JP2006291978A - 等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブーツのシール作用を損なうことなく、ブーツの過大変形を抑制するための通気性を確保すること。
【解決手段】 中間部に弾性変形可能な屈曲部51cを有し、かつ、一端を外側継手部材10に装着すると共に他端をシャフト22に装着して継手内外を区画するブーツ51を備えた等速自在継手において、屈曲部51cに通気孔51i1,51h1を有する多層構造部51gを設け、多層構造部51g内を密着状態にすることにより各通気孔51i1,51h1を閉塞する一方、継手の内圧変化による前記屈曲部51cの弾性変形により多層構造部51g内に隙間を形成して、各通気孔51i1,51h1を通じて継手内外を連通させるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のプロペラシャフトやドライブシャフト、或いは各種産業機械に用いられる等速自在継手に関するものである。
自動車のプロペラシャフトやドライブシャフトに使用される摺動式等速自在継手の一種に、図6に示すクロスグルーブ型と称されるものがある。この等速自在継手は、外側継手部材10、内側継手部材20、複数個(例えば6個)のボール30(転動体)、保持器40、アダプタ付きブーツ50、エンドキャップ60を主要な構成要素として備える(例えば特許文献1参照)。
外側継手部材10は、円筒状に形成され、内周面に複数のトラック溝11を有する。外側継手部材10の環状端面には、トラック溝11の相互間に対応する位置にそれぞれボルト孔12を形成してある。内側継手部材20は、外側継手部材10のトラック溝11と対になる複数のトラック溝21を外周面に形成してある。内側継手部材20の内周側には、シャフト22をトルク伝達可能に嵌合して一体化してある。シャフト22の先端部には輪溝22aを設けてあり、この輪溝22aにスナップリングまたはサークリップ23を装着することで、内側継手部材20の軸方向にシャフト22が位置決め固定される。外側継手部材10のトラック溝11と内側継手部材20のトラック溝21は、その相互間でボール30を一個ずつ配置するための空間(ボールトラック)を形成する。外側継手部材10のトラック溝11と内側継手部材20のトラック溝21は、それぞれ周方向逆向きに傾けて形成され、互いに交差している。保持器40は、外側継手部材10と内側継手部材20の間に配置され、周方向に所定間隔で複数形成したポケット41でボール30を一個ずつ保持する。以上の構成により、上記の等速自在継手は、外側継手部材10と内側継手部材20の相対的な軸方向移動と軸方向角度変位(作動角)が許容され、ボール30を介して外側継手部材10と内側継手部材20の間でトルクが伝達される。
一方、上記の等速自在継手は、外側継手部材10及び内側継手部材20とボール30との間の摩擦抵抗を軽減するために、継手内部に潤滑剤が充填される。この潤滑剤が継手外部に漏れたり、外部から泥水や砂塵等の異物が侵入したりすると、前記摩擦抵抗が高くなり継手性能が低下する。このため、外側継手部材10の内側端部及びシャフト22のそれぞれに気密に嵌合させたアダプタ付きブーツ50と、外側継手部材10の外側端部に取付けたエンドキャップ60とで継手内部を密封してある。
アダプタ付きブーツ50は、ゴム材又は可撓性樹脂材からなるブーツ51と金属製のアダプタ52とからなる。ブーツ51は、シャフト22に外嵌する小径端部51aと、アダプタ52に接続される大径端部51bの間に蛇腹状の屈曲部51cを設けてある。ブーツ51の小径端部51aは、バンド53によって締付けられ、シャフト22に対して固着される。アダプタ52は、ブーツ51の大径端部51bに加締め固定される加締め部52aと、外側継手部材10に嵌合させる環状フランジ52bとを有する。アダプタ52の環状フランジ52bは、外側継手部材10のボルト孔12と対応するボルト孔52cを複数有する。なお、図6では、便宜上、アダプタ52を介して外側継手部材10に装着されるブーツ51を示しているが、アダプタ52を介さずに外側継手部材10に対して直接装着されるブーツ51もある。
エンドキャップ60は、外側継手部材10の他端開口を閉塞するカップ部61と、カップ部61の周縁部に設けられ、外側継手部材10の他端部に外嵌させる環状フランジ62とを有する。エンドキャップ60の環状フランジ62は、外側継手部材10のボルト孔12と対応するボルト孔63を複数有する。
上記の等速自在継手は、外側継手部材10の両端部にそれぞれアダプタ52及びエンドキャップ60を嵌合させ、ボルト71を、アダプタ52、外側継手部材10、エンドキャップ60、および、スタブシャフト70の各ボルト孔52c,12,63,72に挿し通し、スタブシャフト70側からナット73で締付けて一体化される一方、シャフト22の図示しない他端を図示外のシャフト又は継手にトルク伝達可能に連結することで、プロペラシャフト等に組込まれる。
上記の等速自在継手を自動車のプロペラシャフトに使用した場合、外側継手部材10と内側継手部材20の作動角が小さく高速回転下で使用されることが多い。このような等速自在継手においては、高速回転時に継手内部の温度上昇に伴って内圧が上昇する一方、その後に冷却されて負圧になるなどして内圧が変動する。継手の内圧変化によりブーツ51が過大に変形すると、ブーツ51の耐久性が低下する。
なお、上記のクロスグルーブ型等速自在継手は、外側継手部材10と内側継手部材20が軸方向に相対移動する摺動式であるが、他の摺動式等速自在継手(例えばトリポード型)や、外側継手部材10と内側継手部材20が軸方向に相対移動しない固定式等速自在継手においても、内圧変化によるブーツの変形は共通した現象である。但し、摺動式の場合は、外側継手部材10と内側継手部材20の軸方向相対移動で内部容積が変化することによっても内圧が変化するので、固定式に比べてブーツ51の耐久性が低下しやすい。
継手の内圧変化によるブーツ51の過大変形に関する問題を解決するために、図7及び図8のように、ブーツ51の小径端部51aの内径面に通気溝51dを設けると共に、小径端部51aからシャフト22に接触させるリップ部51eを延設し、リップ部51eの内径側に突起51fを不連続的に複数形成したものがある。内圧上昇時には、リップ部51eが外側に開放され、通気溝51dを介して継手内外を連通させる。負圧時には、突起51fを境にしてリップ部51eの基端側が内側に吸引される一方、リップ部51eの先端側がシャフト22から離れ、突起51f間の隙間から外気が流入する。このような継手内外の空気の流出入作用(以下、呼吸作用という。)により、継手内外の圧力差が低減するから、ブーツ51の過大な変形が抑制され、ブーツの長寿命化が図られる。なお、特許文献2には、図7及び図8に示すブーツ51の通気構造が開示されている。
特開2003−074580号公報 特開平8−28704号公報
特許文献2の場合、ブーツ51の過大変形はある程度緩和されるものの、ブーツ51をゴム材又は可撓性樹脂材で構成している以上、リップ部51eの劣化や破損によるシール作用の早期低下は避けられない。リップ部51eは肉薄に形成することで開閉動作が可能になっているが、肉薄であるが故に、前記開閉動作の支点となるリップ部51eの基端部や突起51fの基端部などに割れが生じやすい。リップ部51eの割れにより、スタブシャフト23に対するリップ部51eの密着性が低下すると、潤滑剤漏れや異物侵入を防止するというブーツ本来のシール作用が損なわれ、却ってブーツ51の寿命を低下させることも懸念される。
また、特許文献2の場合、高速回転時に継手の内部温度が上昇して継手の内圧が上昇すると、リップ部51eを拡開させて継手内部の空気を排出する一方、空気を排出した状態で継手の回転を停止し、継手の内部温度が外気温程度まで低下して継手の内圧が低下すると、リップ部51eを拡開させて継手内部に外気を吸い込む。この吸気時にリップ部51e又はその近傍に付着した異物を空気と一緒に吸い込むおそれがある。
本発明は、斯かる実情に鑑み創案されたものであって、その目的は、ブーツを備えた等速自在継手の通気性の改善を図ることにある。
本発明に係る等速自在継手は、外側継手部材と、外側継手部材に対して軸方向の相対的角度変位を可能に配設した内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在してトルク伝達を行なうトルク伝達部材と、一端を内側継手部材にトルク伝達可能に連結すると共に他端を外側継手部材の外部へ延在させたシャフトと、中間部に弾性変形可能な蛇腹状の屈曲部を有し、かつ、一端を外側継手部材に装着すると共に他端をシャフトに装着して継手内外を区画するブーツとを備えた等速自在継手において、ブーツの屈曲部に互いに密着した弾性体からなる多層構造部を設け、多層構造部の各層の斜面部に母線方向に位置をずらして通気孔を形成し、多層構造部の弾性変形により各層の通気孔を連通させるように構成したことを特徴としている。
多層構造部は、少なくともブーツ屈曲部の蛇腹形状の一部形状をなす。詳しくは、蛇腹形状の少なくともひとつの山部又は谷部を有する形状をなす。多層構造部の山部又は谷部には、通気孔を設けるための斜面部が含まれる。外側継手部材の軸方向と内側継手部材の軸方向に角度変位(作動角)をとって多層構造部を屈曲させると、前記山部や谷部のなす角度は、回転中心回りの角度位置によって変位する。継手の回転時に、多層構造部の山部や谷部のなす角度が変位すると、多層構造部の各層の斜面部どうしに母線方向のずれが生じ、多層構造部の各層の通気孔が母線方向に相対移動する。各層の通気孔は、回転中心回りの所望の角度範囲にてその一部又は全部が重なり、継手内外を連通させる。逆に、各層の通気孔が回転中心回り他の角度範囲にあるときは、各層の通気孔が隣接する層の斜面部で閉塞され、継手内部が密封される。
高速回転時に継手内部の温度が上昇しても、多層構造部の各層の通気孔が回転中心回りの所望の角度範囲に到達したときに、継手内外が連通して継手内部の空気が排出されるので、継手内圧が外気圧と同程度に維持される。これにより、ブーツの過大な膨張を抑制できる。また、内部の空気が排出された状態で継手の回転を停止させ、自然冷却により内部の温度が外気温程度まで低下すると、継手内部に負圧が発生してブーツが収縮する。このブーツの収縮は、継手を回転させて各層の通気孔が回転中心回りの所望の角度範囲に到達して継手内外を連通させたときに解消される。なお、本発明を摺動式等速自在継手に適用した場合、継手の回転時に外側継手部材と内側継手部材の軸方向相対移動によって継手内部の容積が変化しても、上記の如く継手の内圧が外気圧と同程度に維持され、ブーツの過大な変形(膨張・収縮)を抑制できる。
本発明の上記構成によれば、ブーツの屈曲部に多層構造部を設ける共に多層構造部の各層に母線方向に位置をずらして通気孔を設け、各層どうしが互いに相手方の通気孔を閉塞するように密着することで潤滑剤漏れや異物侵入を防止するシール性を確保できる。また、多層構造部の弾性変形により各層の通気孔を一時的に連通させることでブーツの過大変形を抑制する通気性を確保できる。特許文献2の場合に比べると、ブーツとシャフトの嵌合部よりも外径側に位置するブーツの屈曲部で通気性を確保しているので、継手の回転時に多層構造部の最外層に付着した異物を遠心力で飛散させやすく、吸気時に外気と一緒に異物を吸込み難いという有利な効果を享受できる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明に係る等速自在継手の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態の等速自在継手は、自動車のプロペラシャフトに使用されるものである。但し、用途はこれに限定されるものではなく、自動車のドライブシャフトや各種産業機械にも使用できる。
図1は本発明に係る等速自在継手の第1実施形態を示す縦断面図で、図2は図1の要部拡大図である。この等速自在継手は、従来例と同様に、外側継手部材10、内側継手部材20、複数のボール30(トルク伝達部材)、保持器40、アダプタ付きブーツ50及びエンドキャップ60を主要な構成要素として備える。図6に示す従来例と相当する部位には同一符号を付して説明を省略する。
第1実施形態の等速自在継手は、図1及び図2に示すように、ブーツ51の蛇腹状の屈曲部51cに多層構造部51gを設けてある。第1実施形態のブーツ51は、アダプタ52を介して外側継手部材10に基端部が装着される継手側部材51hと、シャフト22に基端部が嵌合されるシャフト側部材51iとからなる二分割可能な構成とされる。
継手側部材51hは、基端側にアダプタ52に加締め固定される大径端部51bを有する。シャフト側部材51iは、基端側にシャフト22に嵌合固定される小径端部51aを有する。継手側部材51h及びシャフト側部材51iは、各々の先端側が屈曲部51cの一部を構成する蛇腹形状をなす。第1実施形態では、継手側部材51hの先端部内径をシャフト側部材51iの先端部外径に対応させて、継手側部材51hの先端部をシャフト側部材51iの先端部に係合するように密着状態で外嵌してある。このように継手側部材51h及びシャフト側部材51iは、各々の先端部を重ね合わせて連結することで、多層構造部51gの互いに密着した層を構成している。
継手側部材51hの先端部とシャフト側部材51iの先端部には、それぞれ通気孔51h1,51i1を形成してある。継手側部材51h及びシャフト側部材51iの各先端部には、蛇腹形状を構成する山部51h2,51i2又は谷部51h3,51i3が少なくともひとつ含まれる。継手側部材51hの山部51h2を構成する一対の斜面部51h4,51h5のうちの一方(この実施形態では小径端側の斜面部51h4)に通気孔51h1を設けてある。同様に、シャフト側部材51iの山部51i2を構成する一対の斜面部51i4,51i5のうち一方(この実施形態では小径端側の斜面部51i4)に通気孔51i1を設けてある。図2のように、ブーツ51の屈曲部51cが屈曲していない状態、即ち外側継手部材(10)と内側継手部材(20)の軸方向が一致している状態で、各通気孔51h1,51i1は母線方向に位置がずれている。継手側部材51h及びシャフト側部材51iは、互いに相手方の通気孔51h1,51i1を閉塞するように各々の斜面部51h4,51h4どうしを密着状態で重ね合わせてある。
なお、各通気孔51h1,51i1は、多層構造部51gの周方向の少なくとも一箇所に設けてあればよい。また、通気孔51h1,51i1の大きさや形状は特に問わないが、空気の通過を許容しつつ液体及び固体の通過を抑制するという観点から適宜設定される。
また、第1実施形態では、多層構造部51gを構成する継手側部材51h及びシャフト側部材51iの各先端部に、山部51h2,51i2及び谷部51h3,51i3がひとつずつ含まれる。多層構造部51gの外径側の層を構成する継手側部材51hは、山部51h2よりも先端側に谷部51h3を有する。この谷部51h3に、縮径力を有するO−リング54(締付部材)を装着して、継手側部材51hの谷部51h3をシャフト側部材51iの谷部51i4に締付固定してある。これにより継手側部材51hの通気孔51h1よりも先端側で、継手側部材51h及びシャフト側部材51iの先端部相互間のシール性を確保し、継手側部材51h及びシャフト側部材51iの相互間の隙間からの異物侵入を防止できる。
図3は外側継手部材(10)及び内側継手部材(20)に作動角θをとってブーツ51を屈曲させた状態を示している。同図のように、ブーツ51を屈曲させると、継手側部材51h及びシャフト側部材51iの山部51h2,51i2のなす角度αが、回転中心回りの角度位置によって変化する。継手の回転に伴い前記角度αが変化すると、継手側部材51hの斜面部51h4,51h5とシャフト側部材51iの斜面部51i4,51i5との間に母線方向のずれが生じる。これにより、各通気孔51h1,51i1が母線方向に相対移動する。各通気孔51h1,51i1の相対移動範囲の一部又は全部を重複させておくことで、図中の一点鎖線で示すように、各通気孔51h1,51i1が回転中心回りの所望の角度位置にあるときに、その一部又は全部が重なって継手内外を連通させる。逆に、図中の二点鎖線で示すように、各通気孔51h1,51i1が回転中心回りの所望の角度位置を除く他の角度位置にあるときは、各通気孔51h1,51i1が離間して継手内部が密封される。
なお、第1実施形態では理解を容易にするために、各通気孔51h1,51i1が一致する回転中心回りの所望の角度位置を、前記角度αが最大角αmaxとなる角度位置に設定している。この場合、各通気孔51h1,51i1は周方向の一箇所で一致する。しかし、このように設定しても、実際には、外側継手部材(10)と内側継手部材(20)の作動角変位や軸方向相対移動などによるブーツ51の弾性変形で最大角αmaxや最小角αminが変化し、各通気孔51h1,51i1の相対移動範囲が変化することから、前記角度αが最大角αmaxとなる角度位置の近傍にて各通気孔51h1,51i1が一致することもある。この場合、各通気孔51h1,51i1は周方向の二箇所で一致する。
第1実施形態の等速自在継手は上記の如く、多層構造部51gの各通気孔51h1,51i1が回転中心回りの所望の角度位置に到達したときに、継手内外を連通させて、ブーツ51の過大な変形を抑制しているので、ブーツ51の長寿命化を図ることができる。
一方、各通気孔51h1,51i1を、多層構造部51gの斜面部51h4,51i4に設けてあるので、シャフト側部材51iの通気孔51i1の近傍に潤滑剤が付着していても、継手の回転による遠心力で当該潤滑剤が山側へ移動する。このため、排気時に空気と一緒に継手内部の潤滑剤を排出しにくい。同様に、シャフト側部材51iの通気孔51i1の近傍に異物が付着していても、継手の回転による遠心力で当該異物が飛散する。このため、吸気時に空気と一緒に異物を吸込みにくい。より詳しくは、ブーツ51とシャフト22の嵌合部よりも外径側に位置するブーツ51の屈曲部51cに通気孔51h1,51i1を設けてあるので、従来例の如くブーツ51とシャフト22の嵌合部に設けた通気溝51dに比べて、異物に対してより大きな遠心力を作用させることができる。
次に、図4及び図5を参照して本発明に係る等速自在継手の第2実施形態について説明する。第2実施形態の等速自在継手は、図4に示すように、ブーツ51の屈曲部51cと、ブーツ屈曲部51cに密着状態で外嵌される弾性体からなる被着部材51jとで多層構造部51gを構成した点が、第1実施形態との主たる相違点になっている。他の点については、第1実施形態とほぼ同じであるから、相当部位には同一符号を付して説明を省略する。また、図4にて図示を省略した部分の構成は第1実施形態と同じとする。
第2実施形態で使用されるブーツ51は、従来例と同様、小径端部51aと大径端部51bの間に蛇腹状の屈曲部51cを設けた構成とされる。被着部材51jに対するブーツ屈曲部51cの嵌合部分には通気孔51c1を形成してある。ブーツ屈曲部51cの通気孔51c1は、山部51c2を構成する一対の斜面部51c4,51c5の一方(51c4)に形成してある。
被着部材51jは、ブーツ51の屈曲部51cに延在させる先端側形状が、ブーツ屈曲部51cに密着嵌合可能な蛇腹形状とされる。被着部材51jの基端部は、ブーツ小径端部51aに外嵌され、その外径側からバンド53を締付けてブーツ小径端部51aと一緒にシャフト22に対して締付固定してある。ブーツ屈曲部51cに対する被着部材51jの嵌合部分には通気孔51j1を形成してある。被着部材51jの通気孔51j1は、山部51j2を構成する一対の斜面部51j4,51j5の一方(51j4)に、ブーツ51の通気孔51c1と母線方向に位置をずらして形成される。このように、ブーツ51及び被着部材51jに位置をずらして通気孔51c1,51j1を形成することで、各通気孔51c1,51j1は、相手方の斜面部51j4,51c4によって閉塞され、継手内部が密封される。
また、第2の実施形態の各通気孔51c1,51j1は、最も小径端側の山部51c2,51j2に形成される。この山部51c2,51j2よりも大径端側の谷部51c3,51j3には、ブーツ51の谷部51c3の外径側に周溝部51c6を設けると共に、被着部材51jの谷部51j3の内径側に周溝部51c6に嵌合させる環状突部51j6を設けてある。さらに、被着部材51jの谷部51j3の外径側には縮径力を有するO−リング54(締付部材)を装着して、被着部材51jの谷部51j3をブーツ51の谷部51c3に締付固定してある。このように、多層構造部51gに設けた各通気孔51c1,51j1の母線方向両側、即ちブーツ小径端部51a及び被着部材51jの嵌合部分と、ブーツ屈曲部51c及び被着部材51jの谷部51c3,51j3とを気密に密着させることで、ブーツ51と被着部材51jの相互間のシール性を確保している。
図5はブーツ51を屈曲させた状態を示している。ブーツ51を屈曲させると、第1実施形態と同様、山部51c2,51j2のなす角度αが、回転中心回りの角度位置によって変化する。継手の回転に伴い前記角度αが変化すると、ブーツ51の斜面部51c4と被着部材51jの斜面部51j4との間に母線方向のずれが生じ、ブーツ51の通気孔51c1と、被着部材51jの通気孔51j1とが母線方向に相対移動する。かかる相対移動により継手内外の連通と遮断が切り替えられる。
なお、第1実施形態では、図1及び図2に示すように、多層構造部51gの外径側の層(継手側部材51h)の通気孔51hを、内径側の層(シャフト側部材51i)の通気孔51i1よりも谷側に形成してある。これに対し、第2実施形態では、図4のように、外径側の層(被着部材51j)の通気孔51jを、内径側の層(ブーツ屈曲部51c)の通気孔51c1よりも山側に形成してある。かかる相違点から、第2実施形態では、各通気孔51c1,51j1は、前記角度αが最小角αminとなる角度位置に到達したときに一致して継手内外を連通させる。
第2実施形態の等速自在継手は上記の如く構成され、第1実施形態の等速自在継手とほぼ同様の効果を享受できる。但し、多層構造部51gの通気孔51c1,51j1の形成箇所の母線方向両側が、ブーツ小径端部51a及び被着部材51jの嵌合構造や、O−リング54による締付け、周溝部51c6及び環状突部51j6の嵌合構造によって密着しているので、第1実施形態に比べてブーツ51及び被着部材51jの相互間のシール性が向上している。
以上、本発明に係る等速自在継手の第1及び第2実施形態につき説明したが、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば上記第1実施形態では、第2実施形態の如く周溝部51c4と環状突部51j4による嵌合構造を採用していないが、第1実施形態においてもかかる嵌合構造を採用できる。また、第2実施形態では、便宜上、多層構造部51gの内径側の層を構成するブーツ51に周溝部51c4を設け、外径側の層を構成する被着部材51jに環状突部51j4を設けてあるが、周溝部を多層構造部51gの外径側の層に設けると共に環状突部を内径側に層に設けてもよい。また、前記周溝部及び環状突部による嵌合構造は、多層構造部51gに含まれる谷部に限らず、山部又は斜面部に配設することもできる。
また、第2実施形態では、被着部材51jの一端をブーツ小径端部51aと重ね合わせてシャフト22に嵌合してあるが、被着部材51jはブーツ51の屈曲部51cにのみ嵌合する構成としてもよい。例えば図6のように、被着部材51jを屈曲部51cの中間部に配設する場合、O−リング54や、周溝部51c6及び環状突部51j6による嵌合構造その他の密着手段によって、ブーツ51と被着部材51jの一体化を図ることができる。その他の密着手段としては、接着や溶着などがある。
また、第2実施形態では、被着部材51jの装着を容易にするために、ブーツ51の小径端部51aを従前よりも肉薄に成形してあるが、ブーツ51の小径端部51aは、従前と同じ厚さでも構わない。小径端部51aの厚さが従前と同じであれば、従前のブーツ51に通気孔51c1を穿設したものが使用可能となり、製造コストを抑えることができる。
また、上記第1及び第2実施形態では、多層構造部51gとして二重構造のものを挙げて説明しているが、呼吸作用に必要な通気性を確保できれば、三重以上の構造でもよい。
以上のように、本発明は前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明思想の同一性を維持する範囲内で種々の変形が可能である。
本発明に係る等速自在継手の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図で、多層構造部を示す図である。 ブーツを屈曲させた状態を示す要部拡大断面図である。 本発明に係る等速自在継手の第2実施形態を示す要部拡大断面図である。 ブーツを屈曲させた状態を示す要部拡大断面図である。 第2実施形態の改変例を示す要部拡大断面図である。 従来の等速自在継手の一例を示す縦断面図である。 等速自在継手の従来の通気構造の一例を示す要部拡大縦断面図であって、ブーツの小径端部とシャフトの嵌合構造を示す図である。 図8のX−X線矢視断面図である。
符号の説明
10 外側継手部材
11 トラック溝
12 ボルト孔
20 内側継手部材
21 トラック溝
22 シャフト
22a 輪溝
23 サークリップ
30 ボール
40 保持器
41 ポケット
50 アダプタ付きブーツ
51 ブーツ
51a 小径端部
51b 大径端部
51c 屈曲部
51d 通気溝
51d1 周溝部
51d2 外側溝部
51d3 内側溝部
51d4 中間溝部
51e リップ部
51f 突起
52 アダプタ
52a 加締め部
52b 環状フランジ
52c ボルト孔
53 バンド
60 エンドキャップ
61 カップ部
62 環状フランジ
63 ボルト孔
70 中空シャフト
71 ボルト
72 螺子孔

Claims (8)

  1. 外側継手部材と、外側継手部材に対して軸方向の相対的角度変位を可能に配設した内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在してトルク伝達を行なうトルク伝達部材と、一端を内側継手部材にトルク伝達可能に連結すると共に他端を外側継手部材の外部へ延在させたシャフトと、中間部に弾性変形可能な蛇腹状の屈曲部を有し、かつ、一端を外側継手部材に装着すると共に他端をシャフトに装着して継手内外を区画するブーツとを備えた等速自在継手において、
    ブーツの屈曲部に互いに密着した弾性体からなる多層構造部を設け、多層構造部の各層の斜面部に母線方向に位置をずらして通気孔を形成し、多層構造部の弾性変形により各層の通気孔を連通させるように構成したことを特徴とする等速自在継手。
  2. ブーツが、外側継手部材に基端部を装着すると共に先端側形状が蛇腹形状をなす継手側部材と、シャフトに基端部を装着すると共に先端側形状が蛇腹形状をなすシャフト側部材とを有し、継手側部材及びシャフト側部材の各先端部を嵌合して多層構造部を構成すると共に、多層構造部を構成する継手側部材及びシャフト側部材の各先端部の斜面部にそれぞれ位置をずらして通気孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 継手側部材及びシャフト側部材のうち外径側に配設されたものに縮径力を有する締付部材を取付けたことを特徴とする請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 継手側部材及びシャフト側部材の一方に周溝部を設けると共に、他方に前記周溝部に嵌合させる環状突部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の等速自在継手。
  5. ブーツの屈曲部に密着嵌合可能な蛇腹状の屈曲部を有する弾性体からなる被着部材を具備し、ブーツ及び被着部材の各屈曲部を嵌合して多層構造部を構成すると共に、多層構造部を構成するブーツ及び被着部材の各屈曲部の斜面部にそれぞれ位置をずらして通気孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  6. 被着部材の少なくとも一方の端部をブーツの端部と重ね合わせて、外側継手部材又はシャフトに嵌合させたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
  7. 被着部材に縮径力を有する締付部材を取付けたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
  8. 前記屈曲部及び被着部材のいずれか一方に周溝部を設けると共に、他方に前記周溝部に嵌合させる環状突部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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