の係合溝26が形成される。この
係合溝26の溝の深さは、前記突条33の突出高さhよ
り深く形成されているため、突条26と溝底との間には
すき間が存在し、これにより突条33と溝底との干渉を
防ぐ。
条33が嵌合する前述の係合溝26が形成される。この
係合溝26の溝の深さは、前記突条33の突出高さhよ
り深く形成されているため、突条26と溝底との間には
すき間が存在し、これにより突条33と溝底との干渉を
防ぐ。
【0024】また、係合溝26の両側面の傾斜面α、β
は、旋盤による倣い加工が容易であるように、25°〜
45°の範囲で設定される。ブーツ27の外周溝32の
両側面の傾斜角γ、δも、上記α、βに合わせて適宜設
定される。
は、旋盤による倣い加工が容易であるように、25°〜
45°の範囲で設定される。ブーツ27の外周溝32の
両側面の傾斜角γ、δも、上記α、βに合わせて適宜設
定される。
【0025】ブーツ27の固定端部29における外周溝
32及び突条33は上記のごときものであり、突条33
に外向きの力を及ぼすと、突条33が外周溝32の存在
のために弾性変形して、その突出高さhが零となる。言
い替えれば、突条33の突出高さhは、ブーツ27の固
定端部31の弾性変形により零となしうる範囲で可及的
に大きい高さに設定される。
32及び突条33は上記のごときものであり、突条33
に外向きの力を及ぼすと、突条33が外周溝32の存在
のために弾性変形して、その突出高さhが零となる。言
い替えれば、突条33の突出高さhは、ブーツ27の固
定端部31の弾性変形により零となしうる範囲で可及的
に大きい高さに設定される。
【0026】上記のように、突条33は比較的高く形成
されるので、これが係合溝26に嵌合すると、軸方向へ
のずれは殆ど起こらず、外れることはない。しかし、図
示のように、固定端部29の外周面に締結バンド35を
装着すると、一層外れ難くなる。
されるので、これが係合溝26に嵌合すると、軸方向へ
のずれは殆ど起こらず、外れることはない。しかし、図
示のように、固定端部29の外周面に締結バンド35を
装着すると、一層外れ難くなる。
【0027】また、上記突条33の両側部分の内径は、
外輪21の係合溝26の両側部分の外径より若干小さく
形成される。このため、固定端部29を弾性変形させて
差込むことにより、これらの部分を密着させてシールを
図る。また、係合溝26の両側壁36、36と突条33
の両側壁37、37も相互に密着してシールを図る。
外輪21の係合溝26の両側部分の外径より若干小さく
形成される。このため、固定端部29を弾性変形させて
差込むことにより、これらの部分を密着させてシールを
図る。また、係合溝26の両側壁36、36と突条33
の両側壁37、37も相互に密着してシールを図る。
【0028】第1実施例の等速自在継手は以上のごとき
ものであり、次にその作用について説明する。上記のブ
ーツ27を外輪21の取付部24に差込む場合、突条3
3は外輪21の取付部24の外径面により外方に押圧さ
れ、その外周溝32の形状を変形させながら弾性変形し
て、突出高さhが零の状態となる。また、上記突条33
の両側の部分の固定端部29も若干弾性変形して拡径さ
れる。
ものであり、次にその作用について説明する。上記のブ
ーツ27を外輪21の取付部24に差込む場合、突条3
3は外輪21の取付部24の外径面により外方に押圧さ
れ、その外周溝32の形状を変形させながら弾性変形し
て、突出高さhが零の状態となる。また、上記突条33
の両側の部分の固定端部29も若干弾性変形して拡径さ
れる。
【0029】突条33が係合溝26の部分に至ると、元
の形状に復元してその係合溝26に嵌合する。このと
き、突条33の両側壁37、37が係合溝26の両側壁
36、36に密着し、またその両側において、固定端部
29の内径面が外輪21の取付部24の外径面に密着し
てそれぞれシールを図る。その後、必要に応じて、上記
固定端部29の外周面に締結バンド35が装着される。
の形状に復元してその係合溝26に嵌合する。このと
き、突条33の両側壁37、37が係合溝26の両側壁
36、36に密着し、またその両側において、固定端部
29の内径面が外輪21の取付部24の外径面に密着し
てそれぞれシールを図る。その後、必要に応じて、上記
固定端部29の外周面に締結バンド35が装着される。
【0030】一方、シャフト22の取付部25において
も、同様にブーツ22の小径側の固定端部31が前述の
場合と同様の要領で取付けられる(図1参照)。
も、同様にブーツ22の小径側の固定端部31が前述の
場合と同様の要領で取付けられる(図1参照)。
【0031】なお、ブーツ27の固定端部29、31の
内径面は、中型を用いて寸法通り仕上げる方法と、ブロ
ー成形により外型形状に沿わせて成形する方法とがある
が、前記のように、外周溝32の溝底Bが広幅で、かつ
両側壁38、38が傾斜角γ、δを持っているので、ブ
ロー成形の場合でも逆台形の突条33を容易に成形する
ことができる。
内径面は、中型を用いて寸法通り仕上げる方法と、ブロ
ー成形により外型形状に沿わせて成形する方法とがある
が、前記のように、外周溝32の溝底Bが広幅で、かつ
両側壁38、38が傾斜角γ、δを持っているので、ブ
ロー成形の場合でも逆台形の突条33を容易に成形する
ことができる。
【0032】以上の実施例では、外輪側もシャフト側も
同様の構成であるが、いずれか一方を上述の構成とし、
他方を従来公知の構成とすることができる。以下の実施
例についても同様である。
同様の構成であるが、いずれか一方を上述の構成とし、
他方を従来公知の構成とすることができる。以下の実施
例についても同様である。
【0033】なお、ブーツ27の硬さはHD 50であっ
ても、突条33、外周溝32の存在により一応所期の目
的を達成できるが、HD 48〜46程度のものにするこ
とが望ましい。
ても、突条33、外周溝32の存在により一応所期の目
的を達成できるが、HD 48〜46程度のものにするこ
とが望ましい。
【0034】図3に示した第2実施例は、突条33が丸
味を有する場合である。固定端部29をブロー成形で仕
上げた場合、このように丸味をもって仕上がることがあ
る。この場合は、係合溝26の両側壁36、36のエッ
ジ部39、39と突条33の立上がり部分の接触により
シールが図られる。またその両側の部分においてもシー
ルが図られることは前述の場合と同様である。
味を有する場合である。固定端部29をブロー成形で仕
上げた場合、このように丸味をもって仕上がることがあ
る。この場合は、係合溝26の両側壁36、36のエッ
ジ部39、39と突条33の立上がり部分の接触により
シールが図られる。またその両側の部分においてもシー
ルが図られることは前述の場合と同様である。
【0035】図4に示した第3実施例は、係合溝26の
両側壁36、36のエッジ部39、39を0.1〜0.
3mm程度の高さに形成したものであり、この部分でのシ
ール機能を一層強固にしたものである。
両側壁36、36のエッジ部39、39を0.1〜0.
3mm程度の高さに形成したものであり、この部分でのシ
ール機能を一層強固にしたものである。
【0036】図5に示した第4実施例は、前記図4の場
合において、図3と同様に突条33に丸味を付けたもの
である。
合において、図3と同様に突条33に丸味を付けたもの
である。
【0037】図6に示した第5実施例は外周溝32の両
側において、2本ずつの断面台形の小突条41を周方向
に形成し、突条33の両側において、前記各小突条41
と同程度の幅の断面台形の小溝42を形成したものであ
り、これらにより固定端部29の全体の剛性を低くして
いる。
側において、2本ずつの断面台形の小突条41を周方向
に形成し、突条33の両側において、前記各小突条41
と同程度の幅の断面台形の小溝42を形成したものであ
り、これらにより固定端部29の全体の剛性を低くして
いる。
【0038】図7に示した第6実施例は、図3の場合と
同様に突条に丸味をもたせ、また、図6の場合と同様に
小突条41及び小溝42を設けたものであるが、この場
合の小溝42は断面台形が丸味を持ったものである。
同様に突条に丸味をもたせ、また、図6の場合と同様に
小突条41及び小溝42を設けたものであるが、この場
合の小溝42は断面台形が丸味を持ったものである。
【0039】図8に示した第7実施例は、図7の場合に
おいて、外周溝32の両側壁38、38にエッジ部39
を設け、そのエッジ部39に対向する外周面に小突条4
1’を設けたものである。
おいて、外周溝32の両側壁38、38にエッジ部39
を設け、そのエッジ部39に対向する外周面に小突条4
1’を設けたものである。
【0040】図9に示した第8実施例は、図8の場合に
おいて、内周面の小溝42の断面形状を台形にしたもの
である。
おいて、内周面の小溝42の断面形状を台形にしたもの
である。
【0041】
【考案の効果】以上のように、この考案はブーツの固定
端部の剛性が突条と外周溝との存在により低下するの
で、突条の突出高さを従来の場合より高くしても、該突
条の弾性変形により外輪又はシャフトに取付けることが
できる。外輪においては、上記突条の係合溝に対する係
合力が増大するので、外輪の外周面にストッパー用の肩
を設ける必要がなく、従って、外輪の外径を小さくする
ことができる。また、シャフトにおいては、ブーツの固
定端突条の内径をシャフトのセレーション部の外径より
小さく形成することができるので、ブーツ固定端部も小
さくでき、シャフトの固定部における溝両側の山の外径
も小さくできる。
端部の剛性が突条と外周溝との存在により低下するの
で、突条の突出高さを従来の場合より高くしても、該突
条の弾性変形により外輪又はシャフトに取付けることが
できる。外輪においては、上記突条の係合溝に対する係
合力が増大するので、外輪の外周面にストッパー用の肩
を設ける必要がなく、従って、外輪の外径を小さくする
ことができる。また、シャフトにおいては、ブーツの固
定端突条の内径をシャフトのセレーション部の外径より
小さく形成することができるので、ブーツ固定端部も小
さくでき、シャフトの固定部における溝両側の山の外径
も小さくできる。
【0042】また、外輪及びシャフトのいずれにおいて
も、突条の係合力が強いので、締結バンドは小さい締結
力のものでよい。
も、突条の係合力が強いので、締結バンドは小さい締結
力のものでよい。
【0043】更に、外輪及びシャフトに形成される係合
溝は、旋盤による倣い加工で加工できるので、加工コス
トが安い利点もある。
溝は、旋盤による倣い加工で加工できるので、加工コス
トが安い利点もある。
【0044】なお、ブーツの固定端部の外周面に設けた
断面逆台形の外周溝の軸方向の両側にそれぞれ複数の小
突条を周方向に形成し、各小突条に対向した内周面に同
程度の幅の小溝を形成すると、該固定端部の剛性を一層
低くすることができる。
断面逆台形の外周溝の軸方向の両側にそれぞれ複数の小
突条を周方向に形成し、各小突条に対向した内周面に同
程度の幅の小溝を形成すると、該固定端部の剛性を一層
低くすることができる。
【図1】第1実施例の一部省略断面図
【図2】同上の一部断面図
【図3】第2実施例の一部断面図
【図4】第3実施例の一部断面図
【図5】第4実施例の一部断面図
【図6】第5実施例の一部断面図
【図7】第6実施例の一部断面図
【図8】第7実施例の一部断面図
【図9】第8実施例の一部断面図
【図10】従来例の一部省略断面図
20 等速自在継手本体 21 外輪 22 シャフト 23 セレーション部 24、25 取付部 26 係合溝 27 ブーツ 28 ひだ 29 固定端部 31 固定端部 32 外周溝 33 突条 35 締結バンド 36 側壁 37 側壁 38 側壁 39 エッジ部 41 小突条 42 小溝
Claims (2)
- 【請求項1】 外輪とシャフトを含む等速自在継手本体
と、上記外輪とシャフトの間に被覆される合成樹脂製ブ
ーツとからなる等速自在継手において、上記のブーツの
材料硬度をH D 46から48に設定し、上記外輪とシャ
フトの少なくとも一方のブーツ取付部に嵌合されたブー
ツの固定端部の外周面に、断面逆台形の外周溝を周方向
に形成し、その外周溝形状に従った突条を上記固定端部
の内周面に形成し、上記突条が合致する係合溝を相手方
部材のブーツ取付部に設け、上記外周溝の溝底の幅を、
その深さと同等かそれより大きい幅に設定し、上記突条
の突出高さを0.4mmから1.0mmに設定したこと
を特徴とする等速自在継手。 - 【請求項2】 前記のブーツ固定端部の外周面に設けた
前記の断面逆台形の外周溝の軸方向の両側にそれぞれ複
数の小突条を周方向に形成し、各小突条に対向した内周
面に同程度の幅の小溝を形成したことを特徴とする請求
項1に記載の等速自在継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993047416U JP2598540Y2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 等速自在継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993047416U JP2598540Y2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 等速自在継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0718034U JPH0718034U (ja) | 1995-03-31 |
JP2598540Y2 true JP2598540Y2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=12774553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993047416U Expired - Fee Related JP2598540Y2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 等速自在継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2598540Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6694592B2 (en) | 1999-09-30 | 2004-02-24 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Method for tightening fixing band and constant velocity universal joint apparatus |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005113928A (ja) * | 2003-08-11 | 2005-04-28 | Fukoku Co Ltd | 等速ジョイント用ブーツ |
JP4723449B2 (ja) * | 2006-10-04 | 2011-07-13 | 本田技研工業株式会社 | 等速ジョイント |
JP6253933B2 (ja) * | 2013-09-27 | 2017-12-27 | Ntn株式会社 | 等速自在継手 |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP1993047416U patent/JP2598540Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6694592B2 (en) | 1999-09-30 | 2004-02-24 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Method for tightening fixing band and constant velocity universal joint apparatus |
US6725530B2 (en) | 1999-09-30 | 2004-04-27 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Apparatus and method for tightening fixing band and constant velocity universal joint apparatus |
US7065862B1 (en) | 1999-09-30 | 2006-06-27 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Apparatus for tightening fixing band and constant velocity universal joint apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0718034U (ja) | 1995-03-31 |
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