JP2024031436A - 等速自在継手用ブーツ及びこれを備えた等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛇腹無しブーツにおいて、コスト高や重量増を招くことなく、シャフトと外側継手部材とで挟み込まれることによる傷付きを防止する。【解決手段】ブーツ20は、外側継手部材1の外周に取り付けられる大径筒部21と、シャフト13の外周に取り付けられる小径筒部22と、大径筒部21の軸方向一方の端部に接続され、軸方向一方側に凸を成した環状凸部23と、環状凸部23と小径筒部22の軸方向他方の端部とを接続し、軸方向他方側に凸を成した環状凹部24とを有する。等速自在継手が大きな作動角を取ったときにシャフト13と外側継手部材1とで挟持される部分(外側継手部材1の内周面5を延長した線Pとトラック6の溝底を延長した線Qとの間の半径方向領域)の表面に、周方向と交差する方向に延びる複数の凸部25を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、等速自在継手用ブーツに関する。
等速自在継手として、ツェッパ型の等速自在継手や、アンダーカットフリー型の等速自在継手が知られている。これらの等速自在継手は、最大作動角を45°以上とることができ、主に自動車のフロント用ドライブシャフトの車輪側に適用される。このような等速自在継手に、潤滑剤の流出や砂塵等の混入を防止するためのブーツを設ける場合、高作動角に追従するために蛇腹状のブーツが適用されることが多い。蛇腹状のブーツ200は、例えば図11に示すように、外側継手部材101の外周に取り付けられる大径筒部201と、シャフト102の外周に取り付けられる小径筒部202と、大径筒部201と小径筒部202とを接続する蛇腹部203とを有する。蛇腹部203は、半径方向外方に突出した山部203aと、半径方向内方に突出した谷部203bとを交互に有する。
一方、自動車のリア用ドライブシャフトの車輪側や、自動車のプロペラシャフトに適用される等速自在継手は、上記のようなフロント用に適用される等速自在継手のように大きな作動角をとる必要が無い。例えば、リア用の等速自在継手であれば30°以下(主として20°以下)、プロペラシャフト用の等速自在継手であれば10°以下の最大作動角で足りる。これらの等速自在継手に装着されるブーツは、高作動角に追従する必要がないため、蛇腹の無いブーツ(いわゆる、蛇腹無しブーツ)が使用されることがある(例えば、下記の特許文献1)。
蛇腹無しブーツ300は、例えば図12に示すように、外側継手部材101の外周に取り付けられる大径筒部301と、シャフト102の外周に取り付けられる小径筒部302と、大径筒部301に接続され、軸方向一方側(図中右側)に凸を成した環状凸部303と、環状凸部303と小径筒部302とに接続され、軸方向他方側(図中左側)に凸を成した環状凹部304とを有する。蛇腹無しブーツ300は、図11に示す蛇腹ブーツ200と比べて、膜の実長を短くすることができるため、軽量化及びコスト低減を図ることができる。
特開2011-523002号公報 特開2001-280359号公報 特開平3-113124号公報 特開2008-215404号公報
ところで、最大作動角が小さい等速自在継手であっても、搬送時や車両への組付け時に、実際で使用する際の最大作動角よりも大きな作動角をとることがある。蛇腹無しブーツ300が装着された等速自在継手が大きな作動角をとると、図13に示すように、シャフト102と外側継手部材101の開口端部との間に環状凹部304が挟み込まれて、ブーツ300が傷付く危険がある。
例えば、上記の特許文献2のように、シャフトに突起部を設け、ブーツが挟み込まれる前に、シャフトの突起部と外側継手部材とを干渉させて作動角を制限すれば、ブーツの噛み込みを防止することができる。この他、シャフトの先端と外側継手部材のカップ底を干渉させたり(特許文献3)、シャフト、内輪、保持器の何れかに係止部材を設けたりする(特許文献4)ことで、ブーツの噛み込みを防止することができる。しかし、上記の手法では、シャフトや外側継手部材の形状変更や、係止部材を設けることによる部品数増を招くため、コスト高や重量増を招く。
そこで、本発明は、等速自在継手に装着される蛇腹無しブーツにおいて、コスト高や重量増を招くことなく、シャフトと外側継手部材とで挟み込まれることによる傷付きを防止することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、外側継手部材、内側継手部材、及び内側継手部材から軸方向一方側に延びるシャフトを有する等速自在継手に装着されるブーツであって、
前記外側継手部材の外周に取り付けられる大径筒部と、前記シャフトの外周に取り付けられる小径筒部と、前記大径筒部の軸方向一方の端部に接続され、軸方向一方側に凸を成した環状凸部と、前記環状凸部と前記小径筒部の軸方向他方の端部とを接続し、軸方向他方側に凸を成した環状凹部とを有する等速自在継手用ブーツにおいて、
前記等速自在継手が大きな作動角を取ったときに前記シャフトと前記外側継手部材とで挟持される部分の表面に、周方向と交差する方向に延びる複数の凸部を設けたことを特徴とする。
等速自在継手が大きな作動角をとってシャフトと外側継手部材との間にブーツが挟持されたとき、ブーツの表面に設けられた凸部が変形する。これにより、ブーツを介して外側継手部材とシャフトとが干渉する際の衝撃力が緩和されるため、単にブーツを厚肉にする場合よりもブーツが傷付きにくくなる。このとき、凸部を、周方向と交差する方向(例えば、周方向と直交する方向)に延びた形状とすることで、シャフトと外側継手部材とで挟持される部分に凸部を配置しやすくなる。
凸部は、自身の延在方向と直交する断面で丸みを帯びたR形状であることが好ましい。これにより、シャフトと外側継手部材でブーツが挟み込まれたとき、凸部が変形しやすくなるため、このときの衝撃を吸収しやすくなる。また、ブーツを射出成形で形成する場合、凸部をR形状とすることで材料が充填されやすくなるため、成形性が向上する。
凸部は、ブーツの内部側の表面に設けることが好ましい。この場合、シャフト又は外側継手部材と凸部とが直接接触するため、凸部以外の部分(薄肉部)にシャフト又は外側継手部材が直接接触して傷付く事態を防止できる。
凸部は、例えば、ブーツの環状凹部や小径筒部に設けることができる。
以上のように、本発明の蛇腹無しブーツによれば、コスト高や重量増を招くことなく、シャフトと外側継手部材とで挟み込まれることによる傷付きを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るブーツを装着した等速自在継手の軸方向断面図である。 上記ブーツの図3のII-II線における断面図である。 上記ブーツを図2のIII方向から見た正面図である。 図2のIV部の拡大図である。 上記ブーツの図2のV-V線における断面図である。 凸部の他の例を示す断面図である。 上記等速自在継手の外側継手部材をインボード側から見た正面図である。 他の実施形態に係るブーツの軸方向断面図であり、図9のVIII-VIII線における断面図である。 図8のブーツをIX方向から見た正面図である。 図8のブーツのX部の拡大図である。 従来の蛇腹ブーツを装着した等速自在継手の軸方向断面図である。 従来の蛇腹無しブーツを装着した等速自在継手の軸方向断面図である。 図12の等速自在継手を大きく屈曲させて、シャフトと外側継手部材とでブーツが挟み込まれた状態を示す軸方向断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す等速自在継手は、車両の後輪用ドライブシャフトのアウトボード側端部に設けられる固定式等速自在継手である。この等速自在継手の最大作動角は、前輪に取り付けられる場合よりも小さくて足り、例えば30°以下、特に20°以下とされる。尚、以下の説明では、等速自在継手の軸心方向で、車両に取り付けたときに車幅方向内側となる側(図1の右側)を「インボード側」と言い、車幅方向外側となる側(図1の左側)を「アウトボード側」と言う。
本実施形態の等速自在継手は、ツェッパ型の固定式等速自在継手であり、外側継手部材1と、内側継手部材2と、トルク伝達部材としてのボール3と、保持器4とを有する。外側継手部材1の球面状内周面5には、軸方向に延びる複数のトラック溝6が円周方向等間隔に形成されている。内側継手部材2の球面状外周面7には、軸方向に延びる複数のトラック溝8が円周方向等間隔に形成されている。互いに対向する外側継手部材1のトラック溝6と内側継手部材2のトラック溝8との間に、ボール3が1個ずつ組み込まれている。ボール3の個数は、例えば6個あるいは8個であり、本実施形態では8個である。保持器4には、ボール3を1個ずつ保持する複数のポケット9が形成されている。保持器4は、外側継手部材1の球面状内周面5と摺接する球面状外周面10と、内側継手部材2の球面状外周面7と摺接する球面状内周面11とを有する。
内側継手部材2の軸孔の内周面には、雌スプライン12が形成される。動力伝達軸(シャフト)13のアウトボード側(図中左側)端部には雄スプライン14が形成される。シャフト13のアウトボード側端部を内側継手部材2の軸孔に挿入し、雌スプライン12と雄スプライン14とを嵌合させることで、両者がトルク伝達可能に結合される。
外側継手部材1は、インボード側に開口したカップ状のマウス部15と、マウス部15からアウトボード側に延びるステム部16とを有する。外側継手部材1のマウス部15の開口部は、ブーツ20にて密封される。
本実施形態の等速自在継手は、最大作動角が小さい(30°以下)ため、ブーツ20として、蛇腹部を有しない蛇腹無しブーツを使用することができる。ブーツ20は、大径筒部21と、小径筒部22と、環状凸部23と、環状凹部24とを有する。図示例では、大径筒部21、小径筒部22、環状凸部23、及び環状凹部24を含むブーツ20全体が一体に射出成形される。ブーツ20の材質としては、エラストマーやゴムを使用できる。例えば、熱可塑性樹脂エラストマーや、CRやシリコーン、HNBR、塩化エチレンに代表されるゴム等が使用でき、特に、熱可塑性ポリエステルエラストマーが望ましい。
大径筒部21は、外側継手部材1の外周面に取り付けられる。大径筒部21の外周面には環状溝21aが形成され、この環状溝21aにブーツバンド31を装着して締め付けることで、大径筒部21が外側継手部材1の外周面に固定される。大径筒部21は、外側継手部材1の開口端部よりもインボード側に延びている。図示例では、大径筒部21のうち、外側継手部材1からインボード側に突出した部分の軸方向寸法L1が、外側継手部材1の外周に配された部分の軸方向寸法L2よりも大きい。
小径筒部22は、シャフト13の外周面に取り付けられる。図示例では、小径筒部22が、シャフト13の外周面に密着した固定部22aと、固定部22aからアウトボード側に延び、シャフト13の外周面との間に半径方向隙間が設けられた円筒部22bとを有する。小径筒部22の固定部22a外周面には環状溝22cが形成され、この環状溝22cにブーツバンド32を装着して締め付けることで、小径筒部22の固定部22aがシャフト13の外周面に固定される。
環状凸部23は、インボード側に凸を成すように屈曲した部分である。図示例の環状凸部23は、ブーツ20の内部に曲率中心を有する略円弧状の断面を有する。環状凸部23の外径側端部は、大径筒部21のインボード側端部に接続される。環状凸部23と大径筒部21との接続部は滑らかに連続している。
環状凹部24は、アウトボード側に凸を成すように屈曲した部分である。図示例の環状凹部24は、ブーツ20の外部に曲率中心を有する略円弧状の断面を有する。環状凹部24の曲率半径は、環状凸部23の曲率半径よりも大きい。環状凹部24の外径側端部は環状凸部23の内径側端部に接続され、環状凹部24の内径側端部は小径筒部22のアウトボード側端部に接続される。環状凹部24と環状凸部23との接続部、及び、環状凹部24と小径筒部22との接続部は、それぞれ滑らかに連続している。
ブーツ20の表面には、周方向と交差する方向に延びる複数の凸部25が形成される。本実施形態では、図2及び図3に示すように、小径筒部22の円筒部22bの内周面に、周方向と直交する方向、すなわち軸方向に延びる多数の凸部25が形成される。図示例では、円筒部22bの内周面の全周に、軸方向と平行な多数の凸部25が周方向に並べて形成される。図4の拡大断面図に散点を付した領域が、円筒部22bの内周面から内径側に突出した凸部25である。凸部25は、自身の延在方向と直交する断面、すなわち、図5に示す軸方向と直交する断面(横断面)で丸みを帯びたR形状を成し、図示例では略円弧形状の横断面を有している。尚、凸部25の横断面形状は上記に限らず、例えば矩形状としてもよい。
図5に示すように、凸部25は周方向等間隔に設けられる。凸部25の数やピッチは限定されず、例えば図6に示すように、凸部25の数を図5に示す実施形態よりも増やして、隣接する凸部25間のピッチを狭くしてもよい。
凸部25は、ブーツ20のうち、シャフト13と外側継手部材1とで挟持される部分の表面に設けられる。凸部25を設ける位置は、以下のような手法で設定することができる。等速自在継手が大きな作動角をとったとき、シャフト13は、外側継手部材1(図7参照)のうち、球面状内周面5の開口側端部の縁5a、あるいは、トラック溝6の開口側端部の縁6aに当接する。従って、図1に示す断面おいて、ブーツ20のうち、外側継手部材1の球面状内周面5を延長した線Pと、外側継手部材1のトラック溝6の溝底を延長した線Qとの間の半径方向領域R(散点を付した領域)が、シャフト13と外側継手部材1とで挟持される領域と推定される。よって、ブーツ20のうち、少なくとも上記の半径方向領域Rに配された領域に凸部25を設ければよい。本実施形態では、ブーツ20の小径筒部22のうち、上記の半径方向領域Rを含む部分に凸部25が設けられ、図示例では小径筒部22の円筒部22bの内周面の軸方向全域に凸部25が設けられる(図4参照)。
上記の等速自在継手は、最大作動角が30°以下であり、車両に組み込んだ状態ではシャフト13が外側継手部材1の開口端部に当接することはないため、シャフト13と外側継手部材1との間にブーツ20が挟み込まれることはない。しかし、上記の等速自在継手は、最大作動角(30°)を超える角度で屈曲することを規制する手段は設けられていないため、等速自在継手を搬送する際や車両に組み付ける際に、等速自在継手が最大作動角を超える角度で屈曲し、シャフト13と外側継手部材1との間にブーツ20が挟み込まれることがある。
このとき、本実施形態のブーツ20には、シャフト13と外側継手部材1とで挟み込まれる部分(本実施形態では、小径筒部22の円筒部22b)の表面に、複数の凸部25が設けられている。ブーツ20がシャフト13と外側継手部材1との間に挟み込まれたとき、ブーツ20の表面に設けられた凸部25が変形することで、このときの衝撃が緩和されるため、ブーツ20の傷付きを防止できる。
このとき、シャフト13は、外側継手部材1(図7参照)のうち、球面状内周面5の開口側端部の縁5a、あるいは、トラック溝6の開口側端部の縁6aに当接し、これらの間にブーツ20が挟持される。そのため、ブーツ20のうち、外側継手部材1の球面状内周面5の開口側端部の縁5a、あるいは、外側継手部材1のトラック溝6の開口側端部の縁6aに沿って周方向に延びる形状の領域が、シャフト13と外側継手部材1とで挟持される部分(被挟持部)となる。本実施形態では、上記のような周方向に延びる被挟持部と交差する方向、図示例では軸方向に延びる多数の凸部25が周方向に並べて設けられているため、被挟持部に凸部25が確実に配され、凸部25の変形による衝撃吸収効果が確実に発揮される。
また、凸部25がR形状の横断面を有しているため、例えば矩形状の横断面と比べて、半径方向に圧迫されたときに周方向両側に広がるように変形しやすい。これにより、シャフト13と外側継手部材1とで挟まれたときに凸部25が変形しやすくなるため、ブーツ20の傷付き防止効果が高くなる。
本実施形態では、ブーツ20を射出成形する際、ブーツ20を成形するためのキャビティの軸方向端部(ブーツ20の小径側端部あるいは大径側端部)から材料が射出される。そのため、キャビティ内で射出材料が主に軸方向(周方向と直交する方向)に流れる。本実施形態では、凸部25が軸方向に延びているため、上記の射出材料の流れを阻害せず、成形性が高められる。また、図示例では、凸部25の横断面がR形状であるため、凸部25を成形するキャビティにも射出材料が充填されやすくなり、成形性がさらに高められる。
また、本実施形態では、ブーツ20の内部側の表面に凸部25が設けられる。この場合、シャフト13と外側継手部材1とでブーツ20が挟み込まれたとき、シャフト13が凸部25に直接接触する。これにより、ブーツ20の小径筒部22の円筒部22bのうち、凸部25以外の部分(薄肉部)にシャフト13が直接接触して傷付きする事態を回避できる。
本発明は、上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の点については重複説明を省略する。
図8~10に示す実施形態に係るブーツ20は、凸部25を環状凹部24に設けた点で上記の実施形態と異なる。具体的に、ブーツ20の環状凹部24の内部側の表面の全周に、周方向と交差する方向、図示例では周方向と直交する方向、すなわち半径方向に放射状に延びる多数の凸部25が周方向等間隔に形成される。図10の拡大図に散点を付した領域が、環状凹部24の内部側の表面から突出した凸部25である。凸部25は、自身の延在方向と直交する断面、すなわち、周方向断面(横断面)で丸みを帯びたR形状を成し、例えば円弧形状の横断面を有している。
凸部25は、ブーツ20の環状凹部24のうち、外側継手部材1の球面状内周面5を延長した仮想球面Pと、外側継手部材1のトラック溝6の溝底を延長した仮想線Qとの間の半径方向領域R(図1参照)に設けられる。本実施形態では、ブーツ20の環状凹部24の内部側の表面の略全域に凸部25が設けられる(図9参照)。図示例では、各凸部25の周方向幅が、外径側に行くほど徐々に大きくなっている。尚、各凸部25の周方向幅を、半径方向で一定としてもよい。凸部25は、環状凸部23や小径筒部22には達していない(図10参照)。このように、環状凹部24に凸部25を設けた場合も、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
ところで、等速自在継手の外周には、他の部品が近接して配置されている。そのため、等速自在継手が屈曲したときにブーツ20が外径側に膨らむと、ブーツ20の外周に配された他の部品と干渉するおそれがある。従って、等速自在継手が作動角をとったとき、ブーツ20の大径筒部21はなるべく変形(拡径)させずに、環状凸部23や環状凹部24を優先的に変形させることが好ましい。図8~10に示すように環状凹部24に凸部25を設けると環状凹部24の剛性が高くなるため、相対的に大径筒部21が変形しやすくなることが懸念される。そこで、等速自在継手が最大作動角(例えば30°)をとったときに、大径筒部21がほとんど変形しないように、凸部25の数や形状等を設定することが好ましい。
以上の実施形態では、ブーツ20の小径筒部22又は環状凹部24の何れかに凸部25を設けた場合を示したが、これに限らず、例えばブーツ20の小径筒部22及び環状凹部24の双方に凸部25を設けてもよい。例えば、小径筒部22に図2~5に示す凸部25を設けると共に、環状凹部24に図8~10に示す凸部25を設けてもよい。
また、以上の実施形態では、ブーツ20の内部側の表面に凸部25を設けた場合を示したが、これに限らず、ブーツ20の外部側の表面に凸部25を設けてもよい。この場合でも、上記の実施形態と同様に、外側継手部材1とシャフト13とでブーツ20が挟持されたときに凸部25が変形して衝撃を吸収することができるため、ブーツ20の傷付きを防止できる。
また、以上の実施形態では、ツェッパ型の固定式等速自在継手のブーツに本発明を適用した場合を示したが、これに限らず、本発明は、最大作動角が小さい(例えば30°以下)の他の等速自在継手に適用することもできる。例えば、アンダーカットフリー型やクロスグルーブ型など他の固定式等速自在継手や、ダブルオフセット型やトリポード型などの摺動式等速自在継手に装着されるブーツに、本発明を適用してもよい。また、本発明は、ドライブシャフトに設けられる等速自在継手のブーツに限らず、プロペラシャフトや産業機械の駆動軸等に設けられる等速自在継手のブーツに適用することもできる。
1 外側継手部材
2 内側継手部材
3 ボール(トルク伝達部材)
4 保持器
6 トラック溝
8 トラック溝
9 ポケット
13 シャフト
20 ブーツ
21 大径筒部
22 小径筒部
22a 固定部
22b 円筒部
23 環状凸部
24 環状凹部
25 凸部
31 ブーツバンド
32 ブーツバンド
P 外側継手部材の球面状内周面を延長した線
Q 外側継手部材のトラック溝の溝底を延長した線

Claims (7)

  1. 外側継手部材、内側継手部材、及び内側継手部材から軸方向一方側に延びるシャフトを有する等速自在継手に装着されるブーツであって、
    前記外側継手部材の外周に取り付けられる大径筒部と、前記シャフトの外周に取り付けられる小径筒部と、前記大径筒部の軸方向一方の端部に接続され、軸方向一方側に凸を成した環状凸部と、前記環状凸部と前記小径筒部の軸方向他方の端部とを接続し、軸方向他方側に凸を成した環状凹部とを有する等速自在継手用ブーツにおいて、
    前記等速自在継手が大きな作動角を取ったときに前記シャフトと前記外側継手部材とで挟持される部分の表面に、周方向と交差する方向に延びる複数の凸部を設けた等速自在継手用ブーツ。
  2. 前記凸部が、周方向と直交する方向に延びる請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  3. 前記凸部が、自身の延在方向と直交する断面で丸みを帯びたR形状をなした請求項1又は2に記載の等速自在継手用ブーツ。
  4. 前記凸部が、内部側の表面に設けられた請求項1又は2に記載の等速自在継手用ブーツ。
  5. 前記凸部が、前記環状凹部に設けられた請求項1又は2に記載の等速自在継手用ブーツ。
  6. 前記凸部が、前記小径筒部に設けられた請求項1又は2に記載の等速自在継手用ブーツ。
  7. 請求項1又は2に記載の等速自在継手用ブーツと、前記外側継手部材と、前記内側継手部材と、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間でトルクを伝達するトルク伝達部材と、前記シャフトとを備えた等速自在継手。
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