JP2008303945A - 等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブーツのシール性と、ブーツの過大変形を抑制するための通気性とを同時に達成し得る等速自在継手を提供する。
【解決手段】外輪2と、シャフト5に結合される内輪1と、外輪2と内輪1との間でトルク伝達を行う複数のボール3と、弾性材料で形成され、継手内外を区画すると共に一端がシャフト5に嵌合されるブーツ8とを備えた等速自在継手あって、ブーツ8の小径嵌合部8bに、この小径嵌合部8bよりも比重が大きく且つ内径部がこれに対向する面と密着・離反可能なマス12を配置し、継手回転時に、マス12の内径部とこれに対向する面との間に隙間を形成し、該隙間を介して継手内外を連通する通気路を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のプロペラシャフトやドライブシャフト、或いは各種産業機械に用いられる等速自在継手に関する。
周知のように、FR車では、エンジン、クラッチ、変速機(トランスミッション)が前方に、減速歯車装置(ディファレンシャル)、駆動車軸が後方にそれぞれ配置されているため、この間の動力伝達にプロペラシャフトを用いるのが通例である。また、FRベースの4WD車では、リアプロペラシャフトとフロントプロペラシャフトが必要である。これらプロペラシャフトは、トランスミッションとディファレンシャル間の相対位置変化による長さと角度変化に対応するために等速自在継手を具備する。
かかる等速自在継手は、外輪と、シャフトに結合される内輪と、これら外輪と内輪との間でトルク伝達を行うトルク伝達部材(例えば複数のボール)と、弾性材料で形成され、継手内外を区画すると共に一端がシャフトに嵌合されるブーツとを備えている。
上記構成のうち、ブーツは、継手内部に充填した潤滑剤(例えばグリース)の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物の侵入を防止するために設けられている。
そして、ブーツにおけるシャフトとの嵌合部には、高速回転時の発熱による内圧膨張や、減圧時の凹み等によるブーツの過大変形を防止するために、通気孔が設けられているのが通例であり、当該通気孔を介して継手内外圧の均衡を確保している。
この通気孔としては、ブーツとシャフトとの間に、軸方向に延在するように設けられているのが一般的である(例えば下記の特許文献1)が、かかる構成では通気孔によって継手内外が常時連通されるため、潤滑剤の漏洩や異物の侵入を防止するというブーツに本来的に要求されるシール性自体が損なわれるおそれがある。
そのため、例えば、下記の特許文献2に開示されているように、ブーツの端面に円環状のリップを設け、このリップで上述の通気孔の一端開口を覆ったものや、下記の特許文献3に開示されているように、伸縮バンドを用いてブーツにおけるシャフトとの嵌合部を外周側から締め付けたものなどが提案されている。前者の構成は、リップをブーツ内部の圧力変化に追随するように開閉させることで、ブーツのシール性を確保しつつ、ブーツの内圧変化によるブーツの過大変形の防止を図ろうとするものである。また、後者の構成は、継手部材の回転によってブーツに所定値を超える遠心力が作用した場合に、伸縮バンドが伸びてその締め付け力を弱めることで、ブーツとシャフトとの間に、通気孔に相当する隙間を形成し、同様の目的を達成しようとするものである。
実開平7−44969号公報 特開平8−28704号公報 実開平5−90053号公報
上記の特許文献2の構成で安定した通気状態を実現するには、ブーツの内圧の変化に追随して、リップを精度よく開閉させる必要がある。しかしながら、かかるリップは円環状に形成されているためその剛性が比較的高く、ブーツの内圧の変化に精度よく追随してリップを開閉させることが困難となる。そのため、通気孔の機能を十分に発揮できないおそれがある。一方、開閉を円滑に行うために、リップを薄肉にするなどしてその剛性を低下させた場合には、応力集中によりリップからブーツに割れが生じやすく、ブーツのシール性が損なわれるおそれがある。
また、上記の特許文献3の構成では、伸縮バンドに要求される性質が複雑となる。すなわち、正常時においてはブーツを的確に締め付け、ある一定値を超える遠心力がブーツに作用した場合には通気孔に相当する隙間を形成し得る量だけ伸びるという性質が要求される。したがって、かかる性質を備えた伸縮バンドを製作すること自体が、極めて困難となる。したがって、ブーツのシール性を確保しつつ、ブーツの内圧変化によるブーツの過大変形の防止するという観点からは実用的な対策とは成り得ない。
なお、以上は、プロペラシャフトに使用される等速自在継手を例にとって説明したが、ドライブシャフトやその他各種産業機械に使用される等速自在継手においても、ブーツに上述のような通気孔を形成した場合には、同様の問題が生じ得る。
本発明は、上記実情に鑑み、ブーツのシール性と、ブーツの過大変形を抑制するための通気性とを同時に達成し得る等速自在継手を提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、外側継手部材と、シャフトに結合される内側継手部材と、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間でトルク伝達を行うトルク伝達部材と、弾性材料で形成され、継手内外を区画すると共に一端が前記シャフトに嵌合されるブーツとを備えた等速自在継手において、前記ブーツにおける前記シャフトとの嵌合部に、該嵌合部よりも比重が大きく且つ内径部がこれに対向する面と密着・離反可能な制御部材を配置し、継手回転時に、前記制御部材の内径部とこれに対向する面との間に隙間を形成し、該隙間を介して継手内外を連通する通気路を形成したことに特徴づけられる。
このような構成によれば、継手の回転に伴ってブーツに遠心力が作用した場合に、制御部材がその遠心力によって外径側に移動するため、制御部材の内径部がこれと対向する面から離反する。これにより、制御部材の内径部とこれと対向する面との間に隙間が形成され、当該隙間を介して継手内外(ブーツの嵌合部の内外)を連通する通気路が形成される。したがって、かかる通気路によってブーツの通気性が確保され、継手内外の圧力の均衡が保たれる。そして、ブーツの過大変形は、主として継手回転時に発生し得るものであることから、継手回転時に通気路によりブーツの通気性を確保し得る上記の構成によれば、ブーツの過大変形を効果的に抑制することができる。
一方、継手の回転が停止すると、ブーツの嵌合部の弾性復帰で制御部材が内径側に移動するため、制御部材の内径部とこれと対向する面との間の隙間が減少し、或いは零となる。このようにして、通気路が閉じられ、ブーツのシール性を効果的に確保することができる。したがって、継手の停止時に、通気路を介して継手内部に充填される潤滑剤が漏洩したり、継手外部の異物が侵入することを未然に防止できることから、等速自在継手における耐久性および信頼性の向上を図ることが可能となる。
上記の構成において、前記通気路内に、前記制御部材を2つ以上配置してもよい。
このようにすれば、等速自在継手の使用環境に適合した制御部材の比重等の調整を容易に行うことができると共に、通気路内への制御部材の取り付けが容易となることから、製造コストの削減を図る上でも有利となる。
この場合、前記各制御部材の重量を異ならせることが好ましい。
このようにすれば、重量によって個々の制御部材に作用する遠心力の大きさに相違が生じるので、各制御部材による通気路の開閉タミングに時間差を設けることができる。したがって、例えば、通気路内に侵入した潤滑剤を継手内部に、通気路内に侵入した異物を継手外部にそれぞれ押し戻すように、個々の制御部材の開閉タイミングを調整することも可能となる。
上記の構成において、前記制御部材を回転半径が軸方向で漸次変化するように傾斜させてもよい。
このようにすれば、継手回転時に遠心力によって制御部材が外径側に移動した状態においても、制御部材は回転半径が軸方向で漸次変化した傾斜姿勢となる。したがって、この状態で通気路内に侵入した潤滑剤や異物は、遠心力によって制御部材の内径部へと押し付けられ、その内径部の傾斜に沿って所定方向へと案内される。
すなわち、継手内側が継手外側よりも外径側に傾斜するように制御部材を配置した場合には、遠心力によって、潤滑剤が制御部材の内径部に沿って継手内部に押し戻されるので、潤滑剤の漏洩を好適に抑制することができる。また、継手内側が継手外側よりも内径側に傾斜するように制御部材を配置した場合には、遠心力によって、異物が制御部材の内径部に沿って継手外部に排出されるので、異物の侵入を好適に抑制することができる。さらに、継手内側が継手外側よりも外径側に傾斜した制御部材を、継手内側が継手外側よりも内径側に傾斜した制御部材よりも継手内側に配置した場合には、潤滑剤の漏洩および異物の侵入の双方を効果的に抑制することが可能となる。
上記の構成において、前記制御部材において、軸方向に沿って漸次重量を変化させてもよい。
このようにすれば、制御部材において、重量の大きい側の端部が重量の小さい側の端部よりも作用する遠心力が大きくなるので、遠心力が作用した場合に、重量の大きい側の端部が重量の小さい側の端部よりも外径側に移動することになる。そのため、継手回転時において、制御部材が、回転半径が軸方向で漸次変化する傾斜姿勢となる。したがって、既に述べた段落[0020]〜[0021]に記載の作用効果を同様に享受することができる。
さらに、継手の回転数が減少すると、重量の小さい側の端部から重量の大きい側の端部に向かって、制御部材の内径部とこれと対向する面との間の通気路が順次閉鎖されていく。したがって、例えば、制御部材の継手内部側端部の重量を継手外部側端部よりも小さくすれば、通気路が継手内部から継手外部に向かって順に閉鎖されることになるので、通気路内に侵入した異物を外部へと排出することができる。これとは逆に、例えば、制御部材の継手内部側端部の重量を継手内部側端部よりも大きくすれば、通気路が継手外部から継手内部に向かって順に閉鎖されることになるので、通気路内に侵入した潤滑剤を継手内部に押し戻すことができる。
上記の構成において、前記通気路内のうち、前記制御部材が配置された領域を除く箇所に、路内に向かって突出する突出部を設けてもよい。
このようにすれば、遠心力によって制御部材が外径側に移動してブーツの嵌合部の内外が通気路を介して連通した状態においても、突出部によって通気路が一部狭小となるので、当該領域でラビリンスシールが構成される。したがって、突出部を境界として、潤滑剤の漏洩及び異物の侵入の双方を確実に抑制することが可能となる。
上記の構成において、前記通気路を、前記嵌合部の周方向に間隔をおいて複数設けてもよい。
上記の構成を備えた等速自在継手は、プロペラシャフト用として好適に使用することができる。
すなわち、プロペラシャフト用の等速自在継手にあっては、高速回転動作が要求されることから、作用する遠心力も大きく、制御部材による上述の作用効果を十分に発揮することができる。
以上のように本発明によれば、継手の回転によってブーツに遠心力が作用した場合に、ブーツの嵌合部に配置された制御部材が外径側に移動し、継手内外を連通する通気路が形成されるので、ブーツの過大変形を抑制するための通気性を確保することができる。そして、継手が停止すると、ブーツの嵌合部の弾性復帰により制御部材が内径側に移動して、通気路が閉鎖されることから、ブーツのシール性を適正に発揮することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態で、レブロ型等速自在継手(LJ)に適用した場合を例示する。なお、本発明はこのレブロ型等速自在継手に限らず、例えば、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)などの摺動式等速自在継手や他の固定式等速自在継手を含む、プロペラシャフトに使用され得る等速自在継手全般に広く適用可能である。
このレブロ型等速自在継手は、内側継手部材としての内輪1、外側継手部材としての外輪2、トルク伝達部材としての複数のボール3、およびケージ4を主たる構成要素として備えている。
内輪1は、その外周面に複数のトラック溝1aが形成されている。この内輪1の中心孔の内径にスプライン1bを形成すると共にシャフト5の軸部5aの外径にスプライン5bを形成することにより、その内輪1の中心孔にシャフト5の軸部5aを挿入してスプライン嵌合により連結して両者間でのトルク伝達を可能にしている。このシャフト5の軸部5aの先端には輪溝5cが設けられ、この輪溝5cに装着されたスナップリング6を内輪1の端面にて係止させることにより、シャフト5は内輪1に対して抜け止めされている。
外輪2は、内輪1の外周に配置され、その内周面に内輪1のトラック溝1aと同数のトラック溝2aが形成されている。内輪1のトラック溝1aと外輪2のトラック溝2aは、軸線に対して反対方向に傾斜した角度をなし、対をなす内輪1のトラック溝1aと外輪2のトラック溝2aとの交叉部にボール3が組み込まれる。内輪1の外周面と外輪2の内周面との間にケージ4が配置され、ボール3はケージ4のポケット4a内で転動自在に保持される。
この外輪2の軸方向一端側には、継手内部に充填した潤滑剤(例えばグリース)の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するためのエンドキャップ7がボルト締めにより固定され、軸方向他端側の外輪2とシャフト5との間には密封装置が装着されている。
この密封装置は可撓性のブーツ8と金属製のブーツアダプタ9とからなる。ブーツ8は、大径嵌合部8a、小径嵌合部8b、および大径嵌合部8aと小径嵌合部8bとを連結する断面Uの字状の中間部8cを有する。ブーツアダプタ9は円筒形で、一端に外輪2の外周面と嵌合するフランジ9aを有し、エンドキャップ7と共にボルト締めにより外輪2に固定される。ブーツ8の小径嵌合部8bはシャフト5に取り付けてブーツバンド10で締め付けられている。ブーツ8の大径嵌合部8aはブーツアダプタ9の端部9bを加締めて保持されている。
ブーツ8は、ゴム材料又は樹脂材料等の弾性材料にて構成され、例えば、エステル系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、スチレン系等の熱可塑性エラストマー、あるいは熱可塑性エラストマーよりも圧縮永久歪み量が小さいCR、NBR、シリコンあるいはフッ素ゴム、クロロプレン等のゴム材料が好適である。前述した熱可塑性エラストマーは、ブーツ8の素材として、疲労性や摩耗性などの耐久性、耐熱老化性、耐油性、高速回転性(回転時振れ廻り性)に優れ、安定した機能を発揮する。
シャフト5の外周面には環状凹部5dが形成され、この環状凹部5dにブーツ8の小径嵌合部8bが外嵌され、ブーツバンド10で締め付けられている。小径嵌合部8bは肉厚の円筒部からなり、自由状態でその内径が環状凹部5dの外径よりもわずかに小さく設定されており、これによって、環状凹部5dに対する嵌着性を担保している。また、小径嵌合部8bの外周面には周方向溝8dが形成され、この周方向溝8dにブーツバンド10が嵌合している。
ブーツ8の小径嵌合部8bには、継手内外を貫通する貫通孔11が設けられている。この貫通孔11は、ブーツ8の小径嵌合部8bの周方向において、1箇所又は断続的に複数箇所形成される。
詳述すると、貫通孔11は、図2に拡大して示すように、小径嵌合部8bに軸方向に沿って形成されており、その内部には小径嵌合部8bよりも比重の大きいマス(制御部材)12が配置されている。このマス12は、その内径面がこれに対向する貫通孔11の壁面に対して密着・離反可能な状態で、貫通孔11を実質的に封止している。これにより、貫通孔11の連通状態をマス12によって遮断し、継手停止時におけるブーツ8のシール性を確保している。
マス12の材料は、小径嵌合部8bよりも比重が大きいものであれば特に限定されず、金属、樹脂、ゴム等が使用可能である。マス12を樹脂やゴムで形成する場合、ブーツを形成するベース材と異なるベース材を使用する他、同じベース材を使用しつつ、充填剤の種類や配合量をベース材と異ならせることにより比重に差を設けることができる。
以上のように構成された継手が回転してブーツ8に遠心力が作用した場合には、図3に示すように、マス12が外径側に移動し、マス12の内径面がこれと対向する貫通孔11の壁面から離反する。これにより、マス12の内径面とこれに対向する貫通孔11の壁面との間に隙間が形成される。この隙間を介して貫通孔11が連通状態となり、この状態で貫通孔11が通気路として機能する。したがって、継手回転時には、貫通孔11を介して継手内外が連通されることから、内外圧の均衡を保つことができる。よって、高速回転時の内圧膨張によるブーツ8の変形および減圧時の凹み等によるブーツ8の過大変形を好適に抑制することが可能となる。
特に、マス12を弾性材料で形成した場合には、遠心力によって、小径嵌合部8bのみならずマス12自体も圧縮変形させることができるので、上記の貫通孔11の連通状態をより円滑に実現できる。
一方、継手が停止すると、ブーツ8の小径嵌合部8bの弾性復帰により、マス12が内径側に移動し、マス12の内径面とこれに対向する貫通孔11の壁面との間の隙間が実質的になくなり、貫通孔11が閉じられる。その結果、ブーツ8のシール性が再び確保される。
なお、マス12は、軸方向に沿って延びる貫通孔11の全域に亘って必ずしも配置する必要はなく、図4に示すように貫通孔11のうち、継手外部に面する位置のみにマス12を配置したり、或いは継手内部に面する位置のみにマス12を配置するなど、貫通孔11の一部のみに配置するようにしてもよい。
また、マス12の外径面は、これと対向する貫通孔11の壁面に固定するようにしてもよい。このようにすれば、マス12の位置ずれを的確に防止することができる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る等速自在継手の要部を拡大して模式的に示す縦断面図である。この第2実施形態に係る等速自在継手が、上述の第1実施形態に係る等速自在継手と相違するところは、貫通孔11内に、軸方向に2つのマス12を配置した点にある。詳述すると、この2つのマス12は、相互に独立した重量の異なる部材であり、重量によって個々のマス12に作用する遠心力の大きさに相違が生じるようにしてある。これにより、個々のマス12による貫通孔11の開閉タイミングに時間差を設けることが可能となる。
具体的には、例えば、継手外側のマス12よりも継手内側のマス12の重量を重くした場合には、遠心力によって、図6に示すように、先に継手内側のマス12が外径側に移動し、その内径面とこれに対向する貫通孔11の壁面との間に隙間が形成される。そして、さらに継手の回転数が増加して遠心力が大きくなると、継手外側のマス12が外径側に移動してその内径面とこれに対向する貫通孔11の壁面との間に隙間が形成される。この状態で、貫通孔11が連通して通気路が形成される。
一方、この状態から継手の回転数が減少すると、上記の動作とは逆に、継手外側のマス12が先に内径側に移動して貫通孔11との間の隙間を塞ぎ、その後、継手内側のマス12が内径側に移動して貫通孔11との間の隙間を塞ぐ。このようにすれば、継手外側から継手内側に向かって貫通孔11が順次閉じられるので、貫通孔11内に侵入した潤滑剤を継手内部に押し戻すことができ、継手停止時のみならず、継手回転時の潤滑剤の漏洩をも好適に抑制することが可能となる。
マス12の重量を上記の例と逆にすれば、異物を継手外部に好適に排出することが可能となる。また、マス12の重量と配置個数(例えば3つ)を調整することで、貫通孔11の途中から、継手内側および継手外側に向かって、連通していた貫通孔11を、個々のマス12によって順々に閉じるようにすることもできる。このようにすれば、貫通孔11に侵入した潤滑剤を継手内側に、貫通孔11内に侵入した異物を継手外側にそれぞれ押し戻すことができ、ブーツ8のシール性を確保する上で有利となる。
図7は、本発明の第3実施形態に係る等速自在継手の要部を拡大して模式的に示す縦断面図である。この第3実施形態に係る等速自在継手が、上述の第1〜2実施形態と相違するところは、貫通孔11に、軸方向における回転半径が漸次変化するように傾斜部を設け、当該傾斜部に沿うようにマス12を傾斜させた状態で配置した点にある。
詳述すると、この傾斜部は、軸方向における継手内側(ブーツ8の内部側)が継手外側(ブーツ8の外部側)よりも外径側に傾斜した第1傾斜部11aと、軸方向における継手内側が継手外側よりも内径側に傾斜した第2傾斜部11bとから構成されている。第1傾斜部11aの一端部は継手内部に開放しており、第2傾斜部11bの一端部は継手外部に開放している。第1傾斜部11aの他端と、第2傾斜部11bの他端とが直接連結され、その連結部分で屈曲部13が形成されている。
これら第1傾斜部11aと第2傾斜部11bには、それぞれマス12が配置されており、それぞれのマス12の内径面が、第1傾斜部11aと第2傾斜部11bに沿った傾斜面を形成している。
そして、継手回転時の遠心力によって、マス12が外径側に移動した場合には、図8に示すように、第1傾斜部11aに配置されたマス12の内径面が、継手内側が継手外側よりも外径側に傾斜する傾斜面をなすと共に、その傾斜面と貫通孔11との間に隙間が形成される。また、第2傾斜部11bに配置されたマス12の内径面が、継手内側が継手外側よりも内径側に傾斜する傾斜面をなすと共に、その傾斜面と貫通孔11との間に隙間が形成される。すなわち、継手の回転時に、第1傾斜部11aに配置されたマス12の内径面と、第2傾斜部11bに配置されたマス12の内径面によって軸方向における回転半径が漸次変化する傾斜面がそれぞれ形成される。
したがって、上述のように貫通孔11が連通して通気路が形成された状態で、貫通孔11内に入り込んだ潤滑剤が第1傾斜部11aに配置されたマス12の内径面に沿って継手内部に戻る方向(図の矢印A方向)に力を受けるので、潤滑剤の漏洩を好適に抑制することができる。さらに、貫通孔11内に入り込んだ異物は、第2傾斜部11bに配置されたマス12の内径面に沿って継手外部に排出される方向(図の矢印B方向)に力を受けるので、異物の侵入を好適に抑制することができる。
そして、第1傾斜部11aの一端部が、継手内部に開放していることから、第1傾斜部11aに入り込んだ潤滑剤を、途中で滞留させることなく確実に継手内部に押し戻すことができる。さらに、第2傾斜部11bの一端部が、継手外部に開放していることから、第2傾斜部11bに入り込んだ異物を継手外部に確実に排出することができる。
図9は、本発明の第4実施形態に係る等速自在継手の要部を拡大して模式的に示す縦断面図である。この第4実施形態に係る等速自在継手と、上述の第1〜3の実施形態に係る等速自在継手とが相違する第1の相違点は、2つのマス12、12の間に、貫通孔11内に突出する突出部14を設けたところにある。この実施形態では、突出部14を貫通孔11の内径側と外径側にそれぞれ設け、両突出部14の先端をそれぞれ対面させている。
これにより、図10に示すように、遠心力によって各マス12が外径側に移動して貫通孔11が連通して通気路が形成された場合に、その連通状態にある貫通孔11の通気路が、突出部14によって一部狭小になるので、当該部分でラビリンスシールが構成される。したがって、当該ラビリンスシールにより潤滑剤の漏洩および異物の侵入をより好適に抑制することが可能となる。
第2の相違点は、各マス12の体積を、それぞれ軸方向に沿って漸次変化させることにより、軸方向に沿って重量を変化させたところにある。
これにより、各マス12において、重量の大きい側の端部(継手内側に位置するマス12の継手内側の端部、継手外側に位置するマス12の継手外側の端部)が、重量の小さい側の端部よりも作用する遠心力が大きくなるので、図10に示すように、継手回転時に重量の大きい側の端部が、重量の小さい側の端部よりも外径側に移動することになる。そのため、継手回転時において、個々のマス12が、回転半径が軸方向で漸次変化する傾斜姿勢となる。したがって、上記の第3実施形態と同様の作用効果を享受することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施することができる。小径嵌合部8bの肉部に貫通孔11を設け、この貫通孔11を通気路として機能させるものを説明したが、例えば、小径嵌合部8bの内周面とシャフト5の外周面との少なくとも一方に軸方向に沿って溝を設け、この溝の内部にマス12を配置することにより、この溝を通気路として機能させるようにしてもよい。この場合、マス12の外径面は、これと対向する溝の壁面に固定することが好ましい。
また、上記の実施形態では、プロペラシャフトに使用される断面U字状の中間部8cを有するブーツ8に貫通孔11を形成する場合を例に取って説明したが、ドライブシャフトに使用されるような蛇腹形状の屈曲部を有するブーツ8に、上述のような通気路として機能する貫通孔11や溝を形成した場合にも、同様の作用効果を享受することができる。
本発明の第1実施形態で、レブロ型等速自在継手の全体構成を模式的に示す縦断面図である。 図1の等速自在継手の停止時におけるブーツの状態を模式的に示す要部拡大縦断面である。 図1の等速自在継手の回転時におけるブーツの状態を模式的に示す要部拡大縦断面図である。 第1実施形態の変形例を模式的に示す要部拡大縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る等速自在継手の停止時におけるブーツの状態を模式的に示す要部拡大縦断面図である。 図5の等速自在継手の回転時におけるブーツの状態の模式的に示す要部拡大縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る等速自在継手の停止時におけるブーツの状態を模式的に示す要部拡大縦断面図である。 図7の等速自在継手の回転時におけるブーツの状態を模式的に示す要部拡大縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る等速自在継手の停止時におけるブーツの状態を模式的に示す要部拡大縦断面図である。 図9の等速自在継手の回転時におけるブーツの状態を模式的に示す要部拡大縦断面図である。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 ボール
4 ケージ
5 シャフト
6 スナップリング
7 エンドキャップ
8 ブーツ
9 ブーツアダプタ
10 ブーツバンド
11 貫通孔(通気路)
12 マス
13 屈曲部
14 突出部

Claims (8)

  1. 外側継手部材と、シャフトに結合される内側継手部材と、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間でトルク伝達を行うトルク伝達部材と、弾性材料で形成され、継手内外を区画すると共に一端が前記シャフトに嵌合されるブーツとを備えた等速自在継手において、
    前記ブーツにおける前記シャフトとの嵌合部に、該嵌合部よりも比重が大きく且つ内径部がこれに対向する面と密着・離反可能な制御部材を配置し、継手回転時に、前記制御部材の内径部とこれに対向する面との間に隙間を形成し、該隙間を介して継手内外を連通する通気路を形成したことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記通気路内に、前記制御部材を2つ以上配置したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記各制御部材の重量を異ならせたことを特徴とする請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 前記制御部材を回転半径が軸方向で漸次変化するように傾斜させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の等速自在継手。
  5. 前記制御部材において、軸方向に沿って漸次重量を変化させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の等速自在継手。
  6. 前記通気路のうち、前記制御部材が配置された領域を除く箇所に、路内に向かって突出する突出部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の等速自在継手。
  7. 前記通気路を、前記嵌合部の周方向に間隔をおいて複数設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の等速自在継手。
  8. プロペラシャフトに使用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107489736A (zh) * 2017-09-12 2017-12-19 温州聚泉汽车部件有限公司 一种等速万向节驱动轴总成

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